JP2000258843A - レンズシート用成形型の製造方法及びレンズシート用成形型 - Google Patents
レンズシート用成形型の製造方法及びレンズシート用成形型Info
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Abstract
成形型の製造方法及びレンズシート用成形型を簡単で、
低コストに提供する。 【解決手段】 レンズシート用成形型33を旋盤により
切削する製造方法において、切削工具Taを,切削溝
(V1 〜Vk )ごとに回転させて(Ta1 〜Tak)、
切り込み角度(θ1 〜θk )を変化させることで、切削
溝形状が溝単位ごとに変化したレンズシート用成形型3
3を製造した。
Description
ェクションスクリーンに用いるレンチキュラーレンズな
どのレンズシートを成形するレンズシート用成形型の製
造方法及びレンズシート用成形型に関するものである。
過型スクリーンとしては、映像源からの投射光を屈折さ
せ略平行光にするフレネルレンズと、投射光を散乱させ
画像を形成するレンチキュラーレンズとを備えたものが
知られている。また、従来のプロジェクションスクリー
ンは、水平拡散を水平拡散用レンチキュラーレンズシー
トで行い、垂直拡散を拡散剤及び垂直拡散用レンチキュ
ラーレンズシートで行うものが知られている。上記の透
過型スクリーンに使用されているレンチキュラーレンズ
は、拡散角がスクリーンの全面にわたり均一なものがほ
とんどであり、これら水平及び垂直拡散用レンチキュラ
ーレンズ用成形型は、各レンズ単位の形状が全面にわた
り同一の形状を有するものがほとんどであった。
型スクリーンでは、拡散角がスクリーンの全面にわたり
均一であったために、シェーディング現象が発生しやす
い状況があった。
のシェーディング現象を説明するための模式説明図であ
る。図9(a)は、従来技術による透過型スクリーンに
投影された光線の拡散状態を示す図である。スクリーン
10aは、前述したように、図示しないフレネルレンズ
と、垂直、水平拡散用のレンチキュラーレンズを有す
る、拡散角が全面にわたり均一なスクリーンである。
ズ20aによりスクリーン10bに投影した場合に、ス
クリーン10a上のA,B,Cの各位置における光が拡
散していく方向及び輝度をベクトル(XA1〜XA5,XB1
〜XB5,XC1〜XC5)で示したもの(以下、輝度ベクト
ル)である。
面にわたり均一であるので、各輝度ベクトルには、以下
の関係がある。 XA1=XA5=XB1=XB5=XC1=XC5 XA2=XA4=XB2=XB4=XC2=XC4 XA3=XB3=XC3
P1は、スクリーン10aの中央部Bを正面とし、観察
位置P2は、端部Cを正面とした位置である。
スクリーン10a上の輝度分布を示した図である。図9
(c)は、観察位置P2から観察したスクリーン10a
上の輝度分布を示した図である。図9(b),(c)
で、A,B,Cは、それぞれスクリーン10a上の位置
A,B,Cに対応している。
0aの正面の観察位置P1から観察する場合、スクリー
ン10aの中央部Bの輝度XB3に対して、スクリーン1
0aの端部A及びCでの輝度(XA2=XC4)が低下する
ために、スクリーン10aの両端部A,Cが暗く感じる
ことがある。また、図9(c)に示したように、スクリ
ーン10aの正面から外れた観察位置P2から観察する
場合、観察者側のCの輝度XC3が最も高く、次いで中央
部Bの輝度XB2、反対側の端部Aの輝度XA1へと低下
し、CからAにいくに従い暗く感じていた。特に、垂直
方向においては、水平方向に比べてスクリーンの拡散角
が狭く設定されるため、シェーディング現象が非常に起
こりやすく、明るさの均一性を欠いていた。
フレネルレンズの焦点距離を短くすることで達成するこ
とができる。図9(a)において、スクリーン10aに
あるフレネルレンズの観察側の焦点を近づけることで、
A及びCの光は、内側に出射し、正面の観察位置P1か
ら見た場合、A及びCの輝度は、向上する。また、正面
から外れた観察位置P2においても、Cの輝度が低下
し、Aの輝度が向上するため、明るさの均一性が向上す
る。
を短くするに従って、別々の位置から投写された3色の
映像光の出射角度が大きくなり、特に、スクリーンの拡
散角を狭く設定している垂直方向に出射光の角度差が大
きくなるために、色むらが発生しやくすなるので、観察
側の焦点を約10mより短く設定することは、困難であ
った。そのために、色むらを発生させることなくスクリ
