JP2000254251A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
明度60以下のインキでマーキング層を形成すると共
に、このマーキング層上に光の干渉作用を有し、かつ光
を選択的に反射及び透過する顔料を含む透明乃至半透明
層を形成してなることを特徴とするゴルフボール。 【効果】 見る方向を変えることにより色が所謂玉虫色
に変わって見えるカラーフロップ性を備えた特殊なマー
キングが施されており、今までにない優れた外観性を有
するゴルフボールが得られる。
Description
が施されたゴルフボールに関し、特に視角を変えること
により色が所謂玉虫色に変化する性質(カラーフロップ
性)を備えたマーキングを施したゴルフボールに関す
る。
字、数字、商品名、ロゴマーク等のマーク類が単色又は
複合色でマーキングが施されている。
従来から、パッド印刷法等による直接印刷法、所謂全ベ
タの転写フィルムを用いて刻印で押す転写方法、特開昭
53−63137号公報に開示されているように、ベー
スフィルム上に任意の模様の転写インキ層を形成した転
写フィルムを用いて熱転写で印刷する熱転写印刷法、そ
の他適宜な方式で印刷する方法などにより行われてい
た。
キとしては、一般にインキメジウム(印刷に適するよう
に調製された透明乃至半透明のインキ中間体)に有機系
又は無機系の顔料を混合することにより調製した印刷イ
ンキが用いられている。これらインキは、その中に含ま
れている顔料により特定波長の光が吸収されると共に、
残りの光が反射又は透過することにより発色するもので
ある。
フ人口の増大、プレーヤーの嗜好の多様化などに伴って
ゴルフボールの市場においても、他社商品との差別化を
図ったゴルフボールの開発が望まれている。特に、ボー
ル表面に施されるマーキングに関しては、その見栄えの
良さ、人目を引く点などから注目されており、更なる工
夫、改良、新たな開発に対するニーズが高まっており、
そのようなマーキングが施されたゴルフボールを提供す
ることは、顧客の購買意欲を惹起すると共に、市場の一
層の活性化にも寄与し得るものと考えられる。
キングに用いられているインキでは、顔料の配合割合な
どを変えて色相に工夫をこらす程度が限界であり、上記
多様かつ個性的な顧客及び市場のニーズに対応すること
は困難であった。
で、視角を変えることにより色が所謂玉虫色に変化する
性質(カラーフロップ性)を有し、今までにない優れた
外観性を有するマーキングを施したゴルフボールを提供
することを目的とする。
成するため下記のゴルフボールを提供する。
に基づく明度60以下のインキでマーキング層を形成す
ると共に、このマーキング層上に光の干渉作用を有し、
かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を含む透明乃至
半透明層を形成してなることを特徴とするゴルフボー
ル。 請求項2:上記光の干渉作用を有し、かつ光を選択的に
反射及び透過する顔料が、液晶を主材とし、この液晶分
子が互いに配向方向が異なるように積層され、これを透
明な樹脂で固定した構造を有するものである請求項1記
載のゴルフボール。 請求項3:上記透明乃至半透明層がマーキング層を形成
後のボール表面全体に被覆形成されたものである請求項
1又は2記載のゴルフボール。 請求項4:上記透明乃至半透明層がマーキング層部分の
みに被覆形成されたものである請求項1又は2記載のゴ
ルフボール。 請求項5:上記透明乃至半透明層が光の干渉作用を有
し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を配合した
塗料を塗装することにより形成されたものである請求項
1乃至4のいずれか1項記載のゴルフボール。 請求項6:上記透明乃至半透明層が光の干渉作用を有
し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を配合した
熱可塑性樹脂を射出成形することにより形成されたもの
である請求項1乃至3のいずれか1項記載のゴルフボー
ル。 請求項7:上記透明乃至半透明層が光の干渉作用を有
し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を配合した
インキで印刷することにより形成されたものである請求
項1,2又は4記載のゴルフボール。 請求項8:上記透明乃至半透明層に顔料及び/又は染料
を透明性が損なわれない程度に添加してなる請求項1乃
