JP2000218405A - 超音波振動切削用刃物台 - Google Patents

超音波振動切削用刃物台

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JP2000218405A
JP2000218405A JP11024196A JP2419699A JP2000218405A JP 2000218405 A JP2000218405 A JP 2000218405A JP 11024196 A JP11024196 A JP 11024196A JP 2419699 A JP2419699 A JP 2419699A JP 2000218405 A JP2000218405 A JP 2000218405A
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vibrating body
vibrator
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Yukiteru Kanehara
由喜照 金原
Kazunari Suzuki
一成 鈴木
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Fuji Industrial Co Ltd
Fuji Kogyo KK
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Fuji Industrial Co Ltd
Fuji Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波振動切削用刃物台において、振動体の
振動特性に悪影響を及ぼすことなく、振動体の表面をキ
ズつけることなく、振動体を高強度、高剛性で刃物台に
保持し、切削加工性を向上すること。 【解決手段】 超音波振動切削用刃物台113におい
て、振動体114の軸方向に離隔する少なくとも2位置
で、振動の節の部分を該振動体114の周方向に沿って
線接触状に保持してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波振動切削用刃
物台に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ねじり振動子により駆動される振
動体に刃物を備え、この刃物により工作物を振動切削す
ることが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ねじり振動子により駆
動される振動体を切削装置に用いる場合には、振動体の
振動特性に悪影響を及ぼすことなく、振動体を高強度、
高剛性で刃物台に支持する必要がある。
【0004】尚、ねじり振動子でなく、撓み振動子を用
いた振動体を刃物台に保持するものが、特開平63-28860
1号公報に開示されている。この従来技術は、振動体の
軸方向の2位置で、振動の節の部分を、ねじ止め保持す
るものである。然しながら、この従来技術は、撓み振動
する振動体に関するものであるに過ぎず、振動の節であ
っても、振動零となるのはその節の中心軸上だけである
から、この振動の節の表面を支持しても振動の伝達に悪
影響を与え、或いは振動体自身の振動による保持力の低
下や発熱等の不都合を生ずるものであり、振動体の振動
特性に悪影響を及ぼすことなく、振動体を高強度、高剛
性で刃物台に保持することの示唆はない。また、この従
来技術は、振動体をねじ止めするものであり、点接触状
に支持するものであって、保持強度が低く、また振動体
の表面をキズつける虞がある。
【0005】本発明の課題は、超音波振動切削用刃物台
において、振動体の振動特性に悪影響を及ぼすことな
く、振動体の表面をキズつけることなく、振動体を高強
度、高剛性で刃物台に保持し、切削加工性を向上するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、ねじり振動子により駆動されて刃物を備える振動体
を保持する超音波振動切削用刃物台において、振動体の
軸方向に離隔する少なくとも2位置で、振動の節の部分
を該振動体の周方向に沿って線接触状に保持してなるよ
うにしたものである。
【0007】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記振動体を保持する保持具
