JP2000265797A - トンネルの築造方法 - Google Patents

トンネルの築造方法

Info

Publication number
JP2000265797A
JP2000265797A JP11068949A JP6894999A JP2000265797A JP 2000265797 A JP2000265797 A JP 2000265797A JP 11068949 A JP11068949 A JP 11068949A JP 6894999 A JP6894999 A JP 6894999A JP 2000265797 A JP2000265797 A JP 2000265797A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ground
advanced
pipes
tunnel
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11068949A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4083336B2 (ja
Inventor
Yasuhide Seno
康英 背野
Kunikazu Azuma
邦和 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okumura Corp
Original Assignee
Okumura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okumura Corp filed Critical Okumura Corp
Priority to JP06894999A priority Critical patent/JP4083336B2/ja
Publication of JP2000265797A publication Critical patent/JP2000265797A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4083336B2 publication Critical patent/JP4083336B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 大断面を有するトンネルを短期間で能率よく
築造し得る方法を提供する。 【解決手段】 左右に間隔を存して形成した先進坑1,
2から、これらの先進坑間の中間部上方地盤に向かって
外向き弧状に湾曲した管体7,8を挿入してこれらの管
体の先端部を互いに前後に近接した状態で重合させ、こ
れらの管体を1組として多数組の管体を先進坑の長さ方
向に所定間隔毎に配設して管体列を形成し、各管体内を
通じて地盤中に地盤改良材を注入することによってトン
ネル外郭体を形成したのち、該トンネル外郭体の内側地
盤を掘削して大断面のトンネルを築造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地中に大断面のトン
ネルを築造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から地中に大断面のトンネルを築造
する方法としては、複数本のパイプを地中に互いに並列
するように挿入して外郭体を形成し、この外郭体の下方
地盤或いは外郭体で囲まれた地盤を掘削する、所謂、パ
イプルーフ工法が知られているが、この工法では、地中
にパイプを挿入する大規模な発進立坑と先端側のパイプ
を到達させる到達立坑とを設ける必要があり、その上、
長尺なパイプを用いると地中への挿入作業が著しく困難
となるので、比較的短いトンネルの築造にしか採用でき
ないという問題点がある。
【0003】このため、パイプルーフ工法に替わる大断
面トンネルの築造方法として、図12に示すように、地中
に所定間隔を存して互いに並行な先進坑A、Bを掘削
し、一方の先進坑Aを発進側、他方の先進坑Bを到達側
として発進側先進坑Aから弧状に湾曲した鋼管Cを到達
側先進坑Bに向かって地盤中に挿入して該鋼管Cの先端
を到達先進坑Bに到達させる作業を先進坑の長さ方向に
所望間隔毎に順次行ったのち、各鋼管Cにおいて該鋼管
Cをガイドとして発進側先進坑Aから図13に示すように
