JP4425382B2 - 光記録再生方法およびそれを用いた光学装置 - Google Patents
光記録再生方法およびそれを用いた光学装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4425382B2 JP4425382B2 JP24796199A JP24796199A JP4425382B2 JP 4425382 B2 JP4425382 B2 JP 4425382B2 JP 24796199 A JP24796199 A JP 24796199A JP 24796199 A JP24796199 A JP 24796199A JP 4425382 B2 JP4425382 B2 JP 4425382B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording
- sample
- optical
- light
- light beam
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Optical Head (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
- Optical Recording Or Reproduction (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の回折限界を超えた分解能で試料に対する光学的な情報の記録あるいは再生を行う光記録再生方法およびそれを用いた光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、次世代の超高密度メモリとして、通常の対物レンズの回折限界を超えて光ビームのスポット径を小さくする近接場記録の研究が盛んに行われている。近接場記録の1つとして、SIL(Solid Immersion Lens) を用いるものがある。SILとは、ガラス球の一部を平らに削り取り、研磨して作られた半球状のレンズのことである。
【0003】
光源の光ビームを集光レンズ(対物レンズ)にて絞り込み、絞った光ビームを集光レンズの焦点付近に配置したSILに入射させると、SILの中に入った光ビームの速度はSILの有する屈折率nの分だけ遅くなり、波長は1/nに短くなる。つまり、SILの中では回折限界を空気中の1/nと小さくできる。SILを出射して再び空気中を伝搬する光ビームの波長は、通常、元の波長に戻るが、光がSILの中と同じ状態で浸み出しており、SILの出射面と光ディスクの記録層とが光源波長の約1/4以下と近接している場合は、空気中の1/nの波長のままの光が記録層に到達することとなる。この原理を用いて、光ビームのスポット径をさらに縮小して、回折限界を超えた記録が可能となる(日経エレクトロニクス,1997,6月16日号,no.691,pp .99-108)。
【0004】
また、従来より、光ディスクの記録速度の向上に伴って、記録媒体の高感度化の研究が盛んである。例えば特開平4−62090号公報には、いわゆるプラズモンを利用した記録層の高感度化の方法が開示されている。
【0005】
プラズモンとは、金属あるい半導体における自由電子の振動量子であり、例えば、光の照射によってプラズモンを励起することが可能である。このプラズモンは、周囲に強い電磁場を発生させるため、そのエネルギーを利用した各種の応用が期待されている。
【0006】
上記公報に記載の構成では、記録層に、記録材料と金属とからなる微小球を分散させ、これにレーザ光を照射することにより微小球の金属部分にプラズモンを励起して、そこから発生した強い電磁場によって記録材料に記録を行い、記録感度、つまり記録効率を向上させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したSILを用いるものも含め近接場記録は、記録時および再生時の光利用効率が低く、そのため記録・再生において感度が低くなるといった問題があり、実用化にあたり優先課題となっている。
【0008】
また、上記公報に記載の構成では、記録時にプラズモンを利用して記録効率を向上させているものの、再生時にプラズモンを利用することについては検討されていない。また、記録マークのサイズを小さくして高密度の記録再生を行う方法についても一切検討されていない。
【0009】
したがって、上記従来公報に記載の構成では、記録密度の向上を図ると、記録密度が上がるつれて読み出し信号の出力が減少し、感度が低下するという問題を克服することができない。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑み成されたものであって、SILとプラズモンとを組み合わせて用いることで、記録密度の向上を図った場合でも、高感度に記録および再生を行うことが可能な光記録再生方法およびそれを用いた光学装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の光記録再生装置は、集光レンズで絞り込んだ光ビームをその波長を空気中を伝搬するときより小さくする半球状レンズ(例えば、SIL)を通してその近接場効果にてプラズモン励起材料に照射してプラズモンを励起させ、このプラズモンによって生じる電磁場を用いて試料に対する光学的な情報の記録あるいは再生を行うことを特徴としている。
