JP2000248908A - 石炭ガス化複合発電プラントおよびその運転方法 - Google Patents

石炭ガス化複合発電プラントおよびその運転方法

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JP2000248908A
JP2000248908A JP4671699A JP4671699A JP2000248908A JP 2000248908 A JP2000248908 A JP 2000248908A JP 4671699 A JP4671699 A JP 4671699A JP 4671699 A JP4671699 A JP 4671699A JP 2000248908 A JP2000248908 A JP 2000248908A
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Yukinori Katagiri
幸徳 片桐
Yoshio Sato
美雄 佐藤
Fumihiko Kiso
文彦 木曽
Naoyuki Nagabuchi
尚之 永渕
Kenta Shimauchi
謙太 島内
Takehiko Ikematsu
武彦 池松
Hideo Nakamura
英夫 中村
Masae Takahashi
正衛 高橋
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラント効率を最大にする運転モードおよび
プラント負荷追従性を最大にする運転モードを切り換え
可能な石炭ガス化複合発電プラントを提供する。 【解決手段】 プラントの効率を最大にする場合、蒸気
タービン加減弁23の開度を100%として石炭ガス化
複合発電プラントのガスタービン発電量を低負荷運転と
する最低負荷運転モード1を選択し、プラント負荷追従
性を最大にする場合、ガスタービン加減弁11の開度と
蒸気タービン加減弁23の開度とを同時に操作する負荷
変化運転モード3を選択し、最低負荷運転モード1およ
び負荷変化運転モード3の切り換え途中では、蒸気圧力
設定値37をモード1の圧力からモード3の圧力までラ
ンプ変化させ、蒸気圧力36が設定値37に追従するよ
うに蒸気タービン加減弁23の補正弁開度43をPI制
御器42で計算するモード2を選択する。石炭/ガス化
剤の使用量を削減し、投入コストを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭ガス化複合発
電プラントおよびその運転方法に係り、特に石炭ガス化
設備で発生させた石炭の粗ガスをガス精製設備で精製し
て精製ガスを発生させ、その精製ガスをガスタービンで
燃焼させガスタービンを駆動して発電するとともに、そ
の排気熱および石炭ガス化設備で発生した蒸気により蒸
気タービンを駆動して発電する石炭ガス化複合発電プラ
ントにおいて、プラントの運転効率を最大にする運転モ
ードおよびプラント負荷追従性を最大にする運転モード
を負荷の状況に応じて切り換える手段に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭ガス化複合発電プラントは、石炭ガ
ス化設備に石炭およびガス化剤を投入し、発生した石炭
の粗ガスをガス精製設備で精製し、精製ガスをガスター
ビンで燃焼させガスタービンを駆動して発電し、さらに
ガスタービンの排気熱と石炭ガス化設備で石炭をガス化
する際に得られる熱とで蒸気を発生させ、蒸気により蒸
気タービンを駆動して発電する複合発電プラントであ
る。
【0003】この種の石炭ガス化複合発電プラントの制
御装置は、一般にガス化炉制御装置と発電量制御装置と
を含んでいる。ガス化炉制御装置は、石炭ガス化設備に
設置した石炭供給弁またはガス化剤供給弁により、石炭
ガス化設備の圧力およびガスタービンへの精製ガス供給
量を制御する。発電量制御装置は、ガスタービン入口に
設置したガスタービン加減弁により、ガスタービンの発
電量を制御し、蒸気タービン入口に設置した蒸気タービ
ン加減弁により、蒸気タービンの発電量を制御し、発電
目標値である負荷指令値にプラント全体の発電量を追従
