JP2000257368A - 既設トンネルの拡幅工法 - Google Patents

既設トンネルの拡幅工法

Info

Publication number
JP2000257368A
JP2000257368A JP6509899A JP6509899A JP2000257368A JP 2000257368 A JP2000257368 A JP 2000257368A JP 6509899 A JP6509899 A JP 6509899A JP 6509899 A JP6509899 A JP 6509899A JP 2000257368 A JP2000257368 A JP 2000257368A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
existing
lining
tunnel
existing lining
lining portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6509899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4057734B2 (ja
Inventor
Shigeru Iiboshi
茂 飯星
Yoshio Osato
祥生 大里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP6509899A priority Critical patent/JP4057734B2/ja
Publication of JP2000257368A publication Critical patent/JP2000257368A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4057734B2 publication Critical patent/JP4057734B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設トンネルの拡幅工事中における長期間に
わたる車輌および列車の通行制限をなくすことができる
トンネル拡幅工法の提供を行う。 【解決手段】 既設覆工部Cを有する既設トンネルTに
おいて、前記既設覆工部の外周部G1を掘削し、拡幅し
た壁面を覆工した後、前記既設覆工部を除去する、既設
トンネルの拡幅工法であって、「(1)前記既設覆工部
の外周部掘削時において、前記既設トンネルの内空部T
1を侵すことなく、前記既設覆工部の安定性を保持する
既設覆工部保持工程。(2)前記既設覆工部の外周部掘
削終了後および拡幅した壁面の覆工終了後、前記既設ト
ンネルの内空部を遮蔽する遮蔽手段(作業用架台40)
を設け、前記遮蔽手段の外側に存在する前記既設覆工部
を除去する既設覆工部除去工程。」の各工程を含むこと
を特徴する既設トンネルの拡幅工法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設トンネルを拡
幅するためのトンネル拡幅工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】既設トンネルにおいて、トンネル覆工コ
ンクリートの老朽化、通行車輌の大型化、運行列車の高
速化、通行量の増大などの理由により、当該既設トンネ
ルの拡幅を行う(以下、「拡幅工事」という)ことが数
多く行われている。従来、前記拡幅工事を行う代表的な
方法としては、以下の二つの方法が存在していた。
【0003】第一の方法は、図6(a)に示すように、
既設トンネルT’の覆工コンクリ−トC’と拡幅すべき
地山G’を同時に掘削し、最終的に、拡幅した壁面に覆
工コンクリートK’を打設して拡幅工事を行うものであ
る。しかし、この方法では、既設トンネルT’の内空部
T’1内に、掘削機械、ズリ積み込み機械、ズリ搬出用
トラックなどの各種作業用機械90を配設して作業を行
うことになり、作業中は一般車輌に対し通行制限の措置
を講じる必要がある。
【0004】また、第二の方法は、図6(b)に示すよ
うに、既設トンネルT’の覆工コンクリートC’を残し
て拡幅すべき地山G’を掘削し、次に、拡幅した壁面に
覆工コンクリートK’の打設を行い、最後に、既設トン
ネルT’の覆工コンクリートC’の解体・撤去を行うも
のである。しかし、当該方法においては、既設トンネル