を有し、該保持具は該振動体の保持姿を該振動体の周方
向に回転して変更可能にしてなるようにしたものであ
る。
【0008】請求項3に記載の本発明は、請求項2に記
載の本発明において更に、前記保持具が前記振動体の軸
方向でその保持位置を変更可能としてなるようにしたも
のである。
【0009】
【作用】請求項1の本発明によれば下記、の作用が
ある。 ねじり振動する振動体の振動の節の部分を保持したか
ら、振動体の振動子から刃物までの振動系の振動特性に
悪影響を及ぼすことなく、振動伝達効率を高くして刃物
に大きな振動エネルギを付与し、切削加工効率を向上で
きる。即ち、ねじり振動の振動体にあっては、振動の節
であれば、その表面まで振動零であり、この振動の節の
表面を支持することにより、振動の伝達に悪影響を与え
ることなく、振動を刃物まで高効率で伝達し、また、振
動体のこの保持部分での振動に起因する保持力の低下や
発熱等を招くこともなく、適切な切削加工性を確保でき
る。
【0010】振動体を周方向に沿って線接触状に保持
するものであり、振動体の表面をキズつけることなく、
強固に保持できる。
【0011】請求項2の本発明によれば下記の作用が
ある。 保持具が振動体の保持姿を振動体の周方向に回転でき
るから、工作物に対する刃物の位置設定を容易に変更
し、切削加工性を向上できる。
【0012】請求項3の本発明によれば下記の作用が
ある。 保持具は振動体の保持位置を振動体の軸方向で変更で
きるから、刃物の交換による振動体の共振周波数の変
動、ホーンの振幅拡大比の変更のための該ホーンの交換
による振動体の共振周波数の変動等により、振動体の振
動の節が変化したとき、保持具は振動体に対する保持位
置をこの新たな節の部分に移動して該振動体を再び安定
確実に保持し、再び適切な切削加工性を確保できる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は超音波振動切削装置を示す
模式図、図2は超音波振動体を示す模式図、図3は刃物
台を示す模式図、図4は図3の要部断面図、図5は刃物
台の基台を示す模式図、図6は刃物台の旋回台を示す模
式図、図7は刃物台の他の例を示す要部断面図、図8は
図7のホーン側断面図、図9は図7のコーン側断面図、
図10は保持具を示す模式図である。
【0014】(第1実施形態)(図1〜図6) (超音波振動切削装置110)(図1) 超音波振動切削装置110は、図1に示す如く、旋盤類
似型であり、ベッド(不図示)に主軸台111と心押台
112を備えるとともに、パレット型刃物台113を備
え、この刃物台113の所定の位置にねじり振動モード
の超音波振動体114(後述するねじり振動子121に
より駆動される)を保持し、振動体114の先端部に刃
物115を着脱可能とされている。1は金属、樹脂、ゴ
ム等の工作物である。
【0015】超音波振動切削装置110にあっては、工
作物1を削るために刃物115を動かす切削運動付与手
段を、超音波振動体114の振動のみにより構成してい
る。従って、超音波振動切削装置110にあっては、従
来の旋盤で必須であった、工作物1を切削運動のために
主軸111Aにより高速度で回転することを必要としな
い。
【0016】また、超音波振動切削装置110にあって
は、刃物115を工作物1の新切削領域に動かす送り運
動手段を、主軸111Aの回転送り駆動部116(不図
示)、刃物台113のX軸送り駆動部117(不図
示)、刃物台113のZ軸送り駆動部118(不図示)
により構成している。
【0017】従って、超音波振動切削装置110による
切削加工にあっては、超音波振動体114を振動させて
刃物115を工作物1に接触させることにより切削運動
して工作物1を削るとともに、送り駆動部116〜11
8により刃物115を工作物1に一定の加工形状を伝え
るための工作物1との相対位置関係だけを考慮して単純
に送り運動すれば足りるものとなる。これにより、主軸
111Aの低速送り回転により工作物1を低速回転送り
させながら、刃物115をX軸、Z軸に送り移動するこ
とにより、工作物1に六角形等の多角形加工、異形カム
等の多様な加工形状を簡易に加工できる。尚、従来の旋
盤を用いて六角形加工するためには、刃物台113にY
軸切削運動駆動部を備える複数仕様とし、工作物1を一
定の回転角度位置毎に停止させた状態で、刃物台113