鞘管Eを後続させながら小径掘削装置Dを到達させ、し
かるのち、図14に示すように鞘管Eと共に小径掘削装置
Dを発進側先進坑Aに引き戻しながら小径掘削装置Dか
ら地盤中に地盤改良材を噴射させることにより外郭体F
を形成し、この外郭体Fの内側地盤を掘削することによ
りトンネルを築造する方法が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
トンネル築造方法では、弧状に湾曲した鋼管Cを両側の
先進坑A、B間に亘って架設状態に配置するものである
から、長い鋼管Cを必要としてその取り扱いが煩雑とな
るばかりでなく、発進側先進坑Aから到達側先進坑Bの
所定個所に到達させるには精度が要求されて作業に困難
性を伴い、その上、一方の先進坑からのみ鋼管Cを地盤
中に挿入する作業を行うものであるから、多数本の鋼管
Cを地中に挿入するには著しい手間を要すると共に到達
側先進坑Bに達した鋼管Cの先端を該到達側先進坑Bに
固定する作業を必要とする。
【0005】また、両先進坑間の地盤中に挿入した鋼管
Cの周囲の地盤に地盤改良材を噴射する場合には、上記
のように、発進側先進坑Aから該鋼管Cをガイドとして
小径掘削装置Dを掘進させて後続する鞘管Eを押し進め
ながら到達側先進坑Bに到達させたのち、次いで、鞘管
Eを発進側先進坑Aに引き戻すことによって小径掘削装
置Dを後退させながら該小径掘削装置Dから地盤改良材
を噴射、注入するものであるから、地盤改良による外郭
体Fの形成作業に著しい手数と労力を要するものであ
り、その上、地盤中において隣接する鋼管C、Cが近接
していると、一方の鋼管Cをガイドとして小径掘削装置
Dの掘進させる場合に他方の鋼管Cがその掘進を阻害す
る虞れがある等の問題点があった。
【0006】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、地中に間隔を存し
て掘削した先進坑間の地盤中に、トンネルの外郭体を構
成するための管体の挿入作業が容易に且つ能率よく行え
ると共に厚みの大なる外郭体の形成も可能にし、さら
に、地中に地盤改良材を注入する場合にはその注入作業
が簡単に行えて大断面トンネルが効率よく築造し得るト
ンネルの築造方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のトンネル築造方法は、請求項1に記載した
ように、地盤中に適宜間隔を存して互いに並行する先進
坑を形成する工程と、上記両先進坑よりこれらの先進坑
間の地盤中に円弧状の管体を互いに少なくともその先端
部が先進坑間の地盤の中間部で重複又は交差するように
先進坑の長さ方向に所望間隔毎に複数本挿入する工程
と、これらの管体列によって形成されたトンネル外郭体
の内側の地盤を掘削する工程とからなることを特徴とし
ている。
【0008】上記トンネル築造方法において、請求項2
乃至請求項4にに係る発明は、両先進坑間の地盤中に挿
入される管体の配設形態であって、請求項2においては
管体が先進坑間の地盤中に上下方向に多段に挿入されて
いることを特徴し、請求項3においては管体が先進坑間
の地盤中に先進坑の軸方向に対して斜め方向に挿入され
ていることを特徴とし、さらに、請求項4においては管
体が先進坑間の地盤中に平面千鳥状となるように挿入さ
れていることを特徴としている。
【0009】また、請求項5に係る発明は、上記両先進
坑間の地盤中に挿入、配設されている各管体内を通じて
地盤中に地盤改良材を噴射して管体の周囲に改良地盤層
を形成し、この改良地盤層と管体列とによってトンネル
外郭体を形成することを特徴とするものである。
【0010】
【作用】まず、左右方向に所望間隔を存して地盤中に2
つの先進坑を互いに並行するように水平方向に掘削、形
成する。これらの先進坑の掘削は、例えば、シールド掘
削機を使用して行うことができる。先進坑の掘削後、又
は掘進に従って、両先進坑を管体の発進坑とし、これら
の先進坑から外側に向かって円弧状に湾曲した管体を両
先進坑間の地盤中に挿入して両先進坑間の中間部におい
て互いに対向するこれらの管体の少なくとも先端部を重
ね合わせた状態又は交差した状態にする。このような管
体の挿入作業は、両先進坑においてその長さ方向に所定
間隔毎に行われ、両先進坑間の地盤中に肋骨状に並列し
てなる管体列を形成する。
【0011】次いで、この管体列の内側の地盤を掘削す