T’の覆工コンクリートC’は地山G’から直接地盤反
力をとることができず、アーチ形状を有する覆工コンク
リートC’が不安定となるため、覆工コンクリートC’
の内側や外側に設けた補強材91,92により、その安
定性を保つことが必要になる。このため、当該方法にお
いても、既設トンネルT’の内空部T’1に設ける補強
材92の存在により、車線数の減少を伴い、また、一時
的とはいえ既設トンネルT’の覆工コンクリートC’の
解体・撤去時に、前記の第一の方法と同様の通行制限の
措置を講じる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】既設トンネルは、その
ほとんどが供用中である。そのため、従来の代表的な方
法で拡幅工事を行う場合には、道路トンネルにおいて
は、車輌通行禁止、車線数の減少などの通行制限を伴う
ことになり、円滑な交通を妨げ、交通渋滞等を引き起こ
してしまうという問題が生じていた。また、鉄道トンネ
ルにおいては、列車運行規制を行うか、あるいは、夜間
等の列車通行がない極めて短時間の中で、拡幅工事を実
施することが必要になっていた。
【0006】本発明は、前記のそれぞれの問題点を除く
ためになされたものであり、既設トンネルの拡幅工事中
における長期間にわたる車輌および列車の通行制限をな
くすことができるトンネル拡幅工法の提供を行うととも
に、安全性および経済性にも優れたトンネル拡幅工法の
提供を行うことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】要するに請求項1記載の
本発明は、既設覆工部を有する既設トンネルにおいて、
前記既設覆工部の外周部を掘削し、拡幅した壁面を覆工
した後、前記既設覆工部を除去する、既設トンネルの拡
幅工法であって、「(1)前記既設覆工部の外周部掘削
時において、前記既設トンネルの内空部を侵すことな
く、前記既設覆工部の安定性を保持する既設覆工部保持
工程。(2)前記既設覆工部の外周部掘削終了後および
拡幅した壁面の覆工終了後、前記既設トンネルの内空部
を遮蔽する遮蔽手段を設け、前記遮蔽手段の外側に存在
する前記既設覆工部を除去する既設覆工部除去工程。」
の各工程を含むことを特徴としている。ここで、前記既
設覆工部の安定性を保持するための対策としては、既設
覆工部を補強手段により構造的に補強すること、およ
び、既設覆工部からの覆工材料の剥離防止を行うことが
含まれる。
【0008】したがって、本発明によれば、既設覆工部
保持工程により、既設覆工部の外周部掘削時において、
当該既設覆工部の安定性を確保することができるため、
既設覆工部の内空部に設ける必要があった補強材を不要
とすることができる。また、既設覆工部除去工程によ
り、既設覆工部の内空部を遮蔽する遮蔽手段を設け、前
記遮蔽手段の外側に存在する前記既設覆工部を除去する
ことで、既設覆工部を除去する際に、既設覆工部の内空
部に各種の破砕物等が落下することを防止することがで
きる。そのため、本発明によれば、拡幅工事中におい
て、一般車輌の通行制限をなくすことが可能となる。
【0009】また、請求項2記載の既設トンネルの拡幅
工法は、請求項1記載の既設トンネルの拡幅工法におい
て、前記既設覆工部の壁面変位の計測を行うことによ
り、前記既設覆工部の安全性を確認しながら、前記既設
トンネルの拡幅を行うことを特徴としている。ここで、
前記既設覆工部の壁面変位の計測は、当該既設トンネル
壁面にレーザー測距儀を設置し、当該装置により行うこ
とが好ましいものである。
【0010】したがって、本発明を用いて、既設覆工部
の壁面変位の計測を行うことにより、当該既設覆工部の
安全性の確認を行うことができるため、一般車輌の通行
が行われている既設トンネルにおいて、より安全に拡幅
工事を行うことが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。ここで、実施形態
の説明に先立ち、本発明の既設トンネル拡幅工法を適用
する既設道路トンネル(以下、「既設トンネル」とい
う)について、簡単に説明する。
【0012】◎既設トンネルの概要 図5に示すように、地山G内に、楕円形状の既設トンネ
ルTが形成されている。当該既設トンネルTの壁面は、
アーチ形状に形成されたコンクリートで覆工されてい
る。前記既設トンネルTにおけるコンクリートによる覆
工部を、既設覆工部Cと称することにする。ここで、既
