JP2000257218A - 屋根板の板端化粧材、それを用いる屋根の谷構造 - Google Patents

屋根板の板端化粧材、それを用いる屋根の谷構造

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JP2000257218A JP11062652A JP6265299A JP2000257218A JP 2000257218 A JP2000257218 A JP 2000257218A JP 11062652 A JP11062652 A JP 11062652A JP 6265299 A JP6265299 A JP 6265299A JP 2000257218 A JP2000257218 A JP 2000257218A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】多段に横葺きした屋根谷の谷側板端の化粧仕上
げと雨仕舞い仕上げの作業性を向上すると共に、谷構造
の雨仕舞いを改善する谷構造の提供。 【解決手段】屋根板17の谷側端部17aを挟持可能に
折り返した板端係止部12が形成され、屋根の谷Yの長
手方向に沿って屋根下地Xに固定される長尺な固定板部
11を備えた板端化粧材を用いる谷構造は、谷に谷板1
5を固定し、この谷板上に板端係止部に水抜き部を有す
る板端化粧材を重ね合わせて固定したもので、谷板はそ
の長手方向に山形の止水部15aを有しており、また板
端化粧材は谷板の止水部を外部に露出させた状態で、且
つ、板端係止部の水抜部を谷板の止水部に向け開口させ
た状態で、谷板上に重ね合わせて固定してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、屋根板の谷側端
部の化粧材と、それを用いる屋根の谷構造に関する。
【0002】
【従来の技術】木造家屋などの建築物に用いられる屋根
材としては、横葺きの葺き上がりの美しさに加え、耐候
性・耐久性・強度などの点でも優れる横葺き用の金属製
屋根板が利用されつつあるが、その葺き作業を行う際に
は、特に屋根板の谷側板端の雨仕舞い仕上げと屋根の谷
構造が重要である。
【0003】図5は、屋根の谷構造を示す従来例であ
る。この谷構造は、先ず野地板Xにアスファルトルー
フィングXを敷設した屋根下地Xの谷Yに、偏平な断
面略V字状の長尺な谷板1を釘止めしてから、長尺の屋
根板2を軒から順に一段づつ横葺きした構造である。そ
して、この横葺き作業と併せて、屋根板2の谷側板端2
aを谷板1のハゼ折り部1aに沿って下向きに折り曲げ
るようにして、屋根板2の谷側板端2aについての雨仕
舞い仕上げを施すようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来の谷構造では、作業性や葺き上がりの外観がイマ
イチであることに加え、雨仕舞いについても改善の余地
があることが指摘されている。
【0005】すなわち、屋根板は実際に葺いてみないと
板端が谷側のどこに位置するのか分からないのが現場で
は普通であるため、工場で予め屋根板2の谷側板端2a
に曲げ加工を施しておいても意味がない。従って、図5
の谷構造では、屋根板2の谷側板端2aをハゼ折り部1
aに沿って折り曲げる“掴み込み”を屋根板2の一段ご
とに手作業で行わなければならず、これが作業効率を低
下させる一つの原因となっている。しかも、この場合に
は、余程の熟練者でなければ各段の屋根板2の谷側板端
2aの折り曲げ位置を、谷と平行するきれいな縦一文字
状に揃えることは難しく、上手くいかないと屋根全体の
葺き上がりの美しさを損なうことにもなりかねない。
【0006】また、熟練者が作業しても払拭しきれない
問題として雨仕舞いがある。即ち、谷板1や屋根板2を
構成する板材は一般的に厚さ0.3〜0.6mmほどあ
るため、上記のように谷側板端2aをハゼ折り部1aの
表面に対して密着状態で掴み込ませるのは、熟練を有す
る作業者であっても面倒で困難である。つまり、図6の
拡大図で示すように、谷側板端2aの裏面とハゼ折り部
1aの表面との間に隙間dがあると、例えば豪雨時や融
雪時の雨水Wが毛管現象等によって、そこを浸入口とし
