JP2000249681A - ガスセンサ封止構造体 - Google Patents

ガスセンサ封止構造体

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JP2000249681A
JP2000249681A JP11049642A JP4964299A JP2000249681A JP 2000249681 A JP2000249681 A JP 2000249681A JP 11049642 A JP11049642 A JP 11049642A JP 4964299 A JP4964299 A JP 4964299A JP 2000249681 A JP2000249681 A JP 2000249681A
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oxygen
insulating
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sensor
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Yasushi Sakai
靖志 酒井
Seiji Hasei
政治 長谷井
Akira Kunimoto
晃 国元
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Riken Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスセンサ封止構造体100 は、酸素イオン伝
導体である固体電解質により包囲された内部缶室35と、
固体電解質上に形成された被検ガス及び酸素に活性な検
知電極37a及び酸素のみに活性な参照電極37bと、内部
缶室35内へ酸素を供給するために内部缶室35を包囲する
固体電解質の両面に設けられた少なくとも1対の酸素ポ
ンプ電極38a ,38b と、外側の酸素ポンプ電極38b が大
気にのみ通ずるように被検ガス雰囲気から隔離されてい
る大気ダクト33,34とを有するセンサ素子2を封止する
もので、センサ素子2を包囲する絶縁性セラミック筒体
1と、センサ素子2の大気ダクト33,34の大気導入口33
a 、34a 側において絶縁性セラミック筒体1とセンサ素
子2との間に形成されたガラス封止部5aと、ガラス封止
部5aにより封止された絶縁性セラミック筒体1内部に充
填された絶縁粉末6とを有し、センサ素子2の複数のリ
ード線4はガラス封止部5aにより所定の間隔で固定され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃焼排出ガスに含ま
れるNOx、SOx、HC、CO等を検出するガスセン
サのガス検知精度を改善し、リード線の短絡や絶縁性の
ばらつきを防止する封止構造体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ガスセ
ンサの中でも排気ガス中に直接挿入するタイプのセンサ
は、高温の排気ガスに曝されるため耐熱性が重要であ
り、従来から耐熱性の高い酸化物系の固体電解質を利用
する電解電流式や起電力式のガスセンサが知られてい
る。例えば特開平8-271476号に記載のガスセンサは、排
ガスをセンサ内部缶室に導き、その内部缶室内の酸素を
ほぼ完全に排出して排ガス中のNOxをNOに変換し、
更に第2の内部缶室にて電気化学的にNOを分解したと
きに発生する酸素イオンによる電流を測定するものであ
る。特開平9-113482号に記載のガスセンサも同様に、セ
ンサの内部缶室において被検ガス中の酸素を排出してN
OxをNOに変換し、第2の内部缶室でNOを触媒を利
用して分解したときに生じる酸素分圧を濃淡起電力方式
にて測定するものである。
【0003】しかし、これらの電解電流式や起電力式ガ
スセンサは、内部缶室内の排気ガス中の酸素をほぼ完全
に排出するため、炭化水素ガスやCO等の還元性ガスを
センサの内部缶室において酸化除去することができな
い。そのため、これらの残留炭化水素ガスやCOガス等