ーンのコーナー部でのシェーディング現象を改善するこ
とができなかった。
な手段として、拡散角がスクリーンの部位ごとに異なる
部分を有するレンチキュラーレンズを使用することが考
えられるが、各単位レンズごとに対応するように、切削
溝ごとに形状の異なるレンズシート用成形型を製造する
のは、非常に困難であり、製造コストが高くなるという
問題があった。
る部分を有するレンズシート用成形型を簡単で低コスト
に製造できる、レンズシート用成形型の製造方法及びレ
ンズシート用成形型を提供することである。
解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容
易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付
して説明するが、これに限定されるものではない。すな
わち、請求項1の発明は、レンズ形状がレンズ単位ごと
に変化する部分を有するレンズシートを成形するレンズ
シート用成形型(33,73,83a〜83c,93
a,93b)の製造方法において、刃面形状が部分的に
異なる切削工具(Ta,Tb,Tc)を用いて、その切
削工具の切削刃の使用箇所を変化(Ta1 〜Tak な
ど)させることによって、前記レンズシート用成形型の
切削溝(Va,Vb,Vc)の形状を溝単位(Va1 〜
Vakなど)ごとに変化させる部分を設けることを特徴
とするレンズシート用成形型の製造方法である。
ズシート用成形型の製造方法において、前記切削工具の
刃面形状は、少なくとも1個以上の曲線(Y=100X
3 )及びその曲線に滑らかに接続された直線(L)を有
することを特徴とするレンズシート用成形型の製造方法
である。
ズシート用成形型の製造方法において、前記曲線は、円
弧(R1,R2)もしくは楕円の一部であることを特徴
とするレンズシート用成形型の製造方法である。
までのいずれか1項に記載のレンズシート用成形型の製
造方法において、前記切削工具の前記レンズシート用成
形型に対する加工時の相対角度である切り込み角度
(θ)、前記切削工具の前記レンズシート用成形型に対
する切り込み量(m)、前記切削工具の前記レンズシー
ト用成形型に対する送り量(n)、のうち少なくとも1
つが前記切削溝ごとに変化する部分を設けることを特徴
とするレンズシート用成形型の製造方法である。
(33,73,83a〜83c,93a,93b)にお
いて、レンズ単位に対応した溝(Va,Vb,Vc)
の、溝方向に直交した断面形状は、切削工具(Ta,T
b,Tc)の刃面形状を投影したひとつの連続した線の
一部であり、溝単位(Va1 〜Vak など)ごとに変化
している部分を有することを特徴とするレンズシート用
成形型である。
ト用成形型において、前記溝の形状は、隣接する溝単位
ごとに連続的に変化していることを特徴とするレンズシ
ート用成形型である。
明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明によるレンチキュラー
レンズシート用成形型の第1実施形態を示す図である。
図2は、第1実施形態による切削工具の形状を示す図で
ある。
造方法は、例えば、後述する図6に示すような、レンズ
形状がレンズ単位ごとに変化するレンチキュラーレンズ
シート11,12などを成形する成形型33を製造する
場合に適用され、刃面形状が部分的に異なる切削工具T
aを用いて、その切削工具Taの切削刃の使用箇所を変
化(Ta1 ,Ta2 ,Tac ,Ta(k-1) ,Tak な
ど)させることにより、成形型33の切削溝Vaの形状
を溝単位(Va1 ,Va2 ,Vac ,Va(k-1),Va
k など)ごとに変化させるようにしたものである。
加工する例を示してあり、図示しない旋盤に、被切削材
料である成形型原盤33Aを取り付けて回転しながら、
1つの切削工具Taによって、溝単位ごとに形状の異な
る切削溝Vaが多数加工される。
異なる形状をしている。切削工具Taの刃面形状は、1
個以上の円弧もしくは楕円の一部、及び、その円弧もし
くは楕円の一部に滑らかに接続された直線を有するよう
にしてある。この刃面形状は、具体的には、図2(a)
に示したように、半径の異なる2種類の円弧R1、R2
を滑らかに連接した形状(Qは連接点)と、円弧R2に
連接点Sで滑らかに接続された直線Lを有し、中心線P
に対して左右対称な略台形状で角を丸めた形状となって
いる。r1、r2は、それぞれ円弧R1、R2の半径で