てハゼ折り部1aを越えて谷板固定用の釘1bまで到達
し、今度はこの釘1bを伝って雨水Wが野地板Xにし
み込んで、野地板Xを腐食させかねない。特に、木造
家屋等の建築物の構造が、図5で示す右側の屋根板2よ
りも左側の屋根板2から谷Yへ流入する水量が多くなる
ような構造である場合には、左側の屋根板2から谷板1
へ流入した雨水Wが、勢い余って谷板1の谷Yを越えて
右側の屋根板2の谷側板端2aに到達することもあり、
すると上記と同様にして野地板Xを腐食させることに
もなりかねない。
【0007】本発明は、こうした従来の屋根板の谷側板
端と屋根の谷構造について、作業性と雨仕舞いを改善
し、尚かつその化粧仕上がりも美しくできるような屋根
板の谷側板端化粧材と屋根の谷構造を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成すべく本
発明は、屋根の谷の長手方向で多段に横葺きした屋根板
の谷側板端を複数段にわたって化粧する板端化粧材であ
って、谷の長手方向に沿って屋根下地に固定される長尺
な固定板部を有すると共に、谷側に位置させる固定板部
の一端側を、固定板部との間で上下から屋根板の谷側端
部を挟み込み可能に折り返してなる板端係止部を有する
屋根板の板端化粧材を提供する。
【0009】この板端化粧材は、谷の長手方向に沿って
屋根下地に固定される長尺な固定板部を有し、谷側に位
置させる固定板部の一端側を折り返して板端係止部を形
成して、固定板部と板端係止部の間に屋根板の谷側端部
を上下で挟み込める構造となっているから、屋根板の葺
き作業の際に、屋根板の谷側板端を固定板部と板端係止
部の間へ単に差し入れるだけの簡単な作業で谷側板端の
化粧仕上げを済ませることができる。また、屋根板の谷
側板端が風にあおられて上下にばたつきそうになって
も、谷側板端は板端係止部と接触してばたつきは抑えら
れる。しかも、この板端化粧材は、屋根の谷の長手方向
で多段に横葺きした屋根板の谷側板端を複数段にわたっ
て化粧するから、谷側板端同士の間で生じる位置差を板
端係止部で覆い隠すこともでき、外観的にも美しい仕上
がりの谷構造となる。
【0010】上記のような板端係止部としては、例え
ば、固定板部との間で鋭角をなすように長尺な固定板部
の一端側を折り返したり、固定板部の該一端側を逆さL
字状に折り返して形成することができ、その設計・製造
も容易である。
【0011】また、上記のような板端化粧材は、板端係
止部の先端側を板端係止部の外側面に沿って固定板部の
裏面まで折り返して二重構造にしてあるとより好まし
い。
【0012】この二重構造の板端化粧材によれば、板端
係止部の強度を向上できることに加え、板材の一方の面
のみを外観に現すことができるから、板端化粧材の表面
となる板材の一方面を塗装するだけで足り、その反対面
を塗装する必要がないから、コスト低減にも繋がる。
【0013】上記板端化粧材は、固定板部と板端係止部
の間に挟み込ませた屋根板表面の雨水を屋根の谷へ排水
する水抜き部を有するとさらに好ましい。
【0014】この水抜き部を有する板端化粧材によれ
ば、板端化粧材の固定板部と板端係止部との間に挟んだ
屋根板表面や固定板部に溜まる雨水を屋根の谷に逃がす
ことができ、特に屋根板の水はけを向上して雨仕舞い性
能の高い谷構造とすることができる。この水抜き部とし
ては、固定板部及び/又は板端係止部を部分的に所定形
状で切り欠いたり打ち抜いて形成することができる。
【0015】また、本発明は、長尺で断面略V字状の谷
板を屋根下地の谷に固定してあり、この谷板の上に水抜
き部を形成してある板端化粧材を重ね合わせて固定して
あり、この板端化粧材の固定板部と板端係止部との間に
屋根板の谷側端部を挟み込ませるようにして谷の長手方
向で多段に屋根板を横葺きしてある屋根の谷構造であっ
て、前記谷板は、その長手方向に沿って山形の止水部を
有し、前記板端化粧材は、谷板の止水部を外部に露出さ
せた状態で、且つ、板端係止部の水抜き部を該止水部に
向けて開口させた状態で、谷板上に重ね合わせて固定し
てある屋根の谷構造を提供する。
【0016】この屋根の谷構造では、上述の板端化粧材
による作用と効果に加えて、以下のような作用と効果を
併せ持つものである。つまり、この谷構造に用いる谷板