【0012】
この方法によれば、プラズモン励起材料にプラズモンを発生させ、プラズモンの有する、通常の近接場光の数十倍〜数百倍の強度の電磁場を用いて試料に対する光学的な情報の記録あるいは再生を行うようになっているので、光ビームの電磁場のみに頼る場合に比べて高感度な情報の記録あるいは再生が可能となる。
【0013】
しかも、上記方法によれば、光ビームを半球状レンズを通し、その近接場効果にてプラズモン励起材料に照射してプラズモンを発生させるようになっているので、プラズモンの励起が容易であることに加え、半球状レンズにて光ビームがさらに絞り込まれてそのスポット径がより縮小されるので、より小さな領域に対する情報の記録あるいは再生が可能となる。
【0014】
つまり、本発明の光記録再生方法によれば、試料における記録密度の向上に対応可能となる。したがって、この方法を例えば光ディスクの記録再生方法に適用して光ディスク装置を作製した場合、試料すなわち記録層の高密度化に対応可能となり、高密度で高感度な情報の記録、および高密度で記録された情報の高感度な再生が可能となる。
【0015】
上記試料を光あるいは熱によって光学的な変化を生じる記録材料とし、この記録材料を透明基板上に形成して光ディスクとすることで、本発明の光記録再生方法を用いて光ディスクの記録再生が可能となる。
【0016】
また、上記した本発明の光記録再生方法においては、光ビームのうちのプラズモンを励起させる角度の光成分によって、試料に対する情報の記録あるいは再生を行うものとすることが好ましい。
【0017】
プラズモンを励起させる角度の光成分は、プラズモンが励起するとプラズモン励起材料に吸収される。この吸収は、記録層にマークが形成されているか否かによって大きく変化する。そこで、このようなプラズモンを励起させる光成分を用いて試料に対する情報の記録あるいは再生を行うことで、S/Nの高い情報の記録あるいは再生を行うことができる。
【0018】
なお、情報の記録や再生には、集光レンズや半球状レンズの位置を、試料の情報記録位置に最適に制御するサーボ制御が必要であるが、このようなサーボ制御は、プラズモンを励起させる角度の光成分以外の光成分を用いることで、プラズモンの励起に関係なく、安定したサーボ制御が可能となる。
【0019】
また、上記した本発明の光記録再生方法においては、半球状レンズとして、半球状レンズの屈折率と異なる屈折率を有する微細領域が、上記半球状レンズの光の出射部位に形成されているものを用いることもできる。
【0020】
これによれば、半球状レンズの出射部位に形成された微細領域によって、半球状レンズによって集光されるスポット径よりも高い分解能で、近接場光を伝搬光に変換し、高密度な再生を行うことができる。
【0021】
また、上記した本発明の光記録再生方法においては、試料にプラズモン励起材料を兼ねさせることもできる。
【0022】
これによれば、試料に光ビームを照射することでプラズモンを励起して、プラズモンの電磁場を用いた高感度な記録あるいは再生が可能となるので、この光記録再生方法を例えば光ディスクの記録再生方法に適用した場合、光記録媒体である光ディスクの積層膜数を削減し、光ディスクを簡単な構成とできる。
【0023】
さらに、上記した本発明の光記録再生方法においては、プラズモン励起材料を、上記半球状レンズの光出射面に薄膜状に形成しておくことも可能である。
【0024】
これによれば、光ビームが照射される対象物となる試料側にプラズモン励起材料を持たせる必要がなくなるので、この光記録再生方法を例えば光ディスクの記録再生方法に適用した場合、光記録媒体である光ディスクの積層膜数を削減した簡単な構成とし、かつ、記録層の材料幅を広げることができる。また、この光記録再生方法の光再生方法を、光学顕微鏡の分野に適用することで、試料すなわち観察試料を高感度に観察可能な優れた光学顕微鏡を実現させることができる。
【0025】
本発明の光学装置は、上記の課題を解決するために、光学的な情報を記録した試料に対し、光ビームを集光レンズにより絞り込んで照射する照射手段と、集光レンズにて絞り込まれた光ビームの波長を空気中を伝搬するときより小さくする半球状レンズであって、上記光ビームの試料に至る光路上に、その内部を通過すると同じ波長で光ビームが試料に到達し得る距離に配置された半球状レンズと、半球状レンズを通して照射される光ビームにてプラズモンを励起して電磁場を発生し、上記試料に印加するプラズモン励起部と、光ビームが照射された試料からの光より試料にある情報を再生する再生手段とを備えた構成である。
【0026】
これによれば、照射手段が集光レンズにより光ビームを絞り込んで試料に対して照射し、再生手段は、光ビームが照射された試料からの光、つまり反射光または透過光から試料に記録された情報を再生する。ここまでの構成は、従来と同じであるが、本発明の光学装置によれば、光ビームの光路中に半球状レンズが試料に対して適切な距離で配設されると共に、プラズモン励起部が備えられている。この光路に配設された半球状レンズが試料に照射される光ビームを近接場効果にて空気中を伝搬するよりも短い波長で試料に到達させ、試料上のスポット径をより小さくする。したがって、より小さな領域の記録の再生が可能となる。加えて、上記プラズモン励起部では、半球状レンズを通して照射される光ビームにてプラズモンが簡単に励起して電磁場が発生し、この電磁場が光ビームの電磁場を増強するので、高感度な再生が可能となる。
