JP2000262293A - 活性化蛋白質の製造法 - Google Patents
活性化蛋白質の製造法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】優れた活性化蛋白質の製造法の提供。
【解決手段】精製された配列番号:1で表されるアミノ
酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するポリペプチドと銅イオン、カルシウムイオン若しく
はマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物質、カルシ
ウムイオン供給物質若しくはマグネシウムイオン供給物
質とを接触させることを特徴とする該ポリペプチドの活
性化方法。 【効果】本発明の活性化方法または製造法は、癌化学療
法剤から骨髄幹細胞を保護し、抗ガン剤投与時のリミテ
ィングファクターである白血球の減少を速やかに回復さ
せる効果を有する活性型MPIF-1Δ23を、大量かつ安価
に製造することを可能にする。
酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するポリペプチドと銅イオン、カルシウムイオン若しく
はマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物質、カルシ
ウムイオン供給物質若しくはマグネシウムイオン供給物
質とを接触させることを特徴とする該ポリペプチドの活
性化方法。 【効果】本発明の活性化方法または製造法は、癌化学療
法剤から骨髄幹細胞を保護し、抗ガン剤投与時のリミテ
ィングファクターである白血球の減少を速やかに回復さ
せる効果を有する活性型MPIF-1Δ23を、大量かつ安価
に製造することを可能にする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大腸菌を用いた遺伝
子組み換え法によるポリペプチドの活性化方法、大腸菌
を用いた遺伝子組み換え法による活性型ポリペプチドケ
モカインの製造方法などに関するものである。
子組み換え法によるポリペプチドの活性化方法、大腸菌
を用いた遺伝子組み換え法による活性型ポリペプチドケ
モカインの製造方法などに関するものである。
【0002】
【従来の技術】組み換え蛋白(ポリペプチド)の生産に
はコスト等の面から大腸菌が最も広く用いられている
が、大腸菌で発現を行った場合、封入体を形成したり、
正確なS-S結合が生じないために、蛋白としては得ら
れても活性が認められない場合がある。大腸菌を用いて
活性体を得る方法としては、分泌シグナルを付加するこ
とによりペリプラズム空間に可溶体として蓄積せしめ、
活性体を取得する方法がある (C.N. Changeら、Gene、1
89-196、55(1987))。一方、大腸菌で封入体として発現
せしめることは、高い生産量及び封入体では目的蛋白が
高い純度で得られる利点がある。しかし、封入体より活
性体を取得するためには、封入体の変成剤による可溶化
及び変成剤の除去を含むリフォールディングの過程を必
要とする(R.H.Pain編、タンパク質のフォールディン
グ、245-279(1995)、シュプリンガーフェアラーク東
京)。このリフォールディングの操作においては、レド
ックス緩衝液系の使用、尿素やアルギニン塩酸塩等の沈
殿防止剤を用いる事により、リフォールディングの効率
が高まる事が報告されている。しかしながらこれらの条
件は目的とする蛋白(ポリペプチド)により大きく異な
り、一般的なリフォールディング法によっては活性体が
得られない場合も多く存在する。
はコスト等の面から大腸菌が最も広く用いられている
が、大腸菌で発現を行った場合、封入体を形成したり、
正確なS-S結合が生じないために、蛋白としては得ら
れても活性が認められない場合がある。大腸菌を用いて
活性体を得る方法としては、分泌シグナルを付加するこ
とによりペリプラズム空間に可溶体として蓄積せしめ、
活性体を取得する方法がある (C.N. Changeら、Gene、1
89-196、55(1987))。一方、大腸菌で封入体として発現
せしめることは、高い生産量及び封入体では目的蛋白が
高い純度で得られる利点がある。しかし、封入体より活
性体を取得するためには、封入体の変成剤による可溶化
及び変成剤の除去を含むリフォールディングの過程を必
要とする(R.H.Pain編、タンパク質のフォールディン
グ、245-279(1995)、シュプリンガーフェアラーク東
京)。このリフォールディングの操作においては、レド
ックス緩衝液系の使用、尿素やアルギニン塩酸塩等の沈
殿防止剤を用いる事により、リフォールディングの効率
が高まる事が報告されている。しかしながらこれらの条
件は目的とする蛋白(ポリペプチド)により大きく異な
り、一般的なリフォールディング法によっては活性体が
得られない場合も多く存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】組み換え蛋白(ポリペ
プチド)の生産において、より簡便で確実な活性体の取
得方法の確立が期待されている。MPIF-1Δ23(WO 95/1
7092号)は骨髄幹細胞コロニー形成の阻止作用を有する
ことから、癌化学療法剤から骨髄幹細胞を保護し、抗ガ
ン剤投与時のリミティングファクターである白血球の減
少を速やかに回復させる効果が期待される。そのような
医薬品としてMPIF-1Δ23を用いる場合には、大量かつ
安価に活性型MPIF-1Δ23が得られる調製法の確立が必
要となる。
プチド)の生産において、より簡便で確実な活性体の取
得方法の確立が期待されている。MPIF-1Δ23(WO 95/1
7092号)は骨髄幹細胞コロニー形成の阻止作用を有する
ことから、癌化学療法剤から骨髄幹細胞を保護し、抗ガ
ン剤投与時のリミティングファクターである白血球の減
少を速やかに回復させる効果が期待される。そのような
医薬品としてMPIF-1Δ23を用いる場合には、大量かつ
安価に活性型MPIF-1Δ23が得られる調製法の確立が必
要となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、CCケモ
カインの一種であるMPIF(Myeloid Progenitor Inhibit
ory Factor)-1Δ23の活性体を効率よく取得する方
法について種々の検討を行った結果、MPIF-1Δ23を
銅、カルシウムまたはマグネシウム処理することによっ
て可能となることを見出した。
カインの一種であるMPIF(Myeloid Progenitor Inhibit
ory Factor)-1Δ23の活性体を効率よく取得する方
法について種々の検討を行った結果、MPIF-1Δ23を
銅、カルシウムまたはマグネシウム処理することによっ
て可能となることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は、(1)精製された配
列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一または実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドと銅イオ
ン、カルシウムイオン若しくはマグネシウムイオンまた
は銅イオン供給物質、カルシウムイオン供給物質若しく
はマグネシウムイオン供給物質とを接触させることを特
徴とする該ポリペプチドの活性化方法、(2)銅イオン
供給物質が銅、硫酸銅、臭化銅、ふっ化銅、蓚酸銅、塩
化銅、ぎ酸銅、酢酸銅または硫化銅である上記(1)記
載の方法、(3)銅イオン供給物質が硫酸銅である上記
(2)記載の方法、(4)カルシウムイオン供給物質
が、カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、硝
酸カルシウム、ぎ酸カルシウムまたは塩化カルシウムで
ある上記(1)記載の方法、(5)カルシウムイオン供
給物質が塩化カルシウムである上記(4)記載の方法、
(6)マグネシウムイオン供給物質が、マグネシウム、
硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウ
ム、ぎ酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムである上
記(1)記載の方法、(7)マグネシウムイオン供給物
質が硫酸マグネシウムである上記(6)記載の方法、
(8)活性化されたポリペプチドの有する活性が細胞分
化抑制活性である上記(1)記載の方法、(9)精製さ
れた配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一または
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドと
銅イオン、カルシウムイオン若しくはマグネシウムイオ
ンまたは銅イオン供給物質、カルシウムイオン供給物質
若しくはマグネシウムイオン供給物質とを接触させるこ
とを特徴とする活性型ポリペプチドの製造方法、および
(10)上記(1)記載の活性化方法によって活性化さ
れたポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩などに関する。
列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一または実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドと銅イオ
ン、カルシウムイオン若しくはマグネシウムイオンまた
は銅イオン供給物質、カルシウムイオン供給物質若しく
はマグネシウムイオン供給物質とを接触させることを特
徴とする該ポリペプチドの活性化方法、(2)銅イオン
供給物質が銅、硫酸銅、臭化銅、ふっ化銅、蓚酸銅、塩
化銅、ぎ酸銅、酢酸銅または硫化銅である上記(1)記
載の方法、(3)銅イオン供給物質が硫酸銅である上記
(2)記載の方法、(4)カルシウムイオン供給物質
が、カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、硝
酸カルシウム、ぎ酸カルシウムまたは塩化カルシウムで
ある上記(1)記載の方法、(5)カルシウムイオン供
給物質が塩化カルシウムである上記(4)記載の方法、
(6)マグネシウムイオン供給物質が、マグネシウム、
硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウ
ム、ぎ酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムである上
記(1)記載の方法、(7)マグネシウムイオン供給物
質が硫酸マグネシウムである上記(6)記載の方法、
(8)活性化されたポリペプチドの有する活性が細胞分
化抑制活性である上記(1)記載の方法、(9)精製さ
れた配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一または
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドと
銅イオン、カルシウムイオン若しくはマグネシウムイオ
ンまたは銅イオン供給物質、カルシウムイオン供給物質
若しくはマグネシウムイオン供給物質とを接触させるこ
とを特徴とする活性型ポリペプチドの製造方法、および
(10)上記(1)記載の活性化方法によって活性化さ
れたポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩などに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の活性化方法または活性型
ペプチドの製造方法に用いられるポリペプチド(以下、
本発明のポリペプチドと略記する場合がある)として
は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一または
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドな
どがあげられる。本発明のポリペプチドは、遺伝子組換
え大腸菌に由来するポリペプチドであってもよく、また
合成ポリペプチドであってもよい。配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とし
ては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
と約80%以上、好ましくは約90%以上、より好まし
くは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが
あげられる。本発明の配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドとしては、例えば、配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、本発
明の活性化方法または製造法において活性化された結
果、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列で表される
ポリペプチドと実質的に同質の活性を有するポリペプチ
ドなどが好ましい。実質的に同質の活性としては、例え
ば、細胞分化抑制活性(例、骨髄細胞分化抑制活性な
ど)などがあげられる。実質的に同質の活性とは、それ
らの活性が性質的に同質であることを示す。したがっ
て、細胞分化抑制活性などが同等(例、約0.01〜1
00倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好ましくは
約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活
性の程度やポリペプチドの分子量などの量的要素は異な
っていてもよい。細胞分化抑制活性(例、骨髄細胞分化
抑制活性など)の活性の測定は、自体公知の方法(例え
ば、J. Exp. Med., 185, 1163-1172(1997)に記載の方
法)に準じて行なうことができる。
ペプチドの製造方法に用いられるポリペプチド(以下、
本発明のポリペプチドと略記する場合がある)として
は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一または
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドな
どがあげられる。本発明のポリペプチドは、遺伝子組換
え大腸菌に由来するポリペプチドであってもよく、また
合成ポリペプチドであってもよい。配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とし
ては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
と約80%以上、好ましくは約90%以上、より好まし
くは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが
あげられる。本発明の配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドとしては、例えば、配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、本発
明の活性化方法または製造法において活性化された結
果、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列で表される
ポリペプチドと実質的に同質の活性を有するポリペプチ
ドなどが好ましい。実質的に同質の活性としては、例え
ば、細胞分化抑制活性(例、骨髄細胞分化抑制活性な
ど)などがあげられる。実質的に同質の活性とは、それ
らの活性が性質的に同質であることを示す。したがっ
て、細胞分化抑制活性などが同等(例、約0.01〜1
00倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好ましくは
約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活
性の程度やポリペプチドの分子量などの量的要素は異な
