JP2000256747A - エッチング性に優れたシャドウマスク材の製造方法 - Google Patents

エッチング性に優れたシャドウマスク材の製造方法

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JP2000256747A
JP2000256747A JP11064456A JP6445699A JP2000256747A JP 2000256747 A JP2000256747 A JP 2000256747A JP 11064456 A JP11064456 A JP 11064456A JP 6445699 A JP6445699 A JP 6445699A JP 2000256747 A JP2000256747 A JP 2000256747A
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shadow mask
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continuous
heat treatment
heating
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Ryoji Inoue
良二 井上
Hideki Nakamura
秀樹 中村
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Fe−Ni系インバ−シャドウマスク材にお
いて、エッチング後のスジムラの発生しないエッチング
性に優れたシャドウマスク材の製造方法を提供する。 【解決手段】 重量%で、Niを34〜38%含有し、
残部Feを主体とするFe−Ni系合金よりなる厚さ2
〜20mmの熱間圧延板あるいは連鋳片に、温度:12
50℃〜1400℃、保持時間:1h以下の条件で連続
加熱処理するシャドウマスク材の製造方法である。連続
加熱処理における加熱手段に通電加熱方式かまたは誘導
加熱方式を適用する。また、上記のいずれかの方法で製
造されたシャドウマスク材を用いて、冷間圧延−焼鈍の
組合せを3回以上繰り返して仕上げ帯材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラウン管に利用
されるシャドウマスク材で、特にエッチング性に優れた
材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管内部では、電子ビ−ムがシャ
ドウマスクの微小孔を通過することにより、所定の蛍光
体に照射され特定の色が発光する。この微小孔は、エッ
チングにより穿孔されているが、このエッチングの際に
はスジムラと呼ばれる不良が発生することがあり、孔形
状の精度劣化の要因として問題となっている。このスジ
ムラの原因は、Niの偏析によって生じるため、この偏
析を改善する方法として種々の熱拡散処理方法が提案さ
れている。この熱拡散に係る加熱処理が施される時点で
の材料形態としては、インゴットや熱間鍛造後のスラ
ブ、熱間圧延後のフ−プ、あるいは連続鋳造片があり、
それぞれの形態に適した加熱処理方法が提案されてい
る。
【0003】その中でも、スラブやフープ、連鋳片とい
った板形状にて施される熱拡散処理方法は、その速やか
な加熱目標温度への到達の点から有利である。これら方
法に関しては、例えばフ−プを対象とするものとして特
開昭60−56053、特開平2−50919があり、
連鋳片を対象とするもとして特公平7−11034が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭60−5605
3号は、熱間圧延後のフ−プに1100℃×1h以上の
熱処理を施し、Niを拡散させるものである。しかし、
この方法では、1h以上の加熱処理を条件とするため、
熱拡散処理工程を効率良く行なうべく“板状の素材を非
コイル状態で加熱炉中に送り流して処理する”連続加熱
処理方式を適用する場合には、該加熱炉内での材料の送
り速度を極めて遅くする必要があり、生産性が悪く量産
に難がある。
【0005】特開平2−50919号は、熱間圧延後の
フ−プに1000〜1400℃の温度で熱処理を施し、
成分偏析を解消する方法である。しかし、その具体的条
件には、連続加熱処理の適用に重要な加熱時間が考慮さ
れず、更にはフ−プを酸化防止のため鉄製の箱に入れて
から加熱処理を施すものでもある。従って、この方法で
は、連続加熱処理への適用が難しいため、生産性が悪い
だけでなく、その加熱処理毎にフ−プを入れる鉄製の箱
を作製する必要があり、コスト面でも不利なものであ
る。
【0006】特公平7−11034号は、連続鋳造スラ
ブに1200〜1350℃×1h以上の条件でソ−キン
グ熱処理を施し、成分偏析を解消する方法である。しか
し、この方法においても、やはり加熱保持時間が1h以
上と長いため、連続加熱処理を適用する場合には生産性
の面で不十分である。
【0007】本発明は、以上の事項に鑑み、生産性およ
びコスト面に優れた加熱処理条件を確立することで、エ
ッチング時のスジムラ発生を抑制できるエッチング性に
優れたシャドウマスク材の製造方法を提供するもので
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】まず、本発明者は、熱拡
散処理工程を効率良く行なえる連続加熱処理方式の適用
を前提に据えた。そして、スジムラを抑制できるシャド
