JP2004324532A - 筒内噴射型内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダヘッド下面が、吸気弁及び排気弁にそれぞれ対向する吸気弁側及び排気弁側の各傾斜面を有したペントルーフ形状に形成され、点火栓(4)が、吸気弁側及び排気弁側の各傾斜面の境界近傍に配され、ピストン頂面(21)は、シリンダヘッド下面の排気弁側の傾斜面(15)とピストンの水平面(S)とのなす角(α)がピストン頂面の排気弁側の傾斜面(24)とピストンの水平面(S)とのなす角(β)よりも大きくされ、圧縮行程中に燃料噴射弁(3)から排気弁(6)へ向けて直接に燃料を噴射させ、燃料をピストン頂面の排気弁側の傾斜面の上方から点火栓の近傍へ輸送して火花点火により着火させる構成とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内噴射型内燃機関に係り、詳しくは、スキッシュを生起させる形状をなすピストン頂面を備えた筒内噴射型内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、筒内噴射型内燃機関は、ピストン頂面に設けられたキャビティ内に向けて燃料噴射弁(インジェクタ)から直接に燃料を噴射させることで、逆タンブル流によって点火栓(点火プラグ)の周囲で理論空燃比に近い空燃比の混合気を生成させ、筒内全体としては極めて希薄な空燃比においても燃焼の安定化を図り、排ガス物質の排出の抑制等を達成する。
【0003】
ここで、この内燃機関の如く燃料をキャビティに向けて噴射させる場合には、低負荷運転時の圧縮行程中の噴射では燃料がピストンに吸着され、また、ピストンが低位置にある吸気行程中の噴射では、燃料がシリンダの内周面に直接に噴射されて吸着されることから、未燃燃料(HC)が増加したり、燃費が悪化してしまうという問題がある。そこで、これを解決する筒内噴射型内燃機関の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
当該内燃機関では、燃料の噴射方向が圧縮行程中には排気弁のバルブフェイスに向かうように設定されている。これにより、燃料の多くを点火プラグ近傍に集めることができる。
また、前記と同様の筒内噴射型内燃機関の技術が各種提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−101480号公報(段落番号0010〜0013、図1)
【特許文献2】
特開平9−119315号公報(段落番号0033、0034、図1等)
【特許文献3】
特開平9−119316号公報(段落番号0009〜0012、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の各技術によれば、圧縮行程中には排気弁が比較的高温状態にあることに鑑み、排気弁に向けて燃料が噴射されている。よって、この燃料が霧状となり、ピストンやシリンダの内周面に付着する燃料を抑えることが可能になる。
【0007】
しかし、圧縮行程噴射時における未燃燃料の一層の低減化を図るためには、燃料の噴射方向のみならず、ピストン頂面の形状についても格別な配慮が必要である。
すなわち、前記特許文献1による従来の技術では、シリンダヘッドはペントルーフ形状の如く形成されているのに対し、ピストン頂面が水平面で形成されている。つまり、圧縮上死点付近にて形成される燃焼室は、当該内燃機関の縦断面において略二等辺三角形の形状をなし、比較的大きな空間として形成されるので、燃料を点火プラグに集め難いとの問題がある。
【0008】
また、前記特許文献2及び3による従来の技術では、ピストン頂面には、その水平面の略中央部分にキャビティが形成されており、このキャビティの存在によって燃料を点火プラグ近傍に積極的には集めることができないという問題が残されている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、圧縮行程噴射時の未燃燃料をより一層低減させることができるピストン頂面を備えた筒内噴射型内燃機関を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の筒内噴射型内燃機関は、シリンダヘッドにそれぞれ装着された燃料噴射弁及び点火栓と、シリンダヘッドの下面とシリンダの内周面とシリンダ内に配されたピストンの頂面とにより画成される燃焼室の一側及び他側に臨んで配された吸気弁及び排気弁とを備え、シリンダヘッドは、シリンダヘッド下面が吸気弁及び排気弁にそれぞれ対向する吸気弁側及び排気弁側の各傾斜面を有したペントルーフ形状に形成され、吸気弁側及び排気弁側の各傾斜面の境界近傍に点火栓を配し、ピストン頂面は、シリンダヘッド下面の排気弁側の傾斜面に沿って延びる排気弁側の傾斜面を有し、シリンダヘッド下面の排気弁側の傾斜面とピストンの水平面とのなす角がピストン頂面の排気弁側の傾斜面とピストンの水平面とのなす角よりも大きくされ、圧縮行程中に燃料噴射弁から排気弁へ向けて直接に燃料を噴射させることを特徴としている。
【0010】
したがって、請求項1記載の筒内噴射型内燃機関によれば、圧縮行程中に高温状態にある排気弁に向けて燃料が噴射されるので、この燃料は瞬時に気化して霧状となり、ピストンやシリンダの内周面に付着する燃料が最小限度に抑えられる。
さらに、ピストン頂面は、シリンダヘッド下面の排気弁側の傾斜面とピストンの水平面とのなす角がピストン頂面の排気弁側の傾斜面とピストンの水平面とのなす角よりも大きくされる形状にされ、換言すれば、圧縮上死点付近での燃焼室は、シリンダヘッド下面の排気弁側の傾斜面とピストン頂面の排気弁側の傾斜面とで、点火栓に向けて拡開するくさび形の形状に構成されるので、ピストンが上昇するに連れてピストン頂面の排気弁側の傾斜面の上方にはスキッシュが生起され、排気弁近傍の混合気を点火栓に向けて押し出し、成層燃焼が確実に実現可能になるとともに、ピストンやシリンダの内周面に付着する燃料を抑えて圧縮行程噴射時の未燃燃料(HC)のより一層の低減が図られる。
【0011】
また、請求項2記載の発明では、ピストン頂面は、シリンダヘッド下面の吸気弁側の傾斜面に沿って延びる吸気弁側の傾斜面をさらに有し、シリンダヘッド下面の吸気弁側の傾斜面とピストンの水平面とのなす角がピストン頂面の吸気弁側の傾斜面とピストンの水平面とのなす角よりも大きくされていることを特徴としている。
【0012】
このように、ピストン頂面は、排気弁側が点火栓に向けて拡開するくさび形形状に構成される他、吸気弁側にも点火栓に向けて拡開するくさび形の形状に構成されるので、ピストン頂面の吸気弁側及び排気弁側の双方の傾斜面の上方でスキッシュが生起され、排気弁近傍の混合気の他、吸気弁近傍の混合気をも点火栓に向けて押し出し、圧縮行程噴射時の未燃燃料(HC)のさらなる低減が図られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1には、本発明の第一の実施形態に係る筒内噴射型内燃機関の縦断面図が示され、図2には、当該内燃機関における部分拡大縦断面図が示されており、以下図1及び図2に基づき本発明に係る筒内噴射型内燃機関の構成を説明する。
【0014】
図1に示すように、筒内噴射型内燃機関(以下、単にエンジンと記す)1は、直列4気筒型のものである。当該エンジン1は、4つのシリンダ10を含むシリンダブロック2と、このシリンダブロック2の上端面に接合されたシリンダヘッド11と、各シリンダ10内に配されたピストン20とを有している。そして、シリンダヘッド下面12とピストン頂面21とシリンダ内周面13とにより燃焼室7が画成される(図2)。
【0015】
エンジン1のシリンダヘッド11には、各気筒毎に、電磁式の燃料噴射弁(インジェクタ)3及び点火栓(点火プラグ)4が装着される。また、シリンダヘッド11には、吸気弁5及び排気弁6が配されており、吸気弁5は燃焼室7の一側に臨み、排気弁6は燃焼室7の他側に臨むよう構成される。
シリンダヘッド下面12は、吸気弁5及び排気弁6にそれぞれ対向するシリンダヘッド傾斜面(吸気弁側の傾斜面)14及びシリンダヘッド傾斜面(排気弁側の傾斜面)15を有したペントルーフ形状に形成される。具体的には、両シリンダヘッド傾斜面14、15とピストン水平面Sとのなす角がαとなるように構成されている。なお、ピストン水平面Sはシリンダ10の軸線に対して垂直な面である。また、角度αは10〜35度程度が望ましい。そして、点火プラグ4は、両シリンダヘッド傾斜面14、15の境界部(境界近傍)16に配されている。また、インジェクタ3は、シリンダヘッド傾斜面14側にて略横方向に向けて配されており、燃焼室7内に燃料を直接に噴射するように構成され、圧縮行程で燃料を噴射する圧縮行程噴射モードの他、吸気行程で燃料を噴射する吸気行程噴射モードにおいても排気弁6に向けた燃料噴射が行われる。なお、図2では、吸気弁5及び排気弁6の図示を省略する。
【0016】
吸気ポート8には、吸気マニホールドを介してスロットルボディ及びアイドル調整弁等を備えた吸気管(いずれも図示せず)が接続され、略上方向からシリンダ10の一側においてシリンダヘッド下面12に開口し、吸気弁5の開閉により吸気ポート8を通過した吸気流が燃焼室7内に供給される。
排気ポート9は、シリンダ10の他側においてシリンダヘッド下面12に開口して略水平方向に延び、排気弁6の開閉により排気ポート9を通過した排気流の酸素濃度を検出するO2センサが取付けられた排気マニホールドを介して、三元触媒やマフラー等を備えた排気管(いずれも図示せず)に接続されている。
【0017】
そして、本実施形態におけるピストン20のピストン頂面21には、圧縮行程後半においてシリンダヘッド傾斜面15との相互作用によって点火プラグ4に向かうスキッシュを生起させる排気弁側スキッシュ生起凸部22と、ピストン水平面Sと同一平面をなす吸気弁側水平部23とが設けられている。
排気弁側スキッシュ生起凸部22は、シリンダ内周面13側から燃焼室7の中央付近に向けて、換言すれば、ペントルーフ形状の一側をなす上記シリンダヘッド傾斜面15に沿って延びるピストン傾斜面(排気弁側の傾斜面)24を有し、このピストン傾斜面24は、点火プラグ4の配置位置よりも排気弁6寄りにて頂部が形成され、このピストン傾斜面24とピストン水平面Sとのなす角がβに構成される。なお、角度βは9〜30度程度が望ましい。
【0018】
ここで、上述のシリンダヘッド傾斜面15とピストン水平面Sとのなす角αは、シリンダヘッド下面12をペントルーフ形状に形成する如く所定の角度をなし、また、ピストン傾斜面24とピストン水平面Sとのなす角βは、ピストン水平面Sとは燃焼室7を狭める如くの所定の角度をなすものであって、かつ、前記なす角αは、前記なす角βよりも大きくなるべく構成されている。これにより、圧縮上死点近傍において、燃焼室7の排気ポート9側は、シリンダヘッド傾斜面15とピストン傾斜面24とがシリンダ内周面13側から点火プラグ4側に向けて拡開するくさび形の形状に構成される。なお、角度αと角度βの差は1〜5度程度が望ましい。
【0019】
一方、ピストン傾斜面24の頂部からは、ピストン頂面21の略中心付近に向けて燃焼室7を拡げるように延びる中央斜面25が形成され、ピストン頂面21の略中心付近からは吸気弁側水平部23が形成されており、圧縮上死点近傍における燃焼室7の吸気ポート8側ではスキッシュが生起されないよう構成される。
エンジン1の運転を制御するための図示しない電子コントロールユニット(ECU)は、冷却水温を検出する水温センサ及びクランク角信号を出力するクランク角センサ等からの入力信号に基づき、燃料噴射モード、燃料噴射量、燃料噴射終了時期や点火時期等をそれぞれ決定し、インジェクタ3や点火プラグ4等を駆動させる。
【0020】
具体的には、冷機状態でのエンジン始動時や暖機中では、吸気行程噴射モードが選択されて、リッチ空燃比となるように燃料噴射が行われる。そして、O2センサが活性温度に達すると、このセンサ出力電圧に基づく空燃比フィードバック制御が開始され、排出ガス成分は三元触媒により浄化される。
エンジン1の暖機が終了すると、現在の燃料噴射制御領域(エンジン運転域)が検索され、検索された領域に適合する燃料噴射モードと燃料噴射量とが決定される。
【0021】
詳しくは、アイドル運転時等の低負荷・低回転運転時には、圧縮行程噴射モードが選択され、リーン空燃比となるように燃料噴射が制御される。エンジン中速域では、エンジン運転域が、吸気行程リーン域あるいは理論空燃比フィードバック制御域となるため、吸気行程噴射モードが選択される。吸気行程リーン域では、リーン空燃比となるように燃料噴射量が制御される。また、エンジンの急加速運転時や高速運転時には、エンジン1がオープンループ域で運転されていることが判別されて吸気行程噴射モードが選択され、リッチ空燃比となるように燃料噴射量が制御される。中高速走行中の惰行運転時等には、運転領域は燃料カット域となるため、燃料噴射は完全に停止される。
【0022】
次に、本実施形態のエンジン1における作用を説明する。なお、この作用を説明する図3乃至図5でも、吸気弁5及び排気弁6の図示を省略する。
図3に示すように、例えば、アイドル運転時等の低負荷・低回転運転時の如く、ピストン20の圧縮行程中にインジェクタ3から排気弁6へ向けて直接に燃料を噴射させると、この燃料が比較的高温状態にある排気弁6付近にて瞬時に気化して霧状となる。
【0023】
次いで、図4に示すように、ピストン20が上昇するに連れて排気弁6側ではスキッシュが生起され、しかも、燃焼室7の排気ポート9側には、点火プラグ4側がシリンダ内周面13側に比して広くなるくさび形の空間をなすべく排気弁側スキッシュ生起凸部22が設けられていることから、このスキッシュによる混合気は、排気弁6の近傍から点火プラグ4の近傍に向けて押し出される。
【0024】
そして、点火プラグ4の近傍まで輸送された混合気は、点火時点において点火プラグ4の周囲では理論空燃比近傍の混合気となる(図5)。これより、燃焼室7の全体としては極めてリーンな空燃比でも着火が可能であり、成層燃焼が安定に行われる。
以上のように、本実施形態では、ピストン頂面21にキャビティを設けず、燃焼室7を点火プラグ4に向けて拡開させたくさび形の形状に構成させる排気弁側スキッシュ生起凸部22を設け、排気弁6に向けて噴射された燃料が、排気弁側スキッシュ生起凸部22によるスキッシュのみで点火プラグ4の周囲に集められているので、ピストン20やシリンダ内周面13に付着する燃料を抑えることができ、圧縮行程噴射時の未燃燃料(HC)の大幅な低減を図ることができ、また、燃費も一層向上させることができる。
【0025】
図6は、本発明の第二の実施形態を示すものである。当該第二の実施形態では、ピストンの構成の点を除き、前記第一の実施形態と同一の構成からなるものであることから、このピストンの構成について詳細に説明する。
本実施形態におけるピストン30のピストン頂面31には、圧縮行程後半においてシリンダヘッド傾斜面15との相互作用によって点火プラグ4に向かうスキッシュを生起させる排気弁側スキッシュ生起凸部22と、シリンダヘッド傾斜面14との相互作用によってやはり点火プラグ4に向かうスキッシュを生起させる吸気弁側スキッシュ生起凸部32とが設けられている。
【0026】
排気弁側スキッシュ生起凸部22は、上記第一の実施形態と同様のものであり、ピストン傾斜面24を有し、このピストン傾斜面24は、点火プラグ4の配置位置よりも排気弁6寄りにて頂部が形成され、このピストン傾斜面24とピストン水平面Sとのなす角がβに構成される。
吸気弁側スキッシュ生起凸部32は、ペントルーフ形状の他側をなすシリンダヘッド傾斜面14に沿って延びるピストン傾斜面(吸気弁側の傾斜面)34を有し、このピストン傾斜面34もまた、点火プラグ4の配置位置よりも吸気弁5寄りにて頂部が形成されており、このピストン傾斜面34とピストン水平面Sとのなす角がβに構成される。
【0027】
ここで、上述のシリンダヘッド傾斜面14とピストン水平面Sとのなす角αは、シリンダヘッド下面12をペントルーフ形状に形成する如く所定の角度をなし、また、ピストン傾斜面24とピストン水平面Sとのなす角βは、ピストン水平面Sとは燃焼室7を狭める如くの所定の角度をなすものであって、かつ、前記なす角αもまた、前記なす角βよりも大きくすべく構成されている。これにより、圧縮上死点近傍において、燃焼室7は、該燃焼室7の排気ポート9側の他、この燃焼室7の吸気ポート8側にも、シリンダヘッド傾斜面14とピストン傾斜面34とがシリンダ内周面13側から点火プラグ4側に向けて拡開されるくさび形の形状に構成される。
【0028】
そして、ピストン傾斜面34の頂部からは、ピストン頂面21の略中心付近に向けて燃焼室7を拡げるように延びる中央斜面35が形成され、ピストン傾斜面24に連なる中央斜面25とピストン傾斜面34に連なる中央斜面35とで囲まれた部分には、ピストン30の上昇によって生起されたスキッシュによる混合気が滞留可能である。
【0029】
ピストン30による圧縮行程中にインジェクタ3から排気弁6へ向けて直接に燃料を噴射させると、この燃料は瞬時に気化して霧状となり、ピストン30が上昇するに連れて吸気弁5及び排気弁6付近ではスキッシュが生起され、このスキッシュによる混合気は、排気弁側スキッシュ生起凸部22によって、排気弁6の近傍から点火プラグ4の近傍に向けて押し出されるとともに、吸気弁側スキッシュ生起凸部32によって、吸気弁5の近傍から点火プラグ4の近傍に向けて押し出される。
【0030】
このスキッシュによる混合気は、中央斜面25と中央斜面35とで囲まれた部分に滞留して点火プラグ4の近傍まで輸送され、点火時点において点火プラグ4の周囲では理論空燃比近傍の混合気が形成される。これより、燃焼室7の全体としては極めてリーンな空燃比でも着火が可能であり、層状燃焼も安定に行える。
以上のように、本実施形態でも、ピストン頂面31にキャビティを設けず、排気弁側スキッシュ生起凸部22の他、燃焼室7を点火プラグ4に向けて拡開したくさび形の形状に構成させる吸気弁側スキッシュ生起凸部32をさらに備え、排気弁6に向けて噴射された燃料は、排気弁側スキッシュ生起凸部22によるスキッシュ及び吸気弁側スキッシュ生起凸部32によるスキッシュのみで点火プラグ4の周囲に一層確実に集められていることから、ピストン30やシリンダ内周面13に付着する燃料を抑えることができ、圧縮行程噴射時の未燃燃料(HC)のより大幅な低減を図ることができ、また、燃費もより一層向上させることができる。
【0031】
以上で本発明の各実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、吸気行程噴射モードでも排気弁に向かわせており、燃料の霧化促進及びピストンやシリンダ内周面の摩耗防止を図っているが、この実施形態の他、例えば、吸気ポートにも別途インジェクタを設ける構成や一気筒あたり二つのインジェクタを設ける構成とし、吸気行程噴射モードではこれらのインジェクタから燃料噴射を行わせても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、請求項1記載の本発明の筒内噴射型内燃機関によれば、圧縮行程中に高温状態にある排気弁に向けて燃料が噴射されるので、この燃料は瞬時に気化して霧状となり、ピストンやシリンダの内周面に付着する燃料を最小限度に抑えることができる。
【0033】
さらに、ピストン頂面は、シリンダヘッド下面の排気弁側の傾斜面とピストンの水平面とのなす角がピストン頂面の排気弁側の傾斜面とピストンの水平面とのなす角よりも大きくされる形状にされ、換言すれば、圧縮上死点付近での燃焼室は、シリンダヘッド下面の排気弁側の傾斜面とピストン頂面の排気弁側の傾斜面とで、点火栓に向けて拡開するくさび形の形状に構成されるので、ピストンが上昇するに連れてピストン頂面の排気弁側の傾斜面の上方にはスキッシュが生起され、排気弁近傍の混合気を点火栓に向けて押し出し、成層燃焼が確実に実現可能になるとともに、ピストンやシリンダの内周面に付着する燃料を抑えて圧縮行程噴射時の未燃燃料(HC)のより一層の低減を図ることができる。
【0034】
また、請求項2記載の発明によれば、ピストン頂面は、排気弁側が点火栓に向けて拡開するくさび形形状に構成される他、吸気弁側にも点火栓に向けて拡開するくさび形の形状に構成されるので、ピストン頂面の吸気弁側及び排気弁側の双方の傾斜面の上方でスキッシュが生起され、排気弁近傍の混合気の他、吸気弁近傍の混合気をも点火栓に向けて押し出し、圧縮行程噴射時の未燃燃料(HC)のさらなる低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る筒内噴射型内燃機関の縦断面図である。
【図2】図1の筒内噴射型内燃機関における部分拡大縦断面図である。
【図3】図1の筒内噴射型内燃機関における作用を説明する図である。
【図4】図1の筒内噴射型内燃機関における作用を説明する図である。
【図5】図1の筒内噴射型内燃機関における作用を説明する図である。
【図6】本発明の第二の実施形態に係る筒内噴射型内燃機関における部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 インジェクタ(燃料噴射弁)
4 点火プラグ(点火栓)
5 吸気弁
6 排気弁
7 燃焼室
10 シリンダ
11 シリンダヘッド
12 シリンダヘッド下面
13 シリンダ内周面
14 シリンダヘッド傾斜面(吸気弁側の傾斜面)
15 シリンダヘッド傾斜面(排気弁側の傾斜面)
16 境界部(各傾斜面の境界近傍)
20、30 ピストン
21、31 ピストン頂面
22 排気弁側スキッシュ生起凸部
24 ピストン傾斜面(排気弁側の傾斜面)
32 吸気弁側スキッシュ生起凸部
34 ピストン傾斜面(吸気弁側の傾斜面)
Claims (2)
- シリンダヘッドにそれぞれ装着された燃料噴射弁及び点火栓と、前記シリンダヘッドの下面とシリンダの内周面と該シリンダ内に配されたピストンの頂面とにより画成される燃焼室の一側及び他側に臨んで配された吸気弁及び排気弁とを備え、
前記シリンダヘッドは、前記シリンダヘッド下面が前記吸気弁及び排気弁にそれぞれ対向する吸気弁側及び排気弁側の各傾斜面を有したペントルーフ形状に形成され、該吸気弁側及び排気弁側の各傾斜面の境界近傍に前記点火栓を配し、
前記ピストン頂面は、前記シリンダヘッド下面の排気弁側の傾斜面に沿って延びる排気弁側の傾斜面を有し、前記シリンダヘッド下面の排気弁側の傾斜面と前記ピストンの水平面とのなす角が前記ピストン頂面の排気弁側の傾斜面と前記ピストンの水平面とのなす角よりも大きくされ、
圧縮行程中に前記燃料噴射弁から前記排気弁へ向けて直接に燃料を噴射させることを特徴とする筒内噴射型内燃機関。 - 前記ピストン頂面は、前記シリンダヘッド下面の吸気弁側の傾斜面に沿って延びる吸気弁側の傾斜面をさらに有し、前記シリンダヘッド下面の吸気弁側の傾斜面と前記ピストンの水平面とのなす角が前記ピストン頂面の吸気弁側の傾斜面と前記ピストンの水平面とのなす角よりも大きくされていることを特徴とする請求項1記載の筒内噴射型内燃機関。
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