には、その長手方向に沿って山形の止水部が形成されて
おり、しかも板端化粧材は、この止水部を外部に露出さ
せた状態で、且つ、板端係止部の水抜き部を該止水部に
向けて開口させた状態で、谷板上に重ね合わせて屋根下
地に固定してあるので、屋根板上から板端化粧材の水抜
き部を通じて多量の雨水が勢いよく谷板に流れ込んでき
ても、止水部の上向き傾斜面で流れ来る雨水を跳ね上げ
て、雨水を谷板の中央に留めて流すことができる。従っ
て、排水性能が高く雨仕舞い性能に優れる谷構造とする
ことができる。
【0017】上記谷構造では、少なくとも谷板か板端化
粧材の固定板部の何れかに、谷板と固定板部との間に通
気間隙を形成する凸部を形成したり、また、板端化粧材
の固定板部か屋根板の何れか一方に、固定板部と屋根板
との間に通気間隙を形成する凸部を形成してあるとさら
に好ましい。
【0018】この谷構造によれば、谷板と板端化粧材の
固定板部との間には、その何れかに形成した凸部によっ
て通気間隙が形成される。また、板端化粧材の固定板部
と屋根板との間にも、その何れかに形成した凸部によっ
て通気間隙が形成される。従って、谷板と板端化粧材の
固定板部との間、固定板部と屋根板との間に溜まりやす
い湿気を通気間隙から屋根の外部へ逃がすことができる
ので、各部材の耐食性に優れる屋根構造とすることがで
きる。上記のような凸部は、各部材の長手方向に沿って
形成した補強兼用の上向き又は下向きのリブ状のものと
して、また離散的に形成した突起状のものとして形成す
ることができる。さらに、各部材の板端に形成した水返
しを通気間隙形成用の凸部とすることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しつつ説明する。
【0020】図1は、第1実施形態による板端化粧材の
外観斜視図である。この板端化粧材10は、長尺な金属
製の板材に板金加工を施して形成されるもので、屋根下
地に固定する固定板部11と、その長手方向に沿う一端
側を折り返して板端係止部12と、を形成してあり、さ
らに板端係止部12の自由端側が板端係止部12の外側
面に沿って固定板部11の裏面まで折り返された二重構
造となっている。このように板端係止部12を二重構造
とすることで、板端係止部12の強度の向上に加え、屋
根に取り付けた状態で塗装された板材の表面だけが人の
目に触れるようにしてある。
【0021】固定板部11には、その長手方向に沿って
板端係止部12側から順に、下向きリブ11aと、2つ
の上向きリブ11bと、水返し11cが形成されてい
る。下向きリブ11aは、この板端化粧材10を谷板の
上に取り付けた際に、谷板との間に通気間隙を形成する
「凸部」として腐食防止に機能すると共に、谷板との間
に浸入する雨水を遮断するものである(図2参照)。上
向きリブ11bと水返し11cは、この板端化粧材10
の上に屋根板を葺いた際に、屋根板との間に通気間隙を
形成する「凸部」として腐食防止に機能すると共に、屋
根板との間に浸入する雨水を遮断するものである(図2
参照)。なお、これらの下向きリブ11aと上向きリブ
11bと水返し11cは、何れも固定板部11の補強と
しても機能する。
【0022】板端係止部12は、側壁12aと係止部1
2bを有する逆さL字状に形成されている。側壁12a
は、固定板部11の一端側を曲げ上げて、屋根板を固定
板部11と係止部12bの間に屋根板を挟み込むことの
できる高さとなっており、また屋根板の谷側板端の突き
当たりを受ける止めることができるようになっている。
係止部12aは、側壁12aの上端から水平方向に曲折
され、固定板部11との間で屋根板の谷側板端を挟み込
めるようになっている。従って、谷側板端が風圧で上下
にばたつくような場合でもそれを抑えられるようにして
ある(図2参照)。
【0023】13は水抜き部で、固定板部11と板端係
止部12とを所定間隔で部分的に切り欠いて形成してあ
る。従って、固定板部11と板端係止部12の間に挟み
込んだ屋根板の上の雨水や、屋根板の下の固定板部11
を流れる雨水は、この水抜き部13を通じて谷へ流れ出
るようになっており、屋根板と固定板部11の水はけを
よくしている。
【0024】次に、図1の板端化粧材10を用いる屋根
の谷構造とその施工手順を図2で説明する。先ず、野地
板XにアスファルトルーフィングXを敷設した屋根
下地Xの谷Yに、長尺な金属製の板金を断面略V字状に
加工した谷板15を固定する。この谷板15には、その
中央底部に山形の止水部15aと、その左右の板面にそ
れぞれ上向きリブ15bと水返し15cが形成してあ
る。このうち上向きリブ15bと水返し15cは、通気
間隙形成用の「凸部」をなずと共に、谷板15の補強と
しても機能する。この谷板15の固定に際しては、短冊
状の固定片15dの一端を水返し15cの長手方向にお
ける何れかの箇所に係止し、他端を屋根下地Xに釘止め
する。こうすると、谷板15に釘穴ができることもな
く、谷板15から屋根下地Xへ漏水することがない。
【0025】そして、この谷板15の左右の上向きリブ
15bを覆い隠すようにして、板端化粧材10を釘止め
する。この位置決めに際しては、二点鎖線で示す矢示1
6aのように、板端化粧材10の下向きリブ11aを谷
板15の上向きリブ15bにあてがい係止させると共
に、同じく二点鎖線で示す矢示16bのように、板端化
粧材10の上向きリブ11bの裏側の窪みを、固定片1
5dの折返し箇所(谷板15の水返し15c)に重ね合
わせるようにする。なお、板端化粧材10は、谷板15
と同様な方法で固定するようにしてもよい。
【0026】次いで、屋根板を軒側から一段ごとに横葺
きしていく。その際には、二点鎖線で示す矢示16cの
ように、屋根板17の谷側板端17aを板端化粧材10
の固定板部11と板端係止部12との間に差し入れた状
態で一段ごとに屋根板17を葺き上げていく。従って、
屋根板17の葺き作業と同時にその谷側板端17aの化
粧作業も済ませることができる。
【0027】以上のような手順で施工した屋根の谷構造
によれば、上述の板端化粧材10によるメリットに加え
て、谷板15に山形の止水部15aが形成されているの
で、例えば図2の右側の屋根板17から水抜き部13を
通じて谷板15へ流れ出る雨水よりも左側の屋根板17
から水抜き部13を通じて谷板15へ流れ出る雨水の方
が勢いが強い場合でも、矢示16dのように、止水部1
5aの上向き傾斜面で雨水の流れを上向きに跳ね上げて
その勢いを弱め、右側の屋根板17の方へ逆流させない
ようにすることができる。従って、この谷構造は、雨水
を谷板15の中央に留めて流すことができ、排水性能と
雨仕舞い性に優れる。
【0028】また、板端化粧材10の下向きリブ11a
と谷板15の上向きリブ15bが当接係止していること
で、これが通気間隙Gへの雨水の浸入を可及的に少な
くする“堰”として機能する。従って、谷板15と板端
化粧材10の固定板部11との間に流れ込もうとする雨
水の逆流を止めることができる。しかも、谷板15と板
端化粧材10の間には、谷板15の上向きリブ15bや
水返し15cと、板端化粧材10の下向きリブ11aに
よって、通気間隙Gが形成されており、また屋根板1
7と固定板部11の間にも板端化粧材の2つの上向きリ
ブ11bと水返し11cによって、通気間隙Gが形成
されている。従って、この2つの通気間隙G,G
通じて各部材間に浸入した湿気を屋根の外部へ逃がすこ
とができるので、谷板15と板端化粧材10と屋根板1
7の耐食性を向上でき、屋根全体の耐久性も高めること
ができる。
【0029】そして、板端化粧材10を位置決めする際
には、板端化粧材10の下向きリブ11aを谷板15の
上向きリブ15bに、また上向きリブ11bを固定片1
5dの折返し箇所(谷板15の水返し15c)にそれぞ
れ重ね合わせるだけで、谷Yを中心として左右対称に板
端化粧材10を位置決め可能で、墨合わせの手間を省け
るようになっている。しかも、屋根板17を一段ごと横
葺きする際に、屋根板17の谷側板端17aを板端化粧
材10の固定板部11と板端係止部12の間に差し入れ
るだけの簡単な作業で谷側板端17aの化粧仕上げを同
時に済ませることができる。従って、この谷構造は、熟
練者でなくても容易に施工でき、施工の際の作業性とい
う面でも優れている。
【0030】さらに、板端化粧材10は、谷Yの長手方
向で多段に横葺きした屋根板17の谷側板端17aを複
数段にわたって板端係止部12で覆うから、格段の屋根
板17ごとに異なる谷側板端の位置差を人の視界に入ら
ないよう覆い隠すことができる。従って、この谷構造
は、外観的に美しい仕上がりとなる。
【0031】なお、以上のような谷構造については、図
1の板端化粧材10の他にも、例えば図3と図4で示す
ような板端化粧材20,30を用いることもできる。
【0032】図3は、第2実施形態による板端化粧材の
部分拡大斜視図である。この板端化粧材30は、板端係
止部22が固定板部21との間で鋭角をなすように長尺
な固定板部21の一端側を折り返して形成してある点
で、第1実施形態の板端化粧材10と異なっている。こ
れによれば、形状がシンプルなので設計・加工が容易で
あると共に、屋根板の谷側端部を差し入れるための固定
板部21と板端係止部22の間隙が狭いので、より強く
屋根板の谷側板端を保持できるようになっている。その
他の部分については、第1実施形態の板端化粧材10と
同様であり重複説明となるので省略する。
【0033】図4は、第3実施形態による板端化粧材の
部分拡大斜視図である。この板端化粧材30は、第1実
施形態による板端係止部12の側面12aだけでなく係
止部12bについても所定間隔で部分的に切り欠いて複
数の水抜き部33を断続的に形成してある。従って、比
較的大きな開口をもつ水抜き部33となるので、特に屋
根板から谷板への水はけ性をより高めることができる。
また、この板端化粧材30には、大きなハゼ折り部34
を曲折形成してある。従って、ハゼ折り部34によって
雨水の逆流を殆ど止められるので、屋根下地に固定する
際に水返し35の脇を釘止め箇所とするような場合で
も、その釘穴へ雨水を到達させないようにすることがで
きる。また、このハゼ折り部34が屋根板との間に通気
間隙を形成する「凸部」として機能することは勿論であ
る。なお、その他の部分については、第1実施形態の板
端化粧材10と同様であり重複説明となるので省略す
る。
【0034】以上の実施形態の他にも、本発明による板
端化粧材は様々な変形実施が可能である。例えば、第1
および第2実施形態の水抜き部13,23は、固定板部
11,21に形成した水抜き部13,23の部分と、板
端係止部12,22に形成した水抜き部13,23の部
分とを板端化粧材10,20の長手方向における同じ位
置に形成してあるが、該長手方向における異なる位置に
異なる間隔でそれぞれ形成してもよい。また、水抜き部
は、固定板部か板端化粧材の何れか一方だけに形成して
もよいし、その形状も任意のものとしてもよい。
【0035】また、本発明の谷構造に用いる谷板15に
ついても変形実施が可能である。図2の例では谷板15
の底部に止水部15aを形成してあるが、例えば略V字
状の中央底部から若干上方に離れた位置に止水部を形成
してもよいし、複数の止水部を谷板に形成してもよい。
また、谷板や板端化粧材の固定板部に離散的に突起を形
成し、これを通気間隙形成用の「凸部」としてもよい。
【0036】なお、以上の説明では、野地板上にアスフ
ァルトルーフィングを敷設した状態を屋根下地とした
が、例えばスレート平瓦の上に金属製屋根板を横葺きす
るリフォームを行う際には、既設屋根の上にアスファル
トルーフィングを敷設した状態を屋根下地として本発明
を実施してもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明の屋根板の谷側板端化粧材によれ
ば、屋根板の葺き作業の際に、屋根板の谷側板端を板端
化粧材の固定板部と板端係止部の間へ単に差し入れるだ
けの簡単な作業で谷側板端の化粧仕上げと雨仕舞い仕上
げを同時に済ませることができ、作業性を格段に向上す
ることができる。また、板端化粧材は、複数段の屋根板
の谷側板端を化粧するから、谷側板端同士の位置差を板
端係止部で覆い隠すことができ、外観的にも美しい仕上
がりの谷構造となる。さらに、水抜き部を有する板端化
粧材によれば、雨水を水抜き部を通じて屋根の谷に流し
出すことができ、屋根板上に溜まる雨水の水はけ性を向
上して谷構造の雨仕舞い性能を高めることができる。
【0038】また、本発明の屋根の谷構造によれば、上
述の板端化粧材による効果に加えて、例えば、屋根板上
から板端化粧材の水抜き部を通じて多量の雨水が勢いよ
