JP2000260066A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2000260066A
JP2000260066A JP11057609A JP5760999A JP2000260066A JP 2000260066 A JP2000260066 A JP 2000260066A JP 11057609 A JP11057609 A JP 11057609A JP 5760999 A JP5760999 A JP 5760999A JP 2000260066 A JP2000260066 A JP 2000260066A
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transparent dielectric
dielectric layer
layer
recording medium
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JP11057609A
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Shigemasa Okuma
薫正 大隈
Hirotaka Tanaka
浩貴 田中
Satoshi Kawamura
聡 川村
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明樹脂基板と透明誘電体層との密着性が高
く、高屈折率の透明誘電体層となるためC/N比が向上
し、またスパッタリング法によって成膜する際に発火等
の危険がないものとする。 【解決手段】透明樹脂基板1上に光記録層3と反射層5
とを積層した光記録媒体M1であって、光記録層3の少
なくとも一方の界面に、組成式ZnS−Siab c
(a=38〜45at(原子)%,b=44〜58at
%,c=5〜20at%,a+b+c=100at%)
で表される、第一,第二透明誘電体層2,4を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状の透明
樹脂基板上に相変化型の光記録層、或いはカー効果等の
磁気光学効果によって情報を再生する光磁気記録層が設
けられた光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、温度によって結晶質と非晶質の2
状態に相変化可能な光記録層を有する相変化型の光記録
媒体の場合、プラスチック等からなるディスク状の透明
樹脂基板上に、ZnS−SiO2 等から成る第一透明誘
電体層、GeTe等の相変化型の光記録層、ZnS−S
iO2 等から成る第二透明誘電体層、Al等からなる反
射層を順次積層したものが提案されている。
【0003】また、光記録媒体の一種である光磁気記録
媒体の場合、プラスチック等からなるディスク状の透明
樹脂基板上に、サイアロン(Si,Al,O,Nの非晶
質膜),Si3 4 ,SiO2 等の第一透明誘電体層、
TbFe,TbFeCo,GdFeCo,GdTbFe
Co等からなる少なくとも1層の光磁気記録層、第一透
明誘電体層と同様の組成である第二透明誘電体層、A
l,Au,Pt,Al−Ti合金等からなる反射層から
構成されたものが提案されている。
【0004】相変化型の光記録媒体の場合、前記第一,
第二透明誘電体層は、主に耐熱性の保護層として形成さ
れ、この保護層によりレーザ光を効率良く吸収させると
共に、耐候性に優れた光記録媒体としている。
【0005】また光磁気記録媒体の場合、前記第一,第
二透明誘電体層は、光磁気記録層に入射した再生用の光
が光磁気記録層で反射されカー効果によって反射光の偏
光方向が回転する際に、第一,第二透明誘電体層で反射
光を多重反射させることによってカー回転角を増大させ
C/N比等を向上させる、所謂カー回転角エンハンスメ
ント効果を高めるために設けられる。また、第一,第二
透明誘電体層は、酸化により腐食し易い光磁気記録層を
保護し、酸化防止の目的で設けている。
【0006】上記の相変化型の光記録媒体において、例
えば、ZnS等のカルコゲン化合物とSi酸化物と20
モル%未満の炭素を含むターゲットを用いて、スパッタ
リング法により誘電体薄膜を形成することにより、記録
特性の長期信頼性、繰返記録特性に優れるといったもの
が提案されている(従来例1:特開平9−71861号
公報参照)。
【0007】また従来例2として、相変化型の光記録媒
体において、ZnS等の金属のカルコゲン化合物と、S
iO2 等の酸化物,Si3 4 等の窒化物又はSiC等
