JP2006266314A - 自動車トランスミッション用転がり軸受 - Google Patents

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Takashi Tsujimoto
崇 辻本
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Abstract

【課題】自動車のトランスミッション用軸受について、その構成部品の材料自体により特異性剥離を防止することである。
【解決手段】自動車トランスミッション用に潤滑油を供給して使用される転がり軸受であり、内輪1と外輪2との間に介在される転動体3を保持器4により案内保持し、内輪1、外輪2および転動体3を1.5〜6%のCr含有鋼により形成し、その転走面に水素の侵入を防止するためのCrの酸化被膜1a、2a、3aを形成する。軌道輪の材料自体が酸化皮膜を有するので、水素の発生が防止され、潤滑油が分解してもその際に発生した水素が鋼中に侵入することを防ぐことができ、水素脆化による特異性剥離は防止される。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車のトランスミッション内に用いられる玉軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受などに適当な自動車トランスミッション用軸受に関するものである。
一般に、自動車の各種装置に用いられる軸受のうち、グリース封入軸受は、これを高荷重下で高速回転させると、軸受の転走面に金属疲労による表面剥離・表層剥離が現れることがあり、これは相当内部の深い部分から生じる特異な剥離現象であってグリース封入軸受の寿命を短くする原因となっている。
上記した特異性剥離は、軸受の高速化による振動が転走面の鏡面摩耗を引き起こし、それによる新生面の形成が触媒作用をしてグリースを分解し、その際に発生した水素が鋼中に侵入し、水素脆性を引起こすことが原因であることが知られており、上記の特異性剥離を防止する手段として軸受転走面に酸化皮膜を形成することが周知である。
このような軸受内にグリースを封入しているグリース封入軸受においては、上記の特異性剥離を防止する手段として、固定側軌道輪が1.5〜6%Cr含有鋼から成り、その転走面に水素の侵入を防止するためのCrの酸化被膜を形成することが有効であることが先の本出願人の出願に開示されている(特許文献1)。
特開平5−26244号公報(特許第3009254号)
しかし、グリースを用いないで通常の油潤滑(オイル)を使用する条件で駆動されるトランスミッションは、苛酷でない通常の使用条件においては、潤滑油が転走面の鏡面摩耗を引起こすような現象は見られなかった。
そのため、新生面が触媒作用をして水素脆性を引起こす現象も観察されず、潤滑油そのものが熱分解されるような異常な高温・高圧条件でなければそのような現象は問題にならなかった。
これまでのグリース存在下で転走面等が水素脆性を引起こす原因としては、グリース中に添加されている添加剤が新生面の触媒作用を受けて分解することによるものと考えられていたが、トランスミッション用軸受については、グリースではなく潤滑油で潤滑されるものであるため、転がり軸受の特異性剥離を防止するということは想定外の事項であった。
このような現況下で、本願の発明者は、従来では特異性剥離が起こるとは想定されていなかった自動車のトランスミッション用軸受に関し、その使用条件を特に厳しくし、特に無断変速機(CVT)のように低粘度の潤滑油を使用している装置においては、潤滑条件が極めて悪くなる場合があり、その際には潤滑グリースの存在下で起こっていたものと同様な特異性剥離が起こるという問題を発見したのである。
そこで、この発明の課題は、上記した問題を解決して自動車のトランスミッション用軸受について特異性剥離を防止することであり、特にその構成部品の材料自体によって特異性剥離を防止することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、軸受内を潤滑油で潤滑する自動車トランスミッション用転がり軸受において、この軸受の内・外輪および転動体から選ばれる1以上の部品が1.5〜6%Cr含有鋼から成り、その転走面に水素の侵入を防止するためのCrの酸化被膜が形成されている自動車トランスミッション用転がり軸受としたのである。
上記した構成の自動車トランスミッション用転がり軸受では、1.5〜6%Cr含有鋼が、金属表面に効果的な厚みの強い緻密なCrの酸化皮膜〔FeCrO4 〕を形成するため、転走面を不活性にする。
このため、潤滑油の分解による水素の発生が抑制される。また、軌道輪の材料自体が酸化皮膜を有するので、潤滑油が分解してもその際に発生した水素が鋼中に侵入することを防ぐことができ、水素脆化による特異性剥離は防止される。
