JP2000264482A - 用紙搬送ローラの製造方法及び用紙搬送ローラ - Google Patents
用紙搬送ローラの製造方法及び用紙搬送ローラInfo
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Abstract
を、安定して製造することのできる製造方法を提供す
る。 【解決手段】 電界流動粉体静電装置4に、ビスフェノ
ールAのグリシジルエーテル型固形エポキシ樹脂粉末及
びカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を主成分とする
粉体塗料100重量部と、平均粒径40μmのアルミナ
粉末からなる突起形成用粉末50重量部との混合粉末5
を投入し、空気を吹き出させることのできる吹き出し管
441及び442から送風することにより、この混合粉
末を流動させる。その後、配設されたステンレス鋼製の
芯材11に、帯電針45により帯電させられた混合粉末
が、吹き出し管443から送風されることにより吹き付
けられ付着する。
Description
その製造方法に関する。更に詳しくは、突起形成用粉末
からなる突起を、その表面に備える用紙搬送ローラ及び
その製造方法に関する。本発明の方法により製造される
用紙搬送ローラは、各種の用紙を効率よく、安定して搬
送することができ、プリンタ、ファクシミリ等の用紙搬
送において利用することができる。
用紙搬送ローラ(以下、単に「ローラ」ということもあ
る。)として、用紙と接触するローラの表面層に各種の
機能をもたせることにより、より優れた性能を有するロ
ーラが開発されている。それらのうちでも、芯材の表面
に設けられた樹脂層等によってセラミック等からなる粉
末を固定することにより、表面に微細な多数の突起が形
成された層を有するローラは、多くの優れた特性を併せ
有している。
ラは、例えば、特開平7−53084号公報及び特開平
10−120234号公報等に記載されている。特開平
7−53084号公報に記載のローラは、芯材の表面に
形成されたゴム等からなる被覆層に変性シリコンを塗布
し、その後、この被覆層の表面にセラミック粒子等から
なる粉末を固定させるものである。しかし、セラミック
粒子を埋め込むための変性シリコンの塗布を2回行い、
更に、余剰に付着させたセラミック粒子及び余剰に塗布
した変性シリコンを取り除く工程を要する。このため、
製造方法が煩雑であること、及び工程数が多いことにお
いて、必ずしも優れた製造方法ではない場合がある。
おいては、セラミック粒子等からなる粉末を混入させた
塗料を高剛性ローラの表面に直接噴霧した後、乾燥させ
るものであり、塗料には溶剤乾燥型塗料を使用するもの
である。この溶剤乾燥型塗料を用いて用紙搬送ローラを
製造する場合、溶剤乾燥型塗料に突起を形成するための
粉末を混合し、スプレーガン等によりローラの芯材等に
吹き付け塗布する方法、及び、溶剤乾燥型塗料をローラ
の芯材等に吹き付け塗布した後、硬化させる前に、又は
溶融させた後、固化させる(以下、単に溶融固化とい
う。)前に、突起を形成するための粉末を付着させる方
法の2つの方法が採用されることが多い。前者では、溶
剤乾燥型塗料に混合した突起を形成するための粉末が、
スプレーガンのノズル及びタンク等において沈殿するこ
とがある。また、後者では、硬化又は溶融固化させる前
の塗膜に多量の突起を形成するための粉末を付着させた
場合、硬化又は溶融固化前の塗膜表面でこの粉末が流動
し、偏在することがある。前者及び後者のいずれの方法
においても、硬化又は溶融固化前の塗膜表面で突起を形
成するための粉末を均一に分散させることができないこ
とがある。
ローラを製造する場合、溶剤等の揮発により塗膜が形成
されるため、溶剤が揮発するに従い塗膜厚が薄くなり、
突起形成用粉末は塗膜外へ大きく突出し、脱落し易くな
ることがある。また、突起形成用粉末として、繊維状等
の細長い粒子からなる粉末を使用し、これら粒子を塗膜
上に均一に立設させることは困難である。このように、
突起を有する樹脂層を備えるローラの特性を十分に引き
出すことができる製造方法として十分なものではない場
合がある。尚、特開平7−171485号公報、特開平
7−171485号公報、特開平7−171485号公