ウマスク材を製造すべくその方式にて偏析や酸化を抑制
し、かつ生産性やコスト面にも優れた加熱条件を確立
し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、重量%で、Niを3
4〜38%含有し、残部Feを主体とするFe−Ni系
合金を、熱間圧延により厚さ:2〜20mmの板材とし
た後、温度:1250℃〜1400℃、保持時間:1h
以下の条件で連続加熱処理するシャドウマスク材の製造
方法である。あるいは、重量%で、Niを34〜38%
含有し、残部Feを主体とするFe−Ni系溶湯を、連
続鋳造により厚さ:2〜20mmの板材とした後、温
度:1250℃〜1400℃、保持時間:1h以下の条
件で連続加熱処理するシャドウマスク材の製造方法であ
る。なお、本発明の連続加熱処理における加熱手段に
は、通電加熱方式かまたは誘導加熱方式を適用すればよ
い。
【0010】そして、上記のいずれかの方法で製造され
たシャドウマスク材を用いて、冷間圧延−焼鈍の組合せ
を3回以上繰り返して仕上げ帯材とすることで、優れた
エッチング性を維持するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、従来の提案方法
に比して、その加熱処理手段に連続加熱処理方式の適用
を前提にし、その方式に最適な処理条件を見いだしたと
ころにある。すなわち、スジムラを抑制できるシャドウ
マスク材を製造すべく、その方式にて偏析や酸化を抑制
し、かつ生産性やコスト面にも優れた加熱条件として、
本方式による望ましい製造方法を見いだしたものであ
る。以下、本発明を構成する合金成分の作用に併せ、製
造条件の限定理由について説明する。
【0012】本発明に適用される材料は、重量%で、N
iを34〜38%含有し、残部Feを主体とするFe−
Ni系合金である。Ni量は、シャドウマスクに求めら
れるに十分な低熱膨張特性を付与すべく、残部Feを主
体とする本発明の材料において、そのインバ−効果を有
効に利用して低熱膨張化するために34〜38%とす
る。なお、更なる低熱膨張特性の付与からNiの一部を
3%以下のCoに置換してもよい。
【0013】また、本発明に適用される材料は、その低
熱膨張特性の確保から、所定のNi量を含有した残部を
Fe主体とするものであるが、これに関しては、インバ
ー効果を損なわない範囲で種々特性の向上に応じるべ
く、Feの一部を他種元素に置換することも可能であっ
て、これによって本発明の効果が損なわれるものではな
い。
【0014】次に、本発明の連続加熱処理について説明
する。まず、供される板材の板厚としては、2mm未満
では表面酸化により単位重量当りの滅失量が多くなるた
め、歩留まりが悪くなる。また、20mmを超えると存
在する偏析サイズが大きくなり、施す拡散処理に長時間
を要すため、生産性が低下する。以上から、本発明の連
続加熱処理に供される板材として適正な板厚は2〜20
mmである。
【0015】そして、本発明の加熱処理温度であるが、
本発明では上記適正な板厚を有する板材において、その
連続加熱処理による十分な偏析解消を1h以下で行なう
ことを目標とするものである。この場合、加熱処理温度
が1250℃未満では、1h以下の拡散処理ではNiの
拡散が不十分でスジムラが改善されない。一方、140
0℃を超える加熱処理温度では板材の強度が落ちるた
め、例えば加熱処理後のコイルへの巻取りにてコイルに
十分なテンションがかけられず、巻取りに不具合が生じ
る。従って、本発明の効果を得るに適正な温度として1
250℃以上を設定し、生産効率の上で1400℃を上
限とする。
【0016】また、本発明の連続加熱処理における加熱
手段には、通電加熱方式かまたは誘導加熱方式のいずれ
かを適用すればよい。具体的に述べると、板材の厚さが
5mm以下ではエネルギ−効率の観点から通電方式が好
ましく、10mm以上では誘導加熱方式が好ましい。
【0017】ところで、上記条件による連続加熱処理を
施す板材としては、通常の溶製法で製造した合金塊を熱
間鍛造−熱間圧延したフ−プを用いるか、溶湯から連続
して直接板状に凝固させた連続鋳造片のいずれかを使用
するが、共にその板厚は上記の理由で2〜20mmと
し、本発明の加熱処理条件を適用することで本発明の効
果が達成される。
【0018】次に、本発明の加熱処理を経たシャドウマ
スク材は、冷間圧延を施して製品サイズの厚みに加工さ
れることになるが、この場合、冷間圧延−焼鈍による組
合せが1〜2回の場合、加熱処理によって粗大化した結
晶粒が材料中に残存し混粒組織となって、エッチング時
の精度劣化が懸念される。一方、冷間圧延−焼鈍の組み
合わせを3回以上繰り返すことで、粗大な結晶粒をJI
S G 0551でNo.9レベルかあるいはそれを超
える結晶粒度番号にまで微細・均一化することができ、
製品に要求される特性に応じることが可能となる。よっ
て、本発明では、好ましい条件として、加熱処理後のシ
ャドウマスク材を仕上げ帯材とするにあたり3回以上の
冷間圧延−焼鈍の組合せを繰り返すものとする。
【0019】
【実施例】[実施例1]真空誘導溶解炉により調整した
Niを36%含有するFe−Ni系合金溶湯を鋳造、合
金塊を作製した。その後、熱間鍛造−熱間圧延を施し
て、厚さ:1.5〜30mmのフ−プとした。そして、
表1に記載の加熱条件でNガス中での連続拡散熱処理
を施した。通板速度は1m/分とした。
【0020】それから、この加熱処理後の板材に冷間圧
延と焼鈍の組合せを3回繰り返して、厚さ:0.20m
