JP2000254977A - フィラメントワインディング用長繊維強化熱可塑性樹脂基材、その製造方法、及びフィラメントワインディング成形体の製造方法 - Google Patents
フィラメントワインディング用長繊維強化熱可塑性樹脂基材、その製造方法、及びフィラメントワインディング成形体の製造方法Info
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Abstract
角度をつけても巻きたるみを生じないFW用長繊維強化
熱可塑性樹脂基材、その製造方法、及びFW成形体の製
造方法を提供する。 【解決手段】 断面が実質的に円形又は楕円形で、その
平均径が0.2〜1.5mmの繊材状の形態をなし、強
化繊維含有率が40〜80vol%、熱可塑性樹脂の含
浸率が95%以上、屈曲させたときの挫屈限界を曲率半
径Rで表わしたときに、R≦30D×V(R=曲率半
径:mm、D=平均径:mm、V=強化繊維含有率:v
ol%/100)であるFW用長繊維強化熱可塑性樹脂
基材を用いてFW成形する。上記基材は、スプリットを
施すことなく集束して得られた1本のガラス繊維ストラ
ンドを溶融含浸法により熱可塑性樹脂を含浸させた後、
一つのノズルから引き抜いて巻き取ることによって好ま
しく製造される。
Description
性樹脂を含浸させたフィラメントワインディングに有用
な長繊維強化熱可塑性樹脂基材、その製造方法、及びフ
ィラメントワインディング成形体の製造方法に関するも
のである。
下FWという)材料として強化繊維に熱可塑性樹脂を組
み合わせたテープ状の成形材料を用いることが知られて
いる。
は、モノフィラメント数やテープ材料の厚みを限定する
ことにより柔軟性を良好にし、ヘリカル巻き等に有効な
FW用成形材料が記載されている。
報に記載されたようなテープ状の成形材料では、テープ
材の厚さが薄いこともあり、ワインディング前に柔軟性
や接着性を向上させるために予備加熱をする際に、特に
捩れが生じやすく取扱性等に問題があった。ヘリカル巻
きをする場合においては、巻角度をつけると依然として
巻たるみが発生し、さらに角度をつけてワインディング
するとマンドレルの端部に基材が到達して折り返す際
に、捩れや巻たるみが発生するといった問題を有してい
た。さらに、圧力容器のような両端部がドーム形状のも
のに巻く場合にレベル巻きやポーラ巻きをすると、特に
巻きたるみが発生し、得られる成形体では空気の泡(以
下ボイドという)が発生したり、補強効果が不均一にな
ったりして、強度が低下するという問題を有していた。
があって、取扱性が良好で、ヘリカル巻きをする場合、
巻角度をつけたり、マンドレル等の端部での折り返しの
際に、巻きたるみを生じさせず、更にレベル巻き、ポー
ラ巻きで圧力容器等を作製しても巻たるみがないFW用
長繊維強化熱可塑性樹脂基材、該基材の製造方法、及び
該基材を用いたFW成形体の製造方法を提供することに
ある。
め、本発明のFW用長繊維強化熱可塑性樹脂基材は、連
続強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させたFW用長繊維強
化熱可塑性樹脂基材であって、 A)断面が実質的に円形又は楕円形で、 B)断面の平均径が0.2〜1.5mmの繊材状の形態
をなし、 C)強化繊維含有率が40〜80vol%であり、 D)前記熱可塑性樹脂の含浸率が95%以上であり、 E)屈曲させたときの挫屈限界を曲率半径Rで表わした
ときに、R≦30D×V(R=曲率半径:mm、D=平
均径:mm、V=強化繊維含有率:vol%/100)
であることを特徴とする。
材によれば、断面が実質的に円形又は楕円形の繊材状の
基材であるため、FWの際に捩れなどを生じさせず取扱
性が良好であると共に、巻たるみを生じさせずに成形す
ることが可能で、特にドーム形状のような曲面を有する
マンドレルやライナー等のFWに好適である。
柔軟性を向上させ、取扱性やFW成形性を向上させるこ
とができる。
上させることにより、特に圧力容器等の機械的強度が要
求される成形体に有効である。
