JP2000249155A - 異物混入下の転がり軸受 - Google Patents

異物混入下の転がり軸受

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JP2000249155A
JP2000249155A JP5119099A JP5119099A JP2000249155A JP 2000249155 A JP2000249155 A JP 2000249155A JP 5119099 A JP5119099 A JP 5119099A JP 5119099 A JP5119099 A JP 5119099A JP 2000249155 A JP2000249155 A JP 2000249155A
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JP
Japan
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stationary ring
foreign matter
ring
rolling bearing
rolling
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JP5119099A
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English (en)
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Masaru Kawabe
優 川辺
Hiromichi Takemura
浩道 武村
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軸受の固定輪の材料熱処理を変更することな
く、また特別な回転機構を設けることなく、固定輪と回
転輪との寿命のバランスをとることができて、異物混入
潤滑下における固定輪の転がり疲労寿命を延長させるこ
とが可能な転がり軸受を提供する。 【解決手段】固定輪3と回転輪1との間に複数の転動体
5を有し異物混入潤滑下で用いられる転がり軸受におい
て、固定輪3とその取付け嵌合部であるハウジング4と
の間に、1/1000<δ/dm<2/1000、(但
し、δ:固定輪と嵌合部とのすき間の大きさ、dm:転
動体のピッチ円径)で表されるすき間を設けた。固定輪
3は回転輪1と同方向に極低速で回りながら移動するか
ら、固定輪の全周を万遍なく使用できて長寿命が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車や農
業機械の動力伝達機構等に使用される転がり軸受のよう
に、異物混入状態で潤滑が行われながら長寿命を要求さ
れる用途に好適な転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受は、使用される潤滑油中に異
物混入の無いいわゆるクリーン潤滑下では、応力体積
(単位体積当たりにかかる応力)によって固定輪より回
転輪の方が寿命(転がり疲れ寿命)が短い。ところが、
潤滑油中に異物混入がある異物混入潤滑下では、異物の
噛み込みにより、固定輪や回転輪の軌道面や転動体の転
動面に圧痕という形で表面欠陥を生じる。そして、この
異物混入潤滑下で生じる表面欠陥に対する応力繰返し数
の多い固定輪の方が、回転輪より寿命が短くなる傾向が
ある。
【0003】また、従来、玉軸受の寿命に及ぼす軌道輪
の回転の影響について、クリーン潤滑下では固定輪を極
低回転で回すことにより長寿命になるという報告が、ト
ライボロジスト第41巻第3号で紹介されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、自動車, 農業機
械等の動力伝達機構に用いる転がり軸受は、潤滑油中に
異物が混入していわゆる異物混入潤滑下で使用されるこ
とが多く、当該異物の噛み込みにより軌道面に生じた表
面欠陥への応力繰返し数が多くなる固定論の寿命の方が
回転輪より短くなってしまう。そこで固定輪の寿命を延
ばして回転輪との寿命のバランスをとろうとすると、固
定輪の材料熱処理を、例えば特公平8−26446に開
示されている浸炭又は浸炭窒化され残留オーステナイト
20〜45%を有する転がり軸受のように変更し改良し
なければならないので、コスト高になるという問題があ
った。
【0005】本発明は、このような従来技術の未解決の
課題に着目してなされたものであり、軸受の固定輪の材
料熱処理を変更することなく、また特別な回転機構を設
けることなく、固定輪と回転輪との寿命のバランスをと
ることができて、異物混入潤滑下における転がり疲労寿
命を向上させることが可能な転がり軸受を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る請求項1の転がり軸受は、固定輪と
回転輪との間に複数の転動体を有し異物混入潤滑下で用
いられる転がり軸受であって、前記固定輪とその嵌合部
との間に、次式 1/1000<δ/dm<2/1000 但し、δ :固定輪と嵌合部とのすき間の大きさ dm:転動体のピッチ円径 で表されるすき間を設けたことを特徴とする。
【0007】このような大きさに設定したすき間を、固
定輪とその嵌合部との間に介在させると、クリープする
ことなく軸受の摩擦トルクの作用で固定輪を移動させる
ことができる。すなわち、格別の回転機構が無くても、
軸受の摩擦トルクの作用で固定輪は自然に極低速で回る
(ずれる)。したがって、異物混入潤滑下で異物の噛み
込みにより固定輪の軌道面にたとえ損傷を受けても、そ
の損傷部分が移動して少しずつずれていくことになり、
特定の損傷部が局部的に繰り返し応力を受け続けること
がないから長寿命が得られる。
【0008】ここに、前記δ/dmの値が1/1000
未満ではすき間δが過少となり、固定輪が移動しないか
