JP2000256858A - プラズマ化学気相成長装置 - Google Patents

プラズマ化学気相成長装置

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JP2000256858A
JP2000256858A JP6132499A JP6132499A JP2000256858A JP 2000256858 A JP2000256858 A JP 2000256858A JP 6132499 A JP6132499 A JP 6132499A JP 6132499 A JP6132499 A JP 6132499A JP 2000256858 A JP2000256858 A JP 2000256858A
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JP
Japan
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chamber
lower electrode
substrate
upper electrode
chemical vapor
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JP6132499A
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English (en)
Inventor
Tomiyuki Arakawa
富行 荒川
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板表面に微細な間隔で凹凸部分が存在して
も凹部を緻密で均一な膜質の石英膜で埋め込み可能なプ
ラズマ化学気相成長装置を提供する。 【解決手段】 チャンバ内に所定の間隔で互いに対向し
且つ平行に配置された上部電極5と下部電極3とを備え
たプラズマ化学気相成長装置において、上部電極5と下
部電極3との間にメッシュ板105を配置し、また、下
部電極3が基板ステージを兼ねると共に、下部電極3に
高周波電源が接続され、上部電極5及びチャンバを接地
する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、基板上に良好に
石英等の膜を堆積するプラズマ化学気相成長装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、文献:S.
M.ジー著「半導体デバイス」産業図書、1987、第
369頁〜377頁に開示される技術があり、その第3
70頁の13図(b)には、石英膜等の膜形成に用いら
れる平行平板プラズマCVD装置が開示されている。こ
の平行平板プラズマCVD装置は、反応室内にアルミニ
ウム(Al)製の上部電極と下部電極を対向させ且つ平
行に設置し、上部電極は高周波電源が接続され、下部電
極は接地され、この下部電極上に膜堆積用の基板を載置
し、抵抗加熱により温度100〜400℃に保ち、原料
ガスとして、例えば石英膜の堆積の場合には、シラン
(SiH4)或いはテトラエトキシシラン(TEO
S)、及び酸素等を反応室内に導入し、基板上に石英膜
の堆積を行うものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置では、基板表面に微細な間隔で凹凸部分が存在
する場合、凹部を緻密で均一な膜質の石英膜で埋め込む
ことは困難であるという問題があった。例えば、基板上
に微細な間隔で複数の光導波路を形成するに際し、光導
波路の膜を上記装置で堆積する場合、光導波路のコアの
周囲を覆うように上部クラッド層を形成する必要がある
が、コアの高さが8μmでコア間が4μm以下の場合、即
ちアスペクト比が2以上の場合には、コア間を上部クラ
ッド層で埋め込むことは容易ではなかった。
【0004】また、コア間が4μm以上でも、コアの側
壁に成長する石英膜は、コア上面上及び下部クラッド層
表面上に成長する石英膜と比較して密度が低く、また屈
折率も小さくなり、その結果、コアの周囲で屈折率が不
均一となって、光導波路の複屈折を誘起していた。その
ため偏波特性が劣化し、導波路損失が大きくなるという
問題があった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決し、基板表面
に微細な間隔で凹凸部分が存在する場合、凹部を緻密で
均一な膜質の石英膜で埋め込むことを可能としたプラズ
