JP2000258531A - レーダ装置および制御方法 - Google Patents

レーダ装置および制御方法

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JP2000258531A
JP2000258531A JP11060556A JP6055699A JP2000258531A JP 2000258531 A JP2000258531 A JP 2000258531A JP 11060556 A JP11060556 A JP 11060556A JP 6055699 A JP6055699 A JP 6055699A JP 2000258531 A JP2000258531 A JP 2000258531A
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隆 柿元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空中線の開口面からビームが送信される指向
角度が大きくなった場合であってもビーム形成時の利得
の低下を抑え、目標対象の検出率の低下を防ぐことがで
きるレーダ装置および制御方法を提供する。 【解決手段】 ビーム利得算出器を用いて目標対象へビ
ームを電子的にのみ指向させた場合の利得を算出し、こ
の算出された利得がレーダ装置(システム)において要
求される値を満たさない場合は、機械的に空中線を駆動
して空中線の開口面を目標対象の方向へ機械的に指向さ
せる。この結果、空中線の開口面からビームが送信され
る指向角度が大きくなった場合であっても、ビーム形成
時の利得の低下を抑え目標対象の検出率の低下を防ぐこ
とができる。ビーム利得算出器に替えてまたはこれと組
み合わせて、目標対象の受信レベルを算出する受信レベ
ル算出器、目標対象の速度を算出する目標速度算出器を
用いることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目標を探知して追
尾を行うレーダ装置および制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のレーダ装置における空中線指向処
理は、レーダ電波を送信する対象(以下「目標対象」と
いう)に対して空中線から送信するレーダ電波(以下
「ビーム」ともいう)の方位方向および仰角方向の指向
量(以下「電子的指向量」という)のみを制御すること
により処理されていた。
【0003】図11は、従来のレーダ装置における空中
線指向処理を示す。図11において、符号1は目標対象
から返信されたレ−ダ電波をRF信号に変換して出力す
る空中線、2は空中線1から出力されたRF信号をビデ
オ信号に変換して出力する受信器、3は受信器2から出
力されたビデオ信号から目標対象を検出する目標検出
器、4は目標検出器3により検出された目標対象から目
標対象の位置情報を得ることにより、目標対象を追尾す
る処理を行う追尾処理器、9は追尾処理器4により得ら
れた目標対象の位置情報から目標対象の方位にビームを
電子的に指向させる方位方向電子ビーム制御器、11は
追尾処理器4に指示された電子的指向量により、目標対
象の仰角にビームを電子的に指向させる仰角方向電子ビ
ーム制御器である。
【0004】上述の従来のレーダ装置における空中線指
向処理に示されるように、検出された目標対象に合わせ
て空中線から送信されるビームの方位方向および仰角方
向に対する電子的指向量を制御し、電子的にビーム走査
を実施することにより目標対象へビームを指向させてい
た。一方、ビームの利得は空中線の開口面に対して垂直
方向へビームが送信される場合が最大であるため、ビー
ムが送信される角度が垂直方向から離れるにしたがっ
て、すなわちビームが送信される指向角度が垂直方向か
ら大きくなるにつれて、ビーム幅の広がりのためにビー
ム形成時の利得が低下することとなる。その結果、目標
対象の検出率が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
レーダ装置における空中線指向処理においては、空中線
からビームを送信する際に開口面に対する方位方向およ
び仰角方向への電子的指向量のみを制御してビーム走査
を実施しているだけであったため、空中線開口面からビ
ームが送信される指向角度が大きくなるにつれてビーム
形成時の利得が低下し、目標対象の検出率が低下すると
いう問題があった。そこで、本発明の目的は上記問題を
解決するためになされたものであり、空中線からビーム
を送信する際の電子的指向量の制御に加えて、空中線自
体の機械的駆動を行う機械的指向量の制御を併用するこ
とにより、空中線の開口面からビームが送信される指向
角度が大きくなった場合であってもビーム形成時の利得
の低下を抑え、目標対象の検出率の低下を防ぐことがで
きるレーダ装置および制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のレーダ装置
は、目標対象へレーダ電波を送信し該目標対象から返信
されたレーダ電波を受信する空中線と、該空中線により
受信されたレーダ電波から目標対象を検出して、目標対
象の位置情報を得ることにより目標対象の追尾処理を行
う追尾処理器とを有するレーダ装置において、前記追尾
処理器により得られた目標対象の位置情報から前記空中
線の指向量を制御する制御情報を算出する算出器と、前
記算出器により算出された制御情報から前記空中線の方
位方向の電子的および機械的指向量の制御を行う方位方
向制御器と、前記算出器により算出された制御情報から
前記空中線の仰角方向の電子的および機械的指向量の制
御を行う仰角方向制御器と、前記方位方向制御器により
制御された機械的指向量によって前記空中線を方位方向
に機械的に指向させる方位方向機械駆動制御器と、前記
仰角方向制御器により制御された機械的指向量によって
前記空中線を仰角方向に機械的に指向させる仰角方向機
械駆動制御器とを備えたものである。ここで、この発明
のレーダ装置において、前記算出器は、前記追尾処理器
により得られた目標対象の位置情報から、電子的指向量
のみを制御することによって前記空中線から放射される
ビームを目標対象へ指向させた場合の利得を算出するビ
ーム利得算出器であって、該ビーム利得算出器は算出さ
れた該利得が所定の値以上である場合は電子的指向量の
みを制御し、算出された該利得が所定の値に満たない場
合は機械的的指向量を制御することができるものであ
る。ここで、この発明のレーダ装置において、前記算出
器は、前記追尾処理器により得られた目標対象の位置情