ることによって大断面のトンネルを築造するものである
が、その際、地盤の崩壊や地下水の流入が生じる虞れの
ある場合には、両先進坑側から管体内に地盤を固化させ
る地盤改良材を供給し、管体に予め穿設している多数の
注入孔から地盤中に噴射、注入することによって管体周
囲の地盤を改良し、管体と共にトンネルの外郭体を形成
したのち、該外郭体の内側地盤を掘削する。
【0012】また、両先進坑から地盤中に管体を挿入す
る場合、両管体の先端部が正面から見た時に互いに交差
させた挿入形態や或いは先進坑の長さ方向、即ち前後方
向に重なり合った挿入形態にするので施工長が短くてす
み、施工が精度よく且つ安定した外郭体の形成が可能と
なる。この場合、管体列が1段(一列横隊)となるが、
先進坑から該先進坑の長さ方向に千鳥状に地盤に向かっ
て挿入することによって上下2段、或いはそれ以上の多
段の管体列を形成することができ、管体を密に配置させ
ることが可能となって地下水の流入や土砂の崩壊が生じ
難い且つ肉厚で強度の大なる外郭体を形成し得る。
【0013】さらに、管体を地盤中に両先進坑からこれ
らの先進坑の軸方向に対して斜め前方及び斜め後方に向
かって挿入することによって、一方の先進坑から地盤中
に斜め前方に挿入した管体と該管体に対応して他方の先
進坑から地盤中に斜め後方に挿入した管体とから地盤改
良材を噴射、注入することによって形成された1本の改
良地盤部上に他の複数本の改良地盤部が平面綾織り状に
重なって、互いに平行に施工される場合における未改良
部の発生を確実になくし、一層強固な外郭体を形成する
ことができるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な実施の形
態を図面について説明すると、図1は大断面トンネルと
して地下鉄の駅舎部を示した縦断正面図であって、左右
に所定間隔を存して形成された2つの先進坑1、2によ
って複車線が形成され、これらの先進坑1、2間には大
断面トンネルの掘削によって大断面空間部3が設けられ
ていると共に該空間部3にホーム4とこのホーム4の天
井壁を築造するためのトンネル外郭体5が造成されてい
る。
【0015】このトンネル外郭体5は、両先進坑1、2
の対向上周部から地盤6中に挿入された外側に向かって
弧状に湾曲している多数本の管体7、8と、これらの管
体7、8の周囲の改良地盤層9a、9bとから構成されてお
り、該トンネル外郭体5の形成後、その内側の地盤を掘
削することによって上記駅舎部を形成する大断面のトン
ネルTが築造される。
【0016】このような大断面のトンネルTの具体的な
築造方法を述べると、まず、地盤中に左右に所定間隔を
存してシールド掘削機(図示せず)を用いて先進坑1、
2を水平方向に並列状に掘削、形成する。これらの先進
坑1、2の掘削後、又は掘進に後続して、ホーム4等の
大断面空間部3を構築すべき場所において、図2、図3
に示すように、両先進坑1、2の対向上周部からこれら
の先進坑1、2間の上方地盤6中に一定径の小径鋼管か
らなる外向き弧状に湾曲した管体7、8をそれぞれ対向
する先進坑に向かって挿入し、一方の先進坑1から地盤
6中に挿入した管体7の先端部と他方の先進坑2から地
盤6中に挿入した管体8の先端部とを先進坑1、2間の
中間部上方における地盤中において互いに前後に近接し
て重ね合った状態にする。なお、管体7、8は、少なく
ともその先端部同士を先進坑1、2間の上方地盤中にお
いて前後に接近して重なり合わせておけばよく、要する
に他方の先進坑に到達しない長さ、即ち、両先進坑1、
2間の施工距離長よりも短い長さに形成しておけばよ
い。
【0017】先進坑1、2から地盤6内に管体7、8を
挿入、配設するには、まず、管体7、8の先端開口部に
図5に示すように、管体よりも僅かに大径のビット11を
回転自在に装着しておくと共に管体内に中空のフレキシ
ブルシャフト12を挿入してその先端を上記ビット11の背
面中央部に設けた鍵孔形状の係合孔13に挿入すると共に
該先端外周部に設けている突起14を係合孔13に係止さ
せ、この状態にして先進坑側でフレキシブルシャフト12
を回転させると共に該フレキシブルシャフト12の中空内
を通じて圧力水を供給し、ビット11に穿設しているノズ
ル15から地盤中に噴射させることによって地盤を穿孔し
ながら管体7、8を推進させることにより行われる。こ