ら異物の噛み込みにより軌道面に生じた表面欠陥への応
力繰返し数が多くなり、その結果固定論の寿命が短くな
ってしまう。一方、δ/dmの値が2/1000を超え
ると、すき間δが過大となり、固定輪がクリープを起こ
してそのはめあい面にかじりや焼付きを生じ、発熱・摩
耗して軸受の寿命が短縮されるみならず、相手部材の軸
やハウジングにも損傷を与える。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下の寿
命試験に基づいて説明する。図1に示すように、転がり
軸受の内輪1が回転する相手部材である軸2に嵌合して
取り付けられており、外輪3が固定の相手部材であるハ
ウジング4に嵌合して取り付けられているものとする。
この場合、内輪1は回転輪で軸2はその取付け嵌合部、
外輪3は固定輪でハウジング4はその取付け嵌合部であ
る。
【0010】その固定輪である外輪3とその取付け嵌合
部であるハウジング4との間に、すき間δが設けてあ
る。5は転動体であり、また6は負荷圏である。寿命試
験は、上記転がり軸受に6206玉軸受を用い、前記す
き間δを表1に示す8通りの組み合わせに設定(実施例
1〜4、比較例5〜8)して、次のような試験条件の下
に行った。 ( 試験条件) P/C=0.32 (P;動等価荷重、C;基本動定格
荷重) 回転数N=3000rpm 混入した異物: 硬さ;Hv540 異物直径;74〜147μm 混入量;1000ppm 油浴潤滑( 潤滑油; タービンVG68) なお軸受寿命は、1条件について各10個の寿命試験を
行った後、ワイプル分布関数を用いて10%寿命( 短寿
命側から10%の軸受が破損する時間)を求め、この時
間をもって表現した。
【0011】結果を表1及び図2に示す。
【0012】
【表1】
【0013】実施例1〜実施例4は、固定輪である外輪
3とその嵌合部であるハウジング4との間のすき間δと
転動体5のピッチ円径dmとの比のδ/dmが1/10
00〜2/1000の範囲内にあり、いずれも軸受寿命
L10が160〜200Hrと長く、そのため内輪と同寿
命となって内外輪共に剥離を生じている。これは、外輪
3とハウジング4との間に適切な大きさのすき間δを設
けたことにより、外輪3が固定輪であるにもかかわらず
ハウジング4による拘束を解かれて回転すべりを生じ、
軸受の摩擦トルクの作用で軸2の回転と同方向に自然に
極めて低速で回るためである。したがって、異物混入潤
滑で外輪3の軌道面に異物が噛み込み、負荷圏6の部分
に圧痕が生じても、その損傷部分は負荷圏6内を少しず
つ移動してずれてゆき、当該損傷部が局部的に繰り返し
応力を受け続けることがない。結果として長寿命が得ら
れたものである。
【0014】これに対して、δ/dmが1/1000未
満である比較例5及び比較例6は、それぞれ20Hr,
18Hrと極めて短時間で外輪3に剥離が発生してい
る。この場合は、すき間が過少で固定輪が移動できない
ため、繰り返し応力に対し固定輪の耐破損時間を長くす
ることができず軸受寿命が低下した。比較例7及び比較
例8は、外輪3とハウジング4との間のすき間δと転動
体5のピッチ円径dmとの比δ/dmが2/1000よ
り大きく、その結果外輪3がクリープを起こして相手部
材であるハウジング4が損傷したため、寿命試験の中断
を余儀なくされた。すなわち、外輪3とハウジング4と
の間のすき間δが過大になると、外輪3が固定輪である
にもかかわらずハウジング4による拘束力がなくなり、
軸受の摩擦トルクの作用で軸2の回転と同方向に同程度
の速度で回るクリープを生ずる〔図1(b)参照〕。ク
リープが生じると、はめあい面は発熱・摩耗する。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る転がり軸受は、固定輪とその嵌合部との間にクリ
ープを生じない程度のすき間δを設けて、軸受の摩擦力
で固定輪を極低速で移動させることにより固定輪の負荷
圏をずらせて外輪を万遍なく使うものとしたため、異物
混入潤滑下で異物の噛み込みにより固定輪の軌道面に損
傷を受けても、同一の損傷部が局部的に繰り返し応力を
受け続けることがなくなり、その結果固定輪に特殊な材
料や熱処理を用いることなく長寿命な転がり軸受を提供
することができるという効果を奏する。
【0016】即ち、本発明によれば、従来は両立が困難
であった軸受の低コスト化と長寿命化の両方を実現した
転がり軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転がり軸受とこれを組み込む相手部材との関係
を示す正面図である。
【図2】軌道輪と相手部材とのすき間の大きさと軸受寿
命との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 内輪 2 軸 3 外輪 4 ハウジング 5 転動体 6 負荷圏 δ すき間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定輪と回転輪との間に複数の転動体を
    有し異物混入潤滑下で用いられる転がり軸受であって、
    前記固定輪とその取付け嵌合部との間に、次式 1/1000<δ/dm<2/1000 但し、δ :固定輪と嵌合部とのすき間の大きさ dm:転動体のピッチ円径 で表されるすき間を設けたことを特徴とする異物混入下
    の転がり軸受。
JP5119099A 1999-02-26 1999-02-26 異物混入下の転がり軸受 Withdrawn JP2000249155A (ja)

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Effective date: 20060208

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

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