特に、自動車トランスミッション用転がり軸受が、無断変速機用転がり軸受である場合には、使用される潤滑油が低粘度であることから、転がり面に金属接触が起こりやすく活性面が作られやすいが、軌道輪の材料自体に酸化皮膜が形成されているので、水素脆化による特異性剥離は確実に防止される。
この発明は、1.5〜6%Cr含有鋼が、金属表面に効果的な厚みの強い緻密なCrの酸化皮膜〔FeCrO4 〕を形成するため、転走面を不活性にし、その内・外輪および転動体から選ばれる1以上の構成部品の材料自体により特異性剥離を防止することができる利点があり、また酸化皮膜処理を必要としないので製造コストを低減することができる利点もある。
このような効果は、潤滑油が所定の低粘度のものを採用した自動車トランスミッション用転がり軸受でも確実に奏され、さらに無断変速機用転がり軸受である場合にその効果が確実に奏される。
この発明の実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態は、自動車トランスミッションに使用される転がり軸受(深溝玉軸受)であり、内輪1と外輪2との間に介在される転動体3を保持器4により案内保持し、潤滑油を供給して潤滑し、内輪1または外輪2の一方がハウジングに固定され、他方が回転軸に装着される。
この実施形態の内輪1、外輪2および転動体3は、すべての部品が1.5〜6%望ましくは2〜6%のCr含有鋼により構成されたものであるか、または少なくとも1つの部品が前記の材料で構成されていればよく、特にハウジング固定側のみをこの材料で構成してもよい。他の材料としては、通常の軸受鋼を採用できる。
このように構成すると、内輪1、外輪2および転動体3の金属表面に効果的な厚みの強い緻密なCrの酸化皮膜〔FeCrO4 〕1a、2a、3a、が形成され、転走面を不活性にする。
この発明に採用できる自動車トランスミッション用転がり軸受の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受などが代表的なものとして挙げられる。
図1に示す構造の深溝玉軸受(内径40mm、外径90mm、幅19mm)の内輪1と外輪2と転動体3のうち、少なくとも1つの部品(具体的には内・外輪の部品。)を1.8%Cr含有鋼により形成し、その他の部品は軸受鋼で形成した。
これを極端に苛酷な潤滑要件を作り出すため、潤滑油(水グリコール(松村石油ハイドールHAW−32))を用いて試験温度75℃、回転数500〜2500rpmで加減速の耐久試験を行なった。
上記耐久試験を3回に分けて行なったところ、耐久(寿命)時間は297時間、304時間、308時間で内輪または外輪の転走面に剥離が生じたが、金属組織に変化は見られなかった。
[比較例1]
実施例の部品に代えて全て高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)を用いて深溝玉軸受(内径40mm、外径90mm、幅19mm)を製造し、これに対して上記の耐久試験を同じ条件で行なった。
その結果、耐久(寿命)時間は27時間、65時間、92時間で内輪または外輪の転走面に剥離と金属組織の変化が認められた。
実施形態の転がり軸受の要部断面図
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 転動体
4 保持器
1a、2a、3a 酸化被膜

Claims (2)

  1. 軸受内を潤滑油で潤滑する自動車トランスミッション用転がり軸受において、この軸受の内・外輪および転動体から選ばれる1以上の部品が1.5〜6%Cr含有鋼から成り、その転走面に水素の侵入を防止するためのCrの酸化被膜が形成されていることを特徴とする自動車トランスミッション用転がり軸受。
  2. トランスミッション用転がり軸受が、無断変速機用転がり軸受である請求項1に記載の自動車トランスミッション用転がり軸受。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010002032A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Ntn Corp トランスミッション用転がり軸受
JP2010002031A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Ntn Corp トランスミッション用転がり軸受
CN110249146A (zh) * 2017-02-02 2019-09-17 日本精工株式会社 滚动轴承

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