JP2000263629A - 合成樹脂管の押出成形方法 - Google Patents

合成樹脂管の押出成形方法

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充蔵 松田
Toshio Nishiyama
俊夫 西山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Toto Sekisui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】押出した管状樹脂をフォ−ミングチュ−ブによ
り所定の外径や形状に冷却固化する際の内面側からの空
気冷却を金型内の樹脂流れの安定性を保障しつつ良好な
成形性、平滑性のもとで行い得る合成樹脂管の押出成形
方法を提供する。 【解決手段】押出機1の先端に取付けた外金型21と該
外金型21内にブリッジ部23で支持したコア金型22
との間から溶融樹脂を管状に押出し、この管状樹脂をフ
ォ−ミングチュ−ブ7により所定の管径に冷却固化する
と共にコア金型22及びブリッジ部23を経て外部に達
する通気路3を通じて吸引により空気を管状樹脂p内に
押出し方向とは逆方向に流通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成樹脂管の押出成
形方法に関し、熱可塑性樹脂発泡管の押出成形に有用な
ものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂管を製造する場合、熱可塑
性樹脂を管状に押出し、この管状熱可塑性樹脂をフォ−
ミングチュ−ブにより所定の外径及び形状に冷却固化
し、この固化体を水槽によりほぼ常温にまで冷却し、さ
らに引取機で引き取りつつ切断機で定尺切断している。
【0003】この場合、フォ−ミングチュ−ブによる管
内面側からのみの冷却では、管状体の厚み方向への冷却
の不均一のために熱応力が残留して後発的に例えばソル
ベントストレスクラッキング等の不都合が生じることが
あり、かかる不都合を排除するために管状体の内面側か
らも冷却することが行われている。
【0004】上記樹脂管状体の押出には通常ストレ−ト
ヘッド、すなわち、押出機の先端に外金型を取付け、こ
の外金型に同心的にコア金型をブリッジ部で支持し、外
金型とコア金型との間の円形間隙から溶融樹脂を押出す
ようにしたヘッド構造を用いており、上記管状樹脂の内
面冷却方法として、外金型外面からブリッジ部、更にコ
ア金型の中心を経てコア金型前端面に開通する通気孔を
設け、空気を外金型の外部から前記通気孔を経て管状樹
脂内に吹き込むことが公知である(例えば、特開平10
−16035号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
空気吹き込みによる内面冷却方法では、被冷却面(管状
樹脂の内面)からの奪熱のために空気温度が下流側に至
るほど高くなり、最上流側である金型内通過空気の温度
が最も低く、この空気温度と金型温度との差が大きくな
る結果、金型が過度に冷却されて金型内溶融樹脂の流動
が不安定となり成形性や平滑性が阻害され易く、この成
形性や平滑性を確保するためには高精度の温度調整が必
要となる。
【0006】また、金型で加熱された高い温度の空気が
管状樹脂内に送り込まれるために、内面冷却効率の低減
も避けられない。
【0007】本発明者等の検討結果によれば、特に厳格
な温度管理が要求される熱可塑性樹脂発泡管の押出成形
の場合、上記の内面冷却法では内面スキン層にクラック
が発生し易い。
【0008】本発明の目的は、押出した管状樹脂をフォ
−ミングチュ−ブにより所定の外径や形状に冷却固化す
る際の内面側からの空気冷却を金型内の樹脂流れの安定
性を保障しつつ良好な成形性、平滑性のもとで行い得る
合成樹脂管の押出成形方法を提供することにある。
【0009】本発明の更なる目的は、前記の目的に加え
管内面側からの空気冷却を効率よく行い得る合成樹脂管
の押出成形方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る合成樹脂管
の押出成形方法は、押出機の先端に取付けた外金型と該
外金型内にブリッジ部で支持したコア金型との間から溶
融樹脂を管状に押出し、この管状樹脂をフォ−ミングチ
ュ−ブにより所定の管径に冷却固化すると共にコア金型
及びブリッジ部を経て外部に達する通気路を通じて吸引
により空気を管状樹脂内に押出し方向とは逆方向に流通
させることを特徴とする構成であり、前端に通気入口を
有し内部にフィン付きの通気路を有する補助コアの後端
をコア金型先端にコア金型内通路と連通させて設け、補
助コアの外面に接触しつつ通過する管状樹脂の内面を補
助コア内を流通する空気流によって冷却することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。
【0012】図1は本発明において使用する合成樹脂管
の押出成形装置の一例を示している。
【0013】図1において、1は押出機である。21は
押出機1の先端に取付けた外金型、22は外金型21内
に同心的にブリッジ部23により支持したコア金型であ
り、押出機内の溶融樹脂がコア金型22と外金型21と
の間の通路とブリッジ部23,23間の間隙を経て押し
出されていく。2は外金型21とコア金型22とブリッ
ブ部等からなる金型を示している。3は外金型21の外
面から外金型21とブリッジ部23とコア金型22を経
てコア金型の先端に開通させた空気通路である。4はコ
