JP2000263811A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000263811A
JP2000263811A JP6957799A JP6957799A JP2000263811A JP 2000263811 A JP2000263811 A JP 2000263811A JP 6957799 A JP6957799 A JP 6957799A JP 6957799 A JP6957799 A JP 6957799A JP 2000263811 A JP2000263811 A JP 2000263811A
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JP
Japan
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ink
electro
conversion element
recording head
temperature
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JP6957799A
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English (en)
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Hideyuki Kitajima
秀行 喜多島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した画像形成を行うことができる画像形
成装置を提供する。 【解決手段】 記録ヘッド14は、インクを吐出するノ
ズル111と、ノズル111に連通する圧力発生部11
2内に設けられた電気・機械変換素子124及び電気・
熱変換素子126とを有する。制御装置がヘッド温度検
出センサで検出された記録ヘッドの温度(インク温度)
に基づいて電気・熱変換素子126に所定の駆動信号を
送ると、電気・熱変換素子126は発熱し、ノズル11
1内のインク温度は予め決められた所定の温度に保持さ
れる。これにより、インク吐出を行う前には、常に、イ
ンクの粘度を一定にすることができる。その後、制御装
置が電気・機械変換素子124を駆動すると、その機械
的変形によってノズル111内のインクに圧力が加わ
り、インク液滴102がノズル111から吐出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル内に発生し
た圧力によりインクをノズルから噴射し、画像を形成す
る画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式画像出力は、オンデマ
ンド(on demand )方式による画像形成を行うことによ
り、非接触で記録媒体に印字でき、且つ、画像形成にお
けるインクの無駄を少なくすることができる点、さらに
は、画像形成に際しての静音性等の利点から、画像形成
装置に汎く用いられている。
【0003】インクジェット画像形成装置では、ノズル
からのインクの吐出を実現するための方法として、ピエ
ゾ方式や、サーマルインクジェット方式がある。ピエゾ
方式では、電歪アクチュエータ(圧電素子)又は磁歪ア
クチュエータ等の電気・機械変換素子を用い、その機械
的変形によってインクに対する圧力を発生させる。一
方、サーマルインクジェット方式では、熱抵抗素子やペ
ルチェ素子等の電気・熱変換素子を用い、熱膨張部材の
変形によって、又は発熱により生じた気泡によってイン
クに対する圧力を発生させる。ここで、電気・機械変換
素子、電気・熱変換素子は、ノズルに連通するインク流
路内に設けられる。そして、これら両方式ともに、電気
・機械変換素子又は電気・熱変換素子に駆動パルスを加
えて、ノズル内の圧力を高めることによってインク液滴
の噴射を行う。ノズルから吐出されたインク液滴は飛翔
し、記録媒体へと着弾することにより、画像形成が行わ
れる。
【0004】図10は従来のインクジェット画像形成装
置におけるピエゾ方式の記録ヘッドの概略断面図であ
る。この記録ヘッドは、複数の基板を重ねて接合した積
層構造のものである。図10(a)に示すように、第一
基板221上に第三基板であるチャンネル基板223が
積層され、その対向する側に第二基板222が形成され
ている。第二基板222とチャンネル基板223との先
端部分であって間隔が狭くなった部分がノズル211で
ある。第一基板221の中央略左寄りには、エッチング
により凹部212が形成されている。この凹部212に
は、電気・機械変換素子224と、個別電極(第一の電
極)225とが設けられている。個別電極225は、第
一基板221上に形成され、電気・機械変換素子224
は、個別電極225に対向するチャンネル基板223に
形成されている。尚、電気・機械変換素子224は図示
しない共通電極(第二の電極)に接続されている。
【0005】また、凹部212に隣接する右側部分に
は、チャンネル基板223の未エッチング部227があ
る。この未エッチング部227は、インク吐出時にイン
クがインク供給部230の側に押し戻されるのを防止
し、インク吐出の推進力が減じないようにする役割を果
たす。
【0006】電気・機械変換素子224と個別電極22
5とが等電位の場合、それらは図10(a)に示すよう
な平衡状態にあるとする。いま、電気・機械変換素子2
24若しくは個別電極225、又は電気・機械変換素子
224と個別電極225との両方に電圧を印加して、電
気・機械変換素子224と個別電極225との間に+・
+若しくは−・−の同極性による斥力を発生させる。こ
れにより、図10(b)に示すように、電気・機械変換
素子224は機械的に変形し、そして、この電気・機械
変換素子224の機械的変形によって発生した圧力によ
りインク液滴202がノズル211より吐出される。ま
た、次のようにしてインク吐出を制御することもでき
る。すなわち、まず、図10(a)の平衡状態から、電
気・機械変換素子224と個別電極225とに互いに異
なる極性の電圧を印加して電位差を生じさせる。する
と、電気・機械変換素子224は、図10(c)に示す
ように、個別電極225に引き付けられる。これによ
り、インクは、インク供給部230からノズル211の
側へ向かって供給される。その後、電圧の印加を止め、
電気・機械変換素子224と個別電極225とを同電位
にすると、電気・機械変換素子224は、図10(a)
に示すように、電界の力から開放されて自らの復元力に
より第二基板222の側に復元する。そして、この復元
力によってノズル211内の圧力が高められ、インク液
滴202がノズル211より吐出される。尚、積極的に
上述の斥力と復元力の両方を発生させ、図10(c)の
状態から図10(b)の状態に到らしめて、インク液滴
