JP2000269001A - 過電流保護用素子 - Google Patents
過電流保護用素子Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 常温において低抵抗特性で、高温時におい
て高抵抗特性を保持する信頼性に優れたかつ常温におけ
る抵抗の小さい過電流保護素子を提供することである。 【解決手段】 本発明の過電流保護用素子は、高抵抗材
料の第二導電材料を造粒・成形した内部粒子3と、この
内部粒子3の表面に第一導電性材料の被覆部4とからな
る被覆粒子を多数備える。これら被覆粒子同士が圧縮・
成形され偏平状に形成されることにより、過電流保護用
素子を製造する。常温においては、被覆部4の導電性ポ
リマーの低抵抗特性1を示すが、高温時においては、内
部粒子3を構成する高抵抗材料の高抵抗特性2が顕著に
なる。
て高抵抗特性を保持する信頼性に優れたかつ常温におけ
る抵抗の小さい過電流保護素子を提供することである。 【解決手段】 本発明の過電流保護用素子は、高抵抗材
料の第二導電材料を造粒・成形した内部粒子3と、この
内部粒子3の表面に第一導電性材料の被覆部4とからな
る被覆粒子を多数備える。これら被覆粒子同士が圧縮・
成形され偏平状に形成されることにより、過電流保護用
素子を製造する。常温においては、被覆部4の導電性ポ
リマーの低抵抗特性1を示すが、高温時においては、内
部粒子3を構成する高抵抗材料の高抵抗特性2が顕著に
なる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、PTC効果を持
つPTC素子材料により構成した過電流保護回路q用素
子に関する。
つPTC素子材料により構成した過電流保護回路q用素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性材料が温度にしたがって固有抵抗
が変化することは従来より知られている。ある温度範囲
において固有抵抗値が急激に増大する導電材料のうち、
正温度係数を示すものは、PTC素子材料と呼ばれてい
る。
が変化することは従来より知られている。ある温度範囲
において固有抵抗値が急激に増大する導電材料のうち、
正温度係数を示すものは、PTC素子材料と呼ばれてい
る。
【0003】PTC素子材料は、一般的に2種類に分け
られる。一つは、チタン酸バリウムのような無機酸化物
に代表されるセラミックPTC素子材料、もう一つは、
導電性ポリマー材料、例えば、ポリマー中に特殊な導電
性材料(フィラー)を分散させて形成される導電性ポリ
マーを用いたPTC素子材料がある。
られる。一つは、チタン酸バリウムのような無機酸化物
に代表されるセラミックPTC素子材料、もう一つは、
導電性ポリマー材料、例えば、ポリマー中に特殊な導電
性材料(フィラー)を分散させて形成される導電性ポリ
マーを用いたPTC素子材料がある。
【0004】セラミックPTC素子材料に関する特徴と
して、利点として安定した電気特性を有し繰り返しの使
用における再現性に優れている。
して、利点として安定した電気特性を有し繰り返しの使
用における再現性に優れている。
【0005】ところで、常温(25℃)における固有抵
抗値は、近年の研究においても、10オーム・cm以上
であり大電流における回路への応用は限定されるもので
あった。また、機械的な性質においてもセラミックであ
るがゆえに、もろく、成形が難しいという欠点があっ
た。
抗値は、近年の研究においても、10オーム・cm以上
であり大電流における回路への応用は限定されるもので
あった。また、機械的な性質においてもセラミックであ
るがゆえに、もろく、成形が難しいという欠点があっ
た。
【0006】一方、導電性ポリマーを用いたPTC素子
材料に関して、利点として、常温(25℃)において、
低い固有抵抗値(10オーム・cm以下)を示し高温
(120℃付近)において常温時における固有抵抗の1
000倍以上の高い固有抵抗値を示す。したがって、大
電流における回路に対して広範囲の応用が可能となりま
た小型化も可能となった。
材料に関して、利点として、常温(25℃)において、
低い固有抵抗値(10オーム・cm以下)を示し高温
(120℃付近)において常温時における固有抵抗の1
