JP2000257891A - 簡易床暖房パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 床暖房のためのパネルを小さくたたんで梱包
し、搬送や保管に便利であると共にパネルの加工性と生
産性とを向上させた簡易床暖房パネルを提供する。 【解決手段】 ユニットパネル６の内部に配置された複
数の温水管２を有する床暖房パネル１において、温水管
２は加熱部８とＵ字状温水管の端と端とをつなぐ連結管
部１１とを有し、ユニットパネル６に温水管２の加熱部
８を収納し、かつ、ユニットパネル６の端には温水管２
の連結管１７の曲線部形状に合わせて温水管２を収納す
る溝を有した端パネル７を取り付けているものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、暖房される室の床
面に配設されたパネル内に温水管を通し、この温水管に
温水が供給されて床暖房を行う簡易床暖房装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】図８は一般的な、簡易床暖房パネルとこ
のパネルに埋め込まれた温水管の配置図である。従来、
温水管２を使用して床暖房を行う簡易床暖房パネル１
は、木質のパネル全面に蛇行する凹溝３が設けられ、そ
こに温水管２が埋め込まれている。温水管２にはつなぎ
目がなく、パネル本体４は長尺ものの木片ユニット５で
構成されている。この長尺の木片ユニット５の長手方向
側面には相互に嵌め合う凹凸の溝９加工が施されてお
り、パネルの設置時にはこれらの木片ユニット５が互い
の溝９を利用して結合されるとともに、連結された木片
ユニット５の裏面側にはアルミシートと不織布を接着し
て構成した裏部材が貼りつけられてユニット本体が形成
されている。夏期時のパネル本体４を撤収するためにパ
ネル１を搬送するときは、嵌め合いの溝９を利用してパ
ネル１を折り曲げ円筒状の中芯材の周囲にパネル１を順
次巻き付け、梱包をしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の簡易床暖房パネル１は木片ユニット５の幅を広くせ
ざるを得ず、溝９を利用した折り曲げも鋭角には折り曲
げ難く太い中芯材に巻き付けていく必要があるために、
巻付後の容積が大きく嵩張って搬送に不便であった。さ
らに、梱包容積が大きいため梱包経費や流通・在庫管理
に経費がかかるという問題があった。これを解消するた
めに、パネルを折りたたむ構造も検討されてきたがパネ
ルの折り曲げ部分を温水管２が横断する構造のため、温
水管２がつぶれてしまうおそれがあり、従来のままのパ
ネル構造ではパネル本体４を折りたたむのが困難であっ
た。

【０００４】また、温水管２に通すためにパネル１に形
成される凹溝３は、直線部と曲線部とが組み合わされた
形状になり、このような溝を大きな長尺の木片ユニット
５に形成する必要があるため、パネルの加工性、生産性
が悪かった。

【０００５】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、簡易床暖房パネルを小さくたたんで梱包し、搬
送や保管に便利であると共にパネルの加工性や生産性が
良く、温水を供給循環する温水管の損傷のおそれの少な
い簡易床暖房パネルを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
室の床面に配設されたパネルに温水管を通し、この温水
管に温水を循環させて暖房を行う構造の床暖房パネルに
おいて、この暖房パネルの端には収納された温水管の加
熱部の端と端とを接続する連結管の曲線部の形状に合わ
せて温水管を収納する溝を形成した端パネルを取り付け
ているものである。

【０００７】請求項２記載の発明は、室の床面に配設さ
れたパネルに温水管を通し、この温水管に温水を循環さ
せて暖房を行う構造の床暖房パネルにおいて、前記パネ
ルは相互に分離または折曲げ可能な複数のユニットパネ
ルから構成されると共に、このユニットパネルには温水
管による加熱部を収納し、かつ、ユニットパネルの端に
はこのパネルの端から突出して温水管の加熱部の端と端
とを接続する連結管部を設け、この連結管にはこの連結
管部の曲線部の形状に合わせて温水管を収納する溝を形
成した端パネルを取り付けているものである。

【０００８】請求項３記載の発明は、室の床面に配設さ
れたパネルに温水管を通し、この温水管に温水を循環さ
せて暖房を行う構造の床暖房パネルにおいて、前記パネ
ルは相互に分離または折曲げ可能な複数のユニットパネ
ルから構成されると共に、このユニットパネルには温水
管による加熱部を収納し、かつ、ユニットパネルの端に
はこのパネルの端から突出して温水管の加熱部の端と端
とを接続する連結管部を設け、この連結管部には複数の
パネルの連結管部の曲線部の形状に合わせて温水管を収
納する溝を形成し、かつ、複数のユニットパネルの端に
またがった連結管部を一体的に収納する溝を有した端パ
ネルを取り付けているものである。

