JP2003155135A - 用紙搬送ローラの製造方法 - Google Patents

用紙搬送ローラの製造方法

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JP2003155135A
JP2003155135A JP2001351717A JP2001351717A JP2003155135A JP 2003155135 A JP2003155135 A JP 2003155135A JP 2001351717 A JP2001351717 A JP 2001351717A JP 2001351717 A JP2001351717 A JP 2001351717A JP 2003155135 A JP2003155135 A JP 2003155135A
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powder
core material
projection
protrusion
roller
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Application number
JP2001351717A
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English (en)
Inventor
Michihiko Tomita
充彦 富田
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Inoac Corp
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Publication date
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 径方向及び軸方向の寸法のばらつきが小さ
く、少ない工数で歩留りを向上させることができる用紙
搬送ローラの製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の用紙搬送ローラの製造方法は、
芯材と、該芯材の表面に形成された樹脂層及び該樹脂層
に固定され、一部が該樹脂層から突出している突起形成
用粉末を有する突起層と、を備える用紙搬送ローラにお
いて、該用紙搬送ローラの横断面における直径の平均値
が基準値を超えるように該突起層を形成し、その後、上
記平均値が上記基準値となるように上記突起層の表面側
から研磨する。上記突起層は、上記平均値が上記基準値
を5〜20μm超えるように形成することが好ましい。
上記研磨は、上記突起形成用粉末より硬度の高い研磨材
(例えば、ダイヤモンド及び炭化珪素等)により行うこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、用紙搬送ローラの
製造方法に関する。更に詳しくは、径方向及び軸方向の
寸法のばらつきが小さく、少ない工数で歩留りを大幅に
向上させることができる用紙搬送ローラの製造方法に関
する。本発明の用紙搬送ローラは、パーソナルコンピュ
ータ及びファクシミリ等におけるプリンタの用紙搬送に
利用することができる。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの普及に伴い、一般使用者
を対象としたプリンタもコンピュータの付属機器的にそ
の普及が盛んになってきている。なかでも、高画質且つ
安価なカラー湿式プリンタ(インクジェト方式等)の市
場は、昨今、急激に拡大しており、益々の技術革新、低
コスト化を余儀なくされている。このようなプリンタに
おいて、用紙の搬送に使用される用紙搬送ローラ(以
下、「ローラ」ともいう。)として、用紙との接触面に
特定の機能を付与することにより、搬送力等を向上させ
たローラが開発されている。それらのうちでも、金属製
の芯材の表面に設けられた樹脂層等によりセラミック粉
末が固定され、表面に多数の微細な突起が形成されたロ
ーラが、優れた特性を併せ有し、多くの用途において使
用されている。
【0003】このように表面に微細な多数の突起を有す
るローラは、セラミック粉末が配合された塗料をスプレ
ーガン等により芯材に吹き付けた後、乾燥させることに
より製造することができる(特開平10−120234
号公報等)。また、このようなローラは、塗料を芯材に
吹き付けた後、硬化前、又は溶融した後、固化する前
に、セラミック粉末を付着させることにより製造するこ