報から、該目標対象が受信するレーダ波の受信レベルを
算出する受信レベル算出器であって、該受信レベル算出
器は算出された該受信レベルの値が所定の値以上である
場合は電子的指向量のみを制御し、算出された該受信レ
ベルの値が所定の値に満たない場合は機械的的指向量を
制御することができるものである。 ここで、この発明
のレーダ装置において、前記算出器は、前記追尾処理器
により得られた目標対象の位置情報から、該目標対象の
速度を算出する目標速度算出器であって、該目標速度算
出器は算出された目標対象の速度が送信されたレーダ波
の近傍において所定の値より大きい場合には、機械的指
向量の制御と電子的指向量の制御とを組み合わせて、算
出された目標対象の速度から求められる目標対象の予測
移動位置へビームを指向させることができるものであ
る。 ここで、この発明のレーダ装置は、目標対象へレ
ーダ電波を送信するタイミングを制御するタイミング制
御器をさらに備え、前記ビーム利得算出器により算出さ
れた利得が所定の値に満たない場合は、該タイミング制
御器により目標対象へレーダ電波を送信するタイミング
を増加させることができるものである。ここで、この発
明のレーダ装置は、前記追尾処理器により得られた目標
対象の位置情報から、該目標対象が受信するレーダ波の
受信レベルを算出する受信レベル算出器をさらに備え、
前記方位方向制御器は、前記受信レベル算出器により算
出された制御情報と前記ビーム利得算出器により算出さ
れた制御情報とから方位方向の指向量の制御を行い、前
記仰角方向制御器は、前記受信レベル算出器により算出
された制御情報と前記ビーム利得算出器により算出され
た制御情報とから仰角方向の指向量の制御を行うことが
できるものである。ここで、この発明のレーダ装置は、
前記追尾処理器により得られた目標対象の位置情報か
ら、該目標対象の速度を算出する目標速度算出器をさら
に備え、前記方位方向制御器は、前記目標速度算出器に
より算出された制御情報と前記ビーム利得算出器により
算出された制御情報とから方位方向の指向量の制御を行
い、前記仰角方向制御器は、前記目標速度算出器により
算出された制御情報と前記ビーム利得算出器により算出
された制御情報とから仰角方向の指向量の制御を行うこ
とができるものである。ここで、この発明のレーダ装置
は、前記追尾処理器により得られた目標対象の位置情報
から、該目標対象の速度を算出する目標速度算出器をさ
らに備え、前記方位方向制御器は、前記目標速度算出器
により算出された制御情報と前記受信レベル算出器によ
り算出された制御情報とから方位方向の指向量の制御を
行い、前記仰角方向制御器は、前記目標速度算出器によ
り算出された制御情報と前記受信レベル算出器により算
出された制御情報とから仰角方向の指向量の制御を行う
ことができるものである。ここで、この発明のレーダ装
置は、前記追尾処理器により得られた目標対象の位置情
報から、該目標対象の速度を算出する目標速度算出器を
さらに備え、前記方位方向制御器は、前記目標速度算出
器により算出された制御情報、前記受信レベル算出器に
より算出された制御情報および前記ビーム利得算出器に
より算出された制御情報から方位方向の指向量の制御を
行い、前記仰角方向制御器は、前記目標速度算出器によ
り算出された制御情報、前記受信レベル算出器により算
出された制御情報および前記受信ビーム利得算出器によ
り算出された制御情報から仰角方向の指向量の制御を行
うことができるものである。ここで、この発明のレーダ
装置は、前記追尾処理器により得られた目標対象の位置
情報から、目標対象の運動特性を算出する目標運動算出
器をさらに備え、前記ビーム利得算出器は、前記目標運
動算出器により算出された目標運動特性によって、前記
空中線の機械的指向量が最小となる制御情報を算出する
ことができるものである。 ここで、この発明のレーダ
装置は、前記空中線が機械的指向量により機械的に駆動
されている間に該機械的駆動の方向とは逆の方向へ電子
的に指向させる電子的指向量を制御するバックスキャン
制御器をさらに備え、前記ビーム利得算出器は、前記目
標運動算出器により算出された目標運動特性に該バック
スキャン制御器により得られる電子的指向量を加えて、
前記方位方向制御器および前記仰角方向制御器を制御す
ることができるものである。
【0007】この発明のレーダ装置制御方法は、目標対
象へレーダ電波を送信し該目標対象から返信されたレー
ダ電波を受信する空中線と、該空中線により受信された
レーダ電波から目標対象の位置情報を得て、該空中線か
ら送信されるレーダ電波の電子的指向量を制御すること
により目標対象の追尾処理を行う追尾処理器とを用いる
レーダ装置制御方法において、前記追尾処理器により得
られた目標対象の位置情報から前記空中線の電子的およ
び機械的指向量を制御する制御情報を算出する算出ステ
ップと、前記算出ステップにより算出された制御情報か
ら前記空中線の方位方向の電子的および機械的指向量の
制御を行う方位方向制御ステップと、前記算出ステップ
により算出された制御情報から前記空中線の仰角方向の
電子的および機械的指向量の制御を行う仰角方向制御ス
テップと、前記方位方向制御ステップにより制御された
機械的指向量によって前記空中線を方位方向に機械的に
指向させる方位方向機械駆動制御ステップと、前記仰角
方向制御器により制御された機械的指向量によって前記
空中線を仰角方向に機械的に指向させる仰角方向機械駆
動制御ステップとを備えたものである。ここで、この発
明のレーダ装置制御方法において、前記算出ステップ
は、前記追尾処理器により得られた目標対象の位置情報
から、前記空中線により放射されるビームの利得を算出
することができるものである。 ここで、この発明のレ
ーダ装置制御方法において、前記算出ステップは、前記
追尾処理器により得られた目標対象の位置情報から、該
目標対象が受信するレーダ波の受信レベルを算出するこ
とができるものである。 ここで、この発明のレーダ装
置制御方法において、前記算出ステップは、前記追尾処
理器により得られた目標対象の位置情報から、該目標対
象の速度を算出することができるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。 実施の形態1.本実施の形態1においては、目標対象へ
ビームを指向させる際、その初動はビームの電子的指向
量のみを制御することにより行う。しかし、ビームの電
子的指向量が大きくなるに従ってビームの利得が低下す
るため、以下に説明されるビーム利得算出器5を用いる
ことにより、目標対象へビームを電子的にのみ指向させ
