JP2000257544A - ダムまたはその周辺施設を利用した空気エネルギー利用システム - Google Patents

ダムまたはその周辺施設を利用した空気エネルギー利用システム

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JP2000257544A
JP2000257544A JP11063951A JP6395199A JP2000257544A JP 2000257544 A JP2000257544 A JP 2000257544A JP 11063951 A JP11063951 A JP 11063951A JP 6395199 A JP6395199 A JP 6395199A JP 2000257544 A JP2000257544 A JP 2000257544A
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water
air
dam
valve
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Hideaki Kawasaki
秀明 川崎
Toshio Kino
敏男 喜納
Tadahiko Sakamoto
忠彦 坂本
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DAM GIJUTSU CENTER
DAM GIJUTSU CT
OKINAWA KAIHATSUCHIYOU OKINAWA
OKINAWA KAIHATSUCHIYOU OKINAWA SOGO JIMUKIYOKUCHIYOU
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DAM GIJUTSU CENTER
DAM GIJUTSU CT
OKINAWA KAIHATSUCHIYOU OKINAWA
OKINAWA KAIHATSUCHIYOU OKINAWA SOGO JIMUKIYOKUCHIYOU
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Publication date
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    • Y02P90/50Energy storage in industry with an added climate change mitigation effect

Abstract

(57)【要約】 【課題】ダムおよび関連施設で圧縮空気を製造・貯蔵
し、直接利用する具体的技術に関し、ダムまたはその周
辺施設を有効利用することによって圧縮空気エネルギー
として利用できるシステムを確立する。 【解決手段】ダム施設のトンネルの上下2か所を閉鎖し
て、圧縮空気の製造室とし、該トンネル内に注水を行な
うための注水弁と該トンネル内に溜まった水の放水を制
御する放水弁とを設け、該トンネル内における水位上昇
によって製造された圧縮空気を取り出すための排気弁
と、該トンネル内に外気を吸気するための吸気弁とを設
けた構造とする。この装置で製造した圧縮空気を水路ト
ンネルなどに貯蔵し、貯蔵空気を取り出して空気圧機器
その他に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダム湖エネルギーの新
たな活用策として、「放流水水圧を利用した圧縮空気の
製造、湖水圧と水路トンネルを利用した圧縮空気の貯
蔵、水質改善・取水ポンプ・関連施設における圧縮空気
の直接利用」等によって、施設及び管理コストの低減と
クリーンエネルギー化を実現するものである。湖水圧の
関係から低圧の圧縮空気となるが、本発明は、ダムおよ
び関連施設でこの圧縮空気を製造貯蔵し、直接利用する
具体的技術を含んでいる。
【0002】
【従来の技術】ダムにおいて、放流量と落差が大きく、
流量が安定している場合、ダム放流エネルギーを水力発
電により電力に変換して利用している。そうでない場合
は、経済妥当性に乏しいため、水力発電は行われず、放
流時のエネルギー利用はなされない。
【0003】一方、風力発電については、離島を主に、
沖縄各地で進められているが、風量変動に対しての効率
が悪い。
【0004】また、曝気、換気のようにダム管理用設備
には、空気圧を利用したものが多いが、全て電力を圧縮
空気に変換しており、これらの施設動力費がダム管理上
の大きな負担となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで、ダムに関わ
る圧縮空気の製造・貯蔵方法についての技術は、例えば
実用新案登録第3014817号、特開昭64−407
94号、特開平6−173841号、特開昭56−11
8567号など多数あるが、実用化に至っていない。
【0006】その理由は、いずれの目的も発電利用であ
る一方で、「実際構造上数気圧程度にしかならず、この
ような低い空気圧による発電機は未開発で、圧縮空気の
製造量・貯蔵容量が小さいため、有効発電量は少なく、
経済妥当性に乏しい」等の理由により、実施化に結びつ
かなかったものと考えられる。
【0007】一方、ダム事業者の側からは、維持管理の
効率化が重要な課題であり、低圧少量であっても、圧縮
空気を管理施設に直接利用することは、設備費と動力費
を低減するために非常に有益である。
【0008】また、従来エネルギー利用されること無く
放流されていた水力エネルギーも、本発明のシステムに
よって、無駄なく活用されることになる。
【0009】このようなことから、ダムまたはその周辺
施設における圧縮空気利用は、空気を空気として利用す
ることで初めて経済的妥当性が得られることになる。
【0010】本発明システムにおいては、次のような課
題について手段を提示し、湖水エネルギーを用いた空気
開発利用に関わる実現性を高めている。 水力と風力を用いて、効率的かつ安定的に、圧縮空気
へエネルギー変換する。 圧縮空気の安定供給およびエネルギー利用効率化のた
め、適切な空気貯蔵施設を確保する。 曝気、ポンプ等の空気圧を直接利用する関連設備の実
用化を図る。 以上のような空気利用施設化は、現在の国の重要課題
である公共事業のコスト縮減とクリーンエネルギー化や
CO2 削減を実現する上でも有効である。
【0011】本発明の技術的課題は、このような問題に
着目し、ダムまたはその周辺施設を有効利用することに
よって圧縮空気エネルギーとして利用できるシステムを
確立することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の技術的課題は次
のような手段によって解決される。請求項1は、ダム施
設のトンネルの上下2か所を閉鎖して、圧縮空気の製造
室とし、該トンネル内に注水を行なうための注水弁と該
トンネル内に溜まった水の放水を制御する放水弁とを設
け、該トンネル内における水位上昇によって製造された
圧縮空気を取り出すための排気弁と、該トンネル内に外
気を吸気するための吸気弁とを設けてなる圧縮空気の製
造装置である。
【0013】この装置を使用するには、放水弁を閉じた
状態で注水弁を開いてトンネル内に水を溜め、水位上昇
によって圧縮空気を製造する。圧縮空気を貯蔵室や圧縮
空気の利用手段に排気した後は、注水弁を閉じて排水弁
を開け、トンネル内に外気を吸気しながら排水する、と
いう動作を繰り返す。
【0014】このように、ダム施設の既存のトンネルの
上下2か所を閉鎖すると共に、注水と排水を交互に行な
うだけで、大規模な圧縮空気製造室を実現できるため、
安価に圧縮空気を製造できる。
【0015】請求項2は、ダム直下のダム放流管や貯水
池の出口側に水槽を設けて、圧縮空気の製造室とし、こ
の水槽と前記ダム放流管や貯水池の出口との間、空気貯
蔵室や空気利用手段への送気管との間、大気との間並び
に放水管との間に弁手段をそれぞれ配設し、弁操作によ
って水槽中に放流水を溜め、その水位上昇によって水槽
中の空気を圧縮し、圧縮空気に変換可能とした、圧縮空
気の製造装置である。なお、水槽には、図4のような増
圧手段を併用することもできる。
【0016】このように、ダム放流管や貯水池の出口側
に設けた水槽と前記ダム放流管や貯水池の出口との間、
空気貯蔵室や空気利用手段への送気管との間、大気との
間並びに放水管との間に開閉弁を設けてあるため、これ
らの開閉弁を一定の順序で操作することによって、放流
水の水力エネルギーを圧縮空気に高効率、かつ安価に変
換できる。
【0017】請求項3は、ダム放流水で駆動される水車
を設置し、その動力をコンプレッサーの動力軸に伝達す
る構造とした圧縮空気の製造装置である。水車として
は、例えばクロスフロー水車やポンプ逆転水車などがあ
る。
【0018】このように、ダム放流水のエネルギーを利
用してクロスフロー水車やポンプ逆転水車などを駆動
し、その動力によってコンプレッサーを駆動し、圧縮空
気を製造する構成になっているため、ダムにおける水力
を有効利用することで圧縮空気を製造し、空気エネルギ
ーとして利用できる。
【0019】請求項4は、ダム湖の近傍に風車を設置
し、その回転出力がコンプレッサーの動力軸に伝達され
る構造とした圧縮空気の製造装置である。
【0020】このように、ダム湖の近傍に風車を設置
し、その回転出力でコンプレッサーを駆動し、圧縮空気
を製造する構成になっているため、ダム湖近傍で発生し
た風力エネルギーを有効利用することで圧縮空気を製造
し、空気エネルギーとして利用できる。
【0021】請求項5は、ダム設備において発生する余
剰電力や夜間電力によって駆動される電動機を設け、こ
の電動機で空気圧縮タービンを駆動して得た圧縮空気を
ガスタービン燃焼室に直接供給するように構成してなる
圧縮空気の製造装置である。
【0022】このように、余剰電力や夜間電力で駆動さ
れる電動機によって空気圧縮タービンを駆動して、従来
のガスタービン発電機の空気圧縮タービンの代用をする
ため、従来のガスタービン発電機に比べて経済的な発電
が可能となる。その結果、商用電力より安価な電力を供
給でき、ダム施設の維持管理コストの低減が図れる。
【0023】請求項6は、導水路や仮排水路等の水路ト
ンネルを仕切って圧縮空気の貯蔵室として有効利用し、
圧縮空気貯蔵室へ貯水池から通水することで、ほぼ一定
圧に圧縮空気を貯蔵可能とした圧縮空気の貯蔵装置であ
る。
【0024】このように、水路トンネルを圧縮空気の貯
蔵室として利用するため、大量の圧縮空気を貯蔵でき、
しかも圧縮空気の貯蔵室に貯水池から通水することで、
貯蔵室中の圧縮空気の圧力をほぼ一定圧に維持できる。
【0025】請求項7は、請求項6記載の水路トンネル
の基本構造を変えずに、貯水池と地下水の水封効果によ
り漏気を抑えることによって、水封一定圧に圧縮空気を
貯蔵可能とした圧縮空気の貯蔵装置である。
【0026】このように、貯水池と地下水の水封効果に
より漏気を抑えることによって、水封一定圧に圧縮空気
を貯蔵可能としたため、水路トンネルの基本構造を変え
る必要もなく、漏気漏水対策を安価に実現できる。
【0027】請求項8は、圧縮空気の製造設備と消費部
との間において、圧縮空気の圧力を増圧したり降圧した
りできる手段を配設して、消費部に適した圧力の圧縮空
気を供給可能とした圧縮空気の製造装置である。
【0028】このように、圧縮空気の製造設備と消費部
との間に、圧縮空気の圧力を増圧したり降圧したりでき
る手段を配設してあるため、消費部に適した圧力の圧縮
空気を供給することが可能となる。
【0029】請求項9は、圧縮空気をその消費場所まで
送気管で送気するシステムにおいて、送気管を吸熱手段
や断熱手段で覆った構造とすることによって、送気管中
の圧縮空気を加熱したり、放熱を抑制可能とした圧縮空
気の移送装置である。
【0030】このように、送気管を吸熱手段で覆った構
造としたため、送気管中の圧縮空気を加熱して増圧する
ことで、送気中の圧力低下を防止できる。また、送気管
を断熱手段で覆った場合は、送気管中の圧縮空気の放熱
を抑制できるため、圧力低下を効果的に抑えることがで
きる。
【0031】請求項10は、ダムまたはその周辺施設を
利用して製造した圧縮空気を送気管によって、曝気や噴
水などによる水質浄化施設まで送気し、圧縮空気によっ
てダム湖や河川、浄水場、下水道などにおける水質を改
善することを特徴とする水質改善方法である。