させる。ガス化炉制御装置と発電量制御装置とは、相互
に協調信号をやりとりする場合がある。発電量制御装置
からガス化炉制御装置に協調信号を出力する例として
は、負荷変化時にガス化炉圧力の変動を石炭流量加減弁
および酸素流量加減弁で補償する方式(T.IEE Japan,Vo
l.110−B,No.10,1990,pp790−796)や、負荷変化時にガ
ス化炉制御装置を先行制御する方式(特開平6−288262
号公報)などがある。
【0004】ガス化炉制御装置から発電量制御装置に協
調信号を出力する例としては、石炭ガス化炉で発生した
粗ガスの組成から粗ガスの発熱量を推定して、この発熱
量の変動によるガスタービン発電量の変動をガスタービ
ン加減弁で先行制御する方式(特開昭63−100237号公報)
などがある。
【0005】石炭ガス化複合発電プラントでは、石炭ガ
ス化設備とガスタービンとの協調制御のほかに、発電量
制御装置におけるガスタービンと蒸気タービンとの協調
制御も考えられる。ガスタービンと蒸気タービンとの協
調制御方式としては、ガスタービンの発電量偏差を蒸気
タービンが補正する方式(特開平4−27702号公報)があ
る。
【0006】一方、天然ガスを燃焼させる従来の複合発
電プラントの運用方式(特開昭51−126446号公報,特開昭
48−1720号公報)を石炭ガス化複合発電プラントに適用
する可能性も考えられる。天然ガスを燃焼させる従来の
複合発電プラントの発電量制御装置では、蒸気タービン
加減弁を全開としてプラント効率を上げるとともに、プ
ラント負荷変化時には、ガスタービン加減弁を急速に開
閉して負荷追従性を向上させている。
【0007】したがって、複合発電プラントの一方式で
ある石炭ガス化複合発電プラントにも、天然ガスを燃焼
させる複合発電プラントと同様に、プラント効率を上げ
るとともに、負荷追従性を向上させることが求められて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、石炭ガス化複
合発電プラントでは、ガスタービンと蒸気タービンとの
発電量が等しいかまたは同程度のために、負荷変化時
に、蒸気タービンの応答遅れをガスタービンが補償する
ことは、困難である。
【0009】すなわち、緩慢に負荷が上昇する蒸気ター
ビンの応答遅れをガスタービンが補償するには、ガスタ
ービンの負荷上昇率を急激に増加させる必要がある。と
ころが、石炭ガス化複合発電プラントでは、石炭ガス化
設備で粗ガスを製造し、ガス精製設備で精製ガスとした
後に、精製ガスをガスタービンに供給するため、石炭ガ
ス化設備からガスタービンまでの間にそれまで送り込ま
れた精製ガスが存在するとともに、石炭ガス化設備にお
ける粗ガス生成能力の限界もあり、発電量は、負荷指令
値に瞬間的に追従できるわけではない。
【0010】さらに、石炭ガス化複合発電プラントで
は、ガスタービンと蒸気タービンとの発電量割合が等し
いかまたは同程度のために、天然ガスを燃焼させる従来
の複合発電プラントと比べて、熱回収ボイラ(HRB:H
eat Recovery Boiler)および排熱回収ボイラ(HRS
G:Heat Recovery Steam Generator)における熱吸収量
が高く、蒸気発生量が多くなる。そのため、低負荷運転
時には、蒸気への熱吸収量が余剰となり、蒸気タービン
の負荷を低くして運転する場合には、プラント全体の発
電効率が低下する。
【0011】本発明の目的は、プラントの効率を最大に
する運転モードおよびプラント負荷追従性を最大にする
運転モードを柔軟に切り換え可能な石炭ガス化複合発電
プラントを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、酸素を含むガス化剤と石炭とから粗ガス
および蒸気を発生する石炭ガス化設備と、粗ガスから不
要物質を除去して精製ガスを発生するガス精製設備と、
精製ガスを燃焼してガスタービンを駆動するガスタービ
ン設備と、石炭ガス化設備の燃焼ガスの排気熱で蒸気を
発生する熱回収設備と、石炭ガス化設備および熱回収設
備で発生する蒸気により蒸気タービンを駆動する蒸気タ
ービン設備と、ガスタービンおよび蒸気タービンにより