た場合の利得を算出する。この算出された利得がレーダ
装置(システム)において要求される値を満たさない場
合は、機械的に空中線1を駆動して空中線1の開口面を
目標対象の方向へ機械的に指向させる。図1は本発明の
実施の形態1におけるレーダ装置を示す。図1におい
て、符号1は目標対象から返信されたレ−ダ電波をRF
信号に変換して出力する空中線、2は空中線1から出力
されたRF信号をビデオ信号に変換して出力する受信
器、3は受信器2から出力されたビデオ信号から目標対
象を検出する目標検出器、4は目標検出器3により検出
された目標対象から目標対象の位置情報を得ることによ
り、目標対象を追尾する処理を行う追尾処理器、5は追
尾処理器4により得られた目標対象の位置情報よりビー
ムの利得を算出するビーム利得算出器、6はビーム利得
算出器5により算出されたビーム利得から空中線1の方
位方向の電子的および機械的指向量の制御を行う方位方
向制御器、7はビーム利得算出器により算出されたビー
ム利得から空中線1の仰角方向の電子的および機械的指
向量の制御を行う仰角方向制御器、8は方位方向制御器
6により制御された機械的指向量によって空中線1を方
位方向に機械的に指向させる方位方向機械駆動制御器、
10は仰角方向制御器7により制御された機械的指向量
によって空中線1を仰角方向に機械的に指向させる仰角
方向機械駆動制御器、9は方位方向制御器6により制御
された電子的指向量によって空中線1から送信されるビ
ームを方位方向に電子的に指向させる方位方向電子ビー
ム制御器、11は方位方向制御器6により制御された電
子的指向量によって空中線1から送信されるビームを仰
角方向に電子的に指向させる仰角方向電子ビーム制御器
である。
【0009】図1に示される実施の形態1におけるレー
ダ装置において、ビーム利得算出器5は追尾処理器4に
より得られた目標対象の位置情報から、電子的指向量の
みを制御することによって空中線1から放射されるビー
ムを目標対象へ指向させた場合のビームの利得を算出す
る。ここでビームの利得とは具体的には、実際の特定方
向におけるビームの放射強度/全方向へ放射電力が一様
に分配されたと仮定した場合における放射強度である。
算出されたビームの利得が所定の利得値以上である場合
は電子走査のみの制御を行う。すなわち目標対象の予測
位置にビームを指向させるように方位方向制御器6およ
び仰角方向制御器7に電子的指向量の制御情報のみを送
る。一方、算出されたビームの利得が所定の利得値に満
たない場合は空中線1自体の機械的駆動の制御を行う。
すなわち目標対象の予測位置に向けて空中線1を指向さ
せるように方位方向制御器6および仰角方向制御器7に
機械的指向量の制御情報を送る。電子的指向量とは例え
ば送信されるビームの指向角度であり、機械的指向量と
は例えば空中線1を機械的に駆動させる角度である。
【0010】電子的指向量または機械的指向量の制御情
報を送られた方位方向制御器6は、送られた制御情報が
機械的指向量である場合は方位方向機械駆動制御器8へ
機械的指向量を出力し、一方電子的指向量である場合は
方位方向電子ビーム制御器10へ電子的指向量を出力す
る。方位方向機械駆動制御器8は入力された機械的指向
量だけ方位方向に空中線1を機械的に駆動する。方位方
向電子ビーム制御器9は入力された電子的指向量だけ方
位方向に空中線1から送信されるビームを制御する。同
様に、電子的指向量または機械的指向量の制御情報を送
られた仰角方向制御器7は、送られた制御情報が機械的
指向量である場合は仰角方向機械駆動制御器10へ機械
的指向量を出力し、一方電子的指向量である場合は仰角
方向電子ビーム制御器11へ電子的指向量を出力する。
仰角方向機械駆動制御器10は入力された機械的指向量
だけ仰角方向に空中線1を機械的に駆動する。仰角方向
電子ビーム制御器11は入力された電子的指向量だけ仰
角方向に空中線1から送信されるビームを制御する。上
述のように、算出された利得がレーダ装置(システム)
において要求される所定の値を満たさない場合は、電子
的な指向量の制御に加えて機械的に空中線を駆動し、空
中線の開口面を目標対象の方向へ機械的に指向させる。
この結果、電子的指向量の制御のみにより空中線の開口
面からビームが送信される指向角度が大きくなった場合
であっても、機械的指向量の制御を併用することによっ
て、ビーム形成時の利得の低下を抑え目標対象の検出率
の低下を防ぐことができる
【0011】ビーム利得算出器5から方位方向制御器6
へ機械的指向量の制御情報を送る場合は、同時に電子的
指向量の制御情報を送ることも可能である。この場合方
位方向制御器6は、送られた機械的指向量については方
位方向機械駆動制御器8へ出力し、電子的指向量につい
ては方位方向電子ビーム制御器9へ出力することができ
る。同様に、ビーム利得算出器5から仰角方向制御器7
へ機械的指向量の制御情報を送る場合は、同時に電子的
指向量の制御情報を送ることも可能である。この場合仰
角方向制御器7は、送られた機械的指向量については仰
角方向機械駆動制御器10へ出力し、電子的指向量につ
いては仰角方向電子ビーム制御器11へ出力することが
できる。
【0012】以上より、実施の形態1によれば、ビーム
利得算出器を用いて目標対象へビームを電子的にのみ指
向させた場合の利得を算出し、この算出された利得がレ
ーダ装置(システム)において要求される値を満たさな
い場合は、機械的に空中線を駆動して空中線の開口面を
目標対象の方向へ機械的に指向させる。この結果、空中
線の開口面からビームが送信される指向角度が大きくな
った場合であっても、ビーム形成時の利得の低下を抑え
目標対象の検出率の低下を防ぐことができる。
【0013】実施の形態2.本実施の形態2において
は、実施の形態1のビーム利得算出器5に替えて、以下
で説明される受信レベル算出器12を用いる。図2は本
発明の実施の形態2におけるレーダ装置を示す。図2で
図1と同じ符号を付されたものは同じ機能を有するため
説明は省略する。図2において、受信レベル算出器12
は追尾処理器4により得られた目標対象の位置情報か
ら、目標対象におけるレーダ信号の受信レベルを算出す
る。算出された受信レベルの値が所定の値以上である場
合は電子走査のみの制御を行う。すなわち目標対象の予
測位置にビームを指向させるように方位方向制御器6お
よび仰角方向制御器7に電子的指向量の制御情報のみを
送る。一方、算出された受信レベルの値がレーダ装置
(システム)において要求される所定の値に満たない場
合は空中線1自体の機械的駆動の制御を行う。すなわち
目標対象の予測位置に向けて空中線1を指向させるよう
