JP2000268880A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

Info

Publication number
JP2000268880A
JP2000268880A JP11076239A JP7623999A JP2000268880A JP 2000268880 A JP2000268880 A JP 2000268880A JP 11076239 A JP11076239 A JP 11076239A JP 7623999 A JP7623999 A JP 7623999A JP 2000268880 A JP2000268880 A JP 2000268880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
active material
electrode active
initial
battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11076239A
Other languages
English (en)
Inventor
Itsuki Sasaki
厳 佐々木
Yoshio Ukiyou
良雄 右京
Takahiko Honma
隆彦 本間
Tatsuo Noritake
達夫 則竹
Naruaki Okuda
匠昭 奥田
Yoji Takeuchi
要二 竹内
Hideyuki Nakano
秀之 中野
Tetsuo Kobayashi
哲郎 小林
Kazuhiko Mukai
和彦 向
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP11076239A priority Critical patent/JP2000268880A/ja
Publication of JP2000268880A publication Critical patent/JP2000268880A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電容量が高く、高温環境下でのサイクル特
性に優れたリチウム二次電池を提供すること。 【解決手段】 リチウムニッケル複合酸化物を正極活物
質に用いたリチウム二次電池において、正極活物質と導
電剤と結着剤とからなる正極合材中の正極活物質充填率
が43%以上60%以下の範囲内に、電極単位面積当た
りの初回正極充電容量に対する初回負極充電容量の割合
(初回負極充電容量/初回正極充電容量)が1.2以上
1.6以下の範囲内となるように調節してリチウム二次
電池を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
に関し、更に詳しくは、規則配列型層状岩塩構造を有す
るリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用い
たリチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のリチウム二次電池は、高電圧・
高エネルギー密度が得られ、小型・軽量化が図れるとい
うことで、パソコンや携帯電話等の情報通信機器の関連
分野では既に実用化され、また資源問題や環境問題から
電気自動車やハイブリッド電気自動車に搭載される電源
用に採用することも実用的にかなり進められてきた。
【0003】このような状況の中で、市販のリチウム二
次電池の正極活物質としては、これまでコバルト酸リチ
ウム(LiCoO)が一般的に用いられてきたが、コ
スト・資源等の問題から、これに代わる材料としてニッ
ケル酸リチウム(LiNiO )が注目されている。
【0004】従来、このニッケル酸リチウム(LiNi
)は、その放電容量が約190mAh/gと大きい
ものの、LiCoOに比べて平均電位が約0.1V低
いという特徴を有している。また、このニッケル酸リチ
ウムは、その合成時にNiがLiサイト(3aサイト)
へ混入しやすいことから、電池性能を著しく低下させて
