JP2000265323A - 産業資材用ポリエステル糸の紡糸直接延伸方法 - Google Patents
産業資材用ポリエステル糸の紡糸直接延伸方法Info
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Abstract
業性よく、延伸点を一点に固定して延伸斑なく均一に延
伸を行うことができ、単糸切れや毛羽などの発生のない
品位に優れた製品を得ることが可能な産業資材用ポリエ
スル糸の紡糸直接延伸方法を提供する。 【解決手段】 高温加熱流体を糸条に吹き付けて、糸条
温度をガラス転移点温度以上に加熱しながら延伸を行う
延伸点固定装置6をローラ間(供給ローラ2と延伸ロー
ラ3間)に設置し、紡糸に引き続いて延伸を行うに際
し、供給ローラ2から延伸点固定装置6に導入するまで
の糸条の温度を35℃以下とする、産業資材用ポリエス
テル糸の紡糸直接延伸方法。
Description
固定装置を設けて延伸を行う、産業資材用ポリエステル
糸の紡糸直接延伸方法に関するものである。
いては、製造工程の合理化が進められ、紡糸直接延伸法
と呼ばれる一工程化が進められている。
いては、糸条温度をガラス転移点温度以上に加熱する加
熱供給ローラと糸条に寸法安定性を与える熱処理用の熱
ローラを設け、この間で延伸する方法(ローラ延伸法)
と、非加熱の供給ローラと熱処理用の延伸ローラとの間
に高温加熱流体を糸条に吹き付ける延伸点固定装置を設
け、糸条温度をガラス転移点温度以上に加熱し、装置内
で延伸点を一点に固定して延伸を行う方法(加熱流体延
伸法)が採用されている。
度の糸条においては、加熱供給ローラに供給された糸条
は、加熱供給ローラからの受熱により、徐々にガラス転
移点温度以上に加熱された後、加熱供給ローラと熱処理
用の熱ローラの速度の差によって延伸される。このた
め、糸条が実際に延伸応力を受ける位置(延伸点)は、
糸条が加熱供給ローラから離れる位置だけとなる。ま
た、加熱供給ローラで糸条温度をガラス転移点温度以上
に上げられるため、加熱供給ローラに入る前の糸条温度
が、ガラス転移点温度以上に加熱されていない限り、糸
条の延伸点の位置は変化しない。
1500デニール程度の産業資材用のポリエステル繊維
を製造する場合、ローラ延伸法では、加熱供給ローラか
らの受熱により、徐々にガラス転移点温度以上に加熱さ
れるため、糸条繊度が大きくなるほど糸条全体が均一に
加熱されにくくなり、延伸点のばらつきが生じるという
問題があり、太繊度の産業資材用繊維を製造する場合に
おいては、高温の加熱流体を糸条の一点に吹き付けて加
熱を行う加熱流体延伸法による製造が望まれている。
給ローラと熱処理用の熱ローラの間に高温加熱流体を糸
条に吹き付ける延伸点固定装置を設置し、延伸点固定装
置で糸条温度をガラス転移点温度以上にしながら、非加
熱の供給ローラと熱処理用の熱ローラの速度の差によっ
て延伸するため、ローラ延伸法のように延伸点を機械的
に一点に集中させることが困難であった。
糸条温度が高い場合、供給ローラ側で延伸され始めてし
まい、非加熱の供給ローラ側にも延伸点が発生し、糸条
の延伸点が延伸点固定装置内で一点に固定されなくな
る。
点が発生すると、ガラス転移点温度以上に加熱される前
の糸条が延伸されるため、糸条に延伸斑が発生し、糸切
れが発生したり、得られた糸を整経する際に単糸切れや
毛羽が生じ、品位に劣るものとなるという問題があっ
た。
な問題点を解決し、太繊度の産業資材用ポリエステル繊
維の製造において、加熱流体延伸法により延伸を行うに
際し、操業性よく、延伸点を一点に固定して延伸斑なく
均一に延伸を行うことができ、単糸切れや毛羽などの発
生のない品位に優れた製品を得ることが可能な紡糸直接
延伸方法を提供することを技術的な課題とするものであ
る。
題を解決するために鋭意研究した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、高温加熱流体を糸条に吹き付
けて、糸条温度をガラス転移点温度以上に加熱しながら
延伸を行う延伸点固定装置をローラ間(供給ローラと延
伸ローラ間)に設置し、紡糸に引き続いて延伸を行うに
際し、供給ローラから延伸点固定装置に導入するまでの
糸条の温度を35℃以下とすることを特徴とする産業資
材用ポリエステル糸の紡糸直接延伸方法を要旨とするも
のである。
に説明する。図1は、本発明の産業資材用ポリエステル
糸の紡糸直接延伸方法の延伸、熱処理、巻き取り工程の
一実施態様を示す一部概略工程図である。まず、紡糸装
置を用いて紡糸された糸条Yは、非加熱の第一ローラ1
