JP2000161413A - 多段式ショックアブソーバ - Google Patents

多段式ショックアブソーバ

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JP2000161413A
JP2000161413A JP10334223A JP33422398A JP2000161413A JP 2000161413 A JP2000161413 A JP 2000161413A JP 10334223 A JP10334223 A JP 10334223A JP 33422398 A JP33422398 A JP 33422398A JP 2000161413 A JP2000161413 A JP 2000161413A
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JP
Japan
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shock absorber
cylinder
pump
chamber
piston
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JP10334223A
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English (en)
Inventor
Tatsugo Takagi
龍吾 高城
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段式ショックアブソーバの中間メンバが所
定レベルから外れて、ショックアブソーバの作動中に両
側メンバと衝接する問題を解消する。 【解決手段】 小径側ユニット1の筒体3は大径側ユニ
ット2のピストンロッドを構成し、任意の位置をとり得
る中間メンバであるが、筒体3,14内に低圧ガスを封
入されているから、筒体3は低下する傾向となる。ピス
トンロッド4の内端面に開口させてシリンダ4aを形成
し、これにピストン24を嵌合しポンプ室25を画成す
る。室25は吸入用逆止弁27を経て室10に通じさせ
る他、吐出用逆止弁28を経て室20に通じさせる。ピ
ストン24はロッド26を介して筒体3の底部に固着
し、ロッド4および筒体3間の相対変位中にピストン2
4が室10から20に達する作動液流を発生させ、低下
傾向の筒体3を上昇させる。規定レベルになると、ピス
トン24とシリンダ4aとの間に隙間ができ、ポンプ作
用が中止されて筒体3を規定レベルに復帰させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多段式ショックア
ブソーバの耐久性や異音に対する改良提案に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ショックアブソーバは通常、例えば実開
平5−42785号公報に記載のごとく、ピストンロッ
ドを気液が封入された筒体に対し抜き差し可能に嵌合し
て構成し、例えば筒体から突出したピストンロッドを車
体に取り付け、筒体を車輪に取り付けて車両のサスペン
ション装置に用いる。
【0003】ところで、かように1個のピストンロッド
および1個の筒体のみからなる従来のショックアブソー
バは、収縮時の全長が伸長時のそれに対し1/2程度に
しか縮まらず、大きなストローク(サスペンションスト
ローク)を確保するのが比較的困難であった。この問題
解決のためには、本願出願人が特願平9−253120
号により既に提案済みのように、ピストンロッドが筒体
から抜き差し可能に突出したショックアブソーバユニッ
トを多段に同軸配置し、隣り合うショックアブソーバユ
ニット同士を、小径側ショックアブソーバユニットの筒
体が大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ドに兼用されるよう相関させて、ショックアブソーバを
多段式にすることが考えられる。この場合、2段式のシ
ョックアブソーバなら収縮時の全長が伸長時のそれに対
し1/3程度に縮まり、その分サスペンションストロー
クを大きく確保することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記多段式シ
ョックアブソーバにおいては、小径側ショックアブソー
バユニットおよび大径側ショックアブソーバユニットの
間で兼用する中間メンバ、つまり2段式のショックアブ
ソーバなら小径側ショックアブソーバユニットの筒体
(大径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
ド)がストローク方向の位置を規制されず、どの位置に
存在するのかが不確実である。因みにショックアブソー
バユニットが、筒体内に液体とともに低圧ガスを封入さ
れて当該低圧ガスの圧縮または膨張によりピストンロッ
ドの進入体積補償または進出体積補償を行い得るように
することで収縮動作または伸長動作が可能な型式のもの
である場合、中間メンバが重力により位置を低下される
傾向となる。逆にショックアブソーバユニットが、筒体
内に液体とともに高圧ガスを封入されて当該高圧ガスの
圧縮または膨張によりピストンロッドの進入体積補償ま
たは退出体積補償を行い得るようにすることで収縮動作
または伸長動作が可能な型式のものである場合、中間メ
ンバが上記高圧ガスの圧力を受けているため位置を上昇
される傾向となる。
【0005】かように中間メンバが重力により位置を低
下されたり、高圧ガスの圧力により位置を上昇されてい
る場合、車両走行時における車輪のバウンド、リバウン
ドに伴う多段式ショックアブソーバの伸縮動作中に、中
間メンバの底部が大径側ショックアブソーバユニットの
筒体に衝接したり、小径側ショックアブソーバユニット
のピストンロッドに衝接し、何れにしても多段式ショッ
クアブソーバの耐久性を低下させたり、異音の発生で商
品価値を低下させるという問題を生ずる。
【0006】請求項1の第1発明は、多段式ショックア
ブソーバのストローク中に相対変位するメンバによりポ
ンプ作用を生起させ、上記中間メンバを規定位置に押し
戻すような内部液体の液流を生じさせることにより中間
メンバの位置を規制することで上記衝接の問題を回避し
得るようにした多段式ショックアブソーバを提案するこ
とを目的とする。
【0007】請求項2の第2発明は、上記第1発明のポ
ンプ作用を生起させるためのポンプ構造が比較的簡単に
得られるようにした多段式ショックアブソーバを提案す
ることを目的とする。
【0008】請求項3の第3発明は、上記中間メンバを
規定位置を超えて押し戻すようなことのないようにした
多段式ショックアブソーバを提案することを目的とす
る。
【0009】請求項4の第4発明は、上記のポンプ構造
をスペース的に余裕をもって容易に設定し得るようにし
た多段式ショックアブソーバを提案することを目的とす
るものである。
【0010】請求項5の第5発明は、2段式ショックア
ブソーバの場合において上記のポンプ構造を比較的簡単
に、且つ、スペース的に余裕をもって容易に設定し得る
ようにした多段式ショックアブソーバを提案することを
目的とするものである。
【0011】請求項6の第6発明は、2段式ショックア
ブソーバの場合において上記のポンプ構造を、第5発明
とは別の手段により比較的簡単に、且つ、スペース的に
余裕をもって容易に設定し得るようにした多段式ショッ
クアブソーバを提案することを目的とするものである。
【0012】請求項7の第7発明は、第4発明〜第6発
明に代わる構成で同様の作用効果が得られるようにした
多段式ショックアブソーバを提案することを目的とする
ものである。
【0013】請求項8の第8発明は、第7発明のポンプ
構造にする時もポンプ負荷が円周方向等分にかかるよう
にすることで、ショックアブソーバの構成メンバ間にこ
じり力が作用することのないようにした多段式ショック
アブソーバを提案することを目的とするものである。
【0014】請求項9の第9発明は、上記各発明におけ
るポンプ構造をショックアブソーバユニットが低圧ガス
封入式である場合において特に有用な構成にした多段式
ショックアブソーバを提案することを目的とするもので
ある。
【0015】請求項10の第10発明は、上記各発明に
おけるポンプ構造をショックアブソーバユニットが高圧
ガス封入式である場合において特に有用な構成にした多
段式ショックアブソーバを提案することを目的とするも
のである。
【0016】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による多段式ショックアブソーバは、ピスト
ンロッドが筒体から抜き差し可能に突出したショックア
ブソーバユニットの多段同軸配置になり、隣り合うショ
ックアブソーバユニットを相互に、小径側ショックアブ
