JP2000266100A - 多段式ショックアブソーバ - Google Patents

多段式ショックアブソーバ

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JP2000266100A
JP2000266100A JP6996299A JP6996299A JP2000266100A JP 2000266100 A JP2000266100 A JP 2000266100A JP 6996299 A JP6996299 A JP 6996299A JP 6996299 A JP6996299 A JP 6996299A JP 2000266100 A JP2000266100 A JP 2000266100A
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shock absorber
piston rod
absorber unit
oil chamber
chamber
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Hideo Tohata
秀夫 戸畑
Tatsugo Takagi
龍吾 高城
Michito Hirahara
道人 平原
Kazuto Kato
和人 加藤
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段式ショックアブソーバの中間メンバが所
定レベルから外れて両側メンバと衝接する問題を、ピス
トンの摩擦抵抗の増大なしに解消する。 【解決手段】 小径ユニット1のロッド4が筒体3に対
しX1 だけ進入した時、筒体3に対するロッド4の進入
体積分V1 (=Ar ×X1 )の作動油が孔3a,15aを
経て大径ユニット2の収縮室17、周辺油室16b内に流入
する。当該作動油流はピストン15および筒体3を筒体11
に対し下方へX2 =V1 /(APU−APL+Ab )だけ進
入させる。この時中心油室16aから作動油が振動減衰バ
ルブ19を経て副室14内に流入し、この室内のガスを圧
縮する。上記X2 ,V1 の算出式からX2 =X1 ×Ar
/(APU−APL+Ab )が得られ、X2 ,X1 の関係が
r/(APU−APL+Ab )で決まり、中間メンバの筒
体3が両側メンバと衝接する問題を解消し得る。荷重は
下側油圧PL と上側油圧PU との差圧で支持されるが、
当該油圧間が筒状収縮部材21で区画されており、ピス
トン15の外周シールが不要であり、摩擦の増大なしに上
記の問題解決が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多段式ショックア
ブソーバの耐久性や異音に対する改良提案に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ショックアブソーバは通常、例えば実開
平5−42785号公報に記載のごとく、ピストンロッ
ドを気液が封入された筒体に対し抜き差し可能に嵌合し
て構成し、例えば筒体から突出したピストンロッドを車
体に取り付け、筒体を車輪に取り付けて車両のサスペン
ション装置に用いる。
【0003】ところで、かように1個のピストンロッド
および1個の筒体のみからなる従来のショックアブソー
バは、収縮時の全長が伸長時のそれに対し最高でも2/
3程度にしか縮まらず、大きなストローク(サスペンシ
ョンストローク)を確保するのが比較的困難であった。
この問題解決のためには、本願出願人が特願平10−1
2412号により既に提案済みのように、ピストンロッ
ドが筒体から抜き差し可能に突出した振動減衰バルブ付
きショックアブソーバユニットを多段に同軸配置し、隣
り合うショックアブソーバユニット同士を、小径側ショ
ックアブソーバユニットの筒体が大径側ショックアブソ
ーバユニットのピストンロッドに兼用されるよう相関さ
せて、ショックアブソーバを多段式にすることが考えら
れる。この場合、2段式のショックアブソーバなら収縮
時の全長が伸長時のそれに対し最高で1/2程度に縮ま
り、その分サスペンションストロークを大きく確保する
ことができる。
【0004】しかし、上記多段式ショックアブソーバに
おいては、小径側ショックアブソーバユニットおよび大
径側ショックアブソーバユニットの間で兼用する中間メ
ンバ、つまり小径側ショックアブソーバユニットの筒体
(大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ド)がストローク方向の位置を規制されず、どの位置に
存在するのかが不確実である。ここで中間メンバが位置
を低下されたり、位置を上昇されている場合、車両走行
時における車輪のバウンド、リバウンドに伴う多段式シ
ョックアブソーバの伸縮動作中に、中間メンバの底部が
大径側ショックアブソーバユニットの筒体に衝接した
り、小径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ドに衝接し、何れにしても多段式ショックアブソーバの
耐久性を低下させたり、異音の発生で商品価値を低下さ
せるという問題を生ずる。
【0005】そこで、図1に示すような多段式ショック
アブソーバも考えられており、これは小径側ショックア
ブソーバユニット1および大径側ショックアブソーバユ
ニット2の同軸配置により構成する。しかして、小径側
ショックアブソーバユニット1の筒体3を作動液のみが
充満された単筒式とし、これにピストンロッド4を抜き
差し可能に挿入すると共に、ピストンロッド4の内端に
おけるピストン本体5に振動減衰バルブ6,7を設け
て、ピストン本体5の両側における伸長室8および収縮
室9間を振動減衰バルブ6,7により制限状態で作動液
の往来が可能なように連通させる。振動減衰バルブ6
は、ショックアブソーバユニット1の収縮ストローク中
に伸長室8から収縮室9への作動液流を許容すると共
に、この液流に流動抵抗を与えて振動減衰機能を生起
し、振動減衰バルブ7は逆に、ショックアブソーバユニ
ット1の伸長ストローク中に収縮室9から伸長室8への
作動液流を許容すると共に、この液流に流動抵抗を与え
て振動減衰機能を生起するものとする。
【0006】大径側ショックアブソーバユニット2は、
上記小径側ショックアブソーバユニット1の筒体3をピ
ストンロッドとして兼用し、これを液密封止下で筒体1
1内に抜き差し可能に進入させて構成する。そして筒体
11は、内筒12および外筒13よりなり、これら内外
筒間に副室14を有した複筒式とし、筒体3の内端に
は、内筒12内に嵌合されたピストン本体15を固着し
て内筒12内を伸長室16および収縮室17の2室に液
密封止下に区画する。これら伸長室16および収縮室1
7内には作動液を充満させ、この作動液を更に上記副室
14内にも浸入させ、副室14内の残部には、筒体3が
内筒12に対し進退する時に圧縮または膨張されて当該
筒体3の進退を可能にするための高圧ガスを封入する。
【0007】そして副室14と伸長室16との間を、内
筒12の底部内に固設したボトムプレート18上におけ
る振動減衰バルブ19,20により、制限状態で作動液
の往来が可能なように連通させる。振動減衰バルブ19
は、ショックアブソーバユニット2の収縮ストローク中
に伸長室16から副室14への作動液流を許容すると共
に、この液流に流動抵抗を与えて振動減衰機能を生起
し、振動減衰バルブ20は逆に、ショックアブソーバユ
ニット2の伸長ストローク中に副室14から伸長室16
への作動液流を許容すると共に、この液流に流動抵抗を
与えて振動減衰機能を生起するものとする。
【0008】ここで、小径側ショックアブソーバユニッ
ト1が筒体3に作動液のみを充満されたものであっても
前記ストロークを行い得るようにするために、小径側シ
ョックアブソーバユニット1の伸長室8を、筒体3の周
壁に穿った連通孔3aにより大径側ショックアブソーバ
ユニット2の収縮室17に通じさせる。
【0009】上記の多段式ショックアブソーバにおいて
は、小径側ショックアブソーバユニット1のピストンロ
ッド4が筒体3に対しX1 だけ進入した時について考察
するに、ピストンロッド4の横断面積をAr とし、筒体
3の横断面積をA1 とすると、伸長室8の内容積は次式
で表されるV1Lだけ減少し、 V1L=A1 ×X1 ・・・(1) 収縮室9の内容積は次式で表されるV1Uだけ増大する。 V1U=(A1 −Ar )×X1 ・・・(2) この時、伸長室8内における上記内容積減少分の作動油
は振動減衰バルブ6を経て収縮室9に流入し、収縮室9
内における上記内容積増大分を補充し、次式で表される
余剰分の作動油V1 =(V1L−V1U)が連通孔3aを経
て収縮室17内に流入する。 V1 =V1L−V1U =Ar ×X1 ・・・(3)