【0027】
つまり、上記構成の光学装置によれば、試料における記録密度の向上に対応できるので、この方法を例えば光ディスクの再生装置に適用した場合、試料すなわち記録層の高密度化に対応可能となり、高密度で記録された情報の高感度な再生が可能となる。
【0028】
また、本発明の光学装置は、光学的な情報を記録可能な試料に対し、記録情報に基づく記録信号を出力する記録手段と、上記記録信号に応じた光ビームを集光レンズにより絞り込んで照射する照射手段と、集光レンズにて絞り込まれた光ビームの波長を空気中を伝搬するときより小さくする半球状レンズであって、上記光ビームの試料に至る光路上に、その内部を通過すると同じ波長で光ビームが試料に到達し得る距離に配置された半球状レンズと、半球状レンズを通して照射される光ビームにてプラズモンを励起して電磁場を発生し、上記試料に印加するプラズモン励起部とを備える構成である。
【0029】
これによれば、記録手段が記録情報に基づく記録信号を照射手段に出力し、照射手段が集光レンズにより光ビームを絞り込んで試料に対して照射して情報を光学的に記録する。ここまでの構成は、従来と同じであるが、本発明の光学装置によれば、光ビームの光路中に半球状レンズが試料に対して適切な位置に配設されると共に、プラズモン励起部が備えられている。この光路に配設された半球状レンズに照射される光ビームを近接場効果にて空気中を伝搬するよりも短い波長で試料に到達させ、試料上のスポット径をより小さくする。したがって、より小さな領域の記録が可能となる。加えて、上記プラズモン励起部では、半球状レンズを通して照射される光ビームにてプラズモンが簡単に励起して電磁場が発生し、この電磁場が光ビームの電磁場を増強するので、高感度な記録が可能となる。
【0030】
つまり、上記構成の光学装置によれば、試料における記録密度の向上に対応できるので、この方法を例えば光ディスクの記録装置に適用した場合、試料すなわち記録層の高密度化に対応可能となり、高密度かつ高感度で情報の記録が可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態として、本発明の光記録再生方法を用いた光学装置としての光ディスク装置について、図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0032】
光ディスク装置では、図1に示すように、光学的に情報を記録可能である記録部と共に、プラズモン励起部を備えた光ディスク14に対して、レーザビーム(光ビーム)11を、集光レンズ12とSIL(半球状レンズ)13とを介して照射し、プラズモン励起部にてプラズモンを励起させ、このプラズモンによって生じる電磁場を用いて記録部に情報の記録および再生を行うようになっている。
【0033】
光ディスク14は、基板14b上に記録層14aを成膜したものである。記録層14aは、光学的に情報を記録可能な記録部としての機能と共に、特定波長のレーザ光によりプラズモンを励起するプラズモン励起部としての機能を有している。
【0034】
このような記録層14aとしては、光学的に情報を記録可能であり、かつ、自由電子を有してプラズモンを励起し得る材料を選択することで構成できる。記録材料としては、レーザの照射やプラズモン励起による加熱により変成または融解する有機色素、ポリマー、および光磁気記録材料などが挙げられる。
【0035】
光磁気記録材料は、各記録領域に、垂直磁化の各方向により情報を記録できると共に、レーザ光のようなコヒーレント光が照射されたときに垂直磁化の各方向の変化によるカー回転角の変化により情報を再生できるものである。光磁気記録材料としては、GdTbFeやTbFeCo、DyFeCo、TbDyFeCo等の希土類遷移金属薄膜などが挙げられる。光磁気記録材料は自由電子を有しているため、プラズモン励起部と記録層とを兼ねることができる。
【0036】
しかし有機色素やポリマーの場合は、導電性の低いものがあり、自由電子の少ないものもある。そこで、光ディスクを構成する薄膜数は増加するが、記録材料の層とプラズモン励起材料の層とを別々に積層して記録層とする構成としてもよい。
【0037】
上記有機色素、ポリマーとしては、具体的には、シアニン色素、メロシアニン色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、およびそれらの金属錯体、スクアリリウム色素、ジチオール、ジアゾール、メルカプトナフトール等の金属錯体、縮合芳香族キノン色素、トリフェニルメタン系色素、アミニウム、ジインモニウム系色素、アゾ分散染料、インドアニリン系金属錯体色素や顔料、メタクリレート樹脂等を挙げることができる。
【0038】
プラズモン励起層の材料は、金属、合金、半導体或いは有機化合物など導電性の高いものを使用すればよい。例えば、金や銀を使用する。
【0039】
