JP2002195255A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2002195255A
JP2002195255A JP2000401677A JP2000401677A JP2002195255A JP 2002195255 A JP2002195255 A JP 2002195255A JP 2000401677 A JP2000401677 A JP 2000401677A JP 2000401677 A JP2000401677 A JP 2000401677A JP 2002195255 A JP2002195255 A JP 2002195255A
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bearing
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rolling element
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Kazuo Sekino
和雄 関野
Shigeru Okita
滋 沖田
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NSK Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
    • F16C19/34Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load
    • F16C19/36Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with a single row of rollers
    • F16C19/364Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with a single row of rollers with tapered rollers, i.e. rollers having essentially the shape of a truncated cone
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2240/00Specified values or numerical ranges of parameters; Relations between them
    • F16C2240/40Linear dimensions, e.g. length, radius, thickness, gap
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    • F16C2240/82Degree of filling, i.e. sum of diameters of rolling elements in relation to PCD
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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑剤に異物が混入するような苛酷な環境下
で使用されても長寿命な転がり軸受を提供する。 【解決手段】 内輪2と、外輪3と、内輪2と外輪3と
の間に転動自在に配設された複数のころ4と、を備えた
円すいころ軸受1において、下記式で定義される転動体
すきま率KDを1.3〜1.7とした。 KD=(dm1×π)/(Z×Da) なお、dm1はころ4の大径側のピッチ円直径、πは円
周率、Zはころ4の個数、Daはころ4の大端径であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長寿命な転がり軸
受に係り、特に、転がり軸受内部の潤滑剤に異物が混入
するような苛酷な環境下で使用されても長寿命で、自動
車用トランスミッション等に好適に使用可能な転がり軸
受に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用トランスミッションにおいて
は、該トランスミッション内で使用されるギヤ等から摩
耗粉が発生して、トランスミッション用転がり軸受に使
用される潤滑油中に混入しやすい。このような異物が潤
滑油とともに転がり軸受内部に侵入すると、該異物の噛
み込みによって軌道面や転動面に圧痕が生じて、転がり
軸受の寿命が低下する。
【0003】すなわち、図7に示すように、内輪102
及び外輪103と転動体(ころ)104との間に生じる
