JP2000265357A - 刺繍工芸品およびその製造方法 - Google Patents

刺繍工芸品およびその製造方法

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JP2000265357A
JP2000265357A JP2000005445A JP2000005445A JP2000265357A JP 2000265357 A JP2000265357 A JP 2000265357A JP 2000005445 A JP2000005445 A JP 2000005445A JP 2000005445 A JP2000005445 A JP 2000005445A JP 2000265357 A JP2000265357 A JP 2000265357A
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Kenji Motosawa
賢次 本澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、実在の対象物を立体的かつ写実的
に、しかも容易に表現することが可能な刺繍技法を提供
することを課題とする。 【解決手段】 上記の課題は、下絵が熱転写されたシー
ト地に単色の刺繍糸を縫い付けて成る刺繍工芸品であっ
て、熱転写された前記下絵の上面には撥水層が形成され
ており、前記下絵に沿って縫い付けられた前記単色の刺
繍糸は、前記下絵の色に合うように染料で着色されてい
ることを特徴とする刺繍工芸品とすることによって解決
できることを見いだした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刺繍工芸品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より種々の刺繍技法が提案されてい
る。例えば、実願平2−127387号には、写真撮影
された被写体をカラー複写機によって熱転写紙上に複写
して、この熱転写紙をシート地に転写して下絵を作製
し、しかる後にこの下絵の各部分に応じた色の刺繍糸を
用いて刺繍する方法が記載されている。しかしながら、
この方法では、多数の色の刺繍糸を使用するので煩雑で
あり、しかも、シート地の裏面には刺繍糸が解けないよ
うにするための結び目が大量に発生して、部分的に分厚
くなってしまう。また、特公昭51−23637号や特
開昭58−203154号には、織布に白糸刺繍を施し
て、しかる後に、刺繍模様と同一の模様を多色印刷した
転写印刷シートを使用して、白糸の刺繍模様を後染する
方法が記載されている。しかしながら、この方法による
と、刺繍糸は、バインダー中に分散された顔料によって
着色されるため、刺繍糸が有する光沢は消失してしま
う。さらに、特開平7−82676号には、基材の表面
に防染シートを載せ、防染シートが載せられた基材に刺
繍柄を設け、刺繍柄に着色を施し、その後、刺繍柄から
はみ出した着色料を防染シートとともに除去することを
特徴とする、刺繍柄のみを着色する方法が記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、実在の対象
物を立体的かつ写実的に、しかも容易に表現することが
可能な刺繍技法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者は上記の課題
を解決すべく種々検討を重ねた結果、下絵が熱転写され
たシート地に単色の刺繍糸を縫い付けて成る刺繍工芸品
であって、熱転写された前記下絵の上面には撥水層が形
成されており、前記下絵に沿って縫い付けられた前記刺
繍糸の全部または一部は、前記下絵の色に合うように染
料で着色されていることを特徴とする刺繍工芸品とする
ことによって解決されることを見いだした。以下に本発
明を詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】実施例1 本発明の一実施例による犬の刺繍模様を有する刺繍工芸
品1(図3)を示している。この刺繍工芸品は、(A)
下絵工程、(B)前処理工程、(C)刺繍工程、(D)
着色工程、(E)後処理工程および(F)洗浄工程を経
て作製される。
【0006】(A)下絵工程 まず、犬の写真を撮る。そして、この写真をスキャナー
を使用してパソコン内に取り込んで、背景を編集する等
の画像編集を行った後に、画像を反転させて熱転写紙の
上面(樹脂層側)に印刷する。熱転写紙としては、アル
プス電気株式会社製アイロンプリントシート(MDS−
IRON)を使用した。なお、被写体は、犬や人や鳥な
どの動物に限定されず、植物や風景であってもよい。
【0007】次に、シート地を用意する。本発明におけ
るシート地2は、布状のものであれば如何なるものでも
よい。本発明における好適なシート地は、木綿、絹、
麻、羊毛、ナイロンおよびポリエステル等の天然繊維お
よび合成繊維からなる布状のものであるが、和紙、不織
布または皮革からなるシート地を使用してもよい。
【0008】そして、この熱転写紙の上面(樹脂層側)
をシート地に当てて、熱転写紙の裏面(離型紙側)から
アイロンで加熱して離型紙を剥離すると、撮影された犬