設トンネルTの拡幅は、前記既設トンネルTの断面形状
と略相似形である断面形状であって、所望の幅員となる
ように行うものである。さらに、原則的に、拡幅工事中
には、既設トンネルTの内空部T1を一般車輌Sが通行
している。
【0013】◎既設トンネルTの拡幅工法 図5に示すように、本発明に係る既設トンネルTの拡幅
工法の考え方は、既設覆工部Cを、既設トンネルT内を
通行している一般車輌Sに対する防御部材として使用し
ながら、当該既設覆工部Cの外周部G1の掘削を行い、
拡幅した壁面を覆工して拡幅覆工部Kを形成した後、既
設覆工部Cを除去するものである。すなわち、本発明
は、まず、既設覆工部Cの外周部G1を掘削(以下、
「外周部掘削工程」という)して、拡幅した壁面を覆工
した(以下、「拡幅壁面覆工工程」という)後、前記既
設覆工部Cを除去する工法であり、既設覆工部保持工程
と、既設覆工部除去工程を含むものである。以下に、各
工程について詳説する。
【0014】○外周部掘削工程 本工程は、既設覆工部Cの外周部G1を、所望の幅員に
対応するまで掘削する工程であり、既存の各種掘削工法
を用いることができる。
【0015】○既設覆工部保持工程 本工程は、前記外周部掘削工程の実施時において、一般
車輌Sの円滑な通行を確保するため、前記既設トンネル
Tの内空部T1を侵すことなく、既設覆工部Cの安定性
を保持する工程である。ここで、「既設トンネルTの内
空部T1を侵すことなく」とは、当該内空部T1に一般
車輌Sの通行を阻害する部材や装置等を設けたり、当該
内空部T1で種々の作業を行うことがないようにするこ
とを意味する。
【0016】既設覆工部Cの安定性を保持するための対
策としては、当該既設覆工部Cを補強手段により構造的
に補強すること、および、既設覆工部Cからの覆工材料
の剥離防止に関する対策を行うことが含まれる。なお、
本工程は、既設覆工部Cを形成する覆工コンクリートの
状態が非常に良く、地山Gからの反力が得られなくても
作業に支障がない場合には、既に既設覆工部Cの保持が
達成されていると考えられるため、本工程を必ずしも行
う必要はない。その意味において、本工程は任意工程で
あると考えることもできる。また、外周部掘削工程の当
初は、本工程を行わない場合であっても、既設覆工部C
の外周部G1を掘削することに伴い、当該既設覆工部C
を補強する必要性が生じる場合も存在する。そのような
場合には、事後的に、本工程を実施することは言うまで
もない。
【0017】1)既設覆工部Cの構造的補強 既設覆工部Cの構造的補強は、既設覆工部Cを既存の各
種工法を使用して補強することにより、既設覆工部Cの
アーチ作用を適切に維持させ、その安定性を確保するこ
とを目的として行うものである。実際に作業を行う場合
には、既設トンネルT内を通行する一般車輌Sの走行を
妨害しないように、既設覆工部Cの外周部G1側から行
うことが必要である。なお、本工程は、通常、既設トン
ネルTの外周部G1を所定の幅員に拡幅掘削した後に、
行うものである。
【0018】図1(a)は、既設覆工部Cの構造的補強
方法の第1実施形態を示したものである。当該実施形態
は、既設覆工部Cの状態がやや危険と考えられる場合の
対策であり、当該既設覆工部Cの外周面C1を鉄筋11
と吹付けコンクリート12により補強したものである。
なお、前記第1実施形態の場合と比較して、既設覆工部
Cの状態が良好な場合には、単に、当該既設覆工部Cの
外周面C1を吹付けコンクリート12のみで補強するこ
とにより対応可能である。
【0019】図1(b)は、既設覆工部Cの構造的補強
方法の第2実施形態を示したものである。この場合は、
前記第1実施形態の場合と比較して、既設覆工部Cの状
態が危険である場合の対策である。当該実施形態では、
既設覆工部Cの外周面C1を高張力ケーブル21で緊締
するとともに、さらに吹付けコンクリート22、あるい
は鉄筋コンクリートで補強するものである(図中には、
吹付けコンクリート22の場合のみを示している)。前
記高張力ケーブル21の緊張力は、既設覆工部Cにおけ
る脚部の外側面に設けられたターンバックル24により
与えられており、当該ターンバックル24の先端部は、
地中に固定されているロックボルト25に固着されてい
る。
【0020】既設覆工部Cの外周面C1には、凹凸が存
在する。そのため、前記高張力ケーブル21の緊締を行
う際には、高張力ケーブル21と既設覆工部Cの間に、