202を発生させてもよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インク液滴
の大きさ、すなわちインク吐出量は、特開平9−052
362号公報に述べられているように、たとえ同じ構造
のノズルによってインク吐出が行われる場合であって
も、インクの色毎に異なる。これは、インクそれぞれの
化学的物性の相違、主として物性的な粘度の違いによる
ものである。このため、各色のインク吐出量に差のない
ように各色のインクの化学的物性を均一にしたり、記録
媒体に着弾後もインクの種類に依らない均一なインクド
ットを形成するためのインク質、及び記録媒体の表面の
質・処理等に工夫がなされている。
【0008】しかしながら、インクの粘度はインク温度
に応じて変化する。このため、インクジェット画像形成
方法には、吐出前のノズル内のインク温度に応じて、噴
射されるインク吐出量が異なるという問題がある。イン
クのおかれる環境の温度とインクの粘度との関係は、圧
電素子を用いたインクジェット記録装置について特開平
10−278309号公報に記載されている。また、こ
の公報には、環境の温度変化が吐出性能に与える影響に
ついても言及している。それによると、環境温度(イン
ク温度)が低い場合、インクの粘度が高くなって、吐出
されるインク液滴の体積が減少し、記録濃度が薄くな
る。逆に、環境温度(インク温度)が高い場合、インク
の粘度が低くなって、吐出されるインク液滴の体積が増
大する。このとき、圧電素子に連続したパルスを印加し
て吐出を行うと、しぶきが発生し、記録媒体上に安定し
整ったドットが形成できなくなり、又は、ミストやサテ
ライトと呼ばれる、意図しない不要なインク液滴を生じ
る。このように、インクの粘度、したがってインク温度
が変わると、記録品位が変化する。
【0009】かかる問題を解決するために、サーマルイ
ンクジェット方式による記録ヘッドでは、その記録ヘッ
ドのノズルの昇温を検知する温度検知センサと、ペルチ
ェ素子とを設け、ペルチェ素子の吸熱作用により、過熱
を防止したり、又は吐出後のノズル内のインクをクーリ
ングする方法が、サーマルインクジェット方式の考案当
初から考えられていた。また、特開平4−250057
号公報や特開平9−011464号公報には、記録ヘッ
ド温度検知手段を設け、その記録ヘッド温度検知手段で
検知した記録ヘッドの温度に基づいて、発熱抵抗体(電
気・熱変換素子)に予備加熱のためのプレパルス(第一
のパルス)を加える方法が考案されている。すなわち、
まず、インクの吐出を行わない程度のエネルギーをイン
クに与えるための第一のパルスを発熱抵抗体に加えて、
発熱抵抗体周辺のインクの温度を予めある一定温度まで
上昇させておく。その後、発熱抵抗体にインクの吐出に
直接関わるメインパルス(第二のパルス)を加えて、発
熱抵抗体上のインク流路内に気泡を生じさせ、その気泡
の圧力でインクを吐出する。このとき、記録ヘッドの温
度に応じて、第一のパルスのパルス幅、又はある単位の
パルスのパルス数を変化させることにより、ノズル内の
インク温度を所定の温度又は所定の温度範囲内に保持す
ることができる。このため、かかる環境下でインクを吐
出すれば、噴射されるインク液滴量を適正に制御するこ
とができる。尚、複数のノズルを持つマルチノズルヘッ
ドでは、ヘッド内で温度分布が存在するので、複数設け
られた発熱抵抗体それぞれの場所に応じて個々に第一の
パルスのパルス幅を制御する方法も上記特開平4−25
0057号公報に記載されている。
【0010】一方、圧電素子(電気・機械変換素子)を
用いた記録ヘッドの場合には、上記問題を解決するため
に、特開平9−57966号公報や特開平10−278
309号公報に開示されているように、記録ヘッド温度
検知手段を設け、その記録ヘッド温度検知手段で検知し
た記録ヘッドの温度に基づいて、圧電素子に与える駆動
パルスの、振幅、駆動時間、駆動波形、印加電圧、駆動
パルス数等を変える方法等が考案されている。
【0011】更に、上記のインク粘度の問題に加えて、
熱抵抗素子等の電気・熱変換素子を用いた記録ヘッドの
場合にあっては、発熱・放熱の繰り返しによって残留熱
が生じ、周波数応答性が悪化することによって、インク
をノズルから吐出するのに十分な推進力が得られなくな
るため、安定した画像を形成できず、記録品位が低下す
るという問題がある。電気・機械変換素子を用いた記録
ヘッドの場合にあっても、例えば、第一の電極と第二の
電極との間の電圧の印加・放電による電荷の蓄積・放電
の繰り返しに対し、第一の電極と第二の電極との間に挿
置された絶縁物質すなわち誘電体が帯電して残留電荷が
生じることによって、同様の問題が生じる。しかも、か
かる残留熱又は残留電荷が生じる問題は、インクをノズ
ルから繰り返し吐出する速度である駆動周波数に対する
記録ヘッドの応答性に限界を与えるため、印字速度にも
一定の上限がある。
【0012】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、安定した画像形成を行うことができる画像形成
装置を提供することを目的とするものである。
【0013】また、本発明の他の目的は、印字速度の向
上を図ることがてきる画像形成装置を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に係る画像形成装置は、インクを吐出する複
数のノズルと、前記各ノズルに連通するインク流路内に
設けられた、前記ノズルからインクを吐出するための圧
力を発生させる電気・機械変換素子と、前記各インク流
路内に設けられた電気・熱変換素子とを有する記録ヘッ
ドと、前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出
手段と、前記ヘッド温度検出手段で検出された前記記録
ヘッドの温度に基づいて、インク吐出前に前記ノズル内
のインク温度が予め定められた所定の温度に保たれるよ
うに、前記電気・熱変換素子を駆動制御する制御手段
と、を具備することを特徴とするものである。
【0015】また、上記の目的を達成するための本発明
に係る画像形成装置は、インクを吐出する複数のノズル
と、前記各ノズルに連通するインク流路内に設けられ
た、前記ノズルからインクを吐出するための圧力を発生
させる電気・熱変換素子と、前記各インク流路内に設け
られた電気・機械変換素子とを有する記録ヘッドと、前
記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、
前記ヘッド温度検出手段で検出された前記記録ヘッドの
温度に基づいて、インク吐出時に前記インク流路の径が
所定量だけ収縮・拡張するように、前記電気・機械変換
素子を駆動制御する制御手段と、を具備することを特徴
とするものである。
【0016】また、上記の目的を達成するための本発明