樹脂基材の製造方法は、複数本のガラスモノフィラメン
トにスプリットを施すことなく集束して得られたガラス
繊維ストランドを、溶融含浸法により熱可塑性樹脂を含
浸させた後、ノズルから引き抜いて巻き取ることによ
り、 A)断面が実質的に円形又は楕円形で、 B)断面の平均径が0.2〜1.5mm以下の繊材状の
形態をなし、 C)ガラス含有率が40〜80vol%であり、 D)前記熱可塑性樹脂の含浸率が95%以上であり、 E)屈曲させたときの挫屈限界を曲率半径Rで表わした
ときに、R≦30D×V(R=曲率半径:mm、D=平
均径:mm、V=ガラス含有率:vol%/100)で
ある長繊維強化熱可塑性樹脂基材を得ることを特徴とす
る。
材の製造方法によれば、スプリットを施すことなく集束
して得られたガラス繊維ストランドを用いることによ
り、ガラス含有率を高めてもノズルの詰まりを防止して
連続生産が可能となり、外周に毛羽が少なく、熱可塑性
樹脂の含浸率が高く、しかも柔軟性に優れたFW用長繊
維強化熱可塑性樹脂基材を製造することができる。
前記の特徴を有するFW用長繊維強化熱可塑性樹脂基材
を加熱し、FW成形することを特徴とする。
前記FW用長繊維強化熱可塑性樹脂基材を用いることに
より、前記と同様な理由から、柔軟性が向上して取り扱
い性やFW成形性が良好となり、捩れや巻きたるみを生
じさせずにFW成形することができ、FW時の基材の破
損を抑制することができる。
しては、特に限定はなく一般に市販されている種々のも
のが使用可能であり、例えばポリオレフィン系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスチレ
ン等が挙げられるが、特にポリオレフィン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂が、強化繊維への含
浸性、コスト、物性の点から好適である。
プロピレン、ポリアミド系樹脂の中ではナイロン6・
6、ナイロン6、ナイロン12、MXDナイロン、ポリ
エステル系樹脂の中ではポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートが特に好ましく使用され
る。また上記樹脂に着色剤、変性剤、酸化防止剤、耐候
剤等の添加剤を混合して用いても差し支えない。
限定はなく一般に市販されている種々のものが使用可能
である。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊
維等を単独あるいは混合して用いても差し支えない。
は、複数本のガラスモノフィラメントにスプリットを施
さずに集束して得られたガラス繊維ストランドを用いる
ことが好ましく、さらに、1本のガラス繊維ストランド
を用いることが好ましい。
に、ブッシング1から紡糸された多数本のモノフィラメ
ント4をスプリッタ3により複数本のガラス繊維ストラ
ンド5に分繊することをいう。
ージ化されたものは、図5に示されるように、ガラス繊
維ストランドの束Sとして引き出される。
ンドの束Sにおいては、図2(a)に示すように、個々
のガラス繊維ストランドの長さが揃わずに部分的に長く
なったものS1等が生じやすく、このようなガラス繊維
ストランドの束SをノズルNに通して引き抜くとき、同
図(b)に示すように、上記長くなったものS1がノズ
ルNでしごかれてループとなり、部分的にガラス含有率
が著しく高くなり、繊維の切断が起こって、ノズルから
引き抜くことが困難となることがある。この現象は、特
に図5に示されるようなスプリットして得られたガラス
繊維ストランドの束を使用した場合に顕著に起こる。
繊維ストランドが扁平化して、その断面が扁平又は楕円
に近い形状になる傾向があるため、図5に示すスプリッ
トして得られたガラス繊維ストランドの束S、あるいは
図6に示す複数のパッケージから引き出されたガラス繊
維ストランドの束Sをノズルから引き抜く場合、図3
(a)に示すように、各ガラス繊維ストランドS1〜S
3が扁平な方向に整列した場合は、ノズルNを通り易く
なるが、同図(b)に示すように、そのうちの1つのガ
ラス繊維ストランドS3が横になった場合、ノズルNか
らはみ出して入りにくくなるため引き抜きが困難となる
ことがある。
ガラス繊維ストランドとしては、複数本のガラスモノフ
ィラメントを集束したもの、好ましくはスプリットを施
していないものを使用し、さらに好ましくは、スプリッ
トを施していない1本のガラス繊維ストランドを使用す
る。これにより、ガラス繊維ストランドどうしの長さの
不揃いによる図2(b)に示したような状態や、ガラス
繊維ストランドどうしの位置関係による図3(b)に示
したような状態が起こりにくくなり、ノズルから引き抜
く時に詰まりが発生しにくくなり、ノズルからの引き抜
きが容易となる。そのためガラス含有率を高めることが
できると共に歩留まりが良好となり、さらに毛羽の少な
い外観とすることができる。
ラメントの平均径が通常は6〜23μm、より好ましく
は10〜17μmである。平均径が6μm未満の場合は
成形品がコスト高になり、23μmを越える場合は、成
形品の機械的物性が劣るため好ましくない。
0本が好ましく、200〜1,200本がより好まし
い。フィラメント数が200本未満であると補強効果が
劣り、後工程において多数本の長繊維強化熱可塑性樹脂
基材が必要となるため作業が煩雑となり好ましくない。
一方、2,000本を超えると、できあがった長繊維強
化熱可塑性樹脂基材が太くなり、柔軟性に劣るため好ま
しくない。
可塑性樹脂を含浸させる方法としては、上記ガラス繊維
ストランドを樹脂含浸用槽に送り込み、溶融含浸法によ
り樹脂を含浸させた後、ノズルから引き抜いて巻き取る
方法が挙げられる。特に好ましいのは、1本のガラス繊
維ストランドを一つのノズルから引き抜いて巻き取る方
法である。このように1本のガラス繊維ストランドを一
つのノズルから引き抜くことにより、上述したようにノ
ズルからの引き抜きが容易となり、ガラス含有率を高め
ることができると共に歩留まりが良好となり、さらに毛
羽の少ない外観とすることができる。
基材は、通常、繊材状の形態を有している。ここで、繊
材状の形態とは、断面形状が実質的に扁平ではない、円
形又は楕円形のもので、連続状の線状物を意味する。こ
の場合の実質的に円形又は楕円形とは、上記断面形状
が、断面の長径/短径=1〜2であることが好ましく、
1〜1.5であることがより好ましい。上記値が2を超
えると特にヘリカル巻き、ポーラー巻き、レベル巻きに
おいて基材の巻きたるみが生じたり、マンドレルの端部
に基材が到達して折り返す際に捩れや巻きたるみが生じ
易くなり好ましくない。
可塑性樹脂基材の平均径は、0.2〜1.5mmである
ことが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0mmで
ある。上記平均径が0.2mm未満であると生産性が劣
り、1.5mmを超えると柔軟性が乏しくなるため巻き
取りが困難となると共に、FW成形において加熱溶融の
際の加熱効率が劣り、FW成形速度を上げることができ
なくなり好ましくない。
の長径と短径の平均を断面径とし、熱可塑性樹脂複合ガ
ラス繊維基材から任意の5ヶ所の断面を選び、その断面
径の平均を表すものである。
材の強化繊維の含有率は、40〜80vol%であるこ
とが好ましく、より好ましくは40〜70vol%であ
る。上記含有率が40vol%未満であると繊維を包む
マトリックスが多すぎてFW成形においてマンドレル等
により押圧されると樹脂がしぼられて強化繊維の分散性
が劣り、得られる成形体の表面外観性等が悪くなるため
好ましくない。一方、80vol%を超える場合には繊
維を包むマトリックスの量が少なすぎ、熱可塑性樹脂の
含浸率95%以上を確保することが困難となる。
率は95%以上であることが必要である。上記含浸率が
95%未満であると均一な機械的特性が得られず、FW
成形体としたときにボイドが生じやすくなるため好まし
くない。
性樹脂基材の断面を200倍の電子顕微鏡で観察し、2
0μmのメッシュをおいて、メッシュ中に少しでもボイ
ドが認められれば、そのメッシュをボイド面積として加