000倍以上の高い固有抵抗値を示す。したがって、大
電流における回路に対して広範囲の応用が可能となりま
た小型化も可能となった。
【0007】しかしながら、PTC効果の基本的な原理
が結晶性ポリマーの融解に起因するため、繰り返しの使
用に対する信頼性に不安がある。また、機械的な特性に
ついても、熱可塑性ポリマーのため高温時に変形が起こ
りやすく、断線や短絡がおこりやすいという欠点があっ
た。
が結晶性ポリマーの融解に起因するため、繰り返しの使
用に対する信頼性に不安がある。また、機械的な特性に
ついても、熱可塑性ポリマーのため高温時に変形が起こ
りやすく、断線や短絡がおこりやすいという欠点があっ
た。
【0008】このような従来の技術の欠点に対して、P
TC素子を用いた過電流保護回路用素子の構成をセラミ
ック材料や導電性ポリマーの各々の組成により、特性や
信頼性を向上するように、導電性ポリマーに分散される
導電材料としてチタン酸バリウムなどの無機酸化物を分
散させる手段が用いられている。
TC素子を用いた過電流保護回路用素子の構成をセラミ
ック材料や導電性ポリマーの各々の組成により、特性や
信頼性を向上するように、導電性ポリマーに分散される
導電材料としてチタン酸バリウムなどの無機酸化物を分
散させる手段が用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな無機酸化物を分散したPTC素子でも、基本的にセ
ラミック材料および導電性ポリマーの持つ欠点を補うも
のではなく、所望の抵抗−温度特性を持つPTC素子を
得ることができなかった。
うな無機酸化物を分散したPTC素子でも、基本的にセ
ラミック材料および導電性ポリマーの持つ欠点を補うも
のではなく、所望の抵抗−温度特性を持つPTC素子を
得ることができなかった。
【0010】そこで、本発明の技術的課題(目的)は、
所望の抵抗−温度特性を持つPTC素子すなわち過電流
保護素子を得ることである。
所望の抵抗−温度特性を持つPTC素子すなわち過電流
保護素子を得ることである。
【0011】すなわち、常温において、導電性ポリマー
の特徴である低抵抗特性を示す一方、高温時において、
高抵抗材料、例えば、セラミック材料において高抵抗を
保持する特性を示すことを特徴とし、信頼性に優れたか
つ常温における抵抗の小さい特性を示す過電流保護素子
を提供するものである。
の特徴である低抵抗特性を示す一方、高温時において、
高抵抗材料、例えば、セラミック材料において高抵抗を
保持する特性を示すことを特徴とし、信頼性に優れたか
つ常温における抵抗の小さい特性を示す過電流保護素子
を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、電力を
供給する装置に直列に接続されインピーダンスRLオー
ムを有するPTC素子として電気回路を保護するための
過電流保護用素子において、該過電流保護用素子は、導
電性ポリマーを含み造粒・成形される第一導電材料と、
高抵抗材料を含む第二導電材料とから成り、該第二導電
材料に前記第一導電材料を被膜して、内部粒子とその外
部表面を被膜する被覆部とからなる被覆粒子を多数備
え、0.01〜100ミクロンの厚みを持つようにこれ
ら被覆部同士が密接に接触するように圧縮・成形され、
常温において前記第一導電材料の中が導電性ポリマーの
低抵抗特性を示す一方、高温時において前記第二導電材
料の中の高抵抗材料が高抵抗保持特性を示すことを特徴
とする過電流保護用素子が得られる。
供給する装置に直列に接続されインピーダンスRLオー
ムを有するPTC素子として電気回路を保護するための
過電流保護用素子において、該過電流保護用素子は、導
電性ポリマーを含み造粒・成形される第一導電材料と、
高抵抗材料を含む第二導電材料とから成り、該第二導電
材料に前記第一導電材料を被膜して、内部粒子とその外
部表面を被膜する被覆部とからなる被覆粒子を多数備
え、0.01〜100ミクロンの厚みを持つようにこれ
ら被覆部同士が密接に接触するように圧縮・成形され、
常温において前記第一導電材料の中が導電性ポリマーの
低抵抗特性を示す一方、高温時において前記第二導電材
料の中の高抵抗材料が高抵抗保持特性を示すことを特徴
とする過電流保護用素子が得られる。