駆動され発電する発電設備と、ガス化ガス量および発電
量を制御する制御装置とを有する石炭ガス化複合発電プ
ラントにおいて、制御装置が、発電負荷指令値と実際の
発電量とに基づき発電プラントの負荷偏差を計算する手
段と、負荷指令値に基づきガスタービンの負荷目標値を
計算する手段と、発電プラントの負荷偏差とガスタービ
ンの負荷目標値とに基づきガスタービン加減弁の開度を
計算する手段と、負荷指令値に基づき蒸気タービンの負
荷目標値を計算する手段と、発電プラントの負荷偏差と
蒸気タービンの負荷目標値とに基づき蒸気タービン加減
弁の開度を計算する手段と、発電プラントの低負荷運転
時に蒸気タービン加減弁の開度を開度計算の結果に関わ
りなく全開に設定する手段とを備えた石炭ガス化複合発
電プラントを提案する。
【0013】ガスタービン加減弁の開度を計算する手段
は、発電プラントの低負荷運転時には、負荷指令値と蒸
気タービン発電量との発電偏差を発電プラントの負荷偏
差として取り込み当該負荷偏差とガスタービンの負荷目
標値とに基づきガスタービン加減弁の開度を計算する手
段とすることができる。
【0014】制御装置は、発電プラントの負荷変化運転
時にガスタービンの負荷目標値と蒸気タービンの負荷目
標値とを同時に変更して負荷指令値の変動に追従する手
段を備えるようにすることが望ましい。
【0015】蒸気タービン加減弁開度計算手段は、プラ
ント低負荷運転およびプラント負荷変化運転の切り換え
途中で蒸気圧力がプラント負荷変化運転時の圧力設定値
と一致するまで上昇するように蒸気タービン加減弁の開
度を全開状態から計算する手段であり、その場合、制御
装置は、プラントの低負荷運転と、発電プラントの負荷
変化運転と、プラント低負荷運転およびプラント負荷変
化運転の切り換え途中運転との3つの運転モードに応じ
て、蒸気タービン加減弁の開度制御信号を選択する手段
を備えることになる。
【0016】この発電プラントは、プラント低負荷運転
およびプラント負荷変化運転の切り換え途中で蒸気を発
生し熱回収設備に供給して蒸気の圧力を高める補助蒸気
発生器を備えることも可能である。
【0017】本発明は、また、酸素を含むガス化剤と石
炭とから粗ガスおよび蒸気を発生する石炭ガス化設備
と、粗ガスから不要物質を除去して精製ガスを発生する
ガス精製設備と、精製ガスを燃焼してガスタービンを駆
動するガスタービン設備と、石炭ガス化設備の燃焼ガス
の排気熱で蒸気を発生する熱回収設備と、石炭ガス化設
備および熱回収設備で発生する蒸気により蒸気タービン
を駆動する蒸気タービン設備と、ガスタービンおよび蒸
気タービンにより駆動され発電する発電設備と、ガス化
ガス量および発電量を制御する制御装置とを有する石炭
ガス化複合発電プラントの運転方法において、プラント
低負荷運転時には、蒸気タービン加減弁を全開として運
用するとともに、発電負荷指令値と実際の発電量との発
電偏差をガスタービンの負荷で補償するようガスタービ
ン加減弁を制御し、プラント負荷変化運転時には、負荷
指令値からガスタービンの負荷目標値と蒸気タービンの
負荷目標値とを計算し、ガスタービン負荷と蒸気タービ
ン負荷とが負荷目標値に追従するようにガスタービン加
減弁および蒸気タービン加減弁を制御し、プラント低負
荷運転時およびプラント負荷変化運転時の切り換え途中
では、蒸気圧力がプラント負荷変化運転時の圧力設定値
と一致するまで上昇するように蒸気タービン加減弁の開
度を全開状態から制御する石炭ガス化複合発電プラント
の運転方法を提案する。
【0018】本発明においては、プラント低負荷運転モ
ードと、プラント負荷変化運転モードと、プラント低負
荷運転モードおよびプラント負荷変化運転モードの切り
換え途中の運転モードの3種類の運転モードを切り換え
る手段を備える。
【0019】プラント低負荷運転時には、蒸気タービン
加減弁を全開として運用する。負荷指令値とプラント発
電量との発電偏差をガスタービンの負荷で補償するよう
ガスタービン加減弁を制御する。
【0020】プラント負荷変化運転時には、負荷指令値
からガスタービンの負荷目標値と蒸気タービンの負荷目