ソーバユニットの筒体が大径側ショックアブソーバユニ
ットのピストンロッドに兼用されるように相関させた多
段式ショックアブソーバにおいて、最小径側ショックア
ブソーバユニットのピストンロッドである最小径ピスト
ンロッドと最大径側ショックアブソーバユニットの筒体
である最大径筒体との相対ストローク中に相対変位する
相対変位メンバ間に、該相対変位でポンプ作用を生じて
前記最小径ピストンロッドおよび最大径筒体間の中間メ
ンバを規定位置に押し戻すような2室間での液流を生起
させるポンプ構造を設定したことを特徴とするものであ
る。
【0017】第2発明による多段式ショックアブソーバ
は、上記第1発明において、前記ポンプ構造を前記相対
変位メンバの一方に形成したシリンダと、他方に固定さ
れて該シリンダ内に摺動自在に嵌合したポンプピストン
と、これらシリンダおよびポンプピストン間に画成され
たポンプ室を経由して前記2室間での液流を生起させる
ための逆止弁とで構成したことを特徴とするものであ
る。
【0018】第3発明による多段式ショックアブソーバ
は、上記第2発明において、前記中間メンバが前記規定
位置へ押し戻された時に前記ポンプピストンの前後間を
連通させて前記2室間での液流が生じないようにするた
めの連通孔を設けたことを特徴とするものである。
【0019】第4発明による多段式ショックアブソーバ
は、第2発明または第3発明において、前記シリンダを
前記最小径ピストンロッド内に形成したことを特徴とす
るものである。
【0020】第5発明による多段式ショックアブソーバ
は、上記第4発明において、多段式ショックアブソーバ
が小径側ショックアブソーバユニットおよび大径側ショ
ックアブソーバユニットのみで構成されている場合、小
径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドに、
大径側ショックアブソーバユニット側の端面に開口させ
て前記シリンダを形成し、該シリンダ内に摺動自在に前
記ポンプピストンを嵌合させ、該ポンプピストンを小径
側ショックアブソーバユニットの筒体に結合したことを
特徴とするものである。
【0021】第6発明による多段式ショックアブソーバ
は、上記第4発明において、多段式ショックアブソーバ
が小径側ショックアブソーバユニットおよび大径側ショ
ックアブソーバユニットのみで構成されている場合、小
径側ショックアブソーバユニットのピストンロッドに、
大径側ショックアブソーバユニット側の端面に開口させ
て前記シリンダを形成し、該シリンダ内に摺動自在に前
記ポンプピストンを嵌合させ、該ポンプピストンを大径
側ショックアブソーバユニットの筒体に結合したことを
特徴とするものである。
【0022】第7発明による多段式ショックアブソーバ
は、上記第2発明または第3発明において、前記中間メ
ンバにシリンダ本体を並置し、該中間メンバをピストン
ロッドとする大径側隣接ショックアブソーバユニットの
筒体内に該シリンダ本体を開口させると共に、このシリ
ンダ本体内に前記ポンプピストンを摺動自在に嵌合して
前記ポンプ室を画成し、このポンプピストンを前記大径
側隣接ショックアブソーバユニットの筒体のピストンロ
ッドから遠い端部に固設して前記ポンプ構造を成したこ
とを特徴とするものである。
【0023】第8発明による多段式ショックアブソーバ
は、上記第7発明において、前記ポンプ構造を複数個1
組とし、これらポンプ構造をショックアブソーバユニッ
トの円周方向等間隔に配置したことを特徴とするもので
ある。
【0024】第9発明による多段式ショックアブソーバ
は、第1発明乃至第8発明のいずれかにおいて、前記シ
ョックアブソーバユニットが筒体内に液体とともに低圧
ガスを封入されている場合、前記ポンプ構造は、前記中
間メンバを多段式ショックアブソーバの使用姿勢方向上
方へ変位させるような前記2室間での液流を生起させる
構成にしたしたことを特徴とするものである。
【0025】第10発明による多段式ショックアブソー
バは、第1発明乃至第8発明のいずれかにおいて、前記
ショックアブソーバユニットが筒体内に液体とともに高
圧ガスを封入されている場合、前記ポンプ構造は、前記
中間メンバを前記最大径筒体の方向へ変位させるような
前記2室間での液流を生起させる構成にしたことを特徴
とするものである。
【0026】
【発明の効果】第1発明による多段式ショックアブソー
バは、上記のごとく相互に多段同軸配置した各ショック
アブソーバユニットのピストンロッドが筒体に対し抜き
差し可能に進退するときの抵抗分で所定の振動減衰機能
を発揮する。第1発明によれば更に、最小径側ショック
アブソーバユニットのピストンロッドである最小径ピス
トンロッドと最大径側ショックアブソーバユニットの筒
体である最大径筒体との相対ストローク中に相対変位す
る相対変位メンバ間に設定したポンプ構造が、上記の相
対変位に起因してポンプ作用を生じて上記最小径ピスト
ンロッドおよび最大径筒体間の中間メンバを規定位置に
押し戻す。
【0027】これがため第1発明においては、多段式シ
ョックアブソーバのストローク中に上記のポンプ構造
が、最小径ピストンロッドおよび最大径筒体間の中間メ
ンバを必ず規定位置に押し戻して中間メンバの位置を規
制することとなり、当該中間メンバが位置を規制されな
い場合のように、隣接するメンバに衝接することがなく
なり、この衝接で多段式ショックアブソーバの耐久性が
低下したり、異音が発生するといった前記の問題を解消
することができる。
【0028】第2発明においては、上記ポンプ構造を特
に以下の構成とする。つまり前記相対変位メンバの一方
に形成したシリンダと、この相対変位メンバの他方に固
定されて当該シリンダ内に摺動自在に嵌合したポンプピ
ストンと、これらシリンダおよびポンプピストン間に画
成されたポンプ室を経由して前記2室間での液流を生起
させるための逆止弁とで上記のポンプ構造を構成する。
これがため第2発明においては、上記第1発明のポンプ
作用を生起させるためのポンプ構造が比較的簡単なもの
となり、製作上およびコスト的に大いに有利である。
【0029】第3発明においては、上記ポンプ構造を第
2発明のようにする場合において、上記中間メンバが前
記規定位置へ押し戻された時にポンプピストンの前後間
を連通させて前記2室間での液流が生じないようにする
ための連通孔を設けたために、上記中間メンバを規定位
置を超えて押し戻すようなことがなくなり、中間メンバ
を規定位置に維持することができ、上記の作用効果を常
時確実に達成することができる。
【0030】第4発明においては、上記ピストン構造を
なすシリンダを最小径ピストンロッド内に形成したため
に、ポンプ構造をスペース的に余裕をもって容易に設定
することができ、設計上大いに有利である。
【0031】第5発明においては、多段式ショックアブ
ソーバが特に小径側ショックアブソーバユニットおよび
大径側ショックアブソーバユニットのみで構成された2
段式ショックアブソーバである場合、小径側ショックア
ブソーバユニットのピストンロッドに、大径側ショック
アブソーバユニット側の端面に開口させて前記ピストン
構造のシリンダを形成し、該シリンダ内に摺動自在に前
記ポンプピストンを嵌合させ、該ポンプピストンを小径
側ショックアブソーバユニットの筒体に結合したため
に、2段式ショックアブソーバの場合において前記のポ
ンプ構造を比較的簡単に、且つ、スペース的に余裕をも
って容易に設定することができ、設計上大いに有利であ
る。
【0032】第6発明においては、多段式ショックアブ
ソーバが特に小径側ショックアブソーバユニットおよび
大径側ショックアブソーバユニットのみで構成された2
段式ショックアブソーバである場合、小径側ショックア
ブソーバユニットのピストンロッドに、大径側ショック
アブソーバユニット側の端面に開口させて前記ピストン
構造のシリンダを形成し、該シリンダ内に摺動自在に前
記ポンプピストンを嵌合させ、該ポンプピストンを大径
側ショックアブソーバユニットの筒体に結合したため、
2段式ショックアブソーバの場合において前記のポンプ
構造を、第5発明とは別の手段により比較的簡単に、且
つ、スペース的に余裕をもって容易に設定することがで
き、この場合も第5発明と同様設計上大いに有利であ
る。
【0033】第7発明においては、前記中間メンバにシ
リンダ本体を並置し、該中間メンバをピストンロッドと
する大径側隣接ショックアブソーバユニットの筒体内に
該シリンダ本体を開口させると共に、このシリンダ本体
内に前記ポンプピストンを摺動自在に嵌合して前記ポン
プ室を画成し、このポンプピストンを前記大径側隣接シ
ョックアブソーバユニットの筒体のピストンロッドから
遠い端部に固設して前記ポンプ構造を成したため、前記
第4発明〜第6発明に代わる構成で同様の作用効果を得
ることができ、本発明の採用自由度を大いに高めること
ができる。
【0034】第8発明においては、前記ポンプ構造を第