【0013】この過電流保護用素子において、前記第一
導電材料は、黒鉛と導電性ポリマーとしてのポリエチレ
ンとを予め定められた割合で混合したものであり、前記
第二導電材料の中の高抵抗材料は、チタン酸バリウムで
あることを特徴とする過電流保護用素子が得られる。
導電材料は、黒鉛と導電性ポリマーとしてのポリエチレ
ンとを予め定められた割合で混合したものであり、前記
第二導電材料の中の高抵抗材料は、チタン酸バリウムで
あることを特徴とする過電流保護用素子が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
過電流保護用素子を図1〜図3を用いて説明する。
過電流保護用素子を図1〜図3を用いて説明する。
【0015】図2に示すように、本発明の実施の形態に
よる過電流保護素子では、導電性ポリマーを含み造粒・
成形される第一導電材料と、高抵抗材料を含む第二導電
材料とから成る。第二導電材を第一導電材料で被膜する
ことにより、第二導電材料から成る内部粒子3とその外
部表面を被膜する第一導電材料から成る被覆部4とから
なる被覆粒子を多数備え、0.01〜100ミクロンの
厚みを持つようにこれら被覆部4同士が密接に接触する
ように圧縮・成形される。
よる過電流保護素子では、導電性ポリマーを含み造粒・
成形される第一導電材料と、高抵抗材料を含む第二導電
材料とから成る。第二導電材を第一導電材料で被膜する
ことにより、第二導電材料から成る内部粒子3とその外
部表面を被膜する第一導電材料から成る被覆部4とから
なる被覆粒子を多数備え、0.01〜100ミクロンの
厚みを持つようにこれら被覆部4同士が密接に接触する
ように圧縮・成形される。
【0016】第一導電材料は、ポリエチレン、アクリ
ル、ポリ塩化ビニルなどの絶縁材料が導電性ポリマーと
して用いられる。第一導電材料は、導電性ポリマー以外
には、無機酸化物、金属、黒鉛、カーボンブラック等の
材料で構成される。
ル、ポリ塩化ビニルなどの絶縁材料が導電性ポリマーと
して用いられる。第一導電材料は、導電性ポリマー以外
には、無機酸化物、金属、黒鉛、カーボンブラック等の
材料で構成される。
【0017】また、第二導電材料の中の高抵抗材料は、
チタン酸バリウムなどの半導体材料、SiCSnOなど
の無機酸化物、カンタル、ニッケルクロムの金属などが
ある。ここで、カンタルとは、Kanthal線のFe
−Cr−Al−Co合金でニクロムと同様に電熱用抵抗
材料に使用されるものである。
チタン酸バリウムなどの半導体材料、SiCSnOなど
の無機酸化物、カンタル、ニッケルクロムの金属などが
ある。ここで、カンタルとは、Kanthal線のFe
−Cr−Al−Co合金でニクロムと同様に電熱用抵抗
材料に使用されるものである。
【0018】圧縮・成形の際に、複数の被覆粒子は圧力
を受けて偏平状になり、例えば、円板状に形成された
後、両側に電極をそれぞれメタライズすれば、本発明の
過電流保護用素子であるPTC素子を製造できる。本発
明の過電流保護用素子を接続した電気回路において、電
源から電流が回路保護器を介して本発明の過電流保護素
子に流れ、過電流保護素子すなわちPTC素子が加熱さ
れる。そして、回路の電流や温度の異常な上昇により、
PTC素子の第一導電材料の抵抗が上昇し、第二導電材
料の抵抗値を超えるに従って、電流は、第二導電材を経
由して流れるようになる。第二導電材料は、PTC素子
の温度上昇によって、少なくとも3000オーム・cm
の99%の高抵抗を示すため、過電流保護のための機能
はこの時点において、第一導電材料の一部と第二導電材
料によって高抵抗が保持され、異常電流を正常電流以下
に抑制する。
を受けて偏平状になり、例えば、円板状に形成された
後、両側に電極をそれぞれメタライズすれば、本発明の
過電流保護用素子であるPTC素子を製造できる。本発
明の過電流保護用素子を接続した電気回路において、電
源から電流が回路保護器を介して本発明の過電流保護素
子に流れ、過電流保護素子すなわちPTC素子が加熱さ
れる。そして、回路の電流や温度の異常な上昇により、
PTC素子の第一導電材料の抵抗が上昇し、第二導電材
料の抵抗値を超えるに従って、電流は、第二導電材を経
由して流れるようになる。第二導電材料は、PTC素子