ある。切削工具Taは、刃面形状が2種類の円弧R1、
R2と直線Lのみであるから、設計や製造を容易に行う
ことができる。
用いて、成形型33上の位置A〜Cまでにおいて切削溝
Vaの形状を溝単位(Va1 〜Vak )ごとに変化させ
るために、切削刃の使用箇所を変化(Ta1 〜Tak )
させるようにしている。この切削刃の使用箇所を変化
(Ta1 〜Tak )させる方法は、切削工具Taの成形
型33に対する加工時の相対角度である切り込み角度
θ、切削工具Taの成形型33に対する切り込み量m、
切削工具Taの成形型33に対する送り量n、のうち少
なくとも1つを切削溝Vaごとに変化ればよい。
示すように、成形型原盤33Aの表面33sから、各切
削溝Vaの切削時の切削工具Taの中心線Pと切削工具
Taの輪郭線との交点Uまでの距離をいう。送り量nと
は、図1(a)に示すように、切削時に、1つの切削溝
Va(k-1)から隣接する切削溝Vak へ切削工具Taを
送る量をいう。切り込み角度θとは、図2(b)におい
て、成形型33の原盤となる被切削部材の回転中心線に
直交する線Oと、切削工具Taの中心線Pとのなす角度
をいう。
形型33を製造する動作を説明する。この実施形態は、
成形型33の矢印方向Nに対して、送り量n及び切り込
み量mが一定であり、切り込み角度θを変化させるよう
にしたものである。
して、右端部Aから中央部Bをへて左端部Cへいくに従
って、その中心線Pと切削工具Taの輪郭線との交点U
を中心に同じ角度で回転していく(θ2 −θ1 =θ3 −
θ2 =θk −θ(k-1) =一定)。ここで、成形型33
は、中央部の切削溝Vac が切削されるとき、切り込み
角度θc が略零であるように切削される。また、切り込
み量mは、一定であり(m=一定)、送り量nも、一定
である(n=一定)。
削物(成形型原盤33A)に対する切削工具Taの角度
を数値制御により任意の角度に設定可能な刃物台(特開
昭62−124801号、特開平7−40107号、特
開平7−241919号などを参照)に、切削工具Ta
を取り付け、切り込み角度θを±45°以内で1ピッチ
ごとに変化させながら、円筒形の成形型原盤33Aを切
削する。
2の直径2×r2は、切削溝Vaの幅より大きくするこ
とが望ましい。この理由は、各々の切削溝Vaの形状
を、大きく変化させることができるからである。
部Bでは、切削形状に対する円弧R1の比率が高く、両
端部へいくに従い、円弧R2の比率が高くなるように、
切り込み角度θを設定することによって切削される。こ
れにより、成形された各々のレンチキュラーレンズの拡
散特性は、中央部Bから両端部へいくほど拡散角が広が
る。
て製造された成形型33の、切削溝Vaの形状は、図2
(b)に示したように、切削溝Vaの幅の中心線Oとレ
ンズ頂部O’とのずれ量wが、成形型33上のレンズ中
央部Bでは、略零であり、両端部へいくほど大きくな
る。このため、この成形型33で成形されたレンズシー
トは、端部の拡散特性を中央部B側又は中央を対称軸と
した反対側の端部方向へ傾けることができる。
し出し、又は、紫外線、電子線などの電離放射線により
硬化する樹脂を用いた電離放射線硬化成形により、レン
チキュラーレンズシートを成形することができる。成形
したレンチキュラーレンズシートは、レンズ位置に応じ
て、拡散特性を変化させることができるので、中央部か
ら端部へいくに従い、各々のレンチキュラーレンズの拡
散角を広げるとともに、その拡散特性を中央部B側又は
中央を対称軸とした反対側の端部方向へ傾けることがで
きる。
ば、以下のような効果がある。 (1) 刃面形状が部分的に異なる切削工具Taを用い
て、その切削工具Taの切削刃の使用箇所を変化(Ta
1 〜Tak )させることによって、成形型33の切削溝
Vaの形状を溝単位(Va1 〜Vak )ごとに変化させ
るので、ひとつの切削工具Taによって、多数の異なる
切削溝を容易に作製できる。従って、成形型33の製造
が容易である。
以上の円弧(R1,R2)もしくは楕円の一部、及び、
その円弧もしくは楕円の一部に滑らかに接続された直線
Lのみによって作製されているので、切削工具Ta自身
の形状が簡単であり、製作が容易である。また、切削溝
Vaの形状も、単純であるから、精度よく切削でき、成
形されるレンズ形状の再現性もよい。
送り量nのうち、切り込み角度θのみを、切削溝Vaご
とに変化すればよいので、切削作業が簡単であるため、
短時間で精度よく成形型33を作製することができる。
