JP2000251318A - 情報記録方法および装置並びに記録媒体 - Google Patents

情報記録方法および装置並びに記録媒体

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JP2000251318A
JP2000251318A JP11054747A JP5474799A JP2000251318A JP 2000251318 A JP2000251318 A JP 2000251318A JP 11054747 A JP11054747 A JP 11054747A JP 5474799 A JP5474799 A JP 5474799A JP 2000251318 A JP2000251318 A JP 2000251318A
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JP11054747A
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Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
Masayuki Naya
昌之 納谷
Yoshio Inagaki
由夫 稲垣
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 近接場光を照射して情報が記録された記録媒
体から、近接場光を照射して記録情報を再生する際に、
微小開口プローブと光検出手段を記録媒体に対して同じ
側に配設できるようにする。 【解決手段】 近接場光11Eの照射によって情報が記録
される記録媒体22を、支持体22aと、この支持体22aの
上に担持された反射層22bと、この反射層22bの上に形
成され、記録用近接場光11Eの照射によって読取り用近
接場光の波長λに対する屈折率nと厚さdの少なくとも
一方が変化する記録層22cとから形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は情報記録方法、特に
詳細には、微小開口プローブから発せられる近接場光を
照射して記録媒体に情報を記録する方法、およびその方
法を実施する装置に関するものである。
【0002】また本発明は情報再生方法、特に詳細に
は、微小開口プローブから発せられる近接場光を照射し
て記録媒体の記録情報を再生する方法、およびその方法
を実施する装置に関するものである。
【0003】さらに本発明は、上述の情報記録方法や情
報再生方法に用いられる記録媒体に関するものである。
【0004】
【従来の技術】光の波長よりも小さい試料の形状や構造
を分析できる装置の1つとして、フォトン走査型トンネ
ル顕微鏡等の近接場光学顕微鏡が知られている。この近
接場光学顕微鏡は、例えば微小開口プローブから放射さ
れる近接場光(エバネッセント光)が試料表面と相互作
用すること、すなわち、試料表面によって近接場(エバ
ネッセント場)が乱されることにより生じる散乱光の強
度を検出するとともに、微小開口プローブを試料表面上
で走査させ、時系列の散乱光強度検出信号を微小開口プ
ローブの位置の関数としてとらえることにより、試料表
面の形状や構造を示す情報を得るように構成されてい
る。
【0005】なお、上記微小開口プローブは多くの場
合、光ファイバーの先端部をエッチングにより尖鋭化し
た後、そこに金属膜を蒸着し、次いで先端の金属膜を除
去して開口とすることによって形成される。
【0006】また、上述のような近接場光学顕微鏡の応
用技術として、微小開口プローブから放射される近接場
光を利用して記録媒体に情報を記録する装置も提案され
ている。すなわち、微小開口プローブから放射される近
接場光のパワーは極めて低いが、パワー密度はかなり高
いので、この近接場光の加熱効果によってアブレーショ
ン材料の表面に穴をあけたり、相変化材料を結晶相から
アモルファス相に変化させることが可能となっている。
そして、光の波長よりも小さい微小開口から放射される
近接場光を利用していることにより、光の回折限界に制
限されないで、光波長よりも小さいサイズの穴やアモル
ファス部分からなるピットを形成可能となり、超高密度
の記録が実現される。
【0007】以上のようにして形成されたピットは、記
録情報を再生する上で、同様に微小開口プローブを利用
して読み取ることができる。例えば、相変化材料に形成
されたアモルファス相のピットは、それ以外の結晶相の
部分と透過率が異なるので、微小開口プローブから放射
させた近接場光を記録媒体に照射し、そのときの透過光
強度を検出することによりピットを読み取ることができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近接場光を利
用する従来の情報再生装置においては、上述した通り、
記録媒体を透過した光の強度を検出してピットを読み取
るようにしているため、記録媒体を間に挟んでその一表
面側、他表面側にそれぞれ微小開口プローブ、光検出手
段を配設する必要が有り、装置が大型化しやすいという
問題が認められている。
【0009】そこで本発明は、情報再生用の微小開口プ
ローブと光検出手段を記録媒体に対して同じ側に配設可
能で、装置の小型化を実現する上で有利な情報再生方法
および装置を提供することを目的とする。
【0010】また本発明は、そのような情報再生方法お
よび装置に使用することができる近接場光記録用の記録
媒体を提供することを目的とする。
【0011】さらに本発明は、その記録媒体に情報を記
録できる情報記録方法および装置を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による記録媒体
は、前述したように近接場光の照射によって情報が記録
される記録媒体において、支持体と、この支持体の上に
担持された反射層と、この反射層の上に形成され、記録
用近接場光の照射によって読取り用近接場光の波長λに
対する屈折率nと厚さdの少なくとも一方が変化する記
録層とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】なおこの記録媒体において、記録層は、記
録用近接場光の照射を受けた後の波長λに対する屈折率
nと厚さを各々n’d’としたとき、|nd−n’d’
|の値が(すなわちピット未形成部分とピット形成部分
の波長λに対する光路長の差の絶対値)kλ/4±λ/
16[ただしk=1,2,3………]となる材料から形成
されるのが望ましい。
【0014】一方、本発明の情報記録方法は、上述した
本発明による記録媒体に近接場光を用いて情報を記録す
る方法であって、前記記録層に記録情報に基づいて変調
された記録用近接場光を照射することにより、該記録層
の近接場光照射部分の波長λに対する屈折率nと厚さd
の少なくとも一方を変化させてピットを形成することを
特徴とするものである。
【0015】またこの情報記録方法を実施する本発明の
情報記録装置は、上述した本発明による記録媒体に近接
場光を用いて情報を記録する装置であって、記録光を発
する光源と、この記録光を記録情報に基づいて変調する
手段と、前記記録光の波長よりも短い径の光通過開口を
一端に有し、他端側から前記記録光が入力されたとき、
前記光通過開口から放射される記録用近接場光を前記記
録媒体に照射して、この記録層の近接場光照射部分の波
長λに対する屈折率nと厚さdの少なくとも一方を変化
させてピットを形成する微小開口プローブとを備えたこ
とを特徴とするものである。
【0016】他方、本発明の情報再生方法は、上述した
本発明による記録媒体において、前記記録層の波長λに
対する屈折率nと厚さdの少なくとも一方を変化させて
形成されたピットを、波長λの読取り用近接場光を照射
して読み取る情報再生方法であって、前記記録層に対し
て読取り用近接場光を、前記ピットよりも大きい範囲に
亘って照射し、そのとき前記反射層から戻って来る反射
光の強度を検出して前記ピットを読み取ることを特徴と
するものである。
【0017】また、この情報再生方法を実施する本発明
の情報再生装置は、上述した本発明による記録媒体にお
いて、前記記録層の波長λに対する屈折率nと厚さdの
少なくとも一方を変化させて形成されたピットを、波長
λの読取り用近接場光を照射して読み取る情報再生装置
であって、読取り光を発する光源と、前記読取り光の波
長よりも短い径の光通過開口を一端に有し、他端側から
前記読取り光が入力されたとき、前記光通過開口から放
射される読取り用近接場光を前記記録層のピットよりも
大きい範囲に亘って照射する微小開口プローブと、前記
反射層から戻って来る反射光の強度を検出する光検出手
段とを備えたことを特徴とするものである。
【0018】なおこの情報再生装置において、読取り用
の微小開口プローブは、前記記録媒体に前記ピットを形
成するために用いられる微小開口プローブが兼用される
のが望ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明の記録媒体においては、記録用近
接場光の照射によって読取り用近接場光の波長λに対す
る屈折率nと厚さdの少なくとも一方が変化する記録層
が反射層の上に形成されているので、記録情報に基づい
て変調された近接場光をこの記録層に照射することによ
り、上記屈折率nと厚さdの少なくとも一方が、近接場
光を照射しない部分と比べて変化したピットを形成する
ことができる。
【0020】このようにして形成されたピットを読み取
る本発明の情報再生装置においては、波長λの読取り用
近接場光を記録媒体の記録層に照射することにより散乱
光が生じ、この散乱光の一部は反射層で反射する。そし
てこのとき、読取り用近接場光をピットよりも大きい範
囲に亘って照射しているので、ピット部分を通過してか
ら反射層で反射した光と、ピット部分を通過しないで
(つまりピットの外側を通過してから)反射層で反射し
た光との間に位相差が生じ、それら両光が互いに打ち消
し合うように干渉させることができる。それに対して、
ピット未形成部分に読取り用近接場光が照射された際に
は、読取り用近接場光は全くピット部分を通過しないか
ら、上記の干渉は生じない。
【0021】そこで、読取り用近接場光がピット形成部
分に照射された場合と、ピット未形成部分に照射された
場合 とで、反射層からの反射光の強度が異なるように
なり、この反射光強度の差に基づいてピットを、つまり
は記録情報を読み取ることが可能となる。
【0022】なお記録層が、記録用近接場光の照射を受
けた後の波長λに対する屈折率nと厚さをそれぞれn’
d’としたとき、|nd−n’d’|の値がkλ/4
[ただしk=1,2,3………]となる材料から形成さ
れている場合は、上述の干渉により、反射光強度は最も
大きく低下する。そこで、読取り用近接場光がピット形
成部分に照射された場合と、ピット未形成部分に照射さ
れた場合とを比較すると、検出される反射光強度は前者
の場合の方が著しく低くなり、ピットを極めて正確に読
取り可能となる。
【0023】上述した|nd−n’d’|の値は、kλ
/4であるのが最も望ましいが、それに限らず、kλ/
4±λ/16の範囲になっていれば、上述の干渉により反
射光強度を相当低下させることができ、実用レベルでピ
ット読取りが十分に可能となる。
【0024】以上説明の通り本発明の情報再生装置にお
いては、記録媒体に読取り用近接場光を照射したときの
反射光強度に基づいて記録情報を再生しているので、情
報再生用の微小開口プローブと光検出手段を記録媒体に
対して同じ側に配設可能であり、よって小型に形成され
得るものとなる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形
態である情報記録再生装置を示すものである。この情報
記録再生装置は、半導体レーザ等のレーザ10と、このレ
ーザ10から発せられた記録光としてのレーザビーム11を
平行光化するコリメーターレンズ12と、平行光となった
レーザビーム11を集光する集光レンズ13と、一端側が微
小開口プローブ14aとされた光ファイバー14とを有して
いる。記録光源であるレーザ10はレーザ駆動回路15によ
って駆動され、このレーザ駆動回路15の動作はコントロ
ーラ24によって制御される。
【0026】また上記微小開口プローブ14aの先端部に
は、ピエゾ素子20が取り付けられている。またこの微小
開口プローブ14aの先端に近接した位置には、ターンテ
ーブル21上に載置された記録媒体22が配されている。タ
ーンテーブル21は記録媒体22を回転させるとともに、例
えばピエゾ素子等からなるターンテーブル駆動手段23に
より、X、Y、Zの3次元方向に移動自在とされてい
る。このターンテーブル駆動手段23の動作は、コントロ
ーラ24によって制御される。
【0027】さらにこの情報記録再生装置は、ターンテ
ーブル21のZ方向位置を制御するためのレーザビーム25
を発するレーザ26と、このレーザビーム25を微小開口プ
ローブ14aの先端において収束させる集光レンズ27と、
このように収束した後に発散したレーザビーム25を集光
する集光レンズ28と、集光されたレーザビーム25を検出
する光検出器29とを有している。この光検出器29の出力
は、上記コントローラ24に入力される。
【0028】また微小開口プローブ14aに近接した位置
には、光検出器30が配設されている。この光検出器30の
出力は、読取回路31に入力される。
【0029】なお上記微小開口プローブ14aは、先端部
つまり図中の下端部に、光の波長よりも短い径(一例と
して数nm程度)の微小開口を有するものである。この
ような微小開口は図2に詳しく示すように、例えば光フ
ァイバー14のコア14cの先端を尖鋭化し、その上に不透
明の金属膜14dを蒸着し、次いでその先端部のみ金属膜
14dを除去する等によって形成されるものである。
【0030】また図2に示される通り、記録媒体22は、
支持体22aの上にAu(金)薄膜等からなる反射層22b
が担持され、さらにその上に厚さdの記録層22cが形成
されてなるものである。記録層22cは、あるしきい値以
上のパワー密度の光が照射されると屈折率が変化する材
料、例えば下式で示される化学構造を有するシアニン色
素から形成されている。
【0031】
【化1】
【0032】記録層22cの成膜は、テトラフロロプルパ
ノール100ccに上記色素3gを溶解した溶液を反射
層22bの上にスピンコートすることによって行なった。
一方反射層22bは、支持体22aの上にAuをDCスパッ
タリングによって200nm厚に成膜して形成した。
【0033】なお、記録層22cは上記シアニン色素に限
らず、その他の公知の色素や相変化記録材料等を用いて
形成することもできる。その他の好ましい色素として
は、フタロシアニン色素、アゾ色素、オキソノール色素
等が挙げられる。また反射層22bもAuに限らず、その
他Ag、Pt、Al、Cu、Ni等から形成されてもよ
い。
【0034】そして、記録層22cの上には、膜厚20n
m以上程度の保護層を設けてもよい。さらに、記録層22
cと反射層22bとの間には、光干渉により反射率を制御
したり、あるいは記録時の熱伝導を制御する中間層を設
けてもよい。
【0035】以下、上記構成の情報記録再生装置の作用
について説明する。まず、情報の記録に関して説明す
る。集光レンズ12により集光されて光ファイバー他端14
b上で収束したレーザビーム11は、該他端14bから光フ
ァイバー14内に入射してそこを伝搬する。それにより、
微小開口プローブ14aの微小開口から、エバネッセント
光11E(図2参照)が放射される。なおこの際、レーザ
10の出力は、エバネッセント光11Eのパワー密度が上述
のしきい値以上となる値に設定される。このエバネッセ
ント光11Eが記録媒体22の記録層22cに照射されると、
その照射部分の記録層22cの屈折率が変化した部分(ピ
ット)が形成される。
【0036】そこで、レーザ10の駆動をコントローラ24
に入力される画像信号や音声信号等の信号Sに基づいて
制御して、レーザビーム11の光ファイバー14への入力を
制御することにより、上記信号Sをピットの有無や間隔
等によって示すピットの集合を形成することができる。
そしてこの場合、光の波長よりも小さい微小開口から放
射されるエバネッセント光11Eを利用していることによ
り、光の回折限界に制限されないで、光波長よりも小さ
いサイズのピットを形成可能となり、超高密度の記録が
実現される。
【0037】なお、以上のようにして情報記録を行なう
際には、微小開口プローブ14aの先端とターンテーブル
21との間の距離を一定に保持する必要がある。以下、そ
のための制御について説明する。
【0038】前述のピエゾ素子20により微小開口プロー
ブ14aの先端部を共振振動させつつ、ターンテーブル駆
動手段23によりターンテーブル21を上下させて、プロー
ブ先端と記録媒体22の表面との距離を変化させる。この
ときプローブ先端と記録媒体表面との距離がある程度近
接すると両者の間にファンデルワールス力が働きはじ
め、これにより微小開口プローブ14aに対してシアーフ
ォース(せん断応力)が働く。このせん断応力に伴って
微小開口プローブ14aの振動振幅が変化するので、プロ
ーブ先端においてレーザビーム25を収束させて、その回
折光を光検出器29で検出することによりプローブ14aの
振動振幅を測定する。この振動振幅はプローブ先端と試
料表面との距離に依存するので、振動振幅を所定値に保
つようにコントローラ24によりターンテーブル駆動手段
23を制御すれば、プローブ先端と試料表面との距離が一
定に保持される。
【0039】次に、記録媒体22に前記ピットの形で記録
された情報の再生について説明する。この情報再生に際
して、レーザ10は、一定強度のレーザビーム11を発する
ように駆動される。この場合も、集光レンズ12により集
光されて光ファイバー他端14b上で収束したレーザビー
ム11は、該他端14bから光ファイバー14内に入射してそ
こを伝搬する。それにより、微小開口プローブ14aの微
小開口から、エバネッセント光11E(図2参照)が放射
される。なおこのときレーザ10の出力は、エバネッセン
ト光11Eのパワー密度が前述のしきい値に達しない値に
設定される。
【0040】このエバネッセント光11Eが記録媒体22に
照射されると、その記録層22cにおいてエバネッセント
場が散乱され、伝搬光である散乱光が生じる。この散乱
光は反射層22bで反射し、その一部は光検出器30に入射
する。光検出器30は受光した反射光の強度を示す光検出
信号SLを出力する。
【0041】この情報再生に際しては、図3に示す通
り、エバネッセント光11Eは記録媒体22に形成されたピ
ットPよりも大きい範囲を照射するようになっている。
そのようにするためには、例えば記録時と再生時とで照
射パワーを変えればよい。あるいは、記録層22cが前述
したようにあるしきい値以上のパワー密度の光が照射さ
れると屈折率が変化する材料からなる場合は、記録時に
エバネッセント光11Eが照射された箇所のうち、パワー
密度がしきい値以上になっている部分しか屈折率が変化
しないので、記録時と再生時とで照射パワーを変えなく
ても上述の関係が得られる。
【0042】また本実施形態では、レーザビーム11の波
長λ=790nmであり、この波長λに対する記録層22
cのピット未形成部分の屈折率n=2.5、厚さd=2
00nmであって、nd=500nmである。本例にお
いて、ピット形成後には記録層22cの屈折率と厚さの双
方がそれぞれn’、d’に変化し、n’d’=約300
nmである。したがって、前述した|nd−n’d’|
の値(ピット未形成部分とピット形成部分の波長λに対
する光路長の差の絶対値)は約200nmで、λ/4=
790nm/4の値のほとんど整数倍(k≒1)となっ
ている。
【0043】以上のようになっていると、ピットPの部
分を通過してから反射層22bで反射した光と、ピットP
の部分を通過しないで(つまりピットPの外側を通過し
てから)反射層22bで反射した光との間に位相差が生
じ、それら両光が互いに打ち消し合うように干渉する。
それに対して、ピット未形成部分に読取り用のエバネッ
セント光11Eが照射された際には、このエバネッセント
光11Eは全くピット部分を通過しないから、上記の干渉
は生じない。そこで、読取り用のエバネッセント光11E
がピット形成部分に照射された場合と、ピット未形成部
分に照射された場合とを比較すると、光検出器30によっ
て検出される反射光強度は前者の場合の方が著しく低く
なるので、この光検出器30が出力する光検出信号SLに
基づいてピットPを極めて正確に読取り可能となる。
【0044】以上説明の通り本実施形態の情報記録再生
装置は、情報記録再生用の微小開口プローブ14aと光検
出器30を記録媒体22に対して同じ側に配設しているの
で、小型に形成され得るものとなる。
【0045】なお、記録層22cのピット形成前の屈折率
nは2≦n≦5程度であるのが望ましく、またその焦衰
係数Kは、0.01≦n≦1程度であるのが望ましい。焦衰
係数Kがこの範囲を超えるほど大きいと、測定に十分な
反射光が戻って来なくなることがあり、反対にこの範囲
を下回るほど小さいと、記録不可能になるおそれがあ
る。また記録層22cの厚さdは、一般には5nm≦d≦
500nm、好ましくは10nm≦d≦300nm、さ
らに好ましくは20nm≦d≦200nm程度とするの
がよい。
【0046】他方反射層22bは、読取用の光の波長に対
する反射率が高い材料から形成するのが望ましい。一般
に、好ましい反射率は40%以上、さらに好ましくは6
0%以上、最も好ましくは70%以上である。そのよう
な材料の具体例としては、前述した金の他に、銀、胴、
プラチナ、アルミニウム、およびそれらの合金が挙げら
れる。この反射層22bの膜厚は、一般には10nm≦d
≦500nm、好ましくは20nm≦d≦300nm、
さらに好ましくは30nm≦d≦200nm程度とする
のがよい。
【0047】また、記録層22cの上には、保護層が形成
されるのが望ましい。そのような保護層の膜厚は、一般
には1nm≦d≦1μnm、好ましくは3nm≦d≦3
00nm、さらに好ましくは5nm≦d≦100nm程
度とするのがよい。
【0048】そして、記録を行なう際の微小開口プロー
ブ14aと記録層22cとの距離、(上記保護層が形成され
る場合は微小開口プローブ14aと該保護層との距離)
は、記録光波長の2倍以内とし、好ましくは1/3以
内、さらに好ましくは1/5以内とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による情報記録再生装置の
側面図
【図2】図1の情報記録再生装置の要部を示す一部破断
側面図
【図3】図1の情報記録再生装置における、読取り用近
接場光とピットのサイズの関係を示す概略図
【符号の説明】