【0010】かかる収縮室17内への作動油の流入は収
縮室17の内容積増大をもたらし、結果としてピストン
本体15および筒体3を筒体11に対し図1の下方へ進
入させる。ここでピストン本体15および筒体3の進入
量X2 を求めるにこれは、収縮室17におけるピストン
本体15の受圧面積をAPUとすると、 X2 =V1 /APU ・・・(4) で表される。当該ピストン本体15および筒体3の進入
量X2 は、伸長室16の内容積減少を惹起し、伸長室1
6におけるピストン本体15および筒体3の受圧面積を
PLとすると、伸長室16の内容積減少量V2 は次式で
表される。 V2 =APL×X2 ・・・(5)
【0011】この時、伸長室16から上記の内容積減少
量V2 に相当する量の作動油が振動減衰バルブ19を経
て副室14内に流入し、この室内における高圧ガスを圧
縮して筒体11に対するピストン本体15および筒体3
の上記進入X2 を可能ならしめる。
【0012】ところで(3)式のV1 を(4)式に代入
して、 X2 =X1 ×Ar /APU ・・・(6) の関係式が得られ、この式から、筒体11に対する中間
体である筒体3のストローク量X2 と、筒体3に対する
ピストンロッド4のストローク量X1 との関係をAr
PU、つまりピストンロッド4の横断面積Ar と収縮室
17におけるピストン本体15の受圧面積APUとの間に
おける比により規定することができる。従って、図1の
構成になる多段式ショックアブソーバによれば、その全
ストロークに対するピストンロッド4のストローク量X
1 の割合、および中間体である筒体3のストローク量X
2 の割合を、Ar /APU比により決定することができる
こととなり、当該比の決定次第でピストンロッド4およ
び筒体3のどちらかが先に底突きするという問題は解消
し得る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上記の多段
式ショックアブソーバにおいては、以下に説明する新た
な問題が発生するのを避けられないことを確かめた。つ
まり、多段式ショックアブソーバがストロークを行って
いない状態、換言すれば静荷重を支持している状態を考
察するに、この時における副室14内の圧力をPL とす
ると、伸長室16内の圧力も同じPL であることから、
ピストン本体15および筒体3に作用する上向き力FU
は FU =PL ×APL ・・・(7) で表される。
【0014】ところでピストン本体15および筒体3に
作用する下向き力FL は、収縮室17内の圧力PU によ
る下向き力(PU ×APU)と、ピストンロッド4からの
押し下げ反力(PU ×Ar )との和値であるから、次式
で表される。 FL =PU (APU+Ar ) ・・・(8) そして当該ピストン本体15および筒体3に作用する下
向き力FL と上記の上向き力FU とが釣り合って前記の
静荷重を支持していることからFL =FU であり、従っ
て(7),(8)式から PL ×APL=PU (APU+Ar )・・・(9) の関係式が成立する。しかるに図1の構成においては、
(9)式の右辺に係わる受圧面積(APU+A r )が左辺
に係わる受圧面積APLよりも小さく、これがため(9)
式の右辺に係わる圧力PU が左辺に係わる圧力PL より
も高くなる。
【0015】従って、図1の構成では大径側ショックア
ブソーバユニットの収縮室17が伸長室16よりも高圧
となって、両者間の圧力差により収縮室17から伸長室
16へ作動油が洩れる傾向となり、かかる作動油の洩れ
は、中間体であるピストン本体15および筒体3をピス
トンロッド4および筒体11間における当初の所定スト
ローク位置からずらせてしまい、ピストンロッド4およ
び筒体3のどちらかが先に底突きするという問題を解消
し得なくし、本来の目的を達成し得なくしてしまう。
【0016】この問題解決のためには、上記の圧力差に
よっても収縮室17から伸長室16へ作動油が洩れるこ
とのないようピストン本体15および内筒12間の締め
代を大きくすることが考えられるが、圧力差が大きい場
合にはこれに伴って大きくする必要のあるピストン本体
15および内筒12間の締め代がショックアブソーバと
しての機能を阻害するに至る。かといってショックアブ
ソーバ機能が妨げられない範囲でピストン本体15およ
び内筒12間の締め代を決定すると、収縮室17から伸
長室16への作動油の洩れを避けられず、中間体である
ピストン本体15および筒体3の位置を当初の所定スト
ローク位置からずらせてしまうという問題が発生する。
【0017】請求項1に記載の第1発明は、大径側ショ
ックアブソーバユニットのピストンロッドから遠い室を
中心油室と周辺油室とに区画することにより、大径側シ
ョックアブソーバユニットのピストン本体にシール機能
を持たせる必要がないようにして上述の問題を悉く解消
することを目的とする。
【0018】請求項2に記載の第2発明は、上記第1発
明の区画を行うための好適な部材を提案して、上記の問
題解決が一層確実に実現されるようにした多段式ショッ
クアブソーバを提供することを目的とする。
【0019】請求項3に記載の第3発明は、上記第1発
明の問題解決が最も確実になるよう各部の寸法関係を定
めた多段式ショックアブソーバを提案することを目的と
する。
【0020】請求項4に記載の第4発明は、大径側ショ
ックアブソーバユニットのピストンロッドに近い室を中
心油室と周辺油室とに区画することにより、大径側ショ
ックアブソーバユニットのピストン本体にシール機能を
持たせる必要がないようにして前述の問題を悉く解消す
ることを目的とする。
【0021】請求項5に記載の第5発明は、上記第4発
明の区画を行うための好適な部材を提案して、上記の問
題解決が一層確実に実現されるようにした多段式ショッ
クアブソーバを提供することを目的とする。
【0022】請求項6に記載の第6発明は、上記第4発
明の問題解決が最も確実になるよう各部の寸法関係を定
めた多段式ショックアブソーバを提案することを目的と
する。
【0023】請求項7に記載の第7発明は、大径側ショ
ックアブソーバユニットのピストンロッドから遠い室を
中心ガス室と周辺油室とに区画することにより、大径側
ショックアブソーバユニットのピストン本体前後におけ
る前記油圧差が小さくなるようにして前述の問題を悉く
解消することを目的とする。
【0024】請求項8に記載の第8発明は、上記第7発
明の区画を行うための好適な部材を提案して、上記の問
題解決が一層確実に実現されるようにした多段式ショッ
クアブソーバを提供することを目的とする。
【0025】請求項9に記載の第9発明は、第7発明に
おける中心ガス室を緩衝部としても機能させるようにし
て、緩衝部の設置を不要にした多段式ショックアブソー
バを提案することを目的とする。
【0026】請求項10に記載の第10発明は、第7発
明における中心ガス室が、大径側ショックアブソーバユ
ニットのストローク中も該ユニットのピストン本体前後
における圧力差を変化させることのないようにした多段
式ショックアブソーバを提案することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による多段式ショックアブソーバは、ピスト
ンロッドが筒体から抜き差し可能に突出した振動減衰バ
ルブ付きショックアブソーバユニットの多段同軸配置に
なり、隣り合うショックアブソーバユニットを相互に、
小径側ショックアブソーバユニットの筒体が大径側ショ
ックアブソーバユニットのピストンロッドに兼用される
よう相関させた多段式ショックアブソーバにおいて、小
径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドから
遠い油室と、大径側ショックアブソーバユニットのピス
トンロッドに近い油室との間を相互に連通させ、大径側
ショックアブソーバユニットのピストンロッドから遠い
油室を画成するピストン本体と大径側ショックアブソー
バユニットのボトムプレートとの間に、大径側ショック
アブソーバユニットのピストンロッドから遠い油室を中
心油室および周辺油室に区画する筒状伸縮部材を介在さ
せ、大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ドに近い油室と前記周辺油室との間を相互に連通させ、
前記中心油室を、前記ボトムプレートに設けた振動減衰
バルブを介して、ガスが封入された副室に連通可能とし
たことを特徴とするものである。
【0028】第2発明による多段式ショックアブソーバ
は、上記第1発明において、上記筒状伸縮部材を金属ベ
ローズで構成したことを特徴とするものである。
【0029】第3発明による多段式ショックアブソーバ
は、第1発明または第2発明において、小径側ショック