っていてもよい。細胞分化抑制活性(例、骨髄細胞分化
抑制活性など)の活性の測定は、自体公知の方法(例え
ば、J. Exp. Med., 185, 1163-1172(1997)に記載の方
法)に準じて行なうことができる。
【0007】活性化された本発明のポリペプチドとは、
骨髄細胞分化抑制作用(特に後述の実施例に記載のマウ
ス骨髄細胞分化抑制作用等)において、30%のLPP-CFCコ
ロニー形成抑制率を示す用量が活性化前の本発明のポリ
ペプチドに比べ1/5以下に、好ましくは1/20以下に低下
している本発明のポリペプチドを示す。また、本発明の
ポリペプチドとしては、配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜3
0個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ま
しくは数(1〜2)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸
配列、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列に1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ま
しくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜2)
個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好
ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個
程度、さらに好ましくは数(1〜2)個)のアミノ酸が
他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれ
らを組み合わせたアミノ酸配列を含有するポリペプチド
なども用いられる。
骨髄細胞分化抑制作用(特に後述の実施例に記載のマウ
ス骨髄細胞分化抑制作用等)において、30%のLPP-CFCコ
ロニー形成抑制率を示す用量が活性化前の本発明のポリ
ペプチドに比べ1/5以下に、好ましくは1/20以下に低下
している本発明のポリペプチドを示す。また、本発明の
ポリペプチドとしては、配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜3
0個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ま
しくは数(1〜2)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸
配列、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列に1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ま
しくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜2)
個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好
ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個
程度、さらに好ましくは数(1〜2)個)のアミノ酸が
他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれ
らを組み合わせたアミノ酸配列を含有するポリペプチド
なども用いられる。
【0008】本明細書におけるポリペプチドは、ペプチ
ド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右
端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質
をはじめとする、本発明のポリペプチドは、C末端が通
常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレー
ト(−COO-)であるが、C末端がアミド(−CONH
2)またはエステル(−COOR)であってもよい。こ
こでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチル
などのC1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シ
クロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、
フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例え
ば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アル
キル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル
−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、
経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチ
ル基などが用いられる。本発明のポリペプチドがC末端
以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有
している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステ
ル化されているものも本発明のポリペプチドに含まれ
る。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末
端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明のポリ
ペプチドには、上記したポリペプチドにおいて、N末端
のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミ
ル基、アセチルなどのC2-6アルカノイル基などのC1-6
アシル基など)で保護されているもの、N端側が生体内
で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン化し
たもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、
−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドー
ル基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホ
ルミル基、アセチルなどのC2-6アルカノイル基などの
C1-6アシル基など)で保護されているもの、あるいは
糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパ
ク質なども含まれる。本発明のポリペプチドの具体例と
しては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を含有するポリペプチドなどが用いられる。本発明の
ポリペプチドは塩を形成していてもよく、本発明のポリ
ペプチドの塩としては、とりわけ生理学的に許容される
酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機
酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。以下に本
発明のポリペプチドの活性化方法および活性型の本発明
のポリペプチドの製造方法について詳述する。
ド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右
端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質
をはじめとする、本発明のポリペプチドは、C末端が通
常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレー
ト(−COO-)であるが、C末端がアミド(−CONH
2)またはエステル(−COOR)であってもよい。こ
こでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチル
などのC1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シ
クロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、
フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例え
ば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アル
キル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル
−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、
経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチ
ル基などが用いられる。本発明のポリペプチドがC末端
以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有
している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステ
ル化されているものも本発明のポリペプチドに含まれ
る。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末
端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明のポリ
ペプチドには、上記したポリペプチドにおいて、N末端
のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミ
ル基、アセチルなどのC2-6アルカノイル基などのC1-6
アシル基など)で保護されているもの、N端側が生体内
で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン化し
たもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、
−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドー
ル基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホ
ルミル基、アセチルなどのC2-6アルカノイル基などの
C1-6アシル基など)で保護されているもの、あるいは
糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパ
ク質なども含まれる。本発明のポリペプチドの具体例と
しては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を含有するポリペプチドなどが用いられる。本発明の
ポリペプチドは塩を形成していてもよく、本発明のポリ
ペプチドの塩としては、とりわけ生理学的に許容される
酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機
酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。以下に本
発明のポリペプチドの活性化方法および活性型の本発明
のポリペプチドの製造方法について詳述する。
【0009】本発明のポリペプチドを完全にコードする
DNAのクローニングの手段としては、本発明のポリペ
プチドの部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを
用いてPCR法によって増幅するか、または適当なベク
ターに組み込んだDNAを本発明のポリペプチドの一部
あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成D
NAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーション
によって選別することができる。ハイブリダイゼーショ
ンの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Sp
ring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従
って行なうことができる。また、市販のライブラリーを
使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って
行なうことができる。
DNAのクローニングの手段としては、本発明のポリペ
プチドの部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを
用いてPCR法によって増幅するか、または適当なベク
ターに組み込んだDNAを本発明のポリペプチドの一部
あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成D
NAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーション
によって選別することができる。ハイブリダイゼーショ
ンの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Sp
ring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従
って行なうことができる。また、市販のライブラリーを
使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って
行なうことができる。
【0010】DNAの塩基配列の変換は、公知のキッ
ト、例えば、MutanTM-G(宝酒造(株))、MutanTM-K
(宝酒造(株))などを用いて、Gupped duplex法やKun
kel法などの自体公知の方法あるいはそれらに準じる方
法に従って行なうことができる。クローン化された本発
明のポリペプチドをコードするDNAは目的によりその
まま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカ
ーを付加したりして使用することができる。該DNAは
その5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有
し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTA
A、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの
翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNA
アダプターを用いて付加することもできる。本発明のポ
リペプチドの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明の
ポリペプチドをコードするDNAから目的とするDNA
断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベク
ター中のプロモーターの下流に連結することにより製造
することができる。
ト、例えば、MutanTM-G(宝酒造(株))、MutanTM-K
(宝酒造(株))などを用いて、Gupped duplex法やKun
kel法などの自体公知の方法あるいはそれらに準じる方
法に従って行なうことができる。クローン化された本発
明のポリペプチドをコードするDNAは目的によりその
まま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカ
ーを付加したりして使用することができる。該DNAは
その5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有
し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTA
A、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの
翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNA
アダプターを用いて付加することもできる。本発明のポ
リペプチドの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明の
ポリペプチドをコードするDNAから目的とするDNA
断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベク
ター中のプロモーターの下流に連結することにより製造
することができる。
【0011】ベクターとしては、pBR322,pBR
325,pUC12,pUC13などが用いられる。本
発明で用いられるプロモーターとしては、trpプロモ
ーター、lacプロモーター、recAプロモーター、
λPLプロモーター、lppプロモーターなどが好まし
い。発現ベクターには、以上の他に、所望によりエンハ
ンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナ
ル、選択マーカーなどを含有しているものを用いること
ができる。選択マーカーとしては、例えば、アンピシリ
ン耐性遺伝子(以下、Amprと略称する場合があ
る)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neoと略称す
る場合がある、G418耐性)等があげられる。このよ
うにして構築された本発明のポリペプチドをコードする
DNAを含有するベクターを用いて、形質転換体を製造
することができる。宿主としては、例えば、エシェリヒ
ア属菌の細菌などが用いられる。エシェリヒア属菌の具
体例としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia col
i)K12・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),60巻,160(1968)〕,JM103〔ヌク
イレック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Rese
arch),9巻,309(1981)〕,JA221〔ジャ
ーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal
of Molecular Biology)〕,120巻,517(197
8)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー
・バイオロジー,41巻,459(1969)〕,C60
0〔ジェネティックス(Genetics),39巻,440
(1954)〕,MM294,MM294(DE3)など
が用いられる。
325,pUC12,pUC13などが用いられる。本
発明で用いられるプロモーターとしては、trpプロモ
ーター、lacプロモーター、recAプロモーター、
λPLプロモーター、lppプロモーターなどが好まし
い。発現ベクターには、以上の他に、所望によりエンハ
ンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナ
ル、選択マーカーなどを含有しているものを用いること
ができる。選択マーカーとしては、例えば、アンピシリ
ン耐性遺伝子(以下、Amprと略称する場合があ
る)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neoと略称す
る場合がある、G418耐性)等があげられる。このよ
うにして構築された本発明のポリペプチドをコードする
DNAを含有するベクターを用いて、形質転換体を製造
することができる。宿主としては、例えば、エシェリヒ
ア属菌の細菌などが用いられる。エシェリヒア属菌の具
体例としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia col
i)K12・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),60巻,160(1968)〕,JM103〔ヌク
イレック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Rese
arch),9巻,309(1981)〕,JA221〔ジャ
ーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal
of Molecular Biology)〕,120巻,517(197
8)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー
・バイオロジー,41巻,459(1969)〕,C60
0〔ジェネティックス(Genetics),39巻,440
(1954)〕,MM294,MM294(DE3)など
が用いられる。
【0012】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。宿主がエシェリヒア属菌である形質転換体を培養す
る際、培養に使用される培地としては液体培地が適当で
あり、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、
窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源とし
ては、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱
粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウ
ム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプト
ン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液な
どの無機または有機物質、無機物としては、例えば、塩
化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシ
ウムなどがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン
類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは
約5〜8が望ましい。エシェリヒア属菌を培養する際の
培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含む
M9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エク
スペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス
(Journal of Experiments in Molecular Genetics),
431−433,Cold Spring Harbor Laboratory, New
York1972〕が好ましい。ここに必要によりプロモ
ーターを効率よく働かせるために、例えば、3β−イン
ドリル アクリル酸のような薬剤を加えることができ
る。宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15
〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、通気や
撹拌を加えることもできる。
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。宿主がエシェリヒア属菌である形質転換体を培養す
る際、培養に使用される培地としては液体培地が適当で
あり、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、
窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源とし
ては、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱
粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウ
ム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプト
ン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液な
どの無機または有機物質、無機物としては、例えば、塩
化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシ
ウムなどがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン
類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは
約5〜8が望ましい。エシェリヒア属菌を培養する際の
培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含む
M9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エク
スペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス
(Journal of Experiments in Molecular Genetics),
431−433,Cold Spring Harbor Laboratory, New
York1972〕が好ましい。ここに必要によりプロモ
ーターを効率よく働かせるために、例えば、3β−イン
ドリル アクリル酸のような薬剤を加えることができ
る。宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15
〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、通気や
撹拌を加えることもできる。
【0013】上記培養物から本発明のポリペプチドを分
離・精製するには、例えば、下記の方法により行なうこ
とができる。本発明のポリペプチドを培養菌体から抽出
するに際しては、培養後、公知の方法で菌体を集め、こ
れを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび
/または凍結融解などによって菌体を破壊したのち、遠
心分離やろ過によりポリペプチドの粗抽出液を得る方法
などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニ
ジンなどの蛋白質変性剤や、トリトンX−100TMなど
の界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中に本発明
のポリペプチドが分泌される場合には、培養終了後、そ
れ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離
し、上清を集める。このようにして得られた培養上清、
あるいは抽出液中に含まれるポリペプチドの精製は、自
体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうこと
ができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析
や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限
外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用す
る方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差
を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーな
どの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマ
トグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点
電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用い
られる。
離・精製するには、例えば、下記の方法により行なうこ
とができる。本発明のポリペプチドを培養菌体から抽出
するに際しては、培養後、公知の方法で菌体を集め、こ
れを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび
/または凍結融解などによって菌体を破壊したのち、遠
心分離やろ過によりポリペプチドの粗抽出液を得る方法
などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニ
ジンなどの蛋白質変性剤や、トリトンX−100TMなど
の界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中に本発明
のポリペプチドが分泌される場合には、培養終了後、そ
れ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離
し、上清を集める。このようにして得られた培養上清、
あるいは抽出液中に含まれるポリペプチドの精製は、自
体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうこと
ができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析
や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限
外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用す
る方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差
を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーな
どの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマ
トグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点
電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用い
られる。
【0014】かくして得られる本発明のポリペプチドが
遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそ
れに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に
塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法により、遊離体または他の塩に変換することが
できる。なお、組換え体が産生する本発明のポリペプチ
ドを、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用
させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチ
ドを部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素とし
ては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニ
ルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼなどが用い
られる。
遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそ
れに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に
塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法により、遊離体または他の塩に変換することが
できる。なお、組換え体が産生する本発明のポリペプチ
ドを、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用
させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチ
ドを部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素とし
ては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニ
ルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼなどが用い
られる。
【0015】抽出したポリペプチドの活性化を行うため
に、ポリペプチドのリフォールディングを行う。リフォ
ールディングは、例えばタンパク質のフォールディン
グ、R.H.Pain編、245-279(1995)、シュプリンガーフェ
アラーク東京に記載された公知の方法あるいはそれに準
じる方法により実施する事が可能である。抽出剤(例え
ば、グアニジン塩酸塩、尿素のようなカオトロピック可
溶化剤、n−ラウリルメチルグリシン、SDSのような
界面活性剤など)を含まないもしくは低濃度の抽出剤を
含む緩衝液で1段階もしくは他段階で希釈すること、半
透膜を用いた透析、ゲル濾過を用いた緩衝液の置換等に
より行うことが出来る。この場合、ポリペプチドのアグ
リゲーションを防止するために、アルギニン、ポリエチ
レングリコール、中性界面活性剤等を添加することが出
来る。ポリペプチドのジスルフィド結合形成のために空
気酸化、酸化還元緩衝液系等を用いることが出来る。酸
化還元緩衝液にはグルタチオン、システイン、ジチオス
レイトール、2−メルカプトエタノール、またはシステ
アミンをベースとしたものが挙げられる。本発明のポリ
ペプチドは例えば、(1)上記の分離・精製後に、
(2)リフォールディングの後に、(3)リフォールデ
ィングと同時に、または(5)ポリペプチドを菌体から
抽出した後に、銅イオン、カルシウムイオン若しくはマ
グネシウムイオンまたは銅イオン供給物質供、カルシウ
ムイオン給物質若しくはマグネシウムイオン供給物質と
接触させる。また、この場合、銅イオン、カルシウムイ
オン若しくはマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物
質供、カルシウムイオン給物質若しくはマグネシウムイ
オン供給物質の一種または二種以上と同時に接触させて
もよい。本明細書において「精製された本発明のポリペ
プチド」は上記の分離・精製法で精製された本発明のポ
リペプチド(純度:50%以上、好ましくは80%以
上、より好ましくは90%以上)に加えて、組換え体菌
体から得られた粗抽出液や培養上清、上記の分離・精製
法で得られた部分精製品も含む。リフォールディング時
に銅イオン、カルシウムイオン若しくはマグネシウムイ
オンまたは銅イオン供給物質(例、銅、硫酸銅、酢酸
銅、臭化銅、ふっ化銅、蓚酸銅、塩化銅、ぎ酸銅、酢酸
銅、硝酸銅等)、カルシウムイオン供給物質(例、カル
シウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシ
ウム、ぎ酸カルシウム、塩化カルシウム等)若しくはマ
グネシウムイオン供給物質(例、マグネシウム、硫酸マ
グネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、ぎ
酸マグネシウム、塩化マグネシウム等)とポリペプチド
を接触させる方法としては、例えば、銅イオン、カルシ
ウムイオン若しくはマグネシウムイオンまたは銅イオン
供給物質、カルシウムイオン供給物質若しくはマグネシ
ウムイオン供給物質を抽出液またはリフォールディング
緩衝液に添加すること、または抽出液およびリフォール
ディング緩衝液のそれぞれに添加することによって行う
ことが出来る。用いる抽出液のpHは4〜10好ましく
は6〜9さらに好ましくは7〜9である。リフォールデ
ィング液のpHは3〜10好ましくは3〜8さらに好ま
しくは4〜6である。銅イオン、カルシウムイオン若し
くはマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物質、カル
シウムイオン供給物質若しくはマグネシウムイオン供給
物質としては、例えば硫酸銅、塩化カルシウムまたは硫
酸マグネシウムの場合では、0.1〜10000μM 好ましくは
1〜1000μM さらに好ましくは 1〜100μM の濃度で抽
出液またはリフォールディング緩衝液添加する、もしく
は抽出液およびリフォールディング緩衝液の両者に添加
する。抽出を行う条件は、0〜37℃で1〜96時間、
リフォールディングの条件としては、0〜37℃で1〜
96時間があげられる。
に、ポリペプチドのリフォールディングを行う。リフォ
ールディングは、例えばタンパク質のフォールディン
グ、R.H.Pain編、245-279(1995)、シュプリンガーフェ
アラーク東京に記載された公知の方法あるいはそれに準
じる方法により実施する事が可能である。抽出剤(例え
ば、グアニジン塩酸塩、尿素のようなカオトロピック可
溶化剤、n−ラウリルメチルグリシン、SDSのような
界面活性剤など)を含まないもしくは低濃度の抽出剤を
含む緩衝液で1段階もしくは他段階で希釈すること、半
透膜を用いた透析、ゲル濾過を用いた緩衝液の置換等に
より行うことが出来る。この場合、ポリペプチドのアグ
リゲーションを防止するために、アルギニン、ポリエチ
レングリコール、中性界面活性剤等を添加することが出
来る。ポリペプチドのジスルフィド結合形成のために空
気酸化、酸化還元緩衝液系等を用いることが出来る。酸
化還元緩衝液にはグルタチオン、システイン、ジチオス
レイトール、2−メルカプトエタノール、またはシステ
アミンをベースとしたものが挙げられる。本発明のポリ
ペプチドは例えば、(1)上記の分離・精製後に、
(2)リフォールディングの後に、(3)リフォールデ
ィングと同時に、または(5)ポリペプチドを菌体から
抽出した後に、銅イオン、カルシウムイオン若しくはマ
グネシウムイオンまたは銅イオン供給物質供、カルシウ
ムイオン給物質若しくはマグネシウムイオン供給物質と
接触させる。また、この場合、銅イオン、カルシウムイ
オン若しくはマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物
質供、カルシウムイオン給物質若しくはマグネシウムイ
オン供給物質の一種または二種以上と同時に接触させて
もよい。本明細書において「精製された本発明のポリペ
プチド」は上記の分離・精製法で精製された本発明のポ
リペプチド(純度:50%以上、好ましくは80%以
上、より好ましくは90%以上)に加えて、組換え体菌
体から得られた粗抽出液や培養上清、上記の分離・精製
法で得られた部分精製品も含む。リフォールディング時
に銅イオン、カルシウムイオン若しくはマグネシウムイ
オンまたは銅イオン供給物質(例、銅、硫酸銅、酢酸
銅、臭化銅、ふっ化銅、蓚酸銅、塩化銅、ぎ酸銅、酢酸
銅、硝酸銅等)、カルシウムイオン供給物質(例、カル
シウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシ
ウム、ぎ酸カルシウム、塩化カルシウム等)若しくはマ
グネシウムイオン供給物質(例、マグネシウム、硫酸マ
グネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、ぎ
酸マグネシウム、塩化マグネシウム等)とポリペプチド
を接触させる方法としては、例えば、銅イオン、カルシ
ウムイオン若しくはマグネシウムイオンまたは銅イオン
供給物質、カルシウムイオン供給物質若しくはマグネシ
ウムイオン供給物質を抽出液またはリフォールディング
緩衝液に添加すること、または抽出液およびリフォール
ディング緩衝液のそれぞれに添加することによって行う
ことが出来る。用いる抽出液のpHは4〜10好ましく
は6〜9さらに好ましくは7〜9である。リフォールデ
ィング液のpHは3〜10好ましくは3〜8さらに好ま
しくは4〜6である。銅イオン、カルシウムイオン若し
くはマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物質、カル
シウムイオン供給物質若しくはマグネシウムイオン供給
物質としては、例えば硫酸銅、塩化カルシウムまたは硫
酸マグネシウムの場合では、0.1〜10000μM 好ましくは
1〜1000μM さらに好ましくは 1〜100μM の濃度で抽
出液またはリフォールディング緩衝液添加する、もしく
は抽出液およびリフォールディング緩衝液の両者に添加
する。抽出を行う条件は、0〜37℃で1〜96時間、
リフォールディングの条件としては、0〜37℃で1〜
96時間があげられる。
【0016】またリフォールディングの前あるいは後に
本発明のポリペプチドと銅イオン、カルシウムイオン若
しくはマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物質、カ
ルシウムイオン供給物質若しくはマグネシウムイオン供
給物質とを接触させてもよい。精製後に、銅イオン、カ
ルシウムイオン若しくはマグネシウムイオンまたは銅イ
オン供給物質(銅、硫酸銅、酢酸銅、臭化銅、ふっ化
銅、蓚酸銅、塩化銅、ぎ酸銅、酢酸銅、硝酸銅等)、カ
ルシウムイオン供給物質(例、カルシウム、硫酸カルシ
ウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウム、ぎ酸カルシウ
ム、塩化カルシウム等)若しくはマグネシウムイオン供
給物質(例、マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マ
グネシウム、硝酸マグネシウム、ぎ酸マグネシウム、塩
化マグネシウム等)と本発明のポリペプチドとを接触さ
せる方法としては、例えば、精製後の本発明のポリペプ
チドを銅イオン、カルシウムイオン若しくはマグネシウ
ムイオンまたは銅イオン供給物質、カルシウムイオン供
給物質若しくはマグネシウムイオン供給物質を含有する
溶液(例えば、ピリジン溶液、酢酸緩衝液、トリスヒド
ロキシメタン緩衝液、リン酸緩衝液など)中に、蛋白
(ポリペプチド)濃度として0.01〜50 mg/mL,好ましく
は0.1〜20 mg/mLさらに好ましくは1〜10 mg/mLで混合ま
たは溶解し、0〜37℃で0.1〜24時間活性化を行う。
銅イオン、カルシウムイオン若しくはマグネシウムイオ
ンまたは銅イオン供給物質、カルシウムイオン供給物質
若しくはマグネシウムイオン供給物質としては、例えば
硫酸銅の場合では、0.01〜1000 mM 好ましくは0.1〜100
mM さらに好ましくは0.1〜10 mMの濃度で添加す
る。さらに、精製後の本発明のポリペプチドをEP08
12856号に記載の方法に準じてN末端のメチオニン
を除去する工程において、銅イオン、カルシウムイオン
若しくはマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物質
(銅、硫酸銅、酢酸銅、臭化銅、ふっ化銅、蓚酸銅、塩
化銅、ぎ酸銅、酢酸銅、硝酸銅等)、カルシウムイオン
供給物質(例、カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カル
シウム、硝酸カルシウム、ぎ酸カルシウム、塩化カルシ
ウム等)若しくはマグネシウムイオン供給物質(例、マ
グネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝
酸マグネシウム、ぎ酸マグネシウム、塩化マグネシウム
等)と接触させ、N末端のメチオニンが除去された活性
化された本発明のポリペプチドを得ることもできる。上
述の活性化方法により活性化された本発明のポリペプチ
ドは骨髄幹細胞コロニー形成の阻止作用を有することか
ら、たとえば癌化学療法剤から骨髄幹細胞を保護し、抗
癌剤投与時の白血球の減少を回復させるための医薬など
に用いることができる。本発明のポリペプチドを上述の
医薬として使用する場合、常套手段に従って実施するこ
とができる。例えば、必要に応じて糖衣や腸溶性被膜を
施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプ
セル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以
外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁
液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例え
ば、該化合物またはその塩を生理学的に認められる担
体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合
剤などとともに一般に認められた単位用量形態で混和す
ることによって製造することができる。これら製剤にお
ける有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られ
るようにするものである。錠剤、カプセル剤などに混和
することができる添加剤としては、例えばゼラチン、コ
ーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴムのような
結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスタ
ーチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステ
アリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖ま
たはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモ
ノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。
調剤単位形態がカプセルである場合には、前記タイプの
材料にさらに油脂のような液状担体を含有することがで
きる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒ
クル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産
出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤
実施にしたがって処方することができる。注射用の水性
液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の
補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−
マンニトール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、
適当な溶解補助剤、たとえばアルコール(たとえばエタ
ノール)、ポリアルコール(たとえばプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性
剤(たとえばポリソルベート80(TM)、HCO−5
0)などと併用してもよい。油性液としてはゴマ油、大
豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジ
ル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、
緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えばヒトや哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与するこ
とができる。本発明のポリペプチドの投与量は、症状な
どにより差異はあるが、たとえば注射剤の形では成人の
癌患者(体重60kgとして)への投与においては、一
日につき約0.01から30mg程度、好ましくは約
0.1から20mg程度、より好ましくは約0.1から
10mg程度を投与するのが好都合である。他の動物の
場合も、60kg当たりに換算した量を投与することが
できる。
本発明のポリペプチドと銅イオン、カルシウムイオン若
しくはマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物質、カ
ルシウムイオン供給物質若しくはマグネシウムイオン供
給物質とを接触させてもよい。精製後に、銅イオン、カ
ルシウムイオン若しくはマグネシウムイオンまたは銅イ
オン供給物質(銅、硫酸銅、酢酸銅、臭化銅、ふっ化
銅、蓚酸銅、塩化銅、ぎ酸銅、酢酸銅、硝酸銅等)、カ
ルシウムイオン供給物質(例、カルシウム、硫酸カルシ
ウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウム、ぎ酸カルシウ
ム、塩化カルシウム等)若しくはマグネシウムイオン供
給物質(例、マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マ
グネシウム、硝酸マグネシウム、ぎ酸マグネシウム、塩
化マグネシウム等)と本発明のポリペプチドとを接触さ
せる方法としては、例えば、精製後の本発明のポリペプ
チドを銅イオン、カルシウムイオン若しくはマグネシウ
ムイオンまたは銅イオン供給物質、カルシウムイオン供
給物質若しくはマグネシウムイオン供給物質を含有する
溶液(例えば、ピリジン溶液、酢酸緩衝液、トリスヒド
ロキシメタン緩衝液、リン酸緩衝液など)中に、蛋白
(ポリペプチド)濃度として0.01〜50 mg/mL,好ましく
は0.1〜20 mg/mLさらに好ましくは1〜10 mg/mLで混合ま
たは溶解し、0〜37℃で0.1〜24時間活性化を行う。
銅イオン、カルシウムイオン若しくはマグネシウムイオ
ンまたは銅イオン供給物質、カルシウムイオン供給物質
若しくはマグネシウムイオン供給物質としては、例えば
硫酸銅の場合では、0.01〜1000 mM 好ましくは0.1〜100
mM さらに好ましくは0.1〜10 mMの濃度で添加す
る。さらに、精製後の本発明のポリペプチドをEP08
12856号に記載の方法に準じてN末端のメチオニン
を除去する工程において、銅イオン、カルシウムイオン
若しくはマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物質
(銅、硫酸銅、酢酸銅、臭化銅、ふっ化銅、蓚酸銅、塩
化銅、ぎ酸銅、酢酸銅、硝酸銅等)、カルシウムイオン
供給物質(例、カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カル
シウム、硝酸カルシウム、ぎ酸カルシウム、塩化カルシ
ウム等)若しくはマグネシウムイオン供給物質(例、マ
グネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝
酸マグネシウム、ぎ酸マグネシウム、塩化マグネシウム
等)と接触させ、N末端のメチオニンが除去された活性
化された本発明のポリペプチドを得ることもできる。上
述の活性化方法により活性化された本発明のポリペプチ
ドは骨髄幹細胞コロニー形成の阻止作用を有することか
ら、たとえば癌化学療法剤から骨髄幹細胞を保護し、抗
癌剤投与時の白血球の減少を回復させるための医薬など
に用いることができる。本発明のポリペプチドを上述の
医薬として使用する場合、常套手段に従って実施するこ
とができる。例えば、必要に応じて糖衣や腸溶性被膜を
施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプ
セル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以
外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁
液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例え
ば、該化合物またはその塩を生理学的に認められる担
体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合
剤などとともに一般に認められた単位用量形態で混和す
ることによって製造することができる。これら製剤にお
ける有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られ
るようにするものである。錠剤、カプセル剤などに混和
することができる添加剤としては、例えばゼラチン、コ
ーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴムのような
結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスタ
ーチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステ
アリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖ま
たはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモ
ノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。
調剤単位形態がカプセルである場合には、前記タイプの
材料にさらに油脂のような液状担体を含有することがで
きる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒ
クル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産
出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤
実施にしたがって処方することができる。注射用の水性
液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の
補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−
マンニトール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、
適当な溶解補助剤、たとえばアルコール(たとえばエタ
ノール)、ポリアルコール(たとえばプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性
剤(たとえばポリソルベート80(TM)、HCO−5
0)などと併用してもよい。油性液としてはゴマ油、大
豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジ
ル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、
緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えばヒトや哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与するこ
とができる。本発明のポリペプチドの投与量は、症状な
どにより差異はあるが、たとえば注射剤の形では成人の
癌患者(体重60kgとして)への投与においては、一
日につき約0.01から30mg程度、好ましくは約
0.1から20mg程度、より好ましくは約0.1から
10mg程度を投与するのが好都合である。他の動物の
場合も、60kg当たりに換算した量を投与することが
できる。
【0017】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0018】 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン
【0019】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のMPIF-1Δ23のアミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:2〕参考例1で用いられたプライマー1の
塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕参考例1で用いられたプライマー2の
塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕参考例1で用いられたプライマー3の
塩基配列を示す。
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のMPIF-1Δ23のアミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:2〕参考例1で用いられたプライマー1の
塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕参考例1で用いられたプライマー2の
塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕参考例1で用いられたプライマー3の
塩基配列を示す。
【0020】後述の参考例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli)MM294(DE
3)/pTCIId23−MPIF1は、平成10年1
1月24日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術
研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−658
2として、平成10年10月27日から財団法人・発酵
研究所(IFO)に寄託番号IFO 16212として
寄託されている。
ェリヒア コリ(Escherichia coli)MM294(DE
3)/pTCIId23−MPIF1は、平成10年1
1月24日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術
研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−658
2として、平成10年10月27日から財団法人・発酵
研究所(IFO)に寄託番号IFO 16212として
寄託されている。
【0021】
【実施例】以下に参考例および実施例を示して、本発明
をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定
するものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作
法は、モレキュラー・クローニング(Molecular clonin
g)に記載されている方法に従った。
をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定
するものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作
法は、モレキュラー・クローニング(Molecular clonin
g)に記載されている方法に従った。
【0022】参考例1 MPIF-1Δ23発現株の構築 成熟体MPIF-1の構造遺伝子を、ヒト肝臓cDNAライブラリ
ー(Quick-Clone, CLONTECH社製)より、構造遺伝子の
上流に隣接してNde I切断部位及び開始コドンを持つプ
ライマー1(5'-CATATGCGGG TCACAAAAGA TGCAGAGACA GA
G;配列番号:2)、及び終始コドン下流に隣接してBam
HI切断部位を持つプライマ2(5'-CATATGGGACAGATTCCA
TGCTACTAGTGCTGA;配列番号:3)を用いて、PCRで増幅
した。PCRにより増幅した遺伝子を、TA original cloni
ng kit (インヴィトロジェン社製)を用いてpCR2.1ベ
クターに連結し、pCR2.1/MPIF-1を作製した。これを大
腸菌JM109に導入し、アンピシリン耐性とβ-ガラクトシ
ダーゼ活性を指標として形質転換体を選択した。 pCR2.
1/MPIF-1を有する形質転換体を培養し、QIAprep8 Minip
rep kit (キアゲン社製)を用いてpCR2.1/MPIF-1を調
製した。成熟体MPIF-1のN末端23個のアミノ酸を欠失さ
せたMPIF-1Δ23の構造遺伝子はpCR2.1/MPIF-1よりPCRに
よって取得した。成熟体MPIF-1の24番目のAspをコード
する遺伝子の上流に隣接してNde I切断部位及び開始コ
ドンを持つプライマー3(5'-CATATGCGGG TCACAAAAGA T
GCAGAGACA GAG;配列番号:4)及びプライマー2を用
いてPCRによりMPIF-1Δ23の構造遺伝子を増幅した。 PC
Rにより増幅した遺伝子を、TA original cloning kit
(インヴィトロジェン社製)を用いてpCR2.1ベクターに
連結し、pCR2.1/ d23-MPIF1を作製した。これを大腸菌J
M109に導入し、アンピシリン耐性とβ-ガラクトシダー
ゼ活性を指標として形質転換体を選択した。 pCR2.1/ d
23-MPIF1を有する形質転換体を培養し、QIAprep8 Minip
repkit (キアゲン社製)を用いてpCR2.1/ d23-MPIF1を
調製した。MPIF-1Δ23の発現プラスミドは以下のように
構築した。pBR322をNde Iで切断、T4 DNAポリメラーゼ
(DNA Blunting kit, 宝酒造株式会社製)で末端を平滑
化し、再度連結する事によって、Nde I認識部位を欠損
させたpBRdesNdeを作製した。pET3cをBgl II - Eco RV
で切断し、約0.26kbpの断片を回収した後、T4 DNAポリ
メラーゼで末端を平滑化し、pBRdesNdeのSca I断片と連
結して、pBR/T7 desNdeを作製した。また、部位特異的
変異導入(Quick Change, STRATAGENE社製)により、pB
R322のBam HI認識部位を欠損させたpBR322desBamを作製
した。pBR322desBamのSph I - Eco RV断片をpBR/T7 des
NdeのSph I - Eco RV断片と連結して、テトラサイクリ
ン耐性発現ベクターpTCIIを作製した。pCR2.1/ d23-MPI
F1をNdeI及びBam HIで切断してアガロース電気泳動を行
い、約240 bpのMPIF-1Δ23構造遺伝子をQIAquick Spin
Purification Kit (キアゲン社製)を用いてを回収し
た。発現ベクターpTCIIをNde I及びBam HIで切断してア
ガロース電気泳動を行い、同様に約4.6 kbpのバンドを
回収した。 MPIF-1Δ23構造遺伝子を発現ベクターpTCII
のNde I- Bam HI断片と連結した後、大腸菌JM109に導入
してテトラサイクリン耐性で形質転換株を選択し、その
株より再度プラスミドを回収して、発現プラスミドpTCI
I/ d23-MPIF1とした。このpTCII/ d23-MPIF1を大腸菌MM
294(DE3)に導入して、テトラサイクリン耐性で形質転換
株を選択し、 MPIF-1Δ23発現株MM294(DE3)/ pTCIId23-
MPIF1を取得した。
ー(Quick-Clone, CLONTECH社製)より、構造遺伝子の
上流に隣接してNde I切断部位及び開始コドンを持つプ
ライマー1(5'-CATATGCGGG TCACAAAAGA TGCAGAGACA GA
G;配列番号:2)、及び終始コドン下流に隣接してBam
HI切断部位を持つプライマ2(5'-CATATGGGACAGATTCCA
TGCTACTAGTGCTGA;配列番号:3)を用いて、PCRで増幅
した。PCRにより増幅した遺伝子を、TA original cloni
ng kit (インヴィトロジェン社製)を用いてpCR2.1ベ
クターに連結し、pCR2.1/MPIF-1を作製した。これを大
腸菌JM109に導入し、アンピシリン耐性とβ-ガラクトシ
ダーゼ活性を指標として形質転換体を選択した。 pCR2.
1/MPIF-1を有する形質転換体を培養し、QIAprep8 Minip
rep kit (キアゲン社製)を用いてpCR2.1/MPIF-1を調
製した。成熟体MPIF-1のN末端23個のアミノ酸を欠失さ
せたMPIF-1Δ23の構造遺伝子はpCR2.1/MPIF-1よりPCRに
よって取得した。成熟体MPIF-1の24番目のAspをコード
する遺伝子の上流に隣接してNde I切断部位及び開始コ
ドンを持つプライマー3(5'-CATATGCGGG TCACAAAAGA T
GCAGAGACA GAG;配列番号:4)及びプライマー2を用
いてPCRによりMPIF-1Δ23の構造遺伝子を増幅した。 PC
Rにより増幅した遺伝子を、TA original cloning kit
(インヴィトロジェン社製)を用いてpCR2.1ベクターに
連結し、pCR2.1/ d23-MPIF1を作製した。これを大腸菌J
M109に導入し、アンピシリン耐性とβ-ガラクトシダー
ゼ活性を指標として形質転換体を選択した。 pCR2.1/ d
23-MPIF1を有する形質転換体を培養し、QIAprep8 Minip
repkit (キアゲン社製)を用いてpCR2.1/ d23-MPIF1を
調製した。MPIF-1Δ23の発現プラスミドは以下のように
構築した。pBR322をNde Iで切断、T4 DNAポリメラーゼ
(DNA Blunting kit, 宝酒造株式会社製)で末端を平滑
化し、再度連結する事によって、Nde I認識部位を欠損
させたpBRdesNdeを作製した。pET3cをBgl II - Eco RV
で切断し、約0.26kbpの断片を回収した後、T4 DNAポリ
メラーゼで末端を平滑化し、pBRdesNdeのSca I断片と連
結して、pBR/T7 desNdeを作製した。また、部位特異的
変異導入(Quick Change, STRATAGENE社製)により、pB
R322のBam HI認識部位を欠損させたpBR322desBamを作製
した。pBR322desBamのSph I - Eco RV断片をpBR/T7 des
NdeのSph I - Eco RV断片と連結して、テトラサイクリ
ン耐性発現ベクターpTCIIを作製した。pCR2.1/ d23-MPI
F1をNdeI及びBam HIで切断してアガロース電気泳動を行
い、約240 bpのMPIF-1Δ23構造遺伝子をQIAquick Spin
Purification Kit (キアゲン社製)を用いてを回収し
た。発現ベクターpTCIIをNde I及びBam HIで切断してア
ガロース電気泳動を行い、同様に約4.6 kbpのバンドを
回収した。 MPIF-1Δ23構造遺伝子を発現ベクターpTCII
のNde I- Bam HI断片と連結した後、大腸菌JM109に導入
してテトラサイクリン耐性で形質転換株を選択し、その
株より再度プラスミドを回収して、発現プラスミドpTCI
I/ d23-MPIF1とした。このpTCII/ d23-MPIF1を大腸菌MM
294(DE3)に導入して、テトラサイクリン耐性で形質転換
株を選択し、 MPIF-1Δ23発現株MM294(DE3)/ pTCIId23-
MPIF1を取得した。
【0023】参考例2 MPIF-1Δ23発現株の培養 参考例1で得られたMPIF-1Δ23発現株MM294(DE3)/ pTCI
Id23-MPIF1を10mg/Lのテトラサイクリンを含むLB培地
(1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム)
1リットルで30℃16時間培養した。得られた培養液を20
リットルの主発酵用培地(1.68%リン酸一水素ナトリウ
ム、0.3%リン酸二水素ナトリウム、0.1%塩化アンモニウ
ム、0.05%塩化ナトリウム、0.024%硫酸マグネシウム、
0.02%ニューポールLB-625、0.0005%塩酸チアミン、1.5%
ブドウ糖、1.0%カザミノ酸、1.0%イーストエキス)を仕
込んだ50L容発酵槽に移植して、37℃、通気量 16 L/mi
n、撹拌回転数 200 rpm で通気撹拌培養を開始した。培
養液の濁度が約1300クレット単位になった時点で、5.95
mg/L 分のイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド
(IPTG)を添加した。IPTG添加後24分,130分及び200分
後に0.75%のグルコースを添加し培養開始9.5時間後まで
培養を行った。培養液を12000 rpmで約300 mL/min で連
続遠心分離を行い、菌体620 g を得た。
Id23-MPIF1を10mg/Lのテトラサイクリンを含むLB培地
(1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム)
1リットルで30℃16時間培養した。得られた培養液を20
リットルの主発酵用培地(1.68%リン酸一水素ナトリウ
ム、0.3%リン酸二水素ナトリウム、0.1%塩化アンモニウ
ム、0.05%塩化ナトリウム、0.024%硫酸マグネシウム、
0.02%ニューポールLB-625、0.0005%塩酸チアミン、1.5%
ブドウ糖、1.0%カザミノ酸、1.0%イーストエキス)を仕
込んだ50L容発酵槽に移植して、37℃、通気量 16 L/mi
n、撹拌回転数 200 rpm で通気撹拌培養を開始した。培
養液の濁度が約1300クレット単位になった時点で、5.95
mg/L 分のイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド
(IPTG)を添加した。IPTG添加後24分,130分及び200分
後に0.75%のグルコースを添加し培養開始9.5時間後まで
培養を行った。培養液を12000 rpmで約300 mL/min で連
続遠心分離を行い、菌体620 g を得た。
【0024】参考例3 MPIF-1Δ23の精製 参考例2で得られた菌体 65 g に65 mLの25 mM EDTA を
含む0.1 M Tris-HCl (pH7.5)加えて懸濁し、ソニファイ
アー(ブランソン社製)を用いて連続超音波破砕を行い
菌体を破砕した。菌体破砕液を、遠心分離(10000 rp
m、20分間)を行い、上清を廃棄し、封入体を得た。こ
の封入体に25 mM EDTA 及び 3M グアニジン塩酸塩を含
む0.1M Tris-HCl (pH7.5)を130 mL加え、封入体を溶解
し、遠心分離(10000 rpm、20分間)を行った。得られ
た上清液 130 mLに2 mM EDTA 及び0.125 M 塩化ナトリ
ウムを含む0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)1.3 Lを
加え、4℃で一晩リフォールディングを行った後、遠心
分離(10000 rpm、20分間)を行い、遠心上清液 60 Lを
得た。この遠心上清液を50 mMリン酸緩衝液(pH 6.0)
で平衡化したヘパリントヨパールカラム(2.6 cm x 26
cm、東ソー社)に毎分20 mLの流速で吸着させ、平衡化
に用いた緩衝液でよく洗浄した後、毎分8 mLの流速で1
Mの塩化ナトリウム直線濃度勾配により溶出を行った。
MPIF-1Δ23を含む画分を集め、分画分子量1000の透析膜
を用いて50 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.8)に対し
て4℃で一晩透析を行い、50 mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH 5.8)で平衡化したTSKgel SP-5PWカラム(2.15 c
m x 15 cm、東ソー社)に添加した。 MPIF-1Δ23が吸着
したTSKgel SP-5PWカラムを、1.5 Mの塩化ナトリウム直
線濃度勾配により溶出を行った。 MPIF-1Δ23を含む画
分を集め、セントリプレップ3(分画分子量3000、アミ
コン社)を用いて限外濾過濃縮を行った。濃縮液を150
mM 塩化ナトリウムを含む50 mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH 5.8)で平衡化した Sephacryl S100HRカラム(4.
4 cm x 47.3 cm、アマシャムファルマシアバイオテク
社)によりゲル濾過を行い、 MPIF-1Δ23精製品149 mg
を得た。この MPIF-1Δ23のSDS-ポリアクリルアミド電
気泳動の結果を図1に示す。MPIF-1Δ23精製品を4%チ
オグリコール酸を含む6N塩酸で110℃、24及び48時間気
相加水分解を行い、アミノ酸分析計(日立L−8500
AAmino Acid Analyzer)を用いてアミノ酸組成を決定
した。その結果、表1に示されるようにcDNA塩基配列か
ら予想されるアミノ酸組成と一致した。
含む0.1 M Tris-HCl (pH7.5)加えて懸濁し、ソニファイ
アー(ブランソン社製)を用いて連続超音波破砕を行い
菌体を破砕した。菌体破砕液を、遠心分離(10000 rp
m、20分間)を行い、上清を廃棄し、封入体を得た。こ
の封入体に25 mM EDTA 及び 3M グアニジン塩酸塩を含
む0.1M Tris-HCl (pH7.5)を130 mL加え、封入体を溶解
し、遠心分離(10000 rpm、20分間)を行った。得られ
た上清液 130 mLに2 mM EDTA 及び0.125 M 塩化ナトリ
ウムを含む0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)1.3 Lを
加え、4℃で一晩リフォールディングを行った後、遠心
分離(10000 rpm、20分間)を行い、遠心上清液 60 Lを
得た。この遠心上清液を50 mMリン酸緩衝液(pH 6.0)
で平衡化したヘパリントヨパールカラム(2.6 cm x 26
cm、東ソー社)に毎分20 mLの流速で吸着させ、平衡化
に用いた緩衝液でよく洗浄した後、毎分8 mLの流速で1
Mの塩化ナトリウム直線濃度勾配により溶出を行った。
MPIF-1Δ23を含む画分を集め、分画分子量1000の透析膜
を用いて50 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.8)に対し
て4℃で一晩透析を行い、50 mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH 5.8)で平衡化したTSKgel SP-5PWカラム(2.15 c
m x 15 cm、東ソー社)に添加した。 MPIF-1Δ23が吸着
したTSKgel SP-5PWカラムを、1.5 Mの塩化ナトリウム直
線濃度勾配により溶出を行った。 MPIF-1Δ23を含む画
分を集め、セントリプレップ3(分画分子量3000、アミ
コン社)を用いて限外濾過濃縮を行った。濃縮液を150
mM 塩化ナトリウムを含む50 mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH 5.8)で平衡化した Sephacryl S100HRカラム(4.
4 cm x 47.3 cm、アマシャムファルマシアバイオテク
社)によりゲル濾過を行い、 MPIF-1Δ23精製品149 mg
を得た。この MPIF-1Δ23のSDS-ポリアクリルアミド電
気泳動の結果を図1に示す。MPIF-1Δ23精製品を4%チ
オグリコール酸を含む6N塩酸で110℃、24及び48時間気
相加水分解を行い、アミノ酸分析計(日立L−8500
AAmino Acid Analyzer)を用いてアミノ酸組成を決定
した。その結果、表1に示されるようにcDNA塩基配列か
ら予想されるアミノ酸組成と一致した。
【表1】 さらに、N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケン
サー(アプライドバイオシステムズ モデル477A)
を用いて決定した。その結果、表2に示されるようにcD
NA塩基配列から予想されるアミノ酸配列と一致した。
サー(アプライドバイオシステムズ モデル477A)
を用いて決定した。その結果、表2に示されるようにcD
NA塩基配列から予想されるアミノ酸配列と一致した。
【表2】
【0025】実施例1 MPIF-1Δ23 不活性体の硫酸銅
処理による活性化 参考例3で取得した MPIF-1Δ23を0.1、0.5、1、5及び1
0 mM硫酸銅を含む1.0Mピリジン緩衝液(pH 5.