をY軸方向で往復動させて六角の各一面を順次切削する
必要があり、本発明の超音波振動切削装置110による
ものに比して切削面粗度も悪い。
【0018】(超音波振動体114)(図2) 前述の超音波振動体114は、図2に示す如く、ねじり
振動子121の前面に振動伝送用コーン122を介して
ホーン123を結合し、ホーン123の先端外周面の刃
物取付部にボルト115Aにより前述の刃物115を着
脱可能に取着してある。ねじり振動子121とコーン1
22はそれらの中心軸上に設けられる締結ボルト124
により、コーン122とホーン123はそれらの中心軸
上に設けられる締結ボルト125により結合されてい
る。このとき、超音波振動体114は、ねじり振動子1
21の駆動により図2(A)に例示する如くのねじり振
動の振幅分布で共振振動し、刃物115は振動の腹に対
応する位置に配置されて大きく振動し、振動切削加工す
るものとなる。
【0019】(ねじり振動子121)前述のねじり振動
子121は、電歪素子131、132、前面体133、
背面体134、電極板135、電極板136、137を
有し、それらの全体を締結ボルト138で結合してあ
る。そして、前面体133と背面体134の直径を電歪
素子131、132から遠ざかる方向で縮径してなる縮
退モードを付与することができ、これによって振動子1
21に一定の長さを確保した状態で、振動子121の共
振周波数を高周波数化でき、かつ振動子121の出力パ
ワーを増大化できる。
【0020】(刃物台113)(図3〜図6) 前述の刃物台113は、図3、図4に示す如く、基台1
41と旋回台142を有し、基台141は刃物台本体1
13Aに固定され、旋回台142は基台141に旋回可
能に支持されて超音波振動体114を保持する。
【0021】基台141は、図5に示す如く、刃物台本
体113Aにボルト143で固定される底板144を備
え、この底板144の外周部に昇降板145を螺装し、
底板144に圧入されたガイドピン146に摺動可能に
嵌合される受板147を昇降板145の上面に載置して
いる。受板147は、旋回台142を支持するものであ
り、底板144に対して回転操作されることにより昇降
する昇降板145とともに昇降し、旋回台142の設定
レベル(ひいては振動体114、刃物115の設定レベ
ル)を調整可能とする。尚、受板147は旋回台142
のための旋回角度規制ピン148を備える。また、基台
141は、底板144の中央部に支軸149をボルト1
49Aにより固定して立設し、この支軸149に固定ノ
ブ150を螺着し、ノブ150の下面にスラスト軸受1
50Aを備えている。即ち、基台141は、受板147
と固定ノブ150のスラスト軸受150Aとの間の、支
軸149まわりに旋回台142を旋回可能に支持する。
【0022】旋回台142は、図6に示す如く、保持具
151と152の結合体であり、保持具151は基台1
41に旋回可能に支持されるとともに通常バイト2を支
持し、保持具152は保持具151との間に超音波振動
体114を保持する。保持具151は、基台141の支
軸149に嵌合せしめられる孔部153を備え、その上
下面を支軸149まわりで受板147とノブ150のス
ラスト軸受150Aとの間に狭持され、その下面に受け
板147の側の旋回角度規制ピン148に係合する旋回
角度規制溝154を備える。
【0023】ここで、旋回台142の保持具151と1
52は、下記(A)、(B)の如く、超音波振動体114の軸
方向で離隔する2位置で、振動の節となる部分を、振動
体114の周方向に沿って線接触状に保持し、かつ振動
体114の保持姿を振動体114の周方向に回転して変
更可能としている(図4)。
【0024】(A) 超音波振動体114はコーン122の
振動の節となる部分にフランジ122Aを備え、このフ
ランジ122Aを保持具151と保持具152で上下か
ら挟まれ、これをボルト155で固定化されることとし
ている。保持具151と保持具152は、それらの内周
に設けた溝内にフランジ122Aを係入し、それらの溝
面で振動体114の周方向に沿って線接触状に該フラン
ジ122Aを保持する。
【0025】(B) 超音波振動体114はホーン123の
振動の節となる部分の外周部を上下の半割リング156
A、156Bにより挟着され、それらの内周の周方向に
設けた突部157で振動体114の周方向に沿って線接
触状に該ホーン123を保持される。半割リング156