報、特開平7−171485号公報等には静電気を利用
して粉末又は塗料等を被塗物に付着させる方法が開示さ
れているが、いずれも用紙搬送ローラの製造に直接転用
することができるものではない。
決するものであり、突起形成用粉末を均一に分散させ、
ローラ表面の樹脂層にその一部を突出させ、他部を埋入
させて付着させることができ、且つこの突起形成用粉末
が脱落することのない用紙搬送ローラ及びその製造方法
を提供することを目的とする。また、本発明のローラは
簡便な方法により製造することができ、突起を有する層
の層厚を高精度に制御することができる。特に、層厚の
ばらつきを一定値以下に、より高い精度で抑えることが
でき、ローラの芯出し精度の向上も図ることができるも
のである。また、繊維状の粉末をローラの表面に均一に
立設させることもできる用紙搬送ローラの製造方法を提
供することを目的とする。
ーラの製造方法は、芯材の周面に、粉体塗料及び突起形
成用粉末を静電力により付着させ、その後、上記粉体塗
料に含まれる樹脂を硬化させ、又は溶融させた後、固化
させて樹脂層を形成させるとともに、少なくとも一部の
上記突起形成用粉末の一部を上記樹脂層の外表面から突
出させ、他部を上記樹脂層に埋入させることを特徴とす
る。
は、流動槽に粉体塗料及び突起形成用粉末を投入し、該
粉体塗料及び該突起形成用粉末からなる流動相を形成
し、その後、該流動相に芯材を浸漬し、該芯材の周面に
該粉体塗料及び突起形成用粉末を静電力により付着さ
せ、次いで、該粉体塗料を硬化又は溶融させた後、固化
させて樹脂層を形成させるとともに、少なくとも一部の
該突起形成用粉末の一部を該樹脂層の外表面から突出さ
せ、他部を該樹脂層に埋入させることを特徴とする。
うな搬送装置の一部に使用することで用紙3を搬送する
ことができる。この搬送装置は、突起を有する層を備え
る用紙搬送ローラ1と、突起を有する層を備えない駆動
ローラ2とで、用紙3を挟持し、各ローラを回転させる
ことにより用紙を搬送するものである。用紙搬送ローラ
1は、芯材11の表面に、粉体塗料を硬化又は溶融固化
させることにより形成された樹脂層12により固定され
た突起形成用粉末13を備える(以下、芯材の外表面か
らこの樹脂層12を含み、突起形成用粉末13からなる
突起の頂部までを、単に突起層という。)。このため効
率よく、安定して用紙を搬送することができる。また、
この用紙とは、普通紙、再生紙、樹脂含浸紙、熱転写
紙、コート紙、光沢紙、紙幣等の紙類に限定されるもの
でなく、例えば、OHP(オーバーヘッドプロジェク
タ)用シート、光沢フィルム、ラミネート用フィルム等
の非紙類であるシート或いはフィルムを含むものとす
る。
ものではないが、十分な強度を有し、芯材の表面の全面
を粉体塗装が施せる程度に帯電させることのできるもの
であればよい。従って、この芯材の少なくとも表面が導
電体であることが好ましい。少なくとも表面が導電体で
ある芯材としては、快削鋼等の鉄鋼材料にめっきを施し
たもの、アルミニウム合金、ステンレス鋼、めっき加工
を施した樹脂、その他導電性を付加した樹脂等を挙げる
ことができる。また、この芯材は複数の層から形成され
るものであってもよく、例えば、めっきを施し易いよう
に、プライマ層を備えること、及び、弾性を持たせるた
めに樹脂等からなる弾性層を備えることができる。
付着させることのできるものであればよい。更に、加熱
することにより硬化させることのできる、又は、加熱に
より溶融させ、常温において再び固化させることのでき
るものであればよい。これにより上記「樹脂層」を形成
することができ、突起形成用粉末を十分に固定すること
ができる。また、この粉体塗料の粒径は5〜250μm
(より好ましくは20〜50μm、更には30〜50μ
m)とすることが好ましい。この粒径が5μm未満であ
ると突起形成用粉末を十分に保持することができないこ
とがあり、250μmを超えると突起形成用粉末を十分
に樹脂層表面から露出させることができないことがあ
る。
硬化性樹脂、粉末状の熱可塑性樹脂等を主成分とするも
のを挙げることができる。この熱硬化性樹脂としてはエ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン
樹脂及びシリコーン樹脂等を使用することができ、特
に、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂、アクリル樹脂等を使用することが好ましい。ま
た、熱可塑性樹脂としては飽和ポリエステル樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹
脂及びメタクリル樹脂等を挙げることができ、特に、飽
和ポリエステル樹脂等を使用することが好ましい。これ
らの熱可塑性樹脂及び熱可塑性樹脂は各々単独で用いて
も、また、2種以上を混合して用いてもよく、また、こ
れらの樹脂同士を混合して用いてもよい。
と、硬化剤であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂
粉末を主成分とすることが好ましい。このエポキシ樹脂
粉末としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂を使
用することが好ましい。この粉体塗料は樹脂層の層厚を
均一にし易く、また、突起形成用粉末を強固に保持する
ことができる。
により付着させることのできるものであればよい。ま
た、この突起形成用粉末は、搬送する用紙の種類等によ
って選択することが好ましい。例えば、搬送により突起
層の突起を摩耗させ易い用紙を搬送する場合は、セラミ
ック粒子等の硬度が高く、耐摩耗性に優れた粒子からな
る突起形成用粉末を使用することが好ましい。このよう
な粉末としては、アルミナ粉末及び炭化珪素粉末等を挙
げることができる。これらは単独で用いても、また、2
種以上を混合して用いてもよい。
うに無機粒子からなる場合、その平均粒径は5〜250
μm(より好ましくは10〜120μm、更に好ましく
は30〜50μm)とすることが好ましい。平均粒径が
5μm未満であると、樹脂層表面に十分に突起形成用粉
末を突出させることができず、用紙を搬送するために必
要な摩擦を十分に確保することができないことがある。
この平均粒径が250μmを超えると、樹脂層によって
突起形成用粉末を十分に保持することができなくなるこ
とがあり、突起形成用粉末が脱落することがある。この
突形成用粉末の大きさは、搬送する用紙の性状に合わせ
て選択することが好ましいが、通常、アルミナ等のセラ
ミック粉末は、15〜80μmとすることが好ましく、
非晶質シリカ粉末及び/又はニッケル粉末は、30〜1
10μmとすることが好ましい。
うに短繊維からなる場合、その繊度は0.1〜100デ
ニール(より好ましくは1.0〜50デニール、更には
10〜30デニール)とすることが好ましく、長さは5
0〜1200μm(より好ましくは300〜900μ
m、更には450〜750μm)とすることが好まし
い。この短繊維としてはナイロン繊維等を使用すること
ができる。
に、粉体塗料を100重量部(以下、単に部という。)
とした場合に、5〜250部(より好ましくは10〜2
00部、更に好ましくは50〜150部)とすることが
好ましい。突起形成用粉末が5部未満であると、突起層
に形成される突起の数が少ないために、用紙を搬送する
ために十分な摩擦を確保することができない場合があ
る。また、250部を超えると粉体塗料で十分に保持す
ることができる突起形成用粉末の上限量を超えることが
あり、突起形成用粉末の脱落を十分に防止することがで
きない場合がある。このようにして形成することのでき
る突起層の層厚は10〜500μmとすることができる
が、通常、15〜120μmとすることが好ましい。
下、単に混合粉末ということもある。)は、上記「静電
力」により芯材に付着させる。この静電力は、混合粉末
及び芯材を帯電させ、各々の電圧の差により生じさせる
ことができる。通常、芯材をアースし、混合粉末を高電
圧を印加したスプレーノズルを通過させて、帯電させ吹
き付けることにより芯材に混合粉末を塗着させることが
できる。混合粉末の誘電率が高い場合は混合粉末がスプ
レーノズルを通過する際の摩擦のみにより帯電させるこ
とができる場合もある。
起形成用粉末からなる流動相に芯材を浸漬することによ
り混合粉末を塗着させる場合は、例えば、図2に示すよ
うに、帯電針45を設置し、この帯電針付近を通過する
こと、又は帯電針に接触することにより混合粉末を帯電
させることができる。この帯電針と同様に、混合粉末が
通過することのできる多孔性の帯電板によっても帯電さ
せることができ、同様に混合粉末がこの帯電板の孔を通
過すること、又は帯電板に接触すること等により帯電さ
せることができる。
であり、大きさ、材質等は特に限定されない。上記「流
動相」とは、混合粉末が均一に分散し、流動している状
態を表す。このような流動相は、流動槽内の気体を流動
させ、これに伴い混合粉末を流動させることにより形成
することができる。通常、流動槽の下方から送風し、混
合粉末を風力により浮上させ、混合粉末の落下しようと
する力と送風による浮力が釣り合うことにより流動槽内
で、流動相を形成させることができる。具体的には、例
えば、図2に示すような電界流動粉体静電装置4を使用
することができる。この装置では、装置下部の粉末投入
部42に混合粉末5を投入し、送風機46から空気を導
入し、第1吹き出し管441及び第2吹き出し管442
からその空気を流動槽の頂部に向かって吹き出させるこ
とにより、流動槽内で粉末を流動させることができる。
このように、流動槽内の雰囲気を流動させることで、各
々比重の異なる粉末を含む混合粉末であっても、均一に
分散された状態で流動相を生じさせることができる。
6発明のように、各粉末の単位体積あたりの重量をかさ
密度として表した場合、粉体塗料のかさ密度に対する突
起形成用粉末のかさ密度の比率を0.9〜1.1(より
好ましくは0.95〜1.05、更には1)とすること
が好ましい。この比率が0.9未満又は1.1を超える
場合は、十分に均一な流動相が形成され難くなることが
ある。また、このかさ密度は10〜100g/cm
3(より好ましくは15〜80g/cm3、更には、20
〜50g/cm3)とすることが好ましい。このかさ密
度が10g/cm3未満であると十分な層厚の突起層を
形成することができないことがある。また、かさ密度は
100g/cm3を超えてもよいが、混合粉末を多量に
投入した場合であっても、効果に変化は認められ難い。
く、例えば、粒子は通過させず、空気は通過させること
のできる膜等により粉末投入部42の底部を形成し、こ
の粉末投入部の直下から空気を吹き出させることによ
り、粉末を流動槽内で流動させることもできる。また、
第1吹き出し管441及び第2吹き出し管442を配設
する位置も、粉末を均一に分散させ、流動させることが
できる位置であれば、どのような位置であってもよい。
面に、突起形成用粉末により形成された突起を有する樹
脂層を備える用紙搬送ローラにおいて、該芯材の表面か
ら該突起を有する樹脂層の表面までの最大長と最小長の
差が7μm以下であることを特徴とする。
「樹脂層」は第1発明におけると同様である。上記「芯
材の表面から突起を有する樹脂層の表面まで」の長さは
第1発明における突起層の層厚を表す。本発明の製造方
法によると、この突起層の層厚の最大長と最小長の差は
7μm以下(更には6〜0.5μm、特に4〜1μm)
とすることができる。
材の周面に、突起形成用粉末により形成された突起を有
する樹脂層を備える用紙搬送ローラにおいて、該芯材の
長さ方向の中心線から該突起を有する樹脂層の表面まで
の最大長と最小長の差が8μm以下であることを特徴と
する用紙搬送ローラ。
「樹脂層」は第1発明におけると同様である。上記「芯
材の長さ方向の中心線」とは、例えば、円柱状の芯材を
使用する場合、その断面である円の中心を結んだ線を中
心線というものとする。従って、円柱状の芯材を使用す
る場合は、芯材の長さ方向の中心線から該突起を有する
樹脂層の表面までの長さは、芯材の半径と突起層の層厚
を足した長さとなる。この長さのばらつきが大きいほど
芯材の中心は偏在することとなり、用紙を搬送する際
に、用紙は斜行し易くなる。本発明の製造方法による
と、この長さの最大長と最小長の差を8μm以下(更に
は7〜0.5μm、特に5〜1μm)とすることができ
る。
形成用粉末を静電力により塗着させるために、極めて高
い精度で突起層の層厚を均一に保つことができる。従っ
て、ローラの芯出し精度が大きく向上し、搬送時の用紙
の斜行を防止することができ、従来行っていた用紙の搬
送の精度を向上させるための操作及び装置の設置等を行
わなくてよい。また、流動槽に浸漬して製造する場合
は、塗着しなかった混合粉末を回収し、再び流動させる
ことができるため無駄なく使用することができる。更
に、前記のような、従来の製造方法では製造することが
困難であった、例えば、樹脂層に繊維状の粉末が均一に
立設するようなローラ、及び、突起層の層厚をミクロン
オーダーで制御することができるローラ等、各種の優れ
た特性を有するローラを製造することができる。特に、
これら各種のローラは同一の装置、同一の方法により製
造することができ、例えば、突起形成用粉末の種類等に
より装置等を変更する必要はない。
的に説明する。 実施例1 (1)電界流動粉体静電装置の概要 図2は実施例において使用した電界流動粉体静電装置で
ある。この電界流動粉体静電装置4では、粉体塗料及び
突起形成用粉末の混合粉末5を粉末投入部42に投入す
る。この粉末投入部は粉末揺動モータ43により揺動さ
せることができ、投入された混合粉末を均一に分散され
た状態に保つことができる。また、送風機46から空気
を供給し、第1吹き出し管441、第2吹き出し管44
2及び芯材側吹き出し管443から吹き出させることが
できる。この空気は、第1吹き出し管及び第2吹き出し
管から流動層頂部に向かって吹き出し、混合粉末を流動
槽内に流動させることができる。この流動させられた混
合粉末は、帯電針45付近を通過及び/又は接触する時
に帯電され、芯材側吹き出し管443から芯材11に向
かって吹き出す空気により、芯材に静電力により付着さ
せることができる。尚、芯材は、回転用モータ47によ
り回転させることができ、芯材の周面に均一に吹き付け
ることができる。また、流動槽に供給された空気は流動
槽上部から集粉機48により、混合粉末と共に吸引さ
れ、フィルターにより混合粉末のみが、流動槽外側部よ
り再び粉末投入部に投入され、再利用される。
を、芯材側吹き出し管からの距離を15cmとなるよう
に流動槽内に配設した。更に、装置底部に設けられた粉
末投入部に、粉体塗料100部及び突起形成用粉末50
部を投入した。この粉体塗料は、ビスフェノールAのグ
リシジルエーテル型固形エポキシ樹脂からなる粉末10
0部と、硬化剤であるカルボキシル基含有ポリエステル
樹脂粉末100部との混合物である。突起形成用粉末に
は平均粒径が40μmのアルミナ粉末を使用した。この
アルミナ粉末は粉体塗料100部に対して50部とし
た。
す電界流動粉体静電装置を稼動させ、第1吹き出し管か
らは、空気を毎秒1.4m3の速度で吹き出させ、第2
吹き出し管からは、空気を毎秒1.4m3の速度で吹き
出させ、芯材側吹き出し管からは、空気を毎秒0.6m
3の速度で吹き出させた。また、帯電針には、30kV
の電圧を印加した。また、芯材は毎分1回転の速度で回
転用モータにより回転させた。このようにして、5秒
間、混合粉末を芯材に静電力により付着させた。
材を取り出し、重量を測定したところ、混合粉末は合計
0.8g付着していた。次いで、この混合粉末が付着し
た芯材を、温度120℃において20分間加熱し、ロー
ラを作製した。
クロメータ(株式会社ミツトヨ製レーザスキャン・マイ
クロメータ、形式「LSM−3100」)により、その
レーザ走査線の波長をJIS規格クラス2に準拠する6
70nmとして行った。また突起層の形成される前の芯
材と、突起層の形成された後のローラの両方を測定し、
その測定値の差から層厚を算出した。受光素子の画素は
芯材及びローラの長さ方向に走査させた。更に芯材及び
ローラの各々の8箇所で同様に測定を行いこの平均値か
ら平均層厚を算出した。その結果このローラの突起層の
平均層厚は30μmであった。
例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の
範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即
ち、実施例で使用した電界流動粉体静電装置は、芯材に
付着させる粉末の量により、稼動時間を調節することが
できる。また、粉体塗料の種類等により、突起層を形成
させるための加熱時間等も調節することができる。
ると、その表面に突起形成用粉末からなる突起を有する
突起層を備え、安定して用紙を搬送することのできる用
紙搬送ローラを得ることができる。また、突起形成用粉
末の種類及び大きさ等を適宜選択することにより、各種
の用紙に各々適する用紙搬送ローラを得ることができ
る。更に、用紙搬送ローラの表面に突起形成用粉末を均
一に分散させることにより、突起層の層厚を微細な精度
で制御することができ、搬送の精度を大きく向上させる
ことができる。また、繊維状等の粉末を樹脂層の表面に
均一に立設させた用紙搬送ローラを得ることもできる。
を示す説明図である。
る装置の模式的に示す断面図である。
3;突起形成用粉末、2;駆動ローラ、3;用紙、4;
電界流動粉体静電装置、41;流動槽、42;粉末投入
部、43;粉末揺動モータ、441;第1吹き出し管、
442;第2吹き出し管、443;芯材側吹き出し管、
45;帯電針、46;送風機、47;回転用モータ、4
8;集粉機、5;混合粉末。
Claims (8)
- 【請求項1】 芯材の周面に、粉体塗料及び突起形成用
粉末を静電力により付着させ、その後、上記粉体塗料に
含まれる樹脂を硬化させ、又は溶融させた後、固化させ
て樹脂層を形成させるとともに、少なくとも一部の上記
突起形成用粉末の一部を上記樹脂層の外表面から突出さ
せ、他部を上記樹脂層に埋入させることを特徴とする用
紙搬送ローラの製造方法。 - 【請求項2】 流動槽に粉体塗料及び突起形成用粉末を
投入し、該粉体塗料及び該突起形成用粉末からなる流動
相を形成し、その後、該流動相に芯材を浸漬し、該芯材
の周面に該粉体塗料及び突起形成用粉末を静電力により
付着させ、次いで、該粉体塗料を硬化又は溶融させた
後、固化させて樹脂層を形成させるとともに、少なくと
も一部の該突起形成用粉末の一部を該樹脂層の外表面か
ら突出させ、他部を該樹脂層に埋入させることを特徴と
する用紙搬送ローラの製造方法。 - 【請求項3】 上記突起形成用粉末は無機粒子からな
り、該無機粒子の平均粒径は5〜250μmである請求
項1又は2記載の用紙搬送ローラの製造方法。 - 【請求項4】 上記突起形成用粉末は短繊維からなり、
該短繊維は繊度0.1〜100デニールであり、長さが
50〜1200μmである請求項1又は2記載の用紙搬
送ローラの製造方法。 - 【請求項5】 上記粉体塗料を100重量部とした場合
に、上記突起形成用粉末は5〜250重量部である請求
項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の用紙搬送ロー
ラの製造方法。 - 【請求項6】 上記流動槽に投入する上記粉体塗料のか
さ密度に対する上記突起形成用粉末のかさ密度の比率は
0.9〜1.1であり、該かさ密度は10〜100g/
cm3である請求項2記載の用紙搬送ローラの製造方
法。 - 【請求項7】 芯材の周面に、突起形成用粉末により形
成された突起を有する樹脂層を備える用紙搬送ローラに
おいて、該芯材の表面から該突起を有する樹脂層の表面
までの最大長と最小長の差が7μm以下であることを特
徴とする用紙搬送ローラ。 - 【請求項8】 芯材の周面に、突起形成用粉末により形
成された突起を有する樹脂層を備える用紙搬送ローラに
おいて、該芯材の長さ方向の中心線から該突起を有する
樹脂層の表面までの最大長と最小長の差が8μm以下で
あることを特徴とする用紙搬送ローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7219999A JP2000264482A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 用紙搬送ローラの製造方法及び用紙搬送ローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7219999A JP2000264482A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 用紙搬送ローラの製造方法及び用紙搬送ローラ |
Publications (1)
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-
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