マ化学気相成長装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、チャンバ内に所定の間隔で互い
に対向し且つ平行に配置された上部電極と下部電極とを
備えたプラズマ化学気相成長装置において、前記上部電
極と前記下部電極との間にメッシュ状の板が配置されて
いることを特徴とする。
【0007】また、請求項2の発明は、チャンバ内に所
定の間隔で互いに対向し且つ平行に配置された上部電極
と下部電極とを備えたプラズマ化学気相成長装置におい
て、前記上部電極と前記下部電極の互いに対向する表面
の間隔が100〜300mmの範囲に設定され、且つチ
ャンバー内の圧力が10-2〜1 Pa(パスカル)の範
囲に設定されることを特徴とする。
【0008】また、請求項3の発明は、請求項1又は2
のいずれかの請求項に記載のプラズマ化学気相成長装置
において、前記下部電極が基板ステージを兼ねると共
に、前記下部電極に高周波電源が接続され、前記上部電
極及び前記チャンバが接地されていることを特徴とす
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0010】図1は、本発明の第1の実施の形態並びに
第2の実施の形態に係るプラズマ化学気相成長装置の概
略的な構成を示したブロック図であり、各実施の形態に
共通部分の構成を示している。
【0011】図1に示すプラズマ化学気相成長装置(以
下プラズマCVD装置という)において、1は反応室で
あるチャンバ、3はチャンバ1内に配置され且つ下部電
極を兼ねた基板ステージ、5はチャンバ1内に基板ステ
ージ(下部電極)3と対向し且つ平行に配置された上部
電極、11は基板ステージ(下部電極)3に接続され高
周波電力を印加する高周波電源、13はチャンバ内の圧
力を測定する圧力計、15は圧力コントローラ、17は
バタフライバルブ、19はメカニカルブースターポン
プ、21はロータリーポンプ、23、25、27、29
はバルブ、31はターボ分子ポンプ、33はロータリー
ポンプ、41、43、45は流量コントローラ、51、
53、55はバルブ、60はテトラエトキシシラン(T
EOS)供給用ボンベ、70は酸素(O2)供給用ボン
ベ、80はC26供給用ボンベである。また、100は
基板ステージ(下部電極)3上に載置され、その上に石
英膜等の成膜を行うための基板である。
【0012】次に、上述した図1及び図2、図3を参照
して、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ化学気
相成長装置について説明する。
【0013】この第1の実施の形態においては、上記図
1に示されるチャンバ1内において、基板ステージ(下
部電極)3と上部電極5との間にメッシュ状の板(以
下、メッシュ板という)105が配置されることが1つ
の特徴であり、そのチャンバ1内の各部の構成を図2に
示す。
【0014】この図2において、上部電極5は、ガスの
シャワーヘッドを兼ねており、円筒形状で、直径約15
cm、厚さが約4cmである。この上部電極5の基板ス
テージ(下部電極)3と対向する表面には、直径約1m
mのガス噴出用の穴が5mmの間隔で多数開口されてい
る。各原料ガスはガス導入パイプ110を通過して上部
電極5内に導入される。基板ステージ(下部電極)3の
内部にはヒーター120が埋め込まれており基板を50
0℃まで加熱保持することができる。このヒーター12
0の配線は絶縁管125を介して外に引き出されるが、
絶縁管125でヒータ配線と基板ステージ(下部電極)
3との間の電気的絶縁を図っている。基板の温度は熱伝
対130により測定され、温度制御手段(図示せず)を
用いたヒーター120の加熱制御により基板100の温
度を所定の温度に設定する。
【0015】また、高周波電源11からのケーブル(図
示せず)は、高周波電源引き込み部140から基板ステ
ージ(下部電極)3内に引き込まれ、基板ステージ(下
部電極)3と電気的に接続されている。また、基板ステ
ージ(下部電極)3と上部電極との間隔は30mmとし
ており、この間にメッシュ板105が配置されている。
このメッシュ板105と基板ステージ(下部電極)3と
の間隔は5mmである。このメッシュ板105は、チャ
ンバ1、基板ステージ(下部電極)3、上部電極5と電
気的絶縁を保つようにして、支持部材(図示せず)によ
り支持される。
【0016】次に、図3を用いて、メッシュ板105の
構造について説明する。ここで、図3(a)はメッシュ
板105の平面図を示し、図3(b)はメッシュ板10
5の側面図を示す。
【0017】図3(a)、(b)に示すように、このメ
ッシュ板105は、一辺が5mmの六角形の穴が多数開
口している全体形状も六角形のものであり、メッシュ板
105の幅Wは約150mmで高さは10mmである。
このメッシュ板105の材質としては、金属、又はセラ
ミックス、あるいは金属の表面を絶縁物で覆ったもの等
が用いられ得る。この実施の形態においては、このメッ
シュ板105として、基材の材質はアルミニウム(A
l)で、その表面をAl23で覆ったものを用いてい
る。
【0018】このプラズマCVD装置はさらに次のよう
な特徴を有する。(1)基板ステージを兼ねた下部電極
3に高周波電源11が接続される、(2)プラズマ生成
のための高周波電源11が基板100への自己バイアス
のための電源を兼ねる、(3)基板100側にプラズマ
シースが形成されるように、基板ステージ(下部電極)
3がチャンバ1と電気的に絶縁され、基板1に自己バイ
アスが印加される、(4)テトラエトキシシラン(TE
OS)、酸素、C26の各原料ガスがチャンバ内に導入
可能となっていることである。
【0019】また、その他の特徴としては以下のとおり
である。基板100は500℃まで加熱することができ
る。チャンバ1内の排気にはターボ分子ポンプ31を用
いて1×10-3Paまで圧力を下げることができる。上
部電極5の表面には、多数の穴が開けられており、ガス
がシャワー状に基板表面上に供給される。各々の原料ガ
スは流量コントローラ41、43、45により所望の一
定の流量に制御される。チャンバ1内の圧力は、チャン
バ1に設置された圧力計13及び圧力コントローラ1
5、バタフライバルブ17等により所望の一定値に制御
される。また、上部電極を接地し、基板ステージ(下部
電極)3と高周波電源11を接続することにより、基板
ステージ(下部電極)3と上部電極5間に13.56M
Hzの高周波電力を印加して、プラズマを発生させる。
また、チャンバ1も接地されている。
【0020】次に、図1〜図3、及び図4を参照して、
この第1の実施の形態に係るプラズマCVD装置の動作
について、説明する。
【0021】まず、はじめに、その表面に既に凹凸の形
成された基板を、第1図に示したプラズマCVD装置の
チャンバ1内の基板ステージ3に設置する。ここでは、
この凹凸の形成された基板として、例えば、4インチシ
リコンウエハからなる基板100上に光導波路の膜厚2
0μmの石英製下部クラッド層145が形成され、さら
にその上に高さ6μm、幅8μmのコア150が2つ予め
形成されたものを用いており、そのコアとコアの間隔の
最も小さいところは、2μmとなっている。
【0022】次に、バルブ27を開け、チャンバ1内を
バルブ27を介してロータリーポンプ33により、圧力
1Pa(パスカル)になるまで排気した後、バルブ27
を閉じる。続いて、バルブ25、29を開け、バルブ2
5を介してターボ分子ポンプ31によりチャンバ1内を
圧力1×10-3Paになるまで真空排気する。この排気
はターボ分子ポンプ31と共にロータリーポンプ33を
同時に動作させておこなう。即ち、バルブ25を介して
ターボ分子ポンプ31で吸引しつつ、ターボ分子ポンプ
31の排気をバルブ29を介してロータリーポンプ33
で吸引することにより真空排気を行っている。次いで、
バルブ25、29を閉じる。
【0023】次に、ヒータ120を用いて基板100
を、温度が400℃となるまで加熱し、温度400℃に
達したら400℃を維持するように温度制御手段(図示
せず)により温度制御する。
【0024】次いで、バルブ23及びバタフライバルブ
17を開け、且つ原料ガス供給用のバルブ51、53、
55を開けると共に、メカニカルブースターポンプ19
及びロータリーポンプ21を動作させる。
【0025】これにより、各原料ガス、即ち、TEO
S、酸素、C26はチャンバ1内に導入され、基板10
0上の下部クラッド層145上及びコア150上への石
英膜の成長に用いられた後、さらにチャンバ1から排出
され、バルブ23及びバタフライバルブ17を介しメカ
ニカルブースターポンプ19及びロータリーポンプ21
により排気される。この際に、圧力コントローラ15は
圧力計13で測定される圧力が予め設定された所定の圧
力(例えば、30Pa)となるようにバタフライバルブ
の開閉度を調節して、チャンバ1内の圧力が所定の圧力
(30Pa)に保持されるように調節している。
【0026】なお、チャンバ1内に導入される各原料ガ
スは、TEOS:12sccm、酸素:400scc
m、C26:14sccmの流量となるように、それぞ
れの流量コントローラ41、43、45で流量を正確に
制御しながら、各ボンベ60、70、80からそれぞれ
バルブ51、53,55を介し、さらに上部電極5に接
続されるガス導入パイプ110を介しチャンバ1内に導
入される。この際、TEOSは、TEOS供給用ボンベ
内で、あらかじめ温度を80℃とし気化させておく。ま
た、C26ガスは、予め形成されているノンドープのコ
ア150に対する上部クラッド層160形成の際に、コ
ア150の屈折率より上部クラッド層160の屈折率を
約0.5%小さくするためにクラッド160にドープす
る目的で原料ガスの1つとして添加されている。
【0027】また、各原料ガスのチャンバ1内への導入
を開始したら、13.56MHzの高周波電力を上部電
極と基板ステージとの間に電力密度1.6W/cm2
印加する。これにより、チャンバ1内にプラズマが発生
し、約2時間半程度でシリコンウエハからなる基板10
0上の下部クラッド層145上及びコア150上に膜厚
約20μm、屈折率1.452の上部クラッド層160
となる石英膜が堆積する。
【0028】この上部クラッド層160となる石英膜の
堆積途中の模様を図4に示す。図4に示すように、この
石英膜の堆積の際、上部電極5と下部電極3の間にメッ
シュ板105が配置されているので、プラズマ中の種々
の方向に動いている粒子(活性種、イオン、励起種、中
性粒子等)170は、メッシュ板105の内壁に衝突し
捕獲される。また、メッシュ板105の内壁に衝突しな
かった粒子(活性種、イオン、励起種、中性粒子等)1
70は、そのままメッシュを通り抜ける。
【0029】その結果、基板100上の下部クラッド層
145表面及びコア150表面に到達する粒子(活性
種、イオン、励起種、中性粒子等)170の大部分は、
その運動方向が上部電極5から下部電極3に向かう方向
(即ち、図4の紙面上の上から下への方向)に限定され
る。そのため、基板上の微細な間隔の突起の間、例えば
光導波路の各コア150の間には、基板100表面に対
し垂直上方から飛来した粒子(活性種、イオン、励起
種、中性粒子等)170だけが、上部クラッド層160
となる膜を成長させることになる。なお、図4におい
て、黒丸が粒子170をあらわし、黒丸に付した矢印は
粒子170の運動方向をあらわす。
【0030】このようにして、各コア150の間を含む
下部クラッド層145上及びコア150上に上部クラッ
ド層160を成膜し、即ち、コア150の周囲(側部及
び上部)を上部クラッド層160で完全に覆うように成
膜し、所定の厚みの上部クラッド層160が成膜出来た
後に、高周波電力の印加及び各原料ガスの導入を止め、
石英膜の堆積を終了する。
【0031】上述のように、このプラズマCVD装置を
もちいることにより、基板上の微細な間隔の突起の間
(例えば光導波路の各コア150の間)には、垂直上方
から飛来した粒子(活性種、イオン、励起種、中性粒子
等)170だけが、膜を成長させるため、突起の間が微
細な間隔であってもその位置に均一に成膜できる。ま
た、この膜成長時に、その膜表面は、プラズマ中の粒子
等による衝撃が加わり、400℃以下の低温でも緻密な
膜となり、また基板に自己バイアスが印加されているた
めに、さらにその効果は増す。したがって、基板上の微
細な間隔の突起の間(例えば、各コア150の間)に
は、緻密かつ均一な膜質の膜が形成される。
【0032】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。
【0033】この第2の実施の形態に係るプラズマ気相
成長装置(プラズマCVD装置)は、前述の第1の実施
の形態に係るプラズマCVD装置とチャンバ内の構成
(上部電極と下部電極の周辺の構造)が一部異なってい
る。
【0034】なお、この第2の実施の形態に係るプラズ
マCVD装置の構成の概略は、図1に示したとおりであ
り、その説明は省略する。また、この第2の実施の形態
に関し、第1の実施の形態と同一の部分については同一
の番号を付して説明する。
【0035】次に、前述の図1及び図5、図6を参照し
て、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ化学気相
成長装置について説明する。