至7のいずれか1項記載のゴルフボール。 請求項9:上記透明乃至半透明層による被覆がなされる
前のゴルフボール表面の一部又は全部がLab表色に基
づく明度60以下に着色されている請求項1乃至8のい
ずれか1項記載のゴルフボール。
b表色に基づく明度60以下のインキでマーキング層を
形成し、このマーキング層上に光の干渉作用を有し、か
つ光を選択的に反射及び透過する顔料を含む透明乃至半
透明層を形成したこと、好ましくは光の干渉作用を有
し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料として液晶
を主材とし、この液晶分子が互いに配向方向が異なるよ
うに積層され、これを透明な樹脂で固定した構造を有す
る顔料を用いることにより、ボール表面に照射された光
が、特殊な顔料を含む透明乃至半透明層とこの透明乃至
半透明層下のマーキング層との間で互いに作用し合っ
て、見る方向を変えることにより、連続的なカラー変化
(所謂玉虫色に変化)が生じる中でマーク類が浮かび上
がって見えるという、今までにない特殊なカラー効果を
備えた特長的な外観を作出し得るものである。
なされる前のゴルフボール表面の一部又は全部をLab
表色に基づく明度60以下となるように着色することに
より、マーキング層以外のボール表面の一部又は全部に
も特長的なカラーフロップ性を付与し得、より外観性を
高めることができる。
ラーフロップ性を有する特長的な外観を呈しているの
で、需要者が、実際に手にとって見比べたうえで購入す
る商品であるゴルフボールのマーキングとして他社商品
との差別化が図れ、極めて有利なものである。
例について図面を参照して説明する。
例に係るゴルフボールの概略断面図を示し、このゴルフ
ボールGは、コア1の周囲にカバー2を被覆してなるツ
ーピースソリッドゴルフボールであり、図示を省略して
いるが、ボール表面には多数のディンプル(窪み)が形
成されている。
2表面)にLab表色に基づく明度60以下のインキを
用いてマーキングを行い、マーキング層Mを形成した
後、このマーキング層Mを含むボール表面全体に光の干
渉作用を有し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料
を含む透明乃至半透明層3を形成してなるものである。
なお、透明乃至半透明層の透明性はマーキング層のマー
ク類が十分識別、認識できる程度であれば良く、また、
無色透明は勿論、本発明の目的を損なわない範囲で有色
透明であっても構わない。
く明度(L値)が60以下のインキ、好ましくは40以
下のインキを用いて形成され、特に黒色系のインキが好
ましい。明度の高いインキ、特に淡色系のインキを用い
ると上層(透明乃至半透明層3)から透過してきた光を
ほとんど総て反射してしまい、上層における光の干渉作
用、選択的反射及び透過が抑制されてカラーフロップ性
が得られなくなる。一方、明度の低いインキ、特に黒色
系のインキを用いると、上層から透過してきた光をほと
んど総て吸収するため、上層における光の干渉作用、選
択的反射及び透過の影響が顕著に現れるため、発色が強
く、しかも色の変化も大きくなり、カラーフロップ性を
発現する上で有利となる。
701に規定される三刺激値X,Y,Zを用いて下記式
から求められる。 L=10Y1/2 …(1) a=17.5(1.02X−Y)/Y1/2 …(2) b=7.0(Y−0.847Z)/Y1/2 …(3) (但し、式(1)〜(3)中、X,Y,Zは完全拡散反
射面のXYZ系における三刺激値を示す)
明度とは色の明暗の状況、即ち明るさの度合をいう。こ
のL値(明度)が大きいほど色が明るいことを意味す
る。また、a,bは色彩を表し、aは赤〜緑方向、bは
黄〜青方向を表す。従って、a値が大きくなると赤味が
強くなり、小さくなると緑味が強くなり、b値が大きく
なると黄味が強くなり、小さくなると青味が強くなる。
料又は染料を着色剤としてインキメジウム(印刷に適す
るように調製された透明乃至半透明のインキ中間体)に
適当量配合することにより、Lab表色に基づく明度が
60以下となるように調製されたものである。
塗料及びインキに使用されている顔料及び染料を用いる
ことができる。顔料としては、有機系でも無機系でもよ
く、例えばカーボンブラック、黒鉛、鉄黒、鉛丹、べん
がら、群青、紺青、リソールレッドB、ブリリアントス
カーレットG、ピグメントスカーレット3B、ブリリア
ントカーミン6B、レーキレッドC、レーキレッドD、
パーマネントレッド4R、ボルドー5B、ボルドー10