ともできる。更に、電界流動粉体塗装装置などによっ
て、芯材に、粉体塗料とセラミック粉末とを静電気を利
用して付着させた後、赤外線炉等により、粉体塗料に含
まれる樹脂を硬化又は、溶融後、固化させ、セラミック
粉末を固定することにより製造することもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記いずれの
方法においても径方向及び軸方向の寸法のばらつきが生
じていた。用紙搬送ローラにおいて、特に要求される特
性としては、高画質確保及び高速化対応のための、高い
寸法精度と十分な摩擦係数の2点である。即ち、寸法精
度においては、ローラの横断面の直径が長手方向にわた
って安定し、真の円筒形状になることが要求される。高
い寸法精度を得ることで、被搬送物全面へローラが均一
に圧着し、斜行を防ぐことができる。このようなローラ
を得るためには、突起形成用粉末をローラ表面へ均一に
付着させることが重要である。また、摩擦係数において
は、ローラ周面の被搬送物へのグリップ性、食い込み性
が安定し、斜行等のない安定した搬送を可能にすること
が要求される。安定した搬送により、機械の動作停止頻
度が減少する。このような摩擦係数は、ローラに形成さ
れる突起形成用粉末の粒径の調整、粒子の均一な分布に
より制御することが可能である。そこで、円筒度の高い
ローラを得るために、粒径の小さい粒子を選択すること
ができるが、粒径の選択には下限がある。粒子が細かす
ぎると、摩擦係数が小さくなり、被搬送物へのグリップ
性、食い込み性が低下してしまう。従って、十分な摩擦
係数が得られる粒径の粒子を、ローラ周面に均一に分散
させることが好ましい。
【0005】通常、用紙搬送ローラは、芯材に塗装(突
起層を形成)した後、寸法検査等により要求仕様を満足
するものだけを選別し、製品としている。この際、寸法
検査で不合格となったものは、芯材の塗装を除去して、
洗浄し、芯材の寸法検査をした後、再度塗装処理を施し
て、寸法検査を行う。再度不合格となったものは、再び
この工程が繰り返される(図5参照)。このようにして
歩留りを向上させているため、最終的に工数が多くなっ
てしまい、余分な費用が嵩んでしまっているのが現状で
ある。従って、工数が少なくても歩留りを向上できるよ
うに、様々な技術が模索されている。
【0006】本発明は、上記課題を解決するものであ
り、径方向及び軸方向の寸法のばらつきが小さく、少な
い工数で歩留りを向上させることができる用紙搬送ロー
ラの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の用紙搬送ローラ
の製造方法は、芯材と、該芯材の表面に形成された樹脂
層及び該樹脂層に固定され、一部が該樹脂層から突出し
ている突起形成用粉末を有する突起層と、を備える用紙
搬送ローラにおいて、該用紙搬送ローラの横断面におけ
る直径の平均値が基準値を超えるように該突起層を形成
し、その後、上記平均値が上記基準値となるように上記
突起層の表面側から研磨することを特徴とする。
【0008】また、本発明においては、上記突起層を、
上記平均値が上記基準値を5〜20μm超えるように形
成する用紙搬送ローラの製造方法とすることができる。
更に、上記研磨を、上記突起形成用粉末より硬度の高い
研磨材により行う用紙搬送ローラの製造方法とすること
ができる。また、上記研磨材がダイヤモンド及び炭化珪
素のうちの少なくとも一方である用紙搬送ローラの製造
方法とすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
搬送ローラは、ローラの軸方向の両端が固定され、突起
層により用紙が搬送されるものであり、高い寸法精度及
び十分な摩擦係数が要求される。そのため、製品化され
たローラにおいては、突起層の厚みと、樹脂層の厚みと
を、各々確認して制御する必要がある。しかし、実際の
寸法検査においては、レーザ式非接触型測定器により横
断面の外径寸法のみが評価されている。
【0010】通常、突起層の厚さ等の、ローラの各種円
筒度に関する寸法は、レーザ式非接触型測定器により測
定される。この場合、特に、突起層の厚さtは、図3
のように、樹脂層12の厚さtと、芯材11の表面と
各々の突起形成用粉末13(セラミック粉末等)の径方
向外方側の頂点までの距離dの平均値とから算出され、
芯材11の表面と仮想線Lとの距離によって表される値
となる。この場合、芯材11及び樹脂層12の寸法のば
らつきを十分に小さく抑えたとしても、セラミック粉末
等の粒子径及び粒度分布、或いは樹脂層12に埋入され
る程度などにより、寸法精度の向上には限界がある。
【0011】そこで、予めローラの横断面における直径
の平均値が基準値を超えるように形成し、その後、この
平均値が基準値となるように突起層の表面側から研磨し
たところ、径方向及び軸方向の寸法のばらつきが小さ
い、寸法精度の高い用紙搬送ローラを製造することがで
き、更には少ない工数で歩留りを向上させることができ
た。尚、基準値とは、所定の用紙搬送ローラの横断面に
おける直径の許容範囲を示す。本発明は、このような知
見に基づきなされたものである。
【0012】上記「突起層」の厚みの平均値は、この平
均値が基準値になると予想される突起形成用粉末よりも
平均粒子径の大きなもの[例えば、1.1〜1.8倍
(好ましくは1.2〜1.5倍)]を用いることで、基
準値を超えるものとすることができる。そして、突起層
表面側から研磨することにより基準値とすることができ
る。基準値を超えてローラを形成するため、ローラの横
断面の直径の分布を見たとき、基準値未満のものは存在
しないか、ほとんど形成されない。その後、研磨するこ
とにより横断面の直径の平均値が、基準値となるように
形成するため、基準値を超えたままのものもほとんど存
在しなくなる。従って、以上の工程により、基準値と極
めて誤差の少ないローラが形成され、ローラの寸法精
度、安定性が向上しつつ、突起形成用粉末より硬度の高
い研磨材により研磨加工を行うことで十分な摩擦係数が
保持される。このため、研磨加工の一工程を設けること
で、全て或いはほとんどの製品において、要求寸法が満
足され、大幅に歩留りを向上させることができる。本発
明の製造方法によれば、歩留りを90%以上、特に95
%以上にすることができる。更に、従来行われていた芯
材の回収、再塗装といった、芯材の再利用工程が大幅に
削除され、コストの削減につながる。
【0013】突起層の形成において、ローラの横断面に
おける直径の平均値を基準値よりもどれだけ超えるよう
にするかは、特に限定されるものではなく、要求される
ローラの大きさ等によって適宜調整することができる。
また、突起層形成後の研磨工程の精度等を考慮すれば、
上記平均値が上記基準値を5〜20μm(より好ましく
は5〜15μm)超えるように形成することが好まし
い。基準値を超える厚みが5μm未満の場合、基準値に
収めるのに非常に高い研磨加工技術が要求され、生産性
が低下することがある。また、基準値を塗装(突起層形
成)の段階で下回ってしまうローラの数が増加してしま
うことがある。一方、基準値を超える厚みが20μmを
超える場合、研磨が必要な量が多く、研磨工数が嵩んで
しまうことがある。更に、十分な摩擦係数の確保ができ
なくなることがある。
【0014】上記「芯材」は、十分な機械的強度を有
し、その表面に塗料及び突起形成用粉末を付着させるこ
とができればよく、その材質等は特に限定されない。こ
の芯材としては、快削鋼等にめっきを施した芯材、アル
ミニウム合金及びステンレス鋼等からなる芯材、樹脂製
の基体にめっきを施し、導電性を付与した芯材等を使用
することができる。これらの少なくとも表面が導電性で
ある芯材であれば、粉体塗料を用いた静電塗装法によ
り、粉体塗料及び突起形成用粉末を芯材に容易に、且つ
均一に付着させることができる。更に、この芯材の表面
には、めっきし易いようにプライマ層を設けることもで
き、柔軟性を向上させるため、発泡樹脂層等を形成する
こともできる。また、芯材は中実体であっても、中空体
であってもよい。
【0015】上記「樹脂層」は、加熱により硬化する、
又は加熱により溶融し、降温にともなって再び固化する
樹脂を含む塗料を用いて形成することができる。この樹
脂層の厚さは、突起形成用粉末の粒子径等にもより、特
に限定されない。樹脂層を形成する塗料としては、各種
の合成樹脂塗料及び粉体塗料等が挙げられ、吹付塗装
法、流動浸漬法、電界流動粉体塗装法等の静電塗装法な
どの塗装方法により適宜選択して使用することができ
る。これらの塗料及び塗装方法のうちでは、粉体塗料を
用いて電界流動粉体塗装法により樹脂層を形成すること
が好ましい。これにより、芯材の表面に、突起形成用粉
末が強固に固定された均質な樹脂層を容易に形成するこ
とができる。
【0016】粉体塗料としては、熱硬化性樹脂又は熱可
塑性樹脂を主成分とする粉体塗料を使用することができ
る。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、フェノール
樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂及びシリコーン樹脂
等が挙げられ、特に、グリシジルエーテル型エポキシ樹
脂及びアクリル樹脂等が好ましい。熱可塑性樹脂として
は、飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂及びアクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂等が挙げら
れ、特に、飽和ポリエステル樹脂等が好ましい。粉体塗
料は、これら熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の各々の1
種のみを含むものでもよく、2種以上を含むものでもよ
い。
【0017】粉体塗料としては、エポキシ樹脂粉末と、
硬化剤であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂粉末
とを主成分とするものが好ましく、エポキシ樹脂粉末と
しては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂粉末が特に
好ましい。この粉体塗料を使用すれば、樹脂層の厚さを
容易に均一にすることができ、且つ突起形成用粉末をよ
り強固に固定することができる。粉体塗料の平均粒子径
は特に限定されず、突起形成用粉末の平均粒子径によっ
て適宜調整される。
【0018】樹脂層の表面から突出する突起形成用粉末
は、搬送される用紙の種類等によって選定することが好
ましい。例えば、搬送により突起を摩耗させ易い用紙を
搬送する場合は、アルミナ、炭化珪素、酸化鉄、酸化ク
ロム、酸化セリウム、酸化チタン等からなり、硬度が大
きく、耐摩耗性に優れた突起形成用粉末を使用すること
が好ましい。また、突起形成用粉末としては、この他、
非晶質シリカ粉末、ムライト、カーバイド等、及びニッ
ケル粉末、鉄粉末等の金属粉末などを使用することもで
きる。これらの突起形成用粉末は、1種のみを用いても
よいし、2種以上を併用することもできる。
【0019】上記「研磨」は、一般的な方法により行う
ことができるが、通常、研磨材を用いて行われる。なか
でも、突起形成用粉末の材質よりも硬度の高い研磨材を
用いて行うことが好ましい。研磨材としては、砥石等が
挙げられ、この砥石としては、炭化珪素、酸化アルミ及
びダイヤモンド等からなるものが挙げられる。なかで
も、ダイヤモンド及び炭化珪素のうちの少なくとも一方
であることが好ましい。これらを用いた場合、突起形成
用粉末の研磨面が平滑になることなく、突起層の表面側
を粗面とすることができるため、適度な摩擦係数が確保
され、更には高い寸法精度の用紙搬送ローラとすること
ができる(図6参照)。
【0020】本発明における用紙搬送ローラは、以上の
ような方法により得られるので、高い寸法精度及び十分
な摩擦係数が得られると共に、要求寸法を満足する用紙
搬送ローラを少ない工数で容易に得ることができる。従
って、寸法検査で不合格となり、塗料を剥離させて再度
塗装処理を施すものが極めて減少され、歩留りが大幅に
向上し、最終的に製造コストの低減につながる。
【0021】本発明における用紙搬送ローラは、図1の
ように、搬送装置の一部として用いることにより用紙3
を搬送することができる。即ち、突起形成用粉末13が
固定された樹脂層12を備える用紙搬送ローラ1と、突
起を有する樹脂層を備えない駆動ローラ2とで、用紙3
を挟持し、各ローラを回転させることにより用紙3が搬
送される。用紙搬送ローラ1は、芯材11の表面に形成
された樹脂層12により固定された突起形成用粉末13
からなる突起部を有し、この突起部により、用紙3が効
率よく、且つ安定して搬送される。尚、この用紙には、
普通紙、再生紙、樹脂含浸紙、熱転写紙、コート紙、光
沢紙及び紙幣等の紙類ばかりでなく、オーバーヘッドプ
ロジェクタ用シート、光沢フィルム、ラミネート用フィ
ルム等の紙製ではないシート或いはフィルムも含まれる
ものとする。
【0022】この用紙搬送ローラでは、特に、芯材の表
面に粉体塗料及び突起形成用粉末を静電力により付着さ
せることにより、突起も含めた樹脂層の厚さをより精度
よく均一にすることができる。そのため、ローラの芯出
し精度が向上し、搬送時の用紙の斜行を防止することが
できる。更に、静電塗装法のうちでも電界流動粉体塗装
法がより好ましく、この方法では、付着しなかった粉体
塗料又は突起形成用粉末を回収し、再使用することがで