に方位方向制御器6および仰角方向制御器7に機械的指
向量の制御情報を送る。電子ビームの走査量が大きくな
るに従い利得が低下するが、利得が低下しても目標のレ
ーダ断面積(Radar Cross Section : RCS)が十分大
きければ目標対象におけるレーダ信号の受信レベルが大
きくなる。したがってビーム形成時の利得の低下を抑え
目標対象の検出率の低下を防ぐことができ目標対象の探
知追尾が可能となる。
【0014】以上より、実施の形態2によれば、実施の
形態1におけるビーム利得算出器に替えて受信レベル算
出器を用いることにより目標対象におけるレーダ信号の
受信レベルを算出する。この算出された受信レベルの値
がレーダ装置(システム)において要求される所定の値
を満たさない場合は、機械的に空中線を駆動して空中線
の開口面を目標対象の方向へ機械的に指向させる。この
結果、空中線の開口面からビームが送信される指向角度
が大きくなった場合であっても、目標対象のレーダ断面
積RCSが十分大きければ目標対象におけるレーダ信号
の受信レベルが大きくなるため、ビーム形成時の利得の
低下を抑え目標対象の検出率の低下を防ぐことができ目
標対象の探知追尾が可能となる。
【0015】実施の形態3.本実施の形態3において
は、実施の形態1のビーム利得算出器5に替えて、以下
で説明される目標速度算出器13を用いる。図3は本発
明の実施の形態3におけるレーダ装置を示す。図3で図
1と同じ符号を付されたものは同じ機能を有するため説
明は省略する。図3において、目標速度算出器13は追
尾処理器4により得られた目標対象の位置情報から、目
標対象の速度を算出する。目標速度算出器13により算
出された目標速度がレーダ波の近傍において所定の値よ
り大きい場合には、目標対象に対するレーダ波の1スキ
ャン毎の角度変化が大きくなる。したがってこの角度変
化に応じて制御される指向量も大きくなるため、空中線
1を機械駆動させるだけでは指向を合わせる際に目標対
象に対する時間的遅れが生ずることとなる。そこで、算
出された目標速度がレーダ波の近傍において所定の値よ
り大きい場合には、算出された目標対象の速度から予測
される目標対象の移動位置へビームを指向させるよう
に、機械駆動による指向量の制御と電子ビーム走査によ
る電子的指向量の制御とを組み合わせて、方位方向制御
器6および仰角方向制御器7を制御する。この結果、算
出された目標速度がレーダ波の近傍において所定の値よ
り大きい場合であっても、機械駆動による指向量の制御
と電子ビーム走査による電子的指向量の制御とを組み合
わせることにより、目標対象の予測移動位置へビームを
指向させることができ、ビーム形成時の利得の低下を抑
え目標対象の検出率の低下を防ぐことができる。
【0016】以上より、実施の形態3によれば、実施の
形態1におけるビーム利得算出器に替えて目標速度算出
器を用いることにより算出された目標対象の速度から移
動位置を予測する。算出された目標速度がレーダ波の近
傍において所定の値より大きい場合であっても、機械駆
動による指向量の制御と電子ビーム走査による電子的指
向量の制御とを組み合わせることにより、目標対象の予
測移動位置へビームを指向させることができ、ビーム形
成時の利得の低下を抑え目標対象の検出率の低下を防ぐ
ことができる。
【0017】実施の形態4.本実施の形態4において
は、実施の形態1のビーム利得算出器5に加えて、以下
で説明されるタイミング制御器14と送信機15とを用
いる。図4は本発明の実施の形態4におけるレーダ装置
を示す。図4で図1と同じ符号を付されたものは同じ機
能を有するため説明は省略する。図4において、タイミ
ング制御器14はビーム利得算出器5により算出された
利得がシステムに要求される所定の利得に満たない場合
は、目標対象へレーダ電波を送信するタイミングを増加
させるようにタイミングを制御する。次にこの制御され
たタイミングに応じて実際に送信機15を介して空中線
1からビームを送信させる。
【0018】ビーム利得算出器5にて算出された利得が
システムに要求される利得に満たない場合は、タイミン
グ制御器14により、システムが許す範囲でデータレー
ト、すなわち特定の方向を毎秒スキャンする回数を下げ
る。データレートを下げると1スキャン当たりの時間が
長くなるため、その分ヒット数、すなわち目標対象に対
してレーダ電波を飛ばした回数が増加する。その結果、
目標対象から反射される受信反射波のS/N比を大きく
できるため、可能な限り電子走査のみで対処することが
できる。一方、データレートを下げた結果、ヒット数が
所定の値より大きくなる場合には機械駆動を併用して用
いる。したがって、ビーム利得算出器5により算出され
た利得がシステムに要求される所定の利得に満たない場
合であっても、直ちに機械的指向量を制御するのではな
く、システムが許す範囲でデータレートを下げることに
より、可能な限り電子的指向量の制御のみで対処するこ
とができる。データレートをこれ以上下げられなくなっ
た場合は、機械的指向量の制御を併用すしてビーム形成
時の利得の低下を抑え目標対象の検出率の低下を防ぐこ
とができる。
【0019】以上より、実施の形態4によれば、実施の
形態1におけるビーム利得算出器により算出された利得
がシステムに要求される所定の利得に満たない場合であ
っても、直ちに機械的指向量を制御するのではなく、シ
ステムが許す範囲でデータレートを下げることにより、
可能な限り電子的指向量の制御のみで対処することがで
きる。データレートをこれ以上下げられなくなった場合
は、機械的指向量の制御を併用することにより、ビーム
形成時の利得の低下を抑え目標対象の検出率の低下を防
ぐことができる。
【0020】実施の形態5.本実施の形態5において
は、実施の形態1のビーム利得算出器5に加えて、実施
の形態2の受信レベル算出器12を併用する。図5は本
発明の実施の形態5におけるレーダ装置を示す。図5で
図1および図2と同じ符号を付されたものは同じ機能を
有するため説明は省略する。図5に示されるように、方
位方向制御器6は、受信レベル算出器12により算出さ
れた制御情報とビーム利得算出器5により算出された制
御情報とから方位方向の電子的または機械的指向量の制
御を行い、仰角方向制御器7は、受信レベル算出器5に
より算出された制御情報とビーム利得算出器5により算
出された制御情報とから仰角方向の電子的または機械的
指向量の制御を行う。
【0021】ビーム利得算出器5のみを用いた場合に
は、算出された利得がレーダ装置(システム)において
要求される値を満たさない場合は、直ちに機械的に空中
線を駆動して空中線の開口面を目標対象の方向へ機械的
