JP2000254801A - 超音波加工機におけるスピンドル構造 - Google Patents

超音波加工機におけるスピンドル構造

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JP2000254801A JP11059228A JP5922899A JP2000254801A JP 2000254801 A JP2000254801 A JP 2000254801A JP 11059228 A JP11059228 A JP 11059228A JP 5922899 A JP5922899 A JP 5922899A JP 2000254801 A JP2000254801 A JP 2000254801A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンドル側への振動エネルギの逃げを抑え
てホルダホーン側への振動伝達効率を高く維持すると同
時にホルダホーンを回転主軸であるスピンドルと同軸姿
勢を保って加工精度を向上させる。 【解決手段】 中空のスリーブ3bを形成したスピンド
ル3と、スリーブ3bの中に配置した超音波振動子4
と、この超音波振動子4に同軸上に連接され且つスリー
ブ3bの内周壁に拘束固定される少なくとも2個の支持
ホーン6,7と、支持ホーン6,7に同軸上に基端を連
接され先端に加工チップ5aを備えるホルダホーン5と
を備え、支持ホーン6,7は超音波振動子4からスピン
ドル3側への振動伝達を抑制する緩衝機構を備え、更に
超音波振動子4から加工チップ5aまでを、超音波振動
負荷時に支持ホーン6,7には圧縮変形と引張り変形が
配列方向の順に相互に引き起こされる振動系とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波振動によっ
てワークに機械加工するための超音波加工機に係り、特
に研磨や研削のための加工チップに対して回転軸周りの
振れ等を伴わずに超音波振動を高効率で伝達でき、しか
も高精度の機械加工ができるようにした超音波加工機に
おけるスピンドル構造に関する。
【0002】
【従来の技術】精密加工及び超精密加工の分野におい
て、ワークの表面研磨や孔開け加工には超音波加工機が
従来から広く利用されている。この超音波加工機の基本
的な構成は、モータによって回転駆動されるスピンドル
を主軸として備え、このスピンドルに同軸配置として超
音波ヘッドを配置するとともに、この超音波ヘッドに一
体に連結したホーンの先端に加工チップを取り付けると
いうものである。このような超音波加工機では、超精密
加工に対応できるように、スピンドル及び超音波ヘッド
とホーンとのアセンブリの組立て精度を厳しくする必要
がある。そして、超音波ヘッドによる超音波振動が軸線
方向に完全に一致し且つ振幅も変動することがないよう
に、加工チップに対して超音波振動を伝達できるように
することが最も重要な設計課題とされている。
【0003】本願出願人は、加工チップへの超音波振動
の伝達を最適化するための構造をすでに提案して実願平
1−147834号として出願し、実用新案登録第25
06321号として実用新案登録を取得した。先の出願
は、スピンドル本体の中に備える超音波ヘッドをカップ
リングホーンで支持固定する超音波スピンドルに関する
もので、この構成を適用した孔開け用の超音波加工機の
例を図5に示す。
【0004】図5において、円筒状のハウジング1の上
端に駆動モータ2を備え、この駆動モータ2の出力軸に
カップリング2aを介して連接したスピンドル3がラジ
アル・スラストの軸受1aによってハウジング1内に同
軸上に組み込まれている。
【0005】スピンドル3は、上端側をカップリング2
aに連結するロッド3aと、このロッド3aの下端に同
軸上に形成されて下端を開放した円筒状のスリーブ3b
とを備えたものである。ロッド3aにはカップリング2
aの直ぐ下に環状の給電ブラシ3cを備え、ハウジング
1に固定した給電ユニット1bと給電ブラシ3cとの間
を通電可能としている。そして、スリーブ3bの中に給
電ブラシ3cに導通させた超音波振動子4を収納し、こ
の超音波振動子4の下端には支持ホーン21とホルダホ
ーン5とを同軸上に連結している。超音波振動子4は圧