10 レーザ(記録光源) 11 レーザビーム(記録光) 11E エバネッセント光 14 光ファイバー 14a 微小開口プローブ 14c 光ファイバーのコア 14d 金属膜 15 レーザ駆動回路 21 ターンテーブル 22 記録媒体 22a 支持体 22b 反射層 22c 記録層 30 光検出器 31 読取回路 P ピット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 由夫 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2G059 AA10 EE09 GG01 HH01 JJ11 JJ17 KK01 PP04 5D029 JB35 JB45 JB47 JC06 MA15 5D090 BB17 CC01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近接場光の照射によって情報が記録され
    る記録媒体において、 支持体と、 この支持体の上に担持された反射層と、 この反射層の上に形成され、記録用近接場光の照射によ
    って読取り用近接場光の波長λに対する屈折率nと厚さ
    dの少なくとも一方が変化する記録層とを備えたことを
    特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記記録層が、前記記録用近接場光の照
    射を受けた後の波長λに対する屈折率nと厚さをそれぞ
    れn’d’としたとき、|nd−n’d’|の値がkλ
    /4±λ/16[ただしk=1,2,3………]となる材
    料から形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の記録媒体に近接
    場光を用いて情報を記録する方法であって、前記記録層
    に記録情報に基づいて変調された記録用近接場光を照射
    することにより、該記録層の近接場光照射部分の波長λ
    に対する屈折率nと厚さdの少なくとも一方を変化させ
    てピットを形成することを特徴とする情報記録方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の記録媒体に近接
    場光を照射して情報を記録する装置であって、 記録光を発する光源と、 この記録光を記録情報に基づいて変調する手段と、 前記記録光の波長よりも短い径の光通過開口を一端に有
    し、他端側から前記記録光が入力されたとき、前記光通
    過開口から放射される記録用近接場光を前記記録媒体に
    照射して、この記録層の近接場光照射部分の波長λに対
    する屈折率nと厚さdの少なくとも一方を変化させてピ
    ットを形成する微小開口プローブとを備えたことを特徴
    とする情報記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の記録媒体におい
    て、前記記録層の波長λに対する屈折率nと厚さdの少
    なくとも一方を変化させて形成されたピットを、波長λ
    の読取り用近接場光を照射して読み取る情報再生方法で
    あって、 前記記録層に対して読取り用近接場光を、前記ピットよ
    りも大きい範囲に亘って照射し、 そのとき前記反射層から戻って来る反射光の強度を検出
    して前記ピットを読み取ることを特徴とする情報再生方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の記録媒体におい
    て、前記記録層の波長λに対する屈折率nと厚さdの少
    なくとも一方を変化させて形成されたピットを、波長λ
    の読取り用近接場光を照射して読み取る情報再生装置で
    あって、 読取り光を発する光源と、 前記読取り光の波長よりも短い径の光通過開口を一端に
    有し、他端側から前記読取り光が入力されたとき、前記
    光通過開口から放射される読取り用近接場光を前記記録
    層のピットよりも大きい範囲に亘って照射する微小開口
    プローブと、 前記反射層から戻って来る反射光の強度を検出する光検
    出手段とを備えたことを特徴とする情報再生装置。
  7. 【請求項7】 前記微小開口プローブとして、前記記録
    媒体に前記ピットを形成するために用いられる微小開口
    プローブが兼用されていることを特徴とする請求項6記
    載の情報再生装置。
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