に指向させていた。しかし、受信レベル算出器12を併
用することにより、算出された利得がレーダ装置(シス
テム)において要求される値を満たさない場合であって
も、受信レベルの値がレーダ装置(システム)において
要求される所定の値以上である場合には、電子的指向量
の制御のみで対処が可能となる。逆に、受信レベルの値
がレーダ装置(システム)において要求される所定の値
を満たさない場合であっても、算出された利得がレーダ
装置(システム)において要求される値以上である場合
には、同様に電子的指向量の制御のみで対処が可能とな
る。一方、算出された利得がレーダ装置(システム)に
おいて要求される値を満たさない場合であって、さらに
受信レベルの値がレーダ装置(システム)において要求
される所定の値を満たさない場合には、機械的に空中線
を駆動して空中線の開口面を目標対象の方向へ機械的に
指向させる。したがって、空中線の開口面からビームが
送信される指向角度が大きくなった場合であっても、ビ
ーム形成時の利得の低下を抑え目標対象の検出率の低下
を防ぐことができる。
【0022】以上より、実施の形態5によれば、実施の
形態1のビーム利得算出器5に加えて、実施の形態2の
受信レベル算出器12を併用することにより、算出され
た利得がレーダ装置(システム)において要求される値
以上である場合または受信レベルの値がレーダ装置(シ
ステム)において要求される所定の値以上である場合に
は、直ちに機械的指向量の制御を行わなくてもよいた
め、電子的指向量の制御のみで対処することができる。
したがって、空中線の開口面からビームが送信される指
向角度が大きくなった場合であっても、ビーム形成時の
利得の低下を抑え目標対象の検出率の低下を防ぐことが
できる。
【0023】実施の形態6.本実施の形態6において
は、実施の形態1のビーム利得算出器5に加えて、実施
の形態3の目標速度算出器13を併用する。図6は本発
明の実施の形態6におけるレーダ装置を示す。図6で図
1および図3と同じ符号を付されたものは同じ機能を有
するため説明は省略する。図6に示されるように、方位
方向制御器6は、目標速度算出器13により算出された
制御情報とビーム利得算出器5により算出された制御情
報とから方位方向の電子的または機械的指向量の制御を
行い、仰角方向制御器7は、目標速度算出器5により算
出された制御情報とビーム利得算出器5により算出され
た制御情報とから仰角方向の電子的または機械的指向量
の制御を行う。
【0024】ビーム利得算出器5のみを用いた場合に
は、算出された利得がレーダ装置(システム)において
要求される値を満たさない場合は、直ちに機械的に空中
線を駆動して空中線の開口面を目標対象の方向へ機械的
に指向させていた。しかし、目標速度算出器13を併用
することにより、算出された利得がレーダ装置(システ
ム)において要求される値を満たさない場合であって
も、算出された目標速度がレーダ波の近傍において所定
の値より大きい場合には、算出された目標対象の速度か
ら予測される目標対象の移動位置へビームを指向させる
ように、機械駆動による指向量の制御のみではなく電子
ビーム走査による電子的指向量の制御も組み合わせて、
方位方向制御器6および仰角方向制御器7を制御するこ
とができる。したがって、空中線の開口面からビームが
送信される指向角度が大きくなり、ビーム形成時の利得
が低下した場合であっても、直ちに機械的指向量の制御
のみで対処することなく電子的指向量の制御も組み合わ
せて制御することにより、ビーム形成時の利得の低下を
抑え目標対象の検出率の低下を防ぐことができる。
【0025】以上より、実施の形態6によれば、実施の
形態1のビーム利得算出器5に加えて、実施の形態3の
目標速度算出器13を併用することにより、算出された
利得がレーダ装置(システム)において要求される値を
満たさない場合であっても、算出された目標速度がレー
ダ波の近傍において所定の値より大きい場合には、算出
された目標対象の速度から予測される目標対象の移動位
置へビームを指向させるように、機械駆動による指向量
の制御のみではなく電子ビーム走査による電子的指向量
の制御も組み合わせて、方位方向制御器6および仰角方
向制御器7を制御することができる。このため直ちに機
械的指向量のみの制御を行わなくてもよく電子的指向量
の制御と併用して対処することができる。したがって、
空中線の開口面からビームが送信される指向角度が大き
くなった場合であっても、ビーム形成時の利得の低下を
抑え目標対象の検出率の低下を防ぐことができる。
【0026】実施の形態7.本実施の形態7において
は、実施の形態2の受信レベル算出器12に加えて、実
施の形態3の目標速度算出器13を併用する。図7は本
発明の実施の形態7におけるレーダ装置を示す。図7で
図2および図3と同じ符号を付されたものは同じ機能を
有するため説明は省略する。図7に示されるように、方
位方向制御器6は、受信レベル算出器12により算出さ
れた制御情報と目標速度算出器13により算出された制
御情報とから方位方向の電子的または機械的指向量の制
御を行い、仰角方向制御器7は、受信レベル算出器12
により算出された制御情報と目標速度算出器13により
算出された制御情報とから仰角方向の電子的または機械
的指向量の制御を行う。
【0027】受信レベル算出器12のみを用いた場合に
は、算出された受信レベルがレーダ装置(システム)に
おいて要求される値を満たさない場合は、直ちに機械的
に空中線を駆動して空中線の開口面を目標対象の方向へ
機械的に指向させていた。しかし、目標速度算出器13
を併用することにより、算出された受信レベルレーダ装
置(システム)において要求される値を満たさない場合
であっても、算出された目標速度がレーダ波の近傍にお
いて所定の値より大きい場合には、算出された目標対象
の速度から予測される目標対象の移動位置へビームを指
向させるように、機械駆動による指向量の制御のみでは
なく電子ビーム走査による電子的指向量の制御も組み合
わせて、方位方向制御器6および仰角方向制御器7を制
御することができる。したがって、空中線の開口面から
ビームが送信される指向角度が大きくなり、ビーム形成
時の利得が低下した場合であっても、直ちに機械的指向
量の制御のみで対処することなく電子的指向量の制御も
組み合わせて制御することにより、ビーム形成時の利得
の低下を抑え目標対象の検出率の低下を防ぐことができ
る。
【0028】以上より、実施の形態7によれば、実施の
形態2の受信レベル算出器12に加えて、実施の形態3
の目標速度算出器13を併用することにより、算出され