所定の間隔で砂を袋詰めにしたサンドバック23を介挿
させることにより、高張力ケーブル21が既設覆工部C
に及ぼす力の作用点を明確にすることが行われる。さら
に、従来から実施されている方法のように、既設覆工部
Cの外側から補強材を設けることや、既設覆工部Cの脚
部の変位を阻止するために根固めコンクリートを打設す
ることなどを必要に応じて実施することもできる。
【0021】2)覆工材料の剥離防止 応力集中や覆工材料の劣化に起因して、既設覆工部Cの
内周面C2にすでに亀裂が入っている場合がある。この
ような場合、拡幅工事中に、既設トンネルTの内空部T
1内に既設覆工部Cを構成する覆工材料の剥離物が落下
し、大事故の原因となる可能性がある。本工程における
作業は、このような既設覆工部Cからの覆工材料の剥離
防止に関する対策を目的とするものである。
【0022】覆工材料の剥離防止の対策においても、通
常一般的に用いられている各種工法を使用することがで
きる。例えば、図2に示すように、既設覆工部Cに、外
周面C1から内周面C2に向かって穿孔を行い、被覆材
33を既設覆工部Cの内周面C2に被覆し、ボルト31
とナット32により固定する。この際、前記ボルト31
は、既設覆工部Cの外周面C1方向から貫通孔C3に螺
入し、内周面C2側に設けたナット32に螺合する。前
記被覆材33は、剥離物の落下性状に応じて、ベアリン
グプレート、金網、高強度繊維布などを選択することが
できる。さらに、施工現場の状態により、被覆材33
と、既設覆工部Cを一体化させる必要がある場合には、
樹脂吹き付けなどを併用することも行われる。
【0023】なお、本方法において、被覆材33の既設
トンネルT内ヘの搬入作業、および、当該被覆材33の
既設覆工部Cへの固定作業時には、一時的ではあるが既
設トンネルT内での作業が必要となるため、当該既設ト
ンネルT内を通行する一般車輌Sの通行制限を行うこと
が必要となる。しかし、前記穿孔作業は、既設トンネル
Tの外周面C1側から行うことが可能であり、また、被
覆材33は軽量であることから作業は簡単であり、短時
間で行うことができる。したがって、長期間に渡り、一
般車輌Sの通行制限を行う必要はないため、従来工法の
有していた大きな問題は生じない。
【0024】○拡幅壁面覆工工程 本工程は、外周部掘削工程の終了後、拡幅した壁面に覆
工コンクリートを打設し、拡幅覆工部Kを形成する工程
である。本工程は、既存の各種工法を用いることができ
る。
【0025】○既設覆工部除去工程 前記外周部掘削工程および拡幅壁面覆工工程の終了後に
は、既設覆工部Cの解体・撤去を実施することになる
が、この場合も、既設トンネルTの内空部T1内に、既
設覆工部Cの構成材料であるコンクリートの破砕物(以
下、「破砕物」という)を落下させないようにしなけれ
ばならない。本工程は、前記拡幅壁面覆工工程終了後、
既設トンネルTの内空部T1を遮蔽する遮蔽手段を設
け、当該遮蔽手段の外側に存在する既設覆工部Cを除去
することにより、既設トンネルTの内空部T1内の安全
性を確保しながら、その作業を行うものである。
【0026】本工程について説明する前に、本工程で使
用する遮蔽手段である破砕用架台40について、図4を
参照して説明する。当該破砕用架台40は、前方部の鋼
製シールド41と、後方部の作業架台42から構成され
ている。鋼製シールド41は、既設覆工部Cの下部に設
けられ、既設トンネルTの内空部T1に破砕物が落下し
ないようにするための遮蔽手段である。当該鋼製シール
ド41は、空間的制限を有する既設トンネルTの内空部
T1を最大限に有効利用するために、既設覆工部Cの内
空部T1側に隙間なく設置されることが好適である。そ
のため、既設覆工部Cの形状であるアーチ形状と略等し
い形状に形成されている。また、前記鋼製シールド41
は、長手方向に、作業を行うに足りるだけの所望の長さ
を有している。さらに、作業架台42は、その上部に破
砕機M、および、ずり搬送用の設備(図示せず)等を載
置し、既設覆工部Cの破砕作業を行うための作業部であ
る。当該作業架台42は門型断面を有しており、破砕作
業時当初は、その前面部42aが既設覆工部Cのアーチ
クラウンC4の部位に当接する形態に設けられている。
そして、鋼製シールド41と作業架台42は、その中間
部において連結材44により一体となっている。
【0027】また、前記鋼製シールド41と作業架台4
2の所定位置には、移動手段である車輪43が付設され