9)に0.5 mg/mLになるように加え、室温で1時間処理を
行った後、150 mM 塩化ナトリウムを含む50 mM酢酸ナト
リウム緩衝液(pH 5.8)で平衡化した NAP-5カラム
(アマシャムファルマシアバイオテク社)により緩衝液
の置換を行った。活性化前及び後のMPIF-1Δ23のマウス
骨髄細胞分化抑制作用の測定を以下に記載した方法によ
り行った。5〜12週令のC57BL/6マウス(♀)をドラ
イアイスで窒息死させた後、大腿骨を取り出し、25Gの
注射針を用いて10%FBS-IMDMをフラッシュすることによ
り骨髄より骨髄細胞を取り出した。予め4 mLのヒストパ
ック1119を加えた15 mL容の遠心チューブに骨髄細胞懸
濁液を静かに重層し、遠心分離(750 g、30分間)を行
い細胞を集めた。中間層の細胞を集め、10%FBS-IMDMで
2回洗浄した後、10 mLの10%FBS-IMDMに懸濁した後、10
cmΦの細胞培養用シャーレに播種し、37℃、5%CO2下で2
時間静置した。骨髄細胞以外の細胞を接着させたシャー
レを軽く揺すった後、培養液を遠心管に移し、遠心分離
(1000 rpm、5分間)を行い細胞を集めた。細胞を44,00
0 cells/mLになるように10%FBS-IMDMに懸濁し、マウスI
L-1α(ジェンザイム社製) 2.5 ng/mL、マウスIL-3
(アップステートバイオテクノロジー社製) 2.5 ng/m
L、マウスSCF(ジェンザイム社製) 10 ng/mL、ヒトM-C
SF(ジェンザイム社製) 10 ng/mL及び MPIF-1Δ23を含
む完全メチルセルロース培地メトカルト(ベリタス社
製)中で37℃、5% CO2、7% O2下で7日間培養した。培養
後の各ウェルを顕微鏡下で観察し、コロニーの直径が0.
5 mm未満のものをLPP-CFCとして、ウェル中のLPPの数を
測定した。 MPIF-1Δ23無添加時のLPP-CFCコロニー数を
100%としてMPIF-1Δ23添加時のコロニー形成抑制の割合
を%で示した。測定結果を図2に示した。参考例3にお
いて取得したMPIF-1Δ23を添加した場合のLPP-CFCコロ
ニー 形成抑制は0.1 ng/mLで-1%、1.0 ng/mLで22%で、
コロニー形成抑制作用がほとんど認められないのに対し
て、1 mMの硫酸銅で処理を行った場合に最も高い活性
が認められ、0.1 ng/mLで44%、1 ng/mLで52% とLPP-CFC
コロニーの形成を抑制した。
処理による活性化 参考例3で取得した MPIF-1Δ23を0.1、0.5、1、5及び1
0 mM硫酸銅を含む1.0Mピリジン緩衝液(pH 5.
9)に0.5 mg/mLになるように加え、室温で1時間処理を
行った後、150 mM 塩化ナトリウムを含む50 mM酢酸ナト
リウム緩衝液(pH 5.8)で平衡化した NAP-5カラム
(アマシャムファルマシアバイオテク社)により緩衝液
の置換を行った。活性化前及び後のMPIF-1Δ23のマウス
骨髄細胞分化抑制作用の測定を以下に記載した方法によ
り行った。5〜12週令のC57BL/6マウス(♀)をドラ
イアイスで窒息死させた後、大腿骨を取り出し、25Gの
注射針を用いて10%FBS-IMDMをフラッシュすることによ
り骨髄より骨髄細胞を取り出した。予め4 mLのヒストパ
ック1119を加えた15 mL容の遠心チューブに骨髄細胞懸
濁液を静かに重層し、遠心分離(750 g、30分間)を行
い細胞を集めた。中間層の細胞を集め、10%FBS-IMDMで
2回洗浄した後、10 mLの10%FBS-IMDMに懸濁した後、10
cmΦの細胞培養用シャーレに播種し、37℃、5%CO2下で2
時間静置した。骨髄細胞以外の細胞を接着させたシャー
レを軽く揺すった後、培養液を遠心管に移し、遠心分離
(1000 rpm、5分間)を行い細胞を集めた。細胞を44,00
0 cells/mLになるように10%FBS-IMDMに懸濁し、マウスI
L-1α(ジェンザイム社製) 2.5 ng/mL、マウスIL-3
(アップステートバイオテクノロジー社製) 2.5 ng/m
L、マウスSCF(ジェンザイム社製) 10 ng/mL、ヒトM-C
SF(ジェンザイム社製) 10 ng/mL及び MPIF-1Δ23を含
む完全メチルセルロース培地メトカルト(ベリタス社
製)中で37℃、5% CO2、7% O2下で7日間培養した。培養
後の各ウェルを顕微鏡下で観察し、コロニーの直径が0.
5 mm未満のものをLPP-CFCとして、ウェル中のLPPの数を
測定した。 MPIF-1Δ23無添加時のLPP-CFCコロニー数を
100%としてMPIF-1Δ23添加時のコロニー形成抑制の割合
を%で示した。測定結果を図2に示した。参考例3にお
いて取得したMPIF-1Δ23を添加した場合のLPP-CFCコロ
ニー 形成抑制は0.1 ng/mLで-1%、1.0 ng/mLで22%で、
コロニー形成抑制作用がほとんど認められないのに対し
て、1 mMの硫酸銅で処理を行った場合に最も高い活性
が認められ、0.1 ng/mLで44%、1 ng/mLで52% とLPP-CFC
コロニーの形成を抑制した。
【0026】実施例2 MPIF-1Δ23 不活性体のN末端
アミノ酸除去処理による活性化 参考例3で取得した MPIF-1Δ23 25 mg を0.15Mグリオ
キシル酸及び5 mM硫酸銅を含む1.0Mピリジン緩衝液(pH
5.9)25 mLに加え、室温で1時間処理を行った後、15
0 mM 塩化ナトリウムを含む50 mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH 5.8)で平衡化した Sephadex G-25カラム(3.2
x45 cm、アマシャムファルマシアバイオテク社)によ
り緩衝液の置換を行った。 Sephadex G-25の溶出液 60
mLに酢酸ナトリウム、ぎ酸及びフェニレン-1、2-ジアミ
ンをそれぞれ2M、2M及び40mMになるように加え、37
℃で15時間反応を行った。反応終了後、YM-3限外濾過膜
(アミコン社)で約50mLまで濃縮し、150 mM 塩化ナト
リウムを含む50 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.8)で
平衡化した Sephadex G-25カラム(3.2 x45 cm、アマ
シャムファルマシアバイオテク社)により緩衝液の置換
を行った。 SephadexG-25の溶出液 60 mLを150 mM 塩化
ナトリウムを含む50 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.
8)で平衡化したTSKgel CM-5PWカラム(2.1
5x15 cm、東ソー社)に吸着させ、1.5Mの塩化ナトリ
ウム直線濃度勾配により溶出を行った。MPIF-1Δ23を含
む画分を集め、セントリプレップ3(分画分子量3000、
アミコン社)を用いて、液量が約 3 mLになるまで、限
外濾過濃縮を行った。濃縮液を150mM 塩化ナトリウムを
含む50 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.8)で平衡化し
たHi-Load 16/60 Superdex 75カラム(2.6 cm x 60 c
m、アマシャムファルマシアバイオテク社)によりゲル
濾過を行い、N末端メチオニンを除去したMPIF-1Δ23(D
es-Met MPIF-1Δ23)精製品 8.5 mgを得た。Des-Met MP
IF-1Δ23精製品を4%チオグリコール酸を含む6N塩酸で1
10℃、24及び48時間気相加水分解を行い、アミノ酸分析
計(日立L−8500AAmino Acid Analyzer)を用い
てアミノ酸組成を決定した。その結果、表3に示される
とおり、cDNA 塩基配列から予想されるアミノ酸組成と
一致した。
アミノ酸除去処理による活性化 参考例3で取得した MPIF-1Δ23 25 mg を0.15Mグリオ
キシル酸及び5 mM硫酸銅を含む1.0Mピリジン緩衝液(pH
5.9)25 mLに加え、室温で1時間処理を行った後、15
0 mM 塩化ナトリウムを含む50 mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH 5.8)で平衡化した Sephadex G-25カラム(3.2
x45 cm、アマシャムファルマシアバイオテク社)によ
り緩衝液の置換を行った。 Sephadex G-25の溶出液 60
mLに酢酸ナトリウム、ぎ酸及びフェニレン-1、2-ジアミ
ンをそれぞれ2M、2M及び40mMになるように加え、37
℃で15時間反応を行った。反応終了後、YM-3限外濾過膜
(アミコン社)で約50mLまで濃縮し、150 mM 塩化ナト
リウムを含む50 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.8)で
平衡化した Sephadex G-25カラム(3.2 x45 cm、アマ
シャムファルマシアバイオテク社)により緩衝液の置換
を行った。 SephadexG-25の溶出液 60 mLを150 mM 塩化
ナトリウムを含む50 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.