ア金型22の先端に取付けた補助コアであり、外径をコ
ア金型22の外径よりもやや大きくし(等しくするか、
やや小さくしてもよい)、内面に熱交換用フィン41,
…を設け、前端に空気入口42,…を設け、後端に空気
出口管43を設けた熱良伝導性筒(例えば、鋼板製)の
空気出口管43をコア金型先端の空気通路口31に挿着
し、コア金型22と補助コア4との間に断熱材5を介在
させてある。
【0014】6は冷却水槽、7は冷却水槽6の入口に取
付けたフォ−ミングチュ−ブである。8は引取機、9は
定尺切断機である。
【0015】10は外金型21の空気通路口32に連通
した吸引ブロワである。
【0016】本発明により熱可塑性樹脂管を押出成形す
るには、図1において押出機1のスクリュ−回転により
外金型21とコア金型22との間から溶融樹脂を管状に
押出し、この管状溶融樹脂pを補助コア4の表面を経て
フォ−ミングチュ−ブ7に通して所定の外径、形状(通
常の円形の外、楕円形や長円形や四角形も可)に冷却固
化し、このサイジング管状体を水槽6で更に冷却して引
取りに耐え得る強度を付与し、引取機8で引取りつつ切
断機9で定尺切断すると共に吸引ブロワ10を駆動して
空気を管状体切断開放端eより吸引し、この吸引空気を
樹脂管状体p内→補助コア4内→コア金型22内→ブリ
ッジ部23を経て吸引ブロワ10により排気していく。
【0017】上記において冷却水槽出口61での樹脂管
状体pの温度はほぼ常温であるが、この位置より金型側
の樹脂管状体の温度は金型2に近いほど高く平均的に相
当に高い温度となるから、コア金型22やブリッジ部2
3を通過する際の空気の温度がかなり高くなり、それだ
け通過空気と金型2との温度差が小さくなり金型2の冷
却がよく抑えられる。従って、金型内の樹脂流れを充分
安定に維持できる。
【0018】また、補助コア4の内面にフィン41を設
けているから、補助コア4内を通過する空気が上記のよ
うに相当に高い温度になるにもかかわらず、フィン41
の放熱効果、すなわち流通空気との接触面積の増大のた
めに、金型からの管状樹脂の内面を効率よく冷却でき、
上記金型内樹脂流れの安定性保障と相俟って合成樹脂管
を優れた成形性、平滑性で押出成形できる。
【0019】図2の(イ)は本発明において使用する補
助コアの一例の断面図を、図2の(ロ)は図2の(イ)
におけるロ−ロ断面図をそれぞれ示し、内外筒よりなる
二重金属筒構造であり、内外筒間の空間に複数枚の孔開
きフィン(孔開き円板)41,…を設け、同空間の前方
端板に空気入口42,…を穿設し、同空間後方部の内筒
部分に空気出口44を設け、この空気出口44に連通し
て空気出口管43を外筒の後端に取付けてある。なお、
内筒40の前端及び後方部は内筒40内への空気の回り
込みを防止してフィン41,…に接触する空気流量を多
くするために閉鎖してある。
【0020】図3の(イ)は本発明において使用する補
助コアの別例の断面図を、図3の(ロ)は図3の(イ)
におけるロ−ロ断面図をそれぞれ示し、内外筒よりなる
二重金属筒構造であり、外筒内面に複数箇の長手方向フ
ィン410,…を設け、同空間の前方端板に空気入口4
2,…を穿設し、同空間後方部の内筒部分に空気出口4
4を設け、この空気出口44に連通して空気出口管43
を外筒の後端に取付けてある。なお、内筒40内への空
気の回り込みを防止してフィン41,…に接触する空気
流量を多くするために内筒40の前端を閉鎖してある。
【0021】本発明に係る合成樹脂管の押出成形方法に
よれば、既述したように金型から押出されてくる管状溶
融樹脂の内面を、金型内の空気通路3を通じて流通させ
る空気流により冷却するにもかかわらず金型内の樹脂流
れの安定性を保障でき、内面の冷却効率も高くできるた
めに、優れた成形性及び平滑性で熱可塑性樹脂管を押出
成形できる。特に、金型の厳格な温度管理が要求される
塩化ビニル樹脂系発泡管でも、樹脂管状体温度の165
℃以下への低下を防止し、補助コア温度を120℃〜1
30℃に保持することにより、内面スキン層にクラック
を発生させることなく容易に押出成形できる。
【0022】この塩化ビニル系樹脂としては、特に平均
重合度600〜1400の塩化ビニル系樹脂、例えば、
塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルと塩化ビニル以外
の重合性単量体が共重合された共重合体、塩化ビニル以
外の重合体に塩化ビニルをグラフトさせたグラフト共重
合体、こられの塩化ビニル系樹脂を後塩素化した塩素素
化塩化ビニル系樹脂を挙げることができる。
【0023】上記塩化ビニル以外の重合性単量体として
は、例えば、エチレンやプロピレンやブチレン等のα−
オレフィン類、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビ
ニルエステル類、ブチルビニルエ−ルやセチルビニルエ
−ル等のビニルエ−テル類、メチルアクリレ−トやエチ
ルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル類、メチルメタ
クリレ−トやエチルメタクリレ−トやフェニルメタクリ
レ−ト等のメタクリル酸エステル類、スチレンやα−メ
チルスチレン等の芳香族ビニル類、塩化ビニリデンやふ
っ化ビニル等のハロゲン化ビニル類、N−フェニレンマ
レイミドやN−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換
マレイミド類等を挙げることができ、上記グラフト共重