の温度上昇によって、少なくとも3000オーム・cm
の99%の高抵抗を示すため、過電流保護のための機能
はこの時点において、第一導電材料の一部と第二導電材
料によって高抵抗が保持され、異常電流を正常電流以下
に抑制する。
【0019】本発明において、第一導電材料の中の導電
性ポリマーは、絶縁材料の樹脂として、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリメタル酸
メチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニルなどの独義のビニル系樹脂、アクリロニトリル
・スチレン樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ
化系樹脂、繊維素系樹脂、フォルマリン系樹脂、エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート樹脂、また
樹脂をゴムに置き換えたり混合して構成することが挙げ
られる。
性ポリマーは、絶縁材料の樹脂として、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリメタル酸
メチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニルなどの独義のビニル系樹脂、アクリロニトリル
・スチレン樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ
化系樹脂、繊維素系樹脂、フォルマリン系樹脂、エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート樹脂、また
樹脂をゴムに置き換えたり混合して構成することが挙げ
られる。
【0020】第一導電材料は、導電性ポリマーと混合さ
れる材料として、無機酸化物、金属、黒鉛、カーボンブ
ラックなどが挙げられる。
れる材料として、無機酸化物、金属、黒鉛、カーボンブ
ラックなどが挙げられる。
【0021】第二導電材料の高抵抗材料として、チタン
酸バリウムなどの半導体材料SiO2 、SnOなどの無
機酸化物、カンタル、ニッケルクロムなどの高抵抗の金
属が挙げられる。
酸バリウムなどの半導体材料SiO2 、SnOなどの無
機酸化物、カンタル、ニッケルクロムなどの高抵抗の金
属が挙げられる。
【0022】本発明によれば、電源から電流が回路保護
器を介して過電流保護素子に流れると、PTC素子が加
熱される。そして、回路の電流や温度の異常な上昇によ
り、PTC素子を構成する第一導電材料の抵抗が上昇
し、第二導電材料の抵抗を超えるにしたがって、電流
は、第二導電材料を経由して流れるようになる。第二導
電材料は、PTC素子の温度上昇によって、少なくとも
3000オーム・cmに対して99%の高抵抗を示すた
め、過電流保護機能は、この時点において、第一導電材
料の一部と第二導電材料によって高抵抗が保持され、異
常電流を正常電流以下に抑制する。
器を介して過電流保護素子に流れると、PTC素子が加
熱される。そして、回路の電流や温度の異常な上昇によ
り、PTC素子を構成する第一導電材料の抵抗が上昇
し、第二導電材料の抵抗を超えるにしたがって、電流
は、第二導電材料を経由して流れるようになる。第二導
電材料は、PTC素子の温度上昇によって、少なくとも
3000オーム・cmに対して99%の高抵抗を示すた
め、過電流保護機能は、この時点において、第一導電材
料の一部と第二導電材料によって高抵抗が保持され、異
常電流を正常電流以下に抑制する。
【0023】
【表1】
【0024】表1の第一導電材料は、導電性ポリマーと
絶縁材料との混合物である。第一導電材料として、導電
性ポリマーの高密度ポリエチレンと絶縁材料としての黒
鉛を表1に示す割合において混合し、温度185℃にお
いて、ミキシングローラを用いて約10分間混練し十分
に分散を行う。試料a〜eすなわち第一導電材料混練物
を得た。第一導電材料混練物の抵抗率は、常温において
2オーム・cm、120℃において5000オーム・c
mになるようにポリエチレンと黒鉛の配合比を選択し
た。
絶縁材料との混合物である。第一導電材料として、導電
性ポリマーの高密度ポリエチレンと絶縁材料としての黒