の炭化物とを主成分とするターゲットを用いて成膜され
た耐熱保護層を形成することにより、スポット径の大き
いレーザ光を照射してもクラックが発生せず、環境変化
に大して安定なものが公知である(特開昭63−143
254号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1,2ではZnS−SiO2 等の誘電体薄膜を形成
しているが、ZnS−SiO2 はスパッタリング法で成
膜した後大気に晒した際に発火し易いという欠点があ
り、製造後のメンテナンス時に爆発の危険が伴ってい
た。また、ZnS−SiO2 膜は屈折率が低いため光反
射率も低下し易く、またカー回転角エンハンスメント効
果も劣化していた。ZnS−SiON膜の場合、透明樹
脂基板との密着性が悪いという問題点があった。
【0009】また、ZnS−SiOC膜の場合、共有結
合した成分がないと密着性が低下していた。ZnS−S
iN膜の場合、発火し易く、密着性及びC/N比が低下
していた。そして、ZnS−SiC膜の場合、C/N比
等の特性の低下が起こっていた。
【0010】このように、ZnS−SiON膜及びZn
S−SiOC膜に関し、上記各問題点を解消する最適な
組成比について言及したものはなかった。
【0011】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は透明樹脂基板と透明誘電体
層との密着性が高く、高屈折率の透明誘電体層となるた
めカー回転角等のエンハンスメント効果及びC/N比が
向上し、またスパッタリング法によって成膜した後大気
に晒した際に発火等の危険がなく、更に耐候性に優れた
ものとすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光記録媒体は、
透明樹脂基板上に光記録層と反射層とを積層した光記録
媒体であって、前記光記録層の少なくとも一方の界面
に、組成式ZnS−Sia b c (a=38〜45a
t(原子)%,b=44〜58at%,c=5〜20a
t%,a+b+c=100at%)で表される透明誘電
体層を設けたことを特徴とする。
【0013】本発明は上記構成により、Nが所定量含ま
れることで製造時の発火が抑制されると共に、透明誘電
体層と透明樹脂基板との密着性及び透明誘電体層の屈折
率が向上し、その結果C/N比及びカー回転角等のエン
ハンスメント効果が向上する。
【0014】上記密着性向上及び発火抑制の効果につい
て詳細に説明する。ZnS−Siab c からなる透
明誘電体層は、ZnS−SiO2 ターゲットを使用して
雰囲気ガスとしてN2 ガスを流しながら反応性スパッタ
リング法により成膜するが、成膜中にN2 とO2 が共有
結合しNO2 が生成する。透明誘電体層中のNO2 は、
図2(a),(b)に示すような2状態のNO2 が共鳴
し存在しているのでラジカルな状態となり、基板との密
着性が向上する。即ち、(a)において、Nの二重結合
(右側)と一本の結合(左側)が入れ替わり(b)のよ
うな状態に随時変化し、(b)は(a)の状態に随時変
化しており、これが基板に積層される際に、Oの余った
結合手が基板のC,Oと共有結合して密着性が向上する
ことになる。尚、図2において点印は不対電子を示す。
【0015】また、NO2 は強酸化剤であるためNO2
中の酸素が一部のZnSのSと共有結合してSOX を形
成する。一方、全ての酸素はN2 を添加することによ
り、単独では存在しなくなる。そして、発火はZnSの
Sが成膜後大気中のO2 と反応して起こるため、Sが単
独で存在しなければ大気中での発火は起こらなくなる。
【0016】本発明において、好ましくは、透明誘電体
層中のS,O,Nの結合状態による組成比について、S
−O共有結合比Ksoが70〜90%、N−O共有結合比
Knoが10〜30%、且つKso+Kno=100%であ
る。これにより、透明樹脂基板と透明誘電体層との密着
性、C/N比、エンハンスメント効果が更に向上する。
【0017】また、本発明の光記録媒体は、透明樹脂基
板上に光記録層と反射層とを積層した光記録媒体であっ
て、前記光記録層の少なくとも一方の界面に、組成式Z
nS−Sid e f (d=37〜47at(原子)
%,e=46〜60at%,f=3〜9at%,d+e
+f=100at%)で表される透明誘電体層を設けた
ことを特徴とする。
【0018】本発明は上記構成により、Oと単結合して
いるC、所謂ラジカルなCO2 の割合が増加し、透明樹
脂基板表面のC,Oと透明誘電体層中のSi,C,Oと
が共有結合することになり、密着性が向上すると共にC
/N比も改善される。
【0019】本発明において、好ましくは、透明誘電体
層中のC,Oの結合状態によるCの組成比について、単
原子として存在するCの組成比C1がC1=0〜20a
t%、Oと単結合しているCの組成比C2がC2=80
〜100at%、CO2 として存在するCの組成比C3
がC3=0〜20at%、且つC1+C2+C3=10
0at%である。これにより、透明樹脂基板と透明誘電
体層との密着性、C/N比、エンハンスメント効果が更
に向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の光記録媒体について以下
に説明する。図1は本発明の光記録媒体M1の部分断面
図であり、同図において、1はポリカーボネート,ポリ
アセタール,ポリメチルメタクリレート等のプラスチッ
クからなる透明樹脂基板(以下、基板と略す)、2は第
一透明誘電体層、3はGeSbTe等の相変化型の光記
録層、4は第一透明誘電体層2と同様のものから成る第
二透明誘電体層、5はAl,Au,Pt,Al−Ti合
金,Al−Cr合金等からなる反射層である。前記第
一,第二透明誘電体層2,4は、光記録層3の少なくと
も一方の界面に設層されていれば良い。
【0021】本発明の第一透明誘電体層2と第二透明誘
電体層4は、ZnS−Sia b c (a=38〜45
at(原子)%,b=44〜58at%,c=5〜20
at%,a+b+c=100at%)、又はZnS−S
d e f (d=37〜47at(原子)%,e=4
6〜60at%,f=3〜9at%,d+e+f=10
0at%)からなる。
【0022】まず、ZnS−Sia b c の場合につ
いて説明する。前記組成式において、bが44at%未
満ではS−O共有結合が少なくなり発火性が劣化し、5
8at%を超えると未反応のO2 が残留してしまい発火
性の点で不適である。また、cが5at%未満ではN−
O共有結合ができにくくなり、20at%を超えると密
着性が低下する。Siの組成比aについて、Si自体は
増減しても特に発火性等の特性には関係なく、よってa
の範囲はb,cの範囲から相対的に決まるものである。
【0023】本発明において、第一透明誘電体層2及び
第二透明誘電体層4中のS,O,Nの結合状態による組
成比について、S−O共有結合比Ksoが70〜90%、
N−O共有結合比Knoが10〜30%、且つKso+Kno
=100%であるのが良い。
【0024】前記Ksoが70at%未満では発火性が悪
くなり、90at%を超えると密着性が低下する。Kno
が10at%未満では密着性が低下し、30at%を超
えるても密着性が低下する。
【0025】上記の各共有結合比Kso,Knoは、X線光
電子分光分析法(X-Ray Photoelectron Spectroscopy:
XPS)で測定することができる。また、Kso,Knoを
上記範囲になるように第一透明誘電体層2及び第二透明
誘電体層4を成膜するには、スパッタリング法で成膜す
る際のN2 ガス流量、パワー密度を制御することで調整
できる。例えば成膜時の雰囲気ガス中のN2 ガス分圧を
0.2Pa程度、パワー密度を64W/m2 程度とする
ことで、上記範囲内のものとなる。
【0026】上記第一透明誘電体層2の厚さは、700
〜1500Åが良く、700Å未満では耐酸化性の保護
層として機能しなくなり、1500Åを超えると第一透
明誘電体層2の光反射率が大きくなりC/N比が低下す
る。第二透明誘電体層4の厚さは50〜400Åがよ
く、50Å未満では耐酸化性の保護層としての役割、エ
ンハンスメント効果及び光記録層3の体積変化に対する
保護効果が低下し、400Åを超えるとエンハンスメン
ト効果が低下しC/N比が劣化する。
【0027】本発明の第一透明誘電体層2及び第二透明
誘電体層4は、以下のようにして成膜する。ZnS−S
iO2 を主成分とするターゲットを用いて、N2 ガス中
で反応性スパッタリング法により成膜する。この場合、
成膜速度の大きいDC(直流)スパッタリングが好まし
い。
【0028】次に、ZnS−Sid e f の場合につ
いて以下に説明する。前記組成式において、dが37a
t%未満又は47at%を超えるとC/N比が低下す
る。eが46at%未満では、酸素不足で発火性及び密
着性が悪化し、60at%を超えるとC/N比等の特性
が低下する。また、fが3at%未満ではC−O共有結
合が少ないため密着性が低下し、9at%を超えると屈
折率が小さくなりC/N比等の特性が低下する。
【0029】本発明において、第一透明誘電体層2及び
第二透明誘電体層4中のC,Oの結合状態によるCの組
成比について、単原子として存在するCの組成比C1が
C1=0〜20at%、Oと単結合しているCの組成比
C2がC2=80〜100at%、CO2 として存在す
るCの組成比C3がC3=0〜20at%、且つC1+
C2+C3=100at%であるのが良い。
【0030】前記C1が20at%を超えると、第一透
明誘電体層2及び第二透明誘電体層4中の酸素が解離し
て光記録層3を酸化し易くなり、C/N比が劣化する。
また、C3が20at%を超えると、SiとNが直接共
有結合する割合が増すためSiと基板1間を結合する原
子にC,Oが入らないことになり、密着性が劣化する。
C2が80at%未満では、C1,C2が増加し上記の
如くC/N比、密着性が劣化する。
【0031】上記の各組成比C1,C2,C3は、X線
光電子分光分析法(XPS)で測定することができる。
上記C1,C2,C3を上記範囲になるように第一透明
誘電体層2及び第二透明誘電体層4を成膜するには、ス
パッタリング法で成膜する際のCO3 ガス流量、パワー
密度を制御することで調整できる。例えば成膜時の雰囲
気ガス中のCO3 ガス分圧を0.3〜0.4Pa程度、
パワー密度を64W/m2 程度とすることで、上記範囲
内のものとなる。
【0032】上記第一透明誘電体層2の厚さは、700
〜1500Åが良く、700Å未満では耐酸化性の保護
層として機能しなくなり、1500Åを超えると第一透
明誘電体層2の光反射率が大きくなりC/N比が低下す
る。第二透明誘電体層4の厚さは50〜400Åがよ
く、50Å未満では耐酸化性の保護層としての役割、エ
ンハンスメント効果及び光記録層3の体積変化に対する
保護効果が低下し、400Åを超えるとエンハンスメン
ト効果が低下しC/N比が劣化する。
【0033】本発明の第一透明誘電体層2及び第二透明
誘電体層4は、以下のようにして成膜する。ZnS−S
iO2 を主成分とするターゲットを用いて、CO2 ガス
中で反応性スパッタリング法により成膜する。この場
合、成膜速度の大きいDC(直流)スパッタリングが好
ましい。また雰囲気ガスとしては酸化を促進する酸素ガ
スよりもCO2 ガスが好ましい。CO2 は成膜時に発生
するプラズマ中において、そのO2 が解離することは少
なく、そのため磁性層が酸化されることが殆どない。
【0034】また、CO2 を使用することで基板1と第
一,第二透明誘電体層2,4との密着性が高まるが、そ
れは基板1表面のC,OとZnS−SiOCのC,Oと
が共有結合することによる。即ち、通常はO=C=Oと
いう2つの結合手で結合した(2重結合した)CO
2 が、プラズマ中でC,O間の2つの結合手が1つにな
り、ラジカルな状態となり、基板1表面のC,OとZn
S−SiOCのC,Oとの間に入り込み共有結合させる
ことにより、密着性を高めているものと考えられる。
【0035】上記実施形態では、光記録層3が相変化型
のものについて説明したが、光記録層3が光磁気記録層
であるものについても本発明は適用できる。この場合、
光磁気記録層はCr,Fe,Co,Ni,Cu等の遷移
金属元素と、Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho等の
希土類元素との非晶質合金であり、例えばTbFe,T
bFeCo,GdFeCo,GdTbFeCo等からな
る。
【0036】また従来、基板1上に光記録層3、反射層
5を順次積層し、基板1の裏面側から再生用のレーザ光
を入射する構成を採っていたが、本発明は、基板1上に
反射層5、光記録層3を順次積層し、基板1の光記録層
3側から再生用のレーザ光を入射する構成のものにも適
用できる。
【0037】本発明において、光記録層3等の各層を基
板1の両面に積層する(この場合、基板1上に反射層
5、光記録層3の順に積層する)、又は片面に各層を積
層した2枚の基板1を貼り付けることにより、2倍の記
録密度としても良い。
【0038】かくして、本発明は、基板と透明誘電体層
との密着性が高く、高屈折率の透明誘電体層となるため
エンハンスメント効果及びC/N比が向上し、またスパ
ッタリング法によって成膜後に大気中で発火する等の危
険がなく、更に耐候性に優れたものとなるという作用効
果を有する。
【0039】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0040】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0041】(実施例1)図1の光記録媒体M1を以下
のように構成した。ポリカーボネートからなるディスク
状の基板1を約100℃でベークして、静止対向型の直
流スパッタリング装置内に設置し、所定の真空度まで排
気し、基板1の一主面にZnS−Sia b c からな
り厚さ1000Åの第一透明誘電体層2、Ge2 Sb2
Te5 からなる厚さ200Åの光記録層3、ZnS−S
a b c からなり厚さ1000Åの第二透明誘電体
層4、Al95Cr5 からなる厚さ1000Åの反射層を
順次成膜した。
【0042】上記第一透明誘電体層2及び第二透明誘電
体層4を成膜する際に、ZnS−SiO2 を主成分とす
るターゲットを用いて、N2 ガス中で反応性スパッタリ
ング法により成膜した。この場合、成膜速度の大きいD
C(直流)スパッタリングによって行った。
【0043】このような光記録媒体M1において、第
一,第二透明誘電体層2,4の組成比を種々に変化させ
た場合の密着性、再生時のC/N比、屈折率n、発火性
を測定した結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1において、S−O共有結合比Kso、N
−O共有結合比Kno、O−O共有結合比KooはXPS法
により測定したものである。また、密着性の評価は、製
造後に80℃で相対湿度90%の雰囲気中に500時間
設置したときに、第一透明誘電体層2,第二透明誘電体
層4に剥離や気泡が全く生じなかったものを100%と
し、剥離や気泡が生じた場合、単位面積(10mm×1
0mm)において剥離や気泡の占有面積を差し引いた面
積を%で示すことで行った。発火性については、成膜時
に一度でも発火したものをバツ印、全く発火しなかった
ものを丸印とした。
【0046】表1より、本発明のNO.1〜7は、密着
性、C/N比、屈折率n、発火性のいずれにおいても高
い特性を示した。
【0047】一方、比較例のNO.8〜13では、N成
分がない又はKno=0%のため発火性が不良であり、N
O.14,15では、N添加量が多すぎたため密着性が
悪く、NO.16はN量が少ないためKnoも少なく密着
性が低下した。NO.17は酸素量が多いためKso,K
noの生成割合が少なく、発火性及び密着性が劣化した。
【0048】(実施例2)図1の光記録媒体M1を以下
のように構成した。ポリカーボネートからなるディスク
状の基板1を約100℃でベークして、静止対向型の直
流スパッタリング装置内に設置し、所定の真空度まで排
気し、基板1の一主面にZnS−Sid e f からな
り厚さ1000Åの第一透明誘電体層2、Ge2 Sb2
Te5 からなる厚さ300Åの光記録層3、ZnS−S
d e f からなり厚さ300Åの第二透明誘電体層
4、Alからなる厚さ1000Åの反射層を順次成膜し
た。
【0049】上記第一透明誘電体層2及び第二透明誘電
体層4を成膜する際に、ZnS−SiO2 を主成分とす
るターゲットを用いて、CO2 ガス中で反応性スパッタ
リング法により成膜した。この場合、成膜速度の大きい
DC(直流)スパッタリングによって行った。
【0050】このような光記録媒体M1において、第
一,第二透明誘電体層2,4の組成比を種々に変化させ
た場合の密着性、再生時のC/N比、屈折率n、発火性
を測定した結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2において、単原子として存在するCの
組成比C1、Oと単結合しているCの組成比C2、CO
2 として存在するCの組成比C3はXPS法により測定
したものである。また、密着性の評価は、製造後に80
℃で相対湿度90%の雰囲気中に500時間設置したと
きに、第一透明誘電体層2又は第二透明誘電体層4に剥
離や気泡が全く生じなかったものを100%とし、剥離
や気泡が生じた場合、単位面積(10mm×10mm)
において剥離や気泡の占有面積を差し引いた面積を%で
示すことで行った。
【0053】表2に示すように、本発明のNO.1〜6
では、密着性、C/N比、n、発火性共に高い値を示し
た。これに対し、比較例のNO.7〜17について、N
O.7〜11ではOの含有量が46at%未満であり、
特に密着性及び発火性が劣化した。NO.12はCの含
有量が3at%未満で共有結合が殆どないため密着性が
低下し、NO.13はCの含有量が3at%未満だがC
1〜C3が本発明の範囲内であるため密着性はやや良い
が発火性が悪い。NO.14はCの含有量が9at%を
超えており、屈折率が小さくなりC/N比が低下した。
【0054】また、NO.15はSiの含有量が47a
t%を超え、Oの含有量が46at%未満であるが、C
1〜C3が本発明の範囲内であるため密着性及びC/N
比がやや低下した。NO.16はOの含有量が46at
%未満で、C2が80%未満であり、密着性及びC/N
比が低下した。NO.16はSiの含有量が47at%
を超え、Oの含有量が46at%未満で、Cの含有量が
9at%を超えており、C/N比が大幅に低下した。
【0055】
【発明の効果】本発明は、光記録層の少なくとも一方の
界面に、組成式ZnS−Sia b c (a=38〜4
5at(原子)%,b=44〜58at%,c=5〜2
0at%,a+b+c=100at%)で表される透明
誘電体層を設けたことにより、Nが所定量含まれること
で製造時の発火が抑制されると共に、透明誘電体層の屈
折率が向上し、その結果C/N比、カー回転角等のエン
ハンスメント効果等が向上する。また、基板と透明誘電
体層との密着性も改善される。
【0056】また本発明は、組成式ZnS−Sid e
f (d=37〜47at(原子)%,e=46〜60
at%,f=3〜9at%,d+e+f=100at
%)で表される透明誘電体層を設けたことにより、基板
表面のC,Oと透明誘電体層中のSi,C,Oとが共有
結合することになり、密着性が向上する。また、本発明
の透明誘電体層は高い屈折率を有しているので、光磁気
記録媒体の場合高いカー回転角等のエンハンスメント効
果が得られ、その結果C/N比等が改善されるという作
用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体M1の部分断面図である。
【図2】(a),(b)は本発明の透明誘電体層中での
NO2 の2状態を示す分子構造図である。
【符号の説明】 1:透明樹脂基板 2:第一透明誘電体層 3:光記録層 4:第二透明誘電体層 5:反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 AA11 AA24 BA41 BC00 BC08 BD00 BD09 BD12 5D029 LA14 LA16 LA17 LA19 LC30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明樹脂基板上に光記録層と反射層とを積
    層した光記録媒体であって、前記光記録層の少なくとも
    一方の界面に、組成式ZnS−Sia b c (a=3
    8〜45at(原子)%,b=44〜58at%,c=
    5〜20at%,a+b+c=100at%)で表され
    る透明誘電体層を設けたことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】透明樹脂基板上に光記録層と反射層とを積
    層した光記録媒体であって、前記光記録層の少なくとも
    一方の界面に、組成式ZnS−Sid e f (d=3
    7〜47at(原子)%,e=46〜60at%,f=
    3〜9at%,d+e+f=100at%)で表される
    透明誘電体層を設けたことを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】透明誘電体層中のS,O,Nの結合状態に
    よる組成比ついて、S−O共有結合比Ksoが70〜90
    %、N−O共有結合比Knoが10〜30%、且つKso+
    Kno=100%である請求項1記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】透明誘電体層中のC,Oの結合状態による
    Cの組成比について、単原子として存在するCの組成比
    C1がC1=0〜20at%、Oと単結合しているCの
    組成比C2がC2=80〜100at%、CO2 として
    存在するCの組成比C3がC3=0〜20at%、且つ
    C1+C2+C3=100at%である請求項2記載の
    光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021013378A1 (de) * 2019-07-21 2021-01-28 Optics Balzers Ag Verfahren zur herstellung umweltstabiler aluminium spiegel auf kunststoff

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