8)で平衡化したTSKgel CM-5PWカラム(2.1
5x15 cm、東ソー社)に吸着させ、1.5Mの塩化ナトリ
ウム直線濃度勾配により溶出を行った。MPIF-1Δ23を含
む画分を集め、セントリプレップ3(分画分子量3000、
アミコン社)を用いて、液量が約 3 mLになるまで、限
外濾過濃縮を行った。濃縮液を150mM 塩化ナトリウムを
含む50 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.8)で平衡化し
たHi-Load 16/60 Superdex 75カラム(2.6 cm x 60 c
m、アマシャムファルマシアバイオテク社)によりゲル
濾過を行い、N末端メチオニンを除去したMPIF-1Δ23(D
es-Met MPIF-1Δ23)精製品 8.5 mgを得た。Des-Met MP
IF-1Δ23精製品を4%チオグリコール酸を含む6N塩酸で1
10℃、24及び48時間気相加水分解を行い、アミノ酸分析
計(日立L−8500AAmino Acid Analyzer)を用い
てアミノ酸組成を決定した。その結果、表3に示される
とおり、cDNA 塩基配列から予想されるアミノ酸組成と
一致した。
【表3】 さらに、N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケン
サー(アプライドバイオシステムズ モデル477A)
を用いて決定した。その結果、表4に示されるとおり、
cDNA塩基配列から予想されるアミノ酸配列と一致した。
サー(アプライドバイオシステムズ モデル477A)
を用いて決定した。その結果、表4に示されるとおり、
cDNA塩基配列から予想されるアミノ酸配列と一致した。
【表4】 両分析により、N末端のメチオニンが除去されているの
を確認した。このマウス骨髄細胞分化抑制作用の測定を
測定した結果を、図3に示した。上記方法により調製し
たDes-Met MPIF-1Δ23は参考例3で取得した活性化処理
前のMPIF-1Δ23より高い活性を示した。また、以下の
方法によりカルシウムイオンの細胞内動員活性について
も測定を行った。THP−1細胞(ATCC、TIB-202)を5
x 106 細胞/mLになるように1mM塩化カルシウムを含む
MG緩衝液( Modified Gey's Buffer)に懸濁し、蛍光
指示薬 Fura PE3/AM(和光純薬社)を2μMになるよう
に加え、37℃で30分間保持した。細胞をMB緩衝液で
洗浄した後、1mM塩化カルシウムを含むMG緩衝液で2.5
x 106 細胞/mLになるように懸濁し、96穴プレートに1
00μLずつ分注し、参考例3において取得したMPIF-1Δ2
3及び上記で取得したDes-Met MPIF-1Δ23を添加し、フ
ルオレッセンスドラッグスクリーニングシステム(浜松
ホトニクス社)を用いて細胞内カルシウム濃度の変化量
を測定した。この結果を図4に示す。上記方法により取
得したDes-Met MPIF-1Δ23では参考例3で取得した活性
化処理前のMPIF-1Δ23に比べ高い活性が認められた。 実施例3 参考例3で取得した MPIF-1Δ23を1 mM硫酸銅または塩
化カルシウムまたは硫酸マク゛ネシウムを含む50mM酢酸ナトリウム緩
衝液(pH 5.8)に0.5 mg/mLになるように加え、室温で
1時間処理を行った後、150 mM 塩化ナトリウムを含む5
0 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.8)で平衡化した NA
P-5カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社)に
より緩衝液の置換を行った。活性化前及び後のMPIF-1Δ
23のマウス骨髄細胞分化抑制作用の測定を実施例1に記
載した方法により行った。参考例3で取得した活性化前
のMPIF-1Δ23に比べて何れも高い活性が見られた(図
5)。
を確認した。このマウス骨髄細胞分化抑制作用の測定を
測定した結果を、図3に示した。上記方法により調製し
たDes-Met MPIF-1Δ23は参考例3で取得した活性化処理
前のMPIF-1Δ23より高い活性を示した。また、以下の
方法によりカルシウムイオンの細胞内動員活性について
も測定を行った。THP−1細胞(ATCC、TIB-202)を5
x 106 細胞/mLになるように1mM塩化カルシウムを含む
MG緩衝液( Modified Gey's Buffer)に懸濁し、蛍光
指示薬 Fura PE3/AM(和光純薬社)を2μMになるよう
に加え、37℃で30分間保持した。細胞をMB緩衝液で
洗浄した後、1mM塩化カルシウムを含むMG緩衝液で2.5
x 106 細胞/mLになるように懸濁し、96穴プレートに1
00μLずつ分注し、参考例3において取得したMPIF-1Δ2
3及び上記で取得したDes-Met MPIF-1Δ23を添加し、フ
ルオレッセンスドラッグスクリーニングシステム(浜松
ホトニクス社)を用いて細胞内カルシウム濃度の変化量
を測定した。この結果を図4に示す。上記方法により取
得したDes-Met MPIF-1Δ23では参考例3で取得した活性
化処理前のMPIF-1Δ23に比べ高い活性が認められた。 実施例3 参考例3で取得した MPIF-1Δ23を1 mM硫酸銅または塩
化カルシウムまたは硫酸マク゛ネシウムを含む50mM酢酸ナトリウム緩
衝液(pH 5.8)に0.5 mg/mLになるように加え、室温で
1時間処理を行った後、150 mM 塩化ナトリウムを含む5
0 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.8)で平衡化した NA
P-5カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社)に
より緩衝液の置換を行った。活性化前及び後のMPIF-1Δ
23のマウス骨髄細胞分化抑制作用の測定を実施例1に記
載した方法により行った。参考例3で取得した活性化前
のMPIF-1Δ23に比べて何れも高い活性が見られた(図
5)。
【0027】
【発明の効果】本発明の活性化方法または製造法は、癌
化学療法剤から骨髄幹細胞を保護し、抗ガン剤投与時の
リミティングファクターである白血球の減少を速やかに
回復させる効果を有する活性型MPIF-1Δ23を、大量か
つ安価に製造することを可能にする。
化学療法剤から骨髄幹細胞を保護し、抗ガン剤投与時の
リミティングファクターである白血球の減少を速やかに
回復させる効果を有する活性型MPIF-1Δ23を、大量か
つ安価に製造することを可能にする。
【0028】
【配列表】 [Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Method for Production of an Activated Protein <130> A99294 <150> JP 11-001840 <151> 1999-01-07 <150> JP 11-004426 <151> 1999-01-11 <160> 4 <210> 1 <211> 77 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Asp Arg Phe His Ala Thr Ser Ala Asp Cys Cys Ile Ser Tyr Thr 1 5 10 15 Pro Arg Ser Ile Pro Cys Ser Leu Leu Glu Ser Tyr Phe Glu Thr Asn 20 25 30 Ser Glu Cys Ser Lys Pro Gly Val Ile Phe Leu Thr Lys Lys Gly Arg 35 40 45 Arg Phe Cys Ala Asn Pro Ser Asp Lys Gln Val Gln Val Cys Met Arg 50 55 60 Met Leu Lys Leu Asp Thr Arg Ile Lys Thr Arg Lys Asn 65 70 75 <210> 2 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer <400> 2 CATATGCGGG TCACAAAAGA TGCAGAGACA GAG 33 <210> 3 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer <400> 3 CATATGGGAC AGATTCCATG CTACTAGTGC TGA 33 <210> 4 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer <400> 4 CATATGCGGG TCACAAAAGA TGCAGAGACA GAG 33
【0029】
【図1】参考例2で調製したMPIF−1△23のSDS−
PAGEの結果を示す電気泳動図を示す。
PAGEの結果を示す電気泳動図を示す。
【図2】実施例1で行われた硫酸銅処理によるMPIF−1
△23の活性化を示す図を示す。
△23の活性化を示す図を示す。
【図3】実施例2で行われたDes-Met MPIF−1△23
のマウス骨髄細胞分化抑制作用の測定結果を示す図を示
す。
のマウス骨髄細胞分化抑制作用の測定結果を示す図を示
す。
【図4】実施例2で行われたDes-Met MPIF−1△23
の細胞内カルシウム濃度の変化量を示す図を示す。
の細胞内カルシウム濃度の変化量を示す図を示す。
【図5】実施例3で行われたMPIF−1△23のマウス骨
髄細胞分化抑制作用の測定結果を示す図を示す。
髄細胞分化抑制作用の測定結果を示す図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 紀 茨城県つくば市大字東平塚586番地2
Claims (10)
- 【請求項1】精製された配列番号:1で表されるアミノ
酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するポリペプチドと銅イオン、カルシウムイオン若しく
はマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物質、カルシ
ウムイオン供給物質若しくはマグネシウムイオン供給物
質とを接触させることを特徴とする該ポリペプチドの活
性化方法。 - 【請求項2】銅イオン供給物質が銅、硫酸銅、臭化銅、
ふっ化銅、蓚酸銅、塩化銅、ぎ酸銅、酢酸銅または硫化
銅である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】銅イオン供給物質が硫酸銅である請求項2
記載の方法。 - 【請求項4】カルシウムイオン供給物質が、カルシウ
ム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウ
ム、ぎ酸カルシウムまたは塩化カルシウムである請求項
1記載の方法。 - 【請求項5】カルシウムイオン供給物質が塩化カルシウ
ムである請求項4記載の方法。 - 【請求項6】マグネシウムイオン供給物質が、マグネシ
ウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグ
ネシウム、ぎ酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムで
ある請求項1記載の方法。 - 【請求項7】マグネシウムイオン供給物質が硫酸マグネ
シウムである請求項6記載の方法。 - 【請求項8】活性化されたポリペプチドの有する活性が
細胞分化抑制活性である請求項1記載の方法。 - 【請求項9】精製された配列番号:1で表されるアミノ
酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するポリペプチドと銅イオン、カルシウムイオン若しく
はマグネシウムイオンまたは銅イオン供給物質、カルシ
ウムイオン供給物質若しくはマグネシウムイオン供給物
質とを接触させることを特徴とする活性型ポリペプチド
の製造方法。 - 【請求項10】請求項1記載の活性化方法によって活性
化されたポリペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000005795A JP2000262293A (ja) | 1999-01-07 | 2000-01-06 | 活性化蛋白質の製造法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP184099 | 1999-01-07 | ||
JP11-4426 | 1999-01-11 | ||
JP442699 | 1999-01-11 | ||
JP11-1840 | 1999-01-11 | ||
JP2000005795A JP2000262293A (ja) | 1999-01-07 | 2000-01-06 | 活性化蛋白質の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000262293A true JP2000262293A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=27275094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000005795A Withdrawn JP2000262293A (ja) | 1999-01-07 | 2000-01-06 | 活性化蛋白質の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000262293A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002306163A (ja) * | 2001-04-11 | 2002-10-22 | Chemo Sero Therapeut Res Inst | 大腸菌を宿主とする遺伝子組換えヒトトロンビンの調製方法 |
-
2000
- 2000-01-06 JP JP2000005795A patent/JP2000262293A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002306163A (ja) * | 2001-04-11 | 2002-10-22 | Chemo Sero Therapeut Res Inst | 大腸菌を宿主とする遺伝子組換えヒトトロンビンの調製方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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