JP2004315192A - 搬送ローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂製ローラ本体の外面の摩擦力が十分にあり、また、更なる軽量化を実現でき、しかも製造が容易な搬送ローラを提供する。
【解決手段】シャフト11の外周面に環状の導電性樹脂製ローラ本体21を有し、前記ローラ本体21の外面に、塗装により突起形成用粉体を付着させることにより形成された凹凸22を有する。前記ローラ本体21は、射出成形可能なエンジニアリングプラスチックからなるものが好ましい。さらに、前記ローラ本体21は、160℃以上で10〜30分間の耐熱性を有するものが好ましく、前記シャフト11は、金属製、あるいは樹脂製とされる。また、さらに粉体塗装により凹凸を形成するものは、体積抵抗率が106Ωcm以下とし、導電性フィラーが添加されたものが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】シャフト11の外周面に環状の導電性樹脂製ローラ本体21を有し、前記ローラ本体21の外面に、塗装により突起形成用粉体を付着させることにより形成された凹凸22を有する。前記ローラ本体21は、射出成形可能なエンジニアリングプラスチックからなるものが好ましい。さらに、前記ローラ本体21は、160℃以上で10〜30分間の耐熱性を有するものが好ましく、前記シャフト11は、金属製、あるいは樹脂製とされる。また、さらに粉体塗装により凹凸を形成するものは、体積抵抗率が106Ωcm以下とし、導電性フィラーが添加されたものが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、紙やフィルムなどの被転写媒体を搬送するための搬送ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザープリンタや複写機などには、紙やフィルムなどの被転写媒体を搬送するために搬送ローラが用いられている。前記搬送ローラは、被転写媒体と接触しながら回転する際に、被転写媒体との間の摩擦力で被転写媒体を搬送する。
【0003】
従来の搬送ローラとして、シャフトの周囲に樹脂製ローラ本体を設けたものがある。例えば、▲1▼金属シャフトの周囲に射出成形で樹脂ローラ(ローラ本体に相当。)の芯材部を形成し、さらに芯材部の表面に表皮部を形成したもの(特許文献1参照。)や、▲2▼樹脂製中空構造からなる軸ロール構造部の周囲に熱可塑性エラストマー製の筒状ゴム質部(ローラ本体に相当。)を設けたもの(特許文献2参照。)などがある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−72273号公報
【特許文献2】
特開平11−20979号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ローラ本体が樹脂からなる従来の搬送ローラにおいては、ローラ本体の表面の摩擦抵抗を高めるのが難しく、被転写媒体が滑るおそれがある。また、摩擦抵抗を高めるためにローラ本体の表面を凹凸にしようとしても、容易には行えなかった。さらに、搬送ローラが用いられる機器によっては、一層の軽量化が求められることもあるが、従来の搬送ローラでは、強度等の点から軽量化の実現が難しかった。
【0006】
本発明は、前記の点に鑑みなされたもので、樹脂製ローラ本体の外面の摩擦抵抗が被転写媒体の搬送に対して十分にあり、しかも製造が容易であって軽量化を実現できる搬送ローラを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1発明は、シャフトの外周面に環状の樹脂製ローラ本体を有し、前記ローラ本体の外面に塗装により付着させた突起形成用粉体による凹凸を有することを特徴とする搬送ローラに係る。
【0008】
第1発明において、前記塗装が粉体塗料と突起形成用粉体の粉体塗装によるものである場合、前記ローラ本体は、体積抵抗率が5×106Ωcm以下、好ましくは106Ωcm〜100Ωcmであるのが好ましい。さらに、前記ローラ本体には導電性フィラーが添加されていることが好ましい。前記ローラ本体は、射出成形可能なエンジニアリングプラスチックからなるものが好ましい。また、前記ローラ本体に用いられるエンジニアリングプラスチックの耐熱温度は、塗料の焼付時にローラ本体が変形しないようにするため、焼付温度以上とされるのが好ましい。具体的には、160℃以上で10分間〜30分間、特には160℃〜200℃で10分間〜30分間の耐熱性を有するものが好ましい。
【0009】
第2発明は、シャフトの外周面に環状の樹脂製ローラ本体を有し、前記ローラ本体の外面にはサンドブラスト等の機械的手段によって形成された凹凸を有することを特徴とする搬送ローラに係る。
【0010】
第3発明は、シャフトの外周面に環状の樹脂製ローラ本体を有し、前記ローラ本体が、金型内面にシボの形成された金型内に樹脂を射出する射出成形によって形成されたものであり、前記ローラ本体の外面には前記金型内面のシボの転写により形成された凹凸を有することを特徴とする搬送ローラに係る。
【0011】
前記第2及び第3発明においては、前記ローラ本体は、エンジニアリングプラスチックで形成されるのが好ましい。
【0012】
また、前記第1から第3発明において、前記シャフトは、金属製あるいは樹脂製とされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1に示すこの発明の実施形態に係る搬送ローラ10は、シャフト11と、前記シャフト11の外周面に設けられたローラ本体21とからなり、プリンタや複写機等におけるフィルムや紙等の被転写媒体の搬送に使用されるものである。
【0014】
前記シャフト11は、前記搬送ローラ10の回転軸となるもので、金属製あるいは樹脂製とされる。前記シャフト11が金属製のものは、前記シャフト11に高い剛性が要求される場合に好適であり、それに対して樹脂製のものは、特に軽量化が要求される場合に好適である。前記シャフト11を樹脂製とする場合、樹脂は射出成形可能なエンジニアリングプラスチックが好ましい。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、超高分子量ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレンオキシド(PPOX)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等、及びこれらのアロイを挙げることができる。さらに、スーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂も使用可能である。具体的には、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリレアリレート(Uポリマー)、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、液晶ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン等がある。これらの中でも、ポリプロピレンオキシド(PPOX)とポリアミドのアロイ、若しくはポリフェニレンスルフィド(PPS)とポリプロピレンオキシド(PPOX)のアロイ等が射出成形性等の点から好ましい。前記シャフト11は、用途に応じたサイズとされ、前記搬送ローラ10の軸中心に位置する。
【0015】
前記ローラ本体21は、外周面が搬送被転写媒体と接触するものであり、前記シャフト11の外径より大径の環状をしている。前記ローラ本体21は、樹脂製からなり、その外面に前記搬送被転写媒体と接触する凹凸22を有し、前記凹凸22の存在によって前記搬送被転写媒体に対する摩擦抵抗が向上し、前記搬送被転写媒体の滑りが抑えられる。なお、前記ローラ本体21は、図示のように1個に限られず、前記シャフト11の軸方向に所要間隔で複数個設けてもよい。
【0016】
前記ローラ本体21を構成する樹脂としては、エンジニアリングプラスチックが好ましい。エンジニアリングプラスチックとしては、前記シャフト11を樹脂で構成する場合と同様の射出成形可能なエンジニアリングプラスチック(スーパーエンジニアリングプラスチックを含む。)を使用することができる。特には、ポリプロピレンオキシド(PPOX)とポリアミドのアロイ、若しくはポリフェニレンスルフィド(PPS)とポリプロピレンオキシド(PPOX)のアロイ等が射出成形性、及び前記凹凸22の形成等の点から好ましい。また、前記ローラ本体に用いられるエンジニアリングプラスチックは、160℃以上で10分間〜30分間、特には160℃〜200℃で10分間〜30分間の耐熱性を有するものが好ましい。
【0017】
前記ローラ本体21は、前記シャフト11を、ローラ本体形成キャビティが形成された射出成形用金型にセットし、前記ローラ本体形成キャビティに樹脂を射出することにより前記シャフト11の外面に別体として射出成形されたもの、あるいはシャフト形成キャビティとローラ本体形成キャビティを有する射出成形用金型を用い、前記シャフト形成キャビティ及び前記ローラに樹脂を射出して、前記シャフト11を射出成形すると同時に前記シャフト11と一体に射出成形されたものが好ましい。
【0018】
前記凹凸22は、前記ローラ本体21の外面にサンドブラスト又はショットブラスト等の公知の機械加工によって形成されたもの、又は公知の塗装により形成されたもの、あるいは前記ローラ本体21を射出成形する際に金型内面のシボをローラ本体21の外面に転写することにより形成されたものが好ましい。前記凹凸の高低差は通常10〜500μmとされるが、15〜120μmがより好ましい。
【0019】
前記機械加工は一種類の加工手段に限られない。例えばサンドブラスト又はショットブラストの何れか一種類としたり、あるいは両方を併用したり、またはその他の加工手段を含めて複数種類併用したりしてもよい。
【0020】
前記塗装による凹凸22の形成は、公知のスプレー式塗装や粉体塗装によるものなどを挙げることができる。
【0021】
前記スプレー式塗装による凹凸22の形成は、樹脂塗料に突起形成用粉体を添加したものを、スプレー式塗装装置で前記ローラ本体21の外面に吹き付けて前記突起形成用粉体をローラ本体21の外面に付着させ、その後に焼付を行うことによって行われる。前記樹脂塗料としては、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂等からなる熱架橋塗料を挙げることができる。
【0022】
前記突起形成用粉体は、搬送する被転写媒体の種類等によって選択されるのが好ましい。例えば、前記突起形成用粉体を摩耗させ易い被転写媒体の搬送を主目的とするような場合には、セラミック粒子等のように硬度が高く、耐摩耗性に優れる粒子が前記突起形成用粉体として好ましい。このような突起形成用粉体として、アルミナ粉末、炭化珪素粉末等を挙げることができる。これらは単独で使用しても、あるいは二種以上混合して使用してもよい。
【0023】
さらに、前記突起形成用粉体は、無機粒子からなる場合、その平均粒子径は5〜250μm(より好ましくは10〜120μm、更に好ましくは30〜50μm)とすることが好ましい。前記平均粒径が5μm未満であると、前記ローラ本体21の表面に形成された塗料の樹脂層から前記突起形成用粉体を十分に突出させることができず、前記被転写媒体を搬送するために必要な摩擦力を発揮できる前記凹凸を形成することがむつかしくなる。それに対して前記平均粒径が250μmを超えると、前記樹脂層によって前記突起形成用粉体を十分に固定することができなくなる場合があり、前記突起形成用粉体の脱落のおそれがある。前記突起形成用粉体の大きさは、搬送する被転写媒体の性状に合わせて選択するのが好ましいが、通常、アルミナ等のセラミック粉末については15〜80μm、非晶質シリカ粉末やニッケル粉末については30〜110μmが好ましい。
【0024】
また、前記突起形成用粉体は、短繊維からなる場合、その繊度は0.1〜100デニール(より好ましくは1.0〜50デニール、更には10〜30デニール)とすることが好ましく、長さは50〜1200μm(より好ましくは300〜900μm、更には450〜750μm)とするのが好ましい。前記短繊維としては、ナイロン繊維等を使用することができる。
【0025】
前記突起形成用粉体は、前記樹脂塗料を100重量部とした場合に、10〜50重量部(より好ましくは32〜43重量部、更に好ましくは28〜40重量部)とするのが好ましい。前記突起形成用粉体が10重量部未満の場合、前記突起形成用粉体によって形成される凹凸の数が少なくなるため、前記被転写媒体を搬送するために必要な摩擦力が不足することがある。それに対して50重量部を超えると、形成される突起が多くなって谷間が少なくなるため、平滑面となって、かえって摩擦力が低下したり、突起形成用粉体の塗着が多くなるため、均一かつ安定して歩留まりのよい塗膜が得られなくなったりする。さらに、ポンプによって前記突起形成用粉体を搬送する際にギヤ等の劣化を生じやすく、前記突起形成用粉体の搬送を良好に行い難くなる。
【0026】
それに対して、前記粉体塗装による凹凸22の形成は、粉体塗料及び突起形成用粉体を前記ローラ本体21の外面に付着させ、前記粉体塗料に含まれる樹脂を硬化させて、あるいは溶融させた後に固化させて、樹脂層を前記ローラ本体21の外面に形成すると共に、前記樹脂層で前記突起形成用粉体を固定することにより行われる。
【0027】
前記粉体塗装は公知の静電塗装によるのが好ましい。前記静電塗装は、スプレーガンによるものと、流動浸漬槽によるものとがある。前記スプレーガン(静電ガン)による場合は、前記ローラ本体21側をアースし、高電圧を印加した前記スプレーガンから、前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体を前記ローラ本体21の表面に吹き付け、その吹き付けの際に前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体を帯電させ、前記帯電による静電力を利用して前記ローラ本体21の表面に付着させ、その後、一般的には加熱炉に入れて前記粉体塗料を硬化、あるいは溶融固化させることにより行われる。なお、前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体の誘電率が高い場合には、前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体が前記スプレーガンのノズルを通過する際の摩擦のみによって前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体を帯電させることができることもある。それに対して、前記流動浸漬槽による場合は、前記シャフト11の外周に前記ローラ本体21が形成された成形体を流動槽内に保持し、通電して印加帯電させると共に、前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体を前記流動槽内で吹き上げて前記ローラ本体21に付着させ、その後、前記流動槽から前記成形体を取り出して所定時間、加熱炉で前記ローラ本体21の外面に前記粉体塗料を焼付ることにより行われる。