アブソーバユニットに係わるピストンロッドの横断面積
r 、大径側ショックアブソーバユニットに係わるピス
トン本体の上側受圧面積APU、前記周辺油室に臨む下側
受圧面積APL、および前記筒状伸縮部材の横断面積Ab
を、Ar /(APU−APL+Ab )=1/2となるよう決
定して、大径側ショックアブソーバユニットのピストン
ロッドのストロークが小径側ショックアブソーバユニッ
トのピストンロッドのストロークの半分になるよう構成
したことを特徴とするものである。
【0030】第4発明による多段式ショックアブソーバ
は、ピストンロッドが筒体から抜き差し可能に突出した
振動減衰バルブ付きショックアブソーバユニットの多段
同軸配置になり、隣り合うショックアブソーバユニット
を相互に、小径側ショックアブソーバユニットの筒体が
大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドに
兼用されるよう相関させた多段式ショックアブソーバに
おいて、大径側ショックアブソーバユニットのピストン
ロッドに近い油室を画成するピストン本体と筒体端壁と
の間に、大径側ショックアブソーバユニットのピストン
ロッドに近い油室を中心油室および周辺油室に区画する
筒状伸縮部材を介在させ、小径側ショックアブソーバユ
ニットのピストンロッドから遠い油室と、前記中心油室
との間を相互に連通させると共に、大径側ショックアブ
ソーバユニットのピストンロッドから遠い油室および前
記周辺油室間を相互に連通させ、大径側ショックアブソ
ーバユニットのピストンロッドから遠い油室を、大径側
ショックアブソーバユニットのボトムプレートに設けた
振動減衰バルブを介して、ガスが封入された副室に連通
可能としたことを特徴とするものである。
【0031】第5発明による多段式ショックアブソーバ
は、上記第4発明において、上記筒状伸縮部材を金属ベ
ローズで構成したことを特徴とするものである。
【0032】第6発明による多段式ショックアブソーバ
は、第4発明または第5発明において、小径側ショック
アブソーバユニットに係わるピストンロッドの横断面積
r 、大径側ショックアブソーバユニットに係わるピス
トンロッドの受圧面積A1 、および前記筒状伸縮部材の
横断面積Ab を、Ar /(Ab −A1 )=1/2となる
よう決定して、大径側ショックアブソーバユニットのピ
ストンロッドのストロークが小径側ショックアブソーバ
ユニットのピストンロッドのストロークの半分になるよ
う構成したことを特徴とするものである。
【0033】第7発明による多段式ショックアブソーバ
は、ピストンロッドが筒体から抜き差し可能に突出した
振動減衰バルブ付きショックアブソーバユニットの多段
同軸配置になり、隣り合うショックアブソーバユニット
を相互に、小径側ショックアブソーバユニットの筒体が
大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドに
兼用されるよう相関させた多段式ショックアブソーバに
おいて、小径側ショックアブソーバユニットのピストン
ロッドから遠い油室と、大径側ショックアブソーバユニ
ットのピストンロッドに近い油室との間を相互に連通さ
せ、大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ドに近い油室およびピストンロッドから遠い室間を該ピ
ストンロッドに結合したピストン本体により液密封止
し、大径側ショックアブソーバユニットのピストン本体
およびボトムプレート間に、大径側ショックアブソーバ
ユニットのピストンロッドから遠い室を中心ガス室およ
び周辺油室に区画する筒状伸縮部材を介在させ、前記周
辺油室を、前記ボトムプレートに設けた振動減衰バルブ
を介して、ガスが封入された副室に連通可能としたこと
を特徴とするものである。
【0034】第8発明による多段式ショックアブソーバ
は、上記第7発明において、上記筒状伸縮部材を金属ベ
ローズで構成したことを特徴とするものである。
【0035】第9発明による多段式ショックアブソーバ
は、第7発明または第8発明において、前記中心ガス室
を密閉空間にしたことを特徴とするものである。
【0036】第10発明による多段式ショックアブソー
バは、第7発明または第8発明において、前記中心ガス
室を大気中に連通させたことを特徴とするものである。
【0037】
【発明の効果】第1発明による多段式ショックアブソー
バにおいては、小径側ショックアブソーバユニットのピ
ストンロッドが筒体に対して振動減衰バルブによる振動
減衰下に進退する時、ピストンロッドの進退体積分の作
動油が小径側ショックアブソーバユニットのピストンロ
ッドから遠い油室と大径側ショックアブソーバユニット
のピストンロッドに近い油室および前記周辺油室との間
で往来し、この往来作動油で大径側ショックアブソーバ
ユニットのピストンロッドが筒体に対して進退される。
この間、中心油室も容積変化を生ずるが、これに伴って
中心油室と副室との間で作動油がボトムプレート内の振
動減衰バルブによる振動減衰下に往来すると共に、中心
油室の容積変化が副室内におけるガスの圧縮、膨張によ
り吸収されることから、大径側ショックアブソーバユニ
ットの上記ストロークを可能ならしめる。
【0038】ところでかかる第1発明においては、小径
側ショックアブソーバユニットに係わるピストンロッド
の横断面積と、大径側ショックアブソーバユニットに係
わるピストン本体の上側受圧面積および周辺油室に臨む
下側受圧面積と、中心油室および周辺油室間を区画する
筒状伸縮部材の横断面積とで、大径側ショックアブソー
バユニットのピストンロッドのストロークと小径側ショ
ックアブソーバユニットのピストンロッドのストローク
との関係が決まることから、これらピストンロッドのど
ちらかが先に底突きすることのないよう当該関係を決定
しておいて、従来の構成で生じていた耐久性に関する問
題を解消することができる。しかも、上記したところか
ら明かなように大径側ショックアブソーバユニットのピ
ストンロッドに近い油室と周辺油室との間を液密封止す
ることなく上記の作用効果を達成し得ることから、これ
ら室間におけるピストン本体の摺動抵抗を小さくしてシ
ョックアブソーバの機能が阻害されるのを防止し得ると
共に、当該ピストン本体の前後で作動油流があっても上
記の関係が崩れてしまうようなことがなく、当該関係を
不変に維持することができる。
【0039】第2発明においては、上記筒状伸縮部材を
金属ベローズで構成したから、中心油室と周辺油室との
間に大きな圧力差が発生した時にも筒状伸縮部材の横断
面積が大きく変化することがなく、これを因子の1つと
する大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ドストロークと小径側ショックアブソーバユニットのピ
ストンロッドストロークとの関係を、上記の大きな圧力
差のもとでも希望通りに維持することができ、第1発明
の作用効果を一層確実なものにすることができる。
【0040】第3発明においては、小径側ショックアブ
ソーバユニットに係わるピストンロッドの横断面積
r 、大径側ショックアブソーバユニットに係わるピス
トン本体の上側受圧面積APU、前記周辺油室に臨む下側
受圧面積APL、および前記筒状伸縮部材の横断面積Ab
を、Ar /(APU−APL+Ab )=1/2となるよう決
定したから、大径側ショックアブソーバユニットのピス
トンロッドのストロークが小径側ショックアブソーバユ
ニットのピストンロッドのストロークの半分になること
となり、これらピストンロッドのどちらかが先に底突き
するのを確実に防止して従来の耐久性に関する問題を完
全に解消することができる。
【0041】第4発明による多段式ショックアブソーバ
においては、小径側ショックアブソーバユニットのピス
トンロッドが筒体に対して振動減衰バルブによる振動減
衰下に進退する時、ピストンロッドの進退体積分の作動
油が小径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ドから遠い油室と大径側ショックアブソーバユニットの
ピストンロッドに近い油室に形成した中心油室との間で
往来し、この往来作動油で大径側ショックアブソーバユ
ニットのピストンロッドが筒体に対して進退される。か
かる大径側ショックアブソーバユニットのストロークに
より、大径側ショックアブソーバユニットのピストンロ
ッドに近い油室に形成した周辺油室および大径側ショッ
クアブソーバユニットのピストンロッドから遠い油室が
それぞれ内容積を変化され、当該内容積変化分の作動油
が大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッド
から遠い油室と副室との間でボトムプレート内の振動減