本願発明では、レーザビーム11によるプラズモン励起によって、近接場光を数十倍から数百倍に増強できる。この近接場光は記録層14aと相互作用し、大きな散乱光が得られる。このため、記録層14aに記録されたマークと、そうでない部分との散乱光に含まれる信号成分も増強され、上記記録層14aからの再生出力の増大化が図れ、記録層14aからの情報の読み出しを安定化および確実化できる。
【0040】
プラズモン励起材料としては、レーザ光の照射によってプラズマ共鳴してプラズマ振動を発生するものであれば、特に限定されないが、例えば自由電子を有する金属、合金、半導体、あるいは有機化合物が挙げられる。その素材としては、具体的には、金、銀、アルミニウム、銅などが挙げられる。また、光磁気記録材料も導電性が高く、自由電子を有する材料である。
【0041】
プラズモン励起材料は、表面プラズマ効果を増大し、また、光記録材料と表面プラズマ効果との相互作用を増大させ、かつ、吸収されたレーザエネルギーを有効に、光記録材料に伝達させるために、その表面積を大きく設定することが好ましい。したがって、多結晶等の材料を用いる場合は、微粒子形状が好ましく、その粒径300nm以下、より好ましくは100nm以下である。
【0042】
このような光ディスク14に光を絞り込む上記集光レンズ12は、凸レンズからなる通常の対物レンズである。
【0043】
一方、この集光レンズ12と光ディスク14との間に配される上記SIL13は、ガラス球の一部を平らに削り取り、研磨して作られた半球状のレンズである。このSIL13は、SIL13の屈折率が空気(屈折率が1)より大きいことを用いて、集光レンズ12により記録層14a上に絞り込まれるレーザービーム11の波長を短くして、記録層14a上に形成されるスポット径を縮小して、光の解像度を向上させるために備えられる。
【0044】
上記SIL13は、その半球面が光の入射側、平坦面(底面)が光の出射側となるように配置される。また、SIL13は、その半球面が、集光レンズ12により絞り込まれた光の焦点を中心とする球の面の一部となるように設けられ、集光レンズ12により絞り込まれ光は、SIL13の半球面に対し垂直に入射する。
【0045】
また、SIL13の平坦面は、光ディスク14における記録層14aと、ギャップ15を隔てて接するように設けられている。このギャップ15は、数十nm以下の空気層であり、レーザービーム11の波長の1/4以下の距離の空気層である。このようなギャップ15は、例えば、光ディスク14を回転させてSIL13を記録層14aに対し空気浮上させることにより形成することができる。
【0046】
ここで、上記集光レンズ12の開口数をNAとし、SIL13の屈折率をn(>1)とすると、集光レンズ12に入射して絞り込まれたレーザービーム11の光の速度は、SIL13中に入ることで屈折率nの分だけ遅くなり、その波長は1/nに短くなる。つまり、SIL13の中での回折限界は空気中の1/nと小さくなり、集光レンズ12の開口数NAをn倍したものと等価となる。
【0047】
SIL13の平坦面から出射した光は、空気中に出ると、再びもとの波長に戻るが、上記したように、SIL13と光ディスク14とが僅かなギャップ15を隔てて近接配置されているので、SIL13の平坦面より浸み出たSIL13内部と同じ性質の光(近接場光)が、記録層14aに伝わるようになる。即ち、記録層14aに伝搬する光は、開口数NAでレーザービーム11の1/n倍の波長の光束となる。
【0048】
このように、SIL13によって、集光レンズ12のみでレーザビーム11を絞り込む通常の場合と比べて、記録層14a上に集光されるレーザビーム11のビームスポット径を1/nに小さく設定でき、記録層14aに対し光学的に記録できる情報の密度をさらに高めることができる。
【0049】
なお、空気層からなるギャップ15の代わりに、光学的に同じ厚みを持つ保護層(図示せず)を記録層14aの上方かSIL13の平坦面、あるいは両方に設け(この場合は厚みの和をギャップ15と同じに設定する)、SIL13と光ディスク14とを保護層を介して互いに接触させる構成とすることもできる。このとき、保護層の屈折率は、前述のSIL13の屈折率nと同一に設定することが好ましい。
【0050】
上記レーザビーム11は、記録層14aによって全反射される外側の環状の光成分11b(図中、斜線部分)と、記録層14aの光学特性によって透過、吸収、反射される、内側の円形状の光成分11aとに分けることができる。
【0051】
プラズモン励起材料にプラズモンを励起させる角度を有するのは、上記外側光成分11bである。したがって、SIL13への外側光成分11bの入射角を適切に調整することで、プラズモン共鳴を大きく励起することができる。
【0052】
SIL13への外側光成分11bの入射角は、例えば集光レンズ12とSIL13との離間距離に依存して変化する。図2に示すように、この距離がプラズモンを励起する距離x1となったとき、レーザビーム11の外側光成分11bは記録層14aにて吸収され、プラズモン共鳴が生じる。集光レンズ12とSIL13との離間距離は、集光レンズ12を光軸方向に変位させる駆動装置によって容易に調節することができる。
【0053】