の写真に基づく下絵3がシート地2に描写される(図
1)。本発明では、写真撮影された画像をそのまま下絵
として描写することが可能であるために、対象物、特に
動物を写実的に表現することができる。
【0009】ここで、本発明におけるシート地2への下
絵3の描写方法は、熱転写紙を使用する方法には限定さ
れない。例えば、ウペポ株式会社製の無版染色システム
や株式会社島精機製のATDシステム等を使用すること
によって、下絵をシート地に直接印刷してもよい。この
ような装置を使用することによって、より大面積の刺繍
工芸品を作製できる。
【0010】(B)前処理工程 次に、(A)下絵工程において得られた下絵の表面に撥
水層を形成する。本実施例においては、フィルム上にシ
リコーン樹脂層が塗布されて成る前処理シート(アルプ
ス電気株式会社製アイロンプリントシート(MDS−I
RON)に付属の仕上げシート)を使用して撥水層を形
成した。具体的には、前処理シートのシリコーン樹脂層
を、シート地上の下絵に当てて、前処理シートのフィル
ム側からアイロンで加熱することによって、下絵の表面
に撥水層を形成させた。この撥水層の形成によって、後
述の着色工程において、刺繍糸のみを着色することがで
きる。特に、シリコーン樹脂から成る撥水層は、木綿、
絹、ナイロンおよびポリエステルから成るシート地との
接着性が良好であり、しかも刺繍を行うための刺繍枠に
シート地を嵌め込んでもシート地から撥水層が剥がれ落
ちることはない。
【0011】本発明による撥水層の厚さは特に限定され
ないが、好ましくは、5〜30μm、最適には10〜2
0μmになっている。
【0012】なお、本発明における撥水層は、特にエポ
キシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変
性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変
性、エポキシ・ポリエーテル変性のシリコーン樹脂から
成るものが好ましい。また、シリコーン樹脂から成る撥
水層は、信越化学工業株式会社のPOLON−Tを下絵
に塗布して乾燥させることによって形成されてもよい。
また、撥水層はフッ素樹脂から成るものであってもよ
い。フッ素樹脂から成る撥水層は、例えばダイキン工業
株式会社製のフッ素樹脂スプレー(ノヴァテック(登録
商標))を使用して、下絵の表面にスプレーコーティン
グすることによって形成される。
【0013】(C)刺繍工程 本発明によると、上記の下絵3に沿って、特に毛並みに
沿って、単色の刺繍糸4が縫い付けられる(図2)。単
色の刺繍糸を使用する本発明によると、多数の色の刺繍
糸を使用して刺繍する従来技術と比較して、シート地の
裏面には刺繍糸が解けないようにするための結び目は殆
ど形成されない。
【0014】また、本発明においては、下絵3の全部ま
たは一部を露出させた状態で、刺繍糸4は縫い付けられ
る。下絵の全部または一部を露出することによって、写
真画像の写実的な表情を残しつつ、立体感のある刺繍模
様になる。即ち、本発明では、比較的密に刺繍糸が縫い
付けられていて下絵が殆ど隠れている部分5と、比較的
粗く刺繍糸が縫い付けられていて下絵の一部が露出して
いる部分6とが混在している。このように、刺繍糸の縫
い付け密度に差を設けることによって、作製された刺繍
模様には遠近感が付与される。特に本実施例では犬の目
の部分には刺繍が施されていない。
【0015】刺繍糸4として、再生セルロース75番の
白糸(旭化成株式会社製のベンベルク(登録商標))が
使用されている。この再生セルロース75番の白糸は、
光沢があるため、動物の毛並みを表現するのに適してい
る。なお、白色系の糸は、後述の着色工程において着色
される。なお、本発明において使用される刺繍糸は、上
記のものに限定されず、天然繊維、合成繊維または半合
成繊維から成る任意の刺繍糸が使用され得る。また、使
用される刺繍糸の太さも、特に限定されないが、好まし
くは、10〜100番,さらには30〜80番、最適に
は50〜80番の太さの刺繍糸が使用される。上記の範
囲の刺繍糸を使用することによって、動物の毛並みをあ
りのままに、しかも光沢を持たせつつ表現できる。
【0016】本発明における刺繍糸4の縫い付けはミシ
ンによって行なうことが可能である。複数の色の刺繍糸
を適宜使い分けなければならない従来の刺繍技法とは異
なり、本発明では基本的には単色の刺繍糸を使用して刺
繍するために、ミシンによる刺繍が可能になる。また、
ミシンを使用することによって、効率的に下絵の上に刺
繍糸を縫い付けることが可能になる。刺繍糸の縫い付け
に際しては、シート地を補強するための不織布を、シー
ト地の裏面に縫い合わせておいてもよい。
【0017】(D)着色工程 上記の(C)刺繍工程において刺繍された単色の刺繍糸
は、下絵の色を参考にしながら着色される。ここで、上
記のように刺繍糸4が着色された状態を図3に示す。ま
た、図3の9の部分を拡大して図4に示す。この着色工
程において着色される着色部分7は、刺繍糸の全部であ
る必要はなく、非着色部分8が残っていてもよい。
【0018】本発明によると、刺繍糸を着色するために
バインダーを含まない染料が使用される。この点に関し
て、本発明は、特公昭51−23637号や特開昭58