衰バルブによる振動減衰下に往来すると共に、上記の内
容積変化が副室内におけるガスの圧縮、膨張により吸収
されることから、大径側ショックアブソーバユニットの
上記ストロークを可能ならしめる。
【0042】ところでかかる第4発明においては、小径
側ショックアブソーバユニットに係わるピストンロッド
の横断面積と、大径側ショックアブソーバユニットに係
わるピストンロッドの受圧面積と、筒状伸縮部材の横断
面積とで、大径側ショックアブソーバユニットのピスト
ンロッドのストロークと小径側ショックアブソーバユニ
ットのピストンロッドのストロークとの関係が決まるこ
とから、これらピストンロッドのどちらかが先に底突き
することのないよう当該関係を決定しておいて、従来の
構成で生じていた耐久性に関する問題を解消することが
できる。しかも、上記したところから明かなように大径
側ショックアブソーバユニットのピストンロッドから遠
い油室と周辺油室との間を液密封止することなく上記の
作用効果を達成し得ることから、これら室間におけるピ
ストン本体の摺動抵抗を小さくしてショックアブソーバ
の機能が阻害されるのを防止し得ると共に、当該ピスト
ン本体の前後で作動油流があっても上記の関係が崩れて
しまうようなことがなく、当該関係を不変に維持するこ
とができる。
【0043】第5発明においては、上記筒状伸縮部材を
金属ベローズで構成したから、中心油室と周辺油室との
間に大きな圧力差が発生した時にも筒状伸縮部材の横断
面積が大きく変化することがなく、これを因子の1つと
する大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ドストロークと小径側ショックアブソーバユニットのピ
ストンロッドストロークとの関係を、上記の大きな圧力
差のもとでも希望通りに維持することができ、第4発明
の作用効果を一層確実なものにすることができる。
【0044】第6発明においては、小径側ショックアブ
ソーバユニットに係わるピストンロッドの横断面積
r 、大径側ショックアブソーバユニットに係わるピス
トンロッドの受圧面積A1 、および前記筒状伸縮部材の
横断面積Ab を、Ar /(Ab −A1 )=1/2となる
よう決定したから、大径側ショックアブソーバユニット
のピストンロッドのストロークが小径側ショックアブソ
ーバユニットのピストンロッドのストロークの半分にな
ることとなり、これらピストンロッドのどちらかが先に
底突きするのを確実に防止して従来の耐久性に関する問
題を完全に解消することができる。
【0045】第7発明による多段式ショックアブソーバ
においては、小径側ショックアブソーバユニットのピス
トンロッドが筒体に対して振動減衰バルブによる振動減
衰下に進退する時、ピストンロッドの進退体積分の作動
油が小径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ドから遠い油室と大径側ショックアブソーバユニットの
ピストンロッドに近い油室との間で往来し、この往来作
動油で大径側ショックアブソーバユニットのピストンロ
ッドが筒体に対して進退される。かかる大径側ショック
アブソーバユニットのストロークにより、大径側ショッ
クアブソーバユニットのピストンロッドから遠い油室に
形成した周辺油室が内容積を変化され、当該内容積変化
分の作動油が周辺油室と副室との間でボトムプレート内
の振動減衰バルブによる振動減衰下に往来すると共に、
上記周辺油室の内容積変化が副室内におけるガスの圧
縮、膨張により吸収されることから、大径側ショックア
ブソーバユニットの上記ストロークを可能ならしめる。
【0046】ところでかかる第7発明においては、小径
側ショックアブソーバユニットに係わるピストンロッド
の横断面積と、大径側ショックアブソーバユニットのピ
ストンロッドに近い油室におけるピストン本体の受圧面
積とで、大径側ショックアブソーバユニットのピストン
ロッドのストロークと小径側ショックアブソーバユニッ
トのピストンロッドのストロークとの関係が決まること
から、これらピストンロッドのどちらかが先に底突きす
ることのないよう当該関係を決定しておいて、従来の構
成で生じていた耐久性に関する問題を解消することがで
きる。
【0047】しかも、大径側ショックアブソーバユニッ
トのピストンロッドから遠い室を筒上伸縮部材により周
辺油室と中心ガス室とに区画して、大径側ショックアブ
ソーバユニットのピストンロッドから遠い側において当
該ショックアブソーバユニットのピストンロッドに作用
する油圧の受圧面積を中心ガス室の分だけ小さくするこ
ととしたから、当該受圧面積を、大径側ショックアブソ
ーバユニットのピストンロッドに逆向きに作用する油圧
の受圧面積に近づけたり、これと同じに受圧面積にし
て、大径側ショックアブソーバユニットのピストン本体
前後における油圧差を小さくしたり、なくすことができ
る。これがため、大径側ショックアブソーバユニットの
ピストン本体前後における油室間で液密封止が必要であ
っても、これら室間におけるピストン本体の外周部にお
ける締め代が小さいままで上記の作用効果が保証され、
ピストン本体の摺動抵抗を小さくしてショックアブソー
バの機能が阻害されるのを防止することができる。
【0048】第8発明においては、上記筒状伸縮部材を
金属ベローズで構成したから、中心ガス室と周辺油室と
の間に大きな圧力差が発生した時にも筒状伸縮部材の横
断面積が大きく変化することがなく、当該大きな圧力差
のもとでも第7発明の上記作用効果を一層確実なものに
することができる。
【0049】第9発明においては、上記中心ガス室を密
閉空間にしたから、大径側ショックアブソーバユニット
の収縮ストローク中において中心ガス室が内圧を上昇さ
れる結果、緩衝部としても機能し、緩衝部の設置が不要
になる。
【0050】第10発明においては、上記中心ガス室を
大気中に連通させたから、中心ガス室が大径側ショック
アブソーバユニットのストローク中も内圧を発生される
ことがなく、該ショックアブソーバユニットのピストン
本体前後における圧力差を変化させるのを防止して、第
7発明の前記作用効果を一層確実なものにすることがで
きる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図2は本発明の一実施の形態
になる多段式ショックアブソーバを示し、図中、図1に
おけると同様の部分を同一符号にて示し、重複説明を避
けた。
【0052】本実施の形態においては、小径側ショック
アブソーバユニット1の構成を図1におけると同様と
し、該ショックアブソーバユニット1のピストンロッド
4から遠い油室(伸長室)8と、大径側ショックアブソ
ーバユニット2のピストンロッド(小径側ショックアブ
ソーバユニット1の筒体)3に近い油室(収縮室)17
との間を、筒体3に穿った連通孔3aにより相互に連通
させる。そして、大径側ショックアブソーバユニット2
のピストン本体15とボトムプレート18との間に、好
ましくは金属ベローズで構成した筒状伸縮部材21を介
在させ、この筒状伸縮部材21を大径側ショックアブソ
ーバユニット2に同心に配置してピストン本体15およ
びボトムプレート18に液密封着する。
【0053】かくて筒状伸縮部材21は、大径側ショッ
クアブソーバユニット2のピストンロッド3から遠い油
室を中心油室16aおよび周辺油室16bに区画する。
ここで、ボトムプレート18に設ける振動減衰バルブ1
9,20は中心油室16aと副室14との間において作
動油の往来を可能にするよう領域でボトムプレート18
に設置する。また周辺油室16bと、大径側ショックア
ブソーバユニット2のピストンロッド3に近い油室17
との間を、ピストン本体15に設けた連通孔15aによ
り相互に連通させる。
【0054】かかる本実施の形態になる多段式ショック
アブソーバの作用を次に説明するに、小径側ショックア
ブソーバユニット1のピストンロッド4が筒体3に対し
て振動減衰バルブ6,7による振動減衰下に進退する
時、ピストンロッド4の進退体積分の作動油が小径側シ
ョックアブソーバユニット1のピストンロッド4から遠
い油室8と大径側ショックアブソーバユニット2のピス
トンロッド3に近い油室17および周辺油室16bとの
間で往来する。この往来作動油は大径側ショックアブソ
ーバユニット2のピストンロッド3を筒体11に対して
進退させ、この間における中心油室16aの内容積変化
は、これに伴う中心油室16aと副室14との間での振
動減衰バルブ19,20を経由した作動油の往来で副室
14内におけるガスの圧縮、膨張により吸収され、大径
側ショックアブソーバユニット2の上記ストロークを可
能にする。この際、振動減衰バルブ19,20は中心油
室16aおよび副室14間での作動油の置換流動に抵抗
を与え、大径側ショックアブソーバユニット2の振動減