【0028】
前記ローラ本体21は、前記静電塗装を用いる粉体塗装によって前記凹凸が形成される場合、体積抵抗率を5×106cm以下、特には106cm〜100cmとするのが好ましい。前記ローラ本体21の体積抵抗率が5×106Ωcmより大の場合、前記ローラ本体に前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体が静電気で付着しにくく、前記凹凸を良好に形成できなくなる。前記ローラ本体21を前記範囲の体積抵抗率にするため、前記ローラ本体21の構成樹脂には導電性カーボン等の導電性フィラーが適宜添加される。なお、前記ローラ本体21の体積抵抗率が100倍以上バラツクと、安定して製品を製造しにくくなる。
【0029】
前記粉体塗料は、前記ローラ本体21に静電力により付着させることのできるものであればよい。更に、加熱することにより硬化させることのできる、又は、加熱により溶融させ、常温において再び固化させることのできるものであればよい。これにより樹脂層を前記ローラ本体21の外周に形成することができ、前記突起形成用粉体を十分に固定することができる。また、この粉体塗料の粒径は5〜250μm(より好ましくは5〜30μm、更に好ましくは15〜25μm)とされるのが好ましい。前記粒径が5μm未満であると、前記突起形成用粉体を前記樹脂層で十分に固定することができない場合があり、250μmを超えると前記突起形成用粉体を前記樹脂層表面から十分に露出させることができない場合がある。
【0030】
前記粉体塗料としては、粉末状の熱硬化性樹脂、粉末状の熱可塑性樹脂等を主成分とするものを挙げることができる。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂及びシリコーン樹脂等を挙げることができ、特にビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が好適である。また、熱可塑性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂及びメタクリル樹脂等を挙げることができる。特に、飽和ポリエステル樹脂等が好ましい。前記熱硬化性樹脂及び前記熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で使用しても、あるいは混合して使用してもよく、さらには、前記熱硬化性樹脂と前記熱可塑性樹脂とを混合して使用してもよい。
【0031】
さらに、前記粉体塗料は、エポキシ樹脂粉末と、硬化剤であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂粉末を主成分とするものが好ましい。前記エポキシ樹脂粉末としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。前記エポキシ樹脂粉末と硬化剤であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂粉末を主成分とする前記粉体塗料は、前記樹脂層の層厚を均一にし易く、また前記突起形成用粉体を前記樹脂層に強固に保持することができる。
【0032】
前記突起形成用粉体は、静電力によって前記ローラ本体21の外面に付着させることのできるものであればよく、前記スプレー式塗装による凹凸形成の場合と同様の突起形成用粉体から選択され、搬送する被転写媒体の種類等によって選択されるのが好ましい。例えば、アルミナ粉末、炭化珪素粉末等を挙げることができる。前記突起形成用粉体は、一種類で使用しても、あるいは二種以上混合して使用してもよい。
【0033】
さらに、前記突起形成用粉体の粒径も、前記スプレー式塗装による凹凸形成の場合と同様、無機粒子からなる場合、その平均粒子径は5〜250μm(より好ましくは10〜120μm、更に好ましくは30〜50μm)とすることが好ましい。また、前記突起形成用粉体の大きさは、前記スプレー式塗装による凹凸形成の場合と同様、搬送する被転写媒体の性状に合わせて選択するのが好ましいが、通常、アルミナ等のセラミック粉末については15〜80μm、非晶質シリカ粉末やニッケル粉末については30〜110μmが好ましい。
【0034】
また、前記突起形成用粉体を短繊維とする場合も、前記スプレー式塗装による凹凸形成の場合と同様、その繊度は0.1〜100デニール(より好ましくは1.0〜50デニール、更には10〜30デニール)とすることが好ましく、長さは50〜1200μm(より好ましくは300〜900μm、更には450〜750μm)とするのが好ましい。前記短繊維としては、ナイロン繊維等を使用することができる。
【0035】
前記粉体塗装による凹凸形成の場合、前記突起形成用粉体は、前記粉体塗料を100重量部とした場合に、5〜250重量部(より好ましくは10〜200重量部、更に好ましくは50〜150重量部)とするのが好ましい。前記突起形成用粉体が5重量部未満の場合、前記突起形成用粉体によって形成される凹凸の数が少なくなるため、前記被転写媒体を搬送するために必要な摩擦力が不足することがある。それに対して250重量部を超えると、前記樹脂層で保持できる前記突起形成用粉体の上限量を超えることがあり、前記突起形成用粉体の脱落を生じるおそれがある。
【0036】
また、前記凹凸を、前記射出成形用金型内面のシボの転写により形成する場合は、前記射出成形用金型におけるローラ本体形成キャビティの内面にシボ模様を形成しておき、前記ローラ本体形成キャビティに樹脂を射出して前記ローラ本体を射出成形することにより、前記金型のシボが前記ローラ本体の外面に転写されて前記凹凸が形成される。前記金型内面のシボの高低差は、通常10〜500μmとされるが、15〜120μmがより好ましい。また、予め形成された金属製あるいは樹脂製の前記シャフト11の外周に、射出成形により前記ローラ本体21を形成する場合には、前記射出成形用金型には前記シャフト11を収容するキャビティと、前記ローラ本体形成キャビティを形成しておき、前記ローラ本体形成キャビティに樹脂を射出することにより、前記シャフト11の外周に前記ローラ本体21を形成する。また、前記シャフト11と前記ローラ本体21を樹脂で一体に形成する場合には、前記金型にシャフト形成キャビティとローラ本体形成キャビティを一連に形成しておき、前記シャフト形成キャビティと前記ローラ本体形成キャビティに樹脂を射出することにより、前記シャフト11と前記ローラ本体21を樹脂で一体に形成する。
【0037】
【実施例】
・実施例1A(シャフト:金属、ローラ本体:樹脂、塗装:スプレー塗装)
直径6mmのSUM24Lシャフトを全長270mmに切断した後に、無電解ニッケルメッキ処理(メッキ厚4μm)したものを金属製シャフトとして用い、径12mm、長さ220mmのローラ本体形成キャビティを有する金型に、前記金属製シャフトを前記ローラ本体形成キャビティの中心位置を通るように保持し、前記ローラ本体形成キャビティにポリフェニレンオキサイド(PPO)とポリフェニレンスルフィド(PPS)のアロイ樹脂(商品名:GEノリルAPS550、G.E.社製)を樹脂材料として射出し、前記金属シャフトの外周に樹脂製ローラ本体が射出成形された成形体を得た。
【0038】