く谷板に流れ込んできても、止水部の上向き傾斜面で流
れ来る雨水を跳ね上げてその勢いを弱め、雨水を谷板の
中央に留めて流すことができる。従って、高い排水性能
と雨仕舞い性能を発揮する谷構造になる。また、凸部に
よって谷板と板端化粧材の固定板部との間、板端化粧材
の固定板部と屋根板との間に通気間隙が形成される本発
明の谷構造によれば、通気間隙を通じて、谷板と固定板
部と屋根板の各間隙に溜まる湿気を逃がすことができる
ので、各部材の耐食性にも優れ、耐久性の高い屋根構造
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による板端化粧材の外観
斜視図。
【図2】図1の板端化粧材を用いる屋根の谷構造の施工
手順を説明する図。
【図3】本発明の第2実施形態による板端化粧材の部分
拡大斜視図。
【図4】本発明の第3実施形態による板端化粧材の部分
拡大斜視図。
【図5】屋根の谷構造の一従来例を示す図。
【図6】図5の部分拡大図。
【符号の説明】
10 板端化粧材(第1実施形態) 11 固定板部 11a 下向きリブ(凸部) 11b 上向きリブ(凸部) 11c 水返し(凸部) 12 板端係止部 12a 側壁 12b 係止部 13 水抜き部 15 谷板 15a 止水部 15b 上向きリブ(凸部) 15c 水返し(凸部) 15d 固定片 17 屋根板 17a 谷側板端 20 板端化粧材(第2実施形態) 21 固定板部 22 板端係止部 23 水抜き部 30 板端化粧材(第3実施形態) 31 固定板部 32 板端係止部 33 水抜き部 34 ハゼ折り部(凸部) 35 水返し X 屋根下地 X 野地板 X アスファルトルーフィング Y 谷 G,G 通気間隙

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根の谷の長手方向で多段に横葺きした
    屋根板の谷側板端を複数段にわたって化粧する板端化粧
    材であって、谷の長手方向に沿って屋根下地に固定され
    る長尺な固定板部を有すると共に、谷側に位置させる固
    定板部の一端側を、固定板部との間で上下から屋根板の
    谷側端部を挟み込み可能に折り返してなる板端係止部を
    有する屋根板の板端化粧材。
  2. 【請求項2】 板端係止部の先端側を板端係止部の外側
    面に沿って固定板部の裏面まで折り返して二重構造とし
    てある請求項1に記載の板端化粧材。
  3. 【請求項3】 固定板部と板端係止部の間に挟み込ませ
    た屋根板表面の雨水を屋根の谷へ排水する水抜き部を有
    する請求項1又は請求項2に記載の板端化粧材。
  4. 【請求項4】 長尺で断面略V字状の谷板を屋根下地の
    谷に固定してあり、この谷板の上に請求項3に記載の板
    端化粧材を重ね合わせて固定してあり、この板端化粧材
    の固定板部と板端係止部との間に屋根板の谷側端部を挟
    み込ませるようにして谷の長手方向で多段に屋根板を横
    葺きしてある屋根の谷構造であって、前記谷板は、その
    長手方向に沿って山形の止水部を有し、前記板端化粧材
    は、谷板の止水部を外部に露出させた状態で、且つ、板
    端係止部の水抜き部を該止水部に向けて開口させた状態
    で、谷板上に重ね合わせて固定してある屋根の谷構造。
  5. 【請求項5】 少なくとも谷板か板端化粧材の固定板部
    の何れかに、谷板と固定板部との間に通気間隙を形成す
    る凸部を形成してある請求項4に記載の屋根の谷構造。
  6. 【請求項6】 少なくとも板端化粧材の固定板部か屋根
    板の何れか一方に、固定板部と屋根板との間に通気間隙
    を形成する凸部を形成してある請求項4又は請求項5に
    記載の屋根の谷構造。
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JP2014037708A (ja) * 2012-08-16 2014-02-27 Misawa Homes Co Ltd 改装用屋根材

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