標値とを計算し、ガスタービン負荷と蒸気タービン負荷
とが負荷目標値に追従するように、ガスタービン加減弁
および蒸気タービン加減弁を制御する。
【0021】プラント低負荷運転時およびプラント負荷
変化運転時の切り換え途中では、熱回収設備の蒸気圧力
からプラント負荷変化運転時の圧力設定値まで、蒸気タ
ービン加減弁を制御する。
【0022】プラント低負荷運転時に蒸気タービン加減
弁を全開すると、HRSG内に蓄積された蒸気のほぼ全
量が蒸気タービンに流れるために、蒸気タービンの発電
量が増加し、ガスタービンの発電量は、それを補償する
ように低下する。ガスタービン発電量の低下に応じて、
ガスタービンの燃焼ガス量も低下するので、蒸気の発生
量が減少して蒸気タービンの発電量が低下する。ガスタ
ービンの発電量は、その低下分を補償しようと増加す
る。この作用により、プラント低負荷運転時には、蒸気
タービンの発電量が最大になり、ガスタービンの発電量
が最小となる状態で安定し、プラント効率を最大にする
運転モードとなる。
【0023】一方、プラント負荷変化時、特に、負荷上
昇時には、ガスタービンと蒸気タービンとを同時に負荷
制御すると、蒸気タービンでは、HRSG内に蓄積され
た蒸気のほぼ全量が蒸気タービンに流れるために、蒸気
タービンの発電量が増加し、負荷上昇時における蒸気タ
ービンの単位時間当たりの発電量が増加し、プラント負
荷追従運転となる。
【0024】プラント低負荷運転およびプラント負荷変
化運転の切り換え運転時には、蒸気圧力がプラント負荷
変化運転時の圧力設定値と一致するまで上昇するよう
に、蒸気タービン加減弁を操作すると、負荷変化時に必
要となる蒸気圧力を負荷変化前に確保できるので、プラ
ントの負荷追従性がさらに向上する。
【0025】プラント低負荷運転から負荷を上昇させる
場合は、蒸気タービンの発電量は、最低負荷運転時にお
ける最大発電量となっている。このために、負荷上昇時
には、蒸気タービンの負荷上昇分が最小となり、負荷変
化に対するプラントの負荷追従性が、さらに良くなる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図6を参照して、本
発明による石炭ガス化複合発電プラントの実施例を説明
する。
【0027】図1は、本発明による石炭ガス化複合発電
プラントの実施例の系統構成全体を示す図である。石炭
ガス化複合発電プラントは、ガスタービン発電系と蒸気
タービン発電系とを複合したプラントである。
【0028】ガスタービン発電系は、燃料となる石炭1
00とガス化剤となる酸素101とを石炭ガス化炉10
4に投入し、一酸化炭素および水素が主成分の粗ガスを
発生させる。粗ガスは、配管105によって、熱回収ボ
イラHRB106に送られ、給水を加熱する。熱回収後
の粗ガスは、配管107によって、ガス精製設備108
に投入されて、塵,微量金属,硫黄分を除去され、精製
ガスとなる。精製ガスは、配管109によって、ガスタ
ービン燃焼機111に送られて燃焼し、燃焼ガスとな
る。この燃焼ガスは、ガスタービン112を駆動する。
燃焼ガスは、配管113により、排熱回収ボイラHRS
G114に投入され、給水135を加熱する。熱を回収
された燃焼ガスは、排気設備115からプラント外に排
出される。
【0029】一方、蒸気タービン発電系は、給水ポンプ
116で加圧した給水を配管134によりHRB106
に投入し、粗ガスの熱でその給水を加熱する。加熱され
た給水は、配管135により、HRSG114に投入さ
れ、燃焼ガスの熱を吸収し、蒸気となる。この蒸気は、
蒸気タービン118を駆動する。
【0030】ガスタービン112と蒸気タービン118
とは、駆動軸136により、発電機119に接続してあ
り、ガスタービン112および蒸気タービン118の駆
動力は、発電機119で電力に変換される。
【0031】天然ガスを燃料とする従来の複合発電プラ
ントのガスタービンが、蒸気タービンの約2倍の発電量
を持つのに対して、本発明が対象とする石炭ガス化複合
発電プラントでは、精製ガスの発熱量が、天然ガスの発
熱量よりも低く、また、HRBでも熱を回収するため
に、ガスタービン112と蒸気タービン118との発電