衰作用を生起させる。
【0055】ここで特に、小径側ショックアブソーバユ
ニット1のピストンロッド4が筒体3に対しX1 だけ進
入した場合について、本実施の形態になる多段式ショッ
クアブソーバの作用を考察するに、ピストンロッド4の
横断面積をAr とし、筒体3の横断面積をA1 とする
と、伸長室8の内容積は前記(1)式で表されるV
1L(=A1 ×X1 )だけ減少し、収縮室9の内容積は前
記(2)式で表されるV1U〔=(A1 −Ar )×X1
だけ増大する。この時、伸長室8内における上記内容積
減少分の作動油は振動減衰バルブ6を経て収縮室9に流
入し、収縮室9内における上記内容積増大分を補充し、
前記(3)式で表される余剰分の作動油V1 (=Ar ×
1 )、つまり筒体3に対するピストンロッド4の進入
体積分の作動油が連通孔3aを経て大径側ショックアブ
ソーバユニット2の収縮室17内に、さらにピストン連
通孔15aを経て周辺油室16b内に流入する。
【0056】かかる収縮室17および周辺油室16b内
への作動油の流入は、結果としてピストン本体15およ
び筒体3を筒体11に対し図2の下方へ進入させる。こ
こでピストン本体15および筒体3の進入量X2 を求め
るにこれは、収縮室17におけるピストン本体15の受
圧面積をAPUとし、周辺油室16bに臨むピストン本体
15の受圧面積をAPLとし、筒状伸縮部材21の横断面
積をAb とした時、 X2 =V1 /(APU−APL+Ab ) ・・・(10) で表される。
【0057】かかるピストン本体15および筒体3の進
入量X2 は、中心油室16aの内容積減少を惹起し、中
心油室16aの内容積減量V2 は次式で表される。 V2 =Ab ×X2 ・・・(11) この時、中心油室16aから当該内容積減少量V2 に相
当する量の作動油が、振動減衰バルブ19を経て副室1
4内に流入し、この室内における高圧ガスを圧縮して筒
体11に対するピストン本体15および筒体3の上記進
入X2 を許容する。
【0058】ところで前記(3)式のV1 を(10)式
に代入して、 X2 =X1 ×Ar /(APU−APL+Ab )・・・(12) の関係式が得られ、この式から、筒体11に対する筒体
3のストローク量X2 と、筒体3に対するピストンロッ
ド4のストローク量X1 との関係がAr /(APU−APL
+Ab )で表される比により決まり、当該ストローク量
間における関係をピストンロッド4の横断面積Ar と、
収縮室17におけるピストン本体15の受圧面積A
PUと、筒状伸縮部材21の横断面積Ab とにより規定す
ることができる。従って、本実施の形態になる多段式シ
ョックアブソーバによれば、その全ストロークに対する
ピストンロッド4のストローク量X1 の割合、および中
間体である筒体3のストローク量X2 の割合を、Ar
(APU−APL+Ab )の比により決定することができる
こととなり、当該比の決定次第でピストンロッド4およ
び筒体3のどちらかが先に底突きするという問題を解消
し得る。
【0059】ちなみに、面積Ar ,APU,APL,A
b を、Ar /(APU−APL+Ab )=1/2となるよう
決定すれば、大径側ショックアブソーバユニット2のピ
ストンロッドストロークが小径側ショックアブソーバユ
ニット1のピストンロッドストロークの半分になること
となり、これらピストンロッドのどちらかが先に底突き
するのを確実に防止して従来の耐久性に関する問題を完
全に解消することができる。
【0060】ところで上記筒状伸縮部材21は金属ベロ
ーズで構成するのが良く、その理由は、中心油室16a
と周辺油室16bとの間に大きな圧力差が発生した時に
も筒状伸縮部材21の横断面積Ab が大きく変化するこ
とがなく、上記のごとくこれを因子の1つとする大径側
ショックアブソーバユニット2のピストンロッドストロ
ークと小径側ショックアブソーバユニット1のピストン
ロッドストロークとの関係を、上記の大きな圧力差のも
とでも希望通りに維持することができ、上記の作用効果
を一層確実なものにすることができる。
【0061】次に、上記の多段式ショックアブソーバが
ストロークを行っていない静荷重支持状態である時の作
用を考察するに、この時における副室14内の圧力をP
L とすると、中心油室16a内の圧力も同じPL である
ことから、ピストン本体15および筒体3に作用する上
向き力FU は FU =PL ×Ab ・・・(13) で表される。
【0062】ところでピストン本体15および筒体3に
作用する下向き力FL は、収縮室17内の圧力PU によ
る下向き力〔PU ×(APU−APL+Ab )〕と、ピスト
ンロッド4からの押し下げ反力(PU ×Ar )との和値
であるから、次式で表される。 FL =PU (APU−APL+Ab +Ar ) ・・・(14) そして当該ピストン本体15および筒体3に作用する下
向き力FL と上記の上向き力FU とが釣り合って前記の
静荷重を支持していることからFL =FU であり、従っ
て(13),(14)式から PL ×Ab =PU (APU−APL+Ab +Ar )・・・(15) が得られ、この関係式が成立するよう中心油室16a内
の圧力PL と、収縮室17内の圧力PU との間には圧力
差が存在する。
【0063】しかして本実施の形態においては、これら
圧力PL ,PU 間がピストン本体15の外周面摺動部で
仕切られておらず、金属ベローズを可とする筒状伸縮部
材21で仕切られているため、圧力の往来は全く心配す
る必要がなく、当該圧力の往来に起因して中間体である
ピストン本体15および筒体3がピストンロッド4およ
び筒体11間における当初の所定ストローク位置からず
らてしまうという懸念を払拭し得る。従って、ピストン
本体15の外周面摺動部と内筒12との間を液密封止す
る必要がないことから、ピストン本体15の摺動抵抗が
小さくなりショックアブソーバの機能が阻害されるのを
防止することができる。
【0064】なお、筒状伸縮部材21の設置スペースに
関しては、これが最も収縮した状態で当該筒状伸縮部材
21を設置し得る程度の軸線方向スペースが内筒12内
に必要であるが、内筒12にはもともと、底突き時のシ
ョック対策のために緩衝材を設けるスペースが確保され
ており、このスペースを利用して筒状伸縮部材21の設
置は可能である。また筒状伸縮部材21を設置する場
合、これが上記緩衝材の用をなすため、緩衝材の設置が
不要となり、この点において筒状伸縮部材21の設置ス
ペースを新たに設定する必要は何らないことを確かめ
た。
【0065】図3は本発明の他の実施の形態になる多段
式ショックアブソーバを示し、本実施の形態において
は、図1の構成に対して以下の変更を加えた構成とす
る。つまり、大径側ショックアブソーバユニット2のピ
ストン本体15と筒体11のピストンロッド貫通端壁と
の間に、好ましくは金属ベローズで構成した筒状伸縮部
材21を介在させ、この筒状伸縮部材21を大径側ショ
ックアブソーバユニット2に同心に配置してピストン本
体15および筒体11のピストンロッド貫通端壁に液密
封着する。かくて筒状伸縮部材21は、大径側ショック
アブソーバユニット2のピストンロッド3に近い油室を
中心油室17aおよび周辺油室17bに区画する。
【0066】そして小径側ショックアブソーバユニット
1のピストンロッド4から遠い油室(伸長室)8と、中
心油室17aとの間を、筒体3に穿った連通孔3aによ
り相互に連通させる。さらに、周辺油室17bと、大径
側ショックアブソーバユニット2のピストンロッド3か
ら遠い油室16との間を、ピストン本体15に設けた連
通孔15aにより相互に連通させる。
【0067】かかる本実施の形態になる多段式ショック
アブソーバの作用を次に説明するに、小径側ショックア
ブソーバユニット1のピストンロッド4が筒体3に対し
て振動減衰バルブ6,7による振動減衰下に進退する
時、ピストンロッド4の進退体積分の作動油が小径側シ
ョックアブソーバユニット1のピストンロッド4から遠
い油室8と大径側ショックアブソーバユニット2の中心
油室17aとの間で往来する。この往来作動油は大径側
ショックアブソーバユニット2のピストンロッド3を筒
体11に対して進退させ、この間における周辺油室17
bおよび大径側ショックアブソーバユニット2のピスト
ンロッド3から遠い油室16の内容積変化は、これに伴
う油室16と副室14との間での振動減衰バルブ19,
20を経由した作動油の往来で副室14内におけるガス
の圧縮、膨張により吸収され、大径側ショックアブソー
バユニット2の上記ストロークを可能にする。この際、
振動減衰バルブ19,20は油室16および副室14間
での作動油の置換流動に抵抗を与え、大径側ショックア
ブソーバユニット2の振動減衰作用を生起させる。