電素子を利用して20kHz以上の周波数の超音波振動
を軸線方向に励起し、ホルダホーン5はその先端に微小
な内径の孔を穿孔するための加工チップ5aを同軸上に
取り付けている。
【0006】支持ホーン21は、自身に一体化する超音
波振動子4をスリーブ3b内で同軸上に固定保持すると
ともにホルダホーン5へ振動を伝達するための部材であ
る。そして、先の出願に係る考案に基づく構成として、
中実の本体部21aの外周面にフランジ21bを半径方
向に突き出して形成するとともに、このフランジ21b
の外周縁から本体部21aと同軸上に円筒体21cを備
え、更にこの円筒体21cの上端に取付けフランジ21
dを設けている。円筒体21cはフランジ21b及び取
付けフランジ21dよりもかなり薄い肉厚としたもので
あり、取付けフランジ21dはスピンドル3のスリーブ
3bの内周に嵌め込んで固定される。
【0007】このような支持ホーン21を備えると、超
音波振動子4による振動励起があるとき、その振動は支
持ホーン21からホルダホーン5側だけでなく、フラン
ジ21b,円筒部21c,取付けフランジ21dからス
ピンドル3側にも伝達される。したがって、超音波振動
子4による振動エネルギの一部はスピンドル3によって
吸収されることになる。
【0008】これに対し、円筒部21cは薄肉であって
簡単に変形したり変位したりするように振る舞うので、
このような変位や変形が本体部21aからスリーブ3b
側への振動の伝達に対する緩衝となる。このため、振動
エネルギがスリーブ3b側に無駄に吸収される度合いが
小さくなり、ホルダホーン5側への振動伝達の効率を上
げて加工性能を向上させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このようなスリーブ3
b側への振動伝達の抑制は、要するに、薄肉の円筒体2
1cが変形したり変位したりしやすくして、支持ホーン
21の軸線方向及び半径方向の振動振幅を吸収するとい
うものである。すなわち、スリーブ3b側への振動の伝
達を抑えるには、支持ホーン21とスリーブ3bとの連
接構造に弾性的な要素を含ませたり剛性が低い構造とす
るほうが都合がよい。
【0010】ところが、支持ホーン21は超音波振動子
4及びホルダホーン5とを連結してこれらをスリーブ3
bに固定する部材である。したがって、支持ホーン21
がスリーブ3bに対して弾性的にまたは低剛性で連結さ
れていると、超音波振動子4による振動負荷を受けると
き、スリーブ3bに対する支持ホーン21の姿勢の安定
度が崩れてしまう可能性がある。このように支持ホーン
21の姿勢の安定性が失われると、ホルダホーン5の軸
線方向及び軸線周りの半径方向に不規則な振れが引き起
こされる。したがって、超音波振動子4による設定され
た振動数や振幅から外れてホルダホーン5が振動し、加
工チップ5aがその半径方向に振れ動作するとワークの
穿孔径が大きくなったり加工チップ5aが折れたりす
る。
【0011】一方、支持ホーン21だけでなく、先に説
明した登録番号の実用新案登録公報の第1図及び第3図
に示されているように、スリーブ3bの外からねじを差
し込んで超音波振動子4の周面に突き当ててこの超音波
振動子4を保持すれば、ホルダホーン5の振れの発生を
抑えることはできる。しかしながら、ねじによって超音
波振動子4がスピンドル3に剛的に連結されるので、ス
ピンドル3側への振動の伝達が促されてしまい、ホルダ
ホーン5側への振動エネルギの伝達量が低下することに
なる。
【0012】このように、従来の超音波加工機のスピン
ドル構造では、超音波振動子からスピンドル側へ逃げる
振動エネルギを抑えて加工チップへの振動の伝達効率を
高く維持できるものの、加工チップの振れ回りや無用な
揺れを伴いやすく、加工精度に大きく影響するという問
題がある。
【0013】本発明は、スピンドル側への振動エネルギ
の逃げを抑えてホルダホーン側への振動伝達効率を高く
維持すると同時にホルダホーンを回転主軸であるスピン
ドルと同軸姿勢を保って加工精度を大幅に向上させる超
音波加工機のスピンドル構造を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波加工機に
おけるスピンドル構造は、軸線回りに回転駆動されるス