合体に使用される上記塩化ビニル以外の重合体として
は、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメ
タクリレ−ト共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジェン共重合体、ポリウレ
タン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピ
レン樹脂等を挙げることができる。
【0024】上記塩化ビニル系樹脂に混合する発泡剤に
は熱分解型発泡剤や溶剤型発泡剤を使用できる。
【0025】上記熱分解型発泡剤としては、例えば重炭
酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム
等の熱分解型無機発泡剤、N,N’−ジニトロソテレフ
タルアミド等のニトロソ化合物、アゾジカルボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベン
ゾスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジ
ド等のスルホニルヒドラジド化合物等の熱分解型有機発
泡剤を挙げることができ、溶剤型発泡剤としては、例え
ば、メタノ−ル、エタノ−ル等のアルコ−ル類を挙げる
ことができる。
【0026】更に必要に応じ、熱安定剤、酸化防止剤、
帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、衝撃改良
剤、難燃剤、可塑剤、顔料等を適宜添加することができ
る。
【0027】
【実施例】〔実施例〕塩化ビニル樹脂(平均重合度60
0)100重量部、錫系安定剤2重量部、熱分解型無機
発泡剤2重量部、エステル系内滑剤とポリエチレンワッ
クス系外滑剤の合計2重量部、顔料1重量部からなる発
泡性塩化ビニル系樹脂組成物を図1に示す装置を用い吐
出速度0.5m/分にて管状に押出し、この管状樹脂を
フォ−ミングチュ−ブに通し、更に常温の冷却水槽を通
過させると共に補助コアの温度を120〜130℃に保
持するように吸引ブロワの風量を設定して管状樹脂体内
に押出方向と逆方向に空気を流通させた。
【0028】〔比較例〕補助コアを省略し、空気の流通
方向を順方向(押出方向と同方向)とした以外、実施例
に同じとした。
【0029】これらの実施例と比較例との外観を比較し
たところ、比較例では内外面の平滑性が悪く、内面スキ
ン層に亀裂の発生が観られたが、実施例では内外面の平
滑性がよく内面スキン層の亀裂発生は全く見当らなかっ
た。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る合成樹脂管の押出成形方法
においては、押出機の先端に取付けた外金型と該外金型
内にブリッジ部で支持したコア金型の間から溶融樹脂を
管状に押出し、この管状樹脂をフォ−ミングチュ−ブに
より所定の管径に冷却固化すると共にコア金型及びブリ
ッジ部を経て外部に達する通気路を通じて吸引により空
気を管状樹脂内に押出し方向とは逆方向に流通させてい
るから、押出方向と順方向に空気を流通させている従来
例とは異なり、金型の冷却をよく抑えて金型内の樹脂流
れの安定性を充分に保障できる。さらに、金型からの管
状樹脂を内部にフィンを有する補助コアへの上記空気の
逆方向流通で内面冷却しているから、その冷却効率を高
くできる。
【0031】従って、本発明によれば、良好な成形性で
外面平滑性に優れた合成樹脂管を容易に成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する合成樹脂管の押出成形
装置の一例を示す図面である。
【図2】本発明において使用する補助コアの一例を示す
図面である。
【図3】本発明において使用する補助コアの上記とは別
の例を示す図面である。
【符号の説明】
1 押出機 2 金型 21 外金型 22 コア金型 23 ブリッジ部 3 空気通路 4 補助コア 41 フィン 6 冷却水槽 7 フォ−ミングチュ−ブ 10 吸引ブロワ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 俊夫 群馬県新田郡新田町金井231 東都積水株 式会社内 Fターム(参考) 4F207 AA04 AA11 AA15 AB02 AG08 AG20 AK02 KA01 KA11 KK45 KK56 KK78 KL41 KL57 KL88 KW23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出機の先端に取付けた外金型と該外金型
    内にブリッジ部で支持したコア金型との間から溶融樹脂
    を管状に押出し、この管状樹脂をフォ−ミングチュ−ブ
    により所定の管径に冷却固化すると共にコア金型及びブ
    リッジ部を経て外部に達する通気路を通じて吸引により
    空気を管状樹脂内に押出し方向とは逆方向に流通させる
    ことを特徴とする合成樹脂管の押出成形方法。
  2. 【請求項2】前端に通気入口を有し内部にフィン付きの
    通気路を有する補助コアの後端をコア金型先端にコア金
    型内通路と連通させて設け、補助コアの外面に接触しつ
    つ通過する管状樹脂の内面を補助コア内を流通する空気
    流によって冷却する請求項1記載の合成樹脂管の押出成
    形方法。
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