鉛を表1に示す割合において混合し、温度185℃にお
いて、ミキシングローラを用いて約10分間混練し十分
に分散を行う。試料a〜eすなわち第一導電材料混練物
を得た。第一導電材料混練物の抵抗率は、常温において
2オーム・cm、120℃において5000オーム・c
mになるようにポリエチレンと黒鉛の配合比を選択し
た。
【0025】
【表2】
【0026】表2の第二導電材料は、チタン酸バリウム
と導電性ポリマーの高密度ポリエチレンとの混合物であ
る。
と導電性ポリマーの高密度ポリエチレンとの混合物であ
る。
【0027】第二導電材料では、直径1ミクロンのチタ
ン酸バリウム粉末を直径約50〜60ミクロンの球体に
なるよう造粒した。試料A〜Eすなわち第二導電材料造
粒物は、常温において100オーム・cm、120℃に
おいて4500オーム・cmとなる組成のものを選択し
た。
ン酸バリウム粉末を直径約50〜60ミクロンの球体に
なるよう造粒した。試料A〜Eすなわち第二導電材料造
粒物は、常温において100オーム・cm、120℃に
おいて4500オーム・cmとなる組成のものを選択し
た。
【0028】第二導電材料造粒物を焼結後、約200℃
の温度において第一導電材料混練物を融解し、その中
に、第二導電材料造粒物であるチタン酸バリウムを混合
し、ミキシングローラにおいて混練した。第二導電材料
を被覆する第一導電材料は、厚さ約50ミクロンになる
ように調整した。
の温度において第一導電材料混練物を融解し、その中
に、第二導電材料造粒物であるチタン酸バリウムを混合
し、ミキシングローラにおいて混練した。第二導電材料
を被覆する第一導電材料は、厚さ約50ミクロンになる
ように調整した。
【0029】第二導電材料に第一導電材料を被覆した被
膜粒子は、約180℃において熱プレスを行い、厚さ3
00ミクロンになるよう調整した。これによって得られ
た形状は、シート状であった。このシートにNi板厚さ
方向に熱プレスによって2枚貼り合わせた。これにより
得られた過電流保護素子の温度と抵抗の関係を図1に示
す。図1から明らかな様に、常温(26℃)において
は、第一導電材料の抵抗率に対して第二導電材料の抵抗
率が高いため、電流は、第一導電材料を流れる。これに
対して、温度120℃においては、第一導電材料が正温
度特性を示し、第二導電材料の抵抗率を上回る。この状
態において流れる電流は、第一導電材料の一部を経て抵
抗率の小さい第二導電材料を流れる。次に、試料aおよ
び試料dを破断し、その断面をダイヤモンドペーストを
用いて鏡面加工し、電子走査顕微鏡において観察した結
果を図2に示す。
膜粒子は、約180℃において熱プレスを行い、厚さ3
00ミクロンになるよう調整した。これによって得られ
た形状は、シート状であった。このシートにNi板厚さ
方向に熱プレスによって2枚貼り合わせた。これにより
得られた過電流保護素子の温度と抵抗の関係を図1に示
す。図1から明らかな様に、常温(26℃)において
は、第一導電材料の抵抗率に対して第二導電材料の抵抗
率が高いため、電流は、第一導電材料を流れる。これに
対して、温度120℃においては、第一導電材料が正温
度特性を示し、第二導電材料の抵抗率を上回る。この状
態において流れる電流は、第一導電材料の一部を経て抵
抗率の小さい第二導電材料を流れる。次に、試料aおよ
び試料dを破断し、その断面をダイヤモンドペーストを
用いて鏡面加工し、電子走査顕微鏡において観察した結
果を図2に示す。
【0030】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明による過電
流保護素子は多数の被膜粒子で構成されているため、常
温時においては被膜粒子の被膜部の導電性ポリマーに電
流が流れこの導電性ポリマーの低抵抗率(10オーム・
cm以下)特性を示す。
流保護素子は多数の被膜粒子で構成されているため、常
温時においては被膜粒子の被膜部の導電性ポリマーに電
流が流れこの導電性ポリマーの低抵抗率(10オーム・
cm以下)特性を示す。
【0031】一方、高温状態および過電流による発熱が
起きている状態においては被膜粒子の内部の造粒・成形
した粒子に電流が流れ込む結果、粒子材料の高抵抗特性
が顕著となる。
起きている状態においては被膜粒子の内部の造粒・成形