きる。また、粉体塗料或いは突起形成用粉末の種類が異
なる場合も、同一の装置及び方法により製造することが
できる。
【0023】静電塗装法においては、通常、芯材を接地
させ、粉体塗料及び突起形成用粉末を帯電させ、これら
の電位の差により静電力を発生させ、粉体塗料及び突起
形成用粉末を芯材に付着させる。粉体塗料及び突起形成
用粉末は、これらに高電圧を印加することができるスプ
レーノズル等を通過させて帯電させ、これを接地された
芯材、又は既に粉体塗料、或いは突起形成用粉末が付着
した芯材、に吹き付けることにより付着させることがで
きる。尚、粉体塗料又は突起形成用粉末の誘電率が高い
場合は、これらがスプレーノズル等を通過する際の摩擦
のみにより帯電させることができる場合もある。
【0024】以下、電界流動粉体塗装装置を使用し、芯
材に粉体塗料及び突起形成用粉末を付着させる方法につ
いて説明する。図2のような電界流動粉体塗装装置4を
用いて、粉体塗料又は突起形成用粉末からなるクラウド
に芯材11を浸漬し、粉体塗料又は突起形成用粉末を付
着させる。この装置では、帯電針45付近を通過させる
こと、又は帯電針45に接触させることにより、粉体塗
料又は突起形成用粉末を帯電させることができる。この
帯電針と同様に、粉体塗料又は突起形成用粉末が通過し
得る多孔性の帯電板によって帯電させることもでき、同
様に粉体塗料又は突起形成用粉末が、この帯電板の連通
孔を通過すること、又は連通孔壁に接触すること等によ
り帯電させることもできる。
【0025】電界流動粉体塗装装置4の流動槽41の容
量、形状及び材質等は特に限定されない。また、この流
動槽41内に形成されるクラウドとは、粉体塗料又は突
起形成用粉末が均一に分散し、雲状に浮遊している状態
を意味する。このようなクラウドは、流動槽41の下方
から空気等の気体を吹き込み、上昇する気体により粉体
塗料又は突起形成用粉末を均一に浮遊させることにより
形成させることができる。粉体塗料又は突起形成用粉末
は、上昇する気流により浮上し、浮力と、重力により落
下しようとする力とが釣り合う位置で浮遊し、クラウド
を形成する。
【0026】例えば、図2の電界流動粉体塗装装置4で
は、装置下部の、粉体塗料及び突起形成用粉末は透過せ
ず、空気等は流通することができる多孔質体からなる底
板、或いは柔軟な多孔膜等が配設された粉末投入部42
に粉体塗料又は突起形成用粉末を投入し、送風機46か
ら空気等を吹き込み、第1吹き出し管441及び第2吹
き出し管442から流動槽の頂部に向かって吹き出し、
この気流によってクラウドを形成することができる。
【0027】尚、この装置は、図2のものに限られず、
第1吹き出し管441及び第2吹き出し管442は、粉
末を均一に分散させ、浮遊させることができる限り、ど
のような位置にあってもよい。更に、上記のように塗料
粉末と突起形成用粉末とを別々に付着させることによ
り、芯材の軸方向においてより均質なローラとすること
ができるが、粉体塗料と突起形成用粉末とを予め混合
し、この混合粉末を粉末投入部42投入し、粉体塗料と
突起形成用粉末とを一時に芯材に付着させることもでき
る。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例1(図2の電界流動粉体塗装装置を用いて用
紙搬送ローラを製造した例) [1]使用した電界流動粉体塗装装置の概要 この電界流動粉体塗装装置4では、粉体塗料又は突起形
成用粉末を粉末投入部42に投入する。この粉末投入部
42は粉末揺動モータ43により揺動させることがで
き、投入された粉体塗料又は突起形成用粉末を底板等の
上面に均等に分散させることができる。また、送風機4
6から空気を供給し、第1吹き出し管441、第2吹き
出し管442及び芯材側吹き出し管443から吹き出さ
せることができる。
【0029】第1吹き出し管441及び第2吹き出し管
442から吹き出される空気は、流動槽41の頂部に向
かって上昇し、粉体塗料又は突起形成用粉末からなるク
ラウドが形成される。そして、粉体塗料及び突起形成用
粉末の各々は、帯電針45の周縁を通過及び/又は帯電
針45に接触する際に帯電し、芯材側吹き出し管443
から吹き出される空気により芯材11に吹き付けられ、
静電力により付着される。芯材11は、回転用モータ4
7により回転させることができ、芯材11の周面に粉体
塗料又は突起形成用粉末を均一に吹き付けることができ
る。また、供給された空気は各々の粉末とともに流動槽