【0032】このように、ダムまたはその周辺施設を利
用して圧縮空気を製造し、送気管で水質浄化施設まで送
気し、曝気や噴水などを行なって、水質を浄化できるた
め、水質浄化施設の稼働に、ダムや周辺施設で製造した
圧縮空気を有効利用できる。
【0033】請求項11は、河床などと地上少なくとも
一段に水槽を設置し、河床側の水槽に溜めた水を、該河
床側水槽に圧縮空気を供給して、地上の水槽に押し上げ
揚水し、地上水槽から落差によって導水管などに給水す
ることを特徴とする圧縮空気の利用装置である。
【0034】このように、河川などの水を圧縮空気圧に
よって高所に押し上げ、高所からは落差によって導水管
などに供給できるため、揚水のための動力として、ダム
や周辺施設で製造した圧縮空気を有効利用できる。
【0035】請求項12は、ダム通廊の集水ピット中に
設けた水槽に、圧縮空気供給用の電動弁と逆止弁を設け
ることによって、圧縮空気供給弁が閉じた状態で集水ピ
ットから逆止弁を通じて流入して来た水を、圧縮空気供
給弁を開けて圧縮空気を前記水槽中に送り、圧縮空気の
圧力で、水槽中の水を押し上げて排水する構造としたこ
とを特徴とする圧縮空気の利用装置である。
【0036】このように、ダム通廊の集水ピット中に設
けた水槽に、集水ピットの水が逆止弁を通じて流入し、
圧縮空気を前記水槽中に送ると、水槽中の水が押し出さ
れて排水される構造なため、ダム施設で製造された圧縮
空気によって、ダム通廊に溜まった水を排水でき、排水
コストの低減が可能となる。
【0037】請求項13は、取水塔の側壁の高さの異な
る位置に逆U字状の取水管を設けると共に、各取水管の
逆U字状部に圧縮空気を供給できるように配管してあ
り、それぞれの取水管への圧縮空気の供給を制御する操
作弁を有している圧縮空気の利用装置である。
【0038】このように、取水塔側壁の高さの異なる位
置に設けた取水管の逆U字状部に圧縮空気を給排するこ
とによって、各取水管の開閉を制御できるため、圧縮空
気を有効利用することによって、廉価に取水位置を選択
できる。
【0039】請求項14は、ダム施設における水の通過
を制御するゲートまたはバルブ部において、弁機構に圧
縮空気を供給したり、排気したりすることによって、弁
体の駆動を行なう構造とした圧縮空気の利用装置であ
る。
【0040】このように、弁機構に圧縮空気を給排する
ことによって、弁体の駆動が円滑に行なえるため、ダム
施設で製造した圧縮空気を有効利用することによって、
ゲートやバルブの制御が円滑かつ安価に行なえる。
【0041】請求項15は、ダムの堤体に形成された砂
礫排出路の底部に、圧縮空気利用の加圧水噴出管を敷設
してあり、加圧水を噴き出して砂礫を浮き上がらせ、排
出路を流下させるように構成してなる圧縮空気の利用装
置である。
【0042】このように、ダムの堤体下部の砂礫排出路
の底部の噴出管から圧縮空気を噴出させて、ジェット水
で砂礫を浮き上がらせるため、砂礫を円滑かつ低コスト
で排出させることができる。
【0043】請求項16は、ダム施設やダム工事現場に
使用される空調、冷却あるいは換気する設備において、
冷媒を圧縮する手段として、大径ピストンと小径ピスト
ンからなる増圧手段を設け、その小径ピストン側のシリ
ンダー室に吸入した冷媒の圧縮を、大径ピストンの入っ
ているシリンダー室に圧縮空気を供給して大径ピストン
と小径ピストンを駆動することによって行なう構造とな
っている圧縮空気の利用装置である。
【0044】このように、大径ピストンと小径ピストン
からなる増圧手段を圧縮空気によって駆動し、小径シリ
ンダー中に冷媒を吸入して圧縮するため、電動のコンプ
レッサーを必要とせず、ダム施設で安価に製造できる圧
縮空気を有効利用して、空調などを低コストで行なうこ
とができる。
【0045】請求項17は、骨材を入れる骨材タンク中
において、圧縮空気を放出し、圧縮空気の膨張によっ
て、骨材を冷却することを特徴とする圧縮空気の利用方
法である。
【0046】このように、骨材タンク中に圧縮空気を放
出し、空気膨張によって骨材を冷却できるため、骨材の
冷却を、簡単な設備で容易に行なえる。また、圧縮空気
はダム施設において大量に安価に製造できるので、ふん
だんに使用できる。
【0047】請求項18は、ダムの工事用や管理用のト
ンネルなどにおける換気システムであって、圧縮空気の
給気管と排気管の対を配管しておき、該給気管を通る圧
縮空気によって回転駆動されるファンを配設してあり、
該ファンの回転力によって回転駆動される吸気ファンで
排気を行なう構造となっている圧縮空気の利用装置であ
る。
【0048】このように、圧縮空気の給気管と排気管の
対をトンネル等の中に配管しておき、該給気管を通る圧
縮空気で駆動されるファンの回転力によって、排気管側
に設けた排気ファンを駆動して排気するため、ダムの工
事用や管理用のトンネルなどにおける換気を円滑かつ安
価に行なうことができる。
【0049】請求項19は、ダムまたは法面の斜面部運
搬の設備において、1本または複数本のレールにガイド
されて走行する台車を設け、この台車を往復走行させる
ためのカウンターバランスをワイヤーを介して連結し、
このカウンターバランスを長尺のエアシリンダーに内蔵
して、圧縮空気圧によって往復駆動することを特徴とす
る圧縮空気の利用装置である。
【0050】このように、ダムの傾斜したトンネルや法
面などの斜面部で走行する台車を設け、長尺のエアシリ
ンダーに内蔵したカウンターバランスを圧縮空気で駆動
することによって、台車を往復走行させるため、傾斜し
たトンネルや法面などのような傾斜部における資材や人
の運送にも安価な圧縮空気を活用できる。
【0051】請求項20は、水力発電用の水車に、水と
圧縮空気とを混合してなる気泡ジェット水を噴射して水
車を回転させ、発電機を駆動することを特徴とする圧縮
空気の利用装置である。
【0052】このように、水と圧縮空気とを混合してな
る気泡ジェット水を水力発電用の水車に噴射して回転さ
せるため、水流のみで水車を駆動する場合より効率的に
水車を回転でき、発電出力の向上が可能となる。
【0053】請求項21は、ダムまたはその周辺施設に
おけるエネルギーを利用して圧縮空気を製造して水路ト
ンネルなどに貯蔵し、貯蔵空気を取り出して空気圧機器
その他に利用することを特徴とする圧縮空気の製造・貯
蔵・利用システムである。
【0054】このように、ダムまたはその周辺施設にお
けるクリーンかつ自然のエネルギーを利用して圧縮空気
を製造して水路トンネルなどに貯蔵しておき、この貯蔵
空気を取り出して空気圧機器などを駆動したり、冷却に
利用したりできるため、ダムやその周辺施設において圧
縮空気を自給自足することによって、電力などを必要と
せず、ダムの工事や管理などを低コストで実現できる。
【0055】
【発明の実施の形態】次に、本発明によるダムまたはそ
の周辺施設を利用した空気エネルギー利用システムが実
際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。
【0056】本発明は、ダムやその周辺施設において利
用できるエネルギー例えば放流水の位置エネルギーなど
を利用して圧縮空気に変換し、圧縮空気を製造する。そ
して、この圧縮空気を貯蔵しておいて、圧縮空気利用シ
ステムに安定供給することによって、圧縮空気を有効利
用する。
【0057】次に、このようなシステムを実現するため
の各種装置や方法の実施形態を詳述する。
【0058】〔空気製造施設〕図1は仮排水トンネルを
利用したチャンバー式の圧縮空気製造装置の断面図であ
る。2tは仮排水などのために造られたトンネルであ
り、その上側を閉塞工25uで閉鎖し、下側を閉塞工2
5dで閉鎖することによって、圧縮空気の製造室2tを
形成してある。
【0059】そして、(1)(2)図の場合は、ダム湖
の水を圧気製造室2tに導く導管を上側の閉塞工25u
から圧気製造室2tに貫通させ、注水弁V1を設けてあ
る。また、圧気製造室2t中に外気を吸気するための吸
気弁V3と、製造された圧縮空気を貯蔵室や圧縮空気利
用手段に供給するための排気弁V4を設けてある。
【0060】一方、圧気製造室2tの水を放水するため
の放水管に、放水ゲートV2を設けてある。放水ゲート
V2は、図示のように、シリンダー中に上下動するピス
トンを内蔵して、圧力水で駆動されるピストンで弁体を
押し上げて、放水ゲートV2を開放する構造などが適し
ている。
【0061】この装置で、圧縮空気を製造するには、ま
ず(2)図のように、注水弁V1が開いて注水開始する
と、注水弁V1の付近の水圧が低下するため、放水ゲー
トV2のシリンダー内の水圧が低下して、放水ゲートV
2が自動的に閉じられる。また、排気弁V3と吸気弁V
4も自動的に閉じられる。こうして、圧気製造室2t中
にダム湖から注水が行なわれる。その結果、水位が次第
に上昇して、上側の空間の空気が圧縮され、圧縮空気が
製造される。次いで、排気弁V4が開放して、圧縮空気
の貯蔵室や圧縮空気利用手段に供給される。
【0062】圧縮空気が排気されると、(1)図のよう
に、注水弁V1が閉じられるため、注水弁V1の上流側
の水圧が上昇して、放水ゲートV2のシリンダー内の水
圧も上昇する。その結果、吸気弁V3が開いて外気を吸
気しながら、放水ゲートV2が開いて圧気製造室2t中
の水を排出した後、再度前記のように放水ゲートV2が
閉じて、注水弁V1が開き、注水を始める。以上の動作
は、自動的に行なわれる。
【0063】(1)(2)図は、トンネルの上側から注
水する構造になっているが、トンネルの下側から注水す
る場合は、(3)(4)図のように、下側を閉塞工25
dから圧気製造室2t内に注水管を貫通させ、注水弁V
1を設けてある。また、吸気弁V3と排気弁V4も、下
側の閉塞工25d側に設けてある。
【0064】注水時には、(4)図のように、注水弁V
1が開いて圧気製造室2tに注水開始すると、シリンダ
ー内の水圧が下降して、放水ゲートV2が閉じられる。
また、排気弁V3および吸気弁V4が自動的に閉じた状
態となるため、水位が次第に上昇して、上側の空間に圧
縮空気が製造される。次いで、排気弁V4が開放して、
圧縮空気が貯蔵室や圧縮空気利用手段に供給される。
【0065】圧縮空気が排気されると、(3)図のよう
に、注水弁V1が閉じられ、その結果、シリンダー内の
水圧が上昇して放水ゲートV2が開かれて、自然排水さ
れる。このとき、吸気弁V3が開いて外気が自然吸入さ
れる。
【0066】図2は、水槽を利用したチャンバー式圧縮
空気製造装置(プロットタイプ)の断面図である。ダム
放流管1の下側に形成された水槽(圧縮空気製造室)2
と該ダム放流管1との間に開閉弁V1を設けてあり、ま
た該水槽2と送気管3および大気との間に開閉弁V2、
V3をそれぞれ設けてある。さらに、該水槽2の放水口
に開閉弁V4を設けてある。
【0067】なお、開閉弁V1〜V4において、二重丸
は開放している状態、×印は閉じている状態である。
【0068】このシステムで圧縮空気を製造するには、
まず(1)図のように、ダム放流管1と注水管1a間の
開閉弁V1のみを開けて、他の開閉弁V2、V3、V4
は総て閉じておき、水槽2に水を溜めていく。すると、
水位が徐々に上昇することによって、水面の上側の空間
2aの空気が次第に圧縮されて、圧縮空気が製造され
る。
【0069】次に、(2)図のように送気管3側の開閉
弁V4を開けて、水槽上部空間2a中の圧縮空気を、送
気管3を介して空気貯蔵室に流出させ、貯蔵する。
(3)図のように、水槽2が満水になると、開閉弁V
1、V4を閉じ、排水口の開閉弁V2と大気側開閉弁V
3を開く。
【0070】これによって、水槽2に外気が供給される
とともに、水槽2中の水が放流管4によって、河川など
に自然放流される。その結果、(4)図のように、水位
が下降するとともに、水槽に再び空気が充満する。水槽
2中の水が総て排出されると、再び(1)図のように、
ダム放流管1側の開閉弁V1のみを開けて、他の開閉弁
V2、V3、V4を総て閉じておくことによって、再度
圧縮空気を製造する。
【0071】このような操作を繰り返すことによって、
水槽2において圧縮空気を製造し、後述する圧縮空気貯
蔵室に溜めることができる。このシステムで製造される
圧縮空気の圧力は、ダム放流管1の落差に比例した圧力
となる。
【0072】この空気圧縮システムによると、エネルギ
ー変換効率にすぐれ、また簡単な操作で安価に製造で
き、騒音も発生しない、などの利点がある。