量が、等しいかまたはほぼ同程度となる。
【0032】石炭ガス化複合発電プラントは、制御装置
130を備えている。制御装置130は、ガス化炉制御
装置128と発電量制御装置129とを含んでいる。ガ
ス化炉制御装置128と発電量制御装置129とは、相
互に協調信号131と132とを出力している。
【0033】ガス化炉制御装置128は、負荷指令(M
WD:Mega Watt Demand)133とガス化炉圧力計測値
122と粗ガスの組成計測値107とに基づき、石炭流
量加減弁120および酸素流量加減弁101の開度を調
節し、ガス化炉圧力およびガス化炉104でのガス化状
態を制御する。
【0034】発電量制御装置129は、負荷指令MWD
133と発電量125と蒸気圧力124とに基づき、発
電量125が負荷指令MWD133に追従するように、
ガスタービン加減弁110および蒸気タービン加減弁1
17の開度を制御する。
【0035】《実施例1》図2は、図1の石炭ガス化複
合発電プラントの制御装置130の実施例1の構成を示
す図である。制御装置130は、負荷指令MWD1と、
発電量(MW)2と、石炭ガス化炉圧力(Pgas)24と、
蒸気圧力(Psteam)36と、ガス組成(Cgas)44とを入
力し、ガスタービン加減弁(GT)11と、蒸気タービン
加減弁(ST)23と、石炭供給弁(Coal)35とガス化
剤供給弁(O2)55とを調節し、石炭ガス化複合発電プ
ラントを制御する。
【0036】ガスタービン112への燃料供給量を制御
するガスタービン加減弁11(図1の110)の開度制御
信号10は、ガスタービン加減弁11の開度目標値8と
開度制御値6とを加算して求められる。開度目標値8
は、負荷指令MWD1に基づいて関数発生器7で求め
る。開度制御値6は、負荷指令値MWD1と発電量2と
の発電偏差4をPI制御器5で演算して求める。
【0037】蒸気タービン118への蒸気流量を制御す
る蒸気タービン加減弁23(図1の117)の開度制御信
号22は、運転条件に応じて、切り換え器21により、
加減弁の開度を切り換える。
【0038】本発明では、運転条件を、電力消費が少な
い時間帯の低負荷運転時(モード1)と、低負荷運転およ
び負荷変化運転の切り換え運転時(モード2)と、電力消
費が多く負荷変化を伴う負荷変化運転時(モード3)との
3つのモードとする。次に、これらの運転条件における
蒸気タービン加減弁23(117)の開度の設定を説明す
る。
【0039】低負荷運転時(モード1)には、蒸気タービ
ン加減弁の開度22として、開度設定値20を用いる。
開度設定値20は、蒸気タービン加減弁23の開度を全
開とする。
【0040】負荷変化運転時(モード3)には、蒸気ター
ビン加減弁の開度22として、蒸気タービン加減弁の開
度19を用いる。蒸気タービン加減の開度19は、演算
器18で求められる。演算器18は、蒸気タービン加減
弁主開度17が演算器18で設定した範囲内の値の場合
は、主開度17を出力し、設定範囲外の値の場合は、蒸
気圧力補正弁の開度43を出力する。蒸気タービン加減
弁の主開度17は、蒸気タービン加減弁23の目標値1
5と制御値13の和で求められる。開度目標値15は、
負荷指令値1の関数として関数発生器14で求められ
る。また、開度制御値13は、負荷指令値1と発電量2
との差をPI制御器12に入力して求められる。蒸気圧
力補正弁の開度43は、蒸気圧力36が蒸気圧力設定値
37に追従するように、PI制御器42で計算される。
【0041】低負荷運転および負荷変化運転時の切り換
え時(モード2)には、蒸気タービン加減弁の開度22と
して蒸気圧力補正弁の開度43を用いる。切り換え時に
は、蒸気圧力設定値37を低負荷運転時(モード1)の蒸
気圧力から負荷変化運転時(モード3)の蒸気圧力設定値
までランプ変化とし、蒸気圧力36が蒸気圧力設定値3
7に追従するように、蒸気圧力補正弁の開度43をPI
制御器42で計算する。石炭供給弁の開度34は、主開
度29とガスタービン加減弁の開度10と先行指令32
との和として求められる。主開度29は、石炭ガス化炉
圧力24と圧力設定値25との偏差からPI制御器28