接触楕円内に異物が噛み込まれると圧痕Aが生じる。こ
の圧痕Aの周縁部には転走面102aより突出した凸部
が形成されているため、転動体104の通過により該凸
部に繰返し応力が加えられて(接触楕円内に発生する圧
力の分布が局部的に極端に高くなって)転走面102a
より剥離する(早期剥離を引き起こす)ことは良く知ら
れている。
【0004】そのため、このような異物混入潤滑下にお
いて使用される転がり軸受の寿命は、清浄な潤滑油によ
る潤滑下(以降は、清浄潤滑下と記す)において使用さ
れた場合と比較して、著しく低くなってしまう。異物混
入潤滑下において使用される転がり軸受の寿命に関する
研究は、数多く行われていて、最近では、清浄潤滑下に
おいて使用される転がり軸受の寿命を算出するための内
部起点型剥離に基づく寿命計算式に対して、異物混入潤
滑下で使用される転がり軸受に発生する表面疲労型の損
傷(早期剥離)も考慮した新しい寿命計算式も提案され
ている。
【0005】そして、このような異物混入潤滑下におい
て使用される転がり軸受の長寿命化は、主として以下の
2つの方法により行われている。まず、第一の方法は、
転動体の個数を増やしたり転動体の径を大きくしたりす
ることによって、転がり軸受の基本動定格荷重を大きく
して、このことにより転がり軸受内部に発生する最大接
触面圧を低下させる方法である。
【0006】そして、第二の方法は、軌道輪や転動体を
構成する材料に、硬度の高い材料や残留オーステナイト
がある程度残留している鋼を採用することにより、異物
を噛み込むことによって生じる圧痕の周辺の応力集中を
緩和する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、転がり
軸受の使用条件等によって、異物の噛み込みにより生じ
る圧痕の大きさ,深さ,及び個数(すなわち、軸受の転
走面における圧痕の面積率)は様々であるので、上記の
2つの方法では不十分であった。なお、圧痕の面積率と
は、転がり軸受の内外輪の転走面のうち圧痕の部分が占
める面積の比率である。
【0008】また、前記第二の方法、すなわち、軌道輪
や転動体を構成する材料を改良する方法はコストアップ
につながるため、さらなる研究が必要である。そこで、
本発明は、上記のような従来の転がり軸受が有する問題
点を解決し、潤滑剤に異物が混入するような苛酷な環境
下で使用されても長寿命な転がり軸受を提供することを
課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち本発明
の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪
との間に転動自在に配設された複数の転動体とを備えた
転がり軸受において、下記式で定義される転動体すきま
率KDを1.3〜1.7としたことを特徴とする。
【0010】KD=(dm1×π)/(Z×Da) なお、該式中のdm1は前記転動体のピッチ円直径(P
CD)、πは円周率、Zは前記転動体の個数、Daは前
記転動体の直径である。このような構成であれば、清浄
な潤滑剤による潤滑下において使用された場合は勿論の
こと、潤滑剤に異物が混入するような苛酷な環境下で使
用されても長寿命である。
【0011】潤滑剤に異物が混入するような苛酷な環境
下において転がり軸受を使用すると、該異物の噛み込み
によって軌道面や転動面に圧痕が生じて、転がり軸受の
寿命が低下する。本発明者らは、転がり軸受の転走面に
生じた圧痕の数、すなわち転走面における圧痕の面積率
と、転がり軸受の回転数、すなわち圧痕に対する応力繰
返し数とが、前述の表面疲労型の損傷(早期剥離)の発
生に関係があり、寿命に大きな影響を与えることを見出
した。つまり、圧痕の面積率が小さくなるか又は応力繰
返し数が少なくなって、圧痕に応力が作用する頻度が少
なくなれば、転がり軸受が長寿命となるのである。
【0012】したがって、内外輪の軌道面の間に形成さ
れる軌道空間のうち、転動体が占める部分の比率が小さ
ければ、基本動定格荷重が小さくなり圧痕が発生しにく
くなるとともに、応力繰返し数が少なくなるから、転が
り軸受が長寿命となるのである。本発明においては、前
述の軌道空間のうち転動体が占める部分の比率を、転動
体すきま率KDによって表した。そして、転動体すきま
率KDが1.3〜1.7である場合に、清浄潤滑下にお
いて使用された場合は勿論のこと、異物混入潤滑下にお
いて使用された場合でも長寿命であることを見出した。
【0013】転動体すきま率KDが1.3未満である
と、異物混入潤滑下において使用された場合の寿命が不
十分となり、1.7超過であると、逆に清浄潤滑下にお
いて使用された場合の寿命が不十分となる。異物混入潤
滑下において使用された場合の寿命をより長寿命とする