B、パラレッド、ウォッチングレッド、ベンジジンオレ
ンジ、ボンマルーンL、ボンマルーンM、ブリリアント
スカーレット、パーミリオンレッド(洋朱)、フタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーン、ファストスカ
イブルー、アニリンブラック、亜鉛華、鉛白、黄鉛、亜
鉛黄、ジスアゾイエロー、硫酸バリウム、ファストイエ
ローG、ファストイエロー10Gなどが挙げられ、これ
らの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることが
できる。
ロー、アシッドオレンジ、アシッドレッド、アシッドブ
ルー、アシッドグリーン、アシッドブラウン、アシッド
ブラック、ソルベントイエロー、ソルベントオレンジ、
ソルベントレッド、ソルベントブルー、ソルベントブラ
ック、ソルベントグリーンなどが挙げられ、これらの1
種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
ールのマーキングに普通に用いられている方法を採用す
ることができ、例えばパッド印刷法による直接印刷法、
所謂全ベタの転写フィルムを用いて刻印で押す転写方
法、熱転写で印刷する熱転写印刷法などが挙げられる。
なお、マーキングされるマーク類の種類、マーキング位
置、マーク類の数などについては、特に制限されず、文
字、数字、商品名、ロゴマークなどのマーク類を任意の
マーキング位置に施すことができる。
ク類)を保護すると共に、カラーフロップ性を付与する
目的で、マーキング層M上に光の干渉作用を有し、かつ
光を選択的に反射及び透過する顔料を含む透明乃至半透
明層3を被覆形成する。
ング層の被覆は、マーキング層を形成後のボール表面全
体、又はマーキング層部分のみのいずれにも行うことが
できるが、この第1実施例ではボール表面全体に被覆す
ることが好ましい。
は、光の干渉作用を有し、かつ光を選択的に反射及び透
過する作用を有することが必要であり、かかる作用は上
記顔料が、好ましくは液晶を主材とし、この液晶分子が
互いに配向方向が異なるように積層され、これを透明な
樹脂で固定した特殊構造を有することから生じるもので
ある。
である液晶が、けい素を原料とするシロキサン骨格と有
機側鎖グループからなる葉巻状の分子を平行に伸ばして
平行層に整え、この平行層を互いに少しずつ異なる分子
配向となるように積み重ねることにより、血小板構造、
右又は左向きに捩れた螺旋状構造を形成し、これを透明
樹脂(例えば、紫外線硬化性樹脂)の重合反応により固
定することにより形成されるものである。
とにより、光の干渉作用と、光を選択的に反射及び透過
する作用を奏するものである。ここで、光を選択的に反
射及び透過する作用とは、可視光線をほとんど吸収する
ことなく、各平行層にて様々な角度に光を選択的に反射
及び透過して色調の変化を伴う連続的なカラーフロップ
性を生じることをいう。また、光の干渉作用とは、上記
反射した色以外の総ての色が伝播及び透過し、下地(マ
ーキング層)に形成されたマーク類を構成する顔料又は
染料が光を吸収及び反射し、上層(透明乃至半透明層)
と相互作用することをいい、これらが相俟って、見る方
向を変えることにより、所謂玉虫色に連続的なカラー変
化が生じる中でマーク類が浮かび上がるように見え、今
までにない特殊なカラー効果を備えた特長的な外観を作
出し得るものである。
ことができ、例えば、「HELICONE624」、
「HELICONE450」、「HELICONE51
5」、「HELICONE575」(いずれも独国ワッ
カーケミカル社製)などが挙げられる。
択的に反射及び透過され、下塗り(マーキング層)が黒
色の場合には、「HELICONE450」は青色から
暗色、「HELICONE515」は緑色から青色、
「HELICONE575」は金色から青緑色、「HE
LICONE624」は赤銅色から緑色に連続的に変化
するカラーフロップ性を有するものである。
を有し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を、好
ましくはベース塗料に配合した塗料を用いた塗装によ
る方法、又はベース樹脂に配合した樹脂を射出成形す
る方法により、ボール表面全体に透明乃至半透明層を形
成する。
フボールの表面塗装に用いられるクリア塗料などの透明
塗料が好適である。具体的には、二液硬化型のウレタン
塗料(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、