た受信レベルがレーダ装置(システム)において要求さ
れる値を満たさない場合であっても、算出された目標速
度がレーダ波の近傍において所定の値より大きい場合に
は、算出された目標対象の速度から予測される目標対象
の移動位置へビームを指向させるように、機械駆動によ
る指向量の制御のみではなく電子ビーム走査による電子
的指向量の制御も組み合わせて、方位方向制御器6およ
び仰角方向制御器7を制御することができる。このため
直ちに機械的指向量のみの制御を行わなくてもよく電子
的指向量の制御と併用して対処することができる。した
がって、空中線の開口面からビームが送信される指向角
度が大きくなった場合であっても、ビーム形成時の利得
の低下を抑え目標対象の検出率の低下を防ぐことができ
る。
【0029】実施の形態8.本実施の形態8において
は、実施の形態1のビーム利得算出器5、実施の形態2
の受信レベル算出器12に加えて実施の形態3の目標速
度算出器13を併用する。図8は本発明の実施の形態8
におけるレーダ装置を示す。図8で図1、図2および図
3と同じ符号を付されたものは同じ機能を有するため説
明は省略する。図8に示されるように、方位方向制御器
6は、ビーム利得算出器5、受信レベル算出器12およ
び目標速度算出器13により算出された各制御情報から
方位方向の電子的または機械的指向量の制御を行い、仰
角方向制御器7は、ビーム利得算出器5、受信レベル算
出器12および目標速度算出器13により算出された各
制御情報から仰角方向の電子的または機械的指向量の制
御を行う。
【0030】実施の形態1のビーム利得算出器5と実施
の形態2の受信レベル算出器12とを併用する場合に
は、算出された利得がレーダ装置(システム)において
要求される値に満たない場合でかつ受信レベルの値がレ
ーダ装置(システム)において要求される所定の値に満
たない場合には、直ちに機械的指向量の制御を行ってい
た。しかし、ビーム利得算出器5と受信レベル算出器1
2とに加えて目標速度算出器13を併用することによ
り、上述のような場合であっても、算出された目標速度
がレーダ波の近傍において所定の値より大きい場合に
は、算出された目標対象の速度から予測される目標対象
の移動位置へビームを指向させるように、機械駆動によ
る指向量の制御のみではなく電子ビーム走査による電子
的指向量の制御も組み合わせて、方位方向制御器6およ
び仰角方向制御器7を制御することができる。したがっ
て、空中線の開口面からビームが送信される指向角度が
大きくなり、ビーム形成時の利得が低下した場合であっ
ても、直ちに機械的指向量の制御のみで対処することな
く電子的指向量の制御も組み合わせて制御することによ
り、ビーム形成時の利得の低下を抑え目標対象の検出率
の低下を防ぐことができる。
【0031】以上より、実施の形態8によれば、実施の
形態1のビーム利得算出器5、実施の形態2の受信レベ
ル算出器12に加えて実施の形態3の目標速度算出器1
3を併用することにより、算出された利得がレーダ装置
(システム)において要求される値に満たない場合でか
つ受信レベルの値がレーダ装置(システム)において要
求される所定の値に満たない場合であっても、算出され
た目標対象の速度から予測される目標対象の移動位置へ
ビームを指向させるように、機械駆動による指向量の制
御のみではなく電子ビーム走査による電子的指向量の制
御も組み合わせて、方位方向制御器6および仰角方向制
御器7を制御することができる。したがって、空中線の
開口面からビームが送信される指向角度が大きくなり、
ビーム形成時の利得が低下した場合であっても、直ちに
機械的指向量の制御のみで対処することなく電子的指向
量の制御も組み合わせて制御することにより、ビーム形
成時の利得の低下を抑え目標対象の検出率の低下を防ぐ
ことができる。
【0032】実施の形態9.本実施の形態9において
は、実施の形態1のビーム利得算出器5に加えて、以下
で説明される目標運動算出器16を併用する。図9は本
発明の実施の形態9におけるレーダ装置を示す。図9で
図1と同じ符号を付されたものは同じ機能を有するため
説明は省略する。図9に示されるように、目標運動算出
器16は目標対象の運動特性を算出する。ビーム利得算
出器5はビーム利得の算出と共に、空中線1の機械駆動
が最小となり電子ビーム走査のみで対応できる時間が長
くなるように、目標運動算出器16により算出された目
標運動特性に基づいて予めオフセットした位置に空中線
1を機械的に駆動させ、電子ビームで予めオフセットし
た分の位置の補正を行う。以上の機械駆動および電子ビ
ームによる補正に応じた機械的指向量および電子的指向
量の制御を行う。したがって、空中線の開口面からビー
ムが送信される指向角度が大きくなった場合であって
も、ビーム形成時の利得の低下を抑え目標対象の検出率
の低下を防ぐことができる。
【0033】以上より、実施の形態9によれば、目標運
動算出器により算出させた目標運動特性に基づいて、予
めオフセットした位置に空中線を機械的に駆動させて電
子ビームで予めオフセットした分の位置の補正を行うこ
とにより、空中線の機械駆動を最小とし電子ビーム走査
のみで対応できる時間を長くすることができる。したが
って空中線の開口面からビームが送信される指向角度が
大きくなった場合であっても、機械的駆動を最小としつ
つビーム形成時の利得の低下を抑え目標対象の検出率の
低下を防ぐことができる。
【0034】実施の形態10.本実施の形態10におい
ては、実施の形態9の目標運動算出器16とビーム利得
器5との間に、以下で説明されるバックスキャン制御器
17を用いる。図10は本発明の実施の形態10におけ
るレーダ装置を示す。図10で図9と同じ符号を付され
たものは同じ機能を有するため説明は省略する。図10
において、バックスキャン制御器17は、空中線1があ
る方向へ機械的に駆動(スキャン)されている間に、こ
の機械的スキャンの方向とは逆の方向へ電子的にスキャ
ンさせるバックスキャン制御を行う。バックスキャン制
御は機械的制御と比較してスキャンの速度が速く、かつ
スキャンの精度も高い。したがってこれらの両スキャン
を併用することにより、目標対象へビームを速くかつ精
度良く指向させることができる。ビーム利得算出器5は
ビーム利得の算出および実施の形態9で説明された目標
運動特性の算出と共に、データレートを向上させるた
め、空中線1が機械駆動中であってもビームを常に目標
予測位置に指向させるように、算出された目標運動特性
に基づいて電子走査によりバックスキャンを実施するこ
とができる。ビーム利得算出器5は以上の機械駆動およ
び電子走査によるバックスキャンに応じた機械的指向量