続いて、塗料としてエポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂からなる、熱架橋型塗料(商品名:アクローゼ、大日本塗料製)100重量部に、突起形成用粉体として白色アルミナ(商品名:ホワイトモランダムWA#280、昭和電工製、平均粒子径52.0μm±2.0μm)を重量比で32%添加したものをレシプロ型スプレー式塗装装置で、前記ローラ本体外面に膜厚0.032mmで吹き付けて塗装した。その後、160℃×30分の条件下で焼付を行い、実施例1Aの搬送ローラを得た。このようにして得た実施例1Aの搬送ローラは、重量が125グラムであった。なお、前記焼付時、ローラ本体には変形等を生じず、160℃×30分の耐熱性を有していた。実施例1Aの搬送ローラと同じ形状のローラを、SUM24Lの直径16mmのシャフトから切削により作製した場合、その重量は218グラムであった。
【0039】
・実施例1B(シャフト:金属、ローラ本体:樹脂、塗装:静電粉体塗装)
直径6mmのSUM24Lシャフトを全長270mmに切断した後に、無電解ニッケルメッキ処理(メッキ厚4μm)したものを金属製シャフトとして用い、径12mm、長さ220mmのローラ本体形成キャビティを有する金型に、前記金属製シャフトを前記ローラ本体形成キャビティの中心位置を通るように保持した。また、樹脂材料として、ポリフェニレンオキサイド(PPO)とポリフェニレンスルフィド(PPS)のアロイ樹脂(商品名:GEノリルAPS550、G.E.社製)に、カーボン繊維表面にニッケルメッキ処理を行った導電性フィラー(商品名:ベスファイトMCHTA−C6−US、東邦テナックス(株)製)を、1×104Ωcmとなるように配合した材料を作製した。前記配合した樹脂材料を、前記金属製シャフトが保持されている金型のローラ本体形成キャビティに射出し、前記金属シャフトの外周に樹脂製ローラ本体が射出成形された成形体を得た。
【0040】
続いて、粉体塗料としてエポキシ系樹脂からなる熱架橋型塗料(商品名:V−PET、大日本塗料製、平均粒子径:22μm)を、電界粉体流動静電装置(メサック社製)を用い、前記樹脂製ローラ本体の表面に焼付前の状態で0.055〜0.065mmの膜厚となるように塗装した。その後直ちに突起形成用粉体として酸化アルミナ(商品名:モランダムA#280、昭和電工製、平均粒子径52.0μm±2.0μm)を塗装した。酸化アルミナの塗装は、前記電界粉体流動静電装置(メサック社製)を用い、前記の状態で粉体塗料の塗装されたシャフト表面に、酸化アルミナが膜厚0.035〜0.040mmとなるように調整して塗装を行った。前記粉体塗料の塗装及び前記酸化アルミナの塗装後、180℃×30分の条件下で焼付を行い、実施例1Bの搬送ローラを得た。このようにして得た実施例1Bの搬送ローラは、重量が125グラムであった。なお、前記焼付時、ローラ本体には変形等を生じず、180℃×30分の耐熱性を有していた。実施例1Bの搬送ローラと同じ形状のローラを、SUM24Lの直径16mmのシャフトから切削により作製した場合、その重量は218グラムであった。
【0041】
・実施例2(シャフト:金属、ローラ本体:樹脂製、凹凸:金型シボ転写)
直径6mmのSUM24Lシャフトを全長270mmに切断した後に、無電解ニッケルメッキ処理(メッキ厚4μm)したものを金属製シャフトとして用いた。また、深さ30〜40μmのシボ加工が施され、径12mm、長さ220mmとされたローラ本体形成キャビティを有する金型に、前記金属製シャフトを前記ローラ本体形成キャビティの中心位置を通るように保持し、前記ローラ本体形成キャビティにポリフェニレンオキサイド(PPO)とポリフェニレンスルフィド(PPS)のアロイ樹脂(商品名:GEノリルAPS550、G.E.社製)を樹脂材料として射出し、前記シボによる凹凸を表面に有する樹脂製ローラ本体が前記金属シャフトの外周に射出成形された実施例2の搬送ローラを得た。
【0042】
・実施例3(シャフト:金属、ローラ本体:樹脂製、凹凸:機械加工)
直径6mmのSUM24Lシャフトを全長270mmに切断した後に、無電解ニッケルメッキ処理(メッキ厚4μm)したものを金属製シャフトとして用い、径12mm、長さ220mmのローラ本体形成キャビティを有する金型に、前記金属製シャフトを前記ローラ本体形成キャビティの中心位置を通るように保持し、前記ローラ本体形成キャビティにポリフェニレンオキサイド(PPO)とポリフェニレンスルフィド(PPS)のアロイ樹脂(商品名:GEノリルAPS550、G.E.社製)を樹脂材料として射出し、前記金属シャフトの外周に樹脂製ローラ本体が射出成形された成形体を得た。この成形体のローラ本体表面にサンドブラスト処理を行い、ローラ本体の表面に凹凸を形成して実施例3の搬送ローラを得た。
【0043】
このようにして得られた各実施例の搬送ローラ10を、図2に示すようにシャフト11が回転駆動装置(図示せず)によって回転可能なように保持し、前記各実施例の搬送ローラ10に、40mm×200mmのコピー普通用紙からなる一枚の被転写媒体Sを水平方向から垂直下方向へ被さるようにセットし、前記被転写媒体Sの上端をプッシュプル式フォースゲージ31に保持させ、前記被転写媒体Sの下端に50gのおもり41を取り付け、その状態で前記各実施例の搬送ローラを毎分50回転の速度で0.5秒間矢印Fの方へ回転させ、その際におけるプッシュプル式フォースゲージ31の値を測定した。得られた測定値に対して、[2/π・log(測定値)]を計算し、摩擦係数を得た。得られた摩擦係数は0.9〜0.95程度であり、コピー用紙の搬送用ローラとして好適なものであった。
【0044】
なお、前記シャフトを樹脂製とする場合には、樹脂材料を用いて射出成形等により形成した樹脂製シャフトを、前記実施例1A,1B,2,3の金属製シャフトに代えて用い、他は実施例1A,1B,2,3と同様にして凹凸を形成することにより、あるいは樹脂材料をシャフト形成キャビティとローラ本体形成キャビティが一体に形成された金型内に射出して樹脂製シャフトと樹脂製ローラ本体が一体になった成形品を射出成形し、その後は前記実施例1A,1B,2,3の凹凸形成と同様にすれば、容易に樹脂製シャフトの搬送ローラが得られる。
【0045】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明の搬送ローラによれば、樹脂製ローラ本体の外面の摩擦抵抗が被転写媒体の搬送に対して十分なものであり、しかも、ローラ本体が樹脂製のために、搬送ローラのサイズが大きくなっても軽量化できる利点がある。その上、前記樹脂製ローラ本体をエンジニアリングプラスチックとすることにより、搬送ローラにとって十分な強度及び耐久性が得られる。さらに、シャフト及びローラ本体の何れも樹脂製とすれば、さらなる軽量化を実現することができる。それらに加えてローラ本体の外面の凹凸は、形成が容易であり、搬送ローラを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る搬送ローラの正面図である。
【図2】摩擦係数の測定時を示す図である。
【符号の説明】
10 搬送ローラ
11 シャフト
21 ローラ本体
22 凹凸
【発明の属する技術分野】
この発明は、紙やフィルムなどの被転写媒体を搬送するための搬送ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザープリンタや複写機などには、紙やフィルムなどの被転写媒体を搬送するために搬送ローラが用いられている。前記搬送ローラは、被転写媒体と接触しながら回転する際に、被転写媒体との間の摩擦力で被転写媒体を搬送する。
【0003】
従来の搬送ローラとして、シャフトの周囲に樹脂製ローラ本体を設けたものがある。例えば、▲1▼金属シャフトの周囲に射出成形で樹脂ローラ(ローラ本体に相当。)の芯材部を形成し、さらに芯材部の表面に表皮部を形成したもの(特許文献1参照。)や、▲2▼樹脂製中空構造からなる軸ロール構造部の周囲に熱可塑性エラストマー製の筒状ゴム質部(ローラ本体に相当。)を設けたもの(特許文献2参照。)などがある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−72273号公報
【特許文献2】
特開平11−20979号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ローラ本体が樹脂からなる従来の搬送ローラにおいては、ローラ本体の表面の摩擦抵抗を高めるのが難しく、被転写媒体が滑るおそれがある。また、摩擦抵抗を高めるためにローラ本体の表面を凹凸にしようとしても、容易には行えなかった。さらに、搬送ローラが用いられる機器によっては、一層の軽量化が求められることもあるが、従来の搬送ローラでは、強度等の点から軽量化の実現が難しかった。
【0006】
本発明は、前記の点に鑑みなされたもので、樹脂製ローラ本体の外面の摩擦抵抗が被転写媒体の搬送に対して十分にあり、しかも製造が容易であって軽量化を実現できる搬送ローラを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1発明は、シャフトの外周面に環状の樹脂製ローラ本体を有し、前記ローラ本体の外面に塗装により付着させた突起形成用粉体による凹凸を有することを特徴とする搬送ローラに係る。
【0008】
第1発明において、前記塗装が粉体塗料と突起形成用粉体の粉体塗装によるものである場合、前記ローラ本体は、体積抵抗率が5×106Ωcm以下、好ましくは106Ωcm〜100Ωcmであるのが好ましい。さらに、前記ローラ本体には導電性フィラーが添加されていることが好ましい。前記ローラ本体は、射出成形可能なエンジニアリングプラスチックからなるものが好ましい。また、前記ローラ本体に用いられるエンジニアリングプラスチックの耐熱温度は、塗料の焼付時にローラ本体が変形しないようにするため、焼付温度以上とされるのが好ましい。具体的には、160℃以上で10分間〜30分間、特には160℃〜200℃で10分間〜30分間の耐熱性を有するものが好ましい。
【0009】
第2発明は、シャフトの外周面に環状の樹脂製ローラ本体を有し、前記ローラ本体の外面にはサンドブラスト等の機械的手段によって形成された凹凸を有することを特徴とする搬送ローラに係る。
【0010】
第3発明は、シャフトの外周面に環状の樹脂製ローラ本体を有し、前記ローラ本体が、金型内面にシボの形成された金型内に樹脂を射出する射出成形によって形成されたものであり、前記ローラ本体の外面には前記金型内面のシボの転写により形成された凹凸を有することを特徴とする搬送ローラに係る。
【0011】
前記第2及び第3発明においては、前記ローラ本体は、エンジニアリングプラスチックで形成されるのが好ましい。
【0012】
また、前記第1から第3発明において、前記シャフトは、金属製あるいは樹脂製とされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1に示すこの発明の実施形態に係る搬送ローラ10は、シャフト11と、前記シャフト11の外周面に設けられたローラ本体21とからなり、プリンタや複写機等におけるフィルムや紙等の被転写媒体の搬送に使用されるものである。
【0014】
前記シャフト11は、前記搬送ローラ10の回転軸となるもので、金属製あるいは樹脂製とされる。前記シャフト11が金属製のものは、前記シャフト11に高い剛性が要求される場合に好適であり、それに対して樹脂製のものは、特に軽量化が要求される場合に好適である。前記シャフト11を樹脂製とする場合、樹脂は射出成形可能なエンジニアリングプラスチックが好ましい。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、超高分子量ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレンオキシド(PPOX)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等、及びこれらのアロイを挙げることができる。さらに、スーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂も使用可能である。具体的には、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリレアリレート(Uポリマー)、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、液晶ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン等がある。これらの中でも、ポリプロピレンオキシド(PPOX)とポリアミドのアロイ、若しくはポリフェニレンスルフィド(PPS)とポリプロピレンオキシド(PPOX)のアロイ等が射出成形性等の点から好ましい。前記シャフト11は、用途に応じたサイズとされ、前記搬送ローラ10の軸中心に位置する。
【0015】
前記ローラ本体21は、外周面が搬送被転写媒体と接触するものであり、前記シャフト11の外径より大径の環状をしている。前記ローラ本体21は、樹脂製からなり、その外面に前記搬送被転写媒体と接触する凹凸22を有し、前記凹凸22の存在によって前記搬送被転写媒体に対する摩擦抵抗が向上し、前記搬送被転写媒体の滑りが抑えられる。なお、前記ローラ本体21は、図示のように1個に限られず、前記シャフト11の軸方向に所要間隔で複数個設けてもよい。
【0016】
前記ローラ本体21を構成する樹脂としては、エンジニアリングプラスチックが好ましい。エンジニアリングプラスチックとしては、前記シャフト11を樹脂で構成する場合と同様の射出成形可能なエンジニアリングプラスチック(スーパーエンジニアリングプラスチックを含む。)を使用することができる。特には、ポリプロピレンオキシド(PPOX)とポリアミドのアロイ、若しくはポリフェニレンスルフィド(PPS)とポリプロピレンオキシド(PPOX)のアロイ等が射出成形性、及び前記凹凸22の形成等の点から好ましい。また、前記ローラ本体に用いられるエンジニアリングプラスチックは、160℃以上で10分間〜30分間、特には160℃〜200℃で10分間〜30分間の耐熱性を有するものが好ましい。
【0017】
前記ローラ本体21は、前記シャフト11を、ローラ本体形成キャビティが形成された射出成形用金型にセットし、前記ローラ本体形成キャビティに樹脂を射出することにより前記シャフト11の外面に別体として射出成形されたもの、あるいはシャフト形成キャビティとローラ本体形成キャビティを有する射出成形用金型を用い、前記シャフト形成キャビティ及び前記ローラに樹脂を射出して、前記シャフト11を射出成形すると同時に前記シャフト11と一体に射出成形されたものが好ましい。
【0018】
前記凹凸22は、前記ローラ本体21の外面にサンドブラスト又はショットブラスト等の公知の機械加工によって形成されたもの、又は公知の塗装により形成されたもの、あるいは前記ローラ本体21を射出成形する際に金型内面のシボをローラ本体21の外面に転写することにより形成されたものが好ましい。前記凹凸の高低差は通常10〜500μmとされるが、15〜120μmがより好ましい。
【0019】
前記機械加工は一種類の加工手段に限られない。例えばサンドブラスト又はショットブラストの何れか一種類としたり、あるいは両方を併用したり、またはその他の加工手段を含めて複数種類併用したりしてもよい。