【0036】この第2の実施の形態においては、上記図
1に示されるチャンバ1内において、基板ステージ(下
部電極)3と上部電極5の互いに対向する表面の間隔L
を100〜300mmとすることが1つの特徴であり、
そのチャンバ1内の各部の構成を図5に示す。
【0037】この図5において、上部電極5は、ガスの
シャワーヘッドを兼ねており、円筒形状で直径約15c
m、厚さが約4cmである。この上部電極5の基板ステ
ージ(下部電極)3と対向する表面には、直径約1mm
のガス噴出用の穴が5mmの間隔で多数開口されてい
る。各原料ガスはガス導入パイプ110を通過して上部
電極5内に導入される。基板ステージ(下部電極)3の
内部にはヒーター120が埋め込まれており基板を50
0℃まで加熱保持することができる。
【0038】このヒーター120の配線は絶縁管125
を介して外に引き出されるが、絶縁管125でヒータ配
線と基板ステージ(下部電極)3との間の電気的絶縁を
図っている。基板の温度は熱伝対130により測定さ
れ、温度制御手段(図示せず)を用いたヒーター120
の加熱制御により基板100の温度を所定の温度に設定
する。また、高周波電源11からのケーブル(図示せ
ず)は、高周波電源引き込み部140から基板ステージ
(下部電極)3内に引き込まれ、基板ステージ(下部電
極)3と電気的に接続されている。
【0039】上部電極5と基板ステージ(下部電極)3
の互いに対向する表面の間隔Lは100〜300 mm
の範囲内に設定する。この電極間の間隔Lを100〜3
00mmの範囲内に設定する理由は、基板上への成膜の
際、上部電極5と下部電極3との距離、すなわち両電極
間の間隔Lが大きいほど、下部電極3上に載置された基
板100への粒子の入射方向が垂直方向に制限されやす
くなるが、基板100への粒子の入射方向が垂直方向に
制限されやすくするためには少なくとも両電極間の間隔
Lを100mm以上とする必要があり、また両電極間の
間隔Lが300mmより大きくなると、プラズマ生成の
ための放電が得にくい上、装置も大型化してしまうため
である。
【0040】また、電極間間隔Lを100〜300 m
mの範囲に設定した場合、成膜時のチャンバ内の圧力
は、チャンバー内の圧力を小さくするほど(特に、1P
a以下にすると)、粒子間の衝突確率が減少し、試料基
板への粒子の入射が垂直方向に制限されやすくなる。し
かし、チャンバー内の圧力が10-2 Paより低くなる
と、プラズマ生成のための放電が得難くなる。 したが
って、この第2の実施の形態の場合、電極間間隔は10
0〜300 mm、チャンバー内の圧力は10-2〜1 P
aとするのが好適である。この条件においても高周波放
電は十分維持することができる。なお、ここでは、上部
電極5と下部電極3との間隔は、例えば、120mmに
設定している。
【0041】さらに、このプラズマCVD装置は、前述
の第1の実施の形態と同様に、次のような特徴を有す
る。(1)基板ステージを兼ねた下部電極3に高周波電
源11が接続される、(2)プラズマ生成のための高周
波電源11が基板100への自己バイアスのための電源
を兼ねる、(3)基板100側にプラズマシースが形成
されるように、基板ステージ(下部電極)3がチャンバ
1と電気的に絶縁され、基板1に自己バイアスが印加さ
れる、(4)テトラエトキシシラン(TEOS)、酸
素、C26の各原料ガスがチャンバ内に導入可能となっ
ていることである。また、その他の特徴としては以下の
とおりである。基板は500℃まで加熱することができ
る。チャンバ1内の排気にはターボ分子ポンプ31を用
いて1×10-3Paまで圧力を下げることができる。上
部電極5の表面には、多数の穴が開けられており、ガス
がシャワー状に基板表面上に供給される。各々の原料ガ
スは流量コントローラ41、43、45により所望の一
定の流量に制御される。チャンバ1内の圧力は、チャン
バ1に設置された圧力計13及び圧力コントローラ1
5、バタフライバルブ17等により所望の一定値に制御
される。また、上部電極を接地し、基板ステージ(下部
電極)3と高周波電源11を接続することにより、基板
ステージ(下部電極)3と上部電極5間に13.56M
Hzの高周波電力を印加して、プラズマを発生させる。
また、チャンバ1も接地されている。
【0042】次に、図1、図5及び図6を参照して、こ
の第2の実施の形態に係るプラズマCVD装置の動作に
ついて、説明する。
【0043】まず、はじめに、その表面に既に凹凸の形