および電子的指向量の制御を行う。したがって、空中線
の開口面からビームが送信される指向角度が大きくなっ
た場合であっても、ビーム形成時の利得の低下を抑え目
標対象の検出率の低下を防ぐことができる。
【0035】以上より、実施の形態10によれば、バッ
クスキャン制御器により、空中線が機械駆動中であって
もビームを常に目標予測位置に指向させるように、算出
された目標運動特性に基づいて電子走査によりバックス
キャンを実施することができる。したがって、空中線の
開口面からビームが送信される指向角度が大きくなった
場合であっても、ビーム形成時の利得の低下を抑え目標
対象の検出率の低下を防ぐことができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレーダ装
置および制御方法によれば、空中線からビームを送信す
る際の電子的指向量の制御に加えて、空中線自体の機械
的駆動を行う機械的指向量の制御を併用することによ
り、空中線の開口面からビームが送信される指向角度が
大きくなった場合であってもビーム形成時の利得の低下
を抑え、目標対象の検出率の低下を防ぐことができるレ
ーダ装置および制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるレーダ装置を
示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態2におけるレーダ装置を
示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態3におけるレーダ装置を
示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態4におけるレーダ装置を
示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態5におけるレーダ装置を
示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態6におけるレーダ装置を
示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態7におけるレーダ装置を
示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態8におけるレーダ装置を
示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態9におけるレーダ装置を
示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態10におけるレーダ装
置を示す図である。
【図11】 従来のレーダ装置を示す図である。
【符号の説明】
1 空中線、 2 受信器、 3 目標検出器、 4
追尾処理器、 5 ビーム利得算出器、 6 方位方向
制御器、 7 仰角方向制御器、 8 方位方向機械駆
動制御器、 9 方位方向電子ビーム制御器、 10
仰角方向機械駆動制御器、 11 仰角方向電子ビーム
制御器、 12 受信レベル算出器、13 目標速度算
出器、 14 タイミング制御器、 15 送信機、
16目標運動算出器、 17 バックスキャン制御器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J021 AA01 DA02 EA04 FA00 FA13 GA02 HA03 HA04 5J070 AA14 AC01 AC12 AC13 AD10 AE20 AF01 AK01 AK21 AK22 BB04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標対象へレーダ電波を送信し該目標対
    象から返信されたレーダ電波を受信する空中線と、該空
    中線により受信されたレーダ電波から目標対象を検出し
    て、目標対象の位置情報を得ることにより目標対象の追
    尾処理を行う追尾処理器とを有するレーダ装置におい
    て、 前記追尾処理器により得られた目標対象の位置情報から
    前記空中線の指向量を制御する制御情報を算出する算出
    器と、 前記算出器により算出された制御情報から前記空中線の
    方位方向の電子的および機械的指向量の制御を行う方位
    方向制御器と、 前記算出器により算出された制御情報から前記空中線の
    仰角方向の電子的および機械的指向量の制御を行う仰角
    方向制御器と、 前記方位方向制御器により制御された機械的指向量によ
    って前記空中線を方位方向に機械的に指向させる方位方
    向機械駆動制御器と、 前記仰角方向制御器により制御された機械的指向量によ
    って前記空中線を仰角方向に機械的に指向させる仰角方
    向機械駆動制御器とを備えたことを特徴とするレーダ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記算出器は、前記追尾処理器により得
    られた目標対象の位置情報から、電子的指向量のみを制
    御することによって前記空中線から放射されるビームを
    目標対象へ指向させた場合の利得を算出するビーム利得
    算出器であって、該ビーム利得算出器は算出された該利
    得が所定の値以上である場合は電子的指向量のみを制御
    し、算出された該利得が所定の値に満たない場合は機械
    的的指向量を制御することを特徴とする請求項1記載の
    レーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記算出器は、前記追尾処理器により得
    られた目標対象の位置情報から、該目標対象が受信する
    レーダ波の受信レベルを算出する受信レベル算出器であ
    って、該受信レベル算出器は算出された該受信レベルの
    値が所定の値以上である場合は電子的指向量のみを制御
    し、算出された該受信レベルの値が所定の値に満たない
    場合は機械的的指向量を制御することを特徴とする請求
    項1記載のレーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記算出器は、前記追尾処理器により得
    られた目標対象の位置情報から、該目標対象の速度を算
    出する目標速度算出器であって、該目標速度算出器は算
    出された目標対象の速度が送信されたレーダ波の近傍に
    おいて所定の値より大きい場合には、機械的指向量の制
    御と電子的指向量の制御とを組み合わせて、算出された