した粒子に電流が流れ込む結果、粒子材料の高抵抗特性
が顕著となる。
【0032】従って、本発明によれば、特性的に安定で
あり、再現性、信頼性に優れた過電流保護素子が得られ
るという効果がある。
あり、再現性、信頼性に優れた過電流保護素子が得られ
るという効果がある。
【図1】本発明の実施の形態による過電流保護素子の温
度−抵抗特性図である。
度−抵抗特性図である。
【図2】図3の過電流保護素子の要部を電子走査顕微鏡
により観察するためにII−II線に沿って切断した断
面図である。
により観察するためにII−II線に沿って切断した断
面図である。
【図3】本発明の実施の形態による過電流保護素子の外
観斜視図である。
観斜視図である。
1 第一導電材料の抵抗−温度の特性図 2 第二導電材料の抵抗−温度の特性図 3 第二導電材料から成る内部粒子 4 第一導電材料から成る被膜部
Claims (2)
- 【請求項1】 電力を供給する装置に直列に接続されイ
ンピーダンスRLオームを有するPTC素子として電気
回路を保護するための過電流保護用素子において、 該過電流保護用素子は、導電性ポリマーを含み造粒・成
形される第一導電材料と、高抵抗材料を含む第二導電材
料とから成り、該第二導電材料に前記第一導電材料を被
膜して、内部粒子とその外部表面を被膜する被覆部とか
らなる被覆粒子を多数備え、0.01〜100ミクロン
の厚みを持つようにこれら被覆部同士が密接に接触する
ように圧縮・成形され、 常温において前記第一導電材料の中の導電性ポリマーが
低抵抗特性を示す一方、高温時において前記第二導電材
料の中の高抵抗材料が高抵抗保持特性を示すことを特徴
とする過電流保護用素子。 - 【請求項2】 請求項1に記載の過電流保護用素子にお
いて、 前記第一導電材料は、黒鉛と導電性ポリマーとしてのポ
リエチレンとを予め定められた割合で混合したものであ
り、 前記第二導電材料の中の高抵抗材料は、チタン酸バリウ
ムであることを特徴とする過電流保護用素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7263599A JP2000269001A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 過電流保護用素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7263599A JP2000269001A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 過電流保護用素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000269001A true JP2000269001A (ja) | 2000-09-29 |
Family
ID=13495056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7263599A Withdrawn JP2000269001A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 過電流保護用素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000269001A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004066321A1 (ja) * | 2003-01-17 | 2004-08-05 | Tdk Corporation | 導電性部材及びその製造方法、並びに電気素子及びその製造方法 |
CN116646110A (zh) * | 2018-01-26 | 2023-08-25 | 三菱化学株式会社 | 导电性组合物与其制造方法以及水溶性聚合物与其制造方法 |
-
1999
- 1999-03-17 JP JP7263599A patent/JP2000269001A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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