ためには、転動体すきま率KDは1.4〜1.7とする
ことがより好ましい。
【0014】なお、転がり軸受を構成する部材(内輪,
外輪,及び転動体)には、転がり軸受に通常使用される
材料が問題なく使用可能であるので、コストアップにつ
ながることがないという効果も有している。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る転がり軸受の実施の
形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発
明に係る転がり軸受の一実施形態である円すいころ軸受
1の構成を説明する断面図である。なお、図1において
は、外輪及び保持器を破断して示してあり、また、ころ
の一部は図示を省略してある。
【0016】この円すいころ軸受1は、内輪2と、外輪
3と、内輪2と外輪3との間に転動自在に配設されたこ
ろ4の複数と、複数のころ4を保持する保持器5と、を
備えている。そして、ころ4の個数Z及び大端径Da
と、ころ4の大径側のピッチ円直径dm1(円すいころ
軸受1内の1列のころ4の大端径Daの中心を含む円の
直径)とから、前記式により定義される転動体すきま率
KDは、1.3〜1.7となっている。
【0017】なお、内輪2,外輪3,ころ4は、一般的
に軸受に用いられる種類の鋼で、それぞれ構成されてお
り、その種類は特に限定されるものではない。このよう
な円すいころ軸受1は、清浄な潤滑剤による潤滑下にお
いて使用された場合は勿論のこと、潤滑剤に異物が混入
するような苛酷な環境下で使用されても長寿命である。
したがって、自動車用トランスミッション等に好適に使
用可能である。勿論、自動車用トランスミッションに限
らず、長寿命を要求される種々の装置にも使用可能であ
る。
【0018】円すいころ軸受は、ころの個数を増減する
ことによって軸受の基本動定格荷重を調整することがで
きるから、前述のように、転動体の個数を増やし転がり
軸受の基本動定格荷重を大きくすることによって、長寿
命化が図られてきた。このような方法は、清浄潤滑下及
び異物混入潤滑下において使用される円すいころ軸受に
対して施されている。
【0019】しかしながら、本発明者らが異物混入潤滑
下における円すいころ軸受の寿命を検討した結果、内外
輪の転走面に生じた圧痕の面積率及びころの個数が、円
すいころ軸受の寿命と密接な相関性があって、ころの個
数を減じることにより内外輪の軌道面の間に形成される
軌道空間にすきまを与えて、潤滑油が軸受内を通過しや
すくすると、すなわち、基本動定格荷重を大きくすると
いう従来の考え方とは逆に、基本動定格荷重を小さくし
て圧痕の発生を抑制すると(圧痕の面積率が小さくな
る)、円すいころ軸受が長寿命化することが明らかにな
った。
【0020】また、ころの個数を減じることにより内外
輪の軌道面の間に形成される軌道空間にすきまを与える
と、圧痕の発生が抑制されると同時に、生じた圧痕に作
用する応力繰返し数を少なくすることができるから、こ
のような作用によっても円すいころ軸受が長寿命化され
る。次に、上記と同様の構成の円すいころ軸受につい
て、寿命試験を行った結果について説明する。
【0021】寿命試験に使用した軸受は、呼び番号L4
4649R/L44610R(外径50.292mm、
内径26.988mm、幅14.224mm)の円すい
ころ軸受で、ころの個数Z,ころの大端径Da,ころの
大径側のピッチ円直径dm1は表1に示す通りである。
また、転動体すきま率KD及び基本動定格荷重は、表1
の通りである。
【0022】
【表1】
【0023】なお、円すいころ軸受を構成する転動部材
(内外輪及び転動体)の素材はSUJ2であり、各々通
常の加工と熱処理とを施してある。また、各転動部材の
表面硬さはHRC58〜64の範囲であり、残留オース
テナイト量は0〜20%、表面粗さRaは、内外輪の軌
道面が0.01〜0.04μmで、転動体の転動面が
0.05〜0.10μmである。
【0024】寿命試験は、日本精工株式会社製の円すい
ころ軸受寿命試験機を用いて行い、清浄潤滑下及び異物
混入潤滑下それぞれについて、基本定格寿命L10(10
6 回転)を測定した。その結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】寿命は以下のようにして決定した。寿命試
験中の軸受の振動値が初期振動値の2倍となった時点で
試験を中断し、転走面に剥離が生じていれば試験を終了
した。そして、1種の軸受につき10個を試験して、ワ
イブル分布関数により10個の軸受のうち短寿命側から
10%の軸受に剥離が発生するまでの総回転時間を求
め、これを寿命とした。
【0027】なお、最長試験時間は、計算寿命の約4倍