ピンドルと、前記スピンドルに形成された中空のスリー
ブの中に配置する超音波振動子と、前記超音波振動子に
同軸上に連接され且つ前記スリーブの内周壁に拘束固定
される少なくとも2個の支持ホーンと、前記支持ホーン
に同軸上に基端を連接され先端に加工チップを備えるホ
ルダホーンとを備え、前記支持ホーンは前記超音波振動
子から前記スピンドル側への振動伝達を抑制する緩衝機
構を備え、前記超音波振動子から加工チップまでを、超
音波振動負荷時に前記支持ホーンには圧縮変形と引張り
変形が配列方向の順に相互に引き起こされる振動系とし
たことを特徴とする。
【0015】このような構成おいて、前記支持ホーン
は、前記超音波振動子に同軸配置される本体と、前記本
体の外周面と間隔をおいてほぼ同軸上に形成されて前記
緩衝機構を構成する取付け環とを備え、前記取付け環
は、前記本体の軸線方向のほぼ中間位置に一体化した基
部と、前記基部から前記本体の周りに同軸形成された弾
性変形可能な薄肉円筒状の緩衝スリーブと、前記緩衝ス
リーブの軸線方向の両端に形成され前記スピンドルのス
リーブの内周壁に没入させるフランジとを備え、前記緩
衝スリーブは、前記本体の圧縮変形及び引張り変形のと
きの半径方向の膨張及び収縮に倣い変形可能としたもの
としてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の超音波加工機の要
部を示す縦断面図であり、図5で示した従来例と同じ構
成部材については共通の符号で指示しその詳細な説明は
省略する。
【0017】図1において、中空円筒状のハウジング1
と、駆動モータ2にカップリング2aを介して連接され
軸受1aによってハウジング1内に回転自在に支持され
たスピンドル3は、従来例で示したものよりも軸線長さ
が長い。スピンドル3のスリーブ3bの中に同軸上に収
納される超音波振動子4と、ハウジング1の下端から突
き出る配置のホルダホーン5とは従来例のものと同様の
部材である。すなわち、超音波振動子4はセラミックス
を利用した圧電素子4aを正負の電極プレート4b,4
cで挟み込み、下端側の部分を振動を増幅させる質点と
して機能する出力部4dとしたものである。電極プレー
ト4b,4cはリード線4b−1,4c−1によってス
ピンドル3のロッド3aに取り付けた環状の給電ブラシ
3cに導通している。そして、給電ユニット1bから通
電すると、圧電素子4aの作動によって出力部4dには
その軸線方向を振幅とする20kHz〜40kHzの超
音波振動が励起される。
【0018】超音波振動子4とホルダホーン5との間に
は、2個の支持ホーン6,7を同軸上で連結する。これ
らの支持ホーン6,7は共通部品であり、図2に上段配
置の支持ホーン6の詳細を示す。図2の(a)は支持ホ
ーン6の平面図、図2の(b)は切欠正面図である。
【0019】支持ホーン6はたとえばステンレス鋼を素
材とした一体成形品であり、中実状の本体6aとその外
周に形成した取付け環6bとを備えたものである。本体
6aは円柱体であって、その上端にはにボルトを連結す
るとともに下端には下段配置の支持ホーン7のボルト6
a−1を螺合連結するための雌ねじ孔6a−2を形成し
ている。
【0020】取付け環6bは、本体6aの軸線方向の中
央位置の外周面から突き出る基部6cと、この基部6c
の突き出し周面に一体化され本体6aと同軸配置として
形成した緩衝スリーブ6dと、この緩衝スリーブ6dの
上下両端から外向きに突き出る断面として形成した一対
のフランジ6e,6fとから構成されたものである。基
部6cとフランジ6e,6fの肉厚はほぼ等しく、緩衝
スリーブ6dはこれらの基部6c及びフランジ6e,6
fに比べて薄くすることによって、弾性変形しやすくし
ている。
【0021】支持ホーン6は、ステンレス鋼のインゴッ
トの周面を切削して本体6aの上下両端の外周面,緩衝
スリーブ6dの外周面及びフランジ6e,6fを加工
し、フランジ6e,6fの端面から軸線方向に環状溝を
切削して基部6bと緩衝スリーブ6dの内周面を切削す
ることによって得られる。なお、下段配置の支持ホーン
7についても同様の構造であり、その符号7,7a〜7
fを括弧付きとして示している。
【0022】支持ホーン6,7は、図1に示すように超