に係る画像形成装置は、インクを吐出する複数のノズル
と、前記各ノズルに連通するインク流路内に設けられた
電気・機械変換素子及び電気・熱変換素子とを有する記
録ヘッドと、前記電気・機械変換素子又は/及び前記電
気・熱変換素子を駆動制御することにより、前記ノズル
からインクを吐出させる制御手段と、を具備することを
特徴とするものである。
【0017】更に、上記の目的を達成するための本発明
に係る画像形成装置は、インクを吐出する複数のノズル
と、前記各ノズルに連通するインク流路内に設けられ
た、前記ノズルからインクを吐出するための圧力を発生
させる電気・機械変換素子と、前記電気・機械変換素子
に対して前記ノズルと反対側に設けられた電気・熱変換
素子とを有する記録ヘッドと、インク吐出時に前記電気
・熱変換素子を駆動制御することにより、前記インク流
路内に発生した気泡によって前記インク流路の径を収縮
させる制御手段と、を具備することを特徴とするもので
ある。
【0018】また、上記の目的を達成するための本発明
に係る画像形成装置は、インクを吐出する複数のノズル
と、前記各ノズルに連通するインク流路内に設けられ
た、前記ノズルからインクを吐出するための圧力を発生
させる電気・熱変換素子と、前記電気・熱変換素子の近
傍に設けられた電気・機械変換素子とを有する記録ヘッ
ドと、インク吐出時に前記電気・機械変換素子を駆動制
御することにより、前記電気・機械変換素子の機械的変
形によって前記インク流路の径を収縮させる制御手段
と、を具備することを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は本発明の第一実施
形態である画像形成装置の概略斜視図、図2はその画像
形成装置の記録ヘッドの概略断面図、図3はペルチェ効
果を説明するための図、図4は第一実施形態の画像形成
装置の制御装置の概略ブロック図、図5はその制御装置
の記録ヘッド記録回路の概略構成図である。
【0020】第一実施形態の画像形成装置は、図1及び
図4に示すように、プラテン11と、ガイドシャフト1
2と、キャリッジ13と、記録ヘッド14と、キャリッ
ジホームポジションセンサ15と、ヘッド温度検出セン
サ16と、媒体検知センサ17と、キャリッジモータ1
8と、搬送モータ19と、操作パネル21と、制御装置
30とを備えるものである。
【0021】プラテン11は、その上面に記録媒体2を
載置するものである。記録媒体2はプラテン11上で記
録ヘッド14により記録されると共に、搬送モータ19
によって駆動搬送されて、プラテン11上を移動する。
【0022】プラテン11の上方には、例えば二本の互
いに平行なガイドシャフト12がプラテン11と平行に
架設されている。ガイドシャフト12には、スライド軸
受け(不図示)を介してキャリッジ13が取り付けられ
ている。このキャリッジ13は、制御装置30の制御に
応じて動作し、キャリッジモータ18によってガイドシ
ャフト12に沿って平行に往復移動することができる。
【0023】キャリッジ13の前面側には、インクを吐
出する記録ヘッド14が取り付けられている。これによ
り、記録ヘッド14は、キャリッジ13と一体となっ
て、ガイドシャフト12に沿って移動することができ
る。記録ヘッド14は多数のノズルを有し、各ノズルか
らインクが吐出する。これらのノズルは、記録媒体2の
搬送方向に沿って直線状に配列されている。また、記録
ヘッド14には、記録ヘッドの温度(インクの温度)を
検出するヘッド温度検出センサ16が設けられている。
ヘッド温度検出センサ16は、検出した記録ヘッドの温
度についての情報を制御装置30に送る。
【0024】キャリッジホームポジョンセンサ15は、
キャリッジ13がホームポジションにあることを検出す
るものである。媒体検知センサ17は、記録媒体2の有
無を検知するものである。キャリッジホームポジション
センサ15及び媒体検知センサ17からの信号は制御装
置30に送られる。
【0025】次に、第一実施形態の記録ヘッド14の構
造について説明する。記録ヘッド14は、図2(a)に
示すように、複数のインク流路部110と、インク供給
部130とを備える。ここで、図2はインク流路部11
0の配列方向に垂直な平面で切ったときの一つのインク
流路部110についての断面図を示している。各インク
流路部110は、ノズル111と、ノズル111に連通
する圧力発生部112と、圧力発生部112に連通する
第一インク供給路113と、第一インク供給路113に
連通する第二インク供給路114とを有する。インク供
給部130は、複数のインク流路部110に連通してお
り、各インク流路部110の第二インク供給路114に
インクを供給する。
【0026】また、かかる記録ヘッド14は、複数の基
板を重ねて接合した積層構造のものである。図2(a)
に示すように、第一基板121上に第三基板であるチャ
ンネル基板123が積層され、その対向する側に第二基
板122が形成されている。ここで、チャンネル基板1
23はシリコン基板であり、例えば、不純物としてのリ
ンがドープされたn型の単結晶シリコンを用いている。
図2(a)において、第一基板121の中央略左寄りに
は、エッチングにより凹部が形成されている。この凹部
に対応する部分が圧力発生部112である。圧力発生部
112には、電気・機械変換素子124と、個別電極1
25と、電気・熱変換素子126とが設けられている。
個別電極125は、圧力発生部112内の第一基板12
1上に形成され、その個別電極125の上側に電気・機
械変換素子124が形成されている。一方、電気・熱変
換素子126は、圧力発生部112内の第二基板122
上に形成されている。尚、電気・機械変換素子124は
図示しない共通電極に接続されている。
【0027】また、圧力発生部112に隣接する右側部
分には、チャンネル基板123の未エッチング部127
がある。この未エッチング部127により第二基板12
2とチャンネル基板123との間隔が狭くなった部分
が、第一インク供給路113である。この未エッチング
部127は、インク吐出時にインクがインク供給部13
0の側に押し戻されるのを防止する役割を果たす。
【0028】電気・機械変換素子124は、その機械的
変形に伴う運動によって圧力発生部112内でインクに
圧力を加え、その圧力をインク吐出の推進力として、イ
ンクをノズル111から吐出させるものである。電気・
機械変換素子を用いてインクを吐出させる方式の記録ヘ
ッドでは、電気・熱変換素子を用いてインクを吐出させ
る方式のものと異なり、過熱現象によってノズルにダメ
ージを与える心配はほとんどない。
【0029】また、第一実施形態では、電気・熱変換素
子126は、インクを吐出するための圧力を発生させる
役割を果たすものではなく、その発熱によってインク吐
出前にノズル111内のインクの温度を予め定められた
所定の温度に保持するために利用される。電気・熱変換