成された基板を、第1図に示したプラズマCVD装置の
チャンバ1内の基板ステージ3に設置する。ここでは、
この凹凸の形成された基板として、例えば、4インチシ
リコンウエハからなる基板100上に光導波路の膜厚2
0μmの石英製下部クラッド層145が形成され、さら
にその上に高さ6μm、幅8μmのコア150が2つ予め
形成されたものを用いており、そのコアとコアの間隔の
最も小さいところは、2μmとなっている。
【0044】次に、バルブ27を開け、チャンバ1内を
バルブ27を介してロータリーポンプ33により、圧力
1Pa(パスカル)になるまで排気した後、バルブ27
を閉じる。続いて、バルブ25、29を開け、バルブ2
5を介してターボ分子ポンプ31によりチャンバ1内を
圧力1×10-3Paになるまで真空排気する。この排気
はターボ分子ポンプ31と共にロータリーポンプ33を
同時に動作させておこなう。即ち、バルブ25を介して
ターボ分子ポンプ31で吸引しつつ、ターボ分子ポンプ
31の排気をバルブ29を介してロータリーポンプ33
で吸引することにより真空排気を行っている。次いで、
バルブ25、29を閉じる。
【0045】次に、ヒータ120を用いて基板100
を、温度が400℃となるまで加熱し、温度400℃に
達したら400℃を維持するように温度制御手段(図示
せず)により温度制御する。
【0046】次いで、バルブ23及びバタフライバルブ
17を開け、且つ原料ガス供給用のバルブ51、53、
55を開けると共に、メカニカルブースターポンプ19
及びロータリーポンプ21を動作させる。
【0047】これにより、各原料ガス、即ち、TEO
S、酸素、C26はチャンバ1内に導入され、基板10
0上の下部クラッド層145上及びコア150上への石
英膜の成長に用いられた後、さらにチャンバ1から排出
され、バルブ23及びバタフライバルブ17を介しメカ
ニカルブースターポンプ19及びロータリーポンプ21
により排気される。この際に、圧力コントローラ15は
圧力計13で測定される圧力が10-2〜1 Paの範囲
内の予め設定された所定の圧力となるようにバタフライ
バルブの開閉度を調節して、チャンバ1内の圧力が所定
の圧力に保持されるように調節している。
【0048】なお、チャンバ1内に導入される各原料ガ
スは、TEOS:12sccm、酸素:400scc
m、C26:14sccmの流量となるように、それぞ
れの流量コントローラ41、43、45で流量を正確に
制御しながら、各ボンベ60、70、80からそれぞれ
バルブ51、53,55を介し、さらに上部電極5に接
続されるガス導入パイプ110を介しチャンバ1内に導
入される。この際、TEOSは、TEOS供給用ボンベ
内で、あらかじめ温度を80℃とし気化させておく。ま
た、C26ガスは、予め形成されているノンドープのコ
ア150に対する上部クラッド層160形成の際に、コ
ア150の屈折率より上部クラッド層160の屈折率を
約0.5%小さくするために上部クラッド層160にド
ープする目的で原料ガスの1つとして添加されている。
【0049】また、各原料ガスのチャンバ1内への導入
を開始したら、13.56MHzの高周波電力を上部電
極と基板ステージとの間に電力密度1.6W/cm2
印加する。これにより、チャンバ1内にプラズマが発生
し、約2時間半程度でシリコンウエハからなる基板10
0上の下部クラッド層145上及びコア150上に膜厚
約20μm、屈折率1.452の上部クラッド層160
となる石英膜が堆積する。
【0050】この上部クラッド層160となる石英膜の
堆積途中の模様を図6に示す。図6に示すように、石英
膜堆積の際、上部電極5と下部電極3の間隔が120m
mと大きく離れているので、プラズマ中の種々の方向に
動いている粒子(活性種、イオン、励起種、中性粒子
等)170は、基板表面に到達する直前には、その運動
方向が上部電極5から下部電極3に垂直に向かう方向
(即ち、図6の紙面上の上から下への方向)に限定され
る。そのため、基板100上の微細な間隔の突起の間、
例えば光導波路の各コア150の間には、基板表面に対
し垂直上方から到達した粒子(活性種、イオン、励起
種、中性粒子等)170だけが、上部クラッド層160
となる膜を成長させることになる。なお、図6におい
て、黒丸が粒子170をあらわし、黒丸に付した矢印は
粒子170の運動方向をあらわす。
【0051】このようにして、各コア150の間を含む
下部クラッド層145上及びコア150上に上部クラッ
ド層160を成膜し、即ち、コア150の周囲(側部及
び上部)を上部クラッド層160で完全に覆うように成
膜し、所定の厚みの上部クラッド層160が成膜出来た
後に、高周波電力の印加及び各原料ガスの導入を止め、
石英膜の堆積を終了する。
【0052】上述のように、このプラズマCVD装置を
もちいることにより、基板上の微細な間隔の突起の間
(例えば光導波路の各コア150の間)には、垂直上方
から飛来した粒子(活性種、イオン、励起種、中性粒子
等)だけが、膜を成長させるため、突起の間が微細な間
隔であってもその位置に均一に成膜できる。また、この
膜成長時に、その膜表面は、プラズマ中の粒子等による
衝撃が加わり、400℃以下の低温でも緻密な膜とな
り、また基板に自己バイアスが印加されているために、
さらにその効果は増す。したがって、基板上の微細な間
隔の突起の間(例えば、各コア150の間)には、緻密
かつ均一な膜質の膜が形成される。このように、上部電
極5と下部電極3との間隔を100〜300 mmに設
定し、チャンバー内の圧力を10-2〜1 Pa(パスカ
ル)と設定することにより、容易に埋め込み特性を改善
することができる。
【0053】前述の各実施の形態で説明したように、本
発明によれば、基板表面に微細な間隔で凹凸が存在する
場合に、凹部を緻密で均一な膜質の石英膜により、40
0℃以下の低温で埋め込むことが可能となる。これによ
り、例えば、石英系光導波路において、コアの高さが4
から12μm、コア間の間隔が4μm以下で、コアの高さ
とコア間の間隔の比が2:1以上(即ち、アスペクト比
が2以上)であるとき、このコア間を均一な膜質のクラ
ッド材料により400℃以下の低温で埋め込むことが可
能となる。
【0054】なお、前述の各実施の形態では、原料ガス
として、テトラエトキシシラン(TEOS)を用いた場
合について説明したが、これに代えて、トリエトキシシ
ラン(TRIES)を用いることもできる。このトリエ
トキシシラン(TRIES)を用いる場合も、予め気化
させる温度、流量等の諸条件はテトラエトキシシラン
(TEOS)を用いる場合と同様である。
【0055】また、前述の第1の実施の形態では、メッ
シュ板に六角形のものを用いたが、この形状に限定され
るものではなく、円形、正方形の形状のものを用いるこ
ともできる。
【0056】また、前述の各実施の形態では、下部電極
側に高周波電源を接続した装置としたが、上部電極側、
或いは上部及び下部の両方の電極に高周波電源が接続さ
れていてもよい。また、高周波電源の周波数は13.5
6MHzとしたが、これに限定されるものではない。
【0057】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
の発明によれば、チャンバ内に所定の間隔で互いに対向
し且つ平行に配置された上部電極と下部電極とを備えた
プラズマ化学気相成長装置において、前記上部電極と前
記下部電極との間にメッシュ状の板が配置されているた
め、基板上の微細な間隔の突起の間(例えば光導波路の
各コアの間)には、垂直上方から飛来した粒子(活性
種、イオン、励起種、中性粒子等)だけが、膜を成長さ
せるため、突起の間が微細な間隔であってもその位置に
も均一に成膜できるという効果を有する。
【0058】また、請求項2の発明によれば、チャンバ
内に所定の間隔で互いに対向し且つ平行に配置された上
部電極と下部電極とを備えたプラズマ化学気相成長装置
において、前記上部電極と前記下部電極の互いに対向す
る表面の間隔が100〜300mmの範囲に設定され、
且つチャンバー内の圧力が10-2〜1 Paの範囲に設
定されているため、基板上の微細な間隔の突起の間(例
えば光導波路の各コア150の間)には、垂直上方から
飛来した粒子(活性種、イオン、励起種、中性粒子等)
だけが、膜を成長させるため、突起の間が微細な間隔で
あってもその位置にも均一に成膜できる。
【0059】また、請求項3の発明によれば、請求項1
又は2のいずれかの請求項に記載のプラズマ化学気相成
長装置において、前記下部電極が基板ステージを兼ねる
と共に、前記下部電極に高周波電源が接続され、前記上
部電極及び前記チャンバが接地されているため、上記効
果に加え、基板側にプラズマシースが形成されるよう
に、基板ステージ(下部電極)がチャンバと電気的に絶
縁され、基板1に自己バイアスが印加され、膜成長時
に、その膜表面は、プラズマ中の粒子等による衝撃が加
わり、400℃以下の低温でも緻密な膜となり、また基