ている。当該車輪43は、電動機などの駆動手段(図示
せず)により回動するように構成されており、破砕用架
台40は、既設トンネルTの長手方向に移動自在になっ
ている。前記破砕用架台40は、前記のように形成され
ているため、前記既設トンネルTの内空部T1を遮蔽す
るとともに、当該内空部T1に、一般車輌Sを通過させ
ることができるようになっている。
【0028】次に、本工程の作業手順について説明す
る。図4に示すように、既設トンネルTの入口方向(図
中右方向)から、破砕用架台40を鋼製シールド41が
前方になる向きで、既設覆工部Cの下方に進入させる。
所定位置にまで、鋼製シールド41を進入させた後、破
砕機Mを作業架台42の前方位置に移動させる。そし
て、当該鋼製シールド41上の既設覆工部CCを、破砕
機Mにより破砕し、ずり搬送設備(図示せず)を用いて
破砕物を、既設トンネルTの坑外に搬出する。このと
き、破砕物は、鋼製シールド41が存在することによ
り、既設トンネルTの内空部T1に落下することがない
ため、一般車輌Sの通行を阻害することがなく、その作
業を行うことができる。
【0029】所定区間における鋼製シールド41上の既
設覆工部CCの除去が終了した後、破砕用架台40を移
動させ、トンネル区間の全長にわたって、同様の作業を
行うことになる。
【0030】前記作業により除去される既設覆工部C
は、主に、上部に位置する部分のみであり、既設覆工部
Cの側面部は、別の破砕機により破砕される。しかし、
この場合であっても、前記破砕用架台40により、既設
覆工部Cの側面部は遮蔽されているため、既設トンネル
Tの内空部T1内に破砕物が飛散等することはなく、一
般車輌Sに影響を及ぼすことはない。
【0031】なお、破砕用架台40は、前記実施形態の
ように、既設トンネルTの内空部T1側に隙間がなく設
置されることが作業上効率的である。しかし、既設トン
ネルTの断面が比較的大きい場合には、一般車輌Sの通
行を妨げない位置に設けるものであればよいことはもち
ろんである。
【0032】○安全性の確保 本発明の既設トンネルの拡幅工法は、前記のようにアー
チ形状である既設覆工部Cを通行車輌Sに対する防御部
材として採用している。一般にアーチ形状は、非常に安
定性の高い構造形式であるが、本発明の工法における拡
幅工事では、作業の進行に伴い、このような条件はさま
ざまに変化する。しかも、前記各工程の作業中におい
て、既設トンネルTの内空部T1内を一般車輌Sが通行
している。したがって、既設覆工部Cの崩壊等が生じる
と、大惨事になりかねないことになる。そのため、施工
場所付近における既設覆工部Cの壁面変位の計測を行う
ことにより、前記既設覆工部Cの安全性を確認しなが
ら、前記既設トンネルTの拡幅を行う必要がある。当該
既設覆工部Cの壁面変位の計測は、従来から使用されて
いる各種の計測装置を用いることが可能である。しか
し、特に、一般車輌Sの通行障害を起こさないレーザー
測距儀51を使用することにより、非常に精度の高い、
良好なデータを、簡易かつ容易に得ることができる。
【0033】図3は、実施の一形態を示したものであ
り、既設覆工部Cの内周面C2に、所定位置に架台52
を付設し、当該架台52上に壁面変位を検出するための
レーザー測距儀51を設置したものである。当該レーザ
ー測距儀51は、データ解析手段(図示せず)に接続さ
れており、常時、壁面変位の観測を行っている。前記各
レーザー測距儀51により、壁面変位の大きい箇所P
1,P2,P3を検出した場合には、前記既設覆工部保
持工程等の各種の安全対策を迅速に講じることが可能と
なる。
【0034】以上、本発明の既設トンネル拡幅工法の好
適な実施形態を例示して説明した。しかし、本発明は、
前記実施例で示した既設トンネル拡幅工法に限られず、
前記構成を有する各種の方法において適用可能であるこ
とは言うまでもない。また、通常既設トンネルTは、所
定の区間長を有しているため、一定区間毎に前記各工程
を並行して行うことが一般的である。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、既設覆工部保持工程に
より、既設覆工部の外周部掘削時における当該覆工部の
安定性を確保することができるため、既設覆工部の内空
部に設ける必要があった補強材を不要とすることが可能
となる。また、既設覆工部除去工程により、既設覆工部
の内空部を遮蔽する遮蔽手段を設け、前記遮蔽手段の外