素子126としては、例えば、ヒータ(熱抵抗素子)
や、ペルチェ素子等を用いることができる。特に、ペル
チェ素子は、いわゆるペルチェ効果を奏し、印加電圧を
正逆反転させることにより、吸熱(クーリング)及び放
熱(ヒーティング)を行うことができる。
【0030】ここで、ペルチェ効果について簡単に説明
する。ペルチェ効果は、導体や半導体等の材質の異なる
二種類の抵抗体を直列に繋いだとき、それぞれの抵抗を
通過する電流の大きさは等しいけれども、自由電子が運
ぶ運動エネルギーの合計に差があるため、その接点に電
流を流すと電導率の違いから熱の移動が起こるという現
象である。例えば図3に示すように、P型とN型の半導
体でペルチェ素子を作った場合、P型からN型へ電子が
移動するときには、その接合部分では熱を吸収して、自
由電子が通過し、一方、N型からP型へ電子が移動する
ときには、その接合部分では熱を放出して、自由電子が
通過する。かかる構成をとるペルチェ素子モジュールに
電圧を印加することによって、吸熱及び放熱作用を得る
ことができる。また、上記に示す印加電圧の正逆を反転
させることにより、吸熱側と放熱側を反対にすることが
できる。
【0031】このように、かかる記録ヘッド14は、電
気・機械変換素子124と電気・熱変換素子126とを
共に用いたものであり、第一実施形態の画像形成装置
は、新しいインクジェット方式に係るものである。
【0032】制御装置30は、画像形成装置の各部の制
御を統括するものであり、例えば、ヘッド温度検出セン
サ16から送られた記録ヘッドの温度に基づいて、電気
・熱変換素子126を駆動制御する。また、記録ヘッド
14に記録指令を送ると共に、キャリッジモータ18や
搬送モータ19の制御を行うことにより、画像形成を実
行させる。具体的には、制御装置30は、キャリッジ1
3の動作を制御して、記録ヘッド14をガイドシャフト
12に沿って左右に移動させる。このとき、制御装置3
0が記録ヘッド14に記録指令を送ると、記録ヘッド1
4のノズルからインクが吐出する。これにより、記録媒
体2にはノズル幅分の画像が形成される。そして、記録
媒体2をノズル幅分だけ搬送しながら、かかるインクを
吐出する動作を繰り返すことにより、記録媒体2の全体
に画像が形成される。
【0033】かかる制御装置30は、図4に示すよう
に、CPU31と、RAM32と、ROM33と、イメ
ージメモリ34と、記録ヘッド制御回路35と、画像デ
ータ処理部36と、インターフェース37と、キャリッ
ジモータ制御回路38と、搬送モータ制御回路39と、
リニアスケールエンコーダ41とを備える。リニアスケ
ールエンコーダ41は、キャリッジ13の移動速度・位
置を出力するものである。
【0034】CPU31は、ホストコンピュータ60か
らインターフェース37を介して記録データを受信す
る。また、CPU31には、操作パネル21からの制御
指令信号、ヘッド温度検出センサ16からのヘッド温度
検出信号等が入力する。さらに、CPU31は、キャリ
ッジホームポジションセンサ15、媒体検出センサ17
及びリニアスケールエンコーダ61と接続されている。
【0035】ROM33には、CPU31により実行さ
れるプログラムや、記録ヘッド14の電気・熱変換素子
126を駆動するための駆動イネイブル信号のパルス幅
に関するテーブル等が記憶されている。このパルス幅に
関するテーブルについては後述する。また、RAM32
は作業用メモリである。イメージメモリ34は、ホスト
コンピュータ60から送られた記録データを一時記憶す
るものである。
【0036】記録ヘッド制御回路35は、記録データの
画像情報の展開を行うものである。具体的には、CPU
31から画像データ処理部36を介して出力された記録
データ、CPU31から出力された転送クロック信号及
び記録クロック信号等に基づいて、記録ヘッド14を駆
動し、画像形成を実行させる。ここで、記録タイミング
は、キャリッジ13の動作によって得られるリニアスケ
ールエンコーダ出力信号、もしくはキャリッジモータ制
御信号に基づいて決定される。
【0037】この記録ヘッド制御回路35は、図5に示
すように、シリアル−パラレル変換回路35aと、ラッ
チ回路35bと、複数の第一AND回路35c1 と、複
数の第二AND回路35c2 と、複数の第一バッファ3
5d1 と、複数の第二バッファ35d2 と、電気・熱変
換素子駆動回路35eとを有する。第一AND回路35
1 及び第一バッファ35d1 は、電気・機械変換素子
駆動用のものであり、各電気・機械変換素子124毎に
設けられる。また、第二AND回路35c2 及び第二バ
ッファ35d2 は、電気・熱変換素子駆動用のものであ
り、各電気・熱変換素子126毎に設けられる。ここ
で、図5では、一つの記録ヘッド14の全チャンネル
(ノズル)のうち最初の二つのチャンネルに対する駆動
回路のみを図示している。また、全チャンネルをその配
列順番が奇数番目のものと偶数番目のものとの二つのグ
ループに分割し、奇数チャンネルと偶数チャンネルを個
別に駆動する。
【0038】画像データ処理部36から送出されたシリ
アル記録データは、記録ヘッド制御回路35のシリアル
−パラレル変換回路35aに入力されてパラレルの記録
データに変換される。この変換されたパラレルの記録デ
ータは、CPU31から送られるラッチ信号がラッチ回
路35bに入力するタイミングで、ラッチ回路35bに
ラッチされる。そして、記録データは、記録クロック信
号Aが奇数チャンネルに対応する各第一AND回路35
1 に入力するタイミングで、ラッチ回路35bから第
一AND回路35c1 、第一バッファ35d1 を介して
電気・機械変換素子124に出力される。これにより、
奇数チャンネル(ノズル)の電気・機械変換素子124
が駆動され、そのノズルからインクが吐出する。また、
同様にして、記録クロック信号Bが偶数チャンネルに対
応する各第一AND回路35c1に入力するタイミング
で、偶数チャンネルに対応するノズルからインクが吐出
する。
【0039】尚、全チャンネルをこのように二分割する
のは、全チャンネルを同時に駆動すると大きな電力を要
し、高い駆動電圧及び電流容量を必要とし、また、記録
ヘッド制御回路35や記録ヘッド14そのものの過熱等
を引き起こす可能性があるためである。一般に、全チャ
ンネルをさらに多く分割することによって記録ヘッド1
4を駆動することが行われている。
【0040】次に、電気・熱変換素子126の駆動を実
行するにあたっての制御方法について説明する。CPU
31は、ヘッド温度検出センサ16で検出された記録ヘ
ッドの温度(インク温度)に基づいて、電気・熱変換素
子126を駆動するための駆動イネイブル(enable)信
号のパルス幅を決定する。そして、図5に示すように、
その駆動イネイブル信号を電気・熱変換素子駆動回路3
5eに出力する。ここで、例えば、記録ヘッドの温度が
予め定められた所定の温度(設定温度)より低いときに
は、インク温度を上昇させて、記録ヘッドの温度を設定
温度になるようにする必要がある。また、例えば、電気
・熱変換素子126としてペルチェ素子を用いた場合で
あって、記録ヘッドの温度が設定温度より高いときに
は、インク温度を下降させて、記憶ヘッドの温度を設定
温度になるようにする必要がある。このため、駆動イネ
イブル信号のパルス幅は、インク温度についての設定温
度と検出された記録ヘッドの温度との差が大きいほど、
長くなるように定められる。実際、ROM33には、記
録ヘッドの温度Tと駆動イネイブル信号のパルス幅Wと
の関係についての情報がテーブル形成で予め記憶されて
おる。CPU31は、このテーブルを参照して、駆動イ
ネイブル信号のパルス幅を決定する。図6(a)は、記
録ヘッドの温度が設定温度よりも低い場合に記録ヘッド
の温度Tと駆動イネイブル信号Wのパルス幅との関係の
一例を示す図であり、図6(b)は、記録ヘッドの温度
が設定温度よりも高い場合に記録ヘッドTと駆動イネイ
ブル信号Wのパルス幅との関係の一例を示す図である。
【0041】また、電気・熱変換素子駆動回路35eに
はシリアル−パラレル変換回路35aからパラレルの記
録データが入力する。電気・熱変換素子駆動回路35e
は、その記録データに基づいて、電気・熱変換素子12
6を駆動すべきノズルに対応する第二AND回路35c
2 を選択し、その第二AND回路35c2 に駆動イネイ
ブル信号を送出する。そして、奇数チャンネルに対応す
る各第二AND回路35c2 にクロック信号Cが入力す
るタイミングで、駆動信号が第二AND回路35c2
ら第二バッファ35d2 を介して電気・熱変換素子12
6に出力される。これにより、奇数チャンネル(ノズ
ル)の所定の電気・熱変換素子126が駆動され、その
ノズル内のインクが略一定の温度(設定温度)に保持さ
れる。また、同様にして、クロック信号Dが偶数チャン
ネルに対応する各第二AND回路35c2 に入力するタ
イミングで、偶数チャンネルの所定の電気・熱変換素子
126が駆動する。
【0042】尚、電気・熱変換素子126を駆動すべき
ノズルの選択は、電気・機械変換素子124を駆動する
ための回路と同様の構成をとり、もしくは、一部を共通
とし、インク吐出制御信号に従った動作を行う回路構成
をとることによっても実現される。
【0043】次に、本実施形態の画像形成装置におい
て、記録ヘッド14のノズルからインクを吐出する動作
について説明する。
【0044】まず、制御装置30が電気・熱変換素子1
26に駆動信号を送ると、電気・熱変換素子126は、
その駆動信号のパルス幅等に応じて、所定時間だけ駆動
される。これにより、電気・熱変換素子126が熱抵抗
素子の場合にはヒーティング作用によって、一方、電気
・熱変換素子126がペルチェ素子の場合にはヒーティ
ング作用及びクーリング作用によって、ノズル内のイン
クの温度は予め決められた所定の温度又は所定の温度範
囲内に維持される。こうして、インク吐出を行う前に
は、常に、インクの粘度を一定にすることができる。
【0045】電気・機械変換素子124と個別電極12
5とに電圧を印加していないときには、それらは図2
(a)に示すような平衡状態にあるとする。いま、制御
装置30が電気・機械変換素子124若しくは個別電極
125、又は電気・機械変換素子124と個別電極12
5との両方に電圧を印加して、電気・機械変換素子12
4と個別電極125との間に+・+若しくは−・−の同
極性による斥力を発生させる。すると、図2(b)に示
すように、電気・機械変換素子124は機械的に変形
し、そして、この電気・機械変換素子124の機械的変
形によって発生した圧力によりインク液滴102がノズ
ル111より吐出される。このとき、同時に圧力発生部
112内のインクは第一インク供給路113を通って第
二インク供給路114の方にも流れるが、未エッチング
部127の存在によって、圧力の大半はノズル111か
らのインク液滴102の吐出の推進力に利用される。
【0046】また、次のようにしてインク吐出を制御す
ることもできる。すなわち、制御装置30は、図2
(a)の平衡状態から、電気・機械変換素子124と個
別電極125とに互いに異なる極性の電圧を印加して電
位差を生じさせる。すると、電気・機械変換素子124
は、図2(c)に示すように、個別電極125に引き付
けられる。これにより、インクは、インク供給部130
から圧力発生部112へ向かって供給される。インクが
十分に供給された時間を経た後、電圧の印加を止め、電
気・機械変換素子124と個別電極125とを同電位に
すると、電気・機械変換素子124は、図2(a)に示
すように、電界の力から開放されて自らの復元力により
圧力発生部112の上側に復元する。そして、この復元
力によってノズル111内の圧力が高められ、インク液
滴102がノズル111から吐出される。
【0047】尚、積極的に上述の斥力と復元力の両方を
発生させ、図2(c)の状態から図2(b)の状態に到
らしめて、インク液滴102を発生させてもよい。
【0048】第一実施形態の画像形成装置では、電気・
機械変換素子と電気・熱変換素子とを有する記録ヘッド
を用い、制御装置が、ヘッド温度検出センサで検出され
た記録ヘッドの温度に基づいて、インク吐出前にノズル
内のインク温度が予め定められた所定の温度に保たれる
ように、電気・熱変換素子を駆動制御することにより、
インク吐出前には、インクの粘度を一定に保つことがで
きる。このため、その後に電気・機械変換素子を駆動し
てインクを吐出することにより、インク液滴の大きさを
均一にすることができるので、安定した画像を形成する
ことができる。また、このように電気・熱変換素子がイ
ンク吐出前にインク温度を所定の温度に保持する役割を
果たすため、従来のピエゾ方式による記録ヘッドのよう
に、記録ヘッドの温度に応じて電気・機械変換素子の駆
動パルスのパルス幅やパルス数を変える必要はない。
【0049】次に、本発明の第二実施形態について図面
を参照して説明する。図7は本発明の第二実施形態であ
る画像形成装置の記録ヘッドの概略断面図である。尚、
第二実施形態において、第一実施形態のものと同一の機
能を有するものには、同一の符号を付すことによりその
詳細な説明を省略する。
【0050】第二実施形態の画像形成装置は、上記第一
実施形態のものと同じ構成であるが、インク吐出の制御
の仕方が第一実施形態のものと異なる。また、記録ヘッ
ド14は、図7(a)に示すように、上記第一実施形態
のものと同じ構造であり、電気・機械変換素子124と
電気・熱変換素子126とを有する。上記第一実施形態
では、電気・熱変換素子126は、ノズル内のインク温
度を予め上昇させておくために、インクの吐出を行わな
い程度のエネルギーをインクに与える役割を果たすにす
ぎなかった。これに対して、第二実施形態では、この電