である1000時間とし、そこで試験を打ち切った(表
2において寿命が1000時間となっているものは、試
験が打ち切られたものである)。また、剥離が生じてい
た軸受については、どの軸受も内輪及び外輪の軌道面に
剥離が生じていた。
【0028】試験条件を以下に示す。 ・試験荷重:P/C=0.32(P:動等価荷重、C:
基本動定格荷重) ・軸受回転数:N=3000rpm ・試験温度:50℃ ・潤滑油:日石三菱株式会社製、タービンオイルVG6
8 ・計算寿命:250時間 なお、異物混入潤滑下における寿命の測定は、異物を混
入した潤滑剤を用いて寿命試験を行うのではなく、圧痕
付け装置により転走面に圧痕を形成させた軸受を用い
て、通常の清浄潤滑下における寿命試験を行うことによ
り測定した。
【0029】ここで、図2に示すような圧痕付け装置に
より、円すいころ軸受の転走面に圧痕を形成する方法を
説明する。円すいころ軸受1の外輪3を圧痕付け装置の
ハウジング10の内周面に内嵌するとともに、内輪2を
軸11に外嵌し、ハウジング10の内側に異物14を入
れた状態で、これらハウジング10と軸11とを相対回
転させる。このとき、円すいころ軸受1には、アキシア
ル荷重及びラジアル荷重の合成荷重を負荷する。
【0030】この相対回転に伴って、ハウジング10か
ら円すいころ軸受1に向かう潤滑油の流れが、ポンプ翼
12によって惹起される。この結果、異物14が、潤滑
油の流れに乗って円すいころ軸受1の内側を通過しつつ
流れ、通過後はハウジング10外に排出される。つま
り、ハウジング10の内側に入れられた総ての異物14
は、一度だけ円すいころ軸受1の内側を通過する。この
ため、円すいころ軸受1内部を通過する異物14の量は
一定に規制されるから、転動面及び軌道面(内輪軌道及
び外輪軌道)に形成される圧痕の数を定量的に規制でき
る。
【0031】以下に、圧痕付け装置による圧痕形成条件
を示す。 ・装置名 :小型圧痕付け試験装置 ・試験荷重 :P/C=0.32 ・軸受回転時間:5分 ・軸受回転数 :3000rpm ・試験温度 :50℃ ・潤滑油 :日石三菱株式会社製、タービンVG68 ・混入した異物:セメンタイト系鉄粉 ・異物量 :0.3g ・異物の大きさ:74〜147μm ・異物のビッカース硬さ:Hv870 圧痕を形成した円すいころ軸受の圧痕の面積率を、表2
に示す。なお、圧痕の面積率は、光干渉を利用した三次
元形状測定機(菱化システム社製) を用いて測定したも
のである。なお、軸受1個につき3箇所測定し、軸受1
0個の平均をその種の軸受の圧痕の面積率とした。
【0032】次に、寿命試験の結果について考察する。
まず、清浄潤滑下における寿命試験の結果について考察
する。表2の結果から分かるように、実施例1〜12の
軸受の寿命は、ころの個数の減少、すなわち、基本動定
各荷重の低下に伴って寿命が低下するという傾向があっ
た。これは、軌道面に発生する最大接触面圧が大きくな
るにしたがって、軸受が短寿命となるということを示し
たものである。
【0033】また、比較例1〜5の軸受の寿命を見る
と、比較例1〜3は、ころの個数が多く基本動定各荷重
が大きいため長寿命となり、比較例4,5は、基本動定
各荷重が小さいため非常に短寿命であった。次に、異物
混入潤滑下における寿命試験の結果について考察する。
実施例1〜8の軸受については、軸受転走面の圧痕の面
積率はほぼ同レベルで、ころの個数が少なくなるのにし
たがって長寿命となる傾向を示した。
【0034】また、実施例9〜12の軸受は、ころの個
数の減少とともに、圧痕の面積率が低下し、寿命も若干
低下する傾向を示した。これは、圧痕の面積率は低下し
ているものの軸受に発生する面圧が上昇したので、圧痕
に加わる応力が大きくなったためである考えられる。こ
のように、清浄潤滑下における寿命は基本動定格荷重に
依存しており、つまり、転動体の個数の減少や転動体の
サイズアップにより基本動定格荷重を大きくすると軸受
は長寿命となり、これは従来から知られていた。
【0035】ところが、異物混入潤滑下においては、転
動体の個数の減少とともにある範囲までは長寿命の結果
を示すが、その範囲を外れると寿命が低下する傾向が見
られた。そこで、ころの大径側のピッチ円直径dm1
と、ころの個数Zと、ころの大端径Daとを下記式に代
入して算出される転動体すきま率KDを用いて、軸受の
寿命を整理しグラフ化した。なお、πは円周率である。
【0036】KD=(dm1×π)/(Z×Da) 図3のグラフは、清浄潤滑下における寿命と転動体すき
ま率KDとの相関性を示すものであり、図4のグラフ
は、異物混入潤滑下における寿命と転動体すきま率KD
との相関性を示すものである。まず、図3のグラフを参
照しながら、清浄潤滑下における寿命と転動体すきま率
