JP2000262844A - 脱臭フィルター - Google Patents

脱臭フィルター

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JP2000262844A
JP2000262844A JP11071795A JP7179599A JP2000262844A JP 2000262844 A JP2000262844 A JP 2000262844A JP 11071795 A JP11071795 A JP 11071795A JP 7179599 A JP7179599 A JP 7179599A JP 2000262844 A JP2000262844 A JP 2000262844A
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gas
adsorbent
acid
adsorbing sheet
neutral
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Junji Harada
純二 原田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、酸性ガス吸着剤、塩基性ガス
吸着剤、中性ガス吸着剤を効果的に使用して圧損の小さ
い空気清浄化部品を供給することにある。 【解決手段】酸吸着シートと塩基吸着シート、あるいは
塩基吸着シートと中性ガス吸着シート、あるいは酸吸着
シートと中性ガス吸着シートをそれぞれ交互にコルゲー
ト加工した複合コルゲートを用いることにより、総合脱
臭性が優れた空気清浄化フィルターを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脱臭フィルターに関
し、さらに詳しくは塩基性ガス吸着剤による脱臭作用、
中性ガス吸着剤による脱臭作用、酸性ガス吸着剤による
脱臭作用により、悪臭や有害物質の除去を行い、かつ高
度の通気性を具備する脱臭フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】工場などにおける工業的に発生する悪臭
や有害化学物質、多量の廃棄物を排出する飲食店やホテ
ルなどのサービス産業における廃棄物に起因した悪臭な
どによる従来からの環境汚染の問題に加えて、最近のア
メニティ志向の高まりに伴い、一般生活空間、例えば室
内や自動車内の悪臭、ホルムアルデヒドやトルエンなど
の有害化学物質などによる室内環境汚染の問題がクロー
ズアップされており、これら有害物質の除去に対するニ
ーズが急速に高まっている。
【0003】悪臭や有害化学物質などの除去方法として
は、活性炭やゼオライトなどの多孔性物質、いわゆる吸
着剤による吸着除去が一般的である。しかしながら、吸
着剤は大部分の有害物質に対して特定の吸着作用しか示
さず、全ての有害物質を一様に吸着する吸着剤はない。
たとえば酢酸などの酸性ガスを良く吸着する吸着剤はア
ルデヒドなどの中性ガスやアンモニアなどの塩基性ガス
をあまり吸着しないという問題点があった。比較的広範
囲に臭気物質、有害物質を吸着する吸着剤として活性炭
があるが、活性炭の場合は細孔分布による物理吸着が主
であるため、やはり中性ガスなどを除去しにくい、一定
量の有害物質を吸着すると除去性能が著しく低下する、
あるいは、周囲の温度や有害物質の濃度如何では一度吸
着した有害物質が離脱してしまうという問題点があっ
た。
【0004】一旦吸着した臭気物資や有害物質を再脱離
しにくいという面では物理吸着よりも化学吸着の方が優
れるが、選択吸着の度合いが一層強まり酸性ガスを吸着
する吸着剤は塩基性ガスは全く吸着せず、広範囲な臭気
の除去(たとえばタバコ臭の脱臭;主成分として酢酸、
アセトアルデヒド、アンモニアを含有)を行うには適当
でなかった。
【0005】当然、このような選択吸着を示すような吸
着剤を使用しても、酸性ガス/塩基性ガス/中性ガスに
それぞれ選択吸着を示すような各吸着剤を多段階に用い
れば広範囲の脱臭という目的を達成することが出来、す
でに一部クリーンルームなどの有害物質除去に用いられ
ているが、一般に装置が大がかりとなり、小型の脱臭シ
ステムが必要な家庭用や業務用空気清浄機などの分野に