【0068】ここで特に、小径側ショックアブソーバユ
ニット1のピストンロッド4が筒体3に対しX1 だけ進
入した場合について、本実施の形態になる多段式ショッ
クアブソーバの作用を考察するに、ピストンロッド4の
横断面積をAr とし、筒体3の横断面積をA1 とする
と、伸長室8の内容積は前記(1)式で表されるV
1L(=A1 ×X1 )だけ減少し、収縮室9の内容積は前
記(2)式で表されるV1U〔=(A1 −Ar )×X1
だけ増大する。この時、伸長室8内における上記内容積
減少分の作動油は振動減衰バルブ6を経て収縮室9に流
入し、収縮室9内における上記内容積増大分を補充し、
前記(3)式で表される余剰分の作動油V1 (=Ar ×
1 )、つまり筒体3に対するピストンロッド4の進入
体積分の作動油が連通孔3aを経て大径側ショックアブ
ソーバユニット2の中心油室17a内に流入する。
【0069】かかる中心油室17a内への作動油の流入
は、結果としてピストン本体15および筒体3を筒体1
1に対し図2の下方へ進入させる。ここでピストン本体
15および筒体3の進入量X2 を求めるにこれは、筒状
伸縮部材21の横断面積をAb とした時、これと、上記
筒体3の横断面積A1 とから、 X2 =V1 /(Ab −A1 ) ・・・(16) で表される。
【0070】かかるピストン本体15および筒体3の進
入量X2 は、周辺油室17bの内容積増大および大径側
ショックアブソーバユニット2に係わる伸長室16の内
容積減少を惹起し、前者の周辺油室17bに臨むピスト
ン本体15の受圧面積をAPUとし、後者の伸長室16に
臨むピストン本体15の受圧面積をAPLとした時、次式
で表される量V2 の作動油が振動減衰バルブ19を経て
副室14内に流入し、この室内における高圧ガスを圧縮
して筒体11に対するピストン本体15および筒体3の
上記進入X2 を許容する。 V2 =(APL−APU)×X2 ・・・(17)
【0071】ところで前記(3)式のV1 を(16)式
に代入して、 X2 =X1 ×Ar /(Ab −A1 )・・・(18) の関係式が得られ、この式から、筒体11に対する筒体
3のストローク量X2 と、筒体3に対するピストンロッ
ド4のストローク量X1 との関係がAr /(Ab
1 )で表される比により決まり、当該ストローク量間
における関係をピストンロッド4の横断面積Ar と、筒
状伸縮部材21の横断面積Ab と、筒体3の横断面積A
1 とにより規定することができる。従って、本実施の形
態になる多段式ショックアブソーバによれば、その全ス
トロークに対するピストンロッド4のストローク量X1
の割合、および中間体である筒体3のストローク量X2
の割合を、Ar /(Ab −A1 )の比により決定するこ
とができることとなり、当該比の決定次第でピストンロ
ッド4および筒体3のどちらかが先に底突きするという
問題を解消し得る。
【0072】ちなみに、面積Ar ,Ab ,A1 を、Ar
/(Ab −A1 )=1/2となるよう決定すれば、大径
側ショックアブソーバユニット2のピストンロッドスト
ロークが小径側ショックアブソーバユニット1のピスト
ンロッドストロークの半分になることとなり、これらピ
ストンロッドのどちらかが先に底突きするのを確実に防
止して従来の耐久性に関する問題を完全に解消すること
ができる。
【0073】ところで本実施の形態においても、上記筒
状伸縮部材21は金属ベローズで構成するのが良く、そ
の理由は、中心油室17aと周辺油室17bとの間に大
きな圧力差が発生した時にも筒状伸縮部材21の横断面
積Ab が大きく変化することがなく、上記のごとくこれ
を因子の1つとする大径側ショックアブソーバユニット
2のピストンロッドストロークと小径側ショックアブソ
ーバユニット1のピストンロッドストロークとの関係
を、上記の大きな圧力差のもとでも希望通りに維持する
ことができ、上記の作用効果を一層確実なものにするこ
とができる。
【0074】次に、上記の多段式ショックアブソーバが
ストロークを行っていない静荷重支持状態である時の作
用を考察するに、この時における副室14内の圧力をP
L とすると、伸長油室16内の圧力も同じPL であるこ
とから、ピストン本体15および筒体3に作用する上向
き力FU は FU =PL ×(APL−APU) ・・・(19) で表される。
【0075】ところでピストン本体15および筒体3に
作用する下向き力FL は、中心油室17a内の圧力PU
による下向き力〔PU ×(Ab −A1 )〕と、ピストン
ロッド4からの押し下げ反力(PU ×Ar )との和値で
あることから、次式で表される。 FL =PU (Ab −A1 +Ar ) ・・・(20) そして当該ピストン本体15および筒体3に作用する下
向き力FL と上記の上向き力FU とが釣り合って前記の
静荷重を支持していることからFL =FU であり、従っ
て(19),(20)式から PL (APL−APU)=PU (Ab −A1 +Ar )・・・(21) が得られ、この関係式が成立するよう収縮室16および
周辺油室17b内の圧力PL と、中心油室17a内の圧
力PU との間には圧力差が存在する。
【0076】しかして本実施の形態においては、これら
圧力PL ,PU 間がピストン本体15の外周面摺動部で
仕切られておらず、金属ベローズを可とする筒状伸縮部
材21で仕切られているため、圧力の往来は全く心配す
る必要がなく、当該圧力の往来に起因して中間体である
ピストン本体15および筒体3がピストンロッド4およ
び筒体11間における当初の所定ストローク位置からず
らてしまうという懸念を払拭し得る。従って、ピストン
本体15の外周面摺動部と内筒12との間を液密封止す
る必要がないことから、ピストン本体15の摺動抵抗が
小さくなりショックアブソーバの機能が阻害されるのを
防止することができる。
【0077】なお、筒状伸縮部材21の設置スペースに
関しては、これが最も収縮した状態で当該筒状伸縮部材
21を設置し得る程度の軸線方向スペースが内筒12内
に必要であるが、内筒12にはもともと、ショックアブ
ソーバの最大伸長時におけるショック対策のために緩衝
材を設けるスペースが確保されており、このスペースを
利用して筒状伸縮部材21の設置は可能である。また筒
状伸縮部材21を設置する場合、これが上記緩衝材の用
をなすため、緩衝材の設置が不要となり、この点におい
て筒状伸縮部材21の設置スペースを新たに設定する必
要は何らないことを確かめた。
【0078】図4は本発明の更に他の実施の形態になる
多段式ショックアブソーバを示し、本実施の形態におい
ては、図1の構成に対して以下のように変更を加えた構
成とする。つまり、大径側ショックアブソーバユニット
2のピストンロッド3またはピストン本体15(図示例
ではピストンロッド3)とボトムプレート18との間
に、好ましくは金属ベローズで構成した筒状伸縮部材2
1を介在させ、この筒状伸縮部材21を大径側ショック
アブソーバユニット2に同心に配置してピストンロッド
3またはピストン本体15およびボトムプレート18に
気密封着する。
【0079】かくて筒状伸縮部材21は、大径側ショッ
クアブソーバユニット2のピストンロッド3から遠い油
室を中心室16aおよび周辺室16bに区画し、中心室
16aはガスを封入して中心ガス室とし、周辺室16b
はショックアブソーバユニットの作動油を充満させて周
辺油室とする。ここで、ボトムプレート18に設ける振
動減衰バルブ19,20は周辺油室16bと副室14と
の間において作動油の往来を可能にするよう領域でボト
ムプレート18に設置する。それ以外は図1に示すと同
じ構成にし、大径側ショックアブソーバユニット2のピ
ストンロッド3に近い油室17と周辺油室16bとの間
をピストン本体15により液密に隔絶する。
【0080】かかる本実施の形態になる多段式ショック
アブソーバの作用を次に説明するに、小径側ショックア
ブソーバユニット1のピストンロッド4が筒体3に対し
て振動減衰バルブ6,7による振動減衰下に進退する
時、ピストンロッド4の進退体積分の作動油が小径側シ
ョックアブソーバユニット1のピストンロッド4から遠
い油室8と大径側ショックアブソーバユニット2のピス
トンロッド3に近い油室17との間で往来する。この往
来作動油は大径側ショックアブソーバユニット2のピス
トンロッド3を筒体11に対して進退させ、この間にお
ける周辺油室16bの内容積変化は、これに伴う周辺油
室16bと副室14との間での振動減衰バルブ19,2
0を経由した作動油の往来で副室14内におけるガスの
圧縮、膨張により吸収され、大径側ショックアブソーバ
ユニット2の上記ストロークを可能にする。この際、振
動減衰バルブ19,20は周辺油室16bおよび副室1
4間での作動油の置換流動に抵抗を与え、大径側ショッ