Aはボルト158Aにより保持具151に固定され、半
割リング156Bは保持具152に植設されたボルト1
58Bに上下方向の長孔を介して支持され、保持具15
2に螺着されたボルト159により半割リング156B
の上面を半割リング156Aの側に押圧することによ
り、両半割リング156A、156Bによって振動体1
14を挟着保持するものである。
【0026】上述(A)、(B)により、超音波振動体114
は刃物台113への取付保持に際し、その取付けが振動
体114の振動特性に悪影響を与えることのないように
している。
【0027】また、旋回台142の保持具151、15
2は、上述(A) において、ボルト155を緩め、上述
(B) においてボルト159を緩めることにより、超音波
振動体114の保持姿を振動体114の周方向に回転し
て変更可能とし、工作物1に対する刃物115の位置設
定(例えば刃物115の切刃のすくい角の設定)を変更
可能としている。
【0028】尚、旋回台142の保持具151は、通常
バイト2のためのバイト取付部161を備え、バイト取
付部161の上にシム162を介した状態で、通常バイ
ト2をボルト163で保持する。
【0029】これにより、刃物台113にあっては、旋
回台142に超音波振動体114の刃物115と通常バ
イト2とを保持し、ノブ150を緩めることにより、旋
回台142を旋回角度規制溝154が規制する90度の回
転角度で旋回し、刃物115もしくは通常バイト2を工
作物1に対する切削作業位置に切換設定可能とする。ま
た、基台141において昇降板145を回転操作するこ
とによる受板147の昇降により、刃物115と通常バ
イト2の切刃レベルを無段階で設定替え可能とする。
【0030】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 (超音波振動切削装置110の作用効果) 刃物115による切削運動が、振動体114の振動の
みによる。このため、刃物115による切削運動が、工
作物1(もしくは刃物115)の回転運動又は直線運動
(切削速度v)に依存することを必須とせず、切削装置
を簡易、小型化できる。
【0031】刃物115による切削運動のために、工
作物1(もしくは刃物115)の回転運動又直線運動
(切削速度v)を伴なうことを必須としないから、刃物
115は一定の加工形状を工作物1に与えるために、工
作物1との相対位置関係だけを考慮して単純に送り運動
すれば足り、複雑な加工形状にも容易に対応できる。
【0032】刃物115による切削運動が超音波振動
によるものであるから、刃物115と工作物1との間に
生ずる振動のプラスの加速度による慣性切削作用と、こ
れに続く振動のマイナスの加速度によって刃物115を
工作物1から離すことによる切り屑排出抵抗の極端な低
減作用により、切削抵抗を著しく低減できる。この切削
抵抗の著しい低減により、細径工作物1でも変形させず
に加工する微細加工、切削装置の剛性が小さくても、刃
物115の送り通りに加工できる精密加工、粘性や硬度
の高い難削材の加工、工作物1の温度上昇を抑えた加
工、切削油を必要としない加工等を実現できる。
【0033】振動子121がねじり振動からなるもの
とすることにより、振動体114の振動子121から刃
物115までの振動系の振動伝達効率を高くでき、刃物
115に大きな振動エネルギを付与し、切削加工効率を
向上できる。即ち、ねじり振動の振動体114にあって
は、振動の節であれば、その表面まで振動零であり、こ
の振動の節の表面を支持することにより、振動の伝達に
悪影響を与えることなく、振動を刃物115まで高効率
で伝達できる。
【0034】(刃物台113の作用効果) ねじり振動する振動体114の振動の節の部分を保持
したから、振動体114の振動子121から刃物115
までの振動系の振動特性に悪影響を及ぼすことなく、振
動伝達効率を高くして刃物115に大きな振動エネルギ
を付与し、切削加工効率を向上できる。即ち、ねじり振
動の振動体114にあっては、振動の節であれば、その
表面まで振動零であり、この振動の節の表面を支持する
ことにより、振動の伝達に悪影響を与えることなく、振
動を刃物115まで高効率で伝達し、また、振動体11
4のこの保持部分での振動に起因する保持力の低下や発
熱等を招くこともなく、適切な切削加工性を確保でき
る。