により内部缶室内に設置された電極の出力が妨害される
おそれがあるのみならず、未燃焼カーボン等として電極
に付着してしまう欠点もある。
【0004】これらのガスセンサの問題点に鑑み、NO
x等を精度良くかつ有効に検出し得るガスセンサの検討
を行った結果、本出願人は先に、被検ガス中の酸素濃度
がゼロかあるいは逆に高くても、センサの内部缶室内の
酸素濃度を常にある一定の濃度に保持できる構成の混成
電位型NOxセンサを提案した(特開平9-274011号)。
【0005】特開平9-274011号のガスセンサは、大気に
通じるダクトに一方の電極を備えた酸素ポンプにより内
部缶室に酸素を出し入れし、内部缶室内の干渉性ガス
(CO、HC等)を酸素又は酸素イオンにより酸化する
とともに、酸素及びNOxに活性な検知電極と酸素にの
み活性な検知電極との間に生じる電位差の大きさにより
NOxの量を検出し、干渉性ガスによる干渉を回避でき
る構造を有する。しかしながら大気に通ずるダクト導入
口が酸素の拡散を律速したり、また同時にセンサから出
されるリード線間の絶縁性を確保するのが非常に困難と
いった問題を有する。
【0006】従って本発明の目的は、上記問題を克服す
るために、混成電位型ガスセンサ等において被検ガス雰
囲気とダクト導入口の大気とを完全に遮断し、かつ大気
の酸素の供給及び排出が可能で、リード線間の絶縁性を
同時に確保する封止構造体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、主に図4〜図7に示すようなセン
サ素子において、内部にガラス封止部等を有する絶縁性
セラミック筒体を用いて、被検ガス雰囲気とダクト導入
口の大気とを完全に遮断し、かつ十分な大きさを有する
大気ダクトにより酸素の拡散律速を防ぎ、センサリード
線間の絶縁性を維持して短絡を防止することができるこ
とを発見し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明のガスセンサ封止構造体
は、酸素イオン伝導体である固体電解質により包囲され
た内部缶室と、前記内部缶室に設けられた被検ガスに連
通するガス導入口と、前記内部缶室を包囲する固体電解
質上に形成された被検ガス及び酸素に活性な検知電極
と、酸素のみに活性を有するかあるいは被検ガスから隔
離された参照電極と、酸素を汲み入れ又は排出するため
に前記固体電解質上に設けられた少なくとも1対の酸素
ポンプ電極とを有するガスセンサの封止構造体であっ
て、前記内部缶室の外側にある酸素ポンプ電極は大気に
のみ連通するように被検ガス雰囲気から隔離されたダク
ト内に位置し、センサ基体端部に開口するダクトはガラ
ス封止部を貫通し、もって前記ダクト内は測定ガス雰囲
気から隔離されていることを特徴とする。
【0009】本発明の一実施例では、センサ素子は絶縁
性セラミック筒体に包囲され、絶縁性セラミック筒体と
センサ素子との間に絶縁粉末が充填され、絶縁粉末はガ
ラス封止部により封じ込められている。
【0010】本発明の別の実施例では、ガスセンサのリ
ード線はセンサ素子の側面から取り出され、ガラス封止
部に固着されるとともに、それを貫通して外部に露出し
ている。
【0011】本発明のさらに別の実施例では、ガラス封
止部の内側に絶縁固定体が固定され、絶縁固定体は所定
の間隔で配置された複数の開口部を有し、センサ素子の
リード線は絶縁固定体の開口部を貫通することにより固
定される。
【0012】このような特徴を有する本発明の封止構造
を有するガスセンサは、混成電位型の検知方式を採用す
るのが好ましい。また検知対象ガスとして、NOx、S
Ox、HC、COからなる群から選ばれた少なくとも1
種を挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のセンサ封止構造体を添付
図面を参照して以下詳細に説明する。
【0014】[1] 第一の実施例 図1は本発明の第一の実施例によるセンサ封止構造体の
基本構成を示す。封止構造体100 は、センサ素子2を収
容する絶縁性セラミック筒体1と、絶縁性セラミック筒
体1及びセンサ素子2との間に充填されたアルミナ粉や
タルク粉等の絶縁粉末6と、大気ダクト33、34が通じる
大気側と被検ガス側とを遮断するために絶縁性セラミッ
ク筒体1内に設けられたガラス封止部5aとにより構成さ
れている。被検ガス側に設けられた封止部5bは絶縁粉末
6が絶縁性セラミック筒体1内に保持できるような栓
で、5aと同様なガラス封止でも良いし、セラミック接着
剤のような簡単な耐熱性接着剤でも良い。あるいは絶縁
性セラミック筒体1自体の形状が、センサ素子2及び絶
縁粉末6を脱落させないような構造とすることでも可能
である。
【0015】(A) 絶縁性セラミック筒体 絶縁性セラミック筒体1はセンサ素子2を包囲する形状
を有し、絶縁性セラミックにより形成されていれば材質
は特に限定されないが、電気絶縁性、耐酸化性、耐熱
性、機械的強度等の観点からアルミナ製とするのが好ま
しい。以下アルミナ製の絶縁性セラミック筒体(単に
「アルミナ絶縁筒体」という)の場合を例にとって説明
する。アルミナ絶縁筒体1は両端1a及び1bが開口してお
り、図4に示すようにセンサ素子2の検知部のヒータ36
a 及び36b による加熱の影響を避けるため、検知部がア
ルミナ絶縁筒体1より突出した構造とするのが好まし
い。
【0016】(B) 絶縁粉末 絶縁粉末6はセンサ素子をアルミナ絶縁筒体1内に安定
して固定するため、また特にリード線4cをセンサ素子2
の基体の側面から取り出した場合にリード線4c同士の短
絡を防止するために充填される。絶縁粉末6としてはア
ルミナ粉末やタルク粉末を使用し、その粒径は100 μm
〜500 μm 程度とするのが好ましく、200 μm 〜300 μ
m とするのがより好ましい。絶縁粉末6の充填量を調節
することにより、ガラス封止部5aの深さを調整すること
ができる。
【0017】(C) ガラス封止部 ガラス封止部5aに使用する絶縁性ガラスペーストはなる
べく低温、短時間で封着でき、熱膨張特性が固体電解質
センサ素子2と絶縁性セラミック筒体1の間の値で、絶
縁性が優れていて封着強度が大きい等の要件を満たすも
のが望ましい。特に電気絶縁性の観点から結晶化ガラス
を用いることが更に望ましい。ガラス封止部5aの深さは
5〜20mm程度が好ましい。ガラス封止部5aは、アルミナ
絶縁筒体1とセンサ素子2との間に所定量の絶縁粉末6
を設置するように絶縁性ガラスペーストを充填し、500
〜1000℃で焼成することによりガラス溶融させれば形成
することができる。
【0018】(D) センサ素子 センサ素子2自体は基本的に内部缶室に外部雰囲気(通
常は大気)より酸素を給入する機構を備えた構造を有す
るものであれば、公知のものでも良く、典型的には図4
〜図7に示すセンサ素子が挙げられるが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0019】例えば図4に示すセンサ素子30は、イオン
伝導体である固体電解質層32a 、32b 、32c 、32d 、32
e 、32f 、32g を積層した一体構造を有している。また
ガス導入口31の側では、固体電解質層32b と32c の間及
び固体電解質層32e と32f の間にはそれぞれ固体電解質
層32h 、32i が挟まれている。これらの固体電解質層32
a 〜32i には代表的な酸素イオン伝導体であるイットリ
ア安定化ジルコニア等を使用するのが好ましい。
【0020】固体電解質層32b と32c の間及び32e と32
f の間には酸素を外部から供給するための大気ダクト3
3、34が形成されており、各大気ダクト33、34は大気導
入口33a 、34a を有し、反対側は固体電解質層32h 及び
32i により封止されており、被検ガス雰囲気から遮断さ
れている。
【0021】センサ素子30は、固体電解質層32c 、32d
及び32e により形成された内部缶室35を有し、内部缶室
35は細い開口部(ガス導入口)31を有する拡散抵抗手段
46を通して被検ガス雰囲気にのみ通ずる内部缶室35a
と、細い開口部を有する拡散抵抗手段47により内部缶室