側に存在する前記既設覆工部を除去することで、既設覆
工部を除去する際に、既設覆工部の内空部に各種の破砕
物等が落下することを防止することができる。そのた
め、本発明によれば、拡幅工事中において、一般車輌の
通行制限をなくすことが可能となる。
【0036】また、本発明を用いて、既設覆工部の壁面
変位の計測を行うことにより、当該既設覆工部の安全性
の確認を行うことができるため、一般車輌の通行が行わ
れている既設トンネルにおいて、より安全に拡幅工事を
行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の既設トンネル拡幅工法における既設覆
工部保持工程(既設覆工部の構造的補強)を示す正断面
図であり、(a)は第1実施形態、(b)は第2実施形
態である。
【図2】本発明の既設トンネル拡幅工法における既設覆
工部保持工程(覆工材料の剥離防止)の第3実施形態で
ある。
【図3】本発明の既設トンネル拡幅工法において、既設
覆工部に壁面変位の計測装置を設置した状態を示す正断
面図である。
【図4】本発明の既設トンネル拡幅工法における既設覆
工部除去工程を示す図であり、(a)は側断面図、
(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図である。
【図5】本発明の既設トンネルを示す正断面図である。
【図6】(a)、(b)ともに、従来の既設トンネル拡
幅工法の概要を示す正断面図である。
【符号の説明】
T 既設トンネル T1 内空部 G 地山 G1 外周部 C 既設覆工部 C1 外周面 C2 内周面 K 拡幅覆工部 11 鉄筋 12 吹付けコンクリート 21 高張力ケーブル 22 吹付けコンクリート 23 サンドバック 24 ターンバックル 25 ロックボルト 33 被覆材 40 破砕用架台 41 鋼製シールド 42 作業架台 51 レーザー測距儀 52 架台

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設覆工部を有する既設トンネルにおい
    て、前記既設覆工部の外周部を掘削し、拡幅した壁面を
    覆工した後、前記既設覆工部を除去する、既設トンネル
    の拡幅工法であって、 (1)前記既設覆工部の外周部掘削時において、前記既
    設トンネルの内空部を侵すことなく、前記既設覆工部の
    安定性を保持する既設覆工部保持工程。 (2)前記既設覆工部の外周部掘削終了後および拡幅し
    た壁面の覆工終了後、 前記既設トンネルの内空部を遮蔽する遮蔽手段を設け、 前記遮蔽手段の外側に存在する前記既設覆工部を除去す
    る既設覆工部除去工程。 の各工程を含むことを特徴とする既設トンネルの拡幅工
    法。
  2. 【請求項2】 前記既設覆工部の壁面変位の計測を行う
    ことにより、前記既設覆工部の安全性を確認しながら、
    前記既設トンネルの拡幅を行うことを特徴とする請求項
    1記載の既設トンネルの拡幅工法。
JP6509899A 1999-03-11 1999-03-11 既設トンネルの拡幅工法 Expired - Fee Related JP4057734B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6509899A JP4057734B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 既設トンネルの拡幅工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6509899A JP4057734B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 既設トンネルの拡幅工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000257368A true JP2000257368A (ja) 2000-09-19
JP4057734B2 JP4057734B2 (ja) 2008-03-05

Family