の際、管体7、8は外側に向かって湾曲しているので、
推進によって地盤中に円弧状に挿入される。
【0018】管体7、8が上記のように互いにその先端
部が先進坑1、2間の上方地盤の中間部で前後に重なり
合った状態に挿入されると、図6に示すように、フレキ
シブルシャフト12を逆方向に回動させることによってそ
の先端突起14と係合孔13との係止を解き、しかるのち、
フレキシブルシャフト12を後退させることによってそれ
ぞれ先進坑1、2内に回収し、次の管体7、8の挿入作
業に使用する。
【0019】なお、先進坑1、2内から管体7、8を地
盤6内に挿入するには、先進坑1、2の相対する上周部
に長さ方向に所定間隔毎に穿設されている管体挿通孔16
を通じて行われるが、シールド掘削機によって先進坑
1、2を掘進する場合には、該シールド掘削機に設けて
いる裏込注入孔を管体挿通孔に利用することができる。
また、管体7、8は図4に示すように、先進坑1、2内
に移動自在に設置した曲げ機17に長尺の直管を供給して
所定の曲率半径に曲げられながら該曲げ機17から管体挿
通孔16を通じて地盤中に挿入される。なお、曲げ機17を
使用することなく予め曲げ加工された定尺の曲管を順次
継ぎ足しながら管体7、8を形成してもよい。
【0020】先進坑1、2から地盤中への上記1本の管
体7、8の挿入作業が終了すると、該挿入位置から先進
坑の長さ方向に小間隔存した次の挿入位置において、再
び上記同様にして先進坑1、2の相対する管体挿入孔1
6、16を通じて地盤中への管体7、8の挿入作業を行
い、以下、同様にして先進坑1、2の長さ方向に所定間
隔毎に穿設した管体挿入孔16、16から地盤6に管体7、
8を順次挿入し、先端部が地盤中において前後方向に互
いに近接した状態に配設された相対する管体7、8を一
組として前後に隣接する組の管体7、8間が所定間隔を
存して配置された平面肋骨状の複数組の管体列を形成す
る。
【0021】地盤6内に地下水が存在しなく且つ比較的
安定した地質の場合には上記管体列によって地盤の崩壊
が防止されるので、管体列のみでトンネル外郭体5を形
成して該外郭体5の内側地盤を掘削することにより大断
面空間部3を形成すればよいが、崩壊しやすい地盤の場
合には、上記管体7、8の挿入後、各組の管体7、8内
を通じて水ガラス、或いはセメントミルク、モルタル等
の液状の地盤改良材18を供給し、管体7、8の周囲の地
盤6中に噴射、注入して該地盤改良材18の固化により不
透水性の改良地盤層9a、9bを形成する。この改良地盤層
9a、9bの形成工程は、地盤6中への上記管体7、8の挿
入工程に並行して順次行ってもよく、また、上記複数組
の管体列の形成後に行ってもよい。
【0022】管体7、8内を通じての地盤6に対する上
記地盤改良材18の噴射、注入は、次のようにして行われ
る。即ち、図7に示すように、管体7、8には予めその
周壁に周方向並びに長さ方向に多数個の注出孔19が穿設
されてあり、地盤6内に管体7、8を挿入したのち、先
進坑1、2内からこれらの管体7、8内に注入管20を挿
入して該注入管20から上記注出孔19を通じて噴射、注入
するものである。注入管20にはその先端部に長さ方向に
小間隔を存して管体7、8の内壁面に摺接するパッカー
21、21が固着されていると共にこれらのパッカー21、21
間の先端部に注入孔22が穿設されてあり、注入管20を管
体7、8内で長さ方向に移動させながら注入孔22から地
盤改良材18をパッカー21、21間の管体部内に注入、充満
させると共に該パッカー21、21間に対応する管体7、8
の注出孔19から地盤中に噴射、注入するものである。
【0023】こうして、管体7、8の周囲に改良地盤層
9a、9bをそれぞれ形成するものであるが、この際、図8
に示すように、一組の管体7、8の全長に亘って注出孔
19からそれぞれ噴射、注入する地盤改良材18により、管
体7、8の周囲の地盤6を管体7、8の長さ方向に長く
且つ両端が先進坑1、2の対向上周面に連続した1本の
柱状の改良地盤層9に形成されるが、地盤を改良すべき
部分のみに、例えば管体7、8が重なりあった先端部分
のみに地盤改良材18を注入して改良地盤層を部分的に設
けてもよい。この地盤改良材18の注入による改良地盤層
9の形成は、各組の管体7、8に行われ、先進坑1、2
間の上方地盤に管体列と改良地盤層列とからなる外郭体