【0073】さらに、空気製造室2を定圧貯蔵室最低水
位より低い標高に設置することで、空気製造室2の空気
圧は定圧貯蔵室よりも常に高く、空気の直接押し込みが
可能となる。仮排水路トンネルを利用した場合、大容量
で安価な空気製造室が容易に実現できる。
【0074】図2はダム放流管の落差を利用して製造し
ているのに対し、図3は、貯水池からの流入管5との間
に給水弁V1を設けた例であり、図2の場合と同様に各
開閉弁V1〜V4を一定の順序で開閉操作することによ
って、圧縮空気を製造できる。製造された圧縮空気は、
吐出弁V2を開けて貯蔵室に送気する。
【0075】図4は、増圧機能を兼ね備えた圧縮空気製
造装置の断面図である。この実施形態では、水槽2を小
径シリンダー室2sと大径シリンダー室2bとに分割
し、それぞれのシリンダー室2s、2bに小径ピストン
Psと大径ピストンPbを内蔵し、両ピストンPsとP
bとをロッドで連結してある。
【0076】大径シリンダー室2bの下側に、給水弁V
1、排水弁V4を介してダム放流管1や貯水池からの流
入管5並びに放流管4を接続してある。また、小径シリ
ンダー室2sの上側に、圧縮空気貯蔵室側の吐出弁V2
と大気取り入れ側の吸込弁V3を設けてある。さらに、
大径シリンダー室2bの上側に、給水弁V5を介して前
記のダム放流管1や貯水池からの流入管5に接続し、大
径ピストンPbの押し下げ用の給水を可能にしている。
【0077】このシステムにおいて、いま給水弁V1を
開いて給水し、大径ピストンPbの上昇によって小径ピ
ストンPsを押し上げると、両ピストンPb、Psの面
積比に比例して増圧され、加えた水圧より高い圧縮空気
P2が得られる。
【0078】吐出弁V2を開いて、増圧された圧縮空気
を空気貯蔵室や空気利用手段に排出した後、吸込弁V3
を開いて大気が流入可能とし、給水弁V5を開いて給水
し、ピストンPb、Psを下降させると共に、排水弁V
4を開いて、大径ピストンPbの下側の水を放出する。
以上の操作を繰り返すことによって、増圧された圧縮空
気を製造できる。なお、両ピストンPb、Psとの間の
空間には、水を満たしておき、増圧時には、排水弁V6
を開いておく。
【0079】図5は、水車駆動で圧縮空気を製造する装
置を示す図である。(1)図は水車駆動式の圧縮空気製
造装置の模式右側面図とA−A断面図である。6は例え
ばクロスフロー水車であり、放流管7で導かれて来た水
によって回転駆動される。
【0080】そして、このクロスフロー水車6の出力軸
が、コンプレッサー8の動力軸と連結されている。この
装置によると、ダム放流水エネルギーを直接、圧縮空気
に変換できる。なお、クロスフロー水車6に代えて、他
の水車やポンプ逆転水車なども利用可能である。
【0081】(2)図の場合は、クロスフロー水車6の
片方の軸が、クラッチC1と増速機8aを介してコンプ
レッサー8の軸と連結されている。また、クロスフロー
水車6の他方の軸は、クラッチC2と増速機8bを介し
て発電機9と連結されている。したがって、電力を要す
るときは、コンプレッサー8側のクラッチC1を切断し
て、発電機9側のクラッチC2を連結させれば、水力発
電を行うこともできる。
【0082】なお、コンプレッサー8で製造された圧縮
空気は、そのまま駆動源として使用してもよく、図2の
ようにして空気貯蔵室に送気し、蓄えて使用することも
できる。
【0083】図6は、風車を用いて圧縮空気を製造する
装置の模式側面図である。ダム湖の付近は高台になって
おり、しかも吹きさらしの領域が大きいので、比較的安
定した風力が得られる。そこで、図示のような風車10
を設置し、その回転軸を増速機を介してコンプレッサー
8の動力軸に連結してある。
【0084】風車10が常に風上に向かうように自由に
旋回する構造になっているため、コンプレッサー8で得
られた圧縮空気が旋回部11中心の送気管を通過して、
直接使用されるか、圧縮空気一次タンク12に一旦貯蔵
し、かつ圧縮空気送気管13で圧縮空気の貯蔵室に送っ
て溜めておく。
【0085】なお、コンプレッサー8が風車10ととも
に旋回運動しても、コンプレッサー8で製造した圧縮空
気を取り出せるように、旋回部11の内部のシール構造
と旋回構造が工夫されている。
【0086】図7は、既設のダム水力発電システムにお
ける余剰電力や夜間電力を用いて圧縮空気を製造する装
置の模式側面図である。ガスタービン燃焼室14におい
て発生した燃焼ガスで出力タービン15を駆動し、増速
機16を介して発電機17を駆動する。
【0087】従来は、外気を取り込んで、空気圧縮ター
ビン18で圧縮し、ガスタービン燃焼室14に供給する
が、本発明では、余剰電力や夜間電力によって電動機1
9を駆動し、その回転出力によって空気圧縮タービン1
8を駆動し、圧縮空気を得る構成になっている。
【0088】したがって、既設のダム水力発電システム
における余剰電力や夜間電力によって直接、ガスタービ
ン発電機の空気圧縮タービン18を駆動して、ガスター
ビン燃焼室14に供給でき、余剰電力や夜間電力で有効
に圧縮空気を得ることができる。
【0089】このようにして、余剰電力や夜間電力で高
出力のガスタービン発電を行ない、近接ダム工事用や取
水ポンプ用として安価な電力を供給できる。さらに、放
熱ガスからの熱回収による給湯(コージェネシステム)
も可能となる。
【0090】また、ガスタービン発電機は、発生エネル
ギーの約60%が空気圧縮タービン18の駆動に消費さ
れるが、本発明ではその駆動エネルギーが安価な余剰電
力や夜間電力で得られるので、従来のガスタービン発電
機に比べて経済的な発電が行なえる。したがって、従来
の商用電力より安い電力供給により、ダム建設費や取水
ポンプ場の維持管理コストの低減が図れる。
【0091】余剰電力や夜間電力によって直接、空気圧
縮タービン18を駆動する例を示したが、余剰電力や夜
間電力によって電動機を駆動し、コンプレッサーを駆動
して圧縮空気を製造し、空気貯蔵室に蓄えておき、随時
空気圧縮タービン18に供給してガスタービン発電機の
駆動に供することもできる。
【0092】〔空気貯蔵施設〕前記のようにして製造さ
れた圧縮空気は、次のようにして一端貯蔵された状態
で、圧縮空気の利用部に安定供給される。
【0093】図8に、水封一定圧に空気を貯蔵するシス
テムに関する4タイプの実施形態を示す。本発明におい
て、実線の矢印は水の流れを、破線の矢印は送気管によ
る圧縮空気の流れを示している。また、破線の矢印a1
は圧縮空気製造室で製造された圧縮空気を貯蔵室に送気
する管路を示し、破線の矢印a2は、圧縮空気を貯蔵室
から取り出して、消費部に送気する管路を示す。
【0094】ダム工事の場合、河川の仮排水のための水
路トンネルと資材運搬用トンネルとが用意されるが、本
発明は、水路トンネルを利用することで、定圧貯蔵室へ
の湖水の自由な通水を確保することにより、ほぼ一定圧
の空気貯蔵を可能とするシステムである。
【0095】図8(1)は、順方向仮排水路(ロックフ
ィルダム型)タイプの断面図である。ダム堤体に続く地
山20に開けられた上下2段の仮排水路21、22が有
る場合、水没側の上段および下段の約半分を定圧貯蔵室
21a、22aとして利用できるように、上部、中間部
および下部の各閉塞工25a〜25cにおいて、気密的
に閉鎖してある。
【0096】なお、2tは、図1におけるトンネル式の
圧気製造室であり、実線矢印a3の部分は、図1におけ
る注水弁V1を有する注水管や放水ゲートV2を有する
放水路を示す。
【0097】そして、取水塔23から下段定圧貯蔵室2
2aの上流端に回した取水管24から定圧貯蔵室22a
に一旦放流することで、水封一定圧とする合理的な設備
を実現できる。その結果、取水と並行して圧縮空気を貯
蔵することが出来る。
【0098】上下の定圧貯蔵室21aと22aとは連通
しているため、図1から図4に例示したような圧縮空気
製造室2、2tから送気されて来た圧縮空気は、破線の
矢印a1で示すように、上段の定圧貯蔵室21aに送気
され、蓄えられる。そして、破線の矢印a2で示すよう
に、随時取り出されて、圧縮空気エネルギーとして利用
される。
【0099】図8(2)は、コンクリートダム逆方向仮
排水路タイプの断面図であり、鎖線で示すダム堤体20
dに続く地山20が示されている。26は仮排水路であ
り、その水没側26aを定圧貯蔵室として利用できるよ
うに、閉塞工25a、25bにおいて、気密的に閉鎖し
てある。
【0100】圧気製造室2tへの注水および放水は、図
1(3)(4)の場合と同様に、圧気製造室2tの下側
から行なわれる。定圧貯蔵室26aへの注水は、ダム堤
体の裏側に配管した湖水通水管27によって行なわれ
る。
【0101】圧気製造室2tで製造された圧縮空気は、
矢印a1のように配管を通じて定圧貯蔵室26aに送気
されて、貯蔵される。そして、破線の矢印a2で示すよ
うに、随時取り出されて、圧縮空気エネルギーとして利
用される。
【0102】図8(3)は、逆方向導水路トンネルタイ
プの断面図であり、二つのダムA、B間の導水路29の
容積の大半を定圧貯蔵室として利用する。一定圧とする
ため、Aダム直下流分岐管30からの水が、矢印で示し
てあるように、導水路トンネル29内に送水できる構造
とする。
【0103】トンネル29は逆勾配になっているが、該
トンネル29内への導水は非常時に限られるため、平常
時には水を全て抜くことで有効利用できる。また、Bダ
ム側の出口に、Aダム最高水位に相当するサージタンク
31を設置する。
【0104】このような構造にすることで、圧縮空気製
造室2で製造された圧縮空気をトンネル29内に導いて
貯蔵でき、随時取り出して利用できる。
【0105】図8(4)は順方向導水路トンネルタイプ
の断面図であり、導水路29の容積の大半を定圧貯蔵室
として利用する。Aダム貯水位での一定圧とするため、
Aダム直下流からの分岐管33を、導水路トンネル29
の上流端に引き込んである。なお、導水路29の下流端
に開閉弁V6を設けて、導水時に開度調整して、Bダム
への送水を行なう。
【0106】図8(1)に示すように、下流側仮排水路
すなわち、仮排水路トンネル21の水没しない下流側2
1bについても、圧力水管を接続することで、定圧型の
空気貯蔵室として利用することができる。なお、圧力水
管接続が無くとも、変圧型の空気貯蔵室として利用でき
る。
【0107】〔水封一定圧式空気貯蔵室における漏気対
策及び維持管理の方法〕まず、仮排水路や工事用のトン
ネルを圧縮空気の貯蔵室として利用する場合は、漏気漏
水対策が問題となるが、これらの水路トンネルはコンク
リートライニングされているのが普通なため、その上か
らコーティングやライニングしたり、地山間空隙を充填
するといった基本的処置のみで漏気漏水対策を行うこと
ができる。
【0108】理由として、水路トンネルはコンクリー
トライニング済みである、比較的低圧の空気圧であ
る、普段は室内外圧差は無い、地山地下水の水封効
果が期待できる、等のためである。
【0109】また、浮力対策であるが、地山の薄い上流
端での浮力対策としては、上流端閉塞工のコンクリート
荷重のバランスによって解決することができる。
【0110】維持管理については、「2重ハッチ扉の設
置または非常用放流管利用による出入口の確保」および
「予備ゲートまたは圧縮空気封入による空気貯蔵室の気
密性の保持」によって、圧縮空気貯蔵室の維持修繕を安
全に行うことができる。なお、下段仮排水路トンネルの
下流側は、非常用放流の減勢開水路として利用する。
【0111】〔圧縮空気を増圧増量するシステム〕圧縮
空気を使用する際には、ダム施設で製造できる程度の低
圧の圧縮空気では不足するような場合に備えて、増圧し
たり増量することも必要である。
【0112】図9は、熱膨張による増量増圧装置の一種
として、水タンク式太陽熱吸収屋根板を例示した斜視図
であり、熱すると膨張増圧する空気の性質と太陽熱エネ
ルギーを利用して圧縮空気を増量増圧可能とした。この
設備は、多数の平行管路34の一端同士を配管接続し、
また他端同士を配管接続することで、太陽熱を効果的に
吸収可能にしてある。なお、平行管路34は蛇行状でも
よい。
【0113】そして、一端に圧縮空気の流入管34iを
接続し、他端に増量増圧された圧縮空気の流出管34o
を接続して、圧縮空気の消費部に送気可能としてある。
この設備を、太陽光に向けて設置しておくと、平行管路
34中の圧縮空気が太陽熱を吸収して熱膨張するため、
効果的に増圧増量できる。
【0114】屋根に太陽熱吸収タンクを設置して温水を