【0035】振動体114を周方向に沿って線接触状
に保持するものであり、振動体114の表面をキズつけ
ることなく、強固に保持できる。
【0036】保持具151、152(半割リング15
6A、156B)が振動体114の保持姿を振動体11
4の周方向に回転できるから、工作物に対する刃物11
5の位置設定を容易に変更し、切削加工性を向上でき
る。
【0037】(第2実施形態)(図7〜図10) 超音波振動切削装置(不図示)の刃物台170は、図7
〜図9に示す如く、ねじり振動モードの超音波振動体1
71(後述するねじり振動子181により駆動される)
を保持し、振動体171の先端部に刃物172を着脱可
能とされている。
【0038】超音波振動体171は、図7に示す如く、
ねじり振動子181の前面に振動伝送用コーン182を
介してホーン183を結合し、ホーン183の先端外周
面の刃物取付部に前述の刃物172を着脱可能に取着し
てある。このとき、振動体171は、振動子181の駆
動により、図7に例示する如くのねじり振動の振幅分布
で共振振動し、刃物172は振動の腹の位置に対応する
ように配置されて大きく振動し、振動切削加工するもの
となる。
【0039】ねじり振動子181としては、前述のねじ
り振動子121と実質的に同様のものを採用できる。
【0040】刃物台170は、取付ボルト191により
固定される取付治具192に、一対の保持具193、1
93を介して超音波振動体171を保持する。即ち、一
方の保持具193は、取付治具192の取付部192A
に着座せしめられ、他方の保持具193は取付治具19
2を取付部192Bに螺着されている固定ボルト190
により背面支持され、結果として、それら一対の保持具
193、193の間に振動体171を挟着保持するもの
である。
【0041】ここで、一対の保持具193、193は、
下記(A)、(B)の如く、振動体171の軸方向に離隔する
2位置で、振動の節となる部分を、振動体171の周方
向に沿って線接触状に保持し、かつ振動体171の保持
姿を振動体171の周方向に回転して変更可能としてい
る(図10)。更に、一対の保持具193、193は、
振動体171の軸方向でも振動体171に対する保持位
置を変更可能としている。
【0042】(A) 超音波振動体171は、図8に示す如
く、ホーン183の振動の節となる部分の外周部を、一
対の保持具193、193のそれぞれが周方向に円弧状
(もしくは半周状)をなして備える突部193A、19
3Aにより挟着され、それらの突部193A、193A
で振動体171の周方向に沿って線接触状に該ホーン1
83を保持する。
【0043】(B) 超音波振動体171は、図9に示す如
く、コーン182の振動の節となる部分の外周部に図1
0に示したC字状リング194を装着され、リング19
4のC字のスリットに直交する直径方向2位置のそれぞ
れに設けられている外周平面部195A、195Bを一
対の突部193A、193Aに背面支持され、リング1
94の内周部でそれらの平面部195A、195Bに対
応して周方向に円弧状(もしくは半周状)に設けられて
いる突部196A、196Bにより該コーン182の周
方向に沿って線接触状に該コーン182を保持する。
尚、197はC字拡開治具係入孔である。
【0044】上述(A) 、(B) により、超音波振動体17
1は刃物台170への取付保持に際し、その取付けが振
動体171の振動特性に悪影響を与えることのないよう
にしている。
【0045】また、一対の保持具193、193は、固
定ボルト190を緩めることにより、突部193A、1
93Aによるホーン183の挟着と、突部196A、1
96Bによるコーン182の挟着を緩め、振動体171
の保持姿を振動体171の周方向に回転して変更可能と
し、工作物1に対する刃物172の位置設定を変更可能
とする。例えば、刃物172の切り刃の位置をC字状リ
ング194のC字のスリットを基準位置として回転し、
そのすくい角αを設定替えできる(図10)。
【0046】また、一対の保持具193、193は、固
定ボルト190を緩めることにより、上述と同様にして
ホーン183とコーン182の挟着を緩め、振動体17
1の軸方向で振動体171の保持位置を変更することも
でき、刃物172の交換、ホーン183の振幅拡大比の
変更のためのホーン183の交換による振動体171の
共振周波数の変動(節の位置の変動)に対応できる。