で引き取られ、第二ローラ2の間で予備延伸される。第
一ローラ1と第二ローラ2はセパレートローラを有して
おり、次に、熱処理ローラである第三ローラ3に巻かれ
る。
3(延伸ローラ)の間に、高温加熱流体を糸条に吹き付
ける延伸点固定装置6が設置され、延伸が行われる。そ
して糸条は、延伸点固定装置6により加熱され、糸条温
度がガラス転移点温度以上になった位置で、供給ローラ
である第二ローラ2と延伸ローラである第三ローラ3の
速度差によって生ずる応力によって延伸される。
イプの加熱ローラである第三ローラ3と第四ローラ4に
巻かれて熱処理され、次に、非加熱のネルソンタイプの
第五ローラ5を経て、巻取機7で巻き取られる。
ローラ2から延伸点固定装置6に導入するまでの糸条の
温度を35℃以下とすることが必要である。
となく、延伸点固定装置6で糸条温度がガラス転移点温
度以上に加熱された一点の位置に第二ローラ2と第三ロ
ーラ3の間に掛かる延伸応力が集中される。すなわち、
延伸点が一点に固定され、均一な延伸が行われ、延伸斑
のない物性、品位に優れた繊維が得られる。
は特に限定されるものではないが、延伸点固定装置6に
導入する直前の供給ローラである第二ローラ2で糸条を
冷却することが好ましい。
の流体が循環しているものとし、図示しないが表面温度
を検知する検出端、冷却用の流体を循環する循環タンク
及び循環している流体を一定温度に冷却する冷却装置を
備え、一定温度になるように調整がされているものが好
ましい。
る糸条温度は、紡糸された糸条の太さや糸条の引取速
度、延伸工程の雰囲気温度により変化するため、強制的
に一定温度に調節すると、糸条の延伸性を良好に保持す
ることができ、好ましい。
るまでの糸条の温度が35℃を超えると、特にポリエス
テルのガラス転移点温度に近い場合は、糸条の延伸点
が、延伸点固定装置6で固定されずに、第二ローラ2側
にも延伸点が発生する。これは、延伸点固定装置6に入
る前の糸条温度が高い場合、十分にガラス転移点温度以
上にならないうちに延伸され始め、第二ローラ2と第三
ローラ3の間に生じる延伸応力が、延伸点固定装置6側
とその前の第二ローラ2の両方に分散されるためであ
る。
1つでない場合、糸条の延伸性が著しく悪化し、得られ
る繊維も延伸斑が生じて、その後の整経時に糸切れや毛
羽が多発し、品位に劣ったものとなる。
る高温加熱流体は、特に限定されるのではないが、35
0〜550℃程度の高圧水蒸気等が好ましい。
リエステル糸は、繊度が200〜1500デニール、強
度が6〜11g/d、伸度が15〜30%程度のもので
ある。
する。なお、実施例における各種の値の測定や評価は次
のように行った。 〔供給ローラ(第二ローラ)の表面温度〕冷却媒体が循
環する冷却装置及び表面温度を検知する検出端を備えて
いる場合(実施例1〜2、比較例1〜2)は、検出端に
より連続的に検出した温度とし、冷却装置や検出端を備
えていない場合(比較例3〜4)は、第二ローラの表面
に表面温度計(アンリツ社製MODEL HL−30
0)を接触させて表面の温度を定期的に測定し、これら
の値の平均値とした。 〔糸条温度〕延伸点固定装置に導入する直前の糸条に表
面温度計(アンリツ社製MODELHL−300)を接
触させて表面の温度を定期的に測定し、これらの値の平
均値とした。 〔第二ローラ付近の雰囲気温度〕第二ローラとセパレー
トローラの中間に検出端を設置し、検出端により連続的
に検出し、上下限値を記載した。 〔単糸切れ数(ケ)、毛羽数(ケ)〕整経機(日本マイ
ヤ社製 DSJ21/21)を用い、巻き取った糸条を
本数144本、整経糸長200000mで整経を行った。この
とき、整経機に取り付けられた光電管式毛羽検知器(春
日電機社製 MF8ー32AS型)によって、整経され
た糸条の単糸切れ、毛羽数をカウントした。 〔糸切れ(回/日)〕延伸時に生じた糸切れ回数を一日
あたりの回数で示した。 〔強伸度〕島津製作所製オートグラフAGS100Gを
用い、試料長40cm、引張速度50m/分で測定し
た。
合溶媒を用い、20℃で測定した。)が0.99のポリ
エチレンテレフタレートチップを温度300℃で加熱溶
融し、48孔の紡糸口金4個に供給し、4糸条を紡糸し
た。なお、糸条のガラス転移点温度は76℃であった。
引き続き、紡糸口金下流に設けた冷却装置で糸条を固化
し、紡糸油剤を付与した後、図1に示す装置を用いて、
延伸、熱処理を行い巻き取った。まず、速度500m/
分の第一ローラ1で引き取り、第二ローラ2との間で延
伸倍率1.005で予備延伸を行った。第二ローラ2
は、内部に冷却用の流体が循環し、冷却用の流体を循環
する循環タンク、表面温度を検知する検出端及び循環し
ている流体を一定温度に冷却する冷却装置を備え、一定
温度(25℃)になるように調整がされている。第二ロ
ーラ2で数回巻かれたのち、糸条は、熱処理ローラであ
る第三ローラ3(200℃)に巻き取られ、このローラ
間で延伸が行われる。この時、高温加熱流体を糸条に吹
き付ける延伸点固定装置6で、460℃の高圧蒸気を吹
き付けて、延伸倍率5.6倍で延伸を行った。続いて、
第三ローラ3と表面温度が210℃の第四ローラ4で弛
緩熱処理を行い、速度3500m/分の非加熱の第5ロ
ーラ5に巻き回したのち、4糸条を一つの巻取機7で巻
き取り、500d/48fの糸条を得た。
度)を表1のように種々変更した以外は、実施例1と同
様に行った。
ない通常のローラとした以外は実施例1と同様に行っ
た。
定装置に導入される前の糸条の温度、第二ローラ付近の
雰囲気温度、得られた糸条を整経した時の単糸切れ数、
毛羽数、糸切れ回数を評価した結果を表1に示す。
おいては、延伸点固定装置に導入される前の糸条の温度
を35℃以下にしたため、延伸点が一点に固定され、延
伸斑なく均一に延伸されたので、得られた糸条は内在す
る単糸切れ、毛羽が極少量であり、整経時には糸切れの
発生もなく、品位、生産性にも優れていた。一方、比較
例1〜4では第二ローラの温度が高く、延伸点固定装置
に導入される前の糸条の温度が35℃を超えていたた
め、延伸点が一点に固定されず、延伸斑が生じ、得られ
た糸条は内在する単糸切れ、毛羽が多く、糸切れの発生
も多かった。この傾向は、第二ローラの表面温度が高く
なるにほど強くなり、表面温度がガラス転移点温度に近
い70℃になると、整経時に単糸切れ、毛羽が多発し、
生産が不可能なほど糸切れが多発した。
延伸を行うに際し、操業性もよく、延伸点を一点に固定
して延伸斑なく均一に延伸を行うことができるので、内
在する単糸切れや毛羽などの発生がなく、品質に優れた
製品を得ることが可能となる。
延伸方法の延伸、熱処理、巻き取り工程の一実施態様を
示す一部概略工程図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 高温加熱流体を糸条に吹き付けて、糸条
温度をガラス転移点温度以上に加熱しながら延伸を行う
延伸点固定装置をローラ間(供給ローラと延伸ローラ
間)に設置し、紡糸に引き続いて延伸を行うに際し、供
給ローラから延伸点固定装置に導入するまでの糸条の温
度を35℃以下とすることを特徴とする産業資材用ポリ
エステル糸の紡糸直接延伸方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06836499A JP4166898B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 産業資材用ポリエステル糸の紡糸直接延伸方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06836499A JP4166898B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 産業資材用ポリエステル糸の紡糸直接延伸方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000265323A true JP2000265323A (ja) | 2000-09-26 |
JP4166898B2 JP4166898B2 (ja) | 2008-10-15 |
Family
ID=13371668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06836499A Expired - Fee Related JP4166898B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 産業資材用ポリエステル糸の紡糸直接延伸方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4166898B2 (ja) |
-
1999
- 1999-03-15 JP JP06836499A patent/JP4166898B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP4166898B2 (ja) | 2008-10-15 |
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