え、観察した全断面積とボイド面積とから以下の数式に
よって求めたものである。
00(%)
塑性樹脂基材は、屈曲させたときの挫屈限界を曲率半径
Rで表わしたときに、R≦30D×V(R=曲率半径:
mm、D=平均径:mm、V=強化繊維含有率:vol
%/100)であることが必要であり、曲率半径R≦3
0D×V×I2であることがより好ましい。
した値である。すなわち、まず全長600mmの試験片
(長繊維強化熱可塑性樹脂基材)10と、カラー11と
を用意する。試験片10の両端をカラー11に通してル
ープ10aを作り、各両端部50mmを引張り試験機の
チャック12、13に固定する。そして、チャック1
2、13を移動させて10mm/minの速度で引張
り、挫屈したときのチャック間隔の長さLを測定し、こ
の長さLからループ10aの長さを計算し、ループ10
aの長さを2πで割ってRとした。
があり、基材の取り扱い性、マンドレルやライナーの型
なじみ性に優れており好ましいが、30D×Vを超える
場合には、剛性が高く柔軟性が劣るためFW用として使
用することが困難となり好ましくない。
上述したようにノズルから引き抜かれた後に、そのまま
FW成形することも可能であるが、装置が大がかりにな
るため、一旦、ボビン等に巻いてパッケージ化すること
が好ましい。本発明の基材は多方向への柔軟性が優れて
いるためボビンへの巻き取りが良好であり、かつ、解舒
性が良好でパッケージ化には好適である。パッケージ化
には、基材1本を巻いても、複数本を束ねて巻いてもよ
いが、生産性や後の作業性を考慮した場合、2〜30
本、更には10〜20本に束ねることが好ましい。上記
長繊維強化熱可塑性樹脂基材が、30本を越えるとパッ
ケージ内でカテナリーを生じ易くなるため、解舒性が劣
ると共に、FW成形の際に巻きたるみが発生し易く、基
材を平行に引き揃えることができなくなるため好ましく
ない。
は、綾角度が3〜16度であることが好ましい。綾角度
が3度未満であると前段で巻かれた基材と基材の間に後
段で巻かれた基材が落ち込み、絡み合いが生じて解舒性
が劣るため好ましくなく、16度を越えるとマンドレル
端部の折り返しの際にカテナリーを生じ易いため好まし
くない。また、巻き方には特に限定はなく、綾角一定巻
きやワインド比一定巻き等が挙げられるが、解舒性等の
点からワインド比一定巻きが好ましい。
樹脂基材は、張力を加えながら供給する方法が採られ
る。更に、基材同士やライナーとの接着性を良好にし、
かつ、基材の柔軟性を向上させるために、ワインディン
グ前に基材を予め加熱溶融する。加熱温度は、使用する
熱可塑性樹脂により適宜設定することが可能であり、熱
可塑性樹脂の融点以上にすることが好ましい。
柔軟性に富むため、複雑な形状のマンドレルやライナー
に適用可能であり、また巻き方についてもパラレル巻
き、ヘリカル巻き、レベル巻き、ポーラ巻き等、マンド
レルやライナーの形状に合わせて適宜選択することが可
能である。
は、両側がドーム状の形状を有したマンドレルやライナ
ーに対してヘリカル巻き、レベル巻き、ポーラー巻きを
した際に、巻たるみを生じることがない。
れず、例えばヘリカル巻きやパラレル巻きにはトラバー
ス式成型機を用い、密閉容器等にはレーストラック式成
型機を用いてポーラー巻きやレベル巻きをすることがで
きる。
更にレベル巻き、ヘリカル巻きにはホスティングアーム
式成型機が用いられる。
説明する。 実施例1 平均径13μm、集束本数600本のスプリットのかか
っていないガラス繊維ストランドを、MI=40の酸変
性した溶融ポリプロピレン(260℃)中に導入し、溶
融含浸を行った後、内径0.42mmのノズルから50
m/minの速度で引き抜き、ボビンに巻き取った。
基材の平均径は0.42mm、ガラス含有率は67vo
l%、含浸率はボイドが見当たらず、n=5の平均値で
100%であった。
た長繊維強化熱可塑性樹脂基材を600℃の電気炉中で
加熱して樹脂を焼失させた後、残ったガラスの重量を測
定して、ガラス含有率85wt%の測定値を得た。この
値から樹脂の比重を0.91、ガラス繊維の比重を2.