音波振動子4の出力部4dとホルダホーン5との間に同
軸配置として直結して組み立てるとともに、それぞれの
取付け環6b,7bのフランジ6e,6f,7e,7f
の外周縁をスピンドル3のスリーブ3bの内周面に嵌合
させて固定する。すなわち、超音波振動子4とホルダホ
ーン5及びこれらの間に同軸結合させた支持ホーン6,
7は、4枚のフランジ6e,6f,7e,7fによって
スピンドル3に固定され、スピンドル3のスリーブ3b
の軸線方向の4点で拘束されて固定される。このような
固定構造では、薄肉とした緩衝スリーブ6d,7dが弾
性変形しやすいことから、超音波振動子4からの振動が
スピンドル3側へ逃げるのが抑えられる。また、支持ホ
ーン6,7を同軸上で2連配置とし、その両者の間で発
生する半径方向及び軸線方向の収縮変形を互いに吸収し
合うようにすることで、半径方向の揺れと軸線方向への
伸縮による加工チップ5aの位置ずれ変位を抑えること
ができる。これらの2点について図3及び図4を用いて
説明する。
【0023】図3は超音波振動子4の出力部4dから超
音波振動の負荷を受けたときの支持ホーン6の変形の概
要を模式的に描いたものである。超音波振動が支持ホー
ン6の軸線方向に作用するときには、振幅が軸線方向に
一致するので支持ホーン6にはその軸線方向に圧縮と引
張りが作用する。この圧縮と引張りは20kHz以上の
周波数で加わり、一方加工の際には加工チップ5aがワ
ークから反力を受け、ホルダホーン5からこの反力が支
持ホーン6に伝達される。したがって、支持ホーン6は
図3の(b)に示すように圧縮されて本体6aが軸線方
向に収縮し半径方向に膨らむ変形と、引張りによって同
図の(a)のように軸線方向に伸びて半径方向に収縮す
る変形を繰り返す。すなわち、このような支持ホーン6
の圧縮と引張りの繰り返しは、下端に連結されたホルダ
ホーン5にも一体に伝わり、圧縮変形と引張り変形の総
和が加工チップ5aの軸線方向の超音波振動のストロー
クとなる。なお、実際には、後述するように、ホルダホ
ーン5も同様に圧縮と引張り変形を繰り返し、このホル
ダホーン5の変形量を加えたものが加工チップ5aの超
音波振動のストロークとなる。
【0024】一方、取付け環6bはスリーブ3bの内周
壁に固定されているので、以上のような圧縮と引張りの
変形があるときには、図3の(a)及び(b)の変形を
繰り返す。このとき、取付け環6bの緩衝スリーブ6d
は薄肉なので弾性変形しやすく、本体6aの超音波振動
はこの弾性変形によって吸収される。すなわち、本体6
aがスリーブ3bに剛的に固定されていると、超音波振
動子4から支持ホーン6の本体6aに伝達された振動は
スピンドル3側にそのまま伝わるのに対し、緩衝スリー
ブ6dによってスピンドル3への伝達が緩衝される。し
たがって、超音波振動子4からの超音波振動をスピンド
ル3側へ逃がすことなく、高効率でホルダホーン5へ伝
達することができる。
【0025】下段配置の支持ホーン7も図3に示した支
持ホーン6と同様に変形し、支持ホーン7からスピンド
ル3側への超音波振動の伝達を抑える。したがって、超
音波振動子4からの超音波振動のエネルギは、2連の支
持ホーン6,7を経てホルダホーン5に伝達される間に
スピンドル3側へ逃げてしまう度合いが小さくなり、ホ
ルダホーン5へ高効率で超音波振動が伝達される。この
ため、ホルダホーン5に取り付けた加工チップ5aの軸
線方向の超音波振動も高効率で励起され、駆動モータ2
による回転との合成によって高精度の孔開け加工が可能
となる。
【0026】支持ホーン6が超音波振動の負荷を受ける
ときには、図3に示したように軸線方向及び半径方向へ
伸縮変形を繰り返す。すなわち、軸線方向へ引張り変形
するときには半径方向に収縮し、軸線方向の中間位置で
の収縮変形が最大となる。また、圧縮されて軸線方向に
収縮すると半径方向へ膨らみ、引張り変形の場合と同様
に軸線方向の中間位置で変形量は最大となる。
【0027】そこで、一方の支持ホーン6が軸線方向に
引張り変形するとき、他方の支持ホーン7が軸線方向に
収縮変形するような超音波振動のモードに設定すれば、
支持ホーン6では半径方向に収縮し他方の支持ホーン7
では膨らむように相反するものとすることができる。こ
のような現象を利用すると、支持ホーン6,7を軸線方