板に自己バイアスが印加されているために、さらにその
効果は増すという効果を有する。また、プラズマ生成の
ための高周波電源が基板への自己バイアスのための電源
を兼ねることができるため、装置の簡略化が図れるとい
う効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態並びに第2の実施の
形態に係るプラズマ化学気相成長装置の概略的な構成を
示したブロック図であり、各実施の形態に共通部分の構
成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のプラズマ化学気相
成長装置に係るチャンバ1内の各部の構成を示した図で
ある。
【図3】本発明の第1の実施の形態のプラズマ化学気相
成長装置に係るメッシュ板105の構造を示した図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施の形態における石英膜の堆
積途中の模様を示した図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のプラズマ化学気相
成長装置に係るチャンバ1内の各部の構成を示した図で
ある。
【図6】本発明の第2の実施の形態における石英膜の堆
積途中の模様を示した図である。
【符号の説明】
1 チャンバ 3 基板ステージ(下部電極) 5 上部電極 11 高周波電源 13 圧力計 15 圧力コントローラ 17 バタフライバルブ 19 メカニカルブースターポンプ 21、33 ロータリーポンプ 23、25、27、29、51、53、55 バルブ 31 ターボ分子ポンプ 41、43、45 流量コントローラ 60 TEOS供給用ボンベ 70 O2供給用ボンベ 80 C26供給用ボンベ 100 基板 105 メッシュ板 110 ガス導入用パイプ 120 ヒーター 125 絶縁管 130 熱伝対 140 高周波電源引き込み部 145 下部クラッド層 150 コア 160 上部クラッド層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ内に所定の間隔で互いに対向し
    且つ平行に配置された上部電極と下部電極とを備えたプ
    ラズマ化学気相成長装置において、 前記上部電極と前記下部電極との間にメッシュ状の板が
    配置されていることを特徴とするプラズマ化学気相成長
    装置。
  2. 【請求項2】 チャンバ内に所定の間隔で互いに対向し
    且つ平行に配置された上部電極と下部電極とを備えたプ
    ラズマ化学気相成長装置において、 前記上部電極と前記下部電極の互いに対向する表面の間
    隔が100〜300mmの範囲に設定され、且つチャン
    バー内の圧力が10-2〜1 Paの範囲に設定されるこ
    とを特徴とするプラズマ化学気相成長装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2のいずれかの請求項に記載
    のプラズマ化学気相成長装置において、前記下部電極が
    基板ステージを兼ねると共に、前記下部電極に高周波電
    源が接続され、前記上部電極及び前記チャンバが接地さ
    れていることを特徴とするプラズマ化学気相成長装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003054949A1 (fr) * 2001-12-13 2003-07-03 Tokyo Electron Limited Procede de traitement de substrats et dispositif de traitement de substrats
JP2011249513A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Toppan Printing Co Ltd エッチング装置

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WO2003054949A1 (fr) * 2001-12-13 2003-07-03 Tokyo Electron Limited Procede de traitement de substrats et dispositif de traitement de substrats
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