mの薄板とした。そして、この薄板にシャドウマスクの
孔形状にエッチング加工を施し、目視にてスジムラの判
定を行った。スジムラの判定は、目視にてスジムラの見
受けられないものを○、スジムラが確認されるも軽微で
あり、シャドウマスクへの適用が十分に可能なものを
△、そして、シャドウマスクへの適用困難なスジムラが
確認されるものを×とした。また同時に、加熱処理によ
る表面酸化程度に係り、歩留まりの評価として表面スケ
ールを研磨除去後に材料の重量が90%以上確保されて
いるものを○で評価した。
【0021】
【表1】
【0022】表1から、本発明の製造方法を適用したシ
ャドウマスク材が優れたスジムラ品位と歩留まりを達成
していることが判る(実施No.3,4,6,7)。一
方、厚みが2mmを下回る板材を連続加熱処理した場合
では、スジムラの解消程度は良好なるも表面酸化により
歩留まりが悪いこと(実施No.1)、そして、20m
mを超える板材では、連続加熱処理時の成分拡散が不十
分なことによるスジムラ品位が悪いことが判る(実施N
o.8)。
【0023】また、本発明の板厚による連続加熱処理を
行なった場合でも、その加熱処理温度が1250℃に満
たないと、やはり成分拡散が不十分なことによるスジム
ラ品位の低下が生じる(実施No.2)。よって、スジ
ムラ品位の向上の上で、加熱温度は最低でも1250℃
必要であるが、1400℃を超えると板材の強度が低く
なり、巻取りができなかった(実施No.5)。
【0024】[実施例2]実施例1のフ−プの代わり
に、連続鋳造により厚さ:1.5〜30mmのFe−3
6%Ni系合金連鋳片を作製し、加熱処理に供する板材
とした。この板材で表1の条件と同様のテストを実施し
たところ、表1とほぼ同様の結果となった。
【0025】[実施例3]実施例1と同様にして厚さ5
mmのフ−プを作製した。次に、表1の実施No.4と
同じ条件で連続加熱処理を施した後、冷間圧延−焼鈍の
組合せを2回繰り返したものと、3回繰り返して厚さ
0.20mmの薄板としたもの2種類について結晶粒を
調査した。その結果、3回繰り返したものは、結晶粒が
整粒でほぼ均一なサイズとなっており、結晶粒度番号
(JIS G 0551)がNo.9.5であった。し
かし、2回繰り返したのみのものは、結晶粒が混粒とな
っており、粒度番号がNo.9.5のものとNo.7の
ものが混在していた。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、シャドウマスク用材料
の偏析が解消され、エッチング後のスジムラ品位が改善
されるだけでなく、コスト面から見ても量産性のあるプ
ロセスであるため、従来技術程度のコストにて優れたエ
ッチング性を有するシャドウマスク材の生産が可能であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Niを34〜38%含有し、
    残部Feを主体とするFe−Ni系合金を、熱間圧延に
    より厚さ:2〜20mmの板材とした後、温度:125
    0℃〜1400℃、保持時間:1h以下の条件で連続加
    熱処理することを特徴とするエッチング性に優れたシャ
    ドウマスク材の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量%で、Niを34〜38%含有し、
    残部Feを主体とするFe−Ni系溶湯を、連続鋳造に
    より厚さ:2〜20mmの板材とした後、温度:125
    0℃〜1400℃、保持時間:1h以下の条件で連続加
    熱処理することを特徴とするエッチング性に優れたシャ
    ドウマスク材の製造方法。
  3. 【請求項3】 連続加熱処理における加熱手段が、通電
    加熱方式かまたは誘導加熱方式であることを特徴とする
    請求項1または2に記載のエッチング性に優れたシャド
    ウマスク材の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のシ
    ャドウマスク材を用いて、冷間圧延−焼鈍の組合せを3
    回以上繰り返して仕上げ帯材とすることを特徴とするエ
    ッチング性に優れたシャドウマスク材の製造方法。
JP11064456A 1999-03-11 1999-03-11 エッチング性に優れたシャドウマスク材の製造方法 Pending JP2000256747A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7833570B2 (en) 2007-07-09 2010-11-16 Sony Corporation Dimensional stabilization of precision etched masks

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7833570B2 (en) 2007-07-09 2010-11-16 Sony Corporation Dimensional stabilization of precision etched masks
US7972442B2 (en) 2007-07-09 2011-07-05 Sony Corporation Photoplate for OLED deposition screen

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