また、外側光成分11bの反射光量と記録層14aとSIL13との離間距離(ギャップ15)との間にも、図3に示すような関係がある。したがって、図3に示すように、記録層14aとSIL13との間のギャップ15の間隔がx2となるように調整することによっても、記録層14aにおけるプラズモン励起を制御することができる。
【0054】
記録層14aにおいて励起したプラズモン14cは、入射したレーザビーム11の数十倍〜数百倍の電磁場強度を発生させ、前述したように、記録層14aの光学情報を増幅したり、あるいは記録のための電磁場として使用できる。加えて、レーザービーム11がSIL13を通して照射されることで、その励起領域は極めて小さく、かつ、励起が容易に起こる。したがって、記録層14aにおいて高感度および高密度で光学情報を再生したり、記録したりすることが可能となる。
【0055】
但し、記録層14aにおいてプラズモン励起材料が励起されると、外側光成分11bは記録層14aのプラズモン励起材料に吸収されるため、その部分からの反射光は減少する。プラズモンの励起状態は、記録層14aにマークが記録されているか否かによって大きく変化する。
【0056】
そこで、外側光成分11bによって光学情報を記録層14aから再生する方が信号強度を大きくすることができる。なお、再生時及び記録時のレーザビーム11のトラッキングサーボ等の位置決めは、内側光成分11aの反射光あるいは透過光に基づいて行えば、記録マークの有無によらず(プラズモンの励起に関係なく)安定して制御を行うことができる。
【0057】
図4に、上記光ディスク装置のブロック図を示す。光ディスク装置は、図4に示すように、光ディスク12、光学ピックアップ16、レーザ駆動回路17、記録回路(記録手段)18、再生回路(再生手段)19、サーボ回路20等から構成さている。上記光学ピックアップ16内に、図1に示した集光レンズ12等が具備されている。
【0058】
この光ディスク装置において、記録回路14から出力された記録信号は、半導体レーザの出射光量を調節するレーザ駆動回路17を経て、光学ピックアップ16が備える半導体レーザに送られ、レーザービーム11として出力される。レーザービーム11は、光学ピックアップ16内の集光レンズ12により光ディスク14上に絞り込む。絞り込まれたレーザービーム11は、SIL13を介してさらにスポット径を縮小されて光ディスク14に照射され、記録層14aにおいてプラズモンを励起し、その電磁場を用いて記録層14に情報が記録される。
【0059】
一方、再生時は、記録時より弱い光量の再生用のレーザビーム11が、記録時と同じく光ピックアップ16内の集光レンズ12およびSIL13を介して光ディスク14に照射される。そして、光ディスク14からの反射光が光ピックアップ16内のフォトディテクタ等にて電気信号として検出され、再生回路19に送られ、記録層14aの情報が再生される。
【0060】
サーボ回路20は光学ピックアップ16内の集光レンズ12を駆動するもので、光ディスク14に対する集光レンズ12の位置を、記録時・再生時、適切に制御するものである。また、特に図示してはいないが、SIL13と光ディスク14との間隔つまり空気浮上の浮上量が適切となるように光ディスク14の回転数を制御する回路も備えられている。
【0061】
続いて、本発明を適用した他の光ディスク装置について説明する。
【0062】
上述の図1に記載の光ディスク14に代えて、図5に示すように、光透過性を有する基板22bを挟んでSIL21と、前述のプラズモン励起材料を含む記録層22aとを配置した光ディスク22を用いる光ディスク装置とすることもできる。この場合は、SIL21と基板22bの厚みの和が、前述のSIL13の光学的な厚さ(つまりSIL13の平坦面と半球面の頂点との距離)と等価となるように設定されていることが望ましい。
【0063】
このような構成では、光ディスク22上をSIL21が滑走するので、万一、滑走が失敗つまり滑走により基板22bをクラッシュしても記録層22aを傷つけないため、記録層22aにおける記録部としての情報記録機能およびプラズモン励起部としてのプラズモン励起機能とを安定して維持することができる。
【0064】
また、図1に示す構成に代えて、図6に示すようにSIL13の平坦面に、前述のプラズモン励起材料を含むプラズモン励起層23を成膜した構成の光ディスク装置とすることもできる。このプラズモン励起層23は、ギャップ15を隔てて光ディスク24に対向し、ギャップ15は、レーザービーム11の波長の1/4以下の数十nm以下となるように、例えば、上記SIL13が光ディスク24に対し空気浮上されている。これにより、プラズモン励起層23にて励起したプラズモン14cで発生した強い電磁場である近接場光14dはギャップ15を介して、記録層24aに達し、前述と同様の効果を奏する。
【0065】
なお、ギャップ15の代わりに、光学的に同じ厚みを有する保護層(図示せず)を記録層24aの上方か、あるいはプラズモン励起層23の下方か、あるいは両方に設け(この場合は厚みの和をギャップ15と同じに設定する)、SIL13と光ディスク24を接触、つまりSIL13を保護層上を滑走するように設定してもよい。
【0066】