7発明のように構成する場合、当該ポンプ構造を複数個
1組とし、これらポンプ構造をショックアブソーバユニ
ットの円周方向等間隔に配置したから、ポンプ負荷が円
周方向において等分に作用することとなり、ショックア
ブソーバの構成メンバ間にこじり力が作用するのを防止
することができる。
【0035】第9発明においては、ショックアブソーバ
ユニットが筒体内に液体とともに低圧ガスを封入されて
いる場合、前記ポンプ構造を以下のごとくに構成する。
つまり、中間メンバを多段式ショックアブソーバの使用
姿勢方向上方へ変位させるような前記2室間での液流を
生起させる構成にする。これがため、ショックアブソー
バユニットが当該低圧ガス封入式のものであると中間メ
ンバが重力により低下傾向になるところながら、上記の
ポンプ構造がこの中間メンバを上昇させて当該低下傾向
を解消することができる。従って第9発明は、低圧ガス
封入式ショックアブソーバの場合において特に有用であ
る。
【0036】第10発明においては、ショックアブソー
バユニットが筒体内に液体とともに高圧ガスを封入され
ている場合、前記ポンプ構造を以下のごとくに構成す
る。つまり、中間メンバを前記最大径筒体の方向へ変位
させるような前記2室間での液流を生起させる構成にす
る。これがため、ショックアブソーバユニットが当該高
圧ガス封入式のものであると中間メンバが高圧ガスによ
り前記最小径ピストンロッドに接近される傾向となると
ころながら、上記のポンプ構造がこの中間メンバを最大
径筒体の方向へ変位させて上記の接近傾向を解消するこ
とができる。従って第10発明は、高圧ガス封入式ショ
ックアブソーバの場合において特に有用である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1乃至図3は、本発明の一
実施の形態になる多段式ショックアブソーバを示し、本
実施の形態においては、当該ショックアブソーバを2段
式に構成したが、それ以上の多段式に構成してもよいこ
と勿論である。
【0038】図1において、1は小径側(本実施の形態
では最小径側)ショックアブソーバユニット、2は大径
側(最大径側)ショックアブソーバユニットを示す。小
径側(最小径側)ショックアブソーバユニット1は筒体
3およびピストンロッド(最小径ピストンロッド)4を
具え、筒体3を本実施の形態では、内筒5および外筒6
よりなり、これら内外筒間に副室7を有した複筒式にす
る。そして副室7と内筒5の内部との間は、内筒5の底
部内に固設したボトムプレート8の透孔8aにより連通
させる。
【0039】ピストンロッド4は液密封止下で筒体3内
に抜き差し可能に進入させ、該ピストンロッド4の内端
にピストン本体9を固着する。そして、当該ピストン本
体9を内筒5内に摺動自在に嵌合して、内筒5の内部
を、ピストンロッド4から遠い側の伸長室10およびピ
ストンロッド4が貫通する収縮室11の2室に区画す
る。これら伸長室10および収縮室11内には作動液を
充満させ、この作動液を更に上記副室7内にも浸入さ
せ、副室7内の残部には、ピストンロッド4が内筒5に
対し進退する時にピストンロッド4の進入体積分または
退出体積分だけ変化する内筒5の内容積変化を補償する
ための低圧ガスを封入する。
【0040】ピストン本体9には、ショックアブソーバ
ユニット1の収縮ストローク中に伸長室10から収縮室
11への作動液流を許容すると共に、この液流に流動抵
抗を与えて振動減衰機能を生起する減衰バルブ12を設
けるほか、逆にショックアブソーバユニット1の伸長ス
トローク中に収縮室11から伸長室10への作動液流を
許容すると共に、この液流に流動抵抗を与えて振動減衰
機能を生起する減衰バルブ13を設ける。
【0041】大径側(最大径側)ショックアブソーバユ
ニット2は、上記小径側(最小径側)ショックアブソー
バユニット1の筒体3をピストンロッドとして兼用し、
これを液密封止下で最大径筒体14内に抜き差し可能に
進入させて構成する。本実施の形態ではこの筒体14も
筒体3と同様、内筒15および外筒16よりなり、これ
ら内外筒間に副室17を有した複筒式にし、この副室1
7と内筒15の内部との間を、内筒15の底部内に固設
したボトムプレート18の透孔18aにより連通させ
る。
【0042】大径側(最大径側)ショックアブソーバユ
ニット2のピストンロッドとして機能する小径側(最小
径側)ショックアブソーバユニット1の筒体3は上記の
通り最大径筒体14内に抜き差し可能に進入させるが、
該筒体3の内端にピストン本体19を固着する。そし
て、当該ピストン本体19を内筒15内に摺動自在に嵌
合して、内筒15の内部を伸長室20および収縮室21
の2室に区画する。これら伸長室20および収縮室21
内には作動液を充満させ、この作動液を更に上記副室1
7内にも浸入させ、副室17内の残部には、筒体3が内
筒15に対し進退する時に筒体3の進入体積分または退
出体積分だけ変化する内筒15の内容積変化を補償する
ための低圧ガスを封入する。
【0043】ピストン本体19には、ショックアブソー
バユニット2の収縮ストローク中に伸長室20から収縮
室21への作動液流を許容すると共に、この液流に流動
抵抗を与えて振動減衰機能を生起する減衰バルブ22を
設けるほか、逆にショックアブソーバユニット2の伸長
ストローク中に収縮室21から伸長室20への作動液流
を許容すると共に、この液流に流動抵抗を与えて振動減
衰機能を生起する減衰バルブ23を設ける。
【0044】上記の基本構造になる多段式ショックアブ
ソーバは、例えば車両のサスペンション装置に用いる場
合、最小径側ショックアブソーバユニット1の最小径ピ
ストンロッド4を車体に取り付け、最大径側ショックア
ブソーバユニット2の最大径筒体14を車輪側に取り付
けて実用に供するが、この時、最小径側ショックアブソ
ーバユニット1の筒体3(最大径側ショックアブソーバ
ユニット2のピストンロッド)は位置を規制されず、基
本的には任意の位置をとり得る中間メンバとなる。とこ
ろで、ショックアブソーバユニット1,2が上記の通り
筒体3,14内に低圧ガスを封入されているから、中間
メンバである筒体3は重力によりショックアブソーバの
使用姿勢方向下方に(図1の下方に)低下する傾向とな
る。
【0045】当該低下傾向により筒体3がボトムプレー
ト18に或る程度以上に接近した位置になると、車輪の
バウンド、リバウンドで筒体14が上下動する時、筒体
3もそれにつれて上下動するが、その上下動量が筒体1
4のそれよりも少ないために、筒体3の内端と筒体14
の底部におけるボトムプレート18とが衝接し、ショッ
クアブソーバの耐久性を低下させたり、異音を発生させ
るといった問題を生ずる。この問題解決のため本実施の
形態においては、以下のセルフポンピング作用を行うポ
ンプ構造により、上記のごとく低下した筒体3を規定位
置に上昇させ得るようにする。
【0046】これがため、伸長室10内における最小径
ピストンロッド4の内端面に開口させて当該ピストンロ
ッド4にシリンダ4aを形成し、このシリンダ内にポン
プピストン24を摺動自在に嵌合してポンプ室25を画
成する。そしてポンプピストン24は、外筒6の下端に
立設したコネクティングロッド26の先端に固着し、こ
れにより、最小径ピストンロッド4と最大径筒体14と
の相対ストロークに伴うピストンロッド4および筒体3
(これらで相対変位メンバを構成する)間の相対変位中
に、ポンプピストン24がシリンダ4a内を摺動してポ
ンプ室25の容積変化を生じ得るようにする。
【0047】当該ポンプ室25の容積変化から上記のセ
ルフポンピング作用を生起させるために、シリンダ4a
の底部においてポンプ室25に開口すると共に伸長室1
0に至る液路4bをピストンロッド4に形成し、更にコ
ネクティングロッド26を貫通してポンプ室25および
伸長室20間を通じさせる貫通孔26aを設ける。そし
て、これら液路4bおよび貫通孔26a内にそれぞれ吸
入用逆止弁27および吐出用逆止弁28を挿置し、これ
ら逆止弁27,28のうち前者の吸入用逆止弁27は、
伸長室10からポンプ室25へのαで示す液流を許容す
るが逆向きの液流を阻止する向きに配置し、後者の吐出
用逆止弁28はポンプ室25から伸長室20へのβで示
す液流を許容するが逆向きの液流を阻止する向きに配置
する。
【0048】上記の構成において多段式ショックアブソ
ーバは以下のごとくに作用する。車輪のバウンド、リバ
ウンドで筒体14が上下動する時、筒体3もそれにつれ
て上下動するが、その上下動量が筒体14のそれよりも
少なく、ほぼ1/2程度である。従って、筒体14の上
昇時は筒体3が筒体14内に進入し、ピストンロッド4
が筒体3内に進入する。このとき筒体14の内容積が筒
体3の進入体積分だけ減少すると共に、筒体3内の内容
積がピストンロッド4の進入体積分だけ減少する。筒体
14の容積減少は副室17内における低圧ガスの圧縮に
より補償されて筒体14に対する筒体3の進入を可能な
らしめ、筒体3の容積減少は副室7内における低圧ガス
の圧縮により補償されて筒体3に対するピストンロッド
4の進入を可能ならしめる。
【0049】他方で筒体14の下降時は筒体3が筒体1
4内から退出し、ピストンロッド4が筒体3内から退出
する。このとき筒体14の内容積が筒体3の退出体積分
だけ増加すると共に、筒体3内の内容積がピストンロッ
ド4の退出体積分だけ増加する。筒体14の容積増加は
副室17内における低圧ガスの膨張により補償されて筒
体14に対する筒体3の退出を可能ならしめ、筒体3の
容積増加は副室7内における低圧ガスの膨張により補償
されて筒体3に対するピストンロッド4の退出を可能な
らしめる。
【0050】一方で、車輪のバウンド、リバウンド時に
上記の如くに生ずる筒体3および14間の相対変位、並
びに筒体3およびピストンロッド4間の相対変位はそれ
ぞれ、振動減衰バルブ22,23を介した伸長室20お
よび収縮室21間での作動液の置換流動、および振動減
衰バルブ12,13を介した伸長室10および収縮室1
1間での作動液の置換流動を生じさせ、これら作動液の
置換流動時における流動抵抗で所定の振動減衰機能が得
られる。
【0051】しかして、最小径側ショックアブソーバユ
ニット1の最小径ピストンロッド4と、最大径側ショッ
クアブソーバユニット2の最大径筒体14との間におけ
る中間メンバである筒体3は位置を規制されず、またシ
ョックアブソーバユニット1,2が上記の通り筒体3,
14内に低圧ガスを封入されているから、筒体3は重力
によりショックアブソーバの使用姿勢方向下方に(図2
の下方に)低下される。当該低下により筒体3がボトム
プレート18に或る程度以上に接近した位置になると、
車輪のバウンド、リバウンドで筒体14が上下動する
時、筒体3の内端と筒体14の底部におけるボトムプレ
ート18とが衝接し、ショックアブソーバの耐久性を低
下させたり、異音を発生させるといった問題を生ずる
が、本実施の形態においては当該問題を以下のようにし
て回避することができる。
【0052】即ち、車輪のバウンド、リバウンドに伴っ
てピストンロッド4と筒体3とが相対変位する時、ポン
プピストン24がシリンダ4a内を摺動し、ポンプ室2
5の容積変化を惹起する。そしてポンプ室25は、容積
増大するとき圧力低下により吸入用逆止弁27を開いて
αで示すように伸長室10からポンプ室25内に作動液
を吸入し、その後に容積減少するとき圧力上昇により吐
出用逆止弁28を開いて作動液をβで示すようにポンプ
室25から伸長室20内に吐出するようなセルフポンピ
ング作用を行う。これにより伸長室10からポンプ室2
5を経て伸長室20に達する作動液流が発生することと
なり、位置を規制されていない筒体3は伸長室10の液
量低下と、伸長室20の液量増大とで図1において上方
へ押し戻されることとなり、筒体3が重力により低下し
て上記耐久性および異音の問題を生ずるのを防止するこ
とができる。
【0053】ここで本実施の形態においては、当該作用
効果を達成するためのポンプ構造をなすポンプ室25を
特に、ピストンロッド4に穿ったシリンダ4a内にポン
プピストン24を摺動自在に嵌合して画成することとし
たから、設置スペースの確保が困難なポンプ室25もこ
れを難なく、そしてショックアブソーバの大径化や長大
化を伴うことなく形成することができる。
【0054】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図1の上方領域においてシリンダ4aの
内周形状を図2に示すごとく、ポンプピストン24との
間に当該ピストンの前後間を連通させる連通孔29が生
ずるような形状とする。なお、上記以外の下方領域にお
けるシリンダ4aの内周形状は図3に示すごとく、ポン
プピストン24との間に当該ピストンの前後間を連通さ
せるような隙間が生ずることのない形状とし、これによ
り上記のセルフポンピング作用を生起させる。
【0055】よって、当該セルフポンピング作用により
筒体3が図1の上方へ押し戻されて規定位置に上昇する
と、図2に示す連通孔29が生じてポンプピストン24
の前後が連通され、前記のセルフポンピング作用が得ら
れなくなって筒体3を規定位置に止めておくことができ
る。なお当該筒体3の最適な規定位置が多段式ショック
アブソーバの全長のほぼ中央位置であることは言うまで
もない。
【0056】ところで図1乃至図3に示す実施の形態に
おいては、多段式ショックアブソーバが低圧ガス封入式
のもので、中間メンバである筒体3が低下する傾向にあ
る場合の対策例を示したが、逆に多段式ショックアブソ
ーバが高圧ガス封入式のもので、中間メンバである筒体
3が高圧ガスにより上昇する傾向にある場合について
も、逆止弁27,28の向きを逆にして筒体3を低下さ
せるような液流を生起させるセルフポンピング作用が生
ずる構成にすることで同様に対策可能であること勿論で
ある。ただしこの場合、筒体3の低下を規制するために
図2および図3に示す断面形状にする領域が図1の場合
とは逆になることは言うまでもない。
【0057】なお、図1乃至図3に示す実施の形態にお
いては多段式ショックアブソーバが2段式のものである
場合を例としたが、それ以上の多段式ショックアブソー
バである場合にも同様の考え方により対処することがで
きる。但し、段数が増えればそれだけ中間メンバが増え
ることになるが、中間メンバの全てを位置規制する必要
は必ずしもなく、問題となる中間メンバのみを位置規制
するだけでも良い。
【0058】また、上記のセルフポンピング作用により
中間メンバを規定位置に押し戻すために作動液を往来さ
せるべき2室として、図1乃至図3に示す実施の形態に
おいては伸長室10,20を例示したが、その他にも図
15に示すような室の組み合わせがあり、これら各組み
合わせを用いた実施の形態につき図4乃至図13を参照
しつつ以下に順次説明する。先ず図4は低圧ガス封入式
ショックアブソーバを前提とし、伸長室10と収縮室1
1との間でセルフポンピング作用が生ずる構成にした実
施の形態を示す。本実施の形態においてはポンプ室25
に係わる吸入系を図1におけると同様に構成するが、吐
出系を、コネクティングロッド26の貫通孔26a内に
おける吐出用逆止弁28がパイプ30により収縮室11
に通じている構成にする。
【0059】かかる構成においては、車輪のバウンド、
リバウンドに伴ってピストンロッド4(シリンダ4a)
と筒体3(ポンプピストン24)とが相対変位し、ポン
プ室25の容積変化を惹起する時、以下のセルフポンピ
ング作用が得られる。つまりポンプ室25は、容積増大
するとき圧力低下により吸入用逆止弁27を開いてαで
示すように伸長室10からポンプ室25内に作動液を吸
入し、その後に容積減少するとき圧力上昇により吐出用
逆止弁28を開いてパイプ30を介し作動液をβで示す
ようにポンプ室25から収縮室11内に吐出するような
セルフポンピング作用を行う。これにより伸長室10か
らポンプ室25を経て収縮室11に達する作動液流が発
生することとなり、位置を規制されていない筒体3は伸
長室10の液量低下と、収縮室11の液量増大とで図4
において上方へ押し戻されることとなり、筒体3が重力
により低下して前記耐久性および異音の問題を生ずるの
を防止することができる。
【0060】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図4の上方領域においてシリンダ4aの
内周形状を図2に示すごとくにし、それ以外の下方領域
におけるシリンダ4aの内周形状を図3に示すごとくに
するのは、図1乃至図3の場合と同じである。また多段
式ショックアブソーバが高圧ガス封入式のもので、中間
メンバとしての筒体3が高圧ガスにより上昇する傾向に
ある場合についても、逆止弁27,28の向きを逆にし
て筒体3を低下させるような液流を生起させるセルフポ
ンピング作用が生ずる構成にすることで同様に対策可能
であること勿論である。この場合、筒体3の低下を規制
するために図2および図3に示す断面形状にする領域が
逆になることは、図1の場合につき前述したと同様であ
る。
【0061】図5は低圧ガス封入式ショックアブソーバ
を前提とし、伸長室10と副室7との間でセルフポンピ
ング作用が生ずる構成にした実施の形態を示す。本実施
の形態においてはポンプ室25に係わる吸入系を図1に
おけると同様に構成するが、吐出系を、コネクティング
ロッド26の貫通孔26a内における吐出用逆止弁28
が副室7に通じた構成にする。
【0062】かかる構成においては、車輪のバウンド、
リバウンドに伴ってピストンロッド4(シリンダ4a)
と筒体3(ポンプピストン24)とが相対変位し、ポン
プ室25の容積変化を惹起する時、α,βで示すように
伸長室10からポンプ室25を経て副室7に達する作動
液流が発生するセルフポンピング作用を生ずる。これに
より、位置規制されていない筒体3は伸長室10の液量
低下と、副室7の液量増大とで図5において上方へ押し
戻されることとなり、筒体3が重力により低下して前記
耐久性および異音の問題を生ずるのを防止することがで
きる。
【0063】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図5の上方領域においてシリンダ4aの
内周形状を図2に示すごとくにし、それ以外の下方領域
におけるシリンダ4aの内周形状を図3に示すごとくに
するのは、図1乃至図3の場合と同じである。
【0064】図6は筒体3が上昇傾向となる高圧ガス封
入式ショックアブソーバを前提とし、伸長室10と副室
17との間でセルフポンピング作用が生ずる構成にした
実施の形態を示す。本実施の形態においては、伸長室1
0とポンプ室25との間に延在する液路4b内に吐出用
逆止弁28を挿置し、貫通孔26bをポンプ室25と副
室17との間に延在させ、この貫通孔26b内に吸入用
逆止弁27を挿置する。
【0065】かかる構成においては、車輪のバウンド、
リバウンドに伴ってピストンロッド4(シリンダ4a)
と筒体3(ポンプピストン24)とが相対変位し、ポン
プ室25の容積変化を惹起する時、以下のセルフポンピ
ング作用が得られる。つまりポンプ室25は、容積増大
するとき圧力低下により吸入用逆止弁27を開いてαで
示すように副室17からポンプ室25内に作動液を吸入
し、その後に容積減少するとき圧力上昇により吐出用逆
止弁28を開いて作動液をβで示すように伸長室10内
に吐出するようなセルフポンピング作用を行う。これに
より副室17からポンプ室25を経て伸長室10に達す
る作動液流が発生することとなり、上昇傾向の筒体3は
伸長室10の液量増大と、副室17の液量低下とで図6
において下方へ押し戻されることとなり、筒体3が高圧
ガスにより上昇して前記耐久性および異音の問題を生ず
るのを防止することができる。
【0066】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図6の下方領域においてシリンダ4aの
内周形状を図2に示すごとくにし、それ以外の上方領域
におけるシリンダ4aの内周形状を図3に示すごとくに
するのは前述したと同じである。また多段式ショックア
ブソーバが低圧ガス封入式のもので、中間メンバとして
の筒体3が重力により低下する傾向にある場合について
も、逆止弁27,28の向きを逆にして筒体3を上昇さ
せるような液流を生起させるセルフポンピング作用が生
ずる構成にすることで同様に対策可能であること勿論で
ある。この場合、筒体3の上昇を規制するために図2お
よび図3に示す断面形状にする領域が逆になること勿論
である。
【0067】図7は、筒体3が低下傾向となる低圧ガス
封入式ショックアブソーバを前提とし、収縮室11,2
1間でセルフポンピング作用が生ずる構成にした実施の
形態を示す。本実施の形態においては,液路4bをポン
プ室25から遠い端部において収縮室11に開口させる
と共に、この液路4b内に吐出用逆止弁28を挿置し、
貫通孔26bをポンプ室25から遠い端部においてパイ
プ31により収縮室21に通じさせると共に、貫通孔2
6b内に吸入用逆止弁27を挿置する。
【0068】かかる構成においては、車輪のバウンド、
リバウンドに伴ってピストンロッド4(シリンダ4a)
と筒体3(ポンプピストン24)とが相対変位し、ポン
プ室25の容積変化を惹起する時、以下のセルフポンピ
ング作用が得られる。つまりポンプ室25は、容積増大
するとき圧力低下により吸入用逆止弁27を開いてαで
示すように収縮室21からポンプ室25内に作動液を吸
入し、その後に容積減少するとき圧力上昇により吐出用
逆止弁28を開いて作動液をβで示すようにポンプ室2
5から収縮室11内に吐出するようなセルフポンピング
作用を行う。これにより収縮室21からポンプ室25を
経て収縮室11に達する作動液流が発生することとな
り、低下傾向にある筒体3は収縮室11の液量増大と、
収縮室21の液量低下とで図7において上方へ押し戻さ
れることとなり、筒体3が重力により低下して前記耐久
性および異音の問題を生ずるのを防止することができ
る。
【0069】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図7の上方領域においてシリンダ4aの
内周形状を図2に示すごとくにし、それ以外の下方領域
におけるシリンダ4aの内周形状を図3に示すごとくに
するのは、図1乃至図3の場合と同じである。また多段
式ショックアブソーバが高圧ガス封入式のもので、中間
メンバとしての筒体3が高圧ガスにより上昇する傾向に
ある場合についても、逆止弁27,28の向きを逆にし
て筒体3を低下させるような液流を生起させるセルフポ
ンピング作用が生ずる構成にすることで同様に対策可能
であること勿論である。この場合、筒体3の低下を規制
するために図2および図3に示す断面形状にする領域が
逆になることは、図1の場合につき前述したと同様であ
る。
【0070】図8は、筒体3が低下傾向となる低圧ガス
封入式ショックアブソーバを前提とし、収縮室11およ
び副室7間でセルフポンピング作用が生ずる構成にした
実施の形態を示す。本実施の形態においては,液路4b
をポンプ室25から遠い端部において収縮室11に開口
させると共に、この液路4b内に吐出用逆止弁28を挿
置し、貫通孔26bをポンプ室25から遠い端部におい
て副室7に通じさせると共に、貫通孔26b内に吸入用
逆止弁27を挿置する。
【0071】かかる構成においては、車輪のバウンド、
リバウンドに伴ってピストンロッド4(シリンダ4a)
と筒体3(ポンプピストン24)とが相対変位し、ポン
プ室25の容積変化を惹起する時、以下のセルフポンピ
ング作用が得られる。つまりポンプ室25は、容積増大
するとき圧力低下により吸入用逆止弁27を開いてαで
示すように副室7からポンプ室25内に作動液を吸入
し、その後に容積減少するとき圧力上昇により吐出用逆
止弁28を開いて作動液をβで示すようにポンプ室25
から収縮室11内に吐出するようなセルフポンピング作
用を行う。これにより副室7からポンプ室25を経て収
縮室11に達する作動液流が発生することとなり、低下
傾向にある筒体3は収縮室11の液量増大と、副室7の
液量低下とで図8において上方へ押し戻されることとな
り、筒体3が重力により低下して前記耐久性および異音
の問題を生ずるのを防止することができる。
【0072】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図8の上方領域においてシリンダ4aの
内周形状を図2に示すごとくにし、それ以外の下方領域
におけるシリンダ4aの内周形状を図3に示すごとくに
するのは、図1乃至図3の場合と同じである。また多段
式ショックアブソーバが高圧ガス封入式のもので、中間
メンバとしての筒体3が高圧ガスにより上昇する傾向に
ある場合についても、逆止弁27,28の向きを逆にし
て筒体3を低下させるような液流を生起させるセルフポ
ンピング作用が生ずる構成にすることで同様に対策可能
であること勿論である。この場合、筒体3の低下を規制
するために図2および図3に示す断面形状にする領域が
逆になることは、図1の場合につき前述したと同様であ
る。
【0073】上記各実施の形態においては、前記セルフ
ポンピング作用を生起するポンプ構造のポンプ室25を
ピストンロッド4内に形成し、ポンプ構造が当該ピスト
ンロッド4と筒体3または14との相対変位に応動する
構成にしたが、この代わりに図9乃至図13に示すごと
く、筒体3の外側に別途シリンダ本体32を並設し、こ
のシリンダ本体内にポンプピストン24を摺動自在に嵌
合してポンプ室25を画成し、筒体3,14間の相対変
位に応動するポンプ構造を用いるようにすることができ
る。
【0074】図9に示す実施の形態は、筒体3が上昇傾
向となる高圧ガス封入式ショックアブソーバを前提と
し、副室17および伸長室20間でセルフポンピング作
用が生ずる構成にしたものである。これがため、シリン
ダ本体32を開口端が伸長室20内に臨むよう筒体3の
外側に並設し、このシリンダ本体内に上記の如くポンプ
室25が画成されるよう摺動自在に嵌合したポンプピス
トン24にコネクティングロッド26の一端を固着す
る。そしてコネクティングロッド26の他端を、筒体1
4内におけるボトムプレート18に固着し、これによ
り、筒体3,14(これらで相対変位メンバを構成す
る)間の相対変位中に、ポンプピストン24がシリンダ
本体32内を摺動してポンプ室25の容積変化を生じ得
るようにする。
【0075】当該ポンプ室25の容積変化から前記した
と同様なセルフポンピング作用を生起させるために、シ
リンダ本体32の底部においてポンプ室25に開口する
と共に伸長室20に至る液路32aをシリンダ本体32
に形成し、更にコネクティングロッド26を貫通してポ
ンプ室25および副室17間を通じさせる貫通孔26a
を設ける。そして、これら液路32aおよび貫通孔26
a内にそれぞれ吐出用逆止弁28および吸入用逆止弁2
7を挿置し、これら逆止弁のうち吸入用逆止弁27は、
副室17からポンプ室25へのαで示す液流を許容する
が逆向きの液流を阻止する向きに配置し、吐出用逆止弁
28はポンプ室25から伸長室20へのβで示す液流を
許容するが逆向きの液流を阻止する向きに配置する。な
お図示しなかったが、上記のようなポンプ構造は複数個
を1組としてこれらを筒体3の外周に円周方向等間隔に
配置し、これにより、筒体3,14間に作用するポンプ
負荷が円周方向において等分にかかるようにし、もって
ショックアブソーバ構成部品間にこじりが発生するのを
防止する。
【0076】かかる構成においては、車輪のバウンド、
リバウンドに伴って筒体3,14が相対変位し、ポンプ
ピストン24がシリンダ本体32内を摺動することでポ
ンプ室25の容積変化を惹起する時、α,βで示すよう
に副室17からポンプ室25を経て伸長室20に達する
作動液流が発生するセルフポンピング作用を生ずること
となる。これにより、上昇傾向にある筒体3は副室17
の液量低下と伸長室20の液量増大とで図9において下
方へ押し戻されることとなり、筒体3が高圧ガスにより
上昇して前記耐久性および異音の問題を生ずるのを防止
することができる。
【0077】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図9の上方領域においてシリンダ本体3
2の内周形状を図2に示すシリンダ4aと同様な形状に
し、それ以外の下方領域におけるシリンダ本体32の内
周形状を図3に示すシリンダ4aと同様な形状にするの
は、前述したと同様である。
【0078】図10に示す実施の形態は、筒体3が低下
傾向となる低圧ガス封入式ショックアブソーバを前提と
し、副室7および伸長室20間でセルフポンピング作用
が生ずる構成にしたものである。これがため、ポンプ室
25に開口する液路32aを副室7内に通じさせ、ポン
プ室25から延在する貫通孔26aをパイプ33により
伸長室20に通じさせる。そして、液路32a内に吸入
用逆止弁27を挿置し、貫通孔26a内に吐出用逆止弁
28を挿置する。
【0079】かかる構成においては、車輪のバウンド、
リバウンドに伴って筒体3,14が相対変位し、ポンプ
ピストン24がシリンダ本体32内を摺動することでポ
ンプ室25の容積変化を惹起する時、α,βで示すよう
に副室7からポンプ室25を経て伸長室20に達する作
動液流が発生するセルフポンピング作用を生ずることと
なる。これにより、低下傾向にある筒体3は副室7の液
量低下と伸長室20の液量増大とで図10において上方
へ押し戻されることとなり、筒体3が重力により低下し
て前記耐久性および異音の問題を生ずるのを防止するこ
とができる。
【0080】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図10の下方領域においてシリンダ本体
32の内周形状を図2に示すシリンダ4aと同様な形状
とし、それ以外の上方領域におけるシリンダ本体32の
内周形状を図3に示すシリンダ4aと同様な形状にする
のは、前述したと同様である。
【0081】また多段式ショックアブソーバが高圧ガス
封入式のもので、中間メンバとしての筒体3が高圧ガス
により上昇する傾向にある場合についても、逆止弁2
7,28の向きを逆にして筒体3を低下させるような液
流を生起させるセルフポンピング作用が生ずる構成にす
ることで同様に対策可能であること勿論である。この場
合、筒体3の低下を規制するためにシリンダ本体32の
内周形状を、図2および図3に示すシリンダ4aと同様
な断面形状にする領域が逆になることは、図1の場合に
つき前述したと同様である。
【0082】図11に示す実施の形態は、筒体3が低下
傾向となる低圧ガス封入式ショックアブソーバを前提と
し、副室7,17間でセルフポンピング作用が生ずる構
成にしたものである。これがため、ポンプ室25に開口
する液路32aを副室7内に通じさせ、ポンプ室25か
ら延在する貫通孔26aを副室17に通じさせる。そし
て、液路32a内に吸入用逆止弁27を挿置し、貫通孔
26a内に吐出用逆止弁28を挿置する。
【0083】かかる構成においては、車輪のバウンド、
リバウンドに伴って筒体3,14が相対変位し、ポンプ
ピストン24がシリンダ本体32内を摺動することでポ
ンプ室25の容積変化を惹起する時、α,βで示すよう
に副室7からポンプ室25を経て副室17に達する作動
液流が発生するセルフポンピング作用を生ずることとな
る。これにより、低下傾向にある筒体3は副室7の液量
低下と副室17の液量増大とで図11において上方へ押
し戻されることとなり、筒体3が重力により低下して前
記耐久性および異音の問題を生ずるのを防止することが
できる。
【0084】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図11の下方領域においてシリンダ本体
32の内周形状を図2に示すシリンダ4aと同様な形状
とし、それ以外の上方領域におけるシリンダ本体32の
内周形状を図3に示すシリンダ4aと同様な形状にする
のは、前述したと同様である。
【0085】また多段式ショックアブソーバが高圧ガス
封入式のもので、中間メンバとしての筒体3が高圧ガス
により上昇する傾向にある場合についても、逆止弁2
7,28の向きを逆にして筒体3を低下させるような液
流を生起させるセルフポンピング作用が生ずる構成にす
ることで同様に対策可能であること勿論である。この場
合、筒体3の低下を規制するためにシリンダ本体32の
内周形状を、図2および図3に示すシリンダ4aと同様
な断面形状にする領域が逆になることは、図1の場合に
つき前述したと同様である。
【0086】図12に示す実施の形態は、筒体3が低下
傾向となる低圧ガス封入式ショックアブソーバを前提と
し、伸長室20および収縮室21間でセルフポンピング
作用が生ずる構成にしたものである。これがため、ポン
プ室25に開口する液路32aを収縮室21内に通じさ
せ、ポンプ室25から延在する貫通孔26aをパイプ3
3により伸長室20に通じさせる。そして、液路32a
内に吸入用逆止弁27を挿置し、貫通孔26a内に吐出
用逆止弁28を挿置する。
【0087】かかる構成においては、車輪のバウンド、
リバウンドに伴って筒体3,14が相対変位し、ポンプ
ピストン24がシリンダ本体32内を摺動することでポ
ンプ室25の容積変化を惹起する時、α,βで示すよう
に収縮室21からポンプ室25を経て伸長室20に達す
る作動液流が発生するセルフポンピング作用を生ずるこ
ととなる。これにより、低下傾向にある筒体3は収縮室
21の液量低下と伸長室20の液量増大とで図12にお
いて上方へ押し戻されることとなり、筒体3が重力によ
り低下して前記耐久性および異音の問題を生ずるのを防
止することができる。
【0088】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図12の下方領域においてシリンダ本体
32の内周形状を図2に示すシリンダ4aと同様な形状
とし、それ以外の上方領域におけるシリンダ本体32の
内周形状を図3に示すシリンダ4aと同様な形状にする
のは、前述したと同様である。
【0089】また多段式ショックアブソーバが高圧ガス
封入式のもので、中間メンバとしての筒体3が高圧ガス
により上昇する傾向にある場合についても、逆止弁2
7,28の向きを逆にして筒体3を低下させるような液
流を生起させるセルフポンピング作用が生ずる構成にす
ることで同様に対策可能であること勿論である。この場
合、筒体3の低下を規制するためにシリンダ本体32の
内周形状を、図2および図3に示すシリンダ4aと同様
な断面形状にする領域が逆になることは、図1の場合に
つき前述したと同様である。
【0090】図13に示す実施の形態は、筒体3が低下
傾向となる低圧ガス封入式ショックアブソーバを前提と
し、副室17および収縮室21間でセルフポンピング作
用が生ずる構成にしたものである。これがため、ポンプ
室25に開口する液路32aを収縮室21内に通じさ
せ、ポンプ室25から延在する貫通孔26aを副室17
に通じさせる。そして、液路32a内に吸入用逆止弁2
7を挿置し、貫通孔26a内に吐出用逆止弁28を挿置
する。
【0091】かかる構成においては、車輪のバウンド、
リバウンドに伴って筒体3,14が相対変位し、ポンプ
ピストン24がシリンダ本体32内を摺動することでポ
ンプ室25の容積変化を惹起する時、α,βで示すよう
に収縮室21からポンプ室25を経て副室17に達する
作動液流が発生するセルフポンピング作用を生ずること
となる。これにより、低下傾向にある筒体3は収縮室2
1の液量低下と副室17の液量増大とで図13において
上方へ押し戻されることとなり、筒体3が重力により低
下して前記耐久性および異音の問題を生ずるのを防止す
ることができる。
【0092】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図13の下方領域においてシリンダ本体
32の内周形状を図2に示すシリンダ4aと同様な形状
とし、それ以外の上方領域におけるシリンダ本体32の
内周形状を図3に示すシリンダ4aと同様な形状にする
のは、前述したと同様である。
【0093】また多段式ショックアブソーバが高圧ガス
封入式のもので、中間メンバとしての筒体3が高圧ガス
により上昇する傾向にある場合についても、逆止弁2
7,28の向きを逆にして筒体3を低下させるような液
流を生起させるセルフポンピング作用が生ずる構成にす
ることで同様に対策可能であること勿論である。この場
合、筒体3の低下を規制するためにシリンダ本体32の
内周形状を、図2および図3に示すシリンダ4aと同様
な断面形状にする領域が逆になることは、図1の場合に
つき前述したと同様である。
【0094】図14は、上記各実施の形態と同じく2段
式のショックアブソーバながら、これらとは異なる原理
で振動減衰機能を果たす多段式ショックアブソーバに対
して本発明の着想を適用した実施の形態を示す。先ずシ
ョックアブソーバの基本構造を説明するに、小径側ショ
ックアブソーバユニット1の筒体3を作動液のみが充満
された単筒式とし、振動減衰バルブ12,13を具えた
ピストン本体9により仕切られる伸長室10および収縮
室11のうち伸長室10を、筒体3の周壁に穿った連通
孔3aにより大径側ショックアブソーバユニット2の収
縮室21に通じさせる。
【0095】大径側ショックアブソーバユニット2は、
上記小径側ショックアブソーバユニット1の筒体3をピ
ストンロッドとして兼用し、これを液密封止下で筒体1
4内に抜き差し可能に進入させて構成する。そして筒体
14は、内筒15および外筒16よりなり、これら内外
筒間に副室17を有した複筒式とし、筒体3の内端に
は、内筒15内に嵌合されたピストン本体19を固着し
て内筒15内を伸長室20および収縮室21の2室に区
画する。これら伸長室20および収縮室21内には作動
液を充満させ、この作動液を更に上記副室17内にも浸
入させ、副室17内の残部には、筒体3が内筒15に対
し進退する時に圧縮または膨張されて当該筒体3の進退
を可能にするための高圧ガスを封入する。
【0096】副室17と伸長室20との間を、内筒15
の底部内に固設したボトムプレート18上における振動
減衰バルブ34,35により、制限状態で作動液の往来
が可能なように相関させる。振動減衰バルブ34は、シ
ョックアブソーバユニット2の収縮ストローク中に伸長
室20から副室17への作動液流を許容すると共に、こ
の液流に流動抵抗を与えて振動減衰機能を生起するもの
とし、逆に振動減衰バルブ35は、ショックアブソーバ
ユニット2の伸長ストローク中に副室17から伸長室2
0への作動液流を許容すると共に、この液流に流動抵抗
を与えて振動減衰機能を生起するものとする。
【0097】上記の基本構造になる多段式ショックアブ
ソーバは、例えば車両のサスペンション装置に用いる場
合、小径側ショックアブソーバユニット1のピストンロ
ッド4を車体に取り付け、大径側ショックアブソーバユ
ニット2の筒体14を車輪側に取り付けて実用に供し、
以下のごとに機能する。車輪のバウンド、リバウンドで
筒体14が上下動する時、筒体3が筒体14に対して進
退し、この時、ピストン本体19が振動減衰バルブ3
4,35を経て伸長室20および副室17間で作動液を
往来させ、所定の振動減衰機能が得られる。
【0098】なお、この間における収縮室21内の容積
変化は、連通孔3aを経て筒体3内と収縮室21内との
間で行われる作動液の往来で補償され、筒体3,14間
の相対変位を可能にする。当該作動液の往来は筒体3に
対するピストンロッド4の相対変位を生起させ、この際
ピストン本体9の前後で振動減衰バルブ12,13を経
て行われる作動液の置換流動が、筒体3およびピストン
ロッド4間の相対変位に対して振動減衰機能を発揮す
る。
【0099】上記の作用中、伸長室20が高圧になる収
縮行程では副室17内の封入ガスによる緩衝機能が得ら
れるものの、収縮室21が高圧になる伸長行程では当該
封入ガスによる緩衝機能が得られないことから、ピスト
ン本体119および内筒15間の隙間を経て収縮室21
から伸長室20に液漏れを生ずることがあり、位置を規
制されない筒体3は上昇される傾向となる。当該上昇傾
向により筒体3がピストン本体9に或る程度以上に接近
した位置になると、車輪のバウンド、リバウンドで筒体
14の上下動に伴って上下動する筒体3がピストン本体
9に衝接し、ショックアブソーバの耐久性を低下させた
り、異音を発生させるといった問題を生ずる。
【0100】この問題解決のため本実施の形態において
は、以下のセルフポンピング作用を行うポンプ構造によ
り、上記のごとく上昇した筒体3を規定位置に低下させ
得るようにする。つまり図1におけると同様に、伸長室
10内におけるピストンロッド4の内端面に開口させて
当該ピストンロッド4にシリンダ4aを形成し、このシ
リンダ内にポンプピストン24を摺動自在に嵌合してポ
ンプ室25を画成する。そしてポンプピストン24は、
外筒6の下端に立設したコネクティングロッド26の先
端に固着し、これにより、ピストンロッド4と筒体14
との相対ストロークに伴うピストンロッド4および筒体
3間の相対変位中に、ポンプピストン24がシリンダ4
a内を摺動して、ポンプ室25の容積変化を生じ得るよ
うにする。
【0101】当該ポンプ室25の容積変化から上記のセ
ルフポンピング作用を生起させるために、シリンダ4a
の底部においてポンプ室25に開口すると共に伸長室1
0に至る液路4bをピストンロッド4に形成し、更にコ
ネクティングロッド26を貫通してポンプ室25および
伸長室20間を通じさせる貫通孔26aを設ける。そし
て、これら液路4bおよび貫通孔26a内にそれぞれ吐
出用逆止弁28および吸入用逆止弁27を挿置し、これ
ら逆止弁27,28のうち前者の逆止弁28は、ポンプ
室25から伸長室10へのβで示す液流を許容するが逆
向きの液流を阻止する向きに配置し、後者の逆止弁27
は伸長室20からポンプ室25へのαで示す液流を許容
するが逆向きの液流を阻止する向きに配置する。
【0102】上記のポンプ構造は以下のごとくに作用す
る。車輪のバウンド、リバウンドで筒体14が上下動す
る時、前記したように筒体3がピストンロッド4に対し
て相対変位する。この時、ポンプピストン24がシリン
ダ4a内を摺動し、ポンプ室25の容積変化を惹起す
る。そしてポンプ室25は、容積増大するとき圧力低下
により吸入用逆止弁27を開いてαで示すように伸長室
20からポンプ室25内に作動液を吸入し、その後に容
積減少するとき圧力上昇により吐出用逆止弁28を開い
て作動液をβで示すようにポンプ室25から伸長室10
内に吐出するようなセルフポンピング作用を行う。これ
により伸長室20からポンプ室25を経て伸長室10に
達する作動液流が発生することとなり、前記したように
上昇傾向にある筒体3は伸長室20の液量低下と、伸長
室10の液量増大とで図14において下方へ押し戻され
ることとなり、筒体3が前記した室21から室20への
液漏れにより上昇して耐久性および異音の問題を生ずる
のを防止することができる。
【0103】なお筒体3の押し戻し位置を規定するため
に、筒体3が規定位置になった時のポンプピストン24
のレベルよりも図14の下方領域においてシリンダ4a
の内周形状を図2に示すごとく、ポンプピストン24と
の間に当該ピストンの前後間を連通させる連通孔29が
生ずるような形状とする。なお、上記以外の上方領域に
おけるシリンダ4aの内周形状は図3に示すごとく、ポ
ンプピストン24との間に当該ピストンの前後間を連通
させるような隙間が生ずることのない形状とし、これに
より上記のセルフポンピング作用を生起させる。
【0104】よって、当該セルフポンピング作用により
筒体3が図14の下方へ押し戻されて規定位置に上昇す
ると、図2に示す連通孔29が生じてポンプピストン2
4の前後が連通され、前記のセルフポンピング作用が得
られなくなって筒体3を規定位置に止めておくことがで
きる。なお当該筒体3の最適な規定位置が多段式ショッ
クアブソーバの全長のほぼ中央位置であることは言うま
でもない。
【0105】ところで上記実施の形態とは逆に、室20
から室21への液漏れで筒体3が低下する傾向にある場
合についても、逆止弁27,28の向きを逆にして筒体
3を上昇させるような液流を生起させるセルフポンピン
グ作用が生ずる構成にすることで同様に対策可能である
こと勿論である。ただしこの場合、筒体3の上昇を規制
するために図2および図3に示す断面形状にする領域が
図14の場合とは逆になることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる多段式ショックア
ブソーバを示す縦断側面図である。
【図2】同実施の形態における多段式ショックアブソー
バを図1のII−II線上で断面とし矢の方向に見て示
す横断面図である。
【図3】同実施の形態における多段式ショックアブソー
バを図1のIII−III線上で断面とし矢の方向に見
て示す横断面図である
【図4】本発明による多段式ショックアブソーバの他の
実施の形態を示す縦断側面図である。
【図5】本発明による多段式ショックアブソーバの更に
他の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図6】本発明による多段式ショックアブソーバの別の
実施の形態を示す縦断側面図である。
【図7】本発明による多段式ショックアブソーバの更に
別の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図8】本発明による多段式ショックアブソーバの更に
他の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図9】本発明による多段式ショックアブソーバの更に
他の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図10】本発明による多段式ショックアブソーバの更
に別の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図11】本発明による多段式ショックアブソーバの他
の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図12】本発明による多段式ショックアブソーバの更
に他の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図13】本発明による多段式ショックアブソーバの更
に別の実施の形態を示す縦断側面図である。
【図14】別の型式になる多段式ショックアブソーバに
対して本発明の着想を適用した実施の形態を示す縦断側
面図である。
【図15】本発明によるセルフポンピング作用で中間メ
ンバを上下動させ得る2室の組み合わせと、組み合わせ
ごとの実施の形態に対応した図面番号とを示す関係表示
図である。
【符号の説明】
1 小径側(最小径側)ショックアブソーバユニット 2 大径側(最大径側)ショックアブソーバユニット 3 筒体(中間メンバ) 4 小径(最小径)ピストンロッド 5 内筒 6 外筒 7 副室 8 ボトムプレート 9 ピストン本体 10 伸長室 11 収縮室 12 振動減衰バルブ 13 振動減衰バルブ 14 大径(最大径)筒体 15 内筒 16 外筒 17 副室 18 ボトムプレート 19 ピストン本体 20 伸長室 21 収縮室 22 振動減衰バルブ 23 振動減衰バルブ 24 ポンプピストン 25 ポンプ室 26 コネクティングロッド 27 吸入用逆止弁 28 吐出用逆止弁 29 連通孔 30 パイプ 31 パイプ 32 シリンダ本体 33 パイプ 34 振動減衰バルブ 35 振動減衰バルブ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンロッドが筒体から抜き差し可能
    に突出したショックアブソーバユニットの多段同軸配置
    になり、隣り合うショックアブソーバユニットを相互
    に、小径側ショックアブソーバユニットの筒体が大径側
    ショックアブソーバユニットのピストンロッドに兼用さ
    れるよう相関させた多段式ショックアブソーバにおい
    て、 最小径側ショックアブソーバユニットのピストンロッド
    である最小径ピストンロッドと最大径側ショックアブソ
    ーバユニットの筒体である最大径筒体との相対ストロー
    ク中に相対変位する相対変位メンバ間に、該相対変位で
    ポンプ作用を生じて前記最小径ピストンロッドおよび最
    大径筒体間の中間メンバを規定位置に押し戻すような2
    室間での液流を生起させるポンプ構造を設定したことを
    特徴とする多段式ショックアブソーバ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ポンプ構造を前
    記相対変位メンバの一方に形成したシリンダと、他方に
    固定されて該シリンダ内に摺動自在に嵌合したポンプピ
    ストンと、これらシリンダおよびポンプピストン間に画
    成されたポンプ室を経由して前記2室間での液流を生起
    させるための逆止弁とで構成したことを特徴とする多段
    式ショックアブソーバ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記中間メンバが前
    記規定位置へ押し戻された時に前記ポンプピストンの前
    後間を連通させて前記2室間での液流が生じないように
    するための連通孔を設けたことを特徴とする多段式ショ
    ックアブソーバ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、前記シリン
    ダを前記最小径ピストンロッド内に形成したことを特徴
    とする多段式ショックアブソーバ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、多段式ショックアブ
    ソーバが小径側ショックアブソーバユニットおよび大径
    側ショックアブソーバユニットのみで構成されている場
    合、小径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
    ドに、大径側ショックアブソーバユニット側の端面に開
    口させて前記シリンダを形成し、該シリンダ内に摺動自
    在に前記ポンプピストンを嵌合させ、該ポンプピストン
    を小径側ショックアブソーバユニットの筒体に結合した
    ことを特徴とする多段式ショックアブソーバ。
  6. 【請求項6】 請求項4において、多段式ショックアブ
    ソーバが小径側ショックアブソーバユニットおよび大径
    側ショックアブソーバユニットのみで構成されている場
    合、小径側ショックアブソーバユニットのピストンロッ
    ドに、大径側ショックアブソーバユニット側の端面に開
    口させて前記シリンダを形成し、該シリンダ内に摺動自
    在に前記ポンプピストンを嵌合させ、該ポンプピストン
    を大径側ショックアブソーバユニットの筒体に結合した
    ことを特徴とする多段式ショックアブソーバ。
  7. 【請求項7】 請求項2または3において、前記中間メ
    ンバにシリンダ本体を並置し、該中間メンバをピストン
    ロッドとする大径側隣接ショックアブソーバユニットの
    筒体内に該シリンダ本体を開口させると共に、このシリ
    ンダ本体内に前記ポンプピストンを摺動自在に嵌合して
    前記ポンプ室を画成し、このポンプピストンを前記大径
    側隣接ショックアブソーバユニットの筒体のピストンロ
    ッドから遠い端部に固設して前記ポンプ構造を成したこ
    とを特徴とする多段式ショックアブソーバ。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記ポンプ構造を複
    数個1組とし、これらポンプ構造をショックアブソーバ
    ユニットの円周方向等間隔に配置したことを特徴とする
    多段式ショックアブソーバ。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項におい
    て、前記ショックアブソーバユニットが筒体内に液体と
    ともに低圧ガスを封入されている場合、前記ポンプ構造
    は、前記中間メンバを多段式ショックアブソーバの使用
    姿勢方向上方へ変位させるような前記2室間での液流を
    生起させる構成にしたしたことを特徴とする多段式ショ
    ックアブソーバ。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至8のいずれか1項におい
    て、前記ショックアブソーバユニットが筒体内に液体と
    ともに高圧ガスを封入されている場合、前記ポンプ構造
    は、前記中間メンバを前記最大径筒体の方向へ変位させ
    るような前記2室間での液流を生起させる構成にしたこ
    とを特徴とする多段式ショックアブソーバ。
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