ID=13277113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6509899A Expired - Fee Related JP4057734B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 既設トンネルの拡幅工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4057734B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100446543B1 (ko) * 2001-11-23 2004-09-01 구영숙 터널 확장 시공방법
JP2004285789A (ja) * 2003-03-25 2004-10-14 Public Works Research Institute トンネル拡幅装置
CN112253138A (zh) * 2020-11-03 2021-01-22 中铁隆工程集团有限公司 地铁隧道小断面进入大断面变断面开挖的施工方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100446543B1 (ko) * 2001-11-23 2004-09-01 구영숙 터널 확장 시공방법
JP2004285789A (ja) * 2003-03-25 2004-10-14 Public Works Research Institute トンネル拡幅装置
CN112253138A (zh) * 2020-11-03 2021-01-22 中铁隆工程集团有限公司 地铁隧道小断面进入大断面变断面开挖的施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4057734B2 (ja) 2008-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01315586A (ja) トンネルの拡径方法および装置
JP7018614B2 (ja) コンクリート構造物における誘発目地の形成方法
JP6529378B2 (ja) インバート施工方法、トンネル施工方法およびトンネル用テルハクレーン
CN110485251A (zh) 一种全桥一体化顶推的钢结构桥梁及其施工方法
JP2020084474A (ja) 既設トンネルの拡幅工法
JP2000257368A (ja) 既設トンネルの拡幅工法
EP1972753B1 (de) Verfahren zum Aufweiten eines Tunnels und Vorrichtung zum Durchführen des Verfahrens
Bystrov et al. Issues and concepts of road transport structures’ development and provision of traffic and pedestrian safety
JP2023138680A (ja) トンネル改修工法及び改修装置
CN103590839B (zh) 地铁车站现浇结构门式支架施工工艺
JP3864377B2 (ja) 既設トンネル拡幅工法
CN114109416B (zh) 隧道内tbm主轴承更换方法
JP3888993B2 (ja) トンネル拡幅方法
JP4938569B2 (ja) トンネル拡幅防護装置と拡幅工法。
JPH11229751A (ja) 既設トンネルの拡幅装置
JP2001123798A (ja) トンネル内工法
US5014381A (en) Rolling platform assembly
JP2649482B2 (ja) トンネルの拡幅工法
JP2004084343A (ja) トンネル断面拡大工法及びトンネル内一般車両保護構造
JP2024118943A (ja) 搬送システムおよび搬送方法
JP3716346B2 (ja) 既設トンネルの拡幅工法及び該既設トンネルの解体方法
KR20230122223A (ko) 종방향 보강재를 이용한 터널 시공방법
JP5775838B2 (ja) トンネルの施工方法
CA2406494C (en) Road works shield and gantry
JP2004092391A (ja) トンネル分岐構造及び分岐トンネルの構築方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071214

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees