JP2000265959A - アキュムレータ一体型圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 省スペース化と低騒音化ができ、室外ユニッ
トを大きくすることなく、効率の高い冷凍装置を実現で
きるアキュムレータ一体型圧縮機を提供する。 【解決手段】 圧縮機本体２のケーシング３と、上記ケ
ーシング３の少なくとも一部を取り囲むように設けられ
たアキュムレータ用ケーシング５とによって環状のアキ
ュムレータ４を形成して、圧縮機本体２とアキュムレー
タ４とを一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍装置に用いら
れるアキュムレータ一体型圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、冷凍装置の室外ユニットは、
図５に示すように、ケーシング５２内にＬ型熱交換器５
９,送風ファン６０および圧縮機６１を備え、Ｌ型熱交
換器５９,送風ファン６０が配置されたファン室５４
と、圧縮機６１が配置された機械室５５とを仕切り板５
３によって仕切っている。上記機械室５５内には、図６
に示すように、圧縮機６１の近傍に、付属アキュムレー
タ６２と製品アキュムレータ６３とを配置している。上
記圧縮機６１の吸込側を付属アキュムレータ６２の一端
に吸込管６５を介して接続すると共に、上記付属アキュ
ムレータ６２の他端に製品アキュムレータ６３を配管６
６を介して接続している(図７,８参照)。

【０００３】上記室外ユニットの運転時、液とガスとが
混合状態の冷媒が配管６７(図８に示す),製品アキュム
レータ６３,配管６６,付属アキュムレータ６２および吸
込管６５(図７に示す)を介して圧縮機６１の吸込側に吸
い込まれるとき、製品アキュムレータ６３,付属アキュ
ムレータ６２により液冷媒とガス冷媒とを分離して、圧
縮機６１にガス冷媒のみが吸い込まれ、吐出管６８側か
ら吐出される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図５に
示す室外ユニットでは、効率を向上させるためにＬ型熱
交換器５９の熱交換面積を大きくしようとした場合、フ
ァン室５４を広げなければならないので、ケーシング５
２が大きくなるという問題がある。そこで、この問題を
解決するために機械室５５を小さくして、ファン室５４
を広くすることが考えられるが、機械室５５では、少な
くとも圧縮機６１,付属アキュムレータ６２,製品アキュ
ムレータ６３,吸込管６５(図７に示す)および配管６６
(図７,８に示す)を配置するためのスペース７０(図６の
２点鎖線で囲まれた領域)を必要とするので、これ以上
の機械室５５の小型化は難しい。

【０００５】また、上記室外ユニットの仕切り板５３を
取り外して、Ｌ型熱交換器５９の機械室５５側の一端を
側方に延ばすことによって、室外ユニットのケーシング
５２を大きくすることなく、室外ユニットの効率を向上
させることが考えられる。ところが、上記機械室５５内
にＬ型熱交換器５９の一部が大きく入り込んだ状態とな
って、機械室５５を空気が通り抜けるときに圧縮機６
１,付属アキュムレータ６２,製品アキュムレータ６３,
吸込管６５および配管６６,６７などに空気が衝突する
ので、空気の圧力損失が大きくなると共に、空気の流れ
が乱れて、騒音が発生するという問題がある。また、上
記圧縮機６１から発生する騒音を遮断していた仕切り板
５３を取り外すため、騒音がさらに増大するという欠点
がある。

【０００６】そこで、本発明の目的は、省スペース化と
低騒音化ができ、室外ユニットを大きくすることなく、
効率の高い冷凍装置を実現できるアキュムレータ一体型
圧縮機を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１のアキュムレータ一体型圧縮機は、ケーシ
ングを有する圧縮機本体と、上記圧縮機本体のケーシン
グと、そのケーシングの少なくとも一部を取り囲むよう
に設けられたアキュムレータ用ケーシングとによって形
成された環状のアキュムレータとを備えたことを特徴と
している。

【０００８】上記請求項１のアキュムレータ一体型圧縮
機によれば、上記圧縮機本体のケーシングと、そのケー
シングの少なくとも一部を取り囲むように設けられた上
記アキュムレータ用ケーシングとによって環状の上記ア
キュムレータを形成して、圧縮機本体とアキュムレータ
とを一体化しているので、別々に製作された従来の圧縮
機とアキュムレータとの間にあった空スペースがなくな
って、別体の圧縮機およびアキュムレータよりも配置ス
ペースを小さくできる。また、上記アキュムレータ用ケ
ーシングが圧縮機本体の少なくとも一部を取り囲むの
で、圧縮機本体から発生する騒音がアキュムレータ用ケ
ーシングによって遮断されて、上記圧縮機本体の騒音を
低減できる。

【０００９】また、このアキュムレータ一体型圧縮機を
冷凍装置の室外ユニットに用いた場合、配置スペースが
小さいアキュムレータ一体型圧縮機室が配置される室を
小型化して、室外ユニットの大きさを変えることなく熱
交換器が配置される室を相対的に大きくできる。したが
って、上記室外ユニットを大きくすることなく、熱交換
器を大きくして、熱交換面積を大きくすることにより効
率を向上できる。また、このアキュムレータ一体型圧縮
機の周囲を流れる空気は、外周に沿ってスムーズに流れ
るので、空気の圧力損失を低減できると共に、空気流の
乱れを抑えて騒音を低減できる。

【００１０】また、請求項２のアキュムレータ一体型圧
縮機は、請求項１に記載のアキュムレータ一体型圧縮機
において、上記アキュムレータに設けられ、外部から上
記アキュムレータ内に冷媒を吸い込むためのアキュムレ
ータ吸込口と、上記圧縮機本体に設けられ、上記アキュ
ムレータ内から上記圧縮機本体内に冷媒を吸い込むため
の圧縮機本体吸込口とを備え、上記アキュムレータ吸込
口と上記圧縮機本体吸込口との間を上記圧縮機本体のケ
ーシングで遮ぎって、上記アキュムレータ吸込口と上記
圧縮機本体吸込口とが直線径路で結ばれないようにして
いることを特徴としている。

【００１１】上記請求項２のアキュムレータ一体型圧縮
機によれば、上記アキュムレータ吸込口と上記圧縮機本
体吸込口との間を圧縮機本体のケーシングで遮って、ア
キュムレータ吸込口と圧縮機本体吸込口とが直線径路で
結ばれないようにしているので、外部からアキュムレー
タ吸込口を介してアキュムレータ内に吸い込まれた液と
ガスとが混合状態の冷媒のうちの液冷媒は、圧縮機本体
吸込口に達するまでに圧縮機本体のケーシングに遮られ
て滴下して、アキュムレータの底部に溜まり、ガス冷媒
のみが圧縮機本体吸込口を介して圧縮機本体内に吸い込
まれる。したがって、液とガスとを確実に分離でき、圧
縮機本体の液圧縮を防いで、圧縮機本体を保護でき、信
頼性を向上できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明のアキュムレータ一
体型圧縮機を図示の実施の形態により詳細に説明する。

【００１３】図１は本発明の実施の一形態のアキュムレ
ータ一体型圧縮機を側方から見た断面図であり、図２は
上記アキュムレータ一体型圧縮機を上方から見た図であ
る。図１に示すように、上記アキュムレータ一体型圧縮
機１は、圧縮機本体２と、上記圧縮機本体２のケーシン
グ３を取り囲むように設けられたアキュムレータ用ケー
シング５とを備えている(図２参照)。上記圧縮機本体２
のケーシング３とアキュムレータ用ケーシング５とによ
って環状のアキュムレータ４を形成している。上記圧縮
機本体２のケーシング３の上側に吐出管８を設けると共
に、ケーシング３の下側に台座部材９を取り付けてい
る。また、上記アキュムレータ４内に、上記圧縮機本体
２のケーシング３の下端近傍の側面に一端が接続され、
他端がケーシング３の側面に沿って上方に向かって延び
た配管６を配置している。上記配管６は、アキュムレー
タ４内の冷媒を吸い込むための圧縮機本体吸込口１１を
上端に有している。また、上記アキュムレータ４の上端
部では、図２に示すように、圧縮機本体２に対して配管
６と反対の側に配管７の一端を上方から貫通して接続し
ている。上記配管７は、外部からアキュムレータ４内に
冷媒を吸い込むためのアキュムレータ吸込口１０(図１
に示す)を下端に有している。

【００１４】また、図３は上記アキュムレータ一体型圧
縮機１を用いた冷凍装置の室外ユニットの水平断面を示
している。図３に示すように、上記室外ユニット３１
は、側面,後面に吸込口３６,３７が夫々設けられ、ケー
シング３２の前面に吹出口３８が設けられたケーシング
３２と、上記ケーシング３２内に吸込口３６,３７に沿
って配置されたＬ型熱交換器３９と、上記ケーシング３
２内の吸込口３６と反対の側の側面近傍に配置されたア
キュムレータ一体型圧縮機１と、上記ケーシング３２内
のＬ型熱交換器３９と吹出口３８との間に配置された送
風ファン４０とを備えている。上記室外ユニット３１
は、送風ファン４０により吸込口３６,３７からＬ型熱
交換器３９を介して吸い込んだ空気を吹出口３８から前
方に吹き出す。

【００１５】また、上記室外ユニット３１の運転時、図
１に示すように、液とガスとが混合状態の冷媒が、配管
７,アキュムレータ吸込口１０を介してアキュムレータ
４内に流入する。そして、上記アキュムレータ４内に流
入した液とガスとが混合状態の冷媒のうちの液冷媒が、
圧縮機本体２のケーシング３に遮られて滴下して、アキ
ュムレータ４の底部に溜まる。一方、混合状態の冷媒の
うちのガス冷媒は、圧縮機本体２のケーシング３の側面
に沿って流れて、圧縮機本体吸込口１１,配管６を介し
て圧縮機本体２内に吸い込まれる。そして、上記圧縮機
本体２は、高圧のガス冷媒を吐出管８を介してＬ型熱交
換器３９(図３に示す)に供給する。

【００１６】このように、上記圧縮機本体２のケーシン
グ３と、上記ケーシング３の少なくとも一部を取り囲む
ように設けられたアキュムレータ用ケーシング５とによ
って環状のアキュムレータ４を形成して、圧縮機本体２
とアキュムレータ４とを一体化しているので、別々に製
作された従来の圧縮機とアキュムレータとの間にあった
空スペースがなくなって、別体の圧縮機およびアキュム
レータよりも配置スペースが小さくなる。したがって、
上記アキュムレータ一体型圧縮機１を配置する機械室を
小型化して、Ｌ型熱交換器３９を配置するファン室を相
対的に大きくすることによって、室外ユニット３１の大
きさを変えることなく、Ｌ型熱交換器３９を大きくし
て、熱交換面積を大きくすることにより効率を向上でき
る。また、上記圧縮機本体２とアキュムレータ４とを一
体化することによって、従来の圧縮機とアキュムレータ
との間にあった空スペース分を有効に利用でき、従来よ
り配置スペースを小さくしてもアキュムレータ４の容積
を大きくできる。また、上記アキュムレータ用ケーシン
グ５が圧縮機本体２を取り囲むことによって、圧縮機本
体２から発生する騒音がアキュムレータ用ケーシング５
で遮断されるので、圧縮機本体２の騒音を低減できる。
さらに、アキュムレータ一体型圧縮機１の外周に沿って
空気がスムーズに流れるので、吸い込み空気の圧力損失
を低減できると共に、空気流の乱れを抑えて騒音の発生
を低減できる。また、上記圧縮機本体２の騒音を抑える
騒音防止部材(仕切り板を含む)や、圧縮機本体とアキュ
ムレータとを別々に配置するときに必要となる配管など
が不要になるので、コストを低減できる。また、上記圧
縮機本体２とアキュムレータ４とを一体化することによ
り、冷媒が通過する配管径路が少なくなるので、冷媒の
圧力損失を低減できる。

【００１７】また、上記アキュムレータ吸込口１０と圧
縮機本体吸込口１１との間を圧縮機本体２のケーシング
３で遮って、アキュムレータ吸込口１０と圧縮機本体吸
込口１１とが直線径路で結ばれないようにしているの
で、アキュムレータ吸込口１０を介してアキュムレータ
４内に吸い込まれた液冷媒は、圧縮機本体吸込口１１に
達するまでに圧縮機本体２に遮られて滴下し、圧縮機本
体吸込口１１,配管６を介して圧縮機本体２内にガス冷
媒のみを吸い込む。したがって、液冷媒とガス冷媒とを
確実に分離でき、圧縮機本体２の液圧縮を防いで、圧縮
機本体２を保護でき、信頼性を向上できる。

【００１８】上記実施の形態では、室外ユニット３１に
Ｌ型熱交換器３９を設けたが、図４に示すように、室外
ユニット４１に水平断面がコの字形状の熱交換器４９を
設けてもよい。この場合、図３に示す室外ユニット３１
のＬ型熱交換器３９を用いるよりも、効率をさらに向上
できる。

【００１９】

【発明の効果】以上より明らかなように、請求項１の発
明のアキュムレータ一体型圧縮機では、圧縮機本体のケ
ーシングと、ケーシングの少なくとも一部を取り囲むよ
うに設けられたアキュムレータ用ケーシングとによって
環状のアキュムレータを形成して、圧縮機本体とアキュ
ムレータとを一体化するので、別々に製作された従来の
圧縮機とアキュムレータとの間にあった空スペースがな
くなり、別体の圧縮機,アキュムレータよりも配置スペ
ースを小さくできる。また、上記アキュムレータ用ケー
シングで圧縮機本体を取り囲むことによって、圧縮機本
体から発生する騒音がアキュムレータ用ケーシングで遮
断されるので、圧縮機本体の騒音を低減できる。

【００２０】また、小型化された上記アキュムレータ一
体型圧縮機を冷凍装置の室外ユニットに用いた場合、ア
キュムレータ一体型圧縮機が配置された室を小さくし
て、熱交換器が配置された室を相対的に大きくして、室
外ユニットを大きくすることなく、熱交換器を大きくし
て、熱交換面積を大きくすることにより効率を向上でき
る。したがって、室外ユニットを大きくすることなく、
効率の高い冷凍装置を実現できる。また、このアキュム
レータ一体型圧縮機の周囲を流れる空気は、外周に沿っ
てスムーズに流れるので、空気の圧力損失を低減できる
と共に、空気の乱れによる騒音を低減できる。

【００２１】また、請求項２の発明のアキュムレータ一
体型圧縮機は、上記アキュムレータ吸込口と上記圧縮機
本体吸込口との間を圧縮機本体のケーシングで遮って、
アキュムレータ吸込口と圧縮機本体吸込口とが直線径路
で結ばれないようにしていることによって、外部からア
キュムレータ吸込口を介してアキュムレータ内に吸い込
まれた液とガスとが混合状態の冷媒のうちの液冷媒は、
圧縮機本体吸込口に達するまでに圧縮機本体に遮られて
滴下して、アキュムレータの底部に溜まり、圧縮機本体
吸込口を介して圧縮機本体内にガス冷媒のみを吸い込む
ので、液とガスとを確実に分離できる。したがって、圧
縮機本体の液圧縮を防いで、圧縮機本体を保護して信頼
性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本発明の実施の一形態のアキュムレー
タ一体型圧縮機の垂直断面図である。

【図２】 図２は上記アキュムレータ一体型圧縮機の上
面図である。

【図３】 図３は上記アキュムレータ一体型圧縮機を備
えた室外ユニットの水平断面図である。

【図４】 図４は上記アキュムレータ一体型圧縮機を備
えた他の室外ユニットの水平断面図である。

【図５】 図５は従来の室外ユニットの水平断面図であ
る。

【図６】 図６は上記室外ユニットの圧縮機,付属アキ
ュムレータおよび製品アキュムレータの上面図である。

【図７】 図７は上記圧縮機と付属アキュムレータとの
側面図である。

【図８】 図８は上記製品アキュムレータの側面図であ
る。

【符号の説明】

１…アキュムレータ一体型圧縮機、２…圧縮機本体、３
…ケーシング、４…アキュムレータ、５…アキュムレー
タ用ケーシング、１０…アキュムレータ吸込口、１１…
圧縮機本体吸込口。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮機本体(２)と、 上記圧縮機本体(２)のケーシング(３)と、そのケーシン
   グ(３)の少なくとも一部を取り囲むように設けられたア
   キュムレータ用ケーシング(５)とによって形成された環
   状のアキュムレータ(４)とを備えたことを特徴とするア
   キュムレータ一体型圧縮機。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のアキュムレータ一体型
   圧縮機において、 上記アキュムレータ(４)に設けられ、外部から上記アキ
   ュムレータ(４)内に冷媒を吸い込むためのアキュムレー
   タ吸込口(１０)と、 上記圧縮機本体(２)に設けられ、上記アキュムレータ
   (４)内から上記圧縮機本体(２)内に冷媒を吸い込むため
   の圧縮機本体吸込口(１１)とを備え、 上記アキュムレータ吸込口(１０)と上記圧縮機本体吸込
   口(１１)との間を上記圧縮機本体(２)のケーシング(３)
   で遮ぎって、上記アキュムレータ吸込口(１０)と上記圧
   縮機本体吸込口(１１)とが直線径路で結ばれないように
   していることを特徴とするアキュムレータ一体型圧縮
   機。