【0047】従って、刃物台170にあっては、今回使
用される超音波振動体171のコーン172、ホーン1
73の振動の節となる部分に一対の保持具193、19
3の突部193A、193B、C字状リング194の突
部196A、196Bを対応配置させた状態で、それら
保持具193、193により振動体171を挟み込み、
この状態の保持具193、193を取付治具192の取
付部192A、192Bに装着しこれをボルト190で
固定化することにて用いられる。
【0048】従って、本実施形態によれば以下の作用が
ある。 (刃物台170の作用効果) ねじり振動する振動体171の振動の節の部分を保持
したから、振動体171の振動子181から刃物172
までの振動系の振動特性に悪影響を及ぼすことなく、振
動伝達効率を高くして刃物172に大きな振動エネルギ
を付与し、切削加工効率を向上できる。即ち、ねじり振
動の振動体171にあっては、振動の節であれば、その
表面まで振動零であり、この振動の節の表面を支持する
ことにより、振動の伝達に悪影響を与えることなく、振
動を刃物172まで高効率で伝達し、また、振動体17
1のこの保持部分での振動に起因する保持力の低下や発
熱等を招くこともなく、適切な切削加工性を確保でき
る。
【0049】振動体171を周方向に沿って線接触状
に保持するものであり、振動体171の表面をキズつけ
ることなく、強固に保持できる。
【0050】保持具193、193(C字状リング1
94)が振動体171の保持姿を振動体171の周方向
に回転できるから、工作物に対する刃物172の位置設
定を容易に変更し、切削加工性を向上できる。
【0051】保持具193、193(C字状リング1
94)は振動体171の保持位置を振動体171の軸方
向で変更できるから、刃物172の交換による振動体1
71の共振周波数の変動、ホーン183の振幅拡大比の
変更のための該ホーン183の交換による振動体171
の共振周波数の変動等により、振動体171の振動の節
が変化したとき、保持具193、193(C字状リング
194)は振動体171に対する保持位置をこの新たな
節の部分に移動して該振動体171を再び安定確実に保
持し、再び適切な切削加工性を確保できる。
【0052】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、超音波振
動切削用刃物台において、振動体の振動特性に悪影響を
及ぼすことなく、振動体の表面をキズつけることなく、
振動体を高強度、高剛性で刃物台に保持し、切削加工性
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は超音波振動切削装置を示す模式図であ
る。
【図2】図2は超音波振動体を示す模式図である。
【図3】図3は刃物台を示す模式図である。
【図4】図4は図3の要部断面図である。
【図5】図5は刃物台の基台を示す模式図である。
【図6】図6は刃物台の旋回台を示す模式図である。
【図7】図7は刃物台の他の例を示す要部断面図であ
る。
【図8】図8は図7のホーン側断面図である。
【図9】図9は図7のコーン側断面図である。
【図10】図10は保持具を示す模式図である。
【符号の説明】
113、170 刃物台 114、171 超音波振動体 115、172 刃物 121、181 ねじり振動子 151、152 保持具 156A、156B 半割リング(保持具) 193 保持具 194 リング(保持具)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじり振動子により駆動されて刃物を備
    える振動体を保持する超音波振動切削用刃物台におい
    て、 振動体の軸方向に離隔する少なくとも2位置で、振動の
    節の部分を該振動体の周方向に沿って線接触状に保持し
    てなることを特徴とする超音波振動切削用刃物台。
  2. 【請求項2】 前記振動体を保持する保持具を有し、該
    保持具は該振動体の保持姿を該振動体の周方向に回転し
    て変更可能にしてなる請求項1記載の超音波振動切削用
    刃物台。
  3. 【請求項3】 前記保持具が前記振動体の軸方向でその
    保持位置を変更可能としてなる請求項2記載の超音波振
    動切削用刃物台。
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