を用いて求められる。なお、ガスタービン加減弁の開度
10は、先行指令であり、石炭ガス化炉104とガスタ
ービン112との間の流動遅れおよび組成遅れを補償す
る。ガス化剤供給弁の開度54は、主開度49と石炭供
給弁の開度31と先行指令52との和として求められ
る。主開度49は、粗ガスの組成44と組成設定値45
との偏差からPI制御器48で求められる。なお、石炭
供給弁の開度31は先行指令であり、ガス化炉104の
圧力変動による石炭供給量の変動に合わせて、ガス化剤
投入量を変える。
【0042】次に、図3〜図5を参照して、本発明によ
る石炭ガス化複合発電プラントの運転方法の特徴を説明
する。
【0043】図3は、天然ガスを燃焼させる従来の複合
発電プラントの負荷応答特性を示す図である。この複合
発電プラントでは、蒸気タービン発電量の定格値をガス
タービン発電量の定格値の1/2として、負荷を40%
から100%まで変化させている。
【0044】負荷指令値201を40%から100%ま
で変化させた場合は、ガスタービン112と蒸気タービ
ン118との発電比率に応じて、ガスタービン負荷目標
値203と蒸気タービン目標値205とが得られる。蒸
気タービン発電量206の時定数は、熱回収設備に設置
したボイラ106の容量に依存する。そのため、蒸気タ
ービン発電量206は、負荷指令値201および蒸気タ
ービン負荷目標値205の変動に対して緩やかな応答を
示す。このとき、ガスタービン発電量204は、負荷指
令値205と蒸気タービン発電量206との発電偏差を
補償し、しかも、ガスタービン発電量がその100%負
荷(総発電量の66.7%)を超えないように上昇する。
その結果、負荷指令85.5%から100%の間では、
発電偏差207が生じる。
【0045】図4は、従来の石炭ガス化複合発電プラン
トの負荷応答特性を示す図である。この従来の石炭ガス
化複合発電プラントでは、ガスタービン発電量の定格値
と蒸気タービン発電量の定格値とが等しいとして、負荷
を40%から100%まで変化させている。
【0046】負荷指令値208を40%から100%ま
で変化させた場合は、ガスタービンと蒸気タービンとの
発電比率が等しいため、ガスタービン負荷目標値と蒸気
タービン負荷目標値とは、目標値210になる。蒸気タ
ービン発電量212は、総発電量の50%となるため、
負荷変化時の蒸気タービン発電量212の変動幅が大き
い。また、プラントの廃熱を利用して効率を高めるため
熱回収設備に設置したボイラ106の容量が大きいこと
から、蒸気タービン発電量212の応答は、図3の天然
ガスを燃焼させる従来の複合発電プラントの蒸気タービ
ン発電量206に比べて、緩やかとなる。
【0047】ガスタービン112は、負荷指令値208
と蒸気タービン発電量212との負荷偏差を補償するよ
うに、出力変化させるが、天然ガスを燃焼させる従来の
複合発電プラントと同様に、ガスタービン発電量が10
0%(総発電量の50%)を超えないよう運用されるの
で、負荷変化時には、負荷指令73.4%から100%
の間では、発電偏差213が生じる。
【0048】図5は、本発明による石炭ガス化複合発電
プラントの負荷応答特性を示す図である。図5において
は、区間(a)が、プラント低負荷運転時のモード1であ
り、区間(b)が、最低負荷運転時および負荷変化運転時
3の切り換え途中のモード2であり、区間(c)が、負荷
変化運転時のモード3である。
【0049】区間(a)は、深夜または早朝などの電力需
要の少ない時間帯に相当であり、区間(c)は、昼間およ
び夕刻などの電力需要の多い時間帯であり、区間(b)
は、この中間の時間帯である。これらの区間は、運転計
画に基づいて、予め設定する。また、各時間帯ごとの負
荷指令値214は、上記従来例と同様に、低負荷運転時
には、定格出力の40%、負荷変化運転時には定格出力
の100%とする。
【0050】図5において、運転モード1すなわち区間
(a)では、蒸気タービン加減弁117の開度221を1
00%相当に設定するので、天然ガスを燃焼させる従来
の複合発電プラントおよび従来の石炭ガス化複合発電プ
ラントと比べて、蒸気タービン発電量219が最高出力