この構成においては、レーザビーム11の外側光成分11bがプラズモン励起層23においてプラズモンを励起し、内側光成分11aがプラズモン励起層23を透過して記録層24aの光学特性によって透過、吸収、反射される。
【0067】
このようなプラズモン励起層23を記録層24aと個別に設ける構成では、記録層24aを、プラズモン励起を考慮せずに自由に選ぶことができるため、プラズモンを励起できない他の材料を選ぶことも可能である。また、記録層24aを、その他の観察試料に置き換えても、フォトディテクタに、例えばCCDを用いることにより、高感度、高解像度の光学顕微鏡も光学装置として実現できる。
【0068】
さらに、図1に示す構成に代えて、図7に示すように、底面中央部に屈折率の異なる微細領域25aを設けたSIL25を用いた光ディスク装置とすることもできる。この微細領域25aは、例えば底面方向の大きさが数十nm〜数百nm、深さが数十nm〜数μmの凸型の窪み、或いはこの窪みに充填された金属、半導体、合金等である。
【0069】
この構成では、プラズモンによって増強された近接場光は、微細領域25aで伝搬光11cに変換される。この微細領域25aは、SIL25によって集光されるスポット径よりもさらに小さな大きさに加工することが可能である。従って、記録層14aの光学的な微細構造を、より高い分解能で伝搬光11cに変換し、高密度な再生を行うことができる。さらに、この微細領域25aが上述の如く金属、半導体、合金等の散乱体であれば、近接場光を効率よく伝搬光11cに変換できる。
【0070】
なお、本実施の形態ではSILを半球状レンズとしたが、よく知られているように、超半球状のレンズを使用しても同様の効果が得られる。
【0071】
【発明の効果】
本発明の光記録再生装置は、以上のように、集光レンズで絞り込んだ光ビームをその波長を空気中を伝搬するときより小さくする半球状レンズを通してその近接場効果にてプラズモン励起材料に照射してプラズモンを励起させ、このプラズモンによって生じる電磁場を用いて試料に対する光学的な情報の記録あるいは再生を行うものである。
【0072】
また、本発明の光学装置は、光学的な情報を記録した試料に対し、光ビームを集光レンズにより絞り込んで照射する照射手段と、集光レンズにて絞り込まれた光ビームの波長を空気中を伝搬するときより小さくする半球状レンズであって、上記光ビームの試料に至る光路上に、その内部を通過すると同じ波長で光ビームが試料に到達し得る距離に配置された半球状レンズと、上記半球状レンズを通して照射される光ビームにてプラズモンを励起して電磁場を発生し、試料に電磁場を印加するプラズモン励起部と、光ビームが照射された試料からの光より試料にある情報を再生する再生手段とを備えた構成である。
【0073】
また、本発明の別の光学装置は、光学的な情報を記録可能な試料に対し、記録情報に基づく記録信号を出力する記録手段と、上記記録信号に応じた光ビームを集光レンズにより絞り込んで照射する照射手段と、集光レンズにて絞り込まれた光ビームの波長を空気中を伝搬するときより小さくする半球状レンズであって、上記光ビームの試料に至る光路上に、その内部を通過すると同じ波長で光ビームが試料に到達し得る距離に配置された半球状レンズと、上記半球状レンズを通して照射される光ビームにてプラズモンを励起して電磁場を発生し、試料に印加するプラズモン励起部とを備える構成である。
【0074】
これら本発明の光記録再生方法および光学装置によれば、励起したプラズモンにて光ビームの電磁場のみに頼る場合に比べて高感度な情報の記録あるいは再生が可能となり、かつ、半球状レンズにより光ビームのスポット径をより小さくして、より小さな領域に対する情報の記録あるいは再生が可能となる。その結果、例えば光ディスク装置に適用することで、高密度で高感度な情報の記録、および/又は高密度で記録された情報の高感度な再生が可能な光ディスク装置を実現し得るという効果を奏する。
【0075】
また、本発明の光記録再生方法においては、光ビームのうちのプラズモンを励起させる角度の光成分によって、試料に対する情報の記録あるいは再生を行い、それ以外の光成分によって、サーボ制御を安定して行うことができるようになる。
【0076】
また、本発明の光記録再生方法においては、半球状レンズとして、半球状レンズの屈折率と異なる屈折率を有する微細領域が、上記半球状レンズの出射部位に形成されているものを用いることで、半球状レンズによって集光されるスポット径よりも高い分解能で、近接場光を伝搬光に変換し、高密度な再生を行うことができる。
【0077】
また、本発明の光記録再生方法においては、試料にプラズモン励起材料を兼ねさせることで、光記録媒体である光ディスクの積層膜数を削減し、光ディスクを簡単な構成とできる。
【0078】
さらに、本発明の光記録再生方法においては、プラズモン励起材料を、半球状レンズの出射面に薄膜状に形成しておくこで、光記録媒体である光ディスクの積層膜数を削減した簡単な構成とし、かつ、記録層の材料幅を広げることができ、また、光学顕微鏡の分野に適用することで、試料すなわち観察試料を高感度に観察可能な優れた光学顕微鏡を実現させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、光ディスク装置における光ディスクにレーザービームが照射される主要部の模式図である。