しまう。そして、規則性の高い結晶構造を有する活物質
粉末を合成するためには、リチウム塩とニッケル塩を均
一に混合し、酸素雰囲気下において温度範囲を限定して
熱処理しなければならず、煩雑かつ困難なものであっ
た。
【0005】近年、このようなニッケル酸リチウムの作
製方法として様々な方法が提案されているが、例えば特
開平9−259928号公報に、共沈法等の液相法によ
り原子レベルでリチウム塩とニッケル塩とを混合して熱
処理することにより、化学量論組成に近く規則性の高い
結晶構造を有するニッケル酸リチウムの合成方法が開示
されている。
【0006】また、ニッケル酸リチウムはLiの引き抜
きによって六方晶から単斜晶への構造転移が起こってし
まうが、その結晶構造を安定化させる方法としてNiの
一部をCo等の他の元素で置換固溶することも一般的に
なりつつある。このNiの一部をCoで置換したLiN
1−xCoは空気中で合成しても比較的電池特
性が良好な活物質が合成できるという利点を有してい
る。
【0007】また、高温環境下での電池特性を改善する
手段として、特開平8−45509号公報にNiサイト
をB(ホウ素)で置換したものや、特開平9−2749
17号公報にLiサイトをアルカリ土類金属で置換した
もの等も提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−259928号公報、特開平8−45509号公
報、或いは特開平9−274917号公報に開示されて
いるような一部置換を施した正極活物質を用いた電池で
は、高温環境下、特に60℃付近で使用した場合に、依
然として充放電サイクルに伴う容量の劣化が激しく、電
池寿命が短くなっていることが問題となっている。ま
た、このような正極活物質の一部を置換するような改良
においては、初期放電容量の低下を招いてしまう。
【0009】そこで、本発明者らは種々検討した結果、
高温環境下での充放電サイクルに伴う容量低下は正極活
物質のみによるものではなく、電極構成や電池構成にも
依存することが明らかとなった。そして、更に検討を行
ったところ、これら電極構成や電池構成の中でも特に正
極合材(正極活物質、導電剤、結着剤)中の正極活物質
の充填率、或いは単位面積当たりの初回負極充電容量と
初回正極充電容量の割合が高温環境下での電池特性を左
右することが明らかとなった。
【0010】すなわち、この正極合材中の正極活物質の
充填率、或いは単位面積当たりの初回負極充電容量と初
回正極充電容量との割合をある範囲に限定したうえで、
ある特定の正極活物質を用いた電池を設計すれば、電池
の放電容量を低下させることなく、高温環境下でのサイ
クル特性を向上させることができるのではないかとの考
えに至った。
【0011】本発明の解決しようとする課題は、正極活
物質としてリチウムニッケル複合酸化物を用いたリチウ
ム二次電池であって、正極合材中の正極活物質の充填
率、或いは単位面積当たりの初回負極充電容量と初回正
極充電容量との割合を調節することにより、放電容量が
高く、高温環境下でのサイクル特性に優れたリチウム二
次電池を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明のリチウム二次電池は、請求項1に記載のよう
に、組成式LiNi1−a−b(Xは、C
o、Mnから選ばれた1種又は2種以上の元素の組合せ
からなり、Yは、Al、B、Fe、Cr、Ti、Ga、
Mgから選ばれた1種又は2種以上の元素の組合せから
なる。0.01≦a≦0.4、0.001≦b≦0.
2)で表されるリチウムニッケル複合酸化物を正極活物
質として用い、前記正極活物質と導電剤と結着剤とから
なる正極合材中の正極活物質充填率が43%以上60%
以下の範囲にあることを要旨とするものである。
【0013】この場合、導電材は正極活物質に導電性を
付与するために配合され、また、結着剤は正極活物質と
導電材との結合を高めるために配合されるものである
が、この正極合材中の正極活物質充填率を43%以上6
0%以下の範囲に調節して電池を構成することにより、
初期放電容量を低下させることなく、高温環境下でのサ