クアブソーバユニット2の振動減衰作用を生起させる。
【0081】ここで特に、小径側ショックアブソーバユ
ニット1のピストンロッド4が筒体3に対しX1 だけ進
入した場合について、本実施の形態になる多段式ショッ
クアブソーバの作用を考察するに、ピストンロッド4の
横断面積をAr とし、筒体3の横断面積をA1 とする
と、伸長室8の内容積は前記(1)式で表されるV
1L(=A1 ×X1 )だけ減少し、収縮室9の内容積は前
記(2)式で表されるV1U〔=(A1 −Ar )×X1
だけ増大する。この時、伸長室8内における上記内容積
減少分の作動油は振動減衰バルブ6を経て収縮室9に流
入し、収縮室9内における上記内容積増大分を補充し、
前記(3)式で表される余剰分の作動油V1 (=Ar ×
1 )、つまり筒体3に対するピストンロッド4の進入
体積分の作動油が連通孔3aを経て大径側ショックアブ
ソーバユニット2の収縮室17内に流入する。
【0082】かかる収縮室17内への作動油の流入は、
結果としてピストン本体15および筒体3を筒体11に
対し図2の下方へ進入させる。ここでピストン本体15
および筒体3の進入量X2 を求めるにこれは、収縮室1
7におけるピストン本体15の受圧面積をAPUとした
時、前記(4)式、つまりX2 =V1 /APUで表され
る。かかるピストン本体15および筒体3の進入量X2
は、周辺油室16bの内容積減少を惹起し、周辺油室1
6bの内容積減量V2 は、周辺油室16bに臨むピスト
ン本体15および筒体3の受圧面積をAPLとした時、前
記(5)式、つまりV2 =APL×X2 で表される。この
時、周辺油室16bから当該内容積減少量V2 に相当す
る量の作動油が、振動減衰バルブ19を経て副室14内
に流入し、この室内における高圧ガスを圧縮して筒体1
1に対するピストン本体15および筒体3の上記進入X
2 を許容する。
【0083】ところで、前記の(V1 =Ar ×X1 )を
上記の(X2 =V1 /APU)に代入して前記(6)式と
同じ(X2 =X1 ×Ar /APU)の関係式が得られ、こ
の式から、筒体11に対する筒体3のストローク量X2
と、筒体3に対するピストンロッド4のストローク量X
1 との関係が(Ar /APU)で表される比により決ま
り、当該ストローク量間における関係をピストンロッド
4の横断面積Ar と、収縮室17におけるピストン本体
15の受圧面積APUとにより規定することができる。
【0084】従って、本実施の形態になる多段式ショッ
クアブソーバによれば、その全ストロークに対するピス
トンロッド4のストローク量X1 の割合、および中間体
である筒体3のストローク量X2 の割合を、(Ar /A
PU)の比により決定することができることとなり、当該
比の決定次第でピストンロッド4および筒体3のどちら
かが先に底突きするという問題を解消し得る。
【0085】ちなみに、面積Ar ,APUを、(Ar /A
PU)=1/2となるよう決定すれば、大径側ショックア
ブソーバユニット2のピストンロッドストロークが小径
側ショックアブソーバユニット1のピストンロッドスト
ロークの半分になることとなり、これらピストンロッド
のどちらかが先に底突きするのを確実に防止して従来の
耐久性に関する問題を完全に解消することができる。
【0086】次に、上記の多段式ショックアブソーバが
ストロークを行っていない静荷重支持状態である時の作
用を考察するに、この時における副室14内の圧力をP
L とすると、周辺油室16b内の圧力も同じPL である
ことから、この圧力によるピストン本体15および筒体
3への上向き力FU1は FU1=PL ×APL ・・・(22) で表され、また中心ガス室16a内におけるガス圧Pg
がピストン本体15および筒体3を押し上げる力F
U2は、筒状伸縮部材21の横断面積をAb とすると、 FU2=Pg ×Ab ・・・(23) で表され、従って、これら力の和値であるピストン本体
15および筒体3への総合的な上向き力FU は FU =(PL ×APL)+(Pg ×Ab )・・・(24) で表される。
【0087】ところでピストン本体15および筒体3に
作用する下向き力FL は、収縮室17内の圧力PU によ
る下向き力(PU ×APU)と、ピストンロッド4からの
押し下げ反力(PU ×Ar )との和値であるから、前記
(8)式と同じくFL =PU(APU+Ar )で表され
る。そして当該ピストン本体15および筒体3に作用す
る下向き力FL と上記の上向き力FU とが釣り合って前
記の静荷重を支持していることからFL =FU であり、
従って (PL ×APL)+(Pg ×Ab )=PU (APU+Ar )・・・(25) が得られ、この関係式が成立するよう周辺油室16b内
の圧力PL と、収縮室17内の圧力PU との間には圧力
差が存在する。
【0088】本実施の形態においては、これら圧力
L ,PU 間をピストン本体15の外周面と内筒12と
の間における締め代で仕切る必要があるが、大径側ショ
ックアブソーバユニット2のピストン本体15および筒
体3の下部に金属ベローズを可とする筒状伸縮部材21
で仕切った中心ガス室16aを設けたことから、筒状伸
縮部材21の横断面積Ab の分だけ(24)式の左辺に
おける油圧PL の受圧面積APLを小さくして(24)式
の右辺における受圧面積(APU+Ar )に近づけたり、
これと同じにすることができ、結果としてピストン本体
15のの前後における圧力PL ,PU 間の圧力差を小さ
くし得る。これがため、ピストン本体15の外周面と内
筒12との間における締め代を小さくしても圧力PL
U 間を確実に仕切ることができ、ショックアブソーバ
としての機能を阻害することなく、両ショックアブソー
バユニット1,2のどちらかが先に底突きする問題を解
消するという前記の作用効果を不変に維持することがで
きる。
【0089】ところで上記筒状伸縮部材21は金属ベロ
ーズで構成するのが良く、その理由は、中心ガス室16
aと周辺油室16bとの間に大きな圧力差が発生した時
にも筒状伸縮部材21の横断面積Ab が大きく変化する
ことがなく、当該横断面積A b によって受圧面積APL
小さくすることにより奏し得られる前記の作用効果を一
層確実なものにすることができる。
【0090】なお、筒状伸縮部材21の設置スペースに
関しては、これが最も収縮した状態で当該筒状伸縮部材
21を設置し得る程度の軸線方向スペースが内筒12内
に必要であるが、内筒12にはもともと、底突き時のシ
ョック対策のために緩衝材を設けるスペースが確保され
ており、このスペースを利用して筒状伸縮部材21の設
置は可能である。また筒状伸縮部材21を設置する場
合、これにより画成された中心ガス室16aが上記緩衝
材の用をなすため、緩衝材の設置が不要となり、この点
において筒状伸縮部材21の設置スペースを新たに設定
する必要は何らないことを確かめた。
【0091】なお、筒状伸縮部材21により画成された
中心ガス室16aは図4のように密閉室とする代わり
に、図5に示すように大気連通孔22により大気に開放
させることができる。この場合、ピストン本体15およ
び筒体3のストロークによっても中心ガス室16a内を
大気圧に保つことができ、ピストン本体15および筒体
3のストロークによってピストン本体15の前後におけ
る圧力差が変化する弊害を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用する時の基本となる多段式ショ
ックアブソーバを示す縦断側面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態になる多段式ショック
アブソーバを示す縦断側面図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態になる多段式ショッ
クアブソーバを示す縦断側面図である。
【図4】 本発明の更に他の実施の形態になる多段式シ
ョックアブソーバを示す縦断側面図である。
【図5】 図4に示す多段式ショックアブソーバの変形
例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 小径側ショックアブソーバユニット 2 大径側ショックアブソーバユニット 3 小径側ショックアブソーバユニットの筒体(大径側
ショックアブソーバユニットのピストンロッド) 4 小径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ド 5 ピストン本体 6 振動減衰バルブ 7 振動減衰バルブ 8 伸長室 9 収縮室 11 大径側ショックアブソーバユニットの筒体 12 内筒 13 外筒 14 副室 15 ピストン本体 16 伸長室 17 収縮室 18 ボトムプレート 19 振動減衰バルブ 20 振動減衰バルブ 21 筒状伸縮部材(金属ベローズ) 22 大気連通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平原 道人 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 加藤 和人 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J069 AA51 AA57 CC09 CC40 EE03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンロッドが筒体から抜き差し可能
    に突出した振動減衰バルブ付きショックアブソーバユニ
    ットの多段同軸配置になり、隣り合うショックアブソー
    バユニットを相互に、小径側ショックアブソーバユニッ
    トの筒体が大径側ショックアブソーバユニットのピスト
    ンロッドに兼用されるよう相関させた多段式ショックア
    ブソーバにおいて、 小径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドか
    ら遠い油室と、大径側ショックアブソーバユニットのピ
    ストンロッドに近い油室との間を相互に連通させ、 大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドか
    ら遠い油室を画成するピストン本体と大径側ショックア
    ブソーバユニットのボトムプレートとの間に、大径側シ
    ョックアブソーバユニットのピストンロッドから遠い油
    室を中心油室および周辺油室に区画する筒状伸縮部材を
    介在させ、 大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドに
    近い油室と前記周辺油室との間を相互に連通させ、 前記中心油室を、前記ボトムプレートに設けた振動減衰
    バルブを介して、ガスが封入された副室に連通可能とし
    たことを特徴とする多段式ショックアブソーバ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記筒状伸縮部材を
    金属ベローズで構成したことを特徴とする多段式ショッ
    クアブソーバ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、小径側ショ
    ックアブソーバユニットに係わるピストンロッドの横断
    面積Ar 、大径側ショックアブソーバユニットに係わる
    ピストン本体の上側受圧面積APU、前記周辺油室に臨む
    下側受圧面積APL、および前記筒状伸縮部材の横断面積
    b を、Ar /(APU−APL+Ab )=1/2となるよ
    う決定して、大径側ショックアブソーバユニットのピス
    トンロッドのストロークが小径側ショックアブソーバユ
    ニットのピストンロッドのストロークの半分になるよう
    構成したことを特徴とする多段式ショックアブソーバ。
  4. 【請求項4】 ピストンロッドが筒体から抜き差し可能
    に突出した振動減衰バルブ付きショックアブソーバユニ
    ットの多段同軸配置になり、隣り合うショックアブソー
    バユニットを相互に、小径側ショックアブソーバユニッ
    トの筒体が大径側ショックアブソーバユニットのピスト
    ンロッドに兼用されるよう相関させた多段式ショックア
    ブソーバにおいて、 大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドに
    近い油室を画成するピストン本体と筒体端壁との間に、
    大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドに
    近い油室を中心油室および周辺油室に区画する筒状伸縮
    部材を介在させ、 小径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドか
    ら遠い油室と、前記中心油室との間を相互に連通させる
    と共に、大径側ショックアブソーバユニットのピストン
    ロッドから遠い油室および前記周辺油室間を相互に連通
    させ、 大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドか
    ら遠い油室を、大径側ショックアブソーバユニットのボ
    トムプレートに設けた振動減衰バルブを介して、ガスが
    封入された副室に連通可能としたことを特徴とする多段
    式ショックアブソーバ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記筒状伸縮部材を
    金属ベローズで構成したことを特徴とする多段式ショッ
    クアブソーバ。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、小径側ショ
    ックアブソーバユニットに係わるピストンロッドの横断
    面積Ar 、大径側ショックアブソーバユニットに係わる
    ピストンロッドの受圧面積A1 、および前記筒状伸縮部
    材の横断面積Abを、Ar /(Ab −A1 )=1/2と
    なるよう決定して、大径側ショックアブソーバユニット
    のピストンロッドのストロークが小径側ショックアブソ
    ーバユニットのピストンロッドのストロークの半分にな
    るよう構成したことを特徴とする多段式ショックアブソ
    ーバ。
  7. 【請求項7】 ピストンロッドが筒体から抜き差し可能
    に突出した振動減衰バルブ付きショックアブソーバユニ
    ットの多段同軸配置になり、隣り合うショックアブソー
    バユニットを相互に、小径側ショックアブソーバユニッ
    トの筒体が大径側ショックアブソーバユニットのピスト
    ンロッドに兼用されるよう相関させた多段式ショックア
    ブソーバにおいて、 小径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドか
    ら遠い油室と、大径側ショックアブソーバユニットのピ
    ストンロッドに近い油室との間を相互に連通させ、 大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドに
    近い油室およびピストンロッドから遠い室間を該ピスト
    ンロッドに結合したピストン本体により液密封止し、 大径側ショックアブソーバユニットのピストン本体およ
    びボトムプレート間に、大径側ショックアブソーバユニ
    ットのピストンロッドから遠い室を中心ガス室および周
    辺油室に区画する筒状伸縮部材を介在させ、 前記周辺油室を、前記ボトムプレートに設けた振動減衰
    バルブを介して、ガスが封入された副室に連通可能とし
    たことを特徴とする多段式ショックアブソーバ。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記筒状伸縮部材を
    金属ベローズで構成したことを特徴とする多段式ショッ
    クアブソーバ。
  9. 【請求項9】 請求項7または8において、前記中心ガ
    ス室を密閉空間にしたことを特徴とする多段式ショック
    アブソーバ。
  10. 【請求項10】 請求項7または8において、前記中心
    ガス室を大気中に連通させたことを特徴とする多段式シ
    ョックアブソーバ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100392281C (zh) * 2005-01-25 2008-06-04 王宝国 液压双向回程阻尼减振器
CN102252002A (zh) * 2010-05-19 2011-11-23 张宏如 压力补偿式油气悬挂缸
CN103423354A (zh) * 2013-08-19 2013-12-04 苏州市胜能弹簧五金制品有限公司 一种双压阻震弹簧装置
KR101382346B1 (ko) 2008-05-23 2014-04-08 현대자동차 주식회사 차량용 쇽 업소버
CN104879433A (zh) * 2015-04-20 2015-09-02 林华 层递弹簧式减震装置
CN114645586A (zh) * 2022-05-23 2022-06-21 河南允正建设工程有限公司 一种装配式建筑减震装置

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