JP2000264981A - ポリプロピレン系シート - Google Patents
ポリプロピレン系シートInfo
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
く、しかも連続成形において、成形部と金型部とがずれ
る現象(いわゆるピッチずれ)が著しく改良されたポリ
プロピレン系シートを提供することである。 【解決手段】 示差走査熱量計によって測定された融点
の差が3〜40℃である2種以上のポリプロピレンに平
均アスペクト比が2〜1000である、針状、繊維状、
あるいは板状フィラーをすくなくとも1種類、配合して
なるポリプロピレン系シート。
Description
般のシーティング方法で成形可能なポリプロピレン系シ
ートに関する。詳しくは、防湿性が要求されるPTPと
称する医薬品(固形剤)包装用ポリプロピレン系シートに
関する。
得るためポリプロピレン系シートが使用されている。し
かしながら、ポリプロピレンは熱成形性が極めて悪いと
いう工業上大きな問題がある。すなわち、ポリプロピレ
ンは熱成形における予熱の際、熱によるドローダウンが
大きく、良好な成形品を得ることのできる最適な成形温
度幅が2〜3℃程度であり非常に狭い。このため、ポリ
プロピレンの熱成形にあたっては、非常に高度な温度制
御が必要であり、従来の汎用成形機では成形不良率が高
く工程管理は極めて困難である。また、ポリプロピレン
は熱成形後の冷却過程において収縮するため、連続成形
において、成形部と金型部とがずれる(いわゆるピッチ
ずれ)などの問題もある。このピッチずれは、特に、一
旦成形を中止した後、成形を再開する場合に多発するこ
とが知られており、ポリプロピレン系シートを成形加工
する場合の大きな欠点の一つとなっている。
の検討はこれまで種々なされており、例えば、ポリプロ
ピレンに比較的成形性の良好なポリエチレンやエチレン
−プロピレン共重合体、無機フィラーあるいは低分子量
の石油樹脂をブレンドして改質することについての提案
がある。例えば、溶融時に高粘度のポリプロピレンに、
高粘度のポリエチレン(低密度ポリエチレン)及び含水ケ
イ酸マグネシウム粉末を添加する方法(特公昭56−1
5744号公報)、ポリプロピレンに、ポリエチレン(高
密度ポリエチレン)及びエチレン−プロピレン共重合体
を添加する方法(特公昭63−29704号公報)、ポリ
プロピレンと分子量分布の狭いポリエチレンを使用し、
成形加工性・耐振動疲労性を改良する方法(特公昭63
−53213号公報)、ポリプロピレンに石油樹脂及び
エチレン−α−オレフィン共重合体を添加する方法(特
公平6−89191号公報)などが知られている。しか
しながら、これらは各々特定の温度条件におけるシート
軟化緊張保持時間、溶融体強度、絞り加工性、ドローダ
ウン等の成形加工性の改善に対しては効果が認められる
ものの成形性改良の実質的な指標である成形可能温度幅
の拡大についてはほとんど効果がなく、現実的な成形性
の改善について未だ満足できるポリプロピレン系シート
は得られていなかった。
ロピレンの収縮を改良する方法については、特定の結晶
化時間及び立体規則性を有するポリプロピレンに石油樹
脂等を添加する方法(特開平7−157573号公報)
が知られている。しかし、この方法でも、フィルムをロ
ール状に巻いたときの巻き締まりによる平面性の悪化に
対しては改善効果があるものの、連続成形時の加工安定
性にはほとんど効果がなく、ピッチずれの改善について
未だ満足できるポリプロピレン系シートは得られていな
かった。
な温度幅が広く、しかも連続成形において、成形部と金
型部とがずれる現象(いわゆるピッチずれ)が著しく改
良されたポリプロピレン系シートを提供することを目的
とする。
について研究を行った結果、特定のポリプロピレンに針
状、繊維状あるいは板状フィラーを少なくとも1種類を
配合してなるポリプロピレン樹脂シートが、熱成形可能
な温度幅が広く、かつ連続成形において、成形部と金型
部とがずれる現象(いわゆるピッチずれ)が著しく改良
されることを見いだし本発明を完成させるに至った。す
なわち、本発明は、示差走査熱量計によって測定された
融点の差が3〜40℃である2種以上のポリプロピレン
に針状、繊維状あるいは板状フィラーのうち、少なくと
も1種類を配合してなるポリプロピレン系シートであ
る。
ンの種類としてはプロピレンを単独重合したホモポリマ
ー、プロピレンとエチレンやα−オレフィンとのブロッ
クコポリマー、ランダムコポリマーなどの公知のポリプ
ロピレンが挙げられる。本発明における2種以上のポリ
プロピレンは示差走査熱量計によって測定された融点
(JIS−K−7121)の差においてが3〜40℃、
さらに好ましくは5〜35℃であることが好ましい。こ
こに示す融点差とは、2種類以上のポリプロピレンのう
ち最も融点が高いものと、最も融点が低いものの差であ
る。ポリプロピレンの融点差が3℃より小さい場合、得
られたシートの真空、圧空成形性が悪くなり好ましくな
い。ポリプロピレンの融点差が40℃以上の場合、シー
トの外観が悪くなる。
み合わせるポリプロピレンにおいて最も融点が高いポリ
プロピレンの融点は150℃以上であるのが好ましく、
155℃以上であるのがさらに好ましい。最も融点が高
いポリプロピレンの融点が150℃より小さいとシート
の耐熱性が悪くなる。また、組み合わせるポリプロピレ
ンにおいて最も融点が高いポリプロピレンの含量は95
〜50重量%であるのが好ましく、85〜60重量%で
あるのがさらに好ましい。最も融点が高いポリプロピレ
ンの含量が95重量%より大きいと、真空、圧空成形性
が悪くなり、50重量%より小さいとシートの耐熱性が
悪くなる。組み合わせるポリプロピレンの種類に特に制
限はないが、シートに水蒸気バリア性が要求される場
合、ホモポリマーとランダムコポリマーまたはブロック
コポリマーの組み合わせが好ましく、より好ましくはホ
モポリマー同士の組み合わせである。
ロピレン系シートを作成する場合、使用するポリプロピ
レンは、分子量1万以下の低分子量成分が全体の5重量
%以下であるのが好まく、さらに好ましくは3重量%以
下、最も好ましくは1重量%以下である。分子量1万以
下の低分子量成分が5重量%より多いと、カレンダー加
工時に熱ロールへの粘着が起こり、得られるシートの平
滑性、外観が悪くなる。低分子量成分の割合はゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーによって測定した微分
分子量分布曲線から求めることができる。
状、針状、板状フィラーが挙げられる。例えば、繊維状
フィラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維など、針状フ
ィラーとしてはウォラストナイト、チタン酸カリウムな
ど、さらに板状フィラーとしてはタルク、マイカ、ガラ
スフレークなどが挙げられる。フィラーは平均アスペク
ト比(繊維、針状フィラーの場合は繊維長/繊維径、板
状フィラーの場合は粒子径/厚み)が2〜1000のも
のであり、さらに5〜100がより好ましい。フィラー
の平均アスペクト比が2を下回ると熱成形後の冷却過程
におけるピッチずれを改良する効果が小さくなり、10
00を上回ると配向の影響が大きく、機械特性等の異方
性が大きくなり好ましくない。
ーの場合は繊維長、板状フィラーの場合は平均粒子径)
は、0.1〜30μmであるのが好ましく、さらに0.
2〜20μmであるものがより好ましい。フィラーの大
きさが0.1μmを下回ると熱成形後の冷却過程におけ
るピッチずれを改良する効果が小さくなり、30μmを
上回ると透明性等の他の特性が低下する。フィラーの添
加量としては、当該ポリプロピレン100重量部に対し
て、0.1重量部から20重量部が好ましく、さらに
0.5〜10重量部がより好ましく、最も好ましくは1
〜5重量部である。フィラーの添加量が0.1重量部を
下回るとピッチずれを改良する効果が小さく、20重量
部を上回るとシートが白化、成形温度幅が低下するなど
の問題が生じる。
る。実施例、比較例は下記に示す方法で評価を行った。 (融点の測定)JIS−K−7121に従い、示差走査
型熱量計で融点を測定した。 (真空、圧空成形性)圧空方式成形機[FBP−M2;
シーケーディ(株)製]を用いて一定圧力(5kgf/cm2)
で、熱板温度を120〜160℃の間において1℃単位
で上昇させ、得られたシートの成形性を評価した。成形
型は直径10mm、高さ4.5mm、R1.5とした。
得られた成形品の全体厚みが均一である温度を成形可能
温度とし、その温度幅を求めた。 (ピッチずれの評価)圧空方式成形機[FBP−M2;
シーケーディ(株)製]を用いて一定圧力(5kgf/cm2)
で成形時にポリプロピレン系シートが収縮してピッチず
れを生じるものを×、ピッチずれしないものを○とし
た。
ン、フィラーを示す。 PP−A(ホモPP) ;日本ポリケム(株)製 EA7A (融点:164℃) PP−B(ホモPP) ;日本ポリオレフィン(株)製 PC410A (融点:158℃) PP−C(ランダムPP);日本ポリオレフィン(株)製 PB322M (融点:149℃) 針状フィラー ;巴工業(株)製 HN−3 (ウォラストナイト、繊維長20μm、アスペクト 比14.3) 板状フィラー ;コープケミカル(株)製 MK−100 (マイカ、平均粒径3μm、アスペクト比25) 粒状フィラー ;株式会社ニッチツ NA2200 (炭酸カルシウム、平均粒子径0.93、球状) 実施例、比較例について、以下の方法でシートを作製し
た。示差走査熱量計によって測定された融点の差が3〜
40℃である2種以上のポリプロピレンとフィラーとを
シリンダー温度230℃に設定した50mm二軸押出機
にて溶融混練後、Tダイ法で厚さ0.3mmのシートを
作製した。
広く、しかも連続成形において、成形部と金型部とがず
れる現象(いわゆるピッチずれ)が著しく改良されたポ
リプロピレン系シートを提供できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 示差走査熱量計によって測定された融点
の差が3〜40℃である2種以上のポリプロピレンに針
状、繊維状あるいは板状フィラーのうち、少なくとも1
種類を配合してなるポリプロピレン系シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07122299A JP4076661B2 (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | ポリプロピレン系シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07122299A JP4076661B2 (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | ポリプロピレン系シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000264981A true JP2000264981A (ja) | 2000-09-26 |
JP4076661B2 JP4076661B2 (ja) | 2008-04-16 |
Family
ID=13454447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07122299A Expired - Fee Related JP4076661B2 (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | ポリプロピレン系シート |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4076661B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006052292A (ja) * | 2004-08-11 | 2006-02-23 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 板状フィラーを含む樹脂組成物及びフィルム |
-
1999
- 1999-03-17 JP JP07122299A patent/JP4076661B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006052292A (ja) * | 2004-08-11 | 2006-02-23 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 板状フィラーを含む樹脂組成物及びフィルム |
JP4614710B2 (ja) * | 2004-08-11 | 2011-01-19 | 三菱樹脂株式会社 | 板状フィラーを含む樹脂組成物及びフィルム |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP4076661B2 (ja) | 2008-04-16 |
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