35a からガスが拡散するように離隔された内部缶室35b
とからなる。
【0022】固体電解質層32e の内部缶室35b に面する
表面には、酸素及びNOxに対して活性な検知電極37a
が設けられており、また反対側の大気ダクト34側には参
照電極37b が設けられている。検知電極37a と参照電極
37b とは電圧計39に接続されており、検知電極37a と参
照電極37b との間に生じた電位差(固体電解質が酸素イ
オン導電体の場合は混成電位)を電圧計39で測定するこ
とにより、NOx濃度を検知することができる。
【0023】検知電極37a はNOx及び酸素に対する活
性を有し、参照電極37b は検知電極37a より低いNOx
活性を有すか、望しくはNOxに不活性であり酸素につ
いては同程度の感度を有する必要がある。検知電極37a
及び参照電極37b を構成する材料としてはPt-Rh 、Pt等
をそれぞれに用いるのが好ましい。
【0024】固体電解質層32c の内部缶室35a に面する
表面及び反対側の大気ダクト33に面する表面には、それ
ぞれ酸素ポンプ電極38a 及び38b が設けられており、こ
れらの酸素ポンプ電極38a 及び38b 間に外部の可変電源
41により所定の電圧が印加される。酸素ポンプ電極38a
及び38b はNOxに活性をもたないPtにより形成するの
が好ましい。また固体電解質層32a と32b 及び固体電解
質層32f と32g の間には、それぞれヒータ36a 、36b が
埋設されている。
【0025】内部缶室35内の酸素濃度を所定のレベルに
制御し、例えば排ガス中のCO、HC(炭化水素ガス)
等を酸化除去し、検知電極37a の酸素濃度依存性を除去
するために、酸素ポンピングを行う必要がある。そのた
め、酸素ポンピング用の大気ダクト33,34内は拡散律速
とならないように、その拡散抵抗を充分に小さくする
(内径を十分に大きくする)のが望ましい。
【0026】図5はセンサ素子の別の例を示す。このセ
ンサ素子40は図4のセンサ素子30と同様な基本構造を有
するが、センサ素子30の検知電極37a 及び参照電極37b
の代わりに、外部電源44に接続されたカソード42b 及び
アノード42a を使用する点で異なる。カソード42b 及び
アノード42a は内部缶室35b 内の被検ガスを電気化学的
に分解し、その時発生する酸素イオン電流を検出する方
式を採用している。
【0027】図6はセンサ素子のさらに別の例を示す。
センサ素子50は、ガス検知電極37aと参照電極37b が内
部缶室35b 内に設けられた構造を有するもので、大気ダ
クト33は1本となる。
【0028】図7はセンサ素子のさらに別の例を示す。
このセンサ素子60はセンサ素子30及び50と同じく混成電
位型センサであり、NOx 変換電極37d 及び変換対極37c
と、内部缶室内の酸素濃度を検知するための酸素検知極
61a 及び酸素参照極61b からなる酸素濃淡センサが追加
された構造を有する。濃淡電池式の酸素参照極61b は大
気に通ずる雰囲気下に設置すれば良く、拡散律速となる
ような拡散抵抗が大きなダクトにも適用できる。
【0029】(E) リード線の取出方法 リード線は素子部から離れた位置まで印刷によって作製
し、印刷されたリード部からは、例えば幅0.5mm 及び厚
さ0.05mmのPtリボン線4bを用いて積層固体電解質に挟み
こむ形で側面に引き出し、さらに例えば直径0.4mm のPt
ワイヤ(リード線4c)に接合し、外部に取り出す。勿論
素子部から大気端まで印刷してそのまま大気端からリー
ド線を引き出しても良いが、リード線の本数が多い場合
には短絡がないような工夫が必要である。リード線の本
数が多い場合、側面から引き出したリード線の短絡防止
には本発明の絶縁固定体が非常に有効である。
【0030】(F) 封止方法 本発明によりセンサ素子2を封止するには、アルミナ絶
縁筒体1内にセンサ素子2を設置する。このときセンサ
素子部をアルミナ絶縁筒体1から突出させ、被検ガス側
の端部をセラミック接着剤で固定する。さらにリード線
が短絡しないように絶縁粉末6を充填し、続いてその上
に絶縁性ガラスペーストを充填し、乾燥後、500 〜1000
℃で焼成することによりガラス封止部5aを形成する。こ
の構造により、センサ素子2はアルミナ絶縁筒体1の中
央にしっかり固定され、かつリード線4はガラス封止部
5aにより絶縁状態に保持されて短絡することはない。
【0031】[2] 第二の実施例 図2は本発明の第二の実施例によるガスセンサの封止構
造体200 を示す。この構造は第1の実施例の改良であ
る。リード線4が複数ある場合、リード線4同士の短絡
を防止するために、リード線4同士の間隔を一定に保持
したまま封止封着を行うのが好ましい。そのため図2に
示すように、絶縁固定体11に複数の貫通孔を設け、各貫
通孔に各リード線4を通した後で絶縁固定体11全体をガ
ラス封着する。
【0032】封止方法としては、絶縁固定体11にリード
線を通した後、第一の実施例と同様に、アルミナ絶縁筒
体1内にセンサ素子2を固定する。その後、絶縁粉末6
を充填、続いてその上に絶縁性ガラスペーストを充填
し、乾燥後、500 〜1000℃で焼成することによりガラス
封止部5aを形成する。絶縁固定体11としては、絶縁性の
観点からアルミナ製のものが好ましい。
【0033】図3は図2のA-A 断面図であり、絶縁固定
体11の形状を示す。絶縁固定体11の形状は特に限定され
ず、円筒形や箱型等とすることができる。また絶縁固定
体11はセンサ素子2が貫通する開口部11a と、リード線
4が貫通する複数の開口部11b とを有する。この絶縁固
定体11を用いることにより、ガラス封止部5aにおける複
数のリード線4間の絶縁が確実になる。
【0034】本発明の封止構造はセンサ素子2内部へ酸
素を導入あるいは排出する機構やセンサの参照電極に大
気を導入する構成を必要とするガスセンサに適用でき、
前述のようにセンサ素子2のダクト導入口側に絶縁性ガ
ラスからなるガラス封止部5aを設け、センサ素子2及び
そのリード線4がガラス封止部5aを貫通することによ
り、リード線4の絶縁を確保するとともに、センサ素子
2の検知領域を保護することができる。その上、センサ
素子2とアルミナ絶縁筒体1との間隙から被検ガスが漏
洩して大気基準ガスの酸素濃度が変動したり、ガス検知
電極の基準電位が大気ガスにより変動したりするのを防
止することができる。
【0035】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0036】実施例1 図1に示す封止構造体100 と図7に示すセンサ素子60に
より、本発明の封止構造を有するガスセンサを作製し
た。まず厚さ0.2mm 、幅8mm及び長さ80mmの6モル%イ
ットリア安定化ジルコニアのグリーンシートを準備し、
その上にスクリーン印刷法により、Pt電極(酸素ポンプ
電極、酸素センサ電極、NOx参照電極、変換対極)及
びPt−Rh電極(NOx変換電極、NOx検知電極)を形
成した。また同じ組成のジルコニアグリーンシートにア
ルミナ絶縁層(厚さ10〜20μm)をスクリーン印刷し、
Ptヒータを同様にスクリーン印刷した。さらに大気ダク
ト及び内部缶室を形成するための窓開け加工を行った同
組成の挿入用ジルコニアグリーンシートを準備した。
【0037】それぞれの電極に厚さ0.05mm、幅0.5mm 、
長さ10mmのPtリボン線4bを接続した後、各グリーンシー
トを積層し、圧着した。得られた積層体を600 ℃で3時
間加熱することにより脱脂した後、1450℃で5時間保持
の焼成を行った。焼成後Ptリボン線4bにリード線4cを溶
接により接続した。
【0038】このようにして得られたセンサ素子2を内
径11mmのアルミナ絶縁筒体1内にセットし、リード線4c
が接続する検知領域の上までアルミナ粉(平均粒径250
μm)を充填した。その上に絶縁ガラスペーストを充填
し、乾燥した後、850 ℃で30分間焼成し、絶縁ガラスを
溶融させて封止を行った。
【0039】このようにして作製したガスセンサを評価
装置に組み立てた後、NOxガスの応答性能を測定し
た。被検ガスの組成は以下の通りであった。 酸素 0〜15%、 NO 50ppm 、 NO2 50ppm 、 C3 6 (プロピレン) 500ppm、 窒素 残部。
【0040】センサの作動温度を550 ℃に設定し、内部
缶室に酸素を給入するようにNOx変換電極に0.5 Vの
直流電圧を印加し、酸素ポンプ電圧を変えていったとき
のポンプ電流値を測定した。また酸素濃度を0から15%
まで変化させたときの酸素濃度と酸素起電力の関係を調
べた。結果を図8及び図9に示す。
【0041】図8に酸素ポンプ電圧を0〜1.0 Vの間で
変えたときの内部缶室内の酸素ポンプ電流及びNOx変
換電極のポンピング電流との関係を示す。酸素ポンプ極
のポンピング電流は酸素ポンプ電圧が増大するに従い指
数関数的に増大し、大気ダクトによって拡散律速されて
いないことが分かる。またNOx変換電極は酸素ポンプ
の動作条件に依存せず、常に一定のポンプ電流性能を有
することが分かる。また電極61a 、61b を有する酸素セ
ンサによれば、図9に示すように缶室内の酸素濃度を精
度良く測定できるので、所定の酸素濃度となるように電
極38a 、38b を有する酸素ポンプを作動することができ
る。
【0042】実施例2 実施例1と同様な方法により図7に示すセンサ素子60を
作製し、それを用いて図2に示す封止構造体200 を有す
るガスセンサを作製した。本実施例では、絶縁固定体11
として純度99%の円筒状アルミナ焼結体を用いた。この
絶縁固定体にはセンサ素子とそのリード線(直径 0.4m
m)を通しておき、アルミナ絶縁筒体にセットした後で
ガラスペーストを充填した。これを850 ℃で焼成し、ガ
ラス封止部とした。
【0043】ガラス封止がなされたセンサ構造体を電気
炉中にセットし、ガラス封止部の温度を100 〜500 ℃に
保持しながら、ヒータリード線とNOxセンサのリード
線との絶縁リーク電流を測定した。なおヒータ抵抗値、
ヒータ印加電圧及びガラス封止深さは実施例1と同じで
あった。同様にして、図1の封止構造体100 について
も、絶縁リーク電流を測定した。測定結果を図10に示
す。
【0044】図10から明らかなように、アルミナ絶縁固
定体を用いた封止構造体200 の方がガラス封止部のみの
封止構造体100 と比べて、約5倍ほど絶縁性が高い。
【0045】
【発明の効果】本発明の封止構造を有するガスセンサに
よれば、被検ガス雰囲気と大気を完全に隔離しつつ、内
部缶室内の酸素濃度制御及び妨害ガスの酸化除去が可能
となり、検知対象ガス濃度を精度良く検出することがで
きる。また内部缶室内のHC、CO等の妨害ガスを酸化
除去するため、混成電位型のNOxセンサ等に見られる
酸素濃度依存性が消失する。したがって大気より酸素を
供給するガスセンサに本発明の封止構造体を設けると、
測定雰囲気中の酸素濃度がいかなる場合でも所定の酸素
供給が可能となる。また絶縁固定体を封止部に設けるこ
とにより、リード線間の絶縁性が大きく改善され、リー
ド線間隔が一定に保たれることにより、リード線の短絡
や絶縁性のばらつきを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるセンサ封止構造体を
示す断面図である。
【図2】 本発明の他の一実施例によるセンサ封止構造
体を示す断面図である。
【図3】 図2のA-A 断面図である。
【図4】 本発明の封止構造を適用し得る(混成)電位
検知型センサであって、大気ダクト内にポンプカソード
電極あるいは参照極を有する構造の一例を示す断面図で
ある。
【図5】 本発明の封止構造を適用し得る電流検知型セ
ンサの構造の他の例を示す断面図である。
【図6】 本発明の封止構造を適用し得る(混成)電位
検知型方式のセンサであって、参照極が検知極と同一の
内部缶室内にある構造の一例を示す断面図である。
【図7】 本発明の封止構造を適用し得る混成電位型検
知方式のセンサの構造の他の例を示す断面図である。
【図8】 酸素ポンプ電圧と酸素ポンピング電流及びN
Ox変換電極のポンピング電流との関係を示すグラフで
ある。
【図9】 酸素濃度と酸素センサ起電力との関係を示す
グラフである。
【図10】 各温度におけるリード線間の絶縁性と封止構
造との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・絶縁性セラミック筒体(アルミナ絶縁筒体) 2,30,40,50,60・・・センサ素子 4a・・・印刷リード線 4b・・・Ptリボン線 4c・・・リード線 5a,5b・・・ガラス封止部 6・・・絶縁粉末 11・・・絶縁固定体 11a・・・絶縁固定体のセンサ素子固定用開口部 11b・・・絶縁固定体のリード線固定用開口部 31・・・ガス導入口 32a 〜32i ・・・ジルコニアグリーンシート 33,34・・・大気ダクト 33a ,34a ・・・大気導入口 35,35a ,35b ・・・内部缶室 36a ,36b ・・・ヒータ 37a ・・・検知電極 37b ・・・参照電極 37c ・・・変換対極 37d ・・・NOx変換電極 38a ,38b ・・・酸素ポンプ電極 46,47・・・拡散抵抗手段 100 ,200 ・・・封止構造体 61a ・・・酸素検知極 61b ・・・酸素参照極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン伝導体である固体電解質によ
    り包囲された内部缶室と、前記内部缶室に設けられた被
    検ガスに連通するガス導入口と、前記内部缶室を包囲す
    る固体電解質上に形成された被検ガス及び酸素に活性な
    検知電極と、酸素のみに活性を有するかあるいは被検ガ
    スから隔離された参照電極と、酸素を汲み入れ又は排出
    するために前記固体電解質上に設けられた少なくとも1
    対の酸素ポンプ電極とを有するガスセンサの封止構造体
    であって、前記内部缶室の外側にある酸素ポンプ電極は
    大気にのみ連通するように被検ガス雰囲気から隔離され
    たダクト内に位置し、センサ基体端部に開口するダクト
    はガラス封止部を貫通し、もって前記ダクト内は測定ガ
    ス雰囲気から隔離されていることを特徴とするガスセン
    サ封止構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のガスセンサ封止構造体
    において、前記センサ素子は絶縁性セラミック筒体に包
    囲されており、前記絶縁性セラミック筒体と前記センサ
    素子との間に絶縁粉末が充填されており、前記絶縁粉末
    は前記ガラス封止部により封じ込められていることを特
    徴とするガスセンサ封止構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のガスセンサ封止
    構造体において、前記ガスセンサのリード線は前記セン
    サ素子の側面から取り出され、前記ガラス封止部に固着
    されるとともに、それを貫通して外部に露出しているこ
    とを特徴とするガスセンサ封止構造体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のガスセンサ封止構造体
    において、前記ガラス封止部の内側に絶縁固定体が固定
    されており、前記絶縁固定体は所定の間隔で配置された
    複数の開口部を有し、前記センサ素子のリード線は前記
    絶縁固定体の開口部を貫通することにより固定されてい
    ることを特徴とするガスセンサ封止構造体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のガスセ
    ンサ封止構造体において、前記ガスセンサの検知方式が
    混成電位型であることを特徴とするガスセンサ封止構造
    体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のガスセ
    ンサ封止構造体において、検知対象ガスがNOx、SO
    x、HC、COからなる群から選ばれた少なくとも1種
    であることを特徴とするガスセンサ封止構造体。
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