41の上部から集粉機48により吸引され、流動槽41
の外側下部から投入され、再利用される。
【0030】[2]用紙搬送ローラの製造[要求寸法
(基準値);直径12.935±0.005mm] (1)粉体塗料の付着 快削鋼(SUM23L)を切削加工し、その後、約4μ
mの厚さの無電解ニッケルめっきを施した芯材(直径1
2.865±0.005mm、長さ330mm)を用
い、この芯材を、吹き付け管からの距離が15cmとな
る位置に配設した。その後、底板上にポリエステル/エ
ポキシ系粉体塗料(大日本塗料株式会社製、商品名「V
−PET」、平均粒径;30μm)を投入し、底板を揺
動させて粉体塗料を均等に分散させた。次いで、帯電針
に−24kVの電圧を印加し、第1吹き出し管からは
0.0175MPa、第2吹き出し管からは0.12M
Paの圧力で空気を吹き出し、粉体塗料からなるクラウ
ドを形成した。芯材は回転用モータにより1.3m/分
の速度で回転させ、芯材側吹き出し管から0.23MP
aの圧力で空気を吹き出し、15秒間、粉体塗料を芯材
に静電力により付着させた。
【0031】(2)突起形成用粉末の付着 (1)の操作の後、流動槽内を清掃し、粉体塗料を十分
に除き、粉体塗料が付着された芯材を(1)と同位置に
配設した。次いで、突起形成用粉末としてセラミックス
(種類;アルミナ、昭和電工株式会社製、商品名「モラ
ンダムA#240」、平均粒子径;60μm)を底板上
に投入し、底板を揺動させて突起形成用粉末を均等に分
散させた。その後、帯電針に−18kVの電圧を印加
し、第1吹き出し管からは0.02MPa、第2吹き出
し管からは0.2MPaの圧力で空気を吹き出し、突起
形成用粉末からなるクラウドを形成した。芯材は回転用
モータにより1.3m/分の速度で回転させ、芯材側吹
き出し管から0.12MPaの圧力で空気を吹き出し、
15秒間、突起形成用粉末を既に粉体塗料が付着してい
る芯材に静電力により付着させた。尚、突起形成用粉末
の平均粒子径は、JIS R 6001に規定された電
気抵抗試験方法による粒度分布における累積高さ50%
点の粒子径とする。
【0032】(3)焼き付け処理 流動槽から粉体塗料及び突起形成用粉末が付着された芯
材を取り出し、これを180℃に調温された熱風型乾燥
炉に入れ、20分間加熱して焼き付けた後、室温まで冷
却した。同様にして100本の用紙搬送ローラを製造
し、ローラの横断面における直径の平均値をレーザ式非
接触型測定器(株式会社ミツトヨ製、形式「LSM−3
100」)により測定した。その結果、平均直径は1
2.9423mmであり、最大直径は12.9506m
m、最小直径は12.9307mmであった。この際、
要求寸法直径(基準値)より7.3μmを超えてローラ
が形成されたことが分かる。このうち、要求寸法直径1
2.935±0.005mmに対して、直径12.93
5+0.005(12.940)mmを超えるものを7
1本選別した。尚、残りの29本は全てが要求寸法直径
を満たしていた。
【0033】(4)研磨加工 上記(3)で選別した71本の用紙搬送ローラをダイヤ
電着ホイール(岡崎精工株式会社製)により、砥石回転
数1200rpm、送り速度(片道)20秒にて円筒研
磨した。その結果、平均直径は12.9371mmであ
り、最大直径は12.9408mm、最小直径は12.
9288mmであった。このうち、要求寸法直径12.
935±0.005mmを満足しないものは4本であっ
た。
【0034】(5)摩擦係数の測定 上記(4)において、要求寸法を満足した67本の用紙
搬送ローラについて、摩擦係数を測定した。測定方法
は、図4に示すように、水平に固定された用紙搬送ロー
ラ7の表面に、プリンタ用紙6(ハイグロスフィルムH
G101、Canon株式会社製、縦120mm、横3
0mmに裁断)が1/4円周分接するように配置し、用
紙の一端に荷重(W;N)として、用紙とローラとの密
着性を高めるために、おもりを固定して垂直方向下方へ
垂らして、上記プリンタ用紙6の他端をフォースゲージ
5に装着した。次いで、用紙搬送ローラ7を時計回り
(おもりの垂れる方向)に1分間に50回転の速度で回
転させて、プリンタ用紙6を用紙搬送ローラ7方向側に
引っ張り、フォースゲージ5によって測定した。その測
定値(f;N)から下記の数式を用いて静止摩擦係数を
求めた。 静止摩擦係数=(2/π)×ln(f/W) この結果、67本の用紙搬送ローラの平均摩擦係数は
0.938であり、全てにおいて、問題なく用紙を搬送
可能な摩擦係数(上記測定方法においては、通常、0.
75以上)を満足していた。また、67本のローラのう
ち最も摩擦係数が大きかったものは1.012であり、
最小のものでも0.886であった。従って、本実施例
の用紙搬送ローラは、高い寸法精度とともに、十分な摩
擦係数も確保されていることが確認できた。
【0035】(6)結果 以上の実施例の結果から、突起形成用粉末となるセラミ
ック粒子について、大きい粒子径のものを選択し、予め
基準値よりも厚い突起層を形成しておいて、その後、突
起層を表面側から研磨加工することにより、ほとんどの
用紙搬送ローラにおいて、要望に応える突起層を形成す
ることができた。このため、本実施例においては、96
%にまで歩留りを向上させることができ、コストを極め
て低減させることができた。
【0036】尚、本発明においては、上記の具体的な実
施例に記載されたものに限られず、目的、用途等に応じ
て本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることがで
きる。即ち、粉体塗料又は突起形成用粉末を付着させる
際に帯電針に印加される電圧は−5〜−45kVの範囲
で調整することができる。また、粉体塗料又は突起形成
用粉末を付着させる際の第1吹き出し管からの空気の吹
き出し圧は0.005〜0.1MPa、第2吹き出し管
からの空気の吹き出し圧は0.01〜0.3MPa、芯
材側吹き出し管からの空気の吹き出し圧は0.01〜
0.3MPaの範囲で調整することができる。更に、1
基の装置を清掃して用いるのではなく、粉体塗料と突起
形成用粉末、それぞれ専用の装置を使用し、連続的に製
造することもできる。更に、1基の装置内において、粉
体塗料及び突起形成用粉末の各々のクラウドを形成し、
粉体塗料と突起形成用粉末を連続的に付着させることに
よって、より効率的にローラを製造することもできる。
【0037】
【発明の効果】本発明の用紙搬送ローラの製造方法で
は、ローラの横断面における直径の平均値が基準値を超
えるように該突起層を形成し、研磨加工の一工程を設け
ることで、用紙搬送ローラの径方向及び軸方向の寸法の
ばらつきを十分に小さくすることができ、しかも十分な
摩擦力により用紙の搬送を安定して行うことができる。
このため、歩留りを大幅に向上させることができる。ま
た、研磨加工が上記突起形成用粉末の材質よりも高い硬
度の砥石を用いて行われることによって、十分な摩擦係
数を確保したまま、寸法精度を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の用紙搬送ローラを用いた用紙の搬送を
模式的に示す断面図である。
【図2】実施例において用いた用紙搬送ローラを製造す
る電界流動粉体塗装装置を模式的に示す断面図である。
【図3】突起層の厚さを模式的に説明するための断面図
である。
【図4】実施例において摩擦係数を測定する方法を示す
説明図である。
【図5】従来の用紙搬送ローラの製造工程を説明するチ
ャート図である。
【図6】突起層の研磨における、研磨前及び研磨後の様
子を説明する模式図である。
【符号の説明】
1;用紙搬送ローラ、11;芯材、12;樹脂層、1
3;突起形成用粉末、2;駆動ローラ、3;用紙、4;
電界流動粉体塗装装置、41;流動槽、42;粉末投入
部、43;粉末揺動モータ、441;第1吹き出し管、
442;第2吹き出し管、443;芯材側吹き出し管、
45;帯電針、46;送風機、47;回転用モータ、4
8;集粉機、5;フォースケージ、6;用紙、7;用紙
搬送ローラ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材と、該芯材の表面に形成された樹脂
    層及び該樹脂層に固定され、一部が該樹脂層から突出し
    ている突起形成用粉末を有する突起層と、を備える用紙
    搬送ローラにおいて、該用紙搬送ローラの横断面におけ
    る直径の平均値が基準値を超えるように該突起層を形成
    し、その後、上記平均値が上記基準値となるように上記
    突起層の表面側から研磨することを特徴とする用紙搬送
    ローラの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記突起層を、上記平均値が上記基準値
    を5〜20μm超えるように形成する請求項1記載の用
    紙搬送ローラの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記研磨を、上記突起形成用粉末より硬
    度の高い研磨材により行う請求項1又は2に記載の用紙
    搬送ローラの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記研磨材がダイヤモンド及び炭化珪素
    のうちの少なくとも一方である請求項3記載の用紙搬送
    ローラの製造方法。
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