【図2】プラズモンを励起するための集光レンズとSILとの距離の関係を説明するグラフである。
【図3】プラズモンを励起するための記録層とSILとの距離の関係を説明するグラフである。
【図4】上記光ディスク装置における、情報の記録再生を行う機構のブロック図である。
【図5】本発明の実施の他の形態を示すもので、光ディスク装置における光ディスクにレーザービームが照射される主要部の模式図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態を示すもので、光ディスク装置における光ディスクにレーザービームが照射される主要部の模式図である。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態を示すもので、光ディスク装置における光ディスクにレーザービームが照射される主要部の模式図である。
【符号の説明】
11 レーザービーム(光ビーム)
12 集光レンズ
13 SIL(半球状レンズ)
14 光ディスク
14a 記録層(試料,プラズモン励起部)
21 SIL
22 光ディスク
22a 記録層(試料)
23 プラズモン励起層(プラズモン励起部)
24 光ディスク
24a 記録層(試料)
25 SIL
25a 微細領域
Claims (5)
- 集光レンズで絞り込んだ光ビームを、その波長を空気中を伝搬するときよりも小さくする半球状レンズを通してその近接場効果にてプラズモン励起材料に照射してプラズモンを励起させ、このプラズモンによって生じる電磁場を用いて試料に対する光学的な情報の再生を行う光記録再生方法であって、
上記半球状レンズとして、当該半球状レンズの屈折率と異なる屈折率を有する微細領域が出射部位に形成されている半球状レンズを用いることを特徴とする光記録再生方法。 - 前記光ビームのうちのプラズモンを励起させる角度の光成分によって、試料に対する情報の再生を行うことを特徴とする請求項1に記載の光記録再生方法。
- 上記試料が、上記プラズモン励起材料を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録再生方法。
- 上記試料が光あるいは熱によって光学的な変化を生じる記録材料からなり、この記録材料は透明基板上に形成されて光記録媒体を構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録再生方法。
- 光学的な情報が記録されていると共に、プラズモンを励起して電磁場を発生するプラズモン励起部を有する試料に対し、光ビームを集光レンズにより絞り込んで照射する照射手段と、
上記集光レンズにて絞り込まれた光ビームの波長を空気中を伝搬するときより小さくする半球状レンズであって、光ビームの試料に至る光路上に、その内部を通過するのと同じ波長で光ビームが試料に到達し得る距離に配置された半球状レンズと、
上記試料からの反射光から上記試料に記録された情報を再生する再生手段であって、上記プラズモン励起部にて生じた電磁場により増幅された情報を含む上記試料からの反射光を、上記半球状レンズを通して受光する再生手段とを備え、
上記半球状レンズは、当該半球状レンズの屈折率と異なる屈折率を有する微細領域が出射部位に形成されていることを特徴とする光学装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24796199A JP4425382B2 (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 光記録再生方法およびそれを用いた光学装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24796199A JP4425382B2 (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 光記録再生方法およびそれを用いた光学装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001067668A JP2001067668A (ja) | 2001-03-16 |
JP4425382B2 true JP4425382B2 (ja) | 2010-03-03 |
Family
ID=17171139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24796199A Expired - Fee Related JP4425382B2 (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 光記録再生方法およびそれを用いた光学装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4425382B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4106417B2 (ja) * | 2002-05-16 | 2008-06-25 | 三星電子株式会社 | 高融点の記録層を有する記録媒体及びその記録媒体の情報記録方法、及びその記録媒体から情報を再生する情報再生装置及び情報再生方法 |