5を造成する。なお、前後に隣接する上記柱状の改良地
盤層9、9を連続させて先進坑1、2間の上方地盤を全
面的に改良地盤層に形成してもよい。
【0024】また、地盤6に対する地盤改良材18の注入
工程は、管体7、8の挿入後、上述したように注入管20
を使用して別工程で行っているが、先進坑1、2から地
盤6中に管体7、8を挿入する時に、ビット11によって
地盤を削孔しながら該ビット11又は管体7、8内から地
盤改良材18を同時に注入してもよい。
【0025】こうして、外郭体5を造成したのち、該外
郭体23の内側(下方)の地盤を掘削、排除することによ
って先進坑1、2間に大断面空間部3を形成し、この空
間部3に駅舎のホーム4等を施工する。なお、先進坑
1、2間の下方地盤中にも図1に示すように、管体7、
8の周囲に形成された改良地盤層による外郭体5'を形成
しておいてもよい。
【0026】上記実施例においては図8に示すように、
一組の管体7、8の周囲に形成された改良地盤層9が先
進坑1、2の長さ方向に所定間隔毎に一列横隊状に並列
した施工形態としているが、前後に隣接する改良地盤層
9、9間の間隔を広くすると、即ち、管体7、8の本数
を少なくすると、改良地盤層9、9間の未改良地盤部分
が大きくなり、土砂の崩壊を招く虞れがある。そのた
め、先進坑1、2に穿設した管体挿通孔16、16間の間隔
を小さくして管体7、8を密に挿入することが望ましい
が、管体挿通孔16、16間を小さくすると先進坑1、2の
壁体部が弱体化して好ましくない。
【0027】この欠点をなくするため、先進坑1、2に
一直線状に穿設している上記各隣接する管体挿通孔16、
16間の中間部の下方に管体挿通孔(図示せず)を穿設し
ておき、この管体挿通孔を通じて上記同様に、管体7a、
8aを地盤内に挿入してその先端部同士を前後に近接した
状態で重ね合わせ、該管体7a、8aの周囲に地盤改良材18
を注入して図9に示すように、先に施工した上記上側の
隣接する改良地盤層9、9間の中央部下方に沿った改良
地盤層9Aを形成するものである。この改良地盤層9Aを順
次、上記同様にして地盤中に施工することにより、上側
の一列横隊の改良地盤層列R1を一段目としてこの改良地
盤層列R1の下方に沿って該改良地盤層列を構成する前後
に隣接する柱状の改良地盤層9、9間に下側の柱状の改
良地盤層9Aを順次位置させた2段目の改良地盤層列R2
形成される。
【0028】従って、これらの上下改良地盤層列R1、R2
によって改良地盤が密になり、上側改良地盤層列R1を構
成した隣接する改良地盤層9、9に下側改良地盤層R2
改良地盤層9Aを連続させれば、地下水の浸入や地盤の崩
壊を防止し得るトンネル外郭体5を形成することができ
る。なお、必要に応じて上記改良地盤層列を上下多段に
形成しておいてもよい。
【0029】図10は本発明のさらに別な実施例を示すも
ので、上記実施例においては、管体7、8を地盤6中に
先進坑1、2の長さ方向に対して直角方向に挿入した
が、この実施例においては一定の角度でもって傾斜させ
た状態で挿入しているものである。即ち、両先進坑1、
2の上周部対向面に長さ方向に一定間隔毎に管体挿通孔
16を穿設しておき、これらの管体挿通孔16から先進坑
1、2の軸方向に対して斜め前方に向かって傾斜した管
体7b、8bを地盤中に挿入する作業と、斜め後方に向かっ
た傾斜した管体7c、8cを地盤中に挿入する作業とを交互
に行っているものである。
【0030】この際、例えば、一方の先進坑1から斜め
前方に向かって挿入される管体7bの挿入孔16と他方の先
進坑2から斜め後方に向かって挿入される管体8cの挿入
孔16とを上側に位置させてこれらの挿入孔16から地盤中
に互いに一直線上に対向させ且つ先端部を先進坑1、2
の間の中間部の上方地盤中で前後に近接した重ね合わせ
状態で挿入される管体7b、8cを1組とし、一方の先進坑
1から斜め後方に向かって挿入される管体7cの挿入孔16
と他方の先進坑2から斜め後方に向かって挿入される管
体8bの挿入孔16とを下側に位置させてこれらの挿入孔16
から地盤中に互いに一直線上に対向させ先端部を先進坑
1、2の間の中間部の上方地盤中で前後に近接した重ね
合わせ状態で挿入される管体7b、8cを1組として順次、
これらの組の管体列を形成し、各組の管体7b、7c、8b、
8cの周囲の地盤6に上記実施例と同様に地盤改良材18を