KDとの相関性を検討する。
【0037】図3のグラフから、転動体すきま率KDが
大きくなるにしたがって寿命が低下する傾向があること
が分かる。これは、転動体すきま率KDが大きくなる
と、すなわち、ころの個数が減少すると、基本動定格荷
重が小さくなって軸受転走面に発生する最大接触面圧が
大きくなることが原因であると考えられる。次に、図4
のグラフを参照しながら、異物混入潤滑下における寿命
と転動体すきま率KDとの相関性を検討する。
【0038】実施例1〜8の軸受は、転動体すきま率K
Dが大きくなるにしたがって長寿命となる傾向を示し
た。これは、圧痕の面積率がほぼ同レベルであるから、
転動体すきま率KDが大きくなるにしたがって圧痕に対
して繰り返し応力が作用する頻度が減少することが原因
であると考えられる。そして、実施例9〜12に関して
は、軸受転走面の圧痕の面積率は徐々に低下していくに
も関わらず、寿命は若干低下する傾向を示した。これ
は、軸受の基本動定格荷重が小さくなることに伴って、
寿命に対する最大接触面圧の影響が上昇がしたためと考
えられる。
【0039】また、比較例1〜3に関しては、転動体す
きま率KDが小さいため短寿命の結果を示した。これ
は、圧痕の面積率が大きいことに加えて、ころの個数が
多く、結果的に圧痕に対して繰り返し応力が作用する頻
度が増加したためである。逆に、比較例4,5に関して
は、転動体すきま率KDが大きいため比較的寿命が短か
った。これは、圧痕の面積率は小さくころの個数も少な
いが、軸受内の最大接触面圧の上昇が影響したためと考
えられる。
【0040】このように、転動体すきま率KDが大きい
と、清浄潤滑下において使用された場合の寿命が低下
し、逆に小さいと異物混入潤滑下において使用された場
合の寿命が低下する。よって、図3,4のグラフから分
かるように、転動体すきま率KDを1.3〜1.7とす
れば、より好ましくは1.4〜1.7とすれば、いずれ
の条件下において使用された場合でも長寿命となる。
【0041】次に、上記円すいころ軸受とはサイズの異
なる円すいころ軸受を使用して、同様の寿命試験を行っ
た結果について説明する。なお、軸受の材質,寿命試験
方法,圧痕を付ける方法等、前記の寿命試験と同様の部
分については、説明は省略する。寿命試験に使用した軸
受は、呼び番号HR32017(外径130mm、内径
85mm、幅29mm)の円すいころ軸受で、ころの個
数Z,ころの大端径Da,ころの大径側のピッチ円直径
dm1は表3に示す通りである。また、転動体すきま率
KD及び基本動定格荷重は、表3の通りである。
【0042】
【表3】
【0043】寿命試験の結果を表4に示し、そして、そ
の結果(軸受の寿命)を転動体すきま率KDを用いて整
理しグラフ化したものを図5,6に示す。なお、図5の
グラフは、清浄潤滑下における寿命と転動体すきま率K
Dとの相関性を示すものであり、図6のグラフは、異物
混入潤滑下における寿命と転動体すきま率KDとの相関
性を示すものである。
【0044】
【表4】
【0045】表4及び図5,6から分かるように、清浄
潤滑下,異物混入潤滑下の両条件ともに、前述の試験結
果と全く同様の傾向を示した。すなわち、前述の試験に
用いた軸受よりサイズの大きい軸受を使用した場合で
も、寿命試験の傾向は同様であった。まず、図5のグラ
フを参照しながら、清浄潤滑下における寿命と転動体す
きま率KDとの相関性を説明する。
【0046】図5のグラフから、転動体すきま率KDが
大きくなるにしたがって寿命が低下することが分かる。
これは、図3のグラフの場合と同様に、転動体すきま率
KDが大きくなると、すなわち、ころの個数が減少する
と、基本動定格荷重が小さくなって軸受転走面に発生す
る最大接触面圧が大きくなることが原因であると考えら
れる。
【0047】次に、図6のグラフを参照しながら、異物
混入潤滑下における寿命と転動体すきま率KDとの相関
性を説明する。実施例13〜20の軸受は、転動体すき
ま率KDが大きくなるにしたがって長寿命となる傾向を
示した。これは、図4の場合と同様に、圧痕の面積率は
ほぼ同レベルであるから、転動体すきま率KDが大きく
なるにしたがって圧痕に対して繰り返し応力が作用する
頻度が減少することが原因であると考えられる。
【0048】そして、実施例21〜24に関しては、軸
受転走面に発生する圧痕の面積率は徐々に低下していく
にも関わらず、寿命は若干低下する傾向を示した。これ
は、軸受の基本動定格荷重が小さくなることに伴って、
寿命に対する最大接触面圧の影響が上昇がしたためと考
えられる。また、比較例6〜8に関しては、転動体すき
ま率KDが小さいため短寿命の結果を示した。これは、
圧痕の面積率が大きいことに加えて、ころの個数が多