54としてvol%に換算した。
維強化熱可塑性樹脂基材の挫屈時の曲率半径Rは、n=
5の平均値で6.0mmであり柔軟性に優れていた。
をボビンに巻いてパッケージ化し、このパッケージを1
0個用いて10本の基材を引き揃えて230℃で加熱し
て、両端がドーム状の圧力容器のライナーに速度40m
/分でレベル巻き成形を行った。
巻たるみが生じることなく、得られた成形体はボイドを
含んでいなかった。
束ねて最終的な綾角度が6度になるようにワインド比一
定巻きを行いパッケージを作成した。
基材をFW成形工程に移し、基材を引き揃えて230℃
で加熱して、マンドレルに速度が40m/分、15度の
ヘリカル巻きにより成形を行った。
部での折り返しの際に、捩れやカテナリーを生じること
なく、得られた成形体はボイドを含んでいなかった。
を600本とした1本のガラス繊維ストランドを5本用
いて、MI=40の酸変性した溶融ポリプロピレン(2
60℃)中に導入し、溶融含浸を行った後、厚み0.1
2mm、幅10.0mmのスリットノズルから30m/
minの速度で引き抜きテープ状物の長繊維強化熱可塑
性樹脂基材を得た。
基材は、厚さ0.12mm、幅10mm、ガラス含有率
(測定方法は実施例1と同じ)は43vol%、含浸率
はn=5の平均値で98%であった。
例1と同様に230℃で予備加熱してマンドレルに巻く
際、捩れを生じさせないように注意しながら、両端がド
ーム状の圧力容器のライナーに速度40m/分でレベル
巻き成形した。
たるみが多く生じ、得られた成形体はボイドを多く含ん
でいた。
材1本を、実施例2と同様に230℃で加熱して、マン
ドレルに速度が40m/分、15度のヘリカル巻きを行
った。
に、巻きたるみが生じ、得られた成形体はボイドを多く
含んでいた。
材1本を、パッケージ化し、このパッケージ10個を用
いて10本の基材を引き揃えて実施例2と同様にヘリカ
ル巻きを行った。
に、巻きたるみが多く生じ、得られた成形体はボイドを
多く含んでいた。
っていないガラス繊維ストランドを、16本引き揃えて
MI=40の酸変性した溶融ポリプロピレン(260
℃)中に導入し、溶融含浸を行った後、内径2.2mm
のノズルから20m/minの速度で引き抜き、ボビン
に巻き取った。
基材の平均径は2.2mm、ガラス含有率は45.5v
ol%(測定方法は実施例1と同じ)、含浸率は98%
であった。
材の挫屈時の曲率半径Rは、35.0mmであり柔軟性
に劣るものであった。
樹脂基材は、16本のガラス繊維ストランドを一つのノ
ズルから引き抜いて製造したガラス含有率の低い比較例
4の長繊維強化熱可塑性樹脂基材に比べて樹脂の含浸率
が高く、柔軟性に関しても、はるかに優れていることが
分かった。
繊維強化熱可塑性樹脂基材及びFW成形体の製造方法に
よれば、基材の柔軟性が向上して取り扱い性やFW成形
性が良好となり、捩れや巻きたるみを生じさせずにFW
成形することができ、FW時の基材の破損を抑制するこ
とができる。
樹脂基材の製造方法によれば、ガラス含有率を高めても
ノズルの詰まりを防止して連続生産が可能となり、外周
に毛羽が少なく、熱可塑性樹脂の含浸率が高く、しかも
柔軟性に優れたFW用長繊維強化熱可塑性樹脂基材を製
造することができる。
法において、ガラス繊維ストランドをノズルから引き抜
く状態を示す説明図である。
法において、ガラス繊維ストランドがノズルに入るとき
の状態を示す模式図である。
パッケージ(ケーキ)の製造装置を示し、(a)は正面
図、(b)は側面図である。
パッケージ(ケーキ)から引き出されたガラス繊維スト
ランドの束を表す図である。
維ストランドの束を表す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 連続強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させ