【0020】
前記塗装による凹凸22の形成は、公知のスプレー式塗装や粉体塗装によるものなどを挙げることができる。
【0021】
前記スプレー式塗装による凹凸22の形成は、樹脂塗料に突起形成用粉体を添加したものを、スプレー式塗装装置で前記ローラ本体21の外面に吹き付けて前記突起形成用粉体をローラ本体21の外面に付着させ、その後に焼付を行うことによって行われる。前記樹脂塗料としては、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂等からなる熱架橋塗料を挙げることができる。
【0022】
前記突起形成用粉体は、搬送する被転写媒体の種類等によって選択されるのが好ましい。例えば、前記突起形成用粉体を摩耗させ易い被転写媒体の搬送を主目的とするような場合には、セラミック粒子等のように硬度が高く、耐摩耗性に優れる粒子が前記突起形成用粉体として好ましい。このような突起形成用粉体として、アルミナ粉末、炭化珪素粉末等を挙げることができる。これらは単独で使用しても、あるいは二種以上混合して使用してもよい。
【0023】
さらに、前記突起形成用粉体は、無機粒子からなる場合、その平均粒子径は5〜250μm(より好ましくは10〜120μm、更に好ましくは30〜50μm)とすることが好ましい。前記平均粒径が5μm未満であると、前記ローラ本体21の表面に形成された塗料の樹脂層から前記突起形成用粉体を十分に突出させることができず、前記被転写媒体を搬送するために必要な摩擦力を発揮できる前記凹凸を形成することがむつかしくなる。それに対して前記平均粒径が250μmを超えると、前記樹脂層によって前記突起形成用粉体を十分に固定することができなくなる場合があり、前記突起形成用粉体の脱落のおそれがある。前記突起形成用粉体の大きさは、搬送する被転写媒体の性状に合わせて選択するのが好ましいが、通常、アルミナ等のセラミック粉末については15〜80μm、非晶質シリカ粉末やニッケル粉末については30〜110μmが好ましい。
【0024】
また、前記突起形成用粉体は、短繊維からなる場合、その繊度は0.1〜100デニール(より好ましくは1.0〜50デニール、更には10〜30デニール)とすることが好ましく、長さは50〜1200μm(より好ましくは300〜900μm、更には450〜750μm)とするのが好ましい。前記短繊維としては、ナイロン繊維等を使用することができる。
【0025】
前記突起形成用粉体は、前記樹脂塗料を100重量部とした場合に、10〜50重量部(より好ましくは32〜43重量部、更に好ましくは28〜40重量部)とするのが好ましい。前記突起形成用粉体が10重量部未満の場合、前記突起形成用粉体によって形成される凹凸の数が少なくなるため、前記被転写媒体を搬送するために必要な摩擦力が不足することがある。それに対して50重量部を超えると、形成される突起が多くなって谷間が少なくなるため、平滑面となって、かえって摩擦力が低下したり、突起形成用粉体の塗着が多くなるため、均一かつ安定して歩留まりのよい塗膜が得られなくなったりする。さらに、ポンプによって前記突起形成用粉体を搬送する際にギヤ等の劣化を生じやすく、前記突起形成用粉体の搬送を良好に行い難くなる。
【0026】
それに対して、前記粉体塗装による凹凸22の形成は、粉体塗料及び突起形成用粉体を前記ローラ本体21の外面に付着させ、前記粉体塗料に含まれる樹脂を硬化させて、あるいは溶融させた後に固化させて、樹脂層を前記ローラ本体21の外面に形成すると共に、前記樹脂層で前記突起形成用粉体を固定することにより行われる。
【0027】
前記粉体塗装は公知の静電塗装によるのが好ましい。前記静電塗装は、スプレーガンによるものと、流動浸漬槽によるものとがある。前記スプレーガン(静電ガン)による場合は、前記ローラ本体21側をアースし、高電圧を印加した前記スプレーガンから、前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体を前記ローラ本体21の表面に吹き付け、その吹き付けの際に前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体を帯電させ、前記帯電による静電力を利用して前記ローラ本体21の表面に付着させ、その後、一般的には加熱炉に入れて前記粉体塗料を硬化、あるいは溶融固化させることにより行われる。なお、前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体の誘電率が高い場合には、前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体が前記スプレーガンのノズルを通過する際の摩擦のみによって前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体を帯電させることができることもある。それに対して、前記流動浸漬槽による場合は、前記シャフト11の外周に前記ローラ本体21が形成された成形体を流動槽内に保持し、通電して印加帯電させると共に、前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体を前記流動槽内で吹き上げて前記ローラ本体21に付着させ、その後、前記流動槽から前記成形体を取り出して所定時間、加熱炉で前記ローラ本体21の外面に前記粉体塗料を焼付ることにより行われる。
【0028】
前記ローラ本体21は、前記静電塗装を用いる粉体塗装によって前記凹凸が形成される場合、体積抵抗率を5×106cm以下、特には106cm〜100cmとするのが好ましい。前記ローラ本体21の体積抵抗率が5×106Ωcmより大の場合、前記ローラ本体に前記粉体塗料及び前記突起形成用粉体が静電気で付着しにくく、前記凹凸を良好に形成できなくなる。前記ローラ本体21を前記範囲の体積抵抗率にするため、前記ローラ本体21の構成樹脂には導電性カーボン等の導電性フィラーが適宜添加される。なお、前記ローラ本体21の体積抵抗率が100倍以上バラツクと、安定して製品を製造しにくくなる。
【0029】
前記粉体塗料は、前記ローラ本体21に静電力により付着させることのできるものであればよい。更に、加熱することにより硬化させることのできる、又は、加熱により溶融させ、常温において再び固化させることのできるものであればよい。これにより樹脂層を前記ローラ本体21の外周に形成することができ、前記突起形成用粉体を十分に固定することができる。また、この粉体塗料の粒径は5〜250μm(より好ましくは5〜30μm、更に好ましくは15〜25μm)とされるのが好ましい。前記粒径が5μm未満であると、前記突起形成用粉体を前記樹脂層で十分に固定することができない場合があり、250μmを超えると前記突起形成用粉体を前記樹脂層表面から十分に露出させることができない場合がある。
【0030】
前記粉体塗料としては、粉末状の熱硬化性樹脂、粉末状の熱可塑性樹脂等を主成分とするものを挙げることができる。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂及びシリコーン樹脂等を挙げることができ、特にビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が好適である。また、熱可塑性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂及びメタクリル樹脂等を挙げることができる。特に、飽和ポリエステル樹脂等が好ましい。前記熱硬化性樹脂及び前記熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で使用しても、あるいは混合して使用してもよく、さらには、前記熱硬化性樹脂と前記熱可塑性樹脂とを混合して使用してもよい。