JP4532459B2 (ja) * | 2006-11-30 | 2010-08-25 | 株式会社リコー | 光情報記録媒体 |
-
1999
- 1999-09-01 JP JP24796199A patent/JP4425382B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001067668A (ja) | 2001-03-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8009545B2 (en) | Optical recording using a waveguide structure and a phase change medium | |
CN100426397C (zh) | 信息记录介质、信息记录方法、信息重放方法 | |
JP4230087B2 (ja) | 光学再生記録方法および光学装置 | |
JPH0896412A (ja) | 情報記録媒体 | |
JP3648378B2 (ja) | 光ディスク | |
JP3895076B2 (ja) | 光学装置 | |
JP4425382B2 (ja) | 光記録再生方法およびそれを用いた光学装置 | |
JP3155636B2 (ja) | 光記録媒体及び光記録再生システム | |
JP2001256664A (ja) | プラズモンを用いた記録再生ヘッドおよびその作製法 | |
JP4591796B2 (ja) | 光情報記録媒体、光情報再生方法、光情報再生装置、光情報記録方法及び光情報記録装置 | |
US7651793B2 (en) | High density recording medium with super-resolution near-field structure manufactured using high-melting point metal oxide or silicon oxide mask layer | |
JP2000331375A (ja) | 近接場光記録/再生装置 | |
JPH06259799A (ja) | 光ディスクの再生方法及び再生装置 | |
US20050207327A1 (en) | Recording method using reaction and diffusion, recording medium recorded on using the recording method, and recording/reproducing apparatus for the recording medium | |
JP2003123261A (ja) | 光情報媒体の再生方法および再生装置 | |
JP2011210306A (ja) | 光ヘッド及び光記録再生装置 | |
JP2006172613A (ja) | プラズモンを用いた光記録再生方法及び光記録媒体 | |
JP4381540B2 (ja) | 光記録媒体の再生方法 | |
JP2000090483A (ja) | 開口アレイを有する記録媒体及びその製造方法とそれによる近接場を利用した記録及び再生装置及びその方法 | |
JPH06236578A (ja) | 光ディスク | |
JP2002008235A (ja) | プラズモンを用いた記録再生装置およびその作製法 | |
JP3259706B2 (ja) | 情報記録再生装置および情報記録再生システム | |
JPH11250501A (ja) | 情報の記録媒体及び記録方法 | |
KR20010104018A (ko) | 광 픽업 헤드와 그 제조방법 및 이를 이용한 광 정보기록/재생 장치 | |
JP2000222760A (ja) | 情報の記録又は再生方法および記録又は再生装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051201 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080416 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080527 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20080728 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090609 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090904 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20090916 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091208 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091209 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |