JP2000265840A - 希薄燃焼式火花点火エンジン - Google Patents

希薄燃焼式火花点火エンジン

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JP2000265840A
JP2000265840A JP11069950A JP6995099A JP2000265840A JP 2000265840 A JP2000265840 A JP 2000265840A JP 11069950 A JP11069950 A JP 11069950A JP 6995099 A JP6995099 A JP 6995099A JP 2000265840 A JP2000265840 A JP 2000265840A
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Japan
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combustion chamber
injection valve
lean
spark ignition
ignition engine
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JP11069950A
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English (en)
Inventor
Koichi Sugawara
光一 菅原
Hirobumi Sekino
博文 関野
Masaru Hayashida
大 林田
Tadao Yamato
忠夫 大和
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダヘツドのスペースに余裕のないエン
ジンにおいても所要の副燃焼室を有する希薄燃焼式火花
点火エンジンを提供する。 【解決手段】 ピストンヘッド10の頂面下に噴射燃料
の案内溝11と副燃焼室12とを形成する。第1噴射弁
21を吸気路9に設け、点火プラグ5と第2噴射弁22
が上記副燃焼室12に臨むように、点火プラグ5はシリ
ンダヘッド1に設け、第2噴射弁22はシリンダブロッ
ク2の側面に設ける。第1噴射弁21により供給した燃
料ガスGで主燃焼室14内に希薄混合気を形成し、第2
噴射弁22により供給した燃料Gを上記案内溝11を介
して副燃焼室12内に注入して副燃焼室12内に濃混合
気を形成し、副燃焼室12内で火花着火させた火炎を主
燃焼室14内に流入させて主燃焼室14内の希薄混合気
を燃焼させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高効率でクリー
ンな希薄燃焼を実現するための、希薄燃焼式火花点火エ
ンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】上記希薄燃焼を実現するためには、理論
混合比よりも薄い希薄混合気を作りつつ、同時に、点火
プラグの周辺に着火に最適な濃混合気を形成することが
必要である。この種の希薄燃焼式火花点火エンジンとし
ては、従来より例えば、図6に示すものが知られてい
る。
【0003】この希薄燃焼式火花点火エンジンEは、図
6に示すように、第1噴射弁21を吸気路9に設け、点
火プラグ5と第2噴射弁22とをシリンダヘッド1に形
成した副燃焼室12内に臨ませて設け、第1噴射弁21
により供給した燃料ガスGで主燃焼室14内に希薄混合
気を形成し、第2噴射弁22により圧縮行程の終期に供
給した燃料ガスGで上記副燃焼室12内に濃混合気を形
成し、上記副燃焼室12内で濃混合気に火花着火し、そ
の着火火炎を上記主燃焼室14内に流入させて主燃焼室
14内の希薄混合気を燃焼させるように構成されてい
る。なお、図6中の符号4は吸気弁、6はスロットル
弁、7はエアクリーナ、8はピストン、18は第1噴射
弁21と第2噴射弁22の燃料噴射タイミングを制御す
る電子制御噴射装置(以下「ECU」という)をそれぞ
れ示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、副
燃焼室12がシリンダヘッド1に形成されているが、排
気量が小さくてシリンダヘッド1に副燃焼室12を設け
る余裕がない小型エンジンには不向きで、副燃焼室を十
分大きく形成することができない。また、シリンダヘッ
ド1に形成されている副燃焼室12に第2噴射弁22が
設けられていることから、シリンダヘッドの構成が複雑
になる。他方、既存の小型エンジンに新たに副燃焼室を
設けるには、シリンダヘッドの大幅な改造が必要にな
る。さらに、上記従来技術では、圧縮行程の終期の筒内
圧に抗して燃料ガスGを副燃焼室12内に噴射すること
から、上記第2噴射弁22は高圧の噴射圧を必要とす
る。このため、第1噴射弁と第2噴射弁とでは、燃料ガ
スの供給圧を別々に設定する必要がある。
【0005】本発明はこのような事情を考慮したもの
で、主に下記の点を技術課題とする。 (イ)排気量の小さい小型エンジンにおいて、所要の副
燃焼室形成することができる希薄燃焼式火花点火エンジ
ンを提供する。 (ロ)エンジンのシリンダヘッドから第2噴射弁を撤去
して簡素な構造にする。 (ハ)小型エンジンに新たに副燃焼室を設ける場合に、
既存のシリンダヘッドを僅かに改造するだけで済ませ
る。 (ニ)第1噴射弁と第2噴射弁への燃料ガスの供給圧を
共通化して、低圧な調圧器一つで済ませる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の基本構
成を備える。第1噴射弁21を吸気路9に設け、点火プ
ラグ5と第2噴射弁22とを副燃焼室12に臨ませて設
ける。上記第1噴射弁21により供給した燃料Gで主燃
焼室14内に希薄混合気を形成し、上記第2噴射弁22
により供給した燃料Gで上記副燃焼室12内に濃混合気
を形成する。上記副燃焼室12内で濃混合気に火花着火
させ、その着火火炎を上記主燃焼室14内に流入させて
主燃焼室14内の希薄混合気を燃焼させるように構成す
る。
【0007】請求項1に記載の発明は、上記基本構成を
備える希薄燃焼式火花点火エンジンにおいて、上記点火
プラグ5をシリンダヘッド1に設けるとともに、上記第
2噴射弁22をシリンダブロック2の側面に設け、ピス
トンヘッド10の頂面下に噴射燃料の案内溝11と上記
副燃焼室12とを形成し、上記第2噴射弁22により噴
射した燃料Gを上記案内溝11を介して上記副燃焼室1
2内に注入するように構成したことを特徴とする。ここ
で、「ピストンヘッド10の頂面下に」としたのは、ピ
ストンヘッド10の頂面10aに形成した案内溝11や
副燃焼室12の当該頂面が開放されているか否かを問わ
ない趣旨である。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
した希薄燃焼式火花点火エンジンにおいて、上記第2噴
射弁22を上記ピストンヘッド10の下死点近傍位置に
対応させて設け、上記副燃焼室12内への燃料Gの注入
時期を吸気行程の終期に設定したことを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
した希薄燃焼式火花点火エンジンにおいて、燃料ガスG
の供給路20に設けた単一の調圧器23に対して、上記
第1噴射弁21と上記第2噴射弁22とを並列に接続し
たことを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずか1項に記載した希薄燃焼式火花点火エン
ジンにおいて、上記点火プラグ5による着火時期を、圧
縮トップ前10°から0°までの間のクランク角に設定
したことを特徴とする。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4のいずか1項に記載した希薄燃焼式火花点火エン
ジンにおいて、上記主燃焼室14をピストンヘッド10
の頂面10aに凹入形成して上記副燃焼室12と連通
し、上記副燃焼室12の中心Pと上記主燃焼室14の中
心Qとを結ぶ線を中心軸線Zと規定し、上記ピストンヘ
ッド10の頂面10aに、上記主燃焼室14内の上記中
心軸線Zに向かう少なくとも一対のスキッシュ案内溝1
5a〜15dを形成したことを特徴とする。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
した希薄燃焼式火花点火エンジンにおいて、上記各スキ
ッシュ案内溝15a〜15dの始端縁16を上記ピスト
ンヘッド10の頂面10aに向かって立ち上げたことを
特徴とする。
【0013】
【発明の作用・効果】請求項1に記載の発明では、上記
基本構成を備える火花点火式エンジンにおいて、上記点
火プラグ5をシリンダヘッド1に設けるとともに、上記
第2噴射弁22をシリンダブロック2の側面に設け、ピ
ストンヘッド10の頂面下に噴射燃料の案内溝11と上
記副燃焼室12とを形成し、上記第2噴射弁22により
噴射した燃料Gを上記案内溝11を介して上記副燃焼室
12内に注入するように構成したことから、以下の作用
・効果を奏する。
【0014】(イ)シリンダヘッドに副燃焼室を設ける
余裕がない小型エンジンにおいても、ピストンヘッドの
頂面下に副燃焼室を形成することにより、所要の副燃焼
室を形成することができる。 (ロ)また、ピストンヘッドの頂面下に副燃焼室を形成
したので、エンジンのシリンダヘッドから第2噴射弁を
撤去して簡素な構造にすることができる。 (ハ)新たに副燃焼室を設ける場合において、ピストン
ヘッドの頂面下に副燃焼室を形成したので、既存のエン
ジンのシリンダヘッドを僅かに改造するだけで済む。
【0015】(ニ)請求項2に記載の発明では、シリン
ダブロック2の側面に設けた上記第2噴射弁22をピス
トンヘッド10の下死点近傍位置に対応させて設け、上
記副燃焼室12内への燃料Gの注入時期を吸気行程の終
期に設定したことから、この下死点近傍位置では、ピス
トンの動きがほぼ静止状態になる。これにより、ピスト
ンヘッドに設けた副燃焼室内への燃料の注入期間を長く
とれる。また、この下死点近傍ではシリンダの筒内圧は
低く、第2噴射弁は強力な噴射圧を必要としないので、
第2噴射弁は安価なもので足りる。
【0016】(ホ)請求項3に記載の発明では、請求項
2に記載した希薄燃焼式火花点火エンジンにおいて、燃
料ガスGの供給路20に設けた単一の調圧器23に対し
て、上記第1噴射弁21と上記第2噴射弁22とを並列
に接続したことから、上記のように下死点近傍ではシリ
ンダの筒内圧は低く、第2噴射弁は強力な噴射圧を必要
としないので、第1噴射弁と第2噴射弁への燃料の供給
圧を単一の低圧な調圧器により共通化して、燃料配管を
簡素にすることができる。
【0017】(ヘ)請求項4に記載の発明では、請求項
1乃至請求項3のいずか1項に記載した希薄燃焼式火花
点火エンジンにおいて、上記点火プラグ5による着火時
期を、圧縮トップ前10°から0°までの間のクランク
角に設定したことから、圧縮トップ(TDC)の直後か
ら燃焼が始まり、副燃焼室から主燃焼室への火炎の伝播
が効率良く行われ、短時間で燃焼が完了する。これによ
りエンジンの出力向上を図ることができる。
【0018】即ち、副燃焼室なしでの希薄燃焼の場合に
は、図5中の符号bで示すように、燃焼速度が遅いこと
から、点火プラグによる着火時期は、圧縮トップを基準
に−40°から−30°の間のクランク角に設定され、
圧縮トップでは既に一部の燃焼が始まる。そして図5中
の符号cで示すように、圧縮トップ前の燃焼圧の上昇が
エンジンの回転力に対して負の出力、ひいてはロス馬力
となって出力低下の要因となる。これに対して、請求項
4に記載の発明では、図5中の符号aで示すように、こ
のようなロス馬力を解消して一段と出力向上を図ること
ができる。
【0019】(ト)請求項5に記載の発明では、請求項
1乃至請求項4のいずか1項に記載した希薄燃焼式火花
点火エンジンにおいて、主燃焼室14をピストンヘッド
10の頂面10aに凹入形成して上記副燃焼室12と連
通するとともに、このピストンヘッド10の頂面10a
に、上記主燃焼室14内の中心軸線Zに向かう少なくと
も一対のスキッシュ案内溝15a〜15dを形成したこ
とから、圧縮トップに近い時期では、上記一対のスキッ
シュ案内溝15a〜15dに沿って主燃焼室14内にス
キッシュ流Sが流入し、希薄混合気の衝突により微小渦
流が多量に発生する。この状態で副燃焼室12内の着火
火炎が主燃焼室14内に流入すると、希薄混合気の燃焼
が一段と促進されるので、圧縮トップの直後から極めて
短時間で完全燃焼する。これにより、さらなる出力向上
と低燃費化、ひいては超低NOX 化が可能になる。
【0020】(チ)エンジンの爆発行程では、主燃焼室
14内で膨張した燃焼ガスがシリンダ壁に衝突して熱ロ
スを生じるが、請求項6に記載の発明では、各スキッシ
ュ案内溝15の始端縁16をピストンヘッド10の頂面
10aに向かって立ち上げたことから、燃焼ガスの一部
は各スキッシュ案内溝15に沿って逆流し、その立ち上
げた始端縁16に衝突して上向きに方向を変える。これ
により、燃焼ガスがシリンダ壁に衝突して生じる上記熱
ロスを低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図3に基づいてさらに詳しく説明する。ここで、図1
は本発明の実施形態に係る希薄燃焼式火花点火式ガスエ
ンジンの概要図、図2(A)はシリンダヘツドの平面
図、図2(B)は図2(A)中のB−B線矢視縦断面
図、図2(C)は図2(A)中のC−C線矢視縦断面
図、図3は第1噴射弁と第2噴射弁による燃料ガスGの
噴射タイミングをクランク角に対応させて示すタイムチ
ャートである。なお、図1中で図6中の符号と同一の符
号は同一部材を示す。
【0022】本発明に係る火花点火式ガスエンジンEで
は、図1に示すように、ピストンヘッド10の頂面10
aに、噴射燃料Gの案内溝11と、いずれも平面視で略
円形の副燃焼室12及び主燃焼室14を直列に凹入形成
する。これにより、排気量が小さくてシリンダヘッドに
副燃焼室を設ける余裕がない小型エンジンにおいても、
所要の副燃焼室をピストンヘッド10に形成することが
できる。また、点火プラグ5はシリンダヘッド1に設
け、その電極をピストンヘッド10の頂面10aに凹入
形成した副燃焼室12内に臨ませる。上記構成によれ
ば、シリンダヘッドに副燃焼室を形成して燃料噴射弁を
臨ませる必要がないので、シリンダヘッドの構成が簡素
になり、既存の小型エンジンのシリンダヘッドを僅かに
改造するだけで済む。
【0023】第1噴射弁21は吸気路9に設け、第2噴
射弁22はシリンダブロック2の側面でピストンヘッド
10の下死点近傍位置に対応させて設ける。そして図3
に示すように、上記第1噴射弁21による吸気路9への
燃料ガスGの噴射期間を吸気行程の初期から中期に設定
することにより、主燃焼室14内と副燃焼室12内には
希薄混合気が形成される。他方、第2噴射弁22による
燃料ガスGの注入時期は、図3に示すように、吸気行程
の終期に設定する。この下死点近傍位置(図3中のクラ
ンク角160°〜200°)では、ピストン8の動きが
ほぼ静止状態になるので、ピストンヘッド10に設けた
副燃焼室12内への燃料ガスGの注入期間を長くとれ
る。また、この下死点近傍では、シリンダの筒内圧は低
く、高圧の噴射圧を必要としないので、第2噴射弁22
は安価なもので足りる。
【0024】上記第1噴射弁21と第2噴射弁22は、
図1に示すように、燃料ガスGの供給路20に設けた単
一の調圧器23に対して並列に接続される。これは、上
記の下死点近傍ではシリンダの筒内圧が低く、第2噴射
弁22は強力な噴射圧を必要としないので、第1噴射弁
21と第2噴射弁22への燃料の供給圧を単一の調圧器
23により共通化して、燃料配管を簡素にすることを意
図したものである。なお、上記燃料ガスGは、都市ガス
を昇圧器24と上記調圧器23を順に介して第1噴射弁
21と第2噴射弁22に供給され、第1噴射弁21と第
2噴射弁22の噴射期間は、前記ECU18により図3
に示すように制御される。
【0025】図2(A)〜(C)に示すように、上記案
内溝11は、ピストンヘッド10が下死点近傍位置に下
降した状態で、シリンダライナ1aにあけた通過孔1b
と整合するように形成されており、第2噴射弁22から
噴射された燃料ガスGは当該通過孔1bから上記案内溝
11を通って副燃焼室12内へ注入されて濃混合気を形
成する。また、上記主燃焼室14は、図2(B)に示す
ように、副燃焼室12よりも少し深く形成されており、
上記副燃焼室12とこの主燃焼室14は絞り部13によ
って相互に連通されている。なお、両者の容積比は1:
5〜1:10が適当とされ、適当な容積比であれば、主
燃焼室14を副燃焼室12よりも深く形成する必要はな
い。
【0026】図2(B)(C)に示すように、上記ピス
トンヘッド10の頂面10aには、主燃焼室14内の中
心軸線Zに向かう二対のスキッシュ案内溝(15a・1
5b)(15c・15d)が形成されている。ここで上
記中心軸線Zは、副燃焼室12の中心Pと主燃焼室14
の中心Qとを結ぶ線により規定する。上記構成によれば
圧縮トップに近い時期では、上記スキッシュ案内溝に沿
って主燃焼室14内にスキッシュ流Sが流入し、希薄混
合気の衝突により微小渦流が多量に発生する。この状態
で副燃焼12室から主燃焼室14へ火炎が流入すると、
希薄混合気の燃焼が一段と促進され、圧縮トップの直後
から極めて短時間で希薄混合気が完全燃焼する。これに
よりエンジンの出力向上と低燃費化、ひいては超低NO
X 化が可能になる。
【0027】この実施形態では、図2(C)に示すよう
に、各スキッシュ案内溝15a〜15dの始端縁16を
ピストンヘッド10の頂面10aに向かって立ち上げて
ある。エンジンの爆発行程では、主燃焼室内14で膨張
した燃焼ガスがシリンダ壁に衝突して熱ロスを生じる
が、上記構成によれば、燃焼ガスの一部は各スキッシュ
案内溝15a〜15dに沿って逆流し、その立ち上げた
始端縁16に衝突して上向きに方向を変える。これによ
り、燃焼ガスがシリンダ壁に衝突して生じる上記熱ロス
を低減することができる。
【0028】本実施形態では、点火プラグ5による着火
時期を、圧縮トップ(TDC)前の10°から0°まで
の間のクランク角に設定してある。これは、圧縮トップ
の直後から燃焼を開始させ、副燃焼12室から主燃焼室
14への火炎の伝播を効率良く行わせ、短時間で燃焼を
完了させることを意図したものである。即ち、副燃焼室
なしでの希薄燃焼の場合、燃焼速度が遅いことから着火
時期を圧縮トップ前の比較的早い時期に設定しているた
め、圧縮トップでは既に一部の燃焼が始まり、圧縮トッ
プ前の燃焼圧の上昇がエンジンの回転力に対してロス馬
力となって出力低下の要因となる。これに対して本実施
形態では、このようなロス馬力を解消して出力向上を図
ることができる。
【0029】図4は本発明の別の実施形態に係る図2
(A)相当図である。この実施形態では、燃料ガスGの
案内溝11は、副燃焼室12内の前記中心軸線Zと鈍角
で交差するように方向付けられている。これは、第2噴
射弁22から噴射された燃料ガスGが、シリンダライナ
1aの通過孔1bから上記案内溝11を通って副燃焼室
12内へ注入された時に、当該燃料ガスGが前記絞り部
13を通って主燃焼室14へ逃げるのを極力防止するた
めである。なお、その他の点は図1のシリンダヘツドと
同様に構成されている。
【0030】前記ECU18は、下記のような出力制御
も可能である。例えば、軽低負荷時には、第2噴射弁2
2からシリンダ内及び副燃焼室12内に噴射した燃料ガ
スGのみによりエンジンを運転する。また、中高負荷時
には、その負荷に応じて第1噴射弁21から吸気路9内
に噴射する燃料ガスGの噴射期間を制御するとともに、
第2噴射弁22からも安定して着火できる程度の燃料ガ
スGを副燃焼室12内に噴射して燃焼性を高める。
【0031】なお、本発明は上記実施の形態に限るもの
ではなく、下記のように適宜変更を加えて実施すること
ができる。燃料ガスGの案内溝11と副燃焼室12は、
その頂面側が開放したものに限らず、点火プラグ5が副
燃焼室12内に臨む箇所のみ開口していれば足りる。ま
た、副燃焼室12と主燃焼室14とをセラミックス等の
遮熱材で形成し、それをピストンヘツド10に装着して
も差し支えない。これにより、ピストン自体からの冷却
熱損失を低減することができる。
【0032】前記絞り部13に代えて狭い複数の通路で
副燃焼室12と主燃焼室14とを連通しても差し支えな
い。主燃焼室14内の中心軸線Zに向かうスキッシュ案
内溝15a〜15dは、少なくとも一対あれば足り、三
対以上設けても差し支えない。また、上記実施形態で
は、ガスエンジンを対象とするものとして例示したが、
火花点火エンジンを対象とするものであれば、ガソリン
エンジンに本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る希薄燃焼式火花点火ガ
スエンジンの概要図である。
【図2】図2(A)はシリンダヘツドの平面図、図2
(B)は図2(A)中のB−B線矢視縦断面図、図2
(C)は図2(A)中のC−C線矢視縦断面図である。
【図3】第1噴射弁と第2噴射弁による燃料ガスの供給
タイミングをクランク角に対応させて示すタイムチャー
トである。
【図4】本発明の別の実施形態に係るシリンダヘツドの
平面図である。
【図5】希薄燃焼における着火時期と筒内圧力との関係
を示すグラフである。
【図6】従来例に係る希薄燃焼式火花点火ガスエンジン
の概要図である。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド、2…シリンダブロック、5…点火
プラグ、9…吸気路、10…ピストンヘッド、10a…
ピストンヘッドの頂面、11…噴射燃料の案内溝、12
…副燃焼室、14…主燃焼室、21…第1噴射弁、22
…第2噴射弁、20…燃料ガスの供給路、21…調圧
器、15a・15b・15c・15d…スキッシュ案内
溝、16…スキッシュ案内溝の始端縁、E…希薄燃焼式
火花点火エンジン、G…燃料(燃料ガス)、P…副燃焼
室の中心、Q…主燃焼室の中心、Z…中心軸線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林田 大 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ基盤技術研究所内 (72)発明者 大和 忠夫 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ基盤技術研究所内 Fターム(参考) 3G019 AA02 AA07 KA16 3G023 AA02 AA05 AB03 AC05 AD09 AD14 AD27 AD29 AG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1噴射弁(21)を吸気路(9)に設
    け、点火プラグ(5)と第2噴射弁(22)とを副燃焼
    室(12)に臨ませて設け、上記第1噴射弁(21)に
    より供給した燃料(G)で主燃焼室(14)内に希薄混
    合気を形成し、上記第2噴射弁(22)により供給した
    燃料(G)で上記副燃焼室(12)内に濃混合気を形成
    し、上記副燃焼室(12)内で濃混合気に火花着火さ
    せ、その着火火炎を上記主燃焼室(14)内に流入させ
    て主燃焼室(14)内の希薄混合気を燃焼させるように
    構成した希薄燃焼式火花点火エンジンにおいて、 上記点火プラグ(5)をシリンダヘッド(1)に設ける
    とともに、上記第2噴射弁(22)をシリンダブロック
    (2)の側面に設け、 ピストンヘッド(10)の頂面下に噴射燃料の案内溝
    (11)と上記副燃焼室(12)とを形成し、上記第2
    噴射弁(22)により噴射した燃料(G)を上記案内溝
    (11)を介して上記副燃焼室(12)内に注入するよ
    うに構成した、ことを特徴とする薄燃焼式火花点火エン
    ジン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した希薄燃焼式火花点火
    エンジンにおいて、 上記第2噴射弁(22)を上記ピストンヘッド(10)
    の下死点近傍位置に対応させて設け、上記副燃焼室(1
    2)内への燃料(G)の注入時期を吸気行程の終期に設
    定した、ことを特徴とする希薄燃焼式火花点火エンジ
    ン。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した希薄燃焼式火花点火
    エンジンにおいて、 燃料ガス(G)の供給路(20)に設けた単一の調圧器
    (23)に対して、上記第1噴射弁(21)と上記第2
    噴射弁(22)とを並列に接続した、ことを特徴とする
    希薄燃焼式火花点火エンジン。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずか1項に記
    載した希薄燃焼式火花点火エンジンにおいて、 上記点火プラグ(5)による着火時期を、圧縮トップ前
    10°から0°までの間のクランク角に設定した、こと
    を特徴とする希薄燃焼式火花点火エンジン。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずか1項に記
    載した希薄燃焼式火花点火エンジンにおいて、 上記主燃焼室(14)をピストンヘッド(10)の頂面
    (10a)に凹入形成して上記副燃焼室(12)と連通
    するとともに、 上記副燃焼室(12)の中心(P)と上記主燃焼室(1
    4)の中心(Q)とを結ぶ線を中心軸線(Z)と規定
    し、 上記ピストンヘッド(10)の頂面(10a)に、上記
    主燃焼室(14)内の上記中心軸線(Z)に向かう少な
    くとも一対のスキッシュ案内溝(15a〜15d)を形
    成した、ことを特徴とする希薄燃焼式火花点火エンジ
    ン。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載した希薄燃焼式火花点火
    エンジンにおいて、 上記各スキッシュ案内溝(15a〜15d)の始端縁
    (16)を上記ピストンヘッド(10)の頂面(10
    a)に向かって立ち上げた、ことを特徴とする希薄燃焼
    式火花点火エンジン。
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EP1288465A3 (de) * 2001-08-28 2003-08-20 Robert Bosch Gmbh Kraftstoffeinspritzanlage für Brennkraftmaschinen mit Benzindirekteinspritzung

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EP1288465A3 (de) * 2001-08-28 2003-08-20 Robert Bosch Gmbh Kraftstoffeinspritzanlage für Brennkraftmaschinen mit Benzindirekteinspritzung
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