【0031】
さらに、前記粉体塗料は、エポキシ樹脂粉末と、硬化剤であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂粉末を主成分とするものが好ましい。前記エポキシ樹脂粉末としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。前記エポキシ樹脂粉末と硬化剤であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂粉末を主成分とする前記粉体塗料は、前記樹脂層の層厚を均一にし易く、また前記突起形成用粉体を前記樹脂層に強固に保持することができる。
【0032】
前記突起形成用粉体は、静電力によって前記ローラ本体21の外面に付着させることのできるものであればよく、前記スプレー式塗装による凹凸形成の場合と同様の突起形成用粉体から選択され、搬送する被転写媒体の種類等によって選択されるのが好ましい。例えば、アルミナ粉末、炭化珪素粉末等を挙げることができる。前記突起形成用粉体は、一種類で使用しても、あるいは二種以上混合して使用してもよい。
【0033】
さらに、前記突起形成用粉体の粒径も、前記スプレー式塗装による凹凸形成の場合と同様、無機粒子からなる場合、その平均粒子径は5〜250μm(より好ましくは10〜120μm、更に好ましくは30〜50μm)とすることが好ましい。また、前記突起形成用粉体の大きさは、前記スプレー式塗装による凹凸形成の場合と同様、搬送する被転写媒体の性状に合わせて選択するのが好ましいが、通常、アルミナ等のセラミック粉末については15〜80μm、非晶質シリカ粉末やニッケル粉末については30〜110μmが好ましい。
【0034】
また、前記突起形成用粉体を短繊維とする場合も、前記スプレー式塗装による凹凸形成の場合と同様、その繊度は0.1〜100デニール(より好ましくは1.0〜50デニール、更には10〜30デニール)とすることが好ましく、長さは50〜1200μm(より好ましくは300〜900μm、更には450〜750μm)とするのが好ましい。前記短繊維としては、ナイロン繊維等を使用することができる。
【0035】
前記粉体塗装による凹凸形成の場合、前記突起形成用粉体は、前記粉体塗料を100重量部とした場合に、5〜250重量部(より好ましくは10〜200重量部、更に好ましくは50〜150重量部)とするのが好ましい。前記突起形成用粉体が5重量部未満の場合、前記突起形成用粉体によって形成される凹凸の数が少なくなるため、前記被転写媒体を搬送するために必要な摩擦力が不足することがある。それに対して250重量部を超えると、前記樹脂層で保持できる前記突起形成用粉体の上限量を超えることがあり、前記突起形成用粉体の脱落を生じるおそれがある。
【0036】
また、前記凹凸を、前記射出成形用金型内面のシボの転写により形成する場合は、前記射出成形用金型におけるローラ本体形成キャビティの内面にシボ模様を形成しておき、前記ローラ本体形成キャビティに樹脂を射出して前記ローラ本体を射出成形することにより、前記金型のシボが前記ローラ本体の外面に転写されて前記凹凸が形成される。前記金型内面のシボの高低差は、通常10〜500μmとされるが、15〜120μmがより好ましい。また、予め形成された金属製あるいは樹脂製の前記シャフト11の外周に、射出成形により前記ローラ本体21を形成する場合には、前記射出成形用金型には前記シャフト11を収容するキャビティと、前記ローラ本体形成キャビティを形成しておき、前記ローラ本体形成キャビティに樹脂を射出することにより、前記シャフト11の外周に前記ローラ本体21を形成する。また、前記シャフト11と前記ローラ本体21を樹脂で一体に形成する場合には、前記金型にシャフト形成キャビティとローラ本体形成キャビティを一連に形成しておき、前記シャフト形成キャビティと前記ローラ本体形成キャビティに樹脂を射出することにより、前記シャフト11と前記ローラ本体21を樹脂で一体に形成する。
【0037】
【実施例】
・実施例1A(シャフト:金属、ローラ本体:樹脂、塗装:スプレー塗装)
直径6mmのSUM24Lシャフトを全長270mmに切断した後に、無電解ニッケルメッキ処理(メッキ厚4μm)したものを金属製シャフトとして用い、径12mm、長さ220mmのローラ本体形成キャビティを有する金型に、前記金属製シャフトを前記ローラ本体形成キャビティの中心位置を通るように保持し、前記ローラ本体形成キャビティにポリフェニレンオキサイド(PPO)とポリフェニレンスルフィド(PPS)のアロイ樹脂(商品名:GEノリルAPS550、G.E.社製)を樹脂材料として射出し、前記金属シャフトの外周に樹脂製ローラ本体が射出成形された成形体を得た。
【0038】
続いて、塗料としてエポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂からなる、熱架橋型塗料(商品名:アクローゼ、大日本塗料製)100重量部に、突起形成用粉体として白色アルミナ(商品名:ホワイトモランダムWA#280、昭和電工製、平均粒子径52.0μm±2.0μm)を重量比で32%添加したものをレシプロ型スプレー式塗装装置で、前記ローラ本体外面に膜厚0.032mmで吹き付けて塗装した。その後、160℃×30分の条件下で焼付を行い、実施例1Aの搬送ローラを得た。このようにして得た実施例1Aの搬送ローラは、重量が125グラムであった。なお、前記焼付時、ローラ本体には変形等を生じず、160℃×30分の耐熱性を有していた。実施例1Aの搬送ローラと同じ形状のローラを、SUM24Lの直径16mmのシャフトから切削により作製した場合、その重量は218グラムであった。
【0039】
・実施例1B(シャフト:金属、ローラ本体:樹脂、塗装:静電粉体塗装)
直径6mmのSUM24Lシャフトを全長270mmに切断した後に、無電解ニッケルメッキ処理(メッキ厚4μm)したものを金属製シャフトとして用い、径12mm、長さ220mmのローラ本体形成キャビティを有する金型に、前記金属製シャフトを前記ローラ本体形成キャビティの中心位置を通るように保持した。また、樹脂材料として、ポリフェニレンオキサイド(PPO)とポリフェニレンスルフィド(PPS)のアロイ樹脂(商品名:GEノリルAPS550、G.E.社製)に、カーボン繊維表面にニッケルメッキ処理を行った導電性フィラー(商品名:ベスファイトMCHTA−C6−US、東邦テナックス(株)製)を、1×104Ωcmとなるように配合した材料を作製した。前記配合した樹脂材料を、前記金属製シャフトが保持されている金型のローラ本体形成キャビティに射出し、前記金属シャフトの外周に樹脂製ローラ本体が射出成形された成形体を得た。
【0040】
続いて、粉体塗料としてエポキシ系樹脂からなる熱架橋型塗料(商品名:V−PET、大日本塗料製、平均粒子径:22μm)を、電界粉体流動静電装置(メサック社製)を用い、前記樹脂製ローラ本体の表面に焼付前の状態で0.055〜0.065mmの膜厚となるように塗装した。その後直ちに突起形成用粉体として酸化アルミナ(商品名:モランダムA#280、昭和電工製、平均粒子径52.0μm±2.0μm)を塗装した。酸化アルミナの塗装は、前記電界粉体流動静電装置(メサック社製)を用い、前記の状態で粉体塗料の塗装されたシャフト表面に、酸化アルミナが膜厚0.035〜0.040mmとなるように調整して塗装を行った。前記粉体塗料の塗装及び前記酸化アルミナの塗装後、180℃×30分の条件下で焼付を行い、実施例1Bの搬送ローラを得た。このようにして得た実施例1Bの搬送ローラは、重量が125グラムであった。なお、前記焼付時、ローラ本体には変形等を生じず、180℃×30分の耐熱性を有していた。実施例1Bの搬送ローラと同じ形状のローラを、SUM24Lの直径16mmのシャフトから切削により作製した場合、その重量は218グラムであった。
【0041】
・実施例2(シャフト:金属、ローラ本体:樹脂製、凹凸:金型シボ転写)
直径6mmのSUM24Lシャフトを全長270mmに切断した後に、無電解ニッケルメッキ処理(メッキ厚4μm)したものを金属製シャフトとして用いた。また、深さ30〜40μmのシボ加工が施され、径12mm、長さ220mmとされたローラ本体形成キャビティを有する金型に、前記金属製シャフトを前記ローラ本体形成キャビティの中心位置を通るように保持し、前記ローラ本体形成キャビティにポリフェニレンオキサイド(PPO)とポリフェニレンスルフィド(PPS)のアロイ樹脂(商品名:GEノリルAPS550、G.E.社製)を樹脂材料として射出し、前記シボによる凹凸を表面に有する樹脂製ローラ本体が前記金属シャフトの外周に射出成形された実施例2の搬送ローラを得た。
【0042】
・実施例3(シャフト:金属、ローラ本体:樹脂製、凹凸:機械加工)
直径6mmのSUM24Lシャフトを全長270mmに切断した後に、無電解ニッケルメッキ処理(メッキ厚4μm)したものを金属製シャフトとして用い、径12mm、長さ220mmのローラ本体形成キャビティを有する金型に、前記金属製シャフトを前記ローラ本体形成キャビティの中心位置を通るように保持し、前記ローラ本体形成キャビティにポリフェニレンオキサイド(PPO)とポリフェニレンスルフィド(PPS)のアロイ樹脂(商品名:GEノリルAPS550、G.E.社製)を樹脂材料として射出し、前記金属シャフトの外周に樹脂製ローラ本体が射出成形された成形体を得た。この成形体のローラ本体表面にサンドブラスト処理を行い、ローラ本体の表面に凹凸を形成して実施例3の搬送ローラを得た。
【0043】
このようにして得られた各実施例の搬送ローラ10を、図2に示すようにシャフト11が回転駆動装置(図示せず)によって回転可能なように保持し、前記各実施例の搬送ローラ10に、40mm×200mmのコピー普通用紙からなる一枚の被転写媒体Sを水平方向から垂直下方向へ被さるようにセットし、前記被転写媒体Sの上端をプッシュプル式フォースゲージ31に保持させ、前記被転写媒体Sの下端に50gのおもり41を取り付け、その状態で前記各実施例の搬送ローラを毎分50回転の速度で0.5秒間矢印Fの方へ回転させ、その際におけるプッシュプル式フォースゲージ31の値を測定した。得られた測定値に対して、[2/π・log(測定値)]を計算し、摩擦係数を得た。得られた摩擦係数は0.9〜0.95程度であり、コピー用紙の搬送用ローラとして好適なものであった。
【0044】
なお、前記シャフトを樹脂製とする場合には、樹脂材料を用いて射出成形等により形成した樹脂製シャフトを、前記実施例1A,1B,2,3の金属製シャフトに代えて用い、他は実施例1A,1B,2,3と同様にして凹凸を形成することにより、あるいは樹脂材料をシャフト形成キャビティとローラ本体形成キャビティが一体に形成された金型内に射出して樹脂製シャフトと樹脂製ローラ本体が一体になった成形品を射出成形し、その後は前記実施例1A,1B,2,3の凹凸形成と同様にすれば、容易に樹脂製シャフトの搬送ローラが得られる。
【0045】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明の搬送ローラによれば、樹脂製ローラ本体の外面の摩擦抵抗が被転写媒体の搬送に対して十分なものであり、しかも、ローラ本体が樹脂製のために、搬送ローラのサイズが大きくなっても軽量化できる利点がある。その上、前記樹脂製ローラ本体をエンジニアリングプラスチックとすることにより、搬送ローラにとって十分な強度及び耐久性が得られる。さらに、シャフト及びローラ本体の何れも樹脂製とすれば、さらなる軽量化を実現することができる。それらに加えてローラ本体の外面の凹凸は、形成が容易であり、搬送ローラを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る搬送ローラの正面図である。
【図2】摩擦係数の測定時を示す図である。
【符号の説明】
10 搬送ローラ
11 シャフト
21 ローラ本体
22 凹凸
Claims (11)
- シャフトの外周面に環状の樹脂製ローラ本体を有し、前記ローラ本体の外面に塗装により付着させた突起形成用粉体による凹凸を有することを特徴とする搬送ローラ。
- 前記塗装が粉体塗料と突起形成用粉体の粉体塗装によるものであることを特徴とする搬送ローラ。
- 前記ローラ本体は、体積抵抗率が5×106Ωcm以下であることを特徴とする請求項2に記載の搬送ローラ。
- 前記ローラ本体には導電性フィラーが添加されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の搬送ローラ。
- 前記ローラ本体は、射出成形可能なエンジニアリングプラスチックからなることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の搬送ローラ。
- 前記ローラ本体を構成するエンジニアリングプラスチックが、160℃以上で10分間〜30分間の耐熱性を有することを特徴とする請求項5に記載の搬送ローラ。
- シャフトの外周面に環状の樹脂製ローラ本体を有し、前記ローラ本体の外面には、サンドブラスト処理等の機械的手段によって形成された凹凸を有することを特徴とする搬送ローラ。
- シャフトの外周面に環状の樹脂製ローラ本体を有し、前記ローラ本体が、金型内面にシボの形成された金型内に樹脂を射出する射出成形によって形成されたものであり、前記ローラ本体の外面には、前記金型内面のシボの転写による凹凸を有することを特徴とする搬送ローラ。
- 前記ローラ本体は、エンジニアリングプラスチックからなることを特徴とする請求項7又は8に記載の搬送ローラ。
- 前記シャフトは、金属製であることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の搬送ローラ。
- 前記シャフトは、樹脂製であることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の搬送ローラ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006306599A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Canon Inc | シート給送装置及び画像形成装置 |
JP2011255984A (ja) * | 2010-06-07 | 2011-12-22 | Bando Chemical Industries Ltd | 被覆部材及び被覆部材の形成方法 |
CN113443487A (zh) * | 2021-08-30 | 2021-09-28 | 常州欣盛半导体技术股份有限公司 | Fpc烘烤箱用转向调节装置 |
-
2003
- 2003-04-18 JP JP2003113576A patent/JP2004315192A/ja active Pending
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