く、結果的に圧痕に対して繰り返し応力が作用する頻度
が増加したためである。
【0049】逆に、比較例9,10に関しては、転動体
すきま率KDが大きいため比較的寿命が短かった。これ
は、圧痕の面積率は少なくころの個数も少ないが、軸受
内の最大接触面圧の上昇が影響したためと考えられる。
このように、前述のサイズが小さい軸受の場合と同様
に、転動体すきま率KDが大きいと、清浄潤滑下におい
て使用された場合の寿命が低下し、逆に小さいと異物混
入潤滑下において使用された場合の寿命が低下する。よ
って、図5,6のグラフから分かるように、転動体すき
ま率KDを1.3〜1.7とすれば、より好ましくは
1.4〜1.7とすれば、いずれの条件下において使用
された場合でも長寿命となる。
【0050】以上説明したサイズの異なる2種の軸受を
用いた寿命試験結果から分かるように、軸受の寿命は、
軸受転走面に発生した圧痕に対して繰り返し応力が作用
する頻度と、最大接触面圧の大きさと、の影響を受けて
いる。よって、上記2つの要素、すなわち、圧痕に対し
て繰り返し応力が作用する頻度、及び最大接触面圧の大
きさの指標となる転動体すきま率KDを、適切な値に規
定することにより、軸受転走面に発生する圧痕の面積率
に関わらず、優れた寿命が得られるものと考えられる。
【0051】なお、本実施形態は本発明の一例を示した
ものであって、本発明は本実施形態に限定されるもので
はない。例えば、本実施形態においては、転がり軸受と
して円すいころ軸受を例示して説明したが、本発明の転
がり軸受は、他の種類の様々な転がり軸受に対して適用
することができる。例えば、深みぞ玉軸受,アンギュラ
玉軸受,円筒ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル
形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受
等のスラスト形の転がり軸受である。
【0052】本実施形態の円すいころ軸受1において
は、転動体すきま率KDを算出するための転動体の直径
Daには、ころ4の大端径を用い、ピッチ円直径dm1
には、ころ4の大径側のピッチ円直径(円すいころ軸受
1内の1列のころ4の大端径の中心を含む円の直径)を
用いた。しかし、転がり軸受が玉軸受である場合には、
転動体の直径Daには玉の直径を用い、ピッチ円直径d
m1には、玉軸受内の1列の玉の中心を含む円の直径を
用いるとよい。
【0053】また、転がり軸受が円筒ころ軸受である場
合には、転動体の直径Daには円筒ころの直径を用い、
ピッチ円直径dm1には、円筒ころ軸受内の1列の円筒
ころの中心を含む円の直径を用いるとよい。さらに、転
がり軸受が自動調心ころ軸受である場合には、転動体の
直径Daには球面ころの最大径を用い、ピッチ円直径d
m1には、自動調心ころ軸受内の1列の球面ころの最大
径の中心を含む円の直径を用いるとよい。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明の転がり軸受は、
清浄潤滑下においては勿論のこと、内部に異物が混入し
て転走面に圧痕が生じるような環境において使用されて
も長寿命な転がり軸受である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る転がり軸受の一実施形態である円
すいころ軸受の構成を説明する断面図である。
【図2】圧痕付け装置の構成を説明する断面図である。
【図3】清浄潤滑下における転動体すきま率KDと軸受
の寿命との相関を示すグラフである。
【図4】異物混入潤滑下における転動体すきま率KDと
軸受の寿命との相関を示すグラフである。
【図5】清浄潤滑下における転動体すきま率KDと軸受
の寿命との相関を示すグラフである。
【図6】異物混入潤滑下における転動体すきま率KDと
軸受の寿命との相関を示すグラフである。
【図7】円すいころ軸受の転走面に生じた圧痕を説明す
る概念図である。
【符号の説明】
1 円すいころ軸受 2 内輪 3 外輪 4 ころ Da ころの大端径 dm1 ころの大径側のピッチ円直径

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪と
    の間に転動自在に配設された複数の転動体とを備えた転
    がり軸受において、下記式で定義される転動体すきま率
    KDを1.3〜1.7としたことを特徴とする転がり軸
    受。 KD=(dm1×π)/(Z×Da) ここで、dm1は前記転動体のピッチ円直径(PC
    D)、πは円周率、Zは前記転動体の個数、Daは前記
    転動体の直径である。
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