気・熱変換素子126をさらに積極的に利用する。すな
わち、電気・熱変換素子126を用いて、ノズル内に気
泡を発生させることにより、ノズル内のインクの圧力を
高め、インク吐出に寄与するエネルギーをインクに与え
る。
【0051】制御装置30は、電気・機械変換素子12
4と電気・熱変換素子126の駆動を制御する。具体的
には、ヘッド温度検出センサ16で検出された記録ヘッ
ドの温度に基づいて、電気・機械変換素子124及び電
気・熱変換素子126のうち少なくともいずれか一方を
選択すると共に、その選択した素子に加える駆動パルス
のパルス幅及びパルス数を決定する。そして、制御装置
30は、その選択した素子に駆動信号を送る。このよう
に、第二実施形態では、電気・機械変換素子124のみ
を用いたインク吐出(ピエゾ方式)、電気・熱変換素子
126のみを用いたインク吐出(サーマルインクジェッ
ト方式)、又は電気・機械変換素子124及び電気・熱
変換素子126を用いたインク吐出という3通りの駆動
方式が選択可能である。
【0052】次に、第二実施形態の画像形成装置におい
て、記録ヘッド14のノズルからインクを吐出する動作
について説明する。
【0053】まず、制御装置30は、ヘッド温度検出セ
ンサ16で検出された記録ヘッド14の温度に基づい
て、電気・機械変換素子124及び電気・熱変換素子1
26のうち少なくともいずれか一方を選択する。ここで
は、両方の素子を選択したとする。また、両素子に与え
る駆動信号についての駆動時間、駆動パルス数を決定す
る。
【0054】電気・機械変換素子124や電気・熱変換
素子126等に電圧を印加していないときには、それら
は図7(a)に示すような平衡状態にあるとする。い
ま、制御装置30は電気・機械変換素子124と電気・
熱変換素子126の各々に所定の駆動信号を送る。する
と、図7(b)に示すように、電気・機械変換素子12
4は、機械的に変形し、ノズル111内のインクに対す
る圧力が発生する。また、これと同時に、電気・熱変換
素子126は発熱し、その発熱によって圧力発生部11
2内に気泡104が生じて、ノズル111内のインクに
対する圧力が発生する。こうして、電気・機械変換素子
124による圧力と電気・熱変換素子126による圧力
とが重畳されて、インク液滴102がノズル111から
吐出される。
【0055】第二実施形態の画像形成装置では、電気・
機械変換素子と電気・熱変換素子とを有する記録ヘッド
を用い、制御装置が、電気・機械変換素子又は/及び電
気・熱変換素子を駆動制御して、ノズルからインクを吐
出させる。このとき、電気・機械変換素子と電気・熱変
換素子とを共に駆動することにより、インク吐出速度を
高めることができる。また、電気・機械変換素子及び電
気・熱変換素子の各々のインク推進力は、それぞれ単独
で駆動するときのインク推進力の約半分に抑えることが
できるので、電気・熱変換素子にあっては発熱・放熱の
繰り返しの周波数応答性により残留熱を生じる問題、電
気・機械変換素子にあっては電極間の電圧の印加・放電
による電荷の蓄積・放電の繰り返しにより残留電荷を生
じる問題を軽減することができる。このため、インクを
ノズルから繰り返し吐出する速度である駆動周波数を高
めても、記録ヘッドの動作はその駆動周波数に良好に追
従することができるので、印字速度の向上を図ることが
できる。しかも、残留電荷又は残留熱の問題が軽減する
ことにより、記録ヘッドの寿命低下を抑えることができ
る。
【0056】また、制御装置が、ヘッド温度検出センサ
で検出された記録ヘッドの温度に基づいて、電気・機械
変換素子及び電気・熱変換素子のうち少なくともいずれ
か一方を選択すると共に、その選択した素子に加える駆
動パルスのパルス幅及びパルス数を決定することによ
り、ノズルから吐出するインク液滴の大小を制御するこ
とができるので、より多様なインク吐出を行うことがで
きる。
【0057】次に、本発明の第三実施形態について図面
を参照して説明する。図8は本発明の第三実施形態であ
る画像形成装置の記録ヘッドの概略断面図である。尚、
第三実施形態において、第一実施形態のものと同一の機
能を有するものには、同一の符号を付すことによりその
詳細な説明を省略する。
【0058】第三実施形態の画像形成装置は、上記第二
実施形態のものと基本的に同じ構成であるが、記録ヘッ
ド14aの構造、インク吐出の制御の仕方が第二実施形
態のものと若干異なる。記録ヘッド14aが第二実施形
態のものと異なる点は、図8(a)に示すように、電気
・熱変換素子126の近傍であって、圧力発生部112
と第一インク供給路113との隣接部分に対応する第二
基板122上にペルチェ素子128を設けた点である。
その他の構成は第二実施形態の記録ヘッドと同じであ
る。かかるペルチェ素子128は、その吸熱作用を利用
して、インク吐出の後に、ノズル内のインクの温度を下
降させるために用いられる。ペルチェ素子128の駆動
は制御装置30によって制御される。
【0059】記録ヘッド14aのノズルからインクを吐
出する動作は、第二実施形態と同様に行われる。制御装
置30は、図8(b)に示すように、インク吐出動作が
終了した後に、ペルチェ素子128を駆動する。する
と、ペルチェ素子128の吸熱作用により、ノズル内の
インクが冷却され、インク温度は急速に下降する。
【0060】第三実施形態の画像形成装置では、電気・
機械変換素子及び電気・熱変換素子と共にさらにペルチ
ェ素子を有する記録ヘッドを用い、制御装置が、インク
吐出後にペルチェ素子を駆動制御して、ノズル内のイン
ク温度を下降させる。これにより、第二実施形態のもの
に比べて、発熱・放熱の繰り返しの周波数応答性により
残留熱を生じる問題をより軽減することができる。この
ため、第三実施形態の画像形成装置では、第二実施形態
のものに比べて、駆動周波数に対する記録ヘッドの追従
性がさらに良くなるので、印字速度をより一層向上させ
ることができる。
【0061】次に、本発明の第四実施形態について図面
を参照して説明する。図9は本発明の第四実施形態であ
る画像形成装置の記録ヘッドの概略断面図である。尚、
第四実施形態において、第一実施形態のものと同一の機
能を有するものには、同一の符号を付すことによりその
詳細な説明を省略する。
【0062】第四実施形態の画像形成装置は、上記第二
実施形態のものと基本的に同じ構成であるが、記録ヘッ
ド14bの構造、インク吐出の制御の仕方が第二実施形
態のものと若干異なる。この記録ヘッド14bが第二実
施形態のものと異なる点は、、電気・熱変換素子126
を形成する位置である。すなわち、記録ヘッド14bで
は、図9(a)に示すように、電気・熱変換素子126
を、電気・機械変換素子124の近傍に形成している。
具体的には、電気・熱変換素子126を、電気・機械変
換素子124に対してノズル111と反対側に、例えば