イクル特性を向上させることができる。
【0014】この「正極活物質充填率」は、数1より求
められるものであるが、この正極活物質充填率が43%
より小さい場合には、正極活物質の導電経路不足や活物
質の電極からの脱離等、電極集電体からの電子供給不足
を引き起こし、結果として初期放電容量の低下や高温環
境下でのサイクル特性が低下してしまう。また、この正
極活物質充填率が60%より大きい場合には、電解液か
らのLi供給不足や無理な加圧による正極活物質の結晶
性の低下等を引き起こし、結果として高温環境下でのサ
イクル特性が劣化してしまう。更に望ましい範囲は、4
5%以上55%以下の範囲である。
【0015】
【数1】正極活物質充填率=(正極合材密度÷正極活物
質真密度)×100
【0016】また、請求項2に記載のように、電極単位
面積当たりの初回正極充電容量に対する初回負極充電容
量の割合(電極単位面積当たりの初回負極充電容量/初
回正極充電容量)が1.2以上1.6以下の範囲にある
ことが望ましい。この値が1.2より小さい場合には、
活性なLi金属の析出等を引き起こしてしまうことから
高温環境下でのサイクル特性が低下してしまう。また、
この値が1.6より大きい場合には、負極の不可逆容量
分が増加してしまったり、電池内に詰め込むことができ
る活物質量が減少してしまい、電池としての放電容量が
減少してしまう。
【0017】本発明に用いる正極活物質において、Xと
して用いられる元素は、サイクル特性、特に高温環境下
でのサイクル特性の向上を目的としてNiサイトを置換
するものであり、Co、Mnから選ばれた1種又は2種
以上の元素の組合せからなるものが好適なものとして用
いられる。
【0018】また、規則配列型層状岩塩構造を有するリ
チウムニッケル複合酸化物は200℃付近で酸素を放出
しながら熱分解してしまい、電池の破裂や発火の原因と
なることから、Yとして用いられる元素は、これらの安
全性を確保することを目的としてNiサイトを置換する
ものであり、Al、B、Fe、Cr、Ti、Ga、Mg
から選ばれた1種又は2種以上の元素の組合せからなる
ものが好適なものとして用いられる。
【0019】そして、このリチウムニッケル複合酸化物
の組成式において、NiサイトへのX元素の置換率を示
すaの値は0.01以上0.4以下の範囲が好ましく、
更に詳しくは0.1以上0.3以下の範囲が好ましい。
このaが0.01より小さい場合には、サイクル特性の
向上に対しての効果が得られにくい。また、aが0.4
より大きい場合には、合成時に規則配列型層状岩塩構造
以外の第2相が生成してしまい、初期放電容量が低下し
てしまう。
【0020】また、NiサイトへのY元素の置換率を示
すbの値は0.001以上0.2以下の範囲が好まし
く、更に詳しくは0.01以上0.2以下の範囲が好ま
しい。このbが0.001より小さい場合には、安全性
の向上に対しての効果が得られにくい。また、bが0.
2より大きい場合には、合成時に規則配列型層状岩塩構
造以外の第2相が生成してしまい、初期放電容量が低下
してしまう。
【0021】尚、負極活物質には、リチウムイオンを吸
蔵、放出することができるリチウム金属、リチウム合
金、リチウム化合物、炭素材料等を用いることができ
る。そして、負極活物質として用いることのできる炭素
材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、カーボ
ンブラック、気相成長炭素、炭素繊維、有機高分子系化
合物を炭素化した材料、又はこれらを熱処理、混合した
材料等を挙げることができる。
【0022】また、正極と負極との間に狭装されるセパ
レータは、正極と負極とを分離し、非水系の電解液を保
持してリチウムイオンを通過させる機能を有するもので
ある。このセパレータには、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等の多孔質フィルム、不織布又は織布等を用いるこ
とができる。
【0023】更に、非水電解液には、上記正極活物質及
び負極活物質に対して安定であり、かつリチウムイオン