【０００９】請求項４記載の発明は、室の床面に配設さ
れたパネルに温水管を通し、この温水管に温水を循環さ
せて暖房を行う構造の床暖房パネルにおいて、前記パネ
ルは相互に分離または折曲げ可能な複数のユニットパネ
ルから構成されると共に、このユニットパネルには温水
管による加熱部を収納し、かつ、ユニットパネルの端に
はユニットパネル相互の温水管の端と端とを連結する連
結管を設け、かつ、複数のユニットパネル相互の当接側
における温水管の加熱部の端の連結管との接続口をパネ
ルの中央側に偏倚させているものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【００１１】図１は本発明の第１の実施形態を示す簡易
床暖房パネルの平面図である。図中、図８と同一の要素
には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。

【００１２】６は温水管２による加熱部８を埋め込んだ
ユニットパネル、７は温水管２の加熱部８と他の加熱部
８との接続する連結管部１１を収納する端パネルであ
る。

【００１３】ユニットパネル６は杉等を板目方向にそっ
て製材され厚さ１２ｍｍ、幅７５ｍｍ、長さ１８００ｍ
ｍの長尺ものの板部材を横方向に複数枚（第１の実施形
態では４枚）接合して形成されている。ユニットパネル
６には、図７に示すように裏面側が開放されて温水管２
を埋め込み収納するための凹溝３が形成され、各凹溝３
には温水管２の加熱部８が埋設されている。ユニットパ
ネル６の裏面側には温水管２の外れを防止しかつ温度分
布を平均化するために均熱用のアルミシート１３と不織
布１４とを接着して構成した裏部材１５が貼り付けられ
ている。また、ユニットパネル６の表面側には例えば、
暖房する室の木目の床と調和させるための模様としての
溝１６が施されている。

【００１４】端パネル７は温水入口側の端パネル７Ａと
端パネル７Ｂがあり、ユニットパネル６の両端に配設さ
れている。それぞれの端パネル７は杉材等で形成され、
例えば、厚さ１２ｍｍ、幅３００ｍｍ、長さ３００ｍｍ
の板部材を使用している。各端パネル７Ａ、７Ｂには温
水管２の加熱部８と加熱部８とを連結する連結管１７を
収納するために連結管部１１の折曲部の形状に合わせて
裏面側に開放された凹溝３が形成されている。

【００１５】温水管２は軟質ポリエチレン製の管であ
り、並列に２本の温水管２が等間隔を保ちながら加熱部
８を形成し、中間部付近で折り返されるようにしてユニ
ットパネル６の凹溝３に収納されている。２１は温水管
２の入口、２２は温水管２の出口であり、この入口２１
と出口２２とには室内の壁等に付設された温水コンセン
ト（図示せず）を介して屋外の温水加熱器（図示せず）
に配管接続され、熱源機である温水加熱器から床暖房パ
ネル１に温水が供給されて暖房が行われる。

【００１６】床暖房パネル１の施工は、フローリング等
がなされた室の床上に裏部材１５を下にしてユニットパ
ネル６が配設され、温水管２の連結管１７を整えた後、
この連結管１７を端パネル７の凹溝３に嵌まり合うよう
に上からかぶせて端パネル７が取り付けられる。また、
温水管２の入口２１及び出口２２には温水プラグ（図示
せず）を取り付け、室内の壁に取付けられた温水コンセ
ントに接続される。

【００１７】このように、床暖房パネル１はユニットパ
ネル６と端パネル７とが分離されていて、大きさの大き
いユニットパネル６には温水管２の加熱部８だけを収納
し、大きさの小さい端パネル７には温水管２の連結管１
７の曲線部を収納するようにしているので、ユニットパ
ネル６及び端パネル７の加工性、生産性が向上する。

【００１８】図２は本発明の第２の実施形態を示す簡易
床暖房パネルの平面図である。図３は図２の要部を示し
た斜視図である。

【００１９】この実施形態の床暖房パネル１も温水管２
を埋め込んだユニットパネル６と温水管２の連結管１７
の曲線部を覆う端パネル７から構成されている。

【００２０】図２及び図３の床暖房パネル１は、例え
ば、厚さ１２ｍｍ、幅３００ｍｍ、長さ１８００ｍｍの
板材を使用したユニットパネル６を６枚連結して構成さ
れる。それぞれのユニットパネル６は第１の実施形態と
同様に杉等の長尺状の板部材を横方向に複数枚接合して
形成されている。ユニットパネル６の裏面側には管埋め
込み用の凹溝３が形成され、温水管２の加熱部８が埋設
され、かつ、アルミシート１３と不織布１４とを接着し
て構成した裏部材１５がユニットパネル６ごとに接着さ
れている。ユニットパネル６同士が当接している長手方
向側面には凹凸の加工２５、２６がなされており、これ
らのユニットパネル６を接合するときは、一方のユニッ
トパネル６の凹溝２５に他方のユニットの凸条２６を嵌
合させて互いに接合するさね継ぎが用いられている。

【００２１】端パネル７には端パネル７Ａ、端パネル７
Ｂ、端パネル７Ｃの三種類のものが用いられており、図
１の実施形態と同様にユニットパネル６の両端に配設さ
れて温水管２の連結管１７を収納している。端パネル７
ＡおよびＢは第１の実施形態と同様の寸法であり、端パ
ネル７Ｃは例えば、厚さ１２ｍｍ、幅６００ｍｍ、長さ
３００ｍｍの杉等の板部材を使用している。各端パネル
７の裏面側には、温水管２の連結管１７の曲線部が収納
できるようにその形状に合わせて開放された凹溝３が形
成されている。

【００２２】温水管２は２本並列の温水管２が等間隔を
保ちながら蛇行して配設されて加熱部８となっている。
温水管２の後半部が温水管２の前半部に沿って温水管２
全長の中間部付近から折り返され配設されている。並列
２本ずつの前半部の管と並列２本ずつの後半部の管とは
隣接して配設されている。温水管２の入口２１と出口２
２とは、図１の実施形態と同様なコンセントを用いて屋
外の熱源機（図示せず）に配管接続される。

【００２３】このように構成された床暖房パネル１にお
いて、パネル１を搬送するときは、ユニットパネル６か
ら端パネル７が取り外され温水管２の連結管１７が露出
されることによって温水管２の曲げに余裕ができる。こ
のような構造にすると、例えば、図２に示すような床暖
房パネル１のユニットパネル６を図４で示すようにたた
むこともできる。すなわち、図４においてはユニットパ
ネル６Ａとユニットパネル６Ｂとの表面同士を合わせ、
ユニットパネル６Ｂとユニットパネル６Ｃとの裏面同士
を合わせ、以下同様にしてユニットパネル６Ｃと６Ｄと
の表面同士、ユニットパネル６Ｄと６Ｅとの裏面同士と
いうように当接したユニットパネル６の表面同士、裏面
同士を接し合わせたたんでいけることを示している。折
りたたまれたユニットパネル６は、図５に示すようにコ
ンパクトな形にまとまり、端パネル７が分離された分、
軽量になる。一方、端パネル７も積み重ねてまとめられ
るので搬送にも便利である。

【００２４】折りたたまれた簡易床暖房パネル１の施工
の仕方は、まず、折りたたまれたユニットパネル６を裏
部材１５を下にしてフローリング等の床上に広げた後、
ユニットパネル６同士を固定金具（図示せず）で固定す
る。次に、温水管２の曲線部を整えた後、この曲線部に
端パネル７の凹溝３が入るように上からかぶせて取り付
け、その後に端パネル７をユニットパネル６に固定金具
（図示せず）で固定する。次に、温水管２の入口２１、
出口２２にプラグ（図示せず）を取り付け室内の壁に取
付けられた温水コンセントに接続すれば良い。

【００２５】第１または２の実施形態によれば、簡易床
暖房パネル１は板部材を組み合わせ、この板部材に温水
管２を埋設した構成であるから、板部材自体が室の床の
表面材として使用でき、室の床の基調を損なわずに、既
築住宅のフローリング等の床上に配設して使用でき、施
工性に優れた簡易な床暖房パネル１を提供できるもので
ある。

【００２６】図６は本発明の第３の実施形態を示す簡易
床暖房パネルの平面図である。２は温水管、６は温水管
２を埋め込んだユニットパネル６、７は温水管２の曲線
部を覆う端パネルであり、パネル１の板や温水管２の材
質は、図１及び図２の実施形態と同じようなものである
が、温水管２の加熱部８同士はそれぞれ等間隔でなくユ
ニットパネル６相互の当接側の間隔が広く、パネル６中
央側の間隔が狭く配置されている。

【００２７】これによりユニットパネル６を折りたたむ
際、温水管２の連結管１７の曲線部の曲げ角度が大きく
とれ、連結管１７に無理な力が加わらないようにするこ
とができる。尚、加熱部８の温水管２と連結管１７とを
それぞれ符号説明しているが入口２１から出口２２まで
を一本のパイプで製造することにすれば耐久性が高く温
水の漏れのおそれの少ない床暖房パネルを提供すること
ができる。

【００２８】

【発明の効果】請求項１、２または３記載の発明によれ
ば、簡易床暖房パネルは温水管の加熱部を収納するユニ
ットパネルと温水管の連結管の曲線部を収納する端パネ
ルとに分離できるので、室のフローリングと同様なパネ
ルであるがパネルの加工は比較的容易になる。また、加
工後の製品もユニットパネルと端パネルとを別々に梱包
でき、各梱包物が軽量、コンパクトになる。さらに、床
暖房パネルの据付施工もユニットパネルと端パネルとの
敷設作業を分けて行えるので作業が容易になる。

【００２９】請求項２または３記載の発明によれば、簡
易床暖房パネルに配設される温水管の加熱部だけをユニ
ットパネルに埋め込み、連結管の曲線部を着脱可能な端
パネルで構成することによって、連結管の曲線部の折り
曲げ自由度を増大するようにしてユニットパネルから露
出させているので、複数のユニットパネルを折りたたむ
ことができ、これにより床暖房パネルの梱包をコンパク
トにすることができ、梱包、搬送作業が軽減されるばか
りか梱包材料費や在庫管理費用の削減を図ることもでき
る。

【００３０】請求項４記載の発明によれば、温水管の加
熱部間の間隔を変えることにより、温水管のＵ字状の曲
線の径が大きくなり、ユニットパネルのおりたたみのと
きも温水管の連結管に無理な力が掛かりにくくすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の簡易床暖房パネルの第１の実施形態を
示す平面図である。

【図２】本発明の簡易床暖房パネルの第２の実施形態を
示す平面図である。

【図３】図２の要部を示した斜視図である。

【図４】第２の実施形態のユニットパネルを折りたたん
でいる状態を示す斜視図である。

【図５】第２の実施形態のユニットパネルが折りたたま
れた状態を示す斜視図である。

【図６】本発明の簡易床暖房パネルの第３の実施形態を
示す平面図である。

【図７】本発明のユニットパネルの腰部を拡大した断面
図である。

【図８】従来の簡易床暖房パネルの平面図である。

【符号の説明】 １ 簡易床暖房パネル ２ 温水管 ３ 凹溝 ６ ユニットパネル ７ 端パネル ８ 加熱部 １１ 連結管部 １３ アルミシート １４ 不織布 １５ 裏部材 １７ 連結管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門間 憲史 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 Ｆターム(参考） 3L070 BD01 BD19

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室の床面に配設されたパネルに温水管を
   通し、この温水管に温水を循環させて暖房を行う構造の
   床暖房パネルにおいて、 この暖房パネルの端には収納された温水管の加熱部の端
   と端とを接続する連結管の曲線部の形状に合わせて温水
   管を収納する溝を形成した端パネルを取り付けているこ
   とを特徴とする簡易床暖房パネル。
2. 【請求項２】 室の床面に配設されたパネルに温水管を
   通し、この温水管に温水を循環させて暖房を行う構造の
   床暖房パネルにおいて、 前記パネルは相互に分離または折曲げ可能な複数のユニ
   ットパネルから構成されると共に、このユニットパネル
   には温水管による加熱部を収納し、かつ、ユニットパネ
   ルの端にはこのパネルの端から突出して温水管の加熱部
   の端と端とを接続する連結管部を設け、この連結管には
   この連結管部の曲線部の形状に合わせて温水管を収納す
   る溝を形成した端パネルを取り付けていることを特徴と
   する簡易床暖房パネル。
3. 【請求項３】 室の床面に配設されたパネルに温水管を
   通し、この温水管に温水を循環させて暖房を行う構造の
   床暖房パネルにおいて、 前記パネルは相互に分離または折曲げ可能な複数のユニ
   ットパネルから構成されると共に、このユニットパネル
   には温水管による加熱部を収納し、かつ、ユニットパネ
   ルの端にはこのパネルの端から突出して温水管の加熱部
   の端と端とを接続する連結管部を設け、この連結管部に
   は複数のパネルの連結管部の曲線部の形状に合わせて温
   水管を収納する溝を形成し、かつ、複数のユニットパネ
   ルの端にまたがった連結管部を一体的に収納する溝を有
   した端パネルを取り付けていることを特徴とする簡易床
   暖房パネル。
4. 【請求項４】 室の床面に配設されたパネルに温水管を
   通し、この温水管に温水を循環させて暖房を行う構造の
   床暖房パネルにおいて、 前記パネルは相互に分離または折曲げ可能な複数のユニ
   ットパネルから構成されると共に、このユニットパネル
   には温水管による加熱部を収納し、かつ、ユニットパネ
   ルの端にはユニットパネル相互の温水管の端と端とを連
   結する連結管を設け、かつ、複数のユニットパネル相互
   の当接側における温水管の加熱部の端の連結管との接続
   口をパネルの中央側に偏倚させていることを特徴とする
   簡易床暖房パネル。