注入することによって平面綾織り状に交差した柱状の改
良地盤層9B、9C列からなるトンネル外郭体5を形成する
ものである。
【0031】このように平面綾織り状に交差した柱状の
改良地盤層9B、9C列を形成すると、図においても明らか
なように、下側の一本の改良地盤層9C上に上側の数本の
改良地盤層9Bが交差状に支持された構造となり、上記互
いに平行に施工された改良地盤層9、9Aの場合における
未改良部の発生を確実になくし、一層強固な外郭体5を
形成することができるものである。この外郭体5の内側
地盤を掘削することによって上記同様に大断面のトンネ
ルTを築造するものである。
【0032】図11は、本発明のさらに別な実施例を示す
もので、上記いずれの実施例においても先進坑1、2か
ら相対して挿入された管体7、8をその先端部が前後に
近接状態で重ね合わせることにより1本の改良地盤層9
を形成しているが、この実施例においては、一方の先進
坑1から地盤中に挿入される管体7dと、他方の先進坑2
から地盤中に挿入される管体7eとを互いに前後方向に一
定の間隔を存して交互に平面千鳥状に配設された構造と
しているものであり、一方の管体7dの周囲地盤に注入し
た改良地盤層9Dの先端部と他方の管体7eの周囲地盤に注
入した改良地盤層9Eとを交互に連続させたトンネル外郭
体5を形成している。その他の実施例及び施工態様は上
記実施例と同様であるのでその説明は省略する。この実
施例によれば、少ない本数で各改良地盤層を連結一体化
することができる。
【0033】なお、上記の各実施例における改良地盤層
9〜9Eを少なくとも2種類、組み合わせて所望の外郭体
5を形成してもよい。また、上記のいずれの実施例にお
いても、改良地盤層は管体7,8の全長に亘って設けた
が、本発明はこれに限らず、互いに管体を連結一体化す
ることを目的として例えば左右の管体7、8の交差部の
みに改良地盤層を設けておいてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明のトンネル築造方法
によれば、適宜間隔を存して互いに並行する先進坑を地
盤中に形成する工程と、上記両先進坑よりこれらの先進
坑間の地盤中に円弧状の管体を互いにその少なくとも先
端部が先進坑間の地盤の中間部で重複又は交差するよう
に先進坑の長さ方向に所望間隔毎に複数本挿入する工程
と、これらの管体列によって形成されたトンネル外郭体
の内側の地盤を掘削する工程とからなるので、両先進坑
から地盤中に管体を挿入するものであるから、管体の挿
入作業が能率良く行えてトンネル外郭体を効率良く施工
することができると共に管体の施工長が短くて済むので
挿入作業が短時間で行うことができ、その上、先進坑間
の地盤の中間部において一方の先進坑から挿入される管
体と他方の先進坑から挿入される管体との少なくとも先
端部を前後に重合又は交差させるものであるから、強度
の大きい安定した且つ精度のよいトンネル外郭体を施工
することができる。
【0035】さらに、各管体内を通じて地盤中に地盤改
良材を噴射して管体の周囲に地盤が改良されたトンネル
外郭体を形成することができるので、地盤改良作業が円
滑且つ能率よく行え、このトンネル外郭体の内側地盤の
掘削による大断面のトンネルを短期間で築造することが
できる。
【0036】また、請求項2に係る発明によれば、管体
を先進坑間の地盤中に上下方向に多段に挿入するもので
あるから、管体を密に配置することができてこれらの管
体の周囲に形成する地盤改良層を広範囲に且つ厚く形成
することができ、地下水や土砂の崩壊が生じ難い強度の
大きいトンネル外郭体を形成することができる。
【0037】さらに、請求項3に係る発明によれば、管
体を先進坑間の地盤中に先進坑の軸方向に対して斜め方
向に挿入するものであるから、一方の先進坑から地盤中
に斜め前方に挿入した管体と該管体に対応して他方の先
進坑から地盤中に斜め後方に挿入した管体とから地盤改
良材を噴射、注入することによって形成された1本の改
良地盤部上に他の複数本の改良地盤部が平面綾織り状に
重なったトンネル外郭体を形成することができ、互いに
平行に施工される場合における未改良部の発生を確実に
なくして一層強固な外郭体を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】築造した大断面トンネルの簡略縦断正面図、