ポリカーボネートポリオール等のポリオールとイソシア
ネートとの架橋反応によるもの)、水系エマルジョン塗
料(ポリエステル系ウレタン樹脂塗料など)、紫外線硬
化型のアクリル塗料などが挙げられる。
の干渉作用を有し、かつ光を選択的に反射及び透過する
顔料を好ましくは2〜15重量部、より好ましくは5〜
10重量部、更に好ましくは5〜8重量部添加する。顔
料の添加量が少なすぎると下地(マーキング層)の影響
を受けるおそれがあり、一方、多すぎると光の透過及び
伝播が悪くなり、カラーフロップ性が低下する場合があ
る。
フボールのカバー材として用いられている透明な熱可塑
性樹脂、例えば「ハイミラン」(三井・デュポンポリケ
ミカル社製)、「サーリン」(デュポン社製)等のアイ
オノマー樹脂などを用いることができる。
の干渉作用を有し、かつ光を選択的に反射及び透過する
顔料を好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは
0.5〜2重量部添加する。顔料の添加量が少なすぎる
と下地(マーキング層)の影響を受けるおそれがあり、
一方、多すぎると光の透過及び伝播が悪くなり、カラー
フロップ性が低下する場合がある。
は、光の干渉作用を有し、かつ光を選択的に反射及び透
過する顔料以外にも光照射による変色を防止する目的で
紫外線吸収剤、光安定剤などを添加することが推奨され
る。なお、これらの添加量はベース塗料又は樹脂100
重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜
3重量部である。
れない程度(マーキング層のマーク類が十分識別、認識
可能な程度)に染料もしくは顔料又は染料及び顔料を添
加することができ、これにより、カラーフロップ性に好
みの色どりを加えることができ、更に多様化、個性化を
図ることができる。この場合、染料及び顔料としては、
一般に、塗料及びインキに使用されている上記マーキン
グ層に用いられる顔料及び染料と同様のものを用いるこ
とができる。
フボールの表面塗装として普通に行われている方法を採
用することができ、例えば刷毛塗り、スプレー塗装、静
電塗装などの方法が挙げられ、塗膜の厚みは好ましくは
5〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
出成形方法としては、通常のゴルフボールのカバー成形
用金型を用いた射出成形法を採用することができ、塗膜
の厚みは通常0.5〜3mm程度である。なお、この塗
膜はカバーとしての役目も果たすものである。
は、そのボール表面にLab表色に基づく明度60以下
のインキを用いてマーキング層を形成すると共に、この
マーキング層を含むボール表面全体を光の干渉作用を有
し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を含有した
塗料で塗装することにより、マーキング部分に見る角度
を変えることにより異なる色に変化して見える特殊な色
効果(カラーフロップ性)が生じ、その色変化の中でマ
ーク類が浮かび上がって見え、今までにない極めて特長
的な外観を作出し得るものである。
装、又は白色顔料が配合されたカバー樹脂を被覆するこ
とにより、明度の大きい(通常、L値が90以上)白色
に形成されており、このため、ボール表面全体に光の干
渉作用を有し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料
を含有した塗料で表面塗装しても透過してきた光をほと
んど総て反射してしまい、マーキング部分以外にはカラ
ーフロップ性を生じないものであるが、ボール表面の一
部又は全部をLab表色に基づく明度が60以下、好ま
しくは40以下の赤、黄、緑、青等の有色塗料で着色
し、この着色したボール表面に光の干渉作用を有し、か
つ光を選択的に反射及び透過する顔料を配合した塗料又
は樹脂で表面塗装することにより、マーキング部分以外
のボール表面の一部又は全部にもカラーフロップ性を付
与し得、更に特長的な外観を作出することが可能であ
る。
例にかかるゴルフボールの概略断面図を示し、このゴル
フボールGは、その表面(カバー2表面)にLab表色
に基づく明度60以下のインキを用いてマーキング層M
を形成し、このマーキング層M部分のみに光の干渉作用
を有し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を含む
インキで透明乃至半透明層3を形成した後、ボール表面