たフィラメントワインディング用長繊維強化熱可塑性樹
脂基材であって、 A)断面が実質的に円形又は楕円形で、 B)断面の平均径が0.2〜1.5mmの繊材状の形態
をなし、 C)強化繊維含有率が40〜80vol%であり、 D)前記熱可塑性樹脂の含浸率が95%以上であり、 E)屈曲させたときの挫屈限界を曲率半径Rで表わした
ときに、R≦30D×V(R=曲率半径:mm、D=平
均径:mm、V=強化繊維含有率:vol%/100)
であることを特徴とするフィラメントワインディング用
長繊維強化熱可塑性樹脂基材。 - 【請求項2】 前記連続強化繊維が、フィラメント数2
00〜2,000本からなるガラス繊維である請求項1
記載のフィラメントワインディング用長繊維強化熱可塑
性樹脂基材。 - 【請求項3】 前記フィラメントワインディング用長繊
維強化熱可塑性樹脂基材が、屈曲させたときの挫屈限界
を曲率半径Rで表したときに、曲率半径R≦30D×V
×I2(D=平均径、V=強化繊維含有率:vol%/
100、I=含浸率:%/100、R及びDの単位はm
m)である請求項1又は2記載のフィラメントワインデ
ィング用長繊維強化熱可塑性樹脂基材。 - 【請求項4】 前記フィラメントワインディング用長繊
維強化熱可塑性樹脂基材が2〜30本集束されて綾角3
〜16度でパッケージ化された請求項1〜3記載のフィ
ラメントワインディング用長繊維強化熱可塑性樹脂基
材。 - 【請求項5】 複数本のガラスモノフィラメントにスプ
リットを施すことなく集束して得られたガラス繊維スト
ランドを溶融含浸法により熱可塑性樹脂を含浸させた
後、ノズルから引き抜いて巻き取ることにより、 A)断面が実質的に円形又は楕円形で、 B)断面の平均径が0.2〜1.5mmの繊材状の形態
をなし、 C)ガラス含有率が40〜80vol%であり、 D)前記熱可塑性樹脂の含浸率が95%以上であり、 E)屈曲させたときの挫屈限界を曲率半径Rで表わした
ときに、R≦30D×V(R=曲率半径:mm、D=平
均径:mm、V=ガラス含有率:vol%/100)で
ある長繊維強化熱可塑性樹脂基材を得ることを特徴とす
るフィラメントワインディング用長繊維強化熱可塑性樹
脂基材の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1つに記載のフ
ィラメントワインディング用長繊維強化熱可塑性樹脂基
材を加熱し、フィラメントワインディング成形すること
を特徴とするフィラメントワインディング成形体の製造
方法。
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JP2012086548A (ja) * | 2010-09-24 | 2012-05-10 | Daicel Polymer Ltd | 無機繊維巻きテープとその製造方法 |
CN111542423A (zh) * | 2017-10-06 | 2020-08-14 | 三菱化学先进材料塑料复合材料公司 | 制造包括芯和至少一个表皮区域的复合部件的方法 |
-
1999
- 1999-03-11 JP JP06429399A patent/JP3517599B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN111542423B (zh) * | 2017-10-06 | 2023-06-09 | 三菱化学先进材料复合材料公司 | 制造包括芯和至少一个表皮区域的复合部件的方法 |
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