ak )の溝方向に直交した断面形状は、切削工具Taの
刃面形状を投影したひとつの連続した線の一部であり、
隣接した溝単位(Va1 〜Vak )ごとに連続的に変化
しているので、成形型33の切削中及び切削後の寸法測
定、管理、検査が簡単であり、精度のよい成形型33を
より簡単に製造できる上に、レンズシートを成形する生
産途中における成形型33の寸法測定、管理、検査も簡
単であるため、生産品であるレンズシートの品質も安定
する。
ンチキュラーレンズシート用成形型の製造方法の第2実
施形態を示した図である。図4は、第2実施形態による
切削工具Tbの形状を示す図である。
る切削工具Tbの刃面形状と、切り込み角度θの設定の
みが本発明の第1実施形態と異なるので、以下では、第
1実施形態と共通部分の詳しい説明は省略する。第2実
施形態のレンチキュラーレンズシート用成形型73は、
刃面形状が部分的に異なる切削工具Tbを用いて、その
切削工具Tbの切削刃の使用箇所を変化(Tb1 〜Tb
c )させることによって、成形型73の切削溝Vbの形
状を溝単位(Vb1 〜Vbk )ごとに変化させること
は、本発明の第1実施形態と同じである。
の曲線に滑らかに接続された直線を有する切削工具Tb
を用いて切削される。具体的には、図4(a)に示した
ように、曲線Y=100X3 と直線Lを滑らかに連接し
た形状(Qは連接点)とし、中心線Pに対して左右対称
な略台形状で角を丸めた形状となっている。切削工具T
bは、刃面形状がひとつの式で表すことのできる曲線Y
=100X3 と直線Lのみであるから、設計や製造を容
易に行うことができる。次に、第2実施形態の製造方法
により、成形型73を製造する動作を説明する。この実
施形態は、成形型73の矢印方向Nに対して、送り量n
及び切り込み量mが一定であり、切り込み角度θを変化
させるようにしたものであることは、第1実施形態と同
じである。第2実施形態では、切り込み角度θの設定が
異なる。
る切削工具Tbの曲線が緩やかであり、中央部Bをへ
て、端部Cへいくほど曲線が急になるように切り込み角
度θを変化させて切削している。具体的には、端部Aに
ある切削溝Vb1 を切削する際の切り込み角度θ1 は、
略零であり、中央部Bをへて端部Cへいくに従い角度が
増していき、最端部Cの切削溝Vbk を切削するときの
切り込み角度θk で、切り込み角度は、最大となる。
4(b)に示したように、切削溝幅の中心線Oとレンズ
頂部O’とのずれ量wが、成形型73上の端部A側で
は、略零であり、端部C側へいくほど大きくなる。よっ
て、この成形型73を用いて成形されたレンチキュラー
レンズシートでは、端部Aから端部Cへいくほど拡散角
が広がり、拡散特性を端部A側へ傾けることができる。
ば、以下のような効果がある。 (1) 刃面形状が部分的に異なる切削工具Tbを用い
て、その切削工具Tbの切削刃の使用箇所を変化(Tb
1 〜Tbk )させることによって、成形型73の切削溝
Vbの形状を溝単位(Vb1 〜Vbk )ごとに変化させ
るので、ひとつの切削工具Tbによって、多数の異なる
切削溝を容易に作製できる。従って、成形型73の製造
が容易である。
の曲線Y=100X3 及びその曲線Y=100X3 に滑
らかに接続された直線Lのみによって作製されているの
で、切削工具Tb自身の形状が簡単であり、製作が容易
である。また、切削溝Vbの形状も、単純であるから、
精度よく切削でき、成形されるレンズ形状の再現性もよ
い。
送り量nのうち、切り込み角度θのみを、切削溝Vbご
とに変化すればよいので、切削作業が簡単であるため、
短時間で精度よく成形型を作製することができる。
bk )の溝方向に直交した断面形状は、切削工具Tbの
刃面形状を投影したひとつの連続した線の一部であり、
隣接した溝単位(Vb1 〜Vbk )ごとに連続的に変化
しているので、成形型73の切削中及び切削後の寸法測
定、管理、検査が簡単であり、精度のよい成形型73を
より簡単に製造できる上に、レンズシートを成形する生
産途中における成形型73の寸法測定、管理、検査も簡
単であるため、生産品であるレンズシートの品質も安定
する。
ンチキュラーレンズシート用成形型の製造方法の第3実
施形態を示した図である。本発明の第3実施形態では、
切り込み量m、送り量nの変化形態のみが本発明の第2
実施形態と異なるので、以下では、第2実施形態と共通
部分の詳しい説明は、省略する。ここで、切削に使用す
る切削工具をTcとするが、この形状については、第1