に表面塗膜4を被覆形成したものである。
マーキングに用いるLab表色に基づく明度60以下の
インキ、及び光の干渉作用を有し、かつ光を選択的に反
射及び透過する顔料としては、上記第1実施例と同じも
のを用いることができる。
インキは、光の干渉作用を有し、かつ光を選択的に反射
及び透過する顔料をベース樹脂に添加して調製したもの
である。ベース樹脂としては、通常インキに用いられる
ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体などを用いることができ
る。
して光の干渉作用を有し、かつ光を選択的に反射及び透
過する顔料を好ましくは30〜80重量部、より好まし
くは40〜60重量部添加する。顔料の添加量が少なす
ぎると顔料の添加による特長的な効果が得られなくなる
場合があり、一方、多すぎると印刷性が低下すると共
に、光の透過及び伝播が悪くなり、カラーフロップ性が
低下する場合がある。
乃至半透明層3の形成方法としては、特に制限されない
が、マーキング層部分のみを被覆するインキを用いた印
刷手法が好適に採用できる。中でも、タンポ式印刷法
(パッド式印刷法)、転写フィルムを用いる方法が好
適である。
ク類の図柄を形成したインキをいったんパッドに移し、
これをゴルフボール表面に転写し、マーキング層Mを形
成する。その後、マーキング層M部分のみに光の干渉作
用を有し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を含
有したインキを用いて同様のタンポ式印刷法により、マ
ーキング層M上に透明乃至半透明層3を形成するもので
ある。
キング方法は、例えば、図3に示したように、ポリプロ
ピレン製フィルム5上に光の干渉作用を有し、かつ光を
選択的に反射及び透過する顔料を含むインキで形成した
透明乃至半透明層3と、この透明乃至半透明層3上にL
ab表色に基づく明度60以下のインキで形成したマー
キング層Mを積層してなる転写フィルム6を作成し、こ
の転写フィルム6を裏側(マーキング部のない側)から
転写パッド(図示せず)を用いて、ボール表面に向かっ
て加熱・加圧することにより、ボール表面にマーキング
層M及び透明乃至半透明層3を同時に転写するものであ
る。
によれば、一度の転写操作により、ボール表面にマーキ
ング層と透明乃至半透明層とを効率良く形成できるもの
である。なお、加熱、加圧条件などは特に制限されず、
通常のゴルフボールの転写フィルムを用いたマーキング
と同様である。この場合、透明乃至半透明層3の厚みは
好ましくは1〜8μm、より好ましくは2〜5μmであ
る。透明乃至半透明層の厚みが薄すぎると顔料の分布に
むらが生じる場合があり、一方、厚すぎるとマーク部分
の耐久性が悪くなる他、乾燥に時間がかかるため、こす
れ等による不良の発生原因となる場合がある。
塗料としては、通常ゴルフボールの表面塗装に用いられ
ているクリア塗料などの透明塗料を使用することができ
る。
は、マーキング部分に対してのみ光の干渉作用を有し、
かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を含有したイン
キで透明乃至半透明層を簡便な手段により形成すること
ができ、マーキング部分に対してのみ特長的なカラーフ
ロップ性を付与し得、経済性、生産性にも優れたもので
ある。
うに、ボール表面にカラーフロップ性を有する特殊なマ
ーキングを施したものであり、これ以外のボール構造、
ボール材料、ボール製造方法などは特に制限されず、公
知の材料を用いて通常の方法により成形することがで
き、ボール構造も糸巻きゴルフボールでも、ワンピー
ス、ツーピース又はカバーが二層以上のマルチピースソ
リッドゴルフボールであっても差し支えない。
殊なマーキングは、ゴルフボール以外にもテニスラケッ
ト、ゴルフクラブのシャフトの塗装及びマーキング、ゴ
ルフボール箱のデザインにも適用することができるもの
である。
により成形した直径37.90mmのソリッドコアの周
囲に厚さ2.4mmのカバー(アイオノマー樹脂)を被
覆してツーピースソリッドゴルフボールを成形した。
プインキ(黒)を用いてタンポ式印刷法によりマーキン
グを行った(実験例1〜4、比較例2)。また、タンポ
社製Lタイプインキ(白)を用いて同様にマーキングを
行った(比較例1)。
で混合して実験例1〜4、比較例1,2の塗料を調製し
た。これら各塗料をスプレー塗装により上記マーキング
済の実験例1〜4、比較例1,2のボール表面に膜厚
(平均膜厚15μm)が均一になるように塗布した。
記方法によりカラーフロップ性、紫外線安定性を評価し
た。結果を表1に併記する。
方向を変えることによりカラーフロップ性の生じる程度
を下記基準で評価した。 ○:良好 △:やや劣る ×:なし紫外線安定性 ボール表面を水銀灯で24時間照射し、照射前後のクリ
ア塗膜の色の変化を色差計(形式MSC−IS−2D
H:スガ試験機株式会社製)を用いて測定し、JIS
Z 8701のLab表色に基づき、照射前と照射後の
クリア塗膜の色差ΔEを求めた。なお、色差ΔEが小さ
いほどクリア塗膜の変色が少ないことを示す。
−80(住友バイエルウレタン)、OH価=135 ポリイソシアネート:スミジュールN−75(住友バイ
エルウレタン)、NCO%=16.5 上記ポリオールとポリイソシアネートとを水酸基及びイ
ソシアネート基のモル比OH/NCO=1となるように
配合した後、シンナーを添加して不揮発分を約37%に
調整し、二液硬化型ウレタンのクリア塗料を作成した。 *2:HELICONE624(独国ワッカーケミカル
社製) *3:チヌビン400(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ社製) *4:チヌビン292(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ社製)
白色インキでマーキングを施したため、カラーフロップ
性が生じないものである。また、比較例2はカラーフロ
ップ性は良好であるが、紫外線吸収剤、光吸収剤を添加
していないため、光照射によるクリア塗膜の変色が大き
いものである。これに対して実験例1〜3はカラーフロ
ップ性が良好で、光照射によるクリア塗膜の変色が小さ
いことが認められた。なお、実験例4は顔料が20重量
部と多く添加されているため、光の透過及び伝播が悪く
なり、全体的に白っぽくなってしまい、カラーフロップ
性がやや劣るものである。
により色が所謂玉虫色に変わって見えるカラーフロップ
性を備えた特殊なマーキングが施されており、今までに
ない特長的な外観性を有するゴルフボールが得られる。
断面図である。
断面図である。
するための説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 ゴルフボール表面にLab表色に基づく
明度60以下のインキでマーキング層を形成すると共
に、このマーキング層上に光の干渉作用を有し、かつ光
を選択的に反射及び透過する顔料を含む透明乃至半透明
層を形成してなることを特徴とするゴルフボール。 - 【請求項2】 上記光の干渉作用を有し、かつ光を選択
的に反射及び透過する顔料が、液晶を主材とし、この液
晶分子が互いに配向方向が異なるように積層され、これ
を透明な樹脂で固定した構造を有するものである請求項
1記載のゴルフボール。 - 【請求項3】 上記透明乃至半透明層がマーキング層を
形成後のボール表面全体に被覆形成されたものである請
求項1又は2記載のゴルフボール。 - 【請求項4】 上記透明乃至半透明層がマーキング層部
分のみに被覆形成されたものである請求項1又は2記載
のゴルフボール。 - 【請求項5】 上記透明乃至半透明層が光の干渉作用を
有し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を配合し
た塗料を塗装することにより形成されたものである請求
項1乃至4のいずれか1項記載のゴルフボール。 - 【請求項6】 上記透明乃至半透明層が光の干渉作用を
有し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を配合し
た熱可塑性樹脂を射出成形することにより形成されたも
のである請求項1乃至3のいずれか1項記載のゴルフボ
ール。 - 【請求項7】 上記透明乃至半透明層が光の干渉作用を
有し、かつ光を選択的に反射及び透過する顔料を配合し
たインキで印刷することにより形成されたものである請
求項1,2又は4記載のゴルフボール。 - 【請求項8】 上記透明乃至半透明層に顔料及び/又は
染料を透明性が損なわれない程度に添加してなる請求項
1乃至7のいずれか1項記載のゴルフボール。 - 【請求項9】 上記透明乃至半透明層による被覆がなさ
れる前のゴルフボール表面の一部又は全部がLab表色
に基づく明度60以下に着色されている請求項1乃至8
のいずれか1項記載のゴルフボール。
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