【図2】先進坑からの管体の挿入方法を説明するための
縦断正面図、
【図3】その簡略平面図、
【図4】先進坑内に配設した曲げ機の側面図、
【図5】管体の先端部分の縦断側面図、
【図6】フレキシブルシャフトを撤去する状態の縦断側
面図、
【図7】内部を通じて地盤改良材を注入する管体の一部
の縦断側面図、
【図8】一列横隊に並列した改良地盤層からなる外郭体
の簡略平面図、
【図9】上下に重なりあった改良地盤層からなる外郭体
の簡略平面図、
【図10】平面綾織り状に交差した改良地盤層からなる
外郭体の簡略平面図、
【図11】千鳥状に並設した改良地盤層からなる外郭体
の簡略平面図、
【図12】従来例における鋼管の挿入状態を示した簡略
側面図、
【図13】鋼管をガイドとして小径掘削装置により掘進
している状態の簡略側面図、
【図14】地盤改良を行っている状態の簡略側面図。
【符号の説明】
1、2 先進坑 3 大断面空間部 5 トンネル外郭体 6 地盤 7、8 管体 9 改良地盤層 16 管体挿通孔 T 大断面トンネル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適宜間隔を存して互いに並行する先進坑
    を地盤中に形成する工程と、上記両先進坑よりこれらの
    先進坑間の地盤中に円弧状の管体を互いにその少なくと
    も先端部が先進坑間の地盤の中間部で重複又は交差する
    ように先進坑の長さ方向に所望間隔毎に複数本挿入する
    工程と、これらの管体列によって形成されたトンネル外
    郭体の内側の地盤を掘削する工程とからなることを特徴
    とするトンネルの築造方法。
  2. 【請求項2】 管体が先進坑間の地盤中に上下方向に多
    段に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の
    トンネル築造方法。
  3. 【請求項3】 管体が先進坑間の地盤中に先進坑の軸方
    向に対して斜め方向に挿入されていることを特徴とする
    請求項1に記載のトンネル築造方法。
  4. 【請求項4】 管体が先進坑間の地盤中に平面千鳥状と
    なるように挿入されていることを特徴とする請求項1に
    記載のトンネル築造方法。
  5. 【請求項5】 管体より地盤中に地盤改良材を噴射して
    管体の周囲に地盤が改良されたトンネル外郭体を形成す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いず
    れか1項に記載のトンネルの築造方法。
JP06894999A 1999-03-15 1999-03-15 トンネルの築造方法 Expired - Lifetime JP4083336B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06894999A JP4083336B2 (ja) 1999-03-15 1999-03-15 トンネルの築造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06894999A JP4083336B2 (ja) 1999-03-15 1999-03-15 トンネルの築造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000265797A true JP2000265797A (ja) 2000-09-26
JP4083336B2 JP4083336B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=13388436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06894999A Expired - Lifetime JP4083336B2 (ja) 1999-03-15 1999-03-15 トンネルの築造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4083336B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002227598A (ja) * 2001-01-26 2002-08-14 Tekken Constr Co Ltd 地下構造物の構築方法