向の4点で嵌合しているスピンドル3のスリーブ3bの
半径方向に対する負荷変動も小さくできる。
【0028】図4はこのような支持ホーン6,7どうし
の間の軸線方向及び半径方向の相反する変形が得られる
ようにした超音波振動子5による振動モードと支持ホー
ン6,7の位置関係を説明するための図である。
【0029】或る時刻でのモードでは、同図の(a)に
示すように、上段配置の支持ホーン6は軸線方向へ収縮
し、下段配置の支持ホーン7は軸線方向へ伸び変形す
る。また、別の或る時刻では、同図の(b)に示すよう
に、上段配置の支持ホーン6は軸線方向に伸び変形し、
下段配置の支持ホーン7は軸線方向へ収縮変形する。こ
のような支持ホーン6,7の変形のパターンを得るため
には、超音波振動子4の振動周波数,超音波振動子4と
支持ホーン6,7及びホルダホーン5の加工チップ5a
までの全体の固有振動数,この固有振動数にスピンドル
3を質点として含む振動系の固有振動数等が適切となる
ように、各部材の形状や質量を最適化すればよい。
【0030】このように、或る時刻でのモードでは上段
配置の支持ホーン6は膨らみ下段配置の支持ホーン7は
細くなり、或る別の時刻では逆の関係となる変形を相互
に繰り返していく。このとき、図4の(a)及び(b)
の変形パターンは、超音波振動子4による超音波振動の
1周期の時間にほぼ一致する微小なインターバルで繰り
返される。したがって、2個の支持ホーン6,7を同軸
結合してそれぞれの取付け環6b,7bをスピンドル3
のスリーブ3b内に嵌合する組立て構造であれば、スリ
ーブ3bに対する半径方向の負荷を相互に相殺し合うよ
うになる。
【0031】すなわち、図4の(a)では上段配置の支
持ホーン6は半径方向に膨らんでいるので、取付け環6
bがスリーブ3bに加える負荷は大きく、したがってス
リーブ3b側からの反作用によって取付け環6bに対す
る嵌合力も大きくなる。一方、下段配置の支持ホーン7
では、半径方向に収縮しているので、逆にスリーブ3b
による支持ホーン7の嵌合力は低下する。そして、この
ようなスリーブ3bとの間の嵌合力には、取付け環6
b,7bの薄肉の緩衝スリーブ6d,7dの弾性変形に
よる弾性反力が含まれることは無論である。
【0032】ここで、上下の支持ホーン6,7が同時に
半径方向の収縮と膨張の同じ変形をするような振動モー
ドに設定されたとする。この場合では、支持ホーン6,
7が膨張変形しているときには、本体6a,7aが取付
け環6b,7dを外に押し出すようになるので、スリー
ブ3bに対する嵌合度も強くなり安定した支持力が得ら
れる。しかし、支持ホーン6,7が収縮変形している期
間では、取付け環6b,7bから本体6a,7aが中心
側に離れるようになって外への押し出しがないので、ス
リーブ3bに対する嵌合度は弱くなり、両方の支持ホー
ン6,7の安定支持が崩れる。
【0033】これに対し、図4の(a)及び(b)で示
したように、両方の支持ホーン6,7が互いに相反する
向きの膨張と収縮変形を繰り返すような振動モードに設
定することで、どの時点でも支持ホーン6,7のいずれ
か一方を膨張変形させた態勢に維持できる。このため、
支持ホーン6,7は相互に助け合ってスリーブ3bに対
して安定保持され、軸線周りの振れ周りが阻止される。
したがって、スピンドル3側への超音波振動の伝達を抑
えるために弾性変形しやすい薄肉の緩衝スリーブ6d,
7dを形成した取付け環6b,7bを備えていても、支
持ホーン6,7の半径方向の振れが抑えられ、ホルダホ
ーン5の加工チップ5bの無用な振れ回りもなくなる。
【0034】以上の構成において、超音波振動子4が作
動して支持ホーン6,7を介してホルダホーン5に超音
波振動のエネルギが伝達されるとき、支持ホーン6,7
のそれぞれの取付け環6b,7bの緩衝スリーブ6d,
7dの弾性変形によって、超音波振動がスリーブ3b側
へ逃げることが抑制される。したがって、超音波振動の
エネルギを損失することなくホルダホーン5に伝達で
き、加工チップ5aによる穿孔の加工性の向上が得られ
る。
【0035】また、図4に示したように、支持ホーン
6,7の半径方向の膨張及び収縮変形が互いに逆向きと
なるように超音波振動子4による振動系に含ませること
で、加工チップ5aの振れ回りも抑えられる。したがっ