は不向きであった。特に、スペースの問題以上に吸着剤
を多段階に用いることによるシステムの圧力損失(圧
損)の上昇により、空気清浄機の性能発揮に最も必要な
要素である風量が減少したり、ファンの回転数が上がっ
て騒音の発生源になるなどの問題があった。
【0006】コルゲート状のフィルターは、圧損の問題
は比較的少なく、単位体積あたりの吸着量、表面積が大
きいという特徴があるが、担持するガス吸着剤の特性と
して多種の臭気物質を吸着・除去するには選択吸着の問
題のために適当でなく、この問題を解決するために酸性
ガス吸着性のコルゲートと塩基性ガス吸着性のコルゲー
トを合わせて用いると、空気清浄で非常に重要な要因で
ある圧損の上昇を招くというジレンマが存在した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、空気
清浄のためのフィルターにおいて、圧損を低下させずに
効率よく多種類悪臭などの有害物質を除去し、長時間使
用できる脱臭フィルターを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に到達した
ものである。
【0009】塩基性ガス吸着剤を含有する塩基吸着シー
トと、酸性ガス吸着剤を含有する酸吸着シートを交互に
積層したコルゲートに形成したことを特徴とする極性ガ
ス脱臭フィルター。
【0010】酸性ガス吸着剤を含有する酸吸着シート
と、中性ガス吸着剤を含有する中性ガス吸着シートを交
互に積層したコルゲートに形成したことを特徴とする中
性/酸性ガス脱臭フィルター。
【0011】塩基性ガス吸着剤を含有する塩基吸着シー
トと、中性ガス吸着剤を含有する中性ガス吸着シートを
交互に積層したコルゲートに形成したことを特徴とする
中性/塩基性ガス脱臭フィルター。
【0012】
【発明の実施の形態】吸着剤の例として例えば無機吸着
剤として、活性炭、活性白土、天然および合成ゼオライ
ト、セピオライト、酸化鉄などの鉄系化合物、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、シリカ、シリカ−酸化亜鉛複合
物、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、複合フィロケ
イ酸塩、あるいはこれらの混合物、有機吸着剤としては
各種アルコール化合物、エーテル化合物、カルボン酸化
合物、各種ビタミン類、アミン系化合物、金属有機化合
物、芳香族化合物、複素環化合物、ペンテン類、フラボ
ノイド類、キレート化合物、セルロース、リグニン、及
びこれらの化合物と金属との錯体や塩など各種化合物を
必要に応じて使い分けることができる。
【0013】本発明において用いられる担持される酸性
ガス吸着剤は、前述の活性炭やゼオライト、シリカゲル
など一般の吸着剤、多孔性物質、パルプ繊維やシート、
合成樹脂繊維やシート、メッシュ、多孔性金属、メッシ
ュ状金属、粒状凝集体、積層構成物質などをベースに、
より酸性ガスを吸着しやすい形にしたもので、例えばこ
れらのベースにアミン系化合物を被覆、含浸、混合する
などして達成される。アミン系化合物としては以下の物
質が挙げられる。
【0014】例えば第3級アミノ基を有する化合物とし
てビニルベンジルジメチルアミン、ビニルベンジルジエ
チルアミン、スチレンアクリル酸ジエチルアミン、スチ
レンメタクリル酸ジエチルアミン、スチレンアクリル酸
ジメチルアミン、スチレンメタクリル酸ジメチルアミ
ン、スチレンメタクリル酸エチルジメチルアミン、スチ
レンアクリル酸エチルジメチルアミン、スチレンメタク
リル酸エチルジエチルアミン、スチレンアクリル酸エチ
ルジエチルアミン、トリエチルアミン等の化合物、モノ
マー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの化合物か
ら誘導される第3級アミノ基を含有する誘導体などを用
いることができる。
【0015】第2級アミノ基を有する化合物としてはエ
チルアニリン、ジエチルアミン、メチルビニルアミン、
スチレンアクリル酸メチルメチルアミン、ビニルベンジ
ルメチルアミン、スチレンメタクリル酸エチルメチルア
ミン等の化合物、モノマー、オリゴマー、ポリマーある
いはこれらの化合物から誘導される第2級アミノ基を含
有する誘導体などを用いることができる。
【0016】第1級アミノ基を有する化合物としてはア
ニリン、ベンジルアミン、ナフチルアミン、シクロヘキ
シルアミン、スチレンメタクリル酸エチルアミン、スチ
レンアクリル酸アミン等の化合物、モノマー、オリゴマ
ー、ポリマーあるいはこれらの化合物から誘導される第
1級アミノ基を含有する誘導体などを用いることができ
る。
【0017】本発明において用いられる担持される塩基
性ガス吸着剤は、前述の活性炭やゼオライト、シリカゲ
ルなど一般の吸着剤、多孔性物質、パルプ繊維やシー
ト、合成樹脂繊維やシート、メッシュ、多孔性金属、メ
ッシュ状金属、粒状凝集体、積層構成物質などをベース
に、より塩基性ガスを吸着しやすい形にしたもので、こ
れらの物質にカルボン酸系化合物、フェノール系化合
物、リン酸系化合物などを混合、含浸、添着、塗布した
ものなどが挙げられる。
【0018】本発明において用いられる担持される中性
ガス吸着剤は、活性炭やゼオライト、シリカゲルなど一
般の吸着剤、多孔性物質、パルプ繊維やシート、合成樹
脂繊維やシート、メッシュ、多孔性金属、メッシュ状金
属、粒状凝集体、積層構成物質などをベースにしたもの
で、単体での使用の他、金属あるいは金属酸化物の混合
や添着、インターカレーションを行ってもよい。金属系
化合物としては白金、金、銀、銅、パラジウム、ロジウ
ム、ルテニウム、マンガン、などの金属、酸化ルテニウ
ム、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化珪素などの金属
酸化物を被覆、混合したものが使用できる。吸着剤を疎
水化することにより極性ガスの吸着を抑え中性ガスの吸
着性を向上させた吸着剤などを使用することができる。
【0019】本発明でいう酸性ガスとは蟻酸、酢酸、酪
酸、安息香酸、石炭酸、硫化水素、二酸化窒素、二酸化
硫黄、塩化水素など単体で酸性を示す化合物、あるいは
水に溶けて酸性を示す化合物などである。本発明でいう
塩基性ガスとはアンモニア、ピリジン、トリメチルアミ
ン、ジエチルアミンなど単体で塩基性を示す化合物、あ
るいは水に溶けて塩基性を示す化合物などである。本発
明でいう中性ガスとはホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒドなどアルデヒド類、エチレン、ベンゼン、トルエ
ン、ナフタレンなど炭化水素類、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノールなどアルコール類、ジメチルエー
テルなどエーテル類など単体では酸性、塩基性のどちら
にも大きく偏らず、極性が低くて水に溶けにくいか、溶
けても酸性、塩基性のどちらにも大きく偏らない化合物
などである。
【0020】本発明のガス吸着シートにおいて、ガス吸
着剤を担持すべきベースは、通常用いられる材料によっ
て作製される。その種類は限定されることはないが、例
えば、各種の紙、不織布、樹脂フィルムなどのシート、
金属、木材などを用いることができる。本発明において
は、ガス吸着剤を担持した繊維状シート、例えば紙、不
織布、布帛などは多孔質構造であり、ガス吸着剤と臭気
物質との接触の機会が多いため、特に好ましく用いるこ
とができる。
【0021】上記の各種材料にガス吸着剤を担持させ
て、本発明のガス吸着剤部材とするには、例えば、各種
の紙、不織布、樹脂フィルムなどのシートは、ガス吸着
剤を抄き込み、含浸、練り込みなどの各種の方法によ
り、担持させた後、コルゲート状に加工して、ガス吸着
剤部材とすることができる。またあらかじめコルゲート
状部材としたシートに、各種のガス吸着剤を後で担持さ
せたり、吸着シート中で活性炭やシルカゲルなどの吸着
体をガス吸着剤と併用してもよい。
【0022】本発明の脱臭フィルターに用いられるコル
ゲート構造体は、JIS Z 1516−1995「外装用
段ボール」に準拠して作製される。例えば、ライナ上に
中しんを接合した片段ボールを順次接着剤で積層させて
コルゲートブロックを作製し、コルゲートブロックのラ
イナ面に対して垂直に、あるいは一定の角度で斜めに切
断してコルゲート状の脱臭フィルターとすればよい。コ
ルゲートとは形状が異なるが、展張時に四角形あるいは
六角形となるいわゆるハニカムフィルターに関しては、
構成するシートに一定の巾で複数本の線状に糊付けし、
その上に別の構成シートを重ね合わせ、ピッチをずらせ
て一定の巾で複数本の線状に糊付けしさらに別の構成シ
ートを重ね合わせるという工程でハニカムブロックを作
成し、糊ラインに直交する形、あるいは一定の角度を保
って断裁し、展張すればハニカムフィルターが得られ
る。
【0023】すなわち本発明の脱臭フィルターは、例え
ばコルゲートの場合はライナーと中しんにそれぞれ塩基
吸着シートと酸吸着シート、酸吸着シートと中性ガス吸
着シート、あるいは塩基吸着シートと中性ガス吸着シー
トをあてることにより極性ガス脱臭フィルター、中性/
酸性ガス脱臭フィルター、中性/塩基性ガス脱臭フィル
ターを構成するコルゲートの片段ボールを作成すること
ができる。ハニカムの場合には1枚ずつ別種の吸着シー
トを重ね合わせて同様のフィルターの構成単位にするこ
とができる。
【0024】当然ながら例えばコルゲートの場合に1枚
以上の片段ボールを塩基吸着シートで形成し、同じく1
枚以上の片段ボールを酸吸着シートで形成し、この両方
を積層することにより極性ガス脱臭フィルターを構成す
ることもできるし、同様のことをハニカムで行うことも
可能である。
【0025】本発明で用いられる吸着剤は、悪臭や揮発
性有機溶剤などの有害物質を吸着するために用いられる
ものである。なお、吸着能のみならず、光触媒や酸化触
媒など触媒作用を有する脱臭剤を同時に用いる事は何ら
さしつかえない。また抗菌、防黴などの機能を併せ持つ
事もフィルターとして併用することも何らさしつかえな
い。さらに粗塵フィルター、除塵フィルター、オイルミ
スト除去フィルター、吸湿フィルター、加湿フィルター
などを本発明の脱臭フィルターと併用することは何ら差
し支えない。
【0026】本発明の脱臭フィルターは、圧損の上昇な
しに酸性ガスと中性ガス、あるいは酸性ガスと塩基性ガ
スなどの極性の異なる悪臭、有害物質を効率よく脱臭・
除去できるものである。本発明の脱臭フィルターによれ
ば、酸性ガスと塩基性ガスなど単体の吸着剤では除去し
にくい臭気が除去できるばかりか、一般に酸性ガスと中
性ガス(酢酸とアセトアルデヒドなどの組み合わせ)や
塩基性ガスと中性ガス(アンモニアとエーテルなどの組
み合わせ)など、通常の吸着剤では極性の高いガス、す
なわち酢酸とかアンモニアなどが先に吸着剤の吸着サイ
トを占め、中性ガスの吸着が十分に行われないという問
題を解決できる。このように混合ガスの脱臭が効率的に
行えるため脱臭領域が広いばかりか脱臭寿命が長くなる
効果が見いだされた。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】本発明に使用される塩基吸着シートは有機
酸を固定した市販の物(三菱製紙製RF9L;目付50
g/m2)を用いた。中性ガス吸着シートは添着活性炭
を塗工した市販の物を用いた(三菱製紙製 CBS−
1;目付40g/m2)。酸吸着シートは有機アミンを
塗工した市販の物(三菱製紙製、RF50:目付60g
/m2)を用いた。
【0029】「コルゲート部材の製造」上記のようにし
て作製した酸吸着シート、中性ガス吸着シート、塩基吸
着シートについて、上述のJIS Z 1516−1995
「外装用段ボール」に準拠して、ライナーと中しんを積
層して、ピッチ2.6mm、高さ1.5mmの単段コル
ゲートを製造し、単段コルゲートを積層してコルゲート
ブロックとした。さらにこのコルゲートブロックを厚み
10mm(縦、横とも100mm)にスライスし、コル
ゲート部材とした。
【0030】実施例1 塩基吸着シートをライナーに、酸吸着シートを中しんに
用いてコルゲート部材を作成し、極性ガス脱臭フィルタ
ーとした。
【0031】実施例2 酸吸着シートをライナーに、中性ガス吸着シートを中し
んに用いてコルゲート部材を作成し、中性/酸性ガス脱
臭フィルターとした。
【0032】実施例3 塩基吸着シートをライナーに、中性ガス吸着シートを中
しんに用いてコルゲート部材を作成し、中性/塩基性ガ
ス脱臭フィルターとした。
【0033】比較例1 塩基吸着シートのみで作成したコルゲート部材(厚み1
0mm)により脱臭フィルターとした。
【0034】比較例2 酸吸着シートのみで作成したコルゲート部材(厚み10
mm)を脱臭フィルターとした。
【0035】比較例3 中性ガス吸着シートのみで作成したコルゲート部材(厚
み10mm)を脱臭フィルターとした。
【0036】比較例4 塩基吸着シートのみで作成したコルゲート部材(厚み5
mm)と、酸吸着シートのみで作成したコルゲート部材
(厚み5mm)をコルゲートの目を揃えて貼合せ、脱臭
フィルターとした。
【0037】比較例5 酸吸着シートのみで作成したコルゲート部材(厚み5m
m)と、中性ガス吸着シートのみで作成したコルゲート
部材(厚み5mm)をコルゲートの目を揃えて貼合せ、
脱臭フィルターとした。
【0038】比較例6 塩基吸着シートのみで作成したコルゲート部材(厚み5
mm)と、中性ガス吸着シートのみで作成したコルゲー
ト部材(厚み5mm)をコルゲートの目を揃えて貼合
せ、脱臭フィルターとした。
【0039】以上、実施例および比較例で得られたフィ
ルターは、以下の方法で試験を行い、その性能を評価し
た。
【0040】<脱臭性能1>内部にファンを設置した密
閉容器中に実施例、比較例で得られた一定面積のフィル
ターを置き、容器中にアセトアルデヒドを100ppm
注入し、ファンでフィルターを通過させ5分後の容器中
のアセトアルデヒド濃度(ppm)をガスクロマトグラ
フで測定した。注入したアセトアルデヒド濃度から5分
後のアセトアルデヒド濃度を差し引いて減少アルデヒド
濃度を出し、減少アルデヒド濃度の注入アセトアルデヒ
ド濃度に対する割合を中性ガス脱臭性能として%表示し
た。
【0041】<脱臭性能2>内部にファンを設置した密
閉容器中に実施例、比較例で得られた一定面積のフィル
ターを置き、容器中に酢酸100ppm注入し、ファン
でフィルターを通過させ5分後の容器中の酢酸濃度(p
pm)を検知管で測定した。注入した酢酸濃度から5分
後の酢酸濃度を差し引いて減少酢酸濃度を出し、減少酢
酸濃度の注入酢酸濃度に対する割合を酸性ガス脱臭性能
として%表示した。
【0042】<脱臭性能3>内部にファンを設置した密
閉容器中に実施例、比較例で得られた一定面積のフィル
ターを置き、容器中にアンモニア100ppm注入し、
ファンでフィルターを通過させ5分後の容器中のアンモ
ニア濃度(ppm)を検知管で測定した。注入したアン
モニア濃度から5分後のアンモニア濃度を差し引いて減
少アンモニア濃度を出し、減少アンモニア濃度の注入ア
ンモニア濃度に対する割合を塩基性ガス脱臭性能として
%表示した。
【0043】<総合脱臭性能>空気清浄化フィルターと
して重要な特性を実用上、総合的に判定するため、上記
の脱臭性能1〜3における中性ガス脱臭性能、酸性ガス
脱臭性能、塩基性ガス脱臭性能の和を求め、それを3で
除して総合脱臭性能として%表示した。
【0044】<通気性>JIS−B−9908に準拠し
て、実施例および比較例のフィルターの圧力損失を測定
した。圧力損失が小さい方が通気性が優れる。
【0045】表1に脱臭性能試験の結果を示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果から、以下のことが解る。
【0048】酸吸着シートと塩基吸着シートを組み合わ
せたコルゲートを用いた実施例1の場合は、酸性ガス吸
着剤と塩基性ガス吸着剤が近傍にあるため両ガスにおけ
る脱臭性能が非常に高く優れた極性ガス脱臭フィルター
を構成する。中性ガス吸着シートと酸吸着シートを組み
合わせたコルゲートを用いた実施例2の場合は、中性ガ
ス吸着剤と酸性ガス吸着剤が近傍にあるため両ガスにお
ける脱臭性能が非常に高く優れた中性/酸性ガス脱臭フ
ィルターを構成する。中性ガス吸着シートと塩基吸着シ
ートを組み合わせたコルゲートを用いた実施例3の場合
は、中性ガス吸着剤と塩基性ガス吸着剤が近傍にあるた
め両ガスにおける脱臭性能が非常に高く優れた中性/塩
基性ガス脱臭フィルターを構成する。
【0049】塩基吸着シートのみからなるコルゲートを
用いた比較例1の場合は、脱臭性能が塩基性ガスのみに
偏り、総合脱臭性能が良くない。このためケミカルフィ
ルターなど特定の臭気のみを脱臭する場合には有効であ
るが、タバコ臭やペット臭など臭気の入り交じった場合
の使用にはふさわしくない。酸吸着シートのみからなる
コルゲートを用いた比較例2の場合は、脱臭性能が酸性
ガスのみに偏り、総合脱臭性能が良くない。このためケ
ミカルフィルターなど特定の臭気のみを脱臭する場合に
は有効であるが、タバコ臭やペット臭など臭気の入り交
じった場合の使用にはふさわしくない。中性ガス吸着シ
ートのみからなるコルゲートを用いた比較例3の場合
は、脱臭性能が中性ガスのみに偏り、総合脱臭性能が良
くない。このためケミカルフィルターなど特定の臭気の
みを脱臭する場合には有効であるが、タバコ臭やペット
臭など臭気の入り交じった場合の使用にはふさわしくな
い。
【0050】酸吸着シートのみからなるコルゲートと塩
基吸着シートのみからなるコルゲートをそれぞれ半々に
用いた比較例4の場合は、両方のガスを吸着することが
できるが、おそらくコルゲートの厚みが小さくコルゲー
トの空隙を通過するガスとの接触時間が少ないせいか、
両ガスの吸着性能があまり良くない。酸吸着シートのみ
からなるコルゲートと中性ガス吸着シートのみからなる
コルゲートをそれぞれ半々に用いた比較例5の場合は、
両方のガスを吸着することができるが、おそらくコルゲ
ートの厚みが小さくコルゲートの空隙を通過するガスと
の接触時間が少ないせいか、両ガスの吸着性能があまり
良くない。塩基吸着シートのみからなるコルゲートと中
性ガス吸着シートのみからなるコルゲートをそれぞれ半
々に用いた比較例6の場合は、両方のガスを吸着するこ
とができるが、おそらくコルゲートの厚みが小さくコル
ゲートの空隙を通過するガスとの接触時間が少ないせい
か、両ガスの吸着性能があまり良くない。比較例4〜6
においては、それぞれの性能を十分発揮するまえに風が
通り抜けてしまうためか脱臭性能が対応する実施例に比
べて低めになり、脱臭性の上から好ましくないばかり
か、コルゲートを重ねて用いることにより空気清浄機に
組み込む場合に重要になる圧力損失が対応する実施例に
比べて上昇しており、空気清浄機に組み込んだ際に一定
条件で風量が少なくなり、ファンの回転音が大きくなる
などの弊害があるため空気清浄化フィルターとして好ま
しくない。
【0051】
【発明の効果】本発明では中性ガス吸着シート、酸吸着
シート、塩基吸着シートがそれぞれ近傍にある形でコル
ゲートを構成するためタバコ臭やペット臭など日常の複
合臭気への総合的な脱臭性能が優れるばかりでなく、圧
力損失の低い脱臭フィルターを製造できるため、この脱
臭フィルターを用いると風量が大きく騒音が少なく、脱
臭性に優れた空気清浄機の製造が可能になるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/42 B01D 53/34 120D 53/72 Fターム(参考) 4D002 AA13 AA32 AA33 AB01 AB02 AB03 AC07 AC10 BA03 BA04 BA14 CA07 DA06 DA11 DA19 DA21 DA22 DA31 DA33 DA41 DA45 DA46 DA61 DA70 EA06 GA01 GA02 GB02 GB04 GB20 HA03 4D012 BA01 CA09 CA10 CA11 CB02 CE02 CE03 CF03 CF05 CK05 CK06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性ガス吸着剤を含有する塩基吸着シ
    ートと、酸性ガス吸着剤を含有する酸吸着シートを交互
    に積層し、コルゲートに形成したことを特徴とする極性
    ガス脱臭フィルター。
  2. 【請求項2】 酸性ガス吸着剤を含有する酸吸着シート
    と、中性ガス吸着剤を含有する中性ガス吸着シートを交
    互に積層し、コルゲートに形成したことを特徴とする中
    性/酸性ガス脱臭フィルター。
  3. 【請求項3】 塩基性ガス吸着剤を含有する塩基吸着シ
    ートと、中性ガス吸着剤を含有する中性ガス吸着シート
    を交互に積層し、コルゲートに形成したことを特徴とす
    る中性/塩基性ガス脱臭フィルター。
JP11071795A 1999-03-17 1999-03-17 脱臭フィルター Pending JP2000262844A (ja)

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