JP2008111227A (ja) * 2006-10-27 2008-05-15 Taisei Corp 多連トンネルの施工方法および接続構造と、多連トンネルを構成するトンネルとパイプルーフの接続構造
KR101234270B1 (ko) * 2009-09-29 2013-02-19 허영부 강관과 유공관을 이용한 비개착 굴착공법
CN105863646A (zh) * 2016-03-30 2016-08-17 中煤特殊凿井有限责任公司 大断面暗挖隧道钢管幕内冻结施工方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0663040U (ja) * 1993-02-18 1994-09-06 株式会社アペックス 入浴用補助装置を備えたバス
CN104060999A (zh) * 2014-03-03 2014-09-24 中国水电顾问集团贵阳勘测设计研究院有限公司 一种隧洞塌方处理方法及结构

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002227598A (ja) * 2001-01-26 2002-08-14 Tekken Constr Co Ltd 地下構造物の構築方法
JP2008111227A (ja) * 2006-10-27 2008-05-15 Taisei Corp 多連トンネルの施工方法および接続構造と、多連トンネルを構成するトンネルとパイプルーフの接続構造
KR101234270B1 (ko) * 2009-09-29 2013-02-19 허영부 강관과 유공관을 이용한 비개착 굴착공법
CN105863646A (zh) * 2016-03-30 2016-08-17 中煤特殊凿井有限责任公司 大断面暗挖隧道钢管幕内冻结施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4083336B2 (ja) 2008-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108533272B (zh) 一种极小净距隧道出洞施工方法
JPH0462292A (ja) トンネルの拡径方法および縮径方法
JP2000265797A (ja) トンネルの築造方法
JP2869877B2 (ja) トンネルの合流方法および分岐方法
JP4603652B2 (ja) 地山の固結方法
JP2942874B2 (ja) トンネルの合流方法
JP2663106B2 (ja) 推進管及び大空洞の外郭壁体構築工法
JPH0464697A (ja) トンネルの構築方法
JPH0949388A (ja) 土留め用パイプの雄・雌継ぎ手並びに連結装置及び土留め用パイプを用いた山留め壁体の形成方法
JPH07331998A (ja) 地下空洞の構築工法
JPH0313689A (ja) トンネルの構築方法
JP2788956B2 (ja) トンネルの合流方法
JP3455157B2 (ja) 支保工の構築工法
JP2849605B2 (ja) 大断面トンネルおよびその構築方法
JPH0462299A (ja) 大断面トンネルおよびその構築方法
JP2788957B2 (ja) トンネルの合流方法
JP4062464B2 (ja) トンネル構築工法
JPH07208068A (ja) トンネルの拡径・縮径・合流・分岐方法
JP4322688B2 (ja) 大断面トンネルの施工方法
JP2966173B2 (ja) トンネル掘削地盤の強化工法
JP2516582B2 (ja) トンネル構築方法
JPH0776819A (ja) トンネル掘削部及びその周辺部の地盤改良工法
JP2000328560A (ja) 鋼管柱列土留壁の造成方法
JPS5891294A (ja) トンネルの拡幅部の施工法
JPH11315533A (ja) 地盤改良工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050802

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071009

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term