    目標対象の速度から求められる目標対象の予測移動位置
    へビームを指向させることを特徴とする請求項1記載の
    レーダ装置。
  5. 【請求項5】 目標対象へレーダ電波を送信するタイミ
    ングを制御するタイミング制御器をさらに備え、前記ビ
    ーム利得算出器により算出された利得が所定の値に満た
    ない場合は、該タイミング制御器により目標対象へレー
    ダ電波を送信するタイミングを増加させることを特徴と
    する請求項2記載のレーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記追尾処理器により得られた目標対象
    の位置情報から、該目標対象が受信するレーダ波の受信
    レベルを算出する受信レベル算出器をさらに備え、 前記方位方向制御器は、前記受信レベル算出器により算
    出された制御情報と前記ビーム利得算出器により算出さ
    れた制御情報とから方位方向の指向量の制御を行い、 前記仰角方向制御器は、前記受信レベル算出器により算
    出された制御情報と前記ビーム利得算出器により算出さ
    れた制御情報とから仰角方向の指向量の制御を行うこと
    を特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記追尾処理器により得られた目標対象
    の位置情報から、該目標対象の速度を算出する目標速度
    算出器をさらに備え、 前記方位方向制御器は、前記目標速度算出器により算出
    された制御情報と前記ビーム利得算出器により算出され
    た制御情報とから方位方向の指向量の制御を行い、 前記仰角方向制御器は、前記目標速度算出器により算出
    された制御情報と前記ビーム利得算出器により算出され
    た制御情報とから仰角方向の指向量の制御を行うことを
    特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
  8. 【請求項8】 前記追尾処理器により得られた目標対象
    の位置情報から、該目標対象の速度を算出する目標速度
    算出器をさらに備え、 前記方位方向制御器は、前記目標速度算出器により算出
    された制御情報と前記受信レベル算出器により算出され
    た制御情報とから方位方向の指向量の制御を行い、 前記仰角方向制御器は、前記目標速度算出器により算出
    された制御情報と前記受信レベル算出器により算出され
    た制御情報とから仰角方向の指向量の制御を行うことを
    特徴とする請求項3記載のレーダ装置。
  9. 【請求項9】 前記追尾処理器により得られた目標対象
    の位置情報から、該目標対象の速度を算出する目標速度
    算出器をさらに備え、 前記方位方向制御器は、前記目標速度算出器により算出
    された制御情報、前記受信レベル算出器により算出され
    た制御情報および前記ビーム利得算出器により算出され
    た制御情報から方位方向の指向量の制御を行い、 前記仰角方向制御器は、前記目標速度算出器により算出
    された制御情報、前記受信レベル算出器により算出され
    た制御情報および前記受信ビーム利得算出器により算出
    された制御情報から仰角方向の指向量の制御を行うこと
    を特徴とする請求項6記載のレーダ装置。
  10. 【請求項10】 前記追尾処理器により得られた目標対
    象の位置情報から、目標対象の運動特性を算出する目標
    運動算出器をさらに備え、 前記ビーム利得算出器は、前記目標運動算出器により算
    出された目標運動特性によって、前記空中線の機械的指
    向量が最小となる制御情報を算出することを特徴とする
    請求項2記載のレーダ装置。
  11. 【請求項11】 前記空中線が機械的指向量により機械
    的に駆動されている間に該機械的駆動の方向とは逆の方
    向へ電子的に指向させる電子的指向量を制御するバック
    スキャン制御器をさらに備え、前記ビーム利得算出器
    は、前記目標運動算出器により算出された目標運動特性
    に該バックスキャン制御器により得られる電子的指向量
    を加えて、前記方位方向制御器および前記仰角方向制御
    器を制御することを特徴とする請求項10記載のレーダ
    装置。
  12. 【請求項12】 目標対象へレーダ電波を送信し該目標
    対象から返信されたレーダ電波を受信する空中線と、該
    空中線により受信されたレーダ電波から目標対象の位置
    情報を得て、該空中線から送信されるレーダ電波の電子
    的指向量を制御することにより目標対象の追尾処理を行
    う追尾処理器とを用いるレーダ装置制御方法において、 前記追尾処理器により得られた目標対象の位置情報から
    前記空中線の電子的および機械的指向量を制御する制御
    情報を算出する算出ステップと、 前記算出ステップにより算出された制御情報から前記空
    中線の方位方向の電子的および機械的指向量の制御を行
    う方位方向制御ステップと、 前記算出ステップにより算出された制御情報から前記空
    中線の仰角方向の電子的および機械的指向量の制御を行
    う仰角方向制御ステップと、 前記方位方向制御ステップにより制御された機械的指向
    量によって前記空中線を方位方向に機械的に指向させる
    方位方向機械駆動制御ステップと、 前記仰角方向制御器により制御された機械的指向量によ
    って前記空中線を仰角方向に機械的に指向させる仰角方
    向機械駆動制御ステップとを備えたことを特徴とするレ
    ーダ装置制御方法。
  13. 【請求項13】 前記算出ステップは、前記追尾処理器
    により得られた目標対象の位置情報から、前記空中線に
    より放射されるビームの利得を算出することを特徴とす
    る請求項12記載のレーダ装置制御方法。
  14. 【請求項14】 前記算出ステップは、前記追尾処理器
    により得られた目標対象の位置情報から、該目標対象が
    受信するレーダ波の受信レベルを算出することを特徴と
    する請求項12記載のレーダ装置制御方法。
  15. 【請求項15】 前記算出ステップは、前記追尾処理器
    により得られた目標対象の位置情報から、該目標対象の
    速度を算出することを特徴とする請求項12記載のレー
    ダ装置制御方法。
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