−203154号に記載されるような転写や印刷によっ
て刺繍糸を着色する方法と顕著に相違する。転写や印刷
の場合、顔料とともにバインダーが転写シートから移動
することによって刺繍糸は着色されるので、これによる
着色部分はザラ付いた感触を有し、しかも刺繍糸本来の
光沢は失われてしまう。従って、刺繍糸の光沢や触感を
生かした刺繍模様を作製することはできない。
【0019】本発明においては染料としては特にレマゾ
ール染料の使用が好ましい。このレマゾール染料は、刺
繍糸の触感と光沢を損なうことなく、刺繍糸の着色を達
成する。従って、染料で染色された刺繍糸にはバインダ
ーが塗布されないので、例えば動物の毛並みや皮膚を、
刺繍糸の光沢や触感を利用しつつ、立体的かつ写実的に
表現できる。また、レマゾール染料は日光堅牢度が高い
ので、レマゾール染料によって着色された刺繍工芸品は
長期間日光に照射しても色あせることはない。
【0020】なお、本発明において使用される染料は必
ずしもレマゾール染料には限定されず、従来周知の他の
染料を使用してもよい。刺繍糸が絹、羊毛またはビニロ
ンから成る場合、例えば酸性染料、ハイパノール染料、
ハイマックス染料、エムマックス染料およびラナセット
染料の使用が可能である。また、刺繍糸が木綿、麻、レ
ーヨンまたは再生セルロースから成る場合、例えばシリ
アス染料、直接染料、プロシオン染料、、ナフトール染
料およびスレン染料の使用が可能である。
【0021】(E)後処理工程 次に、レマゾール染料で着色された刺繍糸にアルカリ成
分配合液(SENKA社製のACD06)をナイロン刷
毛を使用して塗布する。このアルカリ成分配合液を塗布
して約40分放置することによって、レマゾール染料は
アルカリ固着される。なお、この後処理工程は、染料の
種類によっては必ずしも必要ではない。
【0022】(F)洗浄工程 最後に、シート地は水に約30分浸して洗浄される。こ
の時、撥水層の上に付着した染料は溶解除去される。従
って、本発明によると、刺繍糸のみが着色され、刺繍柄
は浮き出たように見える。
【0023】なお、犬の目の部分などのような刺繍糸が
縫い付けられていない部分には、アクリル絵の具等によ
る色付けを行ってもよい。このようにして作製された刺
繍工芸品は、額に収めて展示されたり、衣服に成形され
たりする。また、着物地として使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 下絵工程において、シート地に下絵が描写さ
れた状態を示す図である。
【図2】 刺繍工程において、下絵の上に刺繍糸が縫い
付けられた状態を示す図である。
【図3】 着色工程において、刺繍糸の所定部分が着色
された状態を示す図である。
【図4】 図3の一部の拡大図である。
【符号の説明】
1 刺繍工芸品 2 シート地 3 下絵 4 刺繍糸 5 比較的密に刺繍糸が縫い付けられた部分 6 比較的粗く刺繍糸が縫い付けられた部分 7 着色部分 8 非着色部分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月17日(2000.1.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下絵が熱転写されたシート地に単色の刺
    繍糸を縫い付けて成る刺繍工芸品であって、熱転写され
    た前記下絵の上面には撥水層が形成されており、前記下
    絵に沿って縫い付けられた前記単色の刺繍糸は、前記下
    絵の色に合うように染料で着色されていることを特徴と
    する刺繍工芸品。
  2. 【請求項2】 シート地に下絵を熱転写し、前記下絵の
    表面に撥水層を形成し、前記撥水層が形成された前記下
    絵に単色の刺繍糸を縫い付け、前記単色の刺繍糸を前記
    下絵の色に合わせて染料で着色し、しかる後に前記シー
    ト地を水洗することを特徴とする刺繍工芸品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記染料はレマゾール染料であることを
    特徴とする請求項3に記載の刺繍工芸品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記レマゾール染料はアルカリ固着され
    ることを特徴とする請求項3に記載の刺繍工芸品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記撥水層は、シリコーン樹脂から成る
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の
    刺繍工芸品の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009079328A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Sanyo Co Ltd Idを内包する、刺繍あるいはプリント

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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