第一インク供給路113に対応する第二基板122上に
形成している。その他の構成は、第二実施形態の記録ヘ
ッドと同じである。
【0063】電気・機械変換素子124や電気・熱変換
素子126等に電圧を印加していないときには、それら
は図9(a)に示すような平衡状態にあるとする。記録
ヘッド14bのノズルからインクを吐出する場合には、
制御装置30は、図9(b)に示すように、電気・機械
変換素子124と電気・熱変換素子126の両素子を駆
動する。このとき、電気・熱変換素子126が発熱し、
その発熱により第一インク供給部113内に気泡104
が発生する。この気泡104は第一インク供給部113
の径を収縮する働きをするので、インク吐出推進力によ
りインクがインク供給部130の側に押し戻されるのを
防止することができる。すなわち、この電気・熱変換素
子126は、図2に示す未エッチング部の役割を果た
す。
【0064】第四実施形態の画像形成装置では、電気・
機械変換素子とその電気・機械変換素子に対してノズル
と反対側に設けられた電気・熱変換素子とを有する記録
ヘッドを用い、制御装置が、インク吐出時に電気・熱変
換素子を駆動制御し、インク流路部内に発生した気泡に
よってインク流路部の径を収縮させる。これにより、イ
ンク吐出推進力によってインクがノズルの側からインク
供給部の側に押し戻されることにより生じるリンガリン
グ(lingering )を抑止することができるので、印字速
度の向上を図ることができる。
【0065】尚、上記の各実施形態は、本発明の思想を
具現化するための方法としてインクジェットプリンタを
用いた場合の数例であり、本発明の基本的な考え方に基
づく実施形態は種々考えられる。したがって、本発明
は、上記の各実施形態に限定されるものではない。
【0066】例えば、上記の第二実施形態において、電
気・機械変換素子と電気・熱変換素子とを有する記録ヘ
ッドを用い、制御装置が、電気・熱変換素子を駆動して
インクを吐出する際に、ヘッド温度検出センサで検出さ
れた記録ヘッドの温度に基づいて、インク流路部の径が
所定量だけ収縮・拡張するように、電気・機械変換素子
を駆動制御してもよい。インク流路部の径を変えること
により、吐出するインクの量を一定に調整することがで
きるので、記録品位の低下を防止し、安定した画像を形
成することができる。
【0067】また、上記の第四実施形態では、電気・熱
変換素子を、電気・機械変換素子に対してノズルと反対
側であって、第一インク供給路に対応する第二基板上に
形成した場合について説明したが、一般に、電気・熱変
換素子は、電気・機械変換素子の近傍に形成してもよ
い。例えば、電気・熱変換素子を、電気・機械変換素子
の近傍であって、第一基板又は第二基板上に形成するこ
とができる。
【0068】また、上記の第四実施形態では、電気・機
械変換素子がインク吐出のための圧力を発生させる役割
を果たし、電気・熱変換素子が未エッチング部の役割を
果たす場合について説明したが、逆に、電気・熱変換素
子がインク吐出のための圧力を発生させる役割を果た
し、電気・機械変換素子が未エッチング部の役割を果た
すようにしてもよい。
【0069】更に、上記の第二、第三及び第四の実施形
態では、記録ヘッドのノズルからインクを吐出する動作
についての説明を省略したが、第一実施形態と同様に、
電気・機械変換素子と個別電極との間の斥力を利用した
り、また、電気・機械変換素子と個別電極との間の引力
及び電気・機械変換素子の復元力を利用したりすること
により、インク吐出を制御することができる。
【0070】また、上記の各実施形態は、本発明を適用
した代表的な例であり、本発明はこれに制約されるもの
ではない。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明の画像形成装
置によれば、電気・機械変換素子と電気・熱変換素子と
を有する記録ヘッドを用い、制御手段が、ヘッド温度検
出手段で検出された記録ヘッドの温度に基づいて、イン
ク吐出前にノズル内のインク温度が予め定められた所定
の温度に保たれるように、電気・熱変換素子を駆動制御
することにより、インク吐出前には、インクの粘度を一
定に保つことができる。このため、その後に電気・機械
変換素子を駆動してインクを吐出することにより、イン
ク液滴の大きさを均一にすることができるので、安定し
た画像を形成することができる。
【0072】また、本発明の画像形成装置によれば、電
気・機械変換素子と電気・熱変換素子とを有する記録ヘ
ッドを用い、制御手段が、電気・熱変換素子を駆動して
インクを吐出する際に、ヘッド温度検出手段で検出され
た記録ヘッドの温度に基づいて、インク流路の径が所定
量だけ収縮・拡張するように、電気・機械変換素子を駆
動制御することにより、吐出するインクの量を一定に調
整することができるので、安定した画像を形成すること
ができる。
【0073】また、本発明の画像形成装置によれば、電
気・機械変換素子と電気・熱変換素子とを有する記録ヘ
ッドを用い、制御手段が、電気・機械変換素子又は/及
び電気・熱変換素子を駆動制御して、ノズルからインク
を吐出させる。このため、電気・機械変換素子と電気・
熱変換素子とを共に駆動することにより、電気・機械変
換素子及び電気・熱変換素子の各々のインク推進力は、
それぞれ単独で駆動するときのインク推進力の約半分に
抑えることができるので、上述の残留熱又は残留電荷が
生じる問題を軽減することができる。したがって、駆動
周波数に対する記録ヘッドの応答性が良くなり、印字速
度の向上を図ることができる。また、制御装置が、駆動
すべき電気・機械変換素子又は/及び電気・熱変換素子
を選択することにより、ノズルから吐出するインク液滴
の大小を制御することができるので、より多様なインク
吐出を行うことができる。
【0074】更に、本発明の画像形成装置によれば、電
気・機械変換素子(電気・熱変換素子)とその電気・機
械変換素子(電気・熱変換素子)の近傍に設けられた電
気・熱変換素子(電気・機械変換素子)とを有する記録
ヘッドを用い、制御手段が、インク吐出時に電気・熱変
換素子(電気・機械変換素子)を駆動制御して、インク
流路の径を収縮させる。これにより、インク吐出推進力
によってインクがノズルと反対側に押し戻されることに
より生じるリンガリングを抑止することができるので、
印字速度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態である画像形成装置の概
略斜視図である。
【図2】その画像形成装置の記録ヘッドの概略断面図で
ある。
【図3】ペルチェ効果を説明するための図である。
【図4】第一実施形態の画像形成装置の制御装置の概略
ブロック図である。
【図5】その制御装置の記録ヘッド記録回路の概略構成
図である。
【図6】記録ヘッドの温度と駆動イネイブル信号のパル
ス幅との関係の一例を示す図である。