がこの正極活物質及び負極活物質と電気化学反応をする
ための移動を行い得るものであれば、いずれも使用する
ことができる。通常は、電解質であるリチウム塩を有機
溶媒に溶解させて用いる。具体的に電解質に使用できる
塩としては、LiPF、LiAsF、LiSb
、LiBF、LiClO、LiI、LiBr、
LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN、L
iSOCF等が挙げられる。これらのうちで特に、
LiPF、LiBF、LiClOが好適である。
【0024】この電解質を溶解する溶媒は任意に選択で
きるが、比較的高誘電率の有機溶媒が好適なものとして
用いられる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカー
ボネート、エチルメチルカーボネート等の非環状カーボ
ネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒド
ロフラン等のグライム類、γ−ブチルラクトン等のラク
トン類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル
等のニトリル類等の1種又は2種以上の溶媒が挙げられ
る。これらのうちで特に、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチル
カーボネート、エチルメチルカーボネート等の非環状カ
ーボネート類から選ばれた1種又は2種以上の混合溶媒
が好適なものとして用いられる。
【0025】また、上記非水電解液に代えて固体電解質
として、上記非水電解液を例えばポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイ
ドのイソシアネート架橋体、フェニレンオキシド、フェ
ニレンスルフィド系ポリマー等の重合体に含浸させた有
機固体電解質、LiN、LiBCl、LiSiO
、LiBO等のリチウムガラスの無機固体電解質
を使用することもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態を詳細に説明する。まず最初に、本発明品(実施例1
〜実施例7)として、正極活物質にリチウムニッケル複
合酸化物を、負極活物質にメソカーボンマイクロビーズ
を用いたリチウム二次電池を作製した。
【0027】(実施例1)まず、実施例1の作製方法に
ついて述べる。正極活物質としては、液相法での混合を
介して作製されたLiNiOの置換体であるLiNi
0.8Co0.15Al0.05を用いた。この正
極活物質は、その真密度が4.75g/cm、単位重
量当たりの初回充電容量(Li引き抜き量)が190m
Ah/gであった。
【0028】そして、これらの正極合材の作製方法とし
ては、上述の活物質100重量部に対して、導電剤とし
てアセチレンブラック5.9重量部を加えてよく混合
し、その後結着剤としてポリフッ化ビニリデン(商品名
「KFポリマー」:呉羽化学工業製)を5.9重量部添
加し、ペースト粘度のための溶剤としてn−メチル−2
−ピロリドンを60〜80重量部を加え、混練すること
により正極合材ペーストを作製した。
【0029】次いで、上述のように作製した正極合材ペ
ーストを厚さ20μmのAl箔の両面に塗工し乾燥させ
る。そして、これをプレスした後、裁断して、幅54m
m、長さ450mm(塗工長さ400mm)の正極を作
製した。このようにして作製された正極には、正極活物
質の塗工量が片面単位面積当たり8.9mg/cm
なるように塗工されている。また、プレス圧、プレス回
数等を調節して、最終的に得られる正極の正極合材密度
(集電体を除く)が2.29g/cmとなるようにプ
レスされている。
【0030】そして、負極活物質として平均粒径25μ
mのメソカーボンマイクロビーズ(大阪ガス社製)を1
00重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(商品
名「KFポリマー」:呉羽化学工業製)を5.3重量
部、更に溶剤としてn−メチル−2−ピロリドンを60
〜70重量部とし、これらを混練して負極合材のペース
トを作製した。このペーストを厚さ10μmのCu箔の
両面に塗工し乾燥させる。そして、これをプレスした
後、裁断して、幅56mm、長さ520mm(塗工長さ
500mm)の負極を作製した。この負極には片面単位
面積当たり7.0mg/cmの負極活物質が塗工され
ている。この負極活物質の単位重量当たりの初回充電容
量(Li挿入量)は330mAh/gであった。
【0031】そして、電池を作製するに際して、予め正
極及び負極の未塗工部分にそれぞれリードを溶接してお
き、正極リードの一方を封口キャップに、負極リードの
一方を電池ケース内の底部に溶接しておく。そして、正
極及び負極のシート電極をセパレータ(ポリエチレン製
25μ厚、幅58mm品:東燃タルピス製)を介してロ
ール上に捲回し、電池缶に挿入する。
【0032】そして、電解液としてエチレンカーボネー
トとジエチルカーボネートを体積比1:1で混合した溶
媒にLiPFを1mol/lの割合になるように溶解
したもの(富山薬品工業製)を用い、これを電池缶に注
入した後、減圧と加圧とを繰り返しながら電極とセパレ
ータの空隙部分に電解液を浸透させた。このときに電池
内に注入されている電解液は約4gである。このように
電解液を注入した後、電池の開口部分に封口キャップを
かしめて電池缶を密閉した。
【0033】このように電池を組み立てた後に、室温で
約1日放置してから、最初の充放電を20℃の恒温槽内
で行った。このときの充電終止電圧を4.1Vとし、放
電終止電圧を3.0Vとして、100mAの定電流充放
電を1回行った。
【0034】以上の工程を経て実施例1の電池を作製し
たが、表1に示すように、この電池の正極活物質充填率
は48.2%、電極単位面積当たりの初回負極充電容量
/初回正極充電容量は1.37であった。
【0035】
【表1】
【0036】(実施例2)実施例2の作製方法として
は、実施例1と正極の作製方法が異なるものである。す
なわち、正極に片面単位面積当たり8.9mg/cm
の正極活物質を塗工し、最終的に得られる正極の正極合
材密度が2.45g/cmになるようにプレスしたこ
と以外は、実施例1と同様の工程で電池を作製した。こ
の実施例2の電池は、表1に示すように、正極活物質充
填率は51.6%、電極単位面積当たりの初回負極充電
容量/初回正極充電容量は1.37であった。
【0037】(実施例3)実施例3の作製方法として
は、実施例1と正極の作製方法が異なるものである。す
なわち、正極に片面単位面積当たり8.9mg/cm
の正極活物質を塗工し、最終的に得られる正極の正極合
材密度が2.60g/cmになるようにプレスしたこ
と以外は、実施例1と同様の工程で電池を作製した。こ
の実施例3の電池は、表1に示すように、正極活物質充
填率は54.7%、電極単位面積当たりの初回負極充電
容量/初回正極充電容量は1.37であった。
【0038】(実施例4)実施例4の作製方法として
は、実施例1と正極の作製方法が異なるものである。す
なわち、正極に片面単位面積当たり8.9mg/cm
の正極活物質を塗工し、最終的に得られる正極の正極合
材密度が2.82g/cmになるようにプレスしたこ
と以外は、実施例1と同様の工程で電池を作製した。こ
の実施例4の電池は、表1に示すように、正極活物質充
填率は59.3%、電極単位面積当たりの初回負極充電
容量/初回正極充電容量は1.37であった。
【0039】(実施例5)実施例5の作製方法として
は、実施例1と正極の作製方法が異なるものである。す
なわち、正極に片面単位面積当たり8.9mg/cm
の正極活物質を塗工し、最終的に得られる正極の正極合
材密度が2.10g/cmになるようにプレスしたこ
と以外は、実施例1と同様の工程で電池を作製した。こ
の実施例5の電池は、表1に示すように、正極活物質充
填率は44.2%、電極単位面積当たりの初回負極充電
容量/初回正極充電容量は1.37であった。
【0040】(実施例6)実施例6の作製方法として
は、実施例1と正極の作製方法が異なるものである。す
なわち、正極に片面単位面積当たり9.5mg/cm
の正極活物質を塗工し、最終的に得られる正極の正極合
材密度が2.29g/cmになるようにプレスしたこ
と以外は、実施例1と同様の工程で電池を作製した。こ
の実施例6の電池は、表1に示すように、正極活物質充
填率は48.2%、電極単位面積当たりの初回負極充電
容量/初回正極充電容量は1.28であった。
【0041】(実施例7)実施例7の作製方法として
は、実施例1と正極の作製方法が異なるものである。す
なわち、正極に片面単位面積当たり7.7mg/cm
の正極活物質を塗工し、最終的に得られる正極の正極合
材密度が2.29g/cmになるようにプレスしたこ
と以外は、実施例1と同様の工程で電池を作製した。こ
の実施例7の電池は、表1に示すように、正極活物質充
填率は48.2%、電極単位面積当たりの初回負極充電
容量/初回正極充電容量は1.58であった。
【0042】次に、これら実施例の電池を評価するため
の比較品として、比較品(比較例1〜比較例4)を作製
した。比較例1〜比較例4の電池は、正極の正極合材密
度が異なるものであり、それ以外は全て同様のものとし
てる。
【0043】(比較例1)比較例1の作製方法として
は、実施例1と正極の作製方法が異なるものである。す
なわち、正極に片面単位面積当たり8.9mg/cm
の正極活物質を塗工し、最終的に得られる正極の正極合
材密度が2.91g/cmになるようにプレスしたこ
と以外は、実施例1と同様の工程で電池を作製した。こ
の比較例1の電池は、表1に示すように、正極活物質充
填率は61.2%、電極単位面積当たりの初回負極充電
容量/初回正極充電容量は1.37であった。
【0044】(比較例2)比較例2の作製方法として
は、実施例1と正極の作製方法が異なるものである。す
なわち、正極に片面単位面積当たり8.9mg/cm
の正極活物質を塗工し、最終的に得られる正極の正極合
材密度が2.02g/cmになるようにプレスしたこ
と以外は、実施例1と同様の工程で電池を作製した。こ
の比較例2の電池は、表1に示すように、正極活物質充
填率は42.5%、電極単位面積当たりの初回負極充電
容量/初回正極充電容量は1.37であった。
【0045】(比較例3)比較例3の作製方法として
は、実施例1と正極の作製方法が異なるものである。す
なわち、正極に片面単位面積当たり7.3mg/cm
の正極活物質を塗工し、最終的に得られる正極の正極合
材密度が2.29g/cmになるようにプレスしたこ
と以外は、実施例1と同様の工程で電池を作製した。こ
の比較例3の電池は、表1に示すように、正極活物質充
填率は48.2%、電極単位面積当たりの初回負極充電
容量/初回正極充電容量は1.67であった。
【0046】(比較例4)比較例4の作製方法として
は、実施例1と正極の作製方法が異なるものである。す
なわち、正極に片面単位面積当たり10.5mg/cm
の正極活物質を塗工し、最終的に得られる正極の正極
合材密度が2.29g/cmになるようにプレスした
こと以外は、実施例1と同様の工程で電池を作製した。
この比較例4の電池は、表1に示すように、正極活物質
充填率は48.2%、電極単位面積当たりの初回負極充
電容量/初回正極充電容量は1.67であった。
【0047】このようにして作製した本発明品(実施例
1〜実施例7)と比較品(比較例1〜比較例4)を評価
するために、それぞれについて60℃環境下でのサイク
ル特性評価試験を行った。このサイクル特性評価試験と
しては、まず、これらの電池を60℃に保持した恒温槽
内に入れて2時間放置した後、充放電を開始する。この
とき、充電終止電圧を4.1Vとし、放電終止電圧を
3.0Vとして、468mAの定電流充放電を100回
行った。そして、1サイクル目の放電時の電池容量を正
極活物質量で割ったものを初期活物質放電容量とし、ま
た、100サイクル後の電池容量と1サイクル目の電池
容量から1サイクル当たりの劣化率を求め、表1にまと
めた。
【0048】表1に示した測定結果から判るように、本
発明品(実施例1〜7)は、いずれも初期活物質放電容
量が160(mAh/g)を越え、しかも劣化率が0.
025(%/cycle)以下となっている。つまり、
これらの電池は、いずれも放電容量が高く、充放電を繰
り返して使用しても劣化の少ない優れたものであるとい
える。
【0049】ここで、正極活物質充填率について各実施
例間での比較をしてみる。初回負極充電容量/初回正極
充電容量が等しく、正極活物質充填率が異なる実施例1
〜実施例5の間での比較をしてみると、いずれも良好な
サイクル特性を示しているものの、この値が高くなるに
つれてサイクル特性がやや劣化する傾向にあり、この値
が小さくなるにつれてサイクル特性の劣化が抑制される
ことが判る。
【0050】また、初回負極充電容量/初回正極充電容
量について実施例間で比較してみる。正極活物質充填率
が等しく、初回負極充電容量/初回正極充電容量が異な
る実施例6と実施例7を比較してみると、いずれも16
0mAh/g以上の値を示しているものの、この値が小
さいと初期放電容量が高く、この値が大きいと初期放電
容量が小さくなる傾向にあることが判る。
【0051】次に、これら本発明品に対して比較品を見
てみる。比較例1及び比較例2は、初回負極充電容量/
初回正極充電容量が1.2〜1.6の範囲にあるが、正
極活物質充填率が43%〜60%の範囲にないものであ
る。比較例1では、サイクル特性の劣化が激しく、比較
例2では、ある程度サイクル特性の劣化を抑制できてい
るものの、いずれの場合も初期放電容量が低くなってお
り、所期する電池性能を得ることができていない。
【0052】また、比較例3及び比較例4は、正極活物
質充填率が43%〜60%の範囲にあるが、初回負極充
電容量/初回正極充電容量が1.2〜1.6の範囲にな
いものである。比較例3では、サイクル劣化の抑制にあ
る程度成果が得られているものの、初期放電容量が低下
してしまっている。また、比較例4では、初期放電容量
については十分な値を示しているものの、サイクル劣化
が激しく、繰り返し使用に耐えられないものとなってい
る。
【0053】以上のことから、正極活物質にリチウムニ
ッケル複合酸化物を用いた電池では、正極活物質充填率
と初回負極充電容量/初回正極充電容量とを調節するこ
とで、放電容量を低下させることなく、高温下環境下で
のサイクル特性の劣化を抑制できることが確認できた。
そして、これを実際の電池に適用する場合には、正極活
物質充填率を43%〜60%の範囲内で、また初回負極
充電容量/初回正極充電容量を1.2〜1.6の範囲内
で調節することが好ましい。
【0054】本発明は、上記した実施例に何等限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の改変が可能である。例えば、上記実施例では正極活物
質にLiNi0.8Co0.15Al0.05を用
いたが、これ以外にLiNiOのNiサイトを他の元
素で置換したものを用いても同様の効果が期待できる。
【0055】更に、本発明のリチウム二次電池のセパレ
ータの材料や電解質の液組成等も、上記実施例に限定さ
れるものではなく、電池構成も、角形、ペーパー形、積
層型、円筒型等、種々のものを適用することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明に係るリチウム二次電池によれ
ば、リチウムニッケル複合酸化物を正極活物質に用いた
リチウム二次電池において、正極活物質と導電剤と結着
剤とからなる正極合材中の正極活物質充填率を43%以
上60%以下の範囲に、電極単位面積当たりの初回正極
充電容量に対する初回負極充電容量の割合(初回負極充
電容量/初回正極充電容量)を1.2以上1.6以下の
範囲に調節することで、初期放電容量、及びサイクル特
性、特に高温環境下でのサイクル特性等の電池性能を向
上させることができる。
【0057】そして、このリチウム二次電池によれば、
正極活物質そのものの組成や結晶構造を改良しなくて
も、正極活物質充填率や初回負極充電容量と初回正極充
電容量との割合を調節することで効果が得られるもので
あり、その経済効果は大きい。本発明品は、パソコンや
携帯電話等は勿論、電気自動車等の大容量の電源等にも
適用できることから産業上極めて有用性の高い発明であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 隆彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 則竹 達夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 奥田 匠昭 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 竹内 要二 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 中野 秀之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小林 哲郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 向 和彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 BB05 BD00 BD03 5H014 AA02 EE10 HH00 HH01 HH04 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL06 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 HJ02 HJ19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式LiNi1−a−b
    (Xは、Co、Mnから選ばれた1種又は2種以上の元
    素の組合せからなり、Yは、Al、B、Fe、Cr、T
    i、Ga、Mgから選ばれた1種又は2種以上の元素の
    組合せからなる。0.01≦a≦0.4、0.001≦
    b≦0.2)で表されるリチウムニッケル複合酸化物を
    正極活物質として用いたリチウム二次電池において、前
    記正極活物質と導電剤と結着剤とからなる正極合材中の
    正極活物質充填率が43%以上60%以下の範囲にある
    ことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 電極単位面積当たりの初回正極充電容量
    に対する初回負極充電容量の割合が1.2以上1.6以
    下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載される
    リチウム二次電池。
JP11076239A 1999-03-19 1999-03-19 リチウム二次電池 Pending JP2000268880A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11076239A JP2000268880A (ja) 1999-03-19 1999-03-19 リチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11076239A JP2000268880A (ja) 1999-03-19 1999-03-19 リチウム二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000268880A true JP2000268880A (ja) 2000-09-29

Family

ID=13599634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11076239A Pending JP2000268880A (ja) 1999-03-19 1999-03-19 リチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000268880A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004311427A (ja) * 2003-03-25 2004-11-04 Hitachi Metals Ltd リチウム二次電池用正極活物質とその製造方法並びに非水系リチウム二次電池
JP2007103130A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Geomatec Co Ltd 薄膜固体二次電池および薄膜固体二次電池の製造方法
US8673476B2 (en) 2006-07-18 2014-03-18 Lg Chem, Ltd. Electrode assembly having stable lead-tap joint and electrochemical cell containing them
CN109461884A (zh) * 2018-12-08 2019-03-12 广东维都利新能源有限公司 一种能够在高温下工作并保存的锂电池
CN111193058A (zh) * 2018-11-15 2020-05-22 丰田自动车株式会社 全固体锂二次电池和全固体锂二次电池的劣化判定方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004311427A (ja) * 2003-03-25 2004-11-04 Hitachi Metals Ltd リチウム二次電池用正極活物質とその製造方法並びに非水系リチウム二次電池
JP2007103130A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Geomatec Co Ltd 薄膜固体二次電池および薄膜固体二次電池の製造方法
US8673476B2 (en) 2006-07-18 2014-03-18 Lg Chem, Ltd. Electrode assembly having stable lead-tap joint and electrochemical cell containing them
CN111193058A (zh) * 2018-11-15 2020-05-22 丰田自动车株式会社 全固体锂二次电池和全固体锂二次电池的劣化判定方法
CN111193058B (zh) * 2018-11-15 2023-05-23 丰田自动车株式会社 全固体锂二次电池和全固体锂二次电池的劣化判定方法
CN109461884A (zh) * 2018-12-08 2019-03-12 广东维都利新能源有限公司 一种能够在高温下工作并保存的锂电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5034136B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質およびそれを用いた非水電解質二次電池
KR101485382B1 (ko) 리튬 이차 전지
JP4963330B2 (ja) リチウム二次電池正極活物質用リチウム鉄複合酸化物、その製造方法およびそれを用いたリチウム二次電池
EP2840639B1 (en) Electrolyte solution for lithium secondary battery and lithium secondary battery using the same
JP4626020B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2000149945A (ja) リチウムイオン二次電池
JP3990107B2 (ja) 非水電解質二次電池の充電方法
JP2002260634A (ja) リチウム二次電池
EP2916374A1 (en) Lithium secondary cell
JP5082221B2 (ja) 二次電池用負極および二次電池
US7939207B2 (en) Non-aqueous electrolyte lithium ion secondary cell with improved cycle characteristics and method for fabricating the same
JPH0982360A (ja) 非水電解液二次電池
JP4202009B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2003297354A (ja) リチウム二次電池
JP2002151154A (ja) リチウム二次電池
JP2000268880A (ja) リチウム二次電池
JP2003007332A (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
JP2000277151A (ja) リチウム二次電池の使用方法
JP2002025626A (ja) リチウム二次電池のエージング処理方法
JP5242315B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2001216965A (ja) リチウム二次電池用正極
JP2003217568A (ja) 非水電解質2次電池用正極及び非水電解質2次電池
JP2005025992A (ja) 非水系二次電池
JP2001176560A (ja) リチウムイオン二次電池の特性調整方法
JP2004022239A (ja) 正極活物質および非水電解質二次電池