実施形態の切削工具Taと同じでもよいし、第2実施形
態の切削工具Tbと同じでもよい。
切削工具Tcの中心線Pを示し、切削溝Vcを切削する
切削工具Tcは、切削工具Tcの輪郭線と切削工具Tc
の中心線Pの交点Uを中心に回転することで切り込み角
度θを変化しているのは、本発明の第1実施形態及び第
2実施形態と変わらない。
成形型83aは、成形型83aの端部Aから端部Cへい
くほど切削工具Tcの輪郭曲線の曲率が大きい部分が占
める比率が高くなるように切り込み角度θを変化させ、
切削工具Tcの隣接する切り込み量mを一定(m1 =m
2 =m(k-1) =mk =一定)にし、切削工具Tcの隣接
する送り量nを増加(n1 <n2 <n(k-2) <
n(k-1) )させながら切削したものである。成形型83
aは、切削工具Tcの送り量nを成形型83aの端部A
から端部Cにいくほど大きくして切削されているため、
同一形状の切削工具Tcを使用した場合、送り量nを一
定(n1 =n2 =n(k-2) =n(k-1) =一定)にして切
削したものに比べ成形型83aの端部Aから端部Cへい
くほど拡散角を大きくすることが可能となる。
成形型83bは、成形型83bの端部Aから端部Cへい
くほど切削工具Tcの輪郭曲線の曲率が大きい部分が占
める比率が高くなるように切り込み角度θを変化させ、
切削工具Tcの隣接する切り込み量mを増加(m1 <m
2 <m(k-1) <mk )させて、切削工具Tcの送り量n
を一定(n1 =n2 =n(k-2) =n(k-1) =一定)にし
て切削したものである。成形型83bは、切削工具Tc
の切り込み量mを、成形型の端部Aから端部Cにいくに
従い大きくしながら切削されているため、同一形状の切
削工具Tcを使用した場合、切り込み量mを一定(m1
=m2 =m(k-1) =mk =一定)にして切削したものに
比べ成形型83bの端部Aから端部Cへいくほど拡散角
を大きくすることが可能となる。
成形型83cは、成形型83cの端部Aから端部Cへい
くほど切削工具Tcの輪郭曲線の曲率が大きい部分が占
める比率が高くなるように切り込み角度θを変化させ、
切削工具Tcの隣接する切り込み量mと、隣接する送り
量nを共に増加(n1 <n2 <n(k-2) =<n(k-1))
(m1 <m2 <m(k-1) <mk )させて切削したもので
ある。レンチキュラーレンズ用成形型83cは、切削工
具Tcの切り込み量m及び送り量nを成形型83cの端
部Aから端部Cにいくほど大きくしているため、同形状
の切削工具Tcを使用した場合、切り込み量m、送り量
nのどちらか一方を一定にして切削したものに比べ成形
型83cの端部Aから端部Cへいくほど拡散角を大きく
することが可能となる。
ば、第2実施形態の効果に加えて以下の効果がある。
込み量m、送り量nのどちらか、又は、両方を変化させ
たので、本実施形態によって製造された成形型を使用し
て成形したレンズシートの光学特性は、第2実施形態に
よるものに比べて、その場所による変化率が高くなる。
このような光学特性の変化率が高いレンズシート用成形
型であっても、ひとつの切削工具Tcのみにより切削す
ることができるので、本発明を使用できる技術範囲が広
がる。
て製造されたレンズシート用成形型で成形した、レンチ
キュラーレンズシートを使用した具体的な実施例をあげ
て、さらに詳しく説明する。図6に示されるように、フ
レネルレンズシート11及びレンチキュラーレンズシー
ト12で構成される60”の背面投写型テレビ用透過型
スクリーン10を作製した。
垂直拡散用のレンチキュラーレンズ11aがその長手方
向を水平にして形成され、光出射側にサーキュラーフレ
ネルレンズ11bが形成されている。また、このフレネ
ルレンズシート11のさらに観察側に配置され、光入射
側に水平拡散用のレンチキュラーレンズ12aが形成さ
れ、光出射側にブラックストライプ12cと、レンチキ
ュラーレンズ12bとが形成されているレンチキュラー
レンズシート12が配置される。
a、レンチキュラーレンズ12a、レンチキュラーレン
ズ12bを成形する成形型33,93a,93bに、本
発明の第1実施形態によるレンズシート用成形型の製造
方法およびレンズシート用成形型を使用している。ここ
で、フレネルレンズシート11及びレンチキュラーレン
ズシート12は、板状又はフィルム状であってもよい。
また、これら2枚のシートの他に、フロントパネルシー
トなどを配置してもよい。
ト)垂直拡散用のレンチキュラーレンズ11aは、連続
的に拡散特性を変化させるようにしたもので、中央部B
の拡散角よりも両端部の拡散角を大きくしてある。スク
リーンの上端部C及び下端部Aに形成されたレンチキュ
ラーレンズは、中央部Bに形成されたものに比べてレン
ズの高さが高く、また、レンズの頂部は、単位レンズの
中心よりもスクリーンの中央部B側に偏っている。この
ようにすることで、上端部C及び下端部Aの拡散角を中
央部Bより大とすると共に、拡散方向をスクリーン中央
部B側へ傾けている。
は、中心に半径r1=0.5mm、その両側に半径r2
=0.2mmが滑らかに連接された切削工具Taを用い
て、切削工具Taの隣接する切り込み量mと隣接する送
り量nをどちらも一定にし、各溝形状を切削するごと
に、切削工具Taを所定角度(θk −θ(k-1) =一定)
ずつ傾けて切削したレンチキュラーレンズシート用成形
型33(図1)を使用して成形された。
ト)図7(a)のレンチキュラーレンズシート用成形型
93aは、図6に示す水平拡散用レンチキュラーレンズ
シート12の入光面側にあるレンチキュラーレンズ12
aを成形するのに使用する成形型である。入光面側切削
溝Vaは、成形型93aの中央部Bでは、切削工具Ta
の円弧R1の占める比率が高く、両端部A,Cへいくほ
ど切削工具Taの円弧R2の比率が高くなるように切り
込み角度θを変化させているため、中央部Bから両端部
A,Cへいくほど拡散角を広げつつ、拡散特性を中央部
B側へ傾けることができる。
用成形型93bは、図6に示す水平拡散用レンチキュラ
ーレンズシート12の出光面側にあるレンチキュラーレ
ンズ12aを成形するのに使用する成形型である。出光
面側切削溝Vaは、成形型93bの中央部Bでは、切削
工具Taの円弧R1が占める比率が高く、両端部A,C
へいくほど切削工具Taの円弧R2が占める比率が高く
なるように切り込み角度を変化させているため、中央部
Bから両端部A、Cへいくほど拡散角を広げつつ、拡散
特性を中央部B側へ傾けることができる。
リーンと本実施例の透過型スクリーンとのシェーディン
グ現象の差を説明するための説明図である。図8(a)
及び(b)は、それぞれ従来技術及び本実施例による透
過型スクリーンに投影された光線の拡散状態を示す図で
ある。図8(a)は、前述した図9(a)と同じである
ので、ここでは、詳しく説明しない。ただし、簡単のた
め図8(a)及び(b)では、図9で示した投影レンズ
20aは、省略している図8(b)は、図8(a),図
9(a)と同様な表示をしているので、これらと異なる
部分のみ説明する。スクリーン10bは、前述したよう
に、フレネルレンズ11bと、垂直、水平拡散用のレン
チキュラーレンズ(11a,12a,12b)を有し、
拡散角が場所により変化しつつ拡散特性を中央部方向に
傾けたスクリーンである。
ン10bに投影した場合に、スクリーン10b上のA,
B,Cの各位置における、光の拡散を輝度ベクトル(Y
A1〜YA3,YB1〜YB3,YC1〜YC3)で示したものであ
る。
所により変化しつつ拡散特性を中央部方向に傾けたスク
リーンであり、端部Aと端部Cの拡散特性は、同じであ
るので、各輝度ベクトルには、以下の関係がある。 YA1=YC2 また、図8(a)と図8(b)の中央部Bの拡散特性
は、同じであるので、両図の輝度ベクトル間には、以下
の関係がある。 XB1=XB3=YB1=YB3 また、P1,P2は、図8(a),図9(a)と同じ、
観察位置を示す。
スクリーンより3m離れた、正面の観察位置P1と、ス
クリーン中心より上に600mmの立ち見での観察位置
P2におけるスクリーンの輝度分布を示したものであ
る。
に示されるように、上端部C、中央部B、下端部Aで拡
散の強さ及び拡散の方向が揃っており、正面の観察位置
P1からの観察では、中央部Bからの光は、拡散の最も
強い光(XB2)がくるのに対して、上端部C及び下端部
Aでは、最も強い部分から外れた光(XC1,XA2)がく
るため、中央部Bに比べて輝度が低下する。
ても、中央部Bの輝度(YB2)に比べて上端部C及び下
端部Aの輝度(YC1,YA2)は、低下するが、図8
(b)に示されるように、上端部C及び下端部Aでは、
拡散角が大きく、また、拡散の方向が中心側へ傾いてい
るので、図8(c)に示されるように、その低下の仕方
は、従来の透過型スクリーンより小さくなっている。
も、図8(d)に示されるように、従来の透過型スクリ
ーンでは、上端部Cが最も輝度が強く(XC3)、中央部
B(XB3)、下端部A(XA3)の順で輝度が低下してい
るが、上端部C近傍における従来品の輝度の変化が急激
な変化を示しているのに対し、本実施例の透過型スクリ
ーンでは、その上端部C近辺における輝度の変化が従来
の透過型スクリーンに比べて小さくなっている。そのた
め視覚的には、本実施例の方が相対的な明るさの変化が
小さくなり、シェーディング現象をおさえることができ
る。
されることはなく、種々の変形や変更が可能であって、
それらも本発明の均等の範囲内である。 (1) 第1実施形態〜第3実施形態で使用する切削工
具Ta〜Tcの形状は、図2又は図4に示す形状のどち
らでも構わないし、これらに限ったものではない。 (2) 切り込み角度θ、切り込み量m、送り量nは、
切削の際に、増加させていく例を示したが、これは、減
少させていく工程でも構わない。 (3) 切り込み角度θ、切り込み量m、送り量nの変
化の仕方は、連続的である例を示したが、あるひとかた
まりの区間において固定で、区間ごと段階的に変化して
もよいし、不連続でも構わない。 (4) 成形型の加工方法は、旋盤を使用する例を示し
たが、例えば、平削盤による加工に適用してもよい。
用成形型は、刃面形状が部分的に異なる切削工具を用い
て、その切削工具の切削刃の使用箇所を変化させること
によって、切削溝の形状を溝単位ごとに変化させる部分
を設けて加工するため、ひとつの切削工具により複数の
形状が異なる切削溝を加工できるので、加工が簡単で、
成形型の製造コストが安くなるという効果がある。
形状は、少なくとも1個以上の曲線、及びその曲線に滑
らかに接続された直線を有するため、切削工具自身の形
状が簡単であり、製作が容易である。また、レンズシー
ト用成形型の形状は、切削工具を回転させることで連続
して滑らかに変化するので、加工制御が簡単で、成形型
の製造コストが安くなる。さらに、切削溝の形状も簡単
であるので、精度よく切削でき、成形されたレンズ形状
の再現性もよくなるという効果がある。
形状の前記曲線を、円弧もしくは楕円の一部としたた
め、切削工具自身の形状が請求項2以上に簡単であり切
削工具を作製しやすく、成形型の製造コストが安くなる
という効果がある。
切り込み量、送り量、のうち少なくとも1つを切削溝ご
とに変化させる部分を設けるので、加工制御が簡単にな
り、成形型の製造コストが安くなるという効果がある。
成形型において、レンズ単位に対応した溝の、溝方向に
直交した断面形状は、切削工具の刃面形状を投影したひ
とつの連続した線の一部で、溝単位ごとに変化している
部分を有するため、成形型の切削中及び切削後の寸法測
定、管理、検査が簡単であり、精度のよい成形型をより
簡単に製造できる上に、レンズシートを成形する生産途
中における成形型の寸法測定、管理、検査も簡単である
ため、生産品であるレンズシートの品質も安定するとい
う効果がある。
成形型において、レンズ単位に対応した溝の、溝方向に
直交した断面形状は、切削工具の刃面形状を投影したひ
とつの連続した線の一部で、溝単位ごとに連続して変化
しているため、成形型の切削中及び切削後の寸法測定、
管理、検査が請求項5以上に簡単であり、精度のよい成
形型をより簡単に製造できる上に、レンズシートを成形
する生産途中における成形型の寸法測定、管理、検査も
簡単であるため、生産品であるレンズシートの品質も安
定するという効果がある。また、ひとつの切削工具で連
続して加工ができるので、加工が簡単で、成形型の製造
コストが安くなるという効果がある。
る。
る。
示す図である。
す図である。
度特性を示す図である。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 レンズ形状がレンズ単位ごとに変化する
部分を有するレンズシートを成形するレンズシート用成
形型の製造方法において、 刃面形状が部分的に異なる切削工具を用いて、その切削
工具の切削刃の使用箇所を変化させることによって、前
記レンズシート用成形型の切削溝の形状を溝単位ごとに
変化させる部分を設けること、を特徴とするレンズシー
ト用成形型の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のレンズシート用成形型
の製造方法において、 前記切削工具の刃面形状は、少なくとも1個以上の曲線
及びその曲線に滑らかに接続された直線を有すること、
を特徴とするレンズシート用成形型の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載のレンズシート用成形型
の製造方法において、 前記曲線は、円弧もしくは楕円の一部であること、を特
徴とするレンズシート用成形型の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
項に記載のレンズシート用成形型の製造方法において、 前記切削工具の前記レンズシート用成形型に対する加工
時の相対角度である切り込み角度、前記切削工具の前記
レンズシート用成形型に対する切り込み量、前記切削工
具の前記レンズシート用成形型に対する送り量、のうち
少なくとも1つが前記切削溝ごとに変化する部分を設け
ること、を特徴とするレンズシート用成形型の製造方
法。 - 【請求項5】 レンズシート用成形型において、 レンズ単位に対応した溝の、溝方向に直交した断面形状
は、切削工具の刃面形状を投影したひとつの連続した線
の一部であり、溝単位ごとに変化している部分を有する
こと、を特徴とするレンズシート用成形型。 - 【請求項6】 請求項5のレンズシート用成形型におい
て、 前記溝の形状は、隣接する溝単位ごとに連続的に変化し
ていること、を特徴とするレンズシート用成形型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11059221A JP2000258843A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | レンズシート用成形型の製造方法及びレンズシート用成形型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11059221A JP2000258843A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | レンズシート用成形型の製造方法及びレンズシート用成形型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000258843A true JP2000258843A (ja) | 2000-09-22 |
Family
ID=13107118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11059221A Pending JP2000258843A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | レンズシート用成形型の製造方法及びレンズシート用成形型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000258843A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1605283A2 (en) * | 2004-06-08 | 2005-12-14 | Sony Corporation | Light diffusing film and method of producing the same as well as screen |
-
1999
- 1999-03-05 JP JP11059221A patent/JP2000258843A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1605283A2 (en) * | 2004-06-08 | 2005-12-14 | Sony Corporation | Light diffusing film and method of producing the same as well as screen |
EP1605283A3 (en) * | 2004-06-08 | 2006-11-02 | Sony Corporation | Light diffusing film and method of producing the same as well as screen |
US7538942B2 (en) | 2004-06-08 | 2009-05-26 | Sony Corporation | Light diffusing film and method of producing the same as well as screen |
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