得る設備が知られているが、この温水の中に前記の平行
管路34を配置し、温水の熱で圧縮空気を加熱すること
もできる。
【0115】ダム周辺は、日照に恵まれているため、こ
の設備を、ポンプ場等のように圧縮空気を大量に使用す
る施設の付近に設置すると有効である。
【0116】なお、図7のようなガスタービン等の熱発
生機関が設置されている場合は、その排熱を利用して圧
縮空気を膨張させることで、効率性を高めることもでき
る。
【0117】図10は力学的機構による増圧装置の断面
図である。大径ピストン35と小径ピストン36がロッ
ドで連結されており、大径ピストン35を内蔵している
低圧空気室35cに低圧の圧縮空気を供給したり排出す
る開閉弁V8、V9を設けてある。
【0118】また、小径ピストン36を内蔵している高
圧空気室36cに低圧の圧縮空気を供給するための開閉
弁V10と高圧空気室36cから高圧の圧縮空気を取り
出すための開閉弁V11を設けてある。
【0119】使用に際しては、まず開閉弁V9を開いた
状態で、開閉弁V11を閉じ、開閉弁V10を開けるこ
とによって、高圧空気室36cの下側に低圧の圧縮空気
を供給して、ピストン35、36を押し上げる。
【0120】次いで、開閉弁V9、V10、V11を閉
じた状態で、開閉弁V8を開けて低圧空気室35cの上
側に低圧の圧縮空気を供給すると、両ピストン35、3
6が下降して、高圧空気室36c内の圧縮空気が加圧さ
れて増圧される。したがって、高圧を必要とする場合や
変圧貯蔵に対応する場合に有効である。
【0121】開閉弁V11を開けることで、高圧の圧縮
空気を消費部に供給できるが、一旦貯蔵室に溜めてから
消費部に供給すると、圧力の安定した高圧圧縮空気を得
ることができる。
【0122】図11は水車駆動式の増圧装置の模式側面
図である。6は例えばポンプ逆転水車であり、放流水よ
って水車を駆動し、その動力をもって発電機17を駆動
して、電力を得る。
【0123】クラッチC2を切断し、他方のクラッチC
1を接続してコンプレッサー8を駆動し、しかもコンプ
レッサー8に低圧の圧縮空気を給気すると、大容量貯蔵
空気を短時間に増圧することができる。
【0124】なお、余剰電力や夜間電力を利用すること
で電動コンプレッサーを駆動し、低圧の圧縮空気を給気
することによっても、増圧することができる。
【0125】〔圧縮空気の長距離輸送システム〕図12
は圧縮空気の長距離送気システムを示す断面図である。
圧縮空気を長距離送気する際のロスをより少なくできる
ように、太陽熱吸収により送気中空気の膨張を促進する
ために、太陽熱を吸収する吸熱材と空気熱放出を遮断す
る断熱材とを組み合わせた送気管とした。
【0126】(1)図のように、送気管37を地中に埋
める場合は、右側の図のように、日当たりが良く、太陽
光で地表が加熱される条件の場所では、送気管37の外
側を吸熱材38で覆ってある。したがって、吸熱材38
で吸収された太陽熱を送気管37中の圧縮空気に効果的
に伝達して、熱膨張させ、送気中の圧力低下を防止でき
る。
【0127】左側の図のように、日当たりの悪い場所や
太陽熱の届かない場所では、送気管37に断熱材39を
被せて、送気管37の内部の圧縮空気の熱が逃げないよ
うにして、送気中の圧力が低下するのを防止する。
【0128】送気管37をダム湖上に敷設する場合も、
送気管37を吸熱材38で覆った構造とする。また、送
気管37を湖底や水中に敷設する場合は、断熱材39を
被せた構造とする。
【0129】日当たりの良い場所に送気管37を敷設す
る場合は、(2)図のように、二重管構造にすることも
できる。すなわち、送気管37を外管40で覆い、間に
空間41を設ける。そして、外管40に吸熱材38を被
せたり、吸熱剤を塗装する。
【0130】このような構造にすると、空間41中の空
気による断熱作用が、断熱材39の役目をする。また、
吸熱材被覆や吸熱剤塗装によって、空間41中の空気が
太陽熱で熱され、内部の送気管37中の圧縮空気を加熱
するため、増圧され、送気ロスを防げる。
【0131】なお、太陽熱を吸収する吸熱エアバッグを
設置して、太陽光で熱せられた空気を空間41中に供給
することによっても、送気管37中の圧縮空気の送気ロ
スを防止できる。
【0132】なお、送気管37として可撓性の管を用
い、継ぎ目を極力無くすとか、漏気感知装置を各所に設
ける等により、大量の漏気事故が生じ得ないようにす
る。
【0133】〔圧縮空気の各種利用システム〕次に、以
上のようにして製造したり、貯蔵したり、調圧したりし
て送気された圧縮空気を有効利用するシステムについて
各種実施形態を説明する。
【0134】まず、水質改善に圧縮空気を利用するシス
テムを説明する。すなわち、ダム湖や河川、浄水場、下
水道における水質改善設備に圧縮空気を供給する。図1
3は、曝気による水質改善設備の模式断面図である。
(1)は間欠式の曝気装置であり、ダム湖の湖底に敷設
した送気管37を底層設置の揚水筒42に接続し、圧縮
空気を間欠的に供給する。その結果、水面下において、
送気管37の上端から圧縮空気と水が交互に吹き出すこ
とで、曝気が行なわれる。なお、揚水筒42の設置深さ
で深層曝気または浅層曝気のいずれも可能である。
【0135】散気を行なうには、(2)図のように、湖
底に敷設した送気管37の先端に、メッシュ状の散気口
43を接続し、多数の気泡が発生するようにする。その
ため、散気口43から無数の気泡が発生し浮上すること
で、水中の曝気が行なわれる。しかも、このように、微
細気泡が発生浮上することによって、汚濁物質や赤土砂
等の浮遊微粒分を除去することもでき、赤土除去にも有
効である。
【0136】なお、曝気装置をダム湖に多数設置し、空
気貯蔵室から中継点を経て各装置まで、湖底や水面上に
送気管を敷設する。図14は、圧縮空気を用いた揚水筒
汲み上げ装置の模式断面図である。この場合は、揚水筒
42の上端にフロート32を取り付けて、揚水筒42の
上端を大気中の露出させるとともに、揚水筒42の下端
を、水深約40mの湖底のアンカーにチェーンなどで固
定してある。
【0137】そして、揚水筒42の下端に送気管37を
接続すると共に、地上で送気管37への圧縮空気供給を
制御する。すなわち、送気管37に圧縮空気を連続的あ
るいは間欠的に供給すると、揚水筒42の上端のノズル
から、水が噴出して、(1)のような噴水が可能とな
る。あるいは、(2)のように、揚水が可能となる。
【0138】(3)は、揚水筒42中への圧縮空気の供
給部をより詳細に示す図であり、揚水筒42の下端に逆
止弁Vbを設けて、揚水筒42中に送気管37から圧縮
空気が供給されたときは、その圧力で逆止弁Vbが閉
じ、圧縮空気の供給が中断して揚水筒42の内部の圧力
が低下した場合は、湖水の水圧で逆止弁Vbが開いて、
揚水筒42の中に湖水が流入する。
【0139】その結果、揚水筒42の内部は、気泡と水
が交互に入り、圧縮空気圧が押し上げられて、上端のノ
ズルから押し上げられて、揚水あるいは噴水が行なわれ
る。
【0140】図15は圧縮空気による浮き式の噴水・揚
水装置であり、浮き式になっている。44は例えば鋼鉄
板などで形成された圧力タンクであり、浮き(フロー
ト)45によって、水面に浮上させる。そして、3方弁
V12を介して送気管37aに接続し、圧縮空気を圧力
タンク44中に給気可能とする。また、圧力タンク44
の底側に導水用の逆止弁Vbを設けてある。
【0141】いま、導水弁Vbが開いて、(1)図のよ
うに圧力タンク44中に水を溜めた状態で、3方弁V1
2を介して圧力タンク44中に圧縮空気を供給すると、
圧力タンク44中の水面が圧縮空気によって押し下げら
れ、圧力タンク44中の水が揚水管中から押し上げら
れ、上端のノズルから噴出する。
【0142】こうして、噴水が行なわれることで、圧力
タンク44中の水位が低下すると、(2)図のように、
3方弁V12を切り換えて、圧力タンク44への圧縮空
気の供給を中止し、圧力タンク44の内部を大気に開放
させる。すると、圧力タンク44の上部の圧縮空気が大
気中に排気され、あるいは曝気に利用される。そして、
圧力タンク44の内部の圧力が低下すると、逆止弁Vb
が開き、湖水が入って来て、水位が上昇する。
【0143】圧力タンク44中の空気が全部押し出さ
れ、水で満たされると、再び(1)図のように3方弁V
12を圧縮空気源側に切り換えて、圧縮空気を供給する
と、揚水や噴水が行なわれる。このような動作を繰り返
すことで、間欠式の噴水/揚水が可能となる。
【0144】なお、ダム湖における水質浄化を説明した
が、河川、浄水場、下水道まで送気管によって圧縮空気
を導けば、これらの水質改善にも応用できる。
【0145】図16は、熱対流攪乱によるダム湖水質改
善装置の模式縦断面図である。14はガスタービン発電
機におけるガスタービン燃焼室であり、その廃熱で加熱
した熱水を、水管84で湖水中に導いて供給すること
で、低温の湖水を温める。その結果、対流が起きて、湖
水の温度が次第に上昇する。
【0146】湖水の温度の高い上層部85と温度の低い
下層部86との間の温度躍層87の付近はプランクトン
が発生し易く、藻が以上発生したりして、水質を低下さ
せる。そこで、温度躍層87の付近を、ガスタービン廃
熱で加熱して、温度躍層87を、太陽光の届かない深い
位置まで下降させると、プランクトンの異常発生を抑止
し、水質が低下するのを防止できる。
【0147】図17、図18、図19は、ポンプ取水に
おいて圧縮空気を利用する装置を示す図である。まず、
図17は段階式の揚水装置の模式断面図である。河床に
一対の鋼板などでできた水槽46a、46bを設置して
あり、地上には、例えば高さ25mの位置に一対の水槽
46c、46dを設置してある。また、例えば35mの
位置に水槽46tを設置してある。
【0148】(1)(2)図のように、片方の河床水槽
46aと中段の水槽46cとの間が水管Wとエア管Aの
対によって接続されており、また該中段水槽46cと上
段水槽46tとの間が水管Wで接続されている。
【0149】(3)(4)図のように、他方の河床水槽
46bと中段の水槽46dとの間も水管Wとエア管Aの
対によって接続されており、また該中段水槽46dと上
段水槽46tとの間が水管Wで接続されている。そし
て、該上段水槽46tと導水管47との間が水管で接続
されている。
【0150】各水槽46a〜46tと各水管やエア管と
の間には、水用の開閉弁と圧縮空気用の開閉弁を有して
いる。
【0151】いま、河床の水槽46a、46bに予め水
を満たした状態において、(1)図のように、片方の水
槽46aの給気弁を開いて圧縮空気を供給し、その空気
圧で、水槽46a中の水を、水管Wを介して、中段の水
槽46cに押し上げる。
【0152】(2)図のように、河床の水槽46a中の
水を全部押し上げた後、前記給気弁を閉じた状態で、水
管Wを閉じてエア管Aを開き、該河床水槽46a中に残
った圧縮空気を全部、中段水槽46cに送気すると、空
気圧は多少低下するが、その空気圧によって、中段水槽
46c中の水が上段の水槽46tに押し上げられる。
【0153】このようにして上段水槽46tまで押し上
げられた水は、落差によって導水管47中を下降し、目
的の場所に送水される。
【0154】(3)図のように、給水弁を開いて河床水
槽46aには次の揚水に備えて水を供給するが、このと
き押し出された圧縮空気と、中段水槽46cに残った圧
縮空気は、換気や曝気、散気等に再利用できる。
【0155】同様にして、(3)図のように、別の河床
水槽46bに圧縮空気を供給して、その中の水を全部、
水管Wで別の中段水槽46dに押し上げ、さらに前記水
槽46b中に残った圧縮空気をエア管Aで該中段水槽4
6dに供給すると、該中段水槽46d中の水が、(4)
図のように、上段水槽46tに押し上げられる。そし
て、落差によって導水管47中を下降し、目的の場所に
送水される。
【0156】このように、一対の水槽46a、46bか
ら交互に中段の水槽46c、46dに水を押し上げ、さ
らに残気で上段の水槽46tに押し上げて、落差を利用
して導水管47で送水するという操作を繰り返すことに
よって、簡単な操作で、しかも低コストで、また静粛
に、変換効率良く揚水できる。
【0157】図18は空気圧縮式のポンプの断面図であ
り、水面下に設置したポンプ室48の下側の仕切り壁4
9より下側に吸込口50を設け、該仕切り壁49に逆止
弁V15を設け、また吐出口側に逆止弁V16を設けて