【図7】本発明の第二実施形態である画像形成装置の記
録ヘッドの概略断面図である。
【図8】本発明の第三実施形態である画像形成装置の記
録ヘッドの概略断面図である。
【図9】本発明の第四実施形態である画像形成装置の記
録ヘッドの概略断面図である。
【図10】従来の画像形成装置における記録ヘッドの概
略断面図である。
【符号の説明】
2 記録媒体 11 プラテン 12 ガイドシャフト 13 キャリッジ 14,14a,14b 記録ヘッド 15 キャリッジホームポジションセンサ 16 ヘッド温度検出センサ 17 媒体検知センサ 18 キャリッジモータ 19 搬送モータ 21 操作パネル 30 制御装置 31 CPU 32 RAM 33 ROM 34 イメージメモリ 35 記録ヘッド制御回路 35a シリアル−パラレル変換回路 35b ラッチ回路 35c1 第一AND回路 35c2 第二AND回路 35d1 第一バッファ 35d2 第二バッファ 35e 電気・熱変換素子駆動回路 36 画像データ処理部 37 インターフェース 38 キャリッジモータ制御回路 39 搬送モータ制御回路 41 リニアスケールエンコーダ 60 ホストコンピュータ 102 インク液滴 104 気泡 110 インク流路部 111 ノズル 112 圧力発生部 113 第一インク供給路 114 第二インク供給路 121 第一基板 122 第二基板 123 チャンネル基板 124 電気・機械変換素子 125 個別電極 126 電気・熱変換素子 127 未エッチング部 128 ペルチェ素子 130 インク供給部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数のノズルと、前記
    各ノズルに連通するインク流路内に設けられた、前記ノ
    ズルからインクを吐出するための圧力を発生させる電気
    ・機械変換素子と、前記各インク流路内に設けられた電
    気・熱変換素子とを有する記録ヘッドと、 前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段
    と、 前記ヘッド温度検出手段で検出された前記記録ヘッドの
    温度に基づいて、インク吐出前に前記ノズル内のインク
    温度が予め定められた所定の温度に保たれるように、前
    記電気・熱変換素子を駆動制御する制御手段と、 を具備することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記電気・熱変換素子はペルチェ素子で
    あることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 インクを吐出する複数のノズルと、前記
    各ノズルに連通するインク流路内に設けられた、前記ノ
    ズルからインクを吐出するための圧力を発生させる電気
    ・熱変換素子と、前記各インク流路内に設けられた電気
    ・機械変換素子とを有する記録ヘッドと、 前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段
    と、 前記ヘッド温度検出手段で検出された前記記録ヘッドの
    温度に基づいて、インク吐出時に前記インク流路の径が
    所定量だけ収縮・拡張するように、前記電気・機械変換
    素子を駆動制御する制御手段と、 を具備することを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 インクを吐出する複数のノズルと、前記
    各ノズルに連通するインク流路内に設けられた電気・機
    械変換素子及び電気・熱変換素子とを有する記録ヘッド
    と、 前記電気・機械変換素子又は/及び前記電気・熱変換素
    子を駆動制御することにより、前記ノズルからインクを
    吐出させる制御手段と、 を具備することを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド
    温度検出手段を有し、前記制御手段は、前記ヘッド温度
    検出手段で検出された前記記録ヘッドの温度に基づい
    て、前記電気・機械変換素子及び前記電気熱変換素子の
    うち少なくともいずれか一方を選択すると共に、その選
    択した素子に加える駆動パルスのパルス幅及びパルス数
    を決定することを特徴とする請求項4記載の画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】 前記各インク流路内にペルチェ素子を設
    け、前記制御手段は、インク吐出後に前記ペルチェ素子
    を駆動制御することにより、前記ノズル内のインクの温
    度を下降させることを特徴とする請求項4又は5記載の
    画像形成装置。
  7. 【請求項7】 インクを吐出する複数のノズルと、前記
    各ノズルに連通するインク流路内に設けられた、前記ノ
    ズルからインクを吐出するための圧力を発生させる電気
    ・機械変換素子と、前記電気・機械変換素子の近傍に設
    けられた電気・熱変換素子とを有する記録ヘッドと、 インク吐出時に前記電気・熱変換素子を駆動制御するこ
    とにより、前記インク流路内に発生した気泡によって前
    記インク流路の径を収縮させる制御手段と、 を具備することを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 インクを吐出する複数のノズルと、前記
    各ノズルに連通するインク流路内に設けられた、前記ノ
    ズルからインクを吐出するための圧力を発生させる電気
    ・熱変換素子と、前記電気・熱変換素子の近傍に設けら
    れた電気・機械変換素子とを有する記録ヘッドと、 インク吐出時に前記電気・機械変換素子を駆動制御する
    ことにより、前記電気・機械変換素子の機械的変形によ
    って前記インク流路の径を収縮させる制御手段と、 を具備することを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011230046A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Canon Inc 液体吐出装置
CN109291667A (zh) * 2018-10-18 2019-02-01 张德辉 一种可变点阵印章

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JP2011230046A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Canon Inc 液体吐出装置
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