て、加工チップ5aの調心性を高く維持できるので、ワ
ークに開ける孔径が無用に大きくなることがなく、高精
度の孔開け加工が可能となる。
【0036】なお、図示の例では2個の支持ホーン6,
7としたが、3個以上を同軸上に並べる構成としてもよ
く、この場合でも支持ホーンの配列順に圧縮変形と伸び
変形が相互に繰り返されるような振動系とすればよい。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明では、支持ホーンからス
ピンドル側への超音波振動エネルギの逃げを抑えて加工
チップ側へ高効率で超音波振動を伝達できると同時に、
ホルダホーンの半径方向の振れを抑えることができる。
したがって、加工チップによるワークの加工効率が向上
するとともに、加工チップのワークに対する調心性を保
って高精度の加工を維持できる。
【0038】請求項2の発明では、支持ホーンの本体の
半径方向の膨張及び収縮変形が最大となる部分に取付け
環の基部を設けているので、この基部に連ねて形成した
緩衝スリーブの本体に対する倣い変形がしやすくなり、
ワークへの調心性がより高くなるとともにスピンドル側
への振動の伝達抑制効果も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスピンドル構造を備えた穿孔用の超
音波加工機の概略縦断面図である。
【図2】 支持ホーンの詳細であって、(a)は平面
図、(b)は一部切欠正面図である。
【図3】 超音波振動の負荷による支持ホーンの変形を
示す模式図であって、(a)は引張り変形時及び(b)
は圧縮変形時を示す図である。
【図4】 2連の支持ホーンの位置関係と軸線方向及び
半径方向の変形のパターンを示す概略図である。
【図5】 1個の支持ホーンによる超音波振動子のスピ
ンドル側への連接構造を備えた従来の超音波加工機の概
略縦断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 1a 軸受 2 駆動モータ 2a カップリング 3 スピンドル 3a ロッド 3b スリーブ 3c 給電ブラシ 4 超音波振動子 4a 圧電素子 4b,4c 電極プレート 4b−1,4c−1 リード線 4d 出力部 5 ホルダホーン 5a 加工チップ 6,7 支持ホーン 6a,7a 本体 6b,7b 取付け環 6c,7c 基部 6d,7d 緩衝スリーブ 6e,6f,7e,7f フランジ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転駆動されるスピンドル
    と、前記スピンドルに形成された中空のスリーブの中に
    配置する超音波振動子と、前記超音波振動子に同軸上に
    連接され且つ前記スリーブの内周壁に拘束固定される少
    なくとも2個の支持ホーンと、前記支持ホーンに同軸上
    に基端を連接され先端に加工チップを備えるホルダホー
    ンとを備え、前記支持ホーンは前記超音波振動子から前
    記スピンドル側への振動伝達を抑制する緩衝機構を備
    え、前記超音波振動子から加工チップまでを、超音波振
    動負荷時に前記支持ホーンには圧縮変形と引張り変形が
    配列方向の順に相互に引き起こされる振動系としたこと
    を特徴とする超音波加工機におけるスピンドル構造。
  2. 【請求項2】 前記支持ホーンは、前記超音波振動子に
    同軸配置される本体と、前記本体の外周面と間隔をおい
    てほぼ同軸上に形成されて前記緩衝機構を構成する取付
    け環とを備え、前記取付け環は、前記本体の軸線方向の
    ほぼ中間位置に一体化した基部と、前記基部から前記本
    体の周りに同軸形成された弾性変形可能な薄肉円筒状の
    緩衝スリーブと、前記緩衝スリーブの軸線方向の両端に
    形成され前記スピンドルのスリーブの内周壁に没入させ
    るフランジとを備え、前記緩衝スリーブは、前記本体の
    圧縮変形及び引張り変形のときの半径方向の膨張及び収
    縮に倣い変形可能としたことを特徴とする請求項1記載
    の超音波加工機におけるスピンドル構造。
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