JP2000255161A - インクジェット用記録媒体、記録方法および記録物 - Google Patents

インクジェット用記録媒体、記録方法および記録物

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JP2000255161A
JP2000255161A JP11062286A JP6228699A JP2000255161A JP 2000255161 A JP2000255161 A JP 2000255161A JP 11062286 A JP11062286 A JP 11062286A JP 6228699 A JP6228699 A JP 6228699A JP 2000255161 A JP2000255161 A JP 2000255161A
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electron
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Katsuhiko Haga
勝彦 羽賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な装置を必要とせず、一般のインクジェ
ット式記録方法を用いるプリンタ等に適用することが可
能であり、偽造複写印刷物に対し追跡捜査を容易にする
ことができるインクジェット用記録媒体、記録方法およ
び記録物を提供する。 【解決手段】 基材と、該基材上に設けられたインク受
容層とを少なくとも有してなる、インク組成物によって
画像記録が行われるインクジェット用記録媒体である。
そして、インク受容層中に少なくとも電子供与性発色剤
と電子受容性顕色剤とを含むことを特徴とするインクジ
ェット用記録媒体、記録方法および記録物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録媒体、記録方法および記録物に関し、特に、感熱・感
圧発色物質を含有したインクジェット記録媒体、記録方
法および記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年においては、カラー複写機、カラー
プリンタなどのカラー画像を、複写あるいは複製できる
画像記録装置は非常に高性能となってきている。このこ
とから、この画像記録装置を使って複製された記録物
は、極めて高品質なカラー画像を得ることができる。特
に、インクジェット方式による記録装置を用いた記録物
は、インクの性能向上と合いまって、その品質は飛躍的
に向上してきている。このようなことから、このインク
ジェット方式による記録装置を利用して本来複写される
べきでない、例えば商品券、証券、紙幣などを不正に作
成される恐れが出てきた。
【0003】しかし、本来複写されるべきでない印刷物
等の複写が行われ、その複写物が悪用された場合に、複
写を行った複写機等の画像形成装置を特定することが出
来れば、犯罪捜査に役立つばかりか、複写物の悪用の動
機を無くす効果がある。
【0004】このような複写物の悪用をふせぐため、偽
造複写印刷物に対し追跡捜査を容易にする従来技術とし
て、例えば、目視によって見え難い特定のマーキングし
て、特定の情報を画像あるいは記録物に書き込む方法が
提案されている(特開平9-227817号公報に開示
された技術)。また、特開平6−059601号公報に
は、画像読取部と、画像処理部と、画像処理後の画像情
報に基づいて記録紙上に画像生成を実行する画像生成部
と、見た目には容易に認識できない特殊インクを用いて
各種情報を書き込む情報書込部と、検知センサと、シス
テムコントローラとを具備する「画像形成装置」が開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の偽造
複写印刷物に対し、追跡捜査を容易にするための、前掲
の情報書き込み方法は、画像形成用とは別の特殊インク
を用いて各種情報自体を書き込む必要があり、その書き
込みのために、特殊な装置を必要とし、一般のインクジ
ェット式記録方法を用いるプリンタ等に適用することは
困難であるという問題点がある。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、特殊な装置を必要とせず、一般のイ
ンクジェット式記録方法を用いるプリンタ等に適用する
ことが可能であり、偽造複写印刷物に対し追跡捜査を容
易にすることができるインクジェット記録媒体、記録方
法および記録物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ット用記録媒体は、基材と、該基材上に設けられたイン
ク受容層とを少なくとも有してなる、インク組成物によ
って画像記録が行われるインクジェット用記録媒体であ
って、 ・前記インク受容層中に少なくとも電子供与性発色剤と
電子受容性顕色剤とを含むこと( 請求項1)を特徴(発明
を特定する事項)とし、このように、電子供与性発色剤
および電子受容性顕色剤を配合することにより、記録媒
体に加熱または加圧のエネルギーを付与によって発色が
起こるようにすることができる。
【0008】そして、前記電子供与性発色剤の含有量が
0.1〜10重量%であり、前記電子受容性顕色剤の含
有量が0.2〜20重量%であることが好ましく(請求
項2)、これにより、記録媒体に加熱または加圧のエネ
ルギーを付与によって発色が起こるようにすることがで
きる。
【0009】また、この電子供与性発色剤および電子受
容性顕色剤の少なくとも一方が、マイクロカプセル化さ
れていることが好ましく(請求項3)、これにより、記録
媒体に加熱または加圧のエネルギーを付与によって発色
が起こるようにすることができ、さらに、発色の閾値を
適宜に設定することができる。
【0010】また、本発明に係るインクジェット用記録
媒体は、インク受容層が微粒子を含んでなり、インク組
成物中の着色剤を該微粒子自体が吸収して、または、該
微粒子間の空隙に保持して、画像を形成するものである
(請求項4)。
【0011】一方、本発明に係る記録方法は、インク組
成物を付着させて記録媒体に印字を行う記録方法、また
は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に
付着させて印字を行うインクジェット記録方法であっ
て、 ・前記インクジェット用記録媒体(請求項1〜4に記載
の記録媒体)を用いること(請求項5,請求項6)、を特
徴とする。
【0012】また、本発明は、前記記録方法(請求項
5,請求項6)によって記録された記録物(請求項7)を
特徴とし、さらに、この記録物(請求項7)を80℃以上
の加熱、または、10kg/cm2以上の加圧により発
色させること(請求項8〜10)、および、このように加
熱または加圧により発色させて記録させた記録物(請求
項11)を特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を挙
げ、本発明について詳細に説明する。本発明に係るイン
クジェット記録媒体は、基材と、該基材上に設けられた
インク受容層とを少なくとも有してなる、インク組成物
によって画像記録が行われるインクジェット用記録媒体
であって、前記インク受容層中に少なくとも電子供与性
発色剤と電子受容性顕色剤とを含むことが特徴である。
そして、電子供与性発色剤の含有量を0.1〜10重量
%の範囲とすることが望ましく、また、電子受容性顕色
剤の含有量を0.1〜20重量%の範囲とすることが望
ましい。その理由は、上記含有量を超えると、インクの
吸収性が悪化する恐れがあり、また、上記含有量未満で
は、加圧または加熱による発色が少なく、目視による判
別が困難になるからである。
【0014】また、本発明に係るインクジェット用記録
媒体は、例えば、80℃以上の加熱により特定の色に発
色するようにできる。また、本発明に係るインクジェッ
ト用記録媒体は、10kg/cm2以上の加圧により特
定の色に発色するようにすることができる。
【0015】また、本発明に係るインクジェット用記録
媒体は、インク受容層が微粒子を含んで成るように構成
することができる。このインク受容層は、インク組成物
中の着色剤を該微粒子自体が吸収して、または、該微粒
子間の空隙に保持して、画像を形成することができる。
【0016】本発明で使用する電子供与性発色剤,電子
受容性顕色剤については、特に限定するものではなく、
以下に例示する任意の電子供与性発色剤,電子受容性顕
色剤を用いることができる。
【0017】例えば、電子供与性発色剤としては、トリ
フェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合
物、フエノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化
合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム
系化合物、トリフエニルメタン系化合物、トリアゼン系
化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物な
ど各種の化合物がある。フタリド類の具体例は米国再発
行特許明細書第23,024号、米国特許明細書第3,
491,111号、同第3,491,112号、同第
3,491,116号および同第3,509,174
号、フルオラン類の具体例は米国特許明細書第3,62
4,107号、同第3,627,787号、同第3,6
41,011号、同第3,462,828号、同第3,
681,390号、同第3,920,510号、同第
3,959,571号、スピロジピラン類の具体例は米
国特許明細書第3,971,808号、ピリジン系およ
びピラジン系化合物類は米国特許明細書第3,775,
424号、同第3,853,869号、同第4,24
6,318号、フルオレン系化合物の具体例は特願昭6
1−240989号等に記載されている。このうち特に
黒発色の2−アリールアミノ−3−H、ハロゲン、アル
キル又はアルコキシ−6−置換アミノフルオランが有効
である。具体例としてたとえば2−アニリノ−3−メチ
ル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ
フルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−メチル−6
−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロ
ロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−
N−ドデシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
トキシ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−クロ
ロアニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−エチル−6−ジブチルアミノフ
ルオラン、2−o−トルイジノ−3−メチル−6−ジイ
ソプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−N−イソブチル−N−エチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−
テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソアミルアミ
ノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メ
チル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−エ
トキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシプロピル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N
−メチル−N−プロピルアミノフルオランなどを挙げる
ことができる。
【0018】添加剤として増感剤を用いることができ
る。増感剤の例としては、特開昭58−57989号、
特開昭58−87094号、特開昭63−39375号
等に開示されている化合物が挙げられる。芳香族エーテ
ル(特に、ベンジルエーテル類、ジ(置換フェノキシ)
アルカン類)、芳香族エステル及び又は脂肪族アミド、
ウレア又は芳香族アミド又はウレアなどがその代表であ
る。
【0019】電子受容性顕色剤としては、例えば、フェ
ノール誘導体、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、金属
処理ノボラック樹脂、金属錯体、サリチル酸誘導体、芳
香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、ベントナイト等の
電子受容性化合物を併用して用いてもよい。これらの例
は特公昭40−9309号、特公昭45−14039
号、特開昭52−140483号、特開昭48−515
10号、特開昭57−210886号、特開昭58−8
7089号、特開昭59−11286号、特開昭60−
176795号、特開昭61−95988号等に記載さ
れている。これらの一部を例示すれば、4−ターシャリ
ーブチルフェノール、4−フェニルフェノール、2,
2’−ジヒドロキシビフェニール、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、
4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4,4’
−シクロヘキシリデンジフェノール、ビス(3−アリー
ル−4−ヒドロキシフエニル)スルホン、4−ヒドロキ
シフエニル−3’,4’ジメチルフエニルスルホン、4
−(4−イソプロポキシフエニルスルホニル)フエノー
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、
1,4−ビス−(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
1,3−ビス−(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチ
ルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−
tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルフォン,4−ヒドロキシ安息香酸ベン
ジルエステル、
【0020】3,5−ジ−tert−ブチルサリチル
酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)
サリチル酸、3−クミル−5−t−オクチルサリチル
酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−フェニル
−5−t−オクチルサリチル酸、3−メチル−5−α−
メチルベンジルサリチル酸、3−メチル−5−クミルサ
リチル酸、3,5−ジ−t−オクチルサリチル酸,3,
5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸,3−クミ
ル−5−フェニルサリチル酸、5−n−オクタデシルサ
リチル酸、4−ペンタデシルサリチル酸、3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ビ
ス−t−オクチルサリチル酸、4−β−ドデシルオキシ
エトキシサリチル酸、4−メトキシ−6−ドデシルオキ
シサリチル酸、4−β−フェノキシエトキシサリチル
酸、4−β−p−エチルフェノキシエトキシサリチル
酸、4−β−p−メトキシフェノキシエトキシサリチル
酸等及びこれらの金属塩等を挙げることができる。
【0021】また、本発明においては、前掲の電子供与
性発色剤および電子受容性顕色剤の少なくとも一方がイ
ンク受容層中に、マイクロカプセル化されている構成と
するすることができる。
【0022】マイクロカプセル化する方法としては、例
えば、コアセルベーション法(米国特許2800458
号明細書に開示された方法など)、界面重合法(特公昭
47−1763号公報などに開示された方法)、インサ
イチュー重合法(特開昭51−9079号公報などに開
示された方法)などが使用できる。
【0023】マイクロカプセルの壁材としては、ポリウ
レタン、ポリ尿素、エポキシ樹脂、尿素/ホルマリン樹
脂、メラミン/ホルマリン樹脂などが使用できる。ま
た、ポリウレアあるいはポリウレタン壁の形成材料であ
る多価イソシアネート化合物としては、例えば、2,4
−トリレンジイソシナネートとトリメチロールプロパン
の付加体、キシリレンジイソシアネートとトリメチロー
ルプロパンの付加体が主として使用されている(特開昭
62−212190号公報及び特開平4−26189号
公報)。
【0024】マイクロカプセル化する方法について更に
具体的に説明すると、例えば、下記のようにして作製す
ることができる。マイクロカプセルの芯を形成するため
の疎水性溶媒としては、沸点100〜300℃の有機溶
媒が好ましい。具体的には、アルキルナフタレン、アル
キルジフェニルエタン、アルキルジフェニルメタン、ジ
フェニルエタンアルキル付加物、アルキルビフェニル、
塩素化パラフィン、トリクレジルフォスフェートなどの
燐酸系誘導体、マレイン酸−ジ−2−エチルヘキシル等
のマレイン酸エステル類、及びアジピン酸エステル類な
どを挙げることができる。これらは2種以上混合して用
いてもよい。電子供与性発色剤や電子受容性顕色剤のこ
れらの疎水性溶媒に対する溶解度が充分でない場合は、
更に低沸点溶剤を併用することができる。併用する低沸
点有機溶媒としては、沸点40〜100℃の有機溶媒が
好ましく、具体的には酢酸エチル、酢酸ブチル、メチレ
ンクロライド、テトラヒドロフラン及びアセトンなどを
挙げることができる。また、これらを2種以上混合して
用いてもよい。低沸点(沸点約100℃以下のもの)の
溶媒のみをカプセル芯に用いた場合には、溶媒は蒸散
し、カプセル壁と電子供与性発色剤や電子受容性顕色剤
のみが存在するいわゆるコアレスカプセルが形成され易
い。
【0025】本発明においてマイクロカプセル化の際、
マイクロカプセル壁を形成するためのイソシアネート化
合物の重合に用いる活性水素を有する化合物としては、
一般に水が使用されるが、ポリオールを芯となる有機溶
媒中あるいは分散媒となる水溶性高分子溶液中に添加し
ておき、上記活性水素を有する化合物(マイクロカプセ
ル壁の原料の一つ)として用いることができる。具体的
にはプロピレングリコール、グリセリン及びトリメチロ
ールプロパンなどが挙げられる。またポリオールの代わ
りに、あるいは併用してジエチレントリアミン、テトラ
エチレンペンタミン等のアミン化合物を使用しても良
い。
【0026】マイクロカプセルの油相を水相中に分散す
るための水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール
およびその変成物、ポリアクリル酸アミドおよびその誘
導体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/無水
マレイン酸共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合
体、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリビニ
ルピロリドン、エチレン/アクリル酸共重合体、酢酸ビ
ニル/アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導
体、アラビヤゴム及びアルギン酸ナトリウムを挙げるこ
とができる。これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物との反応しないか、極めて反応し難いものが好ま
しく、たとえばゼラチンのように分子鎖中に反応性のア
ミノ基を有するものは予め反応性をなくしておくことが
必要である。
【0027】本発明において、インク受容層は、基材上
にバインダーと顔料、更に必要に応じて、染料固着剤
(耐水化剤)、蛍光増白剤、界面活性剤、消泡剤、pH
調整剤、防黴剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添
加剤を混合した塗工液を用いて形成される。
【0028】バインダーとしては、酸化澱粉、エーテル
化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、
ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロ
リドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共
重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等
の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステ
ル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等の
アクリル系重合体などのアクリル系重合体ラテックス;
エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテッ
クス;あるいはこれら各種重合体のカルボキシ基等の官
能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メ
ラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂などの水性接着
剤;ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステ
ル;メタクリル酸エステルの重合体又は共重合体;ポリ
ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル酢
酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッ
ド樹脂等の合成樹脂系接着剤などを挙げることができ
る。
【0029】顔料としては、公知の白色顔料を1種以上
用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重
質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タル
ク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸
化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、チタンホワイト、珪酸ア
ルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネ
シウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミ
ナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミ
ニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水
酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラス
チックピグメント、アクリル系プラスチックピグメン
ト、ポリエチレン、メラミン樹脂、尿素樹脂等の有機顔
料などが挙げられる。
【0030】また、本発明において、上記インク受容層
を設ける記録媒体としては、従来公知の基材、例えば、
紙、合成紙、プラスチックフイルム等がある。記録媒体
としての紙は、繊維状物質、及び必要により填料を含有
するシートであり、従来公知の酸性抄紙法や中性抄紙法
により適切なサイズ剤により上記の範囲内に抄紙された
ものはいずれも使用できる。
【0031】上記の紙を構成する繊維状物質は、LBKP及
びNBKPに代表される木材パルプを主体とするが、必要に
より各種の合成繊維やガラス繊維等を混合しても良い。
記録媒体としてのプラスチックフイルムは、透明、不透
明のいずれでも従来公知の記録媒体が使用される。その
素材としては、従来公知の素材である、ポリエステル系
樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、エポキシ系樹脂、セロハン、セルロイド等を使用
することができる。
【0032】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明を具体的に説明する。 (実施例1) ・インク受容層の基本塗液(組成) シリカ微粒子(ミズカシルP-50:水澤化学社製) 15重量部 ポリビニルアルコール(PVA217:クラレ社製) 15重量部 イオン交換水 170重量部
【0033】・電子供与性発色剤の分散液(A1液) 2-アニリノ-3-メチル-6-N-エチル-テトラヒドロフルフ
リルアミノフルオラン20gを100gの5%ポリビニルア
ルコール(クラレPVA-105)水溶液と共に一昼夜ボールミ
ルで分散し 、平均粒径1.1μmの電子供与性発色剤分散
液(以下“A1液”という)を得た。
【0034】・電子受容性顕色剤の分散液(B液) ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン10gと4
-ヒドロキシ安息香酸ベンジル エステル10gとを、100
gの5%ポリビニルアルコール(クラレPVA-105)水溶液
と共に、一昼夜ボールミルで分散し、平均粒径0.8μm
の電子受容性顕色剤分散液(以下“B液”という)を得
た。
【0035】・実施例1で用いるインク受容層塗液の作
製 前記インク受容層の基本塗液:100g、前記A1液:2
g、前記B液:4gをよく混合し、実施例1で用いるイ
ンク受容層塗液を得た。 ・実施例1のインクジェット用記録媒体の作製 坪量:100g/m2の上質紙に、上記インク受容層塗液
を、乾燥膜厚が20μmとなるように塗工し、乾燥させ
て、実施例1のインクジェット用記録媒体を得た。
【0036】(実施例2) ・電子供与性発色剤内包マイクロカプセル分散液(A2
液) 3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミ
ノフタリド9部をジイソプロピルナフタレン(商品名:K-
113、呉羽化学社製)100部からなる油性液を調製した。
この油性液 に、ポリメチレンポリフェニルイソシアネ
ート(商品名:ミリオネートMR-500、日本ポリ ウレタン
工業社製)4部とイソシアヌレート環を有するヘキサメ
チレンジイソシアネート の3量体(商品名:コロネート
EH、日本ポリウレタン工業社製)8部を溶解した。そし
て、この溶液を、スルホン基含有脂肪族ジエン系共重合
体(商品名:ダイナフローK-106、日本合成ゴム社製)3
%水溶液100部に添加し、ホモミキサーを用いて乳化し
た。得られた乳化分散液をミキサーで攪拌しながら85
℃まで加温し、3時間反応させた後、室温まで温度を下
げカプセル化を終了し、平均粒径5μmの電子供与性発
色剤内包マイクロカプセル分散液(以下“A2液”とい
う)を得た。
【0037】・実施例2で用いるインク受容層塗液の作
製 前記実施例1で使用したインク受容層の基本液:100
g、前記A2液:2.5g、前記B液:2gをよく混合
し、実施例2で用いるインク受容層塗液を得た。 ・実施例2のインクジェット用記録媒体の作製 坪量:100g/m2の上質紙に、上記インク受容層塗液
を、乾燥膜厚が20μmとなるように塗工し、乾燥させ
て、実施例2のインクジェット用記録媒体を得た。
【0038】(比較例)なお、比較のため、前記実施例
1ないし実施例2において、インク受容層の基本液に配
合した“A1液ないしA2液”“B液”を除いて、その他
は、前記実施例1,2と同様にインクジェット用記録媒
体を作製した。すなわち、坪量:100g/m2の上質紙
に、前記実施例1で用いたインク受容層の基本液を、乾
燥膜厚が20μmとなるように塗工し、乾燥させて、比較
例のインクジェット用記録媒体を作製した。
【0039】前記実施例1,実施例2,比較例につい
て、次に示す印字評価試験を行い、その評価結果を表1
に示した。
【0040】(印字評価試験)印字試験機として、セイ
コーエプソン社製のインクジェットプリンタ“MJ-930
C”を使用した。印字は、実施例1,実施例2,比較例
で得られたインクジェット用記録媒体に、上記インクジ
ェットプリンタを使用して、ベタ印字でブラック,イエ
ロー,マゼンタ,シアンの各色が濃度0.7となるよう
に調整し、印字した。そして、インクジェット印字後、
10分間放置乾燥し、その後、インクジェット印字した
各記録媒体に、次に示す方法で“加熱記録”または“圧
力記録”を行い、同じく次に示す判定方法で“発色の状
態”を調べた。
【0041】・加熱記録方法 インクジェット印字した記録媒体に、表面温度が150℃
のアイロンを3秒間押しあてた 。 ・圧力記録方法 インクジェット印字した記録媒体に、50kg/cm2
荷重を10秒間加えた。
【0042】・判定方法 インクジェット印字した記録媒体に、加熱発色痕または
加圧発色痕が、「明瞭に目視で判断できる場合」を
“A”、「明瞭ではないが目視で判断できる場合」を
“B”、「目視で判断できない場合」を“C”、として
示した。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、本発明の実施例
1においては、加熱による発色痕がハッキリと現れ、ま
た、実施例2においては、加圧による発色痕がハッキリ
と現れた。これに対して、比較例においては、加圧並び
に加熱の何れの場合も発色痕が現れなかった。
【0045】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明に係るイン
クジェット用記録媒体を用いた記録方法による記録物
は、インクジェット記録後、記録物に加熱または加圧の
エネルギーを付与することで、一定以上の加熱または加
圧によって発色が起こるので、この記録物による偽造物
か本物である否かを、該加熱あるいは加圧によって、極
めて容易に判別することができる。また、発色する色
や、発色する加熱や加圧の程度を特定の隠し情報として
用いることにより、偽造複写印刷物に対し追跡捜査を容
易にすることができる。また、本発明に係る記録方法
は、インク組成物により特定の隠し情報を入れ込むこと
ができるので、隠し情報を記録ための特殊な装置を必要
とせず、一般のインクジェット式記録方法を用いるプリ
ンタに適用することができ、偽造複写印刷物に対し追跡
捜査を容易にする極めて有用な記録方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA21 FC02 FC06 FD07 2H086 BA01 BA02 BA05 BA15 BA31 BA33 BA45 4D075 CA35 CB08 CB40 DA04 DB18 DC27 4L055 AG34 AG36 AG39 AG64 AG96 AH03 AH37 AH50 AJ08 BE08 EA20 EA23 EA32 GA09 GA12 GA14 GA45

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材上に設けられたインク受
    容層とを少なくとも有してなる、インク組成物によって
    画像記録が行われるインクジェット用記録媒体であっ
    て、前記インク受容層中に少なくとも電子供与性発色剤
    と電子受容性顕色剤とを含むことを特徴とするインクジ
    ェット用記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記電子供与性発色剤の含有量が0.1
    〜10重量%であり、前記電子受容性顕色剤の含有量が
    0.1〜20重量%であることを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェット用記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記電子供与性発色剤および電子受容性
    顕色剤の少なくとも一方が、マイクロカプセル化されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    用記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層が微粒子を含んでな
    り、インク組成物中の着色剤を該微粒子自体が吸収し
    て、または、該微粒子間の空隙に保持して、画像を形成
    するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のインクジェット用記録媒体。
  5. 【請求項5】 インク組成物を付着させて記録媒体に印
    字を行う記録方法であって、インクジェット用記録媒体
    として請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェ
    ット用記録媒体を用いることを特徴とする記録方法。
  6. 【請求項6】 インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を
    記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方
    法であって、インクジェット用記録媒体として請求項1
    〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用記録媒体
    を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6に記載の記録方法によ
    って記録された記録物。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の記録物を加熱又は加圧
    により発色させることを特徴とする記録方法。
  9. 【請求項9】 80℃以上の加熱により発色することを
    特徴とする請求項8に記載の記録方法。
  10. 【請求項10】 10kg/cm2以上の 加圧により発
    色することを特徴とする請求項8に記載の記録方法。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれか1項に記載
    の記録方法によって記録された記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013022853A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Dainippon Printing Co Ltd スクラッチカード

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