ある。ポンプ室48の上端に、圧縮空気の導入側の電磁
弁V17と圧縮空気の排気側の電磁弁V18とを設けて
ある。
【0158】いま、給気側の電磁弁V17を閉じ、排気
側の電磁弁V18を開くと、吸込口50から逆止弁V1
5を押し開けて、ポンプ室48中に水が流入し、満水に
なる。
【0159】次いで、排気側の電磁弁V18を閉じて、
給気側の電磁弁V17を開いて圧縮空気を供給すると、
逆止弁V15が自動的に閉じられ、ポンプ室48中の水
が逆止弁V16を押し開けて吐出口側に吐出され、揚水
が行なわれる。
【0160】ポンプ室48中の水が押し出されると、再
び給気側電磁弁V17を閉じ、排気側電磁弁V18を開
くと、吸込口50からポンプ室48中に水が流入する。
このような動作の繰り返しによって、間欠的に逆止弁V
16を押し開けて吐出揚水が行なわれる。なお、ポンプ
室48に水を流入させるために、排気側電磁弁V18を
開いた際に排出される圧縮空気は、換気用の空気などと
して再利用される。
【0161】図19は更に増圧機能を備えた揚水ポンプ
の断面図である。ポンプ室48の下部の仕切り壁49よ
り下側に吸込口50を有し、該仕切り壁49に逆止弁V
15を設け、また吐出口側に逆止弁V16を有している
点は、図18の実施形態と同じである。
【0162】この実施形態では、ポンプ室48中に内蔵
された小径ピストンPsと、その上側の大径増圧室49
に内蔵された大径ピストンPbとがロッドで連結されて
いる。そして、大径増圧室49の加圧室と圧縮空気供給
管との間に給気側電磁弁V17を配設し、排気管との間
に排気電磁弁V18を配設してある。
【0163】また、大径増圧室49の排気側室と圧縮空
気供給管との間に給気電磁弁V19を配設してあり、排
気管との間に排気電磁弁V20を配設してある。
【0164】したがって、いま、大径増圧室49の下流
の排気電磁弁V20を閉じ、上側の排気電磁弁V18を
開いた状態で、給気電磁弁V19を開いて、大径増圧室
49の下側に圧縮空気を供給すると、両ピストンPb、
Psが上昇する。その結果、逆止弁V16が閉じ、逆止
弁V15が開いて、ポンプ室48に水が流入する。
【0165】両ピストンPb、Psが上限に達した時点
で、大径増圧室49の下流の排気電磁弁V20を開き、
排気電磁弁V18と給気電磁弁V19を閉じた状態で、
給気側電磁弁V17を開いて、大径増圧室49の上側の
室に圧縮空気を供給すると、両ピストンPb、Psが押
し下げられ、両ピストンPb、Psの面積比に比例して
増圧された水が逆止弁V16を押し開けて、吐出揚水さ
れる。
【0166】図20は、魚道水汲み上げや環境池揚水に
適した揚水装置の模式断面図である。ダムの直下流高台
に遊水池52を設け、ダム湖と池52との中間に水槽5
4を配設してある。そして、ダム湖の水槽53と中間水
槽54との間は水管Wとエア管Aの対によって接続され
ており、また中間水槽54と池52との間は水管Wで接
続されている。
【0167】いま、(1)図のように、ダム湖に浮かべ
た水槽53の給水弁を開いて水を入れた状態で、圧縮空
気を供給し、水管Wを開くと、該水槽53中の水が空気
圧で中間の水槽54に押し上げられる。
【0168】次いで、(2)のように、前記水管Wを閉
じてエア管Aを開き、ダム湖面の水槽53中の残気を中
間の水槽54に送気すると、その空気圧で、中間水槽5
4中の水が、水管Wを介して池52に押し上げられる。
【0169】そして、(3)図のように、池52との間
の水管Wを閉じると、中間水槽54およびダム湖水槽5
3に残った圧縮空気を、図13、図14、図15などの
曝気や揚水などのような水質浄化設備などに送気して再
利用できる。このような操作を繰り返すことによって、
ダム湖の水を高台の池52に間欠的に揚水する。なお、
中間水槽の段数を増やすことによって残気利用の効率が
増す。
【0170】このようにして高台の池52に揚水した後
の池の水の用途は色々である。例えば、ダム工事ででき
た法面に落差で散水して緑化を維持したり、揚水発電な
どにも利用できる。例えば、揚水池52の容量は空気式
揚水ポンプの時間能力が500m3/hrとすると、
1,000m3 /hr程度の池容量で安定的に発電送水
が可能であり、100kw程度の最大出力が得られる。
なお、池52に代えて、魚道水供給にも利用できる。
【0171】図21は、通廊排水と通廊換気において圧
縮空気を直接利用する装置を示す断面図である。ダム通
廊(監査廊)には集水ピット55を設けてあり、集水ピ
ット55に溜まった水は、通常は電動ポンプで排水して
いるが、本発明では、ダムや周辺施設で製造した圧縮空
気で排水する。
【0172】集水ピット55の中に設けた固定式の水槽
56に、圧縮空気供給用の電動弁V21と逆止弁V22
を設けてある。いま、(1)図のように、圧縮空気供給
弁V21が閉じた状態だと、逆止弁V22が下降して開
くため、集水ピット55中に溜まった水が水槽56中に
流れ込む。
【0173】満水になると、逆止弁V22が浮上して閉
じるため、この時点で(2)図のように、供気弁V21
を開くと、圧縮空気の圧力によって、逆止弁V22は押
し上げられたままとなり、かつ水槽56中の水は排水口
の逆流防止弁V23を押し開けて押し上げられ、揚水排
水される。
【0174】このような動作の繰り返しによって、集水
ピット55に溜まった水が圧縮空気の圧力で排水され
る。そして、集水ピット55中の水が水槽56中に流入
する際に排出された圧縮空気は、通廊内に送気して換気
に利用される。
【0175】図22は、選択取水設備において圧縮空気
を利用する装置を示す断面図である。ダム湖中に設置さ
れた取水塔23には、高さの異なる複数の取水管57a
…57dを設けてあり、これらの取水管57a…57d
中の所要の高さの取水管から取水して、取水塔23の下
部から仮排水路21(22)に流出させ、圧縮空気の貯
蔵室21b中の空気圧を一定に維持するようにしてい
る。
【0176】空気貯蔵室21bの出口側に設けた開閉弁
V24を開いて取水塔操作室23aに圧縮空気を送気
し、取水塔操作室23aから各取水管57a…57dに
給気するように配管されている。そして、どの取水管を
開くは、取水塔操作室23aにおける弁V25の操作で
行なわれる。
【0177】取水管57a…57dは逆U字状をしてお
り、その円弧状の曲管部に圧縮空気を溜めると、水が通
過不能となるのを利用して、取水管を開閉する構造にな
っている。
【0178】したがって、例えば最上段の取水管57a
には圧縮空気を供給しないで、他の取水管57b、57
c、57dに圧縮空気を供給して、圧縮空気を溜めてお
くと、最も高い位置の取水管57aのみが開いて、表層
付近から取水し、空気貯蔵室21bに給水することがで
きる。
【0179】このようにして、任意の位置の取水管を開
いて選択的に取水できる。閉じた状態の取水管を開くに
は、取水塔操作室23aで弁V25を操作して、当該取
水管への圧縮空気の供給を停止するとともに、弁V25
を大気開放すると、曲管部中の空気は水圧で押し上げら
れて排気され、通水可能となる。
【0180】図23は水中ゲートバルブの開閉に圧縮空
気力を利用した装置の断面図であり、図22の取水塔の
出口弁V23に適用した三つの実施形態が示されてい
る。第1の実施形態はスライド弁構造であり、取水塔2
3の出口内壁に、上下にスライドする弁体V26を配設
してある。
【0181】この弁体V26は、例えば鋼板などで中空
構造に形成されており、図示されていない圧縮空気の給
排気口と、給排水弁を有している。いま、(1)図のよ
うに、可撓性のエア管T1によって圧縮空気を送り、弁
体V26中に圧縮空気を満たしてあると、その浮力によ
って、該弁体V26は上昇して、出口23bが開く。
【0182】(2)図のように、弁体V26中の圧縮空
気を排気していくと、弁体V26中の圧力が低下するた
め、下側の給排水弁が水圧で押し開かれて、取水塔23
中の水が入って来て、その重みで、弁体V26が徐々に
下降し、最終的には(3)図のように満水状態となって
完全に閉じる。
【0183】開弁するには、(4)図のように、弁体V
26中に圧縮空気を供給すると、内部の水が給排水弁を
押し開いて押し出され、圧縮空気の浮力によって徐々に
上昇し、(1)図のように全開状態となる。次いで、給
気を中止して、弁体V26に供給する圧縮空気の圧力を
下げると、給排水弁は再び元に戻って閉じられる。な
お、弁体V26を上下スライドさせるためのガイド手段
は図示省略されている。
【0184】開弁時に、弁体V26中を排水した後も引
き続き圧縮空気を供給し続けると、給排水弁から気泡が
発生して、弁体V26のしゅう動面に供給されるため、
摩擦力が減少する。その結果、弁体V26に作用する摩
擦抵抗が減って、円滑に上昇可能となる。
【0185】第2の実施形態は、ポペットタイプの中空
弁である。取水塔23に設けた出口23cに円錐状の弁
座58を形成し、この弁座58に丁度嵌入する円錐状の
中空弁体V27を設けてある。なお、破線59は、円錐
弁体V27が上下方向に円滑に移動するようにガイドす
る手段である。
【0186】作動原理は第1の実施形態(スライド弁構
造)と同じであり、(1)図のように、円錐弁体V27
中に水が満たされている状態では、自重によって下降
し、弁座58から離れて開弁する。いま、可撓性のエア
管T2によって、円錐弁体V27中に圧縮空気を送って
水を押し出すと、自重が軽くなるため、浮力で徐々に上
昇し、遂には(3)図のように、完全に閉止される。
【0187】開弁するには、円錐弁体V27中の圧縮空
気を排気していくと、図示されていない給排水弁が開い
て、水が流入して来るため、円錐弁体V27の自重が次
第に増加して徐々に下降し、開弁する。
【0188】第3の実施形態は、エアー式のピンチバル
ブ60であり、圧縮空気が入っていない状態では、
(1)図のように、収縮して弁口23bに続く管路が開
く。これに対し、図示されていないエア管で圧縮空気を
供給していくと、(2)図のように、ピンチバルブ60
が次第に膨らみ、最終的には(3)図のように、完全に
密着して、隙間がなくなるため、閉弁状態となる。
【0189】開弁に際しては、排気管からピンチバルブ
60中の圧縮空気を排気すると、ピンチバルブ60が次
第に収縮し、隙間が次第に広がっていき、(1)図のよ
うな全開状態となる。したがって、ピンチバルブ60
は、例えばゴムなどのような柔軟性に富んだ材質ででき
ている。
【0190】図24、図25は、ゲートバルブを流体圧
リンダーで開閉する実施形態の断面図である。図24
は、空気圧シリンダーを用いた例であり、管水路88に
挿入されているゲート弁体89とピストン90間がピス
トンロッド91で連結されている。
【0191】通常は、(1)図のように、電動弁92が
閉じることで、空気弁93が開いて、ピストン90の下
側が排気される。その結果、ピストン90が大気圧ある
いは圧縮空気圧で押し下げられて、ゲート弁体89が閉
じた状態となる。
【0192】ゲート弁体89を開く場合は、(2)図の
ように、電動弁92を開いて、空気弁93を閉じること
で、圧縮空気をピストン90の下側に供給して、ピスト
ン90を押し上げる。なお、使用される圧縮空気は、前
記の圧縮空気製造装置で製造されたものである。
【0193】図25は、水圧シリンダーを用いた例であ
り、ピストン90の下側に圧力水を給排する構造になっ
ている。通常は、(2)図のように、電動弁94を閉じ
て圧力水を遮断すると、水圧弁95が下降して開かれ、
ピストン90の下側が排水される。その結果、ピストン
90が下降して、ゲート弁体89が開いた状態となる。
【0194】ゲート弁体89を開く場合は、(1)図の
ように、電動弁94を開いて圧力水を供給し、水圧弁を
押し上げて閉じると、圧力水がピストン90の下側に供
給されて、ピストン90が押し上げられる。なお、使用
される圧力水は、ダムの水圧が作用したものを利用す
る。
【0195】図26は、図22の選択取水管57a…5
7dで利用した逆U字状の空気弁であり、通常は(1)
図のように、逆U字状の曲管部64を液体が通過する
が、(2)図のように、逆U字状部64に圧縮空気を溜
めると、水が通過不能となる。
【0196】このように、圧縮空気を給排するために、
逆U字状部に給気用の配管Tiと排気用の配管Toを設
け、給気弁Viと排気弁Voで圧縮空気の給排を制御す
る。なお、逆U字状部に供給される圧縮空気の圧力は、
水圧より高いことが必要である。
【0197】図27は図23で第3実施形態として説明
したエアー式のピンチバルブであり、リング状の可撓性
チューブ60に給気弁Viと排気弁Voを介して給気用
の配管Tiと排気用の配管Toを接続してある。
【0198】したがって、(1)図のように、可撓性チ
ューブ60を排気した状態では、該可撓性チューブ60
が収縮して、その中央部が開口し、(2)のように圧縮
空気を供給して膨らますと、中央開口が閉じられて、閉
弁状態となる。
【0199】図28は、排砂設備において圧縮空気を利
用する装置の断面図である。コンクリートダムの堤体2
0dに、ダム湖に溜まった砂礫65を排出するために山
形の排出路66を形成し、その上側にエア駆動式のラジ
アル主ゲート67を設け、流入端側に補助ゲートV28
を設けてある。この補助ゲートV28は、図24、図2
5のような流体圧シリンダーで駆動するタイプが適して
いる。
【0200】また、排出路66の全長にわたって、下側
から圧縮空気を給気して、ジェット水で砂礫を浮き上が
らせるように、圧縮空気の噴出管68を敷設してある。
【0201】通常は、ラジアル主ゲート67も補助ゲー
トV28も閉じられているが、湖底に砂礫が溜まると、
その排出のために、(1)図のように、両ゲート67、
V28が開かれる。
【0202】ところが、単に両ゲート67、V28を開
いただけでは、砂礫が円滑に排出されないので、(1)
図のように、噴出管68のラジアル主ゲート67の下側
の噴出孔から圧縮空気を噴出させてジェット水を噴射
し、排出路66の砂礫を浮き上がらせる。なお、(2)
図のように、噴出管68の全部の噴出孔からジェット水
を噴出させてもよい。
【0203】次に、(2)図のように、ラジアル主ゲー
ト67を閉じた状態で、噴出管68の全部の噴出孔から
ジェット水を噴出させて、排出路66中の残った砂礫を
浮き上がらせると、排出路66中に残った砂礫が円滑に
排出され、砂礫がゲート戸溝に溜まって円滑に閉鎖でき
ないとか、損傷を来すなどの問題も解消される。
【0204】また、(3)図のように、砂礫を排出した
後、補助ゲートV28を閉じたままにしておけば、排出
路66の内部点検も行なえる。
【0205】図29は、空調・冷却設備において圧縮空
気を利用する装置を示す配管図である。69はレシプロ
式の冷媒圧縮機であり、圧縮空気で駆動される。冷媒
は、冷媒圧縮機69→凝縮機70→膨張弁Ve→蒸発器
71→冷媒圧縮機69の順に循環する。そして、冷媒圧
縮機69に入る逆止弁69iと冷媒圧縮機69から出る
逆止弁69oを設けてある。
【0206】いま、開閉弁V17、V20を開いて、他
の開閉弁V19、V18を閉じ、圧縮空気の供給管Ti
から大径ピストンPbの上側に圧縮空気を供給して小径
ピストンPsを押し下げると、逆止弁69oが押し開か
れて冷媒が凝縮機70側に押し出される。
【0207】逆に、開閉弁V19、V18を開いて、他
の開閉弁V17、V20を閉じ、大径ピストンPbの下
側に圧縮空気を供給して小径ピストンPsを引き上げる
と、逆止弁69iが開かれて、冷媒が吸い込まれる。こ
のような動作の繰り返しによって、圧縮された冷媒が間
欠的に凝縮機70に供給され、液化する。
【0208】蒸発器71には熱交換器72が対応配置さ
れているため、冷却された水が、冷却水循環ポンプP1
によって、冷気発生管73側に送られる。そして、冷媒
圧縮機69の排気管Toからの排気が冷気発生管73を
通過する際に冷却されて冷気となり、加熱された水は再
び熱交換器72に送られて、冷却される。
【0209】前記の大径ピストンPbを往復動させた後
の排気が排気管Toから間欠的に発生するが、この排気
は、冷気発生管73への送風だけでなく、冷却水循環ポ
ンプP1の駆動や蒸発器71への送風にも利用される。
したがって、従来のような電動式の送風ファンを必要と
しない。
【0210】ダム施設を建造する場合に大量のコンクリ
ートが使用されるが、セメントを混ぜる際に発熱するこ
ともあって、施工後にコンクリートにひび割れが生じる
恐れがある。そこで、特に夏場などは、骨材に冷水をか
けて冷却してから使用するようにしている。しかしなが
ら、冷水を得にくい、という問題がある。
【0211】図29の設備で発生した冷気を骨材に吹き
つけて冷却することもできるが、図30のように、圧縮
空気を直接利用して、冷気を発生させる方法が安価であ
る。圧縮空気を大気中に瞬時に放出すると、急激な空気
膨張により、周囲の熱を奪う。その結果、連続的に圧縮
空気を放出させることで、連続的かつ安定的に冷気を発
生できる。
【0212】図30は、この原理をコンクリート骨材の
冷却に応用したものであり、骨材を格納する骨材タンク
96に骨材97を入れておく。骨材タンク96には、圧
縮空気の供給管98を接続して、管内端98iから圧縮
空気を連続的に放出させる。すると、空気膨張で冷気が
発生して、骨材97が冷却される。
【0213】骨材への散水、給気口の複数化、骨材寸法
の増大(蓄熱と通気上、大玉ほど効果的)等により、冷
却効率を高めることができる。
【0214】冷却に使用された後の空気は、他方に接続
された排気筒99から排出される。この排気は、外気よ
りは冷たいため、室内冷房や、工事用の水やコンクリー
トその他の冷却に再利用できる。
【0215】図31はダム工事用および管理用のトンネ
ルの換気において貯蔵空気を供給し、汚染空気を排気す
る換気装置を示す図である。換気の悪いトンネルなどで
作業する場合は、給気用と排気用の設備を別々に設けて
いるが、図31の場合は、給気される圧縮空気によっ
て、排気設備も駆動できる。
【0216】(1)図において、圧縮空気の供給管Ti
によって、作業現場に新鮮な圧縮空気が供給される。ま
た、破線で示す排気管Toによって、汚染された空気が
排気されるが、排気設備の駆動も、給気管Tiを流れる
圧縮空気によって行なわれる。
【0217】(2)図は、排気設備の駆動部を示す拡大
側面図である。F1は給気管Tiを流れる新鮮な圧縮空
気で駆動されるファンであり、このファンF1の回転力
を利用して駆動される排気ファンF2を、排気管To中
に設けてある。したがって、汚染空気の発生部にこの排
気設備を配設しておけば、排気ファンF2によって、汚
染空気や粉塵などが吸引され、排出される。
【0218】図示例では、ファンF1、ファンF2間を
歯車で連結しているが、両ファンの軸を給排気管Ti、
Toの外に突出させ、配管外部でベルトなどで連結すれ
ば、空気漏れを容易に防げる。
【0219】ダム施設を利用して製造した圧縮空気が大
量に貯蔵されているので、圧縮空気を大量消費しても、
電力を消費する場合より経済的である。なお、この換気
設備は、削岩や削孔、吹付け等のような従来の空気利用
施工機械に対しても、貯蔵空気を送気管により直接給気
するのにも適している。
【0220】図32は、ダム施設における運搬に圧縮空
気を利用する装置を示す図である。ダム工事現場では、
傾斜したトンネル内で資材を運搬するケースが多い。ま
た、通廊内にモノレールを設置すると、通廊管理が容易
になる。
【0221】本発明は、傾斜したトンネル74内におい
て、1本または複数本のレールを敷設し、資材または人
間を搬送する台車75を圧縮空気圧を利用して往復走行
させる構造になっている。
【0222】トンネル74の坂上部に設けた滑車76に
ワイヤーYを掛けて、その一端に台車75を連結し、他
端に重錘からなるカウンターバランス77を連結してあ
る。このカウンターバランス77の重量は、荷物を積載
した台車75の総重量より多少大きめに設定しておく。
カウンターバランス77は、トンネル74内に敷設した
長尺のエアシリンダー78の中に、ピストン状に内蔵し
てある。
【0223】このカウンターバランス77を圧縮空気の
圧力で上昇させたり下降させたりすることによって、台
車75を駆動するが、カウンターバランス77への駆動
圧の加え方は色々ある。
【0224】例えば、(3)図のように、エアシリンダ
ー78の上端は大気に開放しておき、下端の給排管に3
方弁V12を接続しておいて、カウンターバランス77
を下側から圧縮空気圧で押し上げると、(1)図のよう
に台車75が自重で下降する。
【0225】3方弁V12を切り換えて、カウンターバ
ランス77の下側を排気すると、カウンターバランス7
7の重量が台車75の総重量より重いため、(2)図の
ように、カウンターバランス77が自重によって下降す
る際に台車75が引き上げられる。
【0226】エアシリンダー78の上端側にも圧縮空気
の給排管を接続し、3方弁V12をつけておけば、カウ
ンターバランス77の下側を排気する際に、エアシリン
ダー上端の給排管から圧縮空気を供給して、カウンター
バランス77を押し下げるように駆動すると、台車75
をより円滑に引き上げることができる。
【0227】エアシリンダー78の下端側の3方弁V1
2を廃止して、上端側のみに設けることも可能である。
【0228】この構成において、トンネルの下側にも滑
車を設け、カウンターバランス77の下側に接続したワ
イヤーを、該滑車を経由して台車75の左側に接続して
おけば、勾配のゆるやかなトンネルや水平のトンネルで
も台車75を往復移動できる。
【0229】なお、台車75の直下から貯蔵空気を噴出
して、垂直荷重を大幅軽減する構成にすれば、空気式ジ
ャッキ式に貯蔵空気を供給することも可能である。
【0230】図33は気泡ジェット水によって発電する
装置を示す模式断面図であり、(1)(2)は気泡噴射
式水力タービンである。(1)図は放流管7中に向けて
圧縮空気の噴出管Toを配設してあるため、水流と圧縮
空気とが混合された気泡ジェット水79となって、放流
管7から噴出し、水車6を回転させて発電機を駆動す
る。
【0231】(1)図は水車6が大気中に配置してある
のに対し、(2)図は放流管7中に配置してある。そし
て、水車6より上流側に圧縮空気の噴出管Toを配設し
てあるため、水流と圧縮空気とが混合された気泡ジェッ
ト水79が、放流管7の内部において水車6に供給さ
れ、発電機駆動用の水車を回転させる。
【0232】(1)(2)図のように、噴出管Toから
圧縮空気を噴射して発生させた気泡は、水流を加速する
と共に、膨張して水体積を増大させるので、既設の水力
発電における水力タービンの出力増強にも有効である。
【0233】(3)図は押し出し回転式水力タービンで
あり、リング状の水管80の中に、発電機駆動用の水車
6を設置し、その上流側に、気泡ジェット水の噴出管8
1を配設してある。この噴出管81からは、圧縮空気と
水流が混合された気泡ジェット水の状態で、リング状水
管80中に噴出され、整流板82にガイドされて水車6
に噴射し、駆動する。水車6を通過した後は、圧縮空気
は水と分離して、排気口に送気され、排気あるいは再利
用される。
【0234】この実施形態では、圧縮空気と水流を混合
して気泡ジェット水を造るために、A、B二つのタンク
を用いている。そして、リング状水管80から分流した
水を切り換え弁V29を介して、両タンクA、Bに配管
してある。また、圧縮空気の供給管Tiと両タンクA、
Bの上部空間との間が3方弁V30を介して接続されて
いる。
【0235】いま、切り換え弁V29は、水の溜まって
いるAタンク側が閉じ、Bタンク側が開いているものと
すると、Bタンク側に、リング状水管80からの分流水
が供給され、水位が上昇しつつある。
【0236】一方、3方弁V30は、Bタンク側が閉
じ、Aタンク側が開いて、水面に圧縮空気圧が加わって
いるため、Aタンク中の水が、切り換え弁V31、給水
管83から噴出管81に供給される。また、給気管Ti
から分岐した給気管が噴出管81に連結されている。そ
のため、噴出管81で圧縮空気と水流が混合されて、気
泡ジェット水となり、リング状水管80中に噴出する。
【0237】こうして、Aタンク中の水が使用し尽くさ
れると、切り換え弁V29がAタンク側に切り換わっ
て、Aタンクに給水されると共に、3方弁V30がBタ
ンク側に切り換わる。その結果、Bタンクに圧縮空気が
供給されて、Bタンク中の水が、切り換え弁V31、給
水管83から噴出管81に供給され、圧縮空気と混合さ
れて、リング状水管80中に噴出する。
【0238】圧縮空気圧で水車を回転して発電する場合
は、空気自体はタービン動力としては弱いが、水流と混
合して気泡ジェット水にすると、パワーが強くなる。ま
た、圧解放によって気泡が膨張し水体積を増大させると
ともに、残存気泡は水の内部粘性と管路摩擦を減じるの
で、ロスの低減に寄与する。さらに、溶解した圧縮空気
は、圧力解放されるに従って微細気泡化して、上記の効
果をさらに高める。
【0239】次に、以上の各システムを統合した圧縮空
気の製造・貯蔵・利用の実用的全体システムを例示説明
する。ダム周辺の利用可能なエネルギーである放流水ま
たは風力エネルギーによって圧縮空気を製造し、導水路
または仮排水路トンネルを活用して圧縮空気を貯蔵し、
ダムおよび関連設備において、圧縮空気を動力源等とし
て利用するシステムを下記のように開発した。
【0240】なお、ポンプ等の駆動に利用した後の残気
は、有効利用すべく、曝気、換気等へ2次利用すること
で全体効率が増す。さらに、圧縮空気増圧設備による高
圧の空気を調圧タンクに貯蔵し、貯水位低下時と高圧空
気必要時の空気利用に備えることが出来る。
【0241】〔全体システム〕図34、35は、圧縮空
気の製造・貯蔵・利用の実用的全体システムを例示する
模式図であり、羽地ダムにおける空気開発利用計画を示
している。
【0242】図34において、放流水エネルギーまたは
風力を用いて圧縮空気を製造し、仮排水路トンネル21
aの上流側を水封一定圧の定圧貯蔵室21aとする。ま
た、高い位置エネルギーを残さねばならない農業用水に
対しては、別に空気製造室2tを用意し、1気圧低い圧
縮空気は、変圧貯蔵室を経て下流の水道ポンプ取水に使
用する。
【0243】図35において、放流水経路は、「取水塔
23から下段仮排水路22の上流端に取水管を回し、定
圧貯蔵室21aに放流する→下段仮排水路22の閉塞工
から圧力管で取水し、空気製造室2tに導く→空気圧縮
後に放流口から放流」となる。一方、空気経路は、「空
気製造室2tへ大気圧で流入→空気圧縮後に定圧貯蔵室
21aへ→圧縮空気取出し口から送気管によって各空気
利用施設へ」となる。
【0244】図36、図37は大保ダムの空気開発利用
計画における圧縮空気の製造・貯蔵・利用システムを示
す図である。放流水エネルギーを用いて圧縮空気を製造
し、本ダム仮排水路トンネルの上流側を定圧貯蔵室26
aとして利用する。空気利用は、ダム管理・取水ポンプ
施設のための直接利用を主とする。
【0245】図38は、大保−福地ダム導水路の空気開
発利用計画における圧縮空気の製造・貯蔵・利用システ
ムを示す断面図である。福地発電所余剰電力と風力エネ
ルギーを用いて圧縮空気を製造し、導水路トンネルを定
圧貯蔵室29とする。空気利用は、ダム工事のための施
行機械動力への直接利用、工事終了後はガスタービンへ
の送気を主とする。
【0246】図39は、大保−奥間ダム導水路の空気開
発利用計画における圧縮空気の製造・貯蔵・利用システ
ムを示す断面図である。風力エネルギーを用いて圧縮空
気を製造し、奥間ダム水位をもって導水路トンネルを定
圧貯蔵室29とする。大容量の空気貯蔵が可能であり、
国頭村西海岸数カ所の企業局取水ポンプ場の動力源とし
ての空気利用を主とする。
【0247】図40(1)(2)は、漢那ダムの空気開
発利用計画における圧縮空気の製造・貯蔵・利用システ
ムを示す図である。放流水エネルギーを用いて製造され
た圧縮空気を小規模の定圧または変圧貯蔵室で調圧し、
曝気、散気等の空気消費施設に直接送気する。放流時の
み空気利用を行うとして大容量空気貯蔵室を用意する必
要がない。
【0248】全設備がダム軸下流側で施工できるために
既設の管理ダムにおいて特に有効であり、水質対策等の
動力費を大幅に縮減できる。
【0249】図41は、地上池、地下池における圧縮空
気の製造・貯蔵・利用システムを示す断面図であり、地
下池i1と地上池i2との連携で水循環を行う新しい水
資源開発システムを発明した。地上池i1の原水は、空
気製造室2tを経て浄水場へ送水されるが、空気製造室
2tで圧縮された空気は、地上池浮体の太陽熱タンク1
00によって増圧増量され、地下池表層の揚水タンク1
01に送られることで、地上池揚水用に利用される。揚
水用エネルギーの不足分は、夜間電力によって地上池に
揚水する。
【0250】図42は、以上説明した圧縮空気の製造・
貯蔵・利用システムの全容をフローチャートにして整理
したものである。本発明によると、ダム施設を利用して
圧縮空気を製造し、貯蔵することで、圧縮空気を無数の
用途に安価に利用できることが明らかである。
【0251】
【発明の効果】請求項1によると、ダム施設の既存のト
ンネルの上下2か所を閉鎖するだけで大規模な圧縮空気
製造室を実現できるため、大量に安価に圧縮空気を製造
でき、ダム施設において圧縮空気をふんだんに利用でき
る。
【0252】請求項2によると、ダム放流管や貯水池の
出口側に設けた水槽と前記ダム放流管や貯水池の出口と
の間、空気貯蔵室への送気管との間、大気との間並びに
放水管との間に開閉弁を設けてあるため、これらの開閉
弁を一定のタイミングで操作することによって、放流水
の水力エネルギーを圧縮空気に高効率、かつ安価に変換
できる。
【0253】請求項3によると、ダム放流水のエネルギ
ーを利用してクロスフロー水車やポンプ逆転水車などを
駆動し、その動力によってコンプレッサーを駆動し、圧
縮空気を製造する構成になっているため、ダムにおける
水力を有効利用することで圧縮空気を製造し、空気エネ
ルギーとして利用できる。
【0254】請求項4によると、ダム湖の近傍に風車を
設置し、その回転出力でコンプレッサーを駆動し、圧縮
空気を製造する構成になっているため、ダム近傍で発生
する風力エネルギーを有効利用することで圧縮空気を製
造し、空気エネルギーとして利用できる。
【0255】請求項5によると、余剰電力や夜間電力で
駆動される電動機によって空気圧縮タービンを駆動し
て、従来のガスタービン発電機の空気圧縮タービンの代
用をするため、従来のガスタービン発電機に比べて経済
的な発電が可能となる。その結果、商用電力より安価な
電力を供給でき、ダム施設の維持管理コストの低減が図
れる。
【0256】請求項6によると、水路トンネルを圧縮空
気の貯蔵室として利用するため、大量の圧縮空気を貯蔵
でき、しかも圧縮空気の貯蔵室に貯水池から通水するこ
とで、貯蔵室中の圧縮空気の圧力をほぼ一定圧に維持で
きる。
【0257】請求項7によると、貯水池と地下水の水封
効果により漏気を抑えることによって、水封一定圧に圧
縮空気を貯蔵可能としたため、水路トンネルの基本構造
を変える必要もなく、漏気漏水対策を安価に実現でき
る。
【0258】請求項8によると、圧縮空気の製造設備と
消費部との間に、圧縮空気の圧力を増圧したり降圧した
りできる手段を配設してあるため、消費部に適した圧力
の圧縮空気を供給することが可能となる。
【0259】請求項9によると、送気管を吸熱手段で覆
った構造としたため、送気管中の圧縮空気を加熱して増
圧することで、送気中の圧力低下を防止できる。また、
送気管を断熱手段で覆った場合は、送気管中の圧縮空気
の放熱を抑制できるため、圧力低下を効果的に抑えるこ
とができる。
【0260】請求項10によると、ダムまたはその周辺
施設を利用して圧縮空気を製造し、送気管で水質浄化施
設まで送気し、曝気や噴水などを行なって、水質を浄化
できるため、水質浄化施設の稼働に、ダムや周辺施設で
製造した圧縮空気を有効利用できる。
【0261】請求項11によると、河川などの水を圧縮
空気圧によって高所に押し上げ、高所からは落差によっ
て導水管などに供給できるため、揚水のための動力とし
て、ダムや周辺施設で製造した圧縮空気を有効利用でき
る。
【0262】請求項12によると、ダム通廊の集水ピッ
ト中に設けた水槽に、集水ピットの水が逆止弁を通じて
流入し、圧縮空気を前記水槽中に送ると、水槽中の水が
押し出されて排水される構造なため、ダム施設で製造さ
れた圧縮空気によって、ダム通廊に溜まった水を排水で
き、排水コストの低減が可能となる。
【0263】請求項13によると、取水塔側壁の高さの
異なる位置に設けた取水管の逆U字状部に圧縮空気を給
排することによって、各取水管の開閉を制御できるた
め、圧縮空気を有効利用することによって、廉価に取水
位置を選択できる。
【0264】請求項14によると、弁機構に圧縮空気を
給排することによって、弁体の駆動が円滑に行なえるた
め、ダム施設で製造した圧縮空気を有効利用することに
よって、ゲートやバルブの制御が円滑かつ安価に行なえ
る。
【0265】請求項15によると、ダムの堤体下部の砂
礫排出路の底部の噴出管から圧縮空気を噴出させて、ジ
ェット水で砂礫を浮き上がらせるため、砂礫を円滑かつ
低コストで排出させることができる。
【0266】請求項16によると、大径ピストンと小径
ピストンからなる増圧手段を圧縮空気によって駆動し、
小径シリンダー中に冷媒を吸入して圧縮するため、電動
のコンプレッサーを必要とせず、ダム施設で安価に製造
できる圧縮空気を有効利用して、空調などを低コストで
行なうことができる。
【0267】請求項17によると、骨材タンク中に圧縮
空気を放出し、空気膨張によって骨材を冷却できるた
め、骨材の冷却を、簡単な設備で容易に行なえる。ま
た、圧縮空気はダム施設において大量に安価に製造でき
るので、ふんだんに使用できる。
【0268】請求項18によると、圧縮空気の給気管と
排気管の対をトンネル等の中に配管しておき、該給気管
を通る圧縮空気で駆動されるファンの回転力によって、
排気管側に設けた排気ファンを駆動して排気するため、
ダムの工事用や管理用のトンネルなどにおける換気を円
滑かつ安価に行なうことができる。
【0269】請求項19によると、ダムの傾斜したトン
ネルや法面などの斜面部で走行する台車を設け、長尺の
エアシリンダーに内蔵したカウンターバランスを圧縮空
気で駆動することによって、台車を往復走行させるた
め、傾斜したトンネルや法面などのような傾斜部におけ
る資材や人の運送にも安価な圧縮空気を活用できる。
【0270】請求項20によると、水と圧縮空気とを混
合してなる気泡ジェット水を水力発電用の水車に噴射し
て回転させるため、水流のみで水車を駆動する場合より
効率的に水車を回転でき、発電出力の向上が可能とな
る。
【0271】請求項21によると、ダムまたはその周辺
施設におけるクリーンかつ自然のエネルギーを利用して
圧縮空気を製造して水路トンネルなどに貯蔵しておき、
この貯蔵空気を取り出して空気圧機器などを駆動した
り、冷却などに利用できるため、ダムやその周辺施設に
おいて圧縮空気を自給自足することによって、電力など
を必要とせず、ダムの工事や管理などを低コストで実現
できる。
【0272】以上のように、本発明のシステムによる
と、湖水および風力などのエネルギーを圧縮空気に変換
し、そのまま動力源として活用できる。また、当システ
ムは、水質浄化、ダム管理設備、ポンプ取水、空調換気
等の公共公益施設の管理全般に有効である。
【0273】また、本発明システムは、クリーンエネル
ギーの有効利用、CO2 削減、コストの低廉性、施設管理
の容易さ等の利点から、ダム管理総合システムとしての
将来発展性が高い。
【0274】特に沖縄北部の場合「圧縮空気潜在需要が
高い(畜産排水や赤土砂流入に対する水質対策、中南部
送水用の多数の取水ポンプ場)、風力エネルギーが豊富
で圧縮空気製造が容易、水路トンネルを必要とする水資
源開発が多いため、低廉な空気貯蔵が可能」等の有利点
を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 仮排水トンネルを利用したチャンバー式の圧
縮空気製造装置の断面図である。
【図2】 水槽式の圧縮空気製造装置の断面図である。
【図3】 水槽式の圧縮空気製造装置の別の実施形態の
断面図である。
【図4】 増圧機能を兼ね備えた圧縮空気製造装置の断
面図である。
【図5】 水車駆動による圧縮空気製造装置を示す図で
ある。
【図6】 風車駆動による圧縮空気製造装置を示す模式
側面図である。
【図7】 既設のダム水力発電システムにおける余剰電
力を用いて圧縮空気を製造する装置の模式側面図であ
る。
【図8】 水封一定圧に圧縮空気を貯蔵するシステムに
関する4タイプの実施形態を示す断面図である。
【図9】 熱膨張による増量増圧装置の斜視図である。
【図10】 力学的機構による増圧装置の断面図である。
【図11】 水車駆動式の増圧装置の模式側面図である。
【図12】 圧縮空気の長距離送気システムを示す断面図
である。
【図13】 曝気による水質改善装置の模式断面図であ
る。
【図14】 圧縮空気による揚水筒汲み上げ装置の模式断
面図である。
【図15】 圧縮空気による浮き式の噴水・揚水装置の模
式断面図である。
【図16】 熱対流攪乱によるダム湖水質改善装置の模式
断面図である。
【図17】 段階式の揚水装置の断面図である。
【図18】 空気圧縮式のポンプの断面図である。
【図19】 増圧機能を備えた揚水ポンプの断面図であ
る。
【図20】 魚道水汲み上げや環境池揚水に適した揚水装
置の断面図である。
【図21】 通廊排水と通廊換気において圧縮空気を直接
利用する装置を示す断面図である。
【図22】 選択取水装置において圧縮空気を利用する装
置を示す断面図である。
【図23】 水中ゲートバルブの開閉に圧縮空気力を使用
した装置の断面図である。
【図24】 ゲートバルブを空気圧シリンダーで開閉する
実施形態の断面図である。
【図25】 ゲートバルブを水圧シリンダーで開閉する実
施形態の断面図である。
【図26】 逆U字状の空気弁の実施形態を示す断面図で
ある。
【図27】 エアー式のピンチバルブの断面図である。
【図28】 排砂設備において圧縮空気を利用する装置の
断面図である。
【図29】 空調・冷却設備において圧縮空気を利用する
装置を示す配管図である。
【図30】 圧縮空気による骨材の冷却方法の実施形態を
示す図である。
【図31】 圧縮空気によるトンネルの換気装置を示す図
である。
【図32】 ダム施設における運搬に圧縮空気を利用する
技術を示す図で、(1)(2)全容を示す断面図、
(3)は長尺エアシリンダーの断面図、(4)は台車の
側面図である。
【図33】 気泡ジェット水による発電装置を示す模式断
面図である。
【図34】 羽地ダムにおける圧縮空気の製造・貯蔵・利
用システムを示す配置図である。
【図35】 羽地ダムにおける圧縮空気の製造・貯蔵・利
用システムを示す断面図である。
【図36】 大保ダムにおける圧縮空気の製造・貯蔵・利
用システムを示す配置図である。
【図37】 大保ダムにおける圧縮空気の製造・貯蔵・利
用システムを示す断面図である。
【図38】 大保−福地ダム導水路における圧縮空気の製
造・貯蔵・利用システムを示す断面図である。
【図39】 大保−奥間ダム導水路における圧縮空気の製
造・貯蔵・利用システムを示す断面図である。
【図40】 漢那ダムにおける圧縮空気の製造・貯蔵・利
用システムを示す配置図と断面図である。
【図41】 地上池・地下池における圧縮空気の製造・貯
蔵・利用システムを示す断面図である。
【図42】 本発明による圧縮空気の製造・貯蔵・利用シ
ステムの全容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ダム放流管 2 水槽(圧縮空気製造室) 2t トンネル(圧縮空気製造室) 2s 小径シリンダー室 2b 大径シリンダー室 Ps 小径ピストン Pb 大径ピストン P2 圧縮空気 V1〜V12 開閉弁 3 送気管 4 放流管 5 流入管 6 クロスフロー水車 7 放流管 8 コンプレッサー 8a〜8b 増速機 C1〜C2 クラッチ 9 発電機 10 風車 11 旋回部 12 圧縮空気一次タンク 13 圧縮空気送気管 14 ガスタービン燃焼室 15 出力タービン 16 増速機 17 発電機 18 空気圧縮タービン 19 電動機 20 地山 20L ダム湖 20d ダム堤体 21、22 仮排水路 21a、22a 定圧貯蔵室 21b 下流側 23 取水塔 24 取水管 25、25a〜25c、25u、25d 閉塞工 破線の矢印a1、a2 送気管路 実線の矢印a3 放流水の流れ 26 仮排水路 26a 水没側 27 利水放流管 27a 分岐管 29 トンネル導水路 30 Aダム直下流分岐管 31 サージタンク 32 フロート 33 分岐管 34 平行管路 34i、34o 供給管 35 大径ピストン 35c 低圧空気室 36 小径ピストン 36c 高圧空気室 37、37a、37b 送気管 38 吸熱材 39 断熱材 40 外管 41 空間 42 揚水筒 43 散気口 44 圧力タンク 45 浮き(フロート) V13 導水弁 V14 噴水弁 46a、46b 河床水槽 46c、46d、46f 中段水槽 46e 下段水槽 46t 上段水槽 47 導水管 48 ポンプ室 49 仕切り壁 50 吸水口 V15、V16 逆止弁 V17、V18 電磁弁 57a…57d 取水管 74 トンネル 75 台車 76 滑車 Y ワイヤー 77 カウンターバランス 78 長尺のエアシリンダー 79 気泡ジェット水 80 リング状の水管 87 温度躍層 89 ゲート弁体 90 ピストン 93 空気弁 95 水圧弁 96 骨材タンク 97 骨材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜納 敏男 沖縄県名護市字名護4752番地 沖縄開発庁 沖縄総合事務局北部ダム事務所内 (72)発明者 坂本 忠彦 東京都港区麻布台2丁目4番5号 メソニ ック39森ビル7F 財団法人ダム技術セン ター内 Fターム(参考) 3H069 AA02 CC02 CC07 DD01 DD42 EE11 3H074 AA08 AA10 AA16 AA20 BB10 BB11 BB30 CC17 CC28 CC32

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダム施設のトンネルの上下2か所を閉鎖
    して、圧縮空気の製造室とし、該トンネル内に注水を行
    なうための注水弁と該トンネル内に溜まった水の放水を
    制御する放水弁とを設け、 該トンネル内における水位上昇によって製造された圧縮
    空気を取り出すための排気弁と、該トンネル内に外気を
    吸気するための吸気弁とを設けてなることを特徴とする
    圧縮空気の製造装置。
  2. 【請求項2】 ダム直下のダム放流管や貯水池の出口側
    に水槽を設けて、圧縮空気の製造室とし、この水槽と前
    記ダム放流管や貯水池の出口との間、空気貯蔵室や空気
    利用手段への送気管との間、大気との間並びに放水管と
    の間に弁手段をそれぞれ配設し、弁操作によって水槽中
    に放流水を溜め、その水位上昇によって水槽中の空気を
    圧縮し、圧縮空気に変換可能としたことを特徴とする圧
    縮空気の製造装置。
  3. 【請求項3】 ダム放流水で駆動される水車を設置し、
    その動力をコンプレッサーの動力軸に伝達する構造とし
    たことを特徴とする圧縮空気の製造装置。
  4. 【請求項4】 ダム湖の近傍に風車を設置し、その回転
    出力がコンプレッサーの動力軸に伝達される構造とした
    ことを特徴とする圧縮空気の製造装置。
  5. 【請求項5】 ダム設備において発生する余剰電力や夜
    間電力によって駆動される電動機を設け、この電動機で
    空気圧縮タービンを駆動して得た圧縮空気をガスタービ
    ン燃焼室に直接供給するように構成してなることを特徴
    とする圧縮空気の製造装置。
  6. 【請求項6】 導水路や仮排水路等の水路トンネルを仕
    切って圧縮空気の貯蔵室として有効利用し、圧縮空気貯
    蔵室へ貯水池から通水することで、ほぼ一定圧に圧縮空
    気を貯蔵可能としたことを特徴とする圧縮空気の貯蔵装
    置。
  7. 【請求項7】 水路トンネルの基本構造を変えずに、貯
    水池と地下水の水封効果により漏気を抑えることによっ
    て、水封一定圧に圧縮空気を貯蔵可能としたことを特徴
    とする請求項6記載の圧縮空気の貯蔵装置。
  8. 【請求項8】 圧縮空気の製造設備と消費部との間にお
    いて、圧縮空気の圧力を増圧したり降圧したりできる手
    段を配設して、消費部に適した圧力の圧縮空気を供給可
    能としたことを特徴とする圧縮空気の供給装置。
  9. 【請求項9】 圧縮空気をその消費場所まで送気管で送
    気するシステムにおいて、送気管を吸熱手段や断熱手段
    で覆った構造とすることによって、送気管中の圧縮空気
    を加熱したり、放熱を抑制可能としたことを特徴とする
    圧縮空気の移送装置。
  10. 【請求項10】 ダムまたはその周辺施設を利用して製
    造した圧縮空気を送気管によって、曝気や噴水などによ
    る水質浄化施設まで送気し、圧縮空気によってダム湖や
    河川、浄水場、下水道などにおける水質を改善すること
    を特徴とする圧縮空気による水質改善方法。
  11. 【請求項11】 河床などと地上少なくとも一段に水槽
    を設置し、河床側の水槽に溜めた水を、該河床側水槽に
    圧縮空気を供給して、地上の水槽に押し上げ揚水し、地
    上水槽から落差によって導水管などに給水することを特
    徴とする圧縮空気の利用装置。
  12. 【請求項12】 ダム通廊の集水ピット中に設けた水槽
    に、圧縮空気供給用の電動弁と逆止弁を設けることによ
    って、圧縮空気供給弁が閉じた状態で集水ピットから逆
    止弁を通じて流入して来た水を、圧縮空気供給弁を開け
    て圧縮空気を前記水槽中に送り、圧縮空気の圧力で、水
    槽中の水を押し上げて排水する構造としたことを特徴と
    する圧縮空気の利用装置。
  13. 【請求項13】 取水塔の側壁の高さの異なる位置に逆
    U字状の取水管を設けると共に、各取水管の逆U字状部
    に圧縮空気を供給できるように配管してあり、それぞれ
    の取水管への圧縮空気の供給を制御する操作弁を有して
    いることを特徴とする圧縮空気の利用装置。
  14. 【請求項14】 ダム施設における水の通過を制御する
    ゲートまたはバルブ部において、弁機構に圧縮空気を供
    給したり、排気したりすることによって、弁体の駆動を
    円滑に行なう構造としたことを特徴とする圧縮空気の利
    用装置。
  15. 【請求項15】 ダムの堤体に形成された砂礫排出路の
    底部に、圧縮空気利用の加圧水噴出管を敷設してあり、
    加圧水を噴き出して砂礫を浮き上がらせ、排出路を流下
    させるように構成してなることを特徴とする圧縮空気の
    利用装置。
  16. 【請求項16】 ダム施設やダム工事現場に使用される
    空調、冷却あるいは換気する設備において、膨張弁で冷
    媒を減圧して冷却を行なうための冷媒を圧縮する手段と
    して、大径ピストンと小径ピストンからなる増圧手段を
    設け、その小径ピストン側のシリンダー室に吸入した冷
    媒の圧縮を、大径ピストンの入っているシリンダー室に
    圧縮空気を給排して大径ピストンと小径ピストンを往復
    駆動することによって行なう構造となっていることを特
    徴とする圧縮空気の利用装置。
  17. 【請求項17】 骨材を入れる骨材タンク中において、
    圧縮空気を放出し、圧縮空気の膨張によって、骨材を冷
    却することを特徴とする圧縮空気の利用方法。
  18. 【請求項18】 ダムの工事用や管理用のトンネルなど
    における換気システムであって、圧縮空気の給気管と排
    気管の対を配管しておき、該給気管を通る圧縮空気によ
    って回転駆動されるファンを配設してあり、該ファンの
    回転力によって回転駆動される吸気ファンで排気を行な
    う構造となっていることを特徴とする圧縮空気の利用装
    置。
  19. 【請求項19】 ダムまたは法面などの斜面部運搬の設
    備において、1本または複数本のレールにガイドされて
    走行する台車を設け、この台車を往復走行させるための
    カウンターバランスをワイヤーを介して連結し、このカ
    ウンターバランスを長尺のエアシリンダーに内蔵して、
    圧縮空気圧によって往復駆動することを特徴とする圧縮
    空気の利用装置。
  20. 【請求項20】 水力発電用の水車に、水と圧縮空気と
    を混合してなる気泡ジェット水を噴射して水車を回転さ
    せ、発電機を駆動することを特徴とする圧縮空気の利用
    装置。
  21. 【請求項21】 ダムまたはその周辺施設における自然
    エネルギーを利用して圧縮空気を製造して水路トンネル
    などに貯蔵し、貯蔵空気を取り出して空気圧機器その他
    に利用することを特徴とする圧縮空気の製造・貯蔵・利
    用システム。
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