となり、ガスタービン発電量216が最低出力となる効
率運転状態にある。蒸気タービン加減弁の開度221を
100%相当とした場合、熱回収設備106で発生した
蒸気は、全量が蒸気タービン118に投入されるが、ガ
スタービン112から熱回収設備106への入熱量は、
最低であることから、蒸気圧力226は、負荷変化運転
時223に比べて低い状態にある。また、石炭ガス化設
備104への石炭の投入量227も定格時224に比べ
て低い。
【0051】運転モード2すなわち区間(b)では、低負
荷運転時の蒸気圧力を負荷変化運転時の圧力設定値に一
致するまで変化させて運転する。これは、低負荷運転時
の蒸気圧力を負荷変化運転時の蒸気圧力にまで回復させ
る運転となる。この区間(b)では、蒸気圧力223を上
昇させるために、蒸気タービン加減弁117の開度22
1が低下し、蒸気タービン発電量219が低下するが、
ガスタービン加減弁110の開度の増加および石炭流量
加減弁102の開度224の増加により、ガスタービン
112から熱回収設備106への入熱量が増加し、蒸気
圧力223が上昇する。蒸気タービン発電量219は一
時的に低下するが、ガスタービン発電量217がそれを
補償して上昇するので、プラント全体としての発電量2
15は、不安定にならない。
【0052】運転モード3すなわち区間(c)では、プラ
ント負荷追従運転として、ガスタービン加減弁110と
蒸気タービン加減弁117とを同時に操作し、負荷上昇
を開始する。このとき、熱回収設備106は、負荷追従
に必要な蒸気量を確保しているために、蒸気タービン発
電量219は、天然ガスを燃焼させる従来の複合発電プ
ラントおよび従来の石炭ガス化複合発電プラントに比べ
て、応答が速い。
【0053】また、負荷上昇時の蒸気タービン発電量2
19の変化幅は、従来の石炭ガス化複合発電プラントに
比べて小さいため、従来の石炭ガス化複合発電プラント
に比べて、早い時間に目標負荷に到達できる。このと
き、負荷指令値214と発電量215との負荷偏差22
5は、図3における天然ガスを燃焼させる従来の複合発
電プラントの負荷偏差207および図4における従来の
石炭ガス化複合発電プラントの負荷偏差213に比べ
て、最大負荷偏差が小さく、しかも、短時間で整定して
いるので、天然ガスを燃焼させる従来の発電方式および
従来の石炭ガス化複合発電プラントと比較して、負荷追
従性が高いといえる。
【0054】このように、本発明による石炭ガス化複合
発電プラントは、プラント低負荷運転時には、プラント
効率運転を実現でき、プラント負荷追従運転時には、高
負荷追従運転が可能となる。
【0055】本発明によれば、深夜または早朝など、電
力需要の少ない時間帯におけるプラントの運転効率を高
め、プラントの運転コストを低減できる。例えば、深夜
の8時間を定格の40%の低負荷運転で運用する場合の
運用コストを試算してみる。低負荷運転時における総発
電量に対するガスタービン発電量の比率が、天然ガスを
燃焼させる従来の複合発電プラントでは66.67%、
従来の石炭ガス化発電プラントでは50%、本発明によ
る石炭ガス化発電プラントでは25%であると仮定する
と、天然ガスを燃焼させる従来の複合発電プラントのガ
スタービン発電量を100%とした場合は、従来の石炭
ガス化発電プラントでは75.0%、本発明の石炭ガス
化発電プラントでは68.8%となり、天然ガスを燃焼
させる従来の複合発電プラントに比べて、ガスタービン
発電量を−31.25%低減できる。また、従来の石炭
ガス化発電プラントのガスタービン発電量を100%と
した場合は、本発明の石炭ガス化発電プラントでは91
%となり、ガスタービン発電量を−9%低減できる。そ
の結果、石炭やガス化剤の投入量を削減し、プラントの
運転コストを低減できる。
【0056】《実施例2》図6は、本発明による石炭ガ
ス化複合発電プラントの制御装置130の実施例2の構
成を示す図である。すなわち、図2に示した実施例1の
石炭ガス化炉複合発電プラントの制御装置130に、蒸
気発生器の軽油供給弁61の制御系統を追加した実施例
である。
【0057】本実施例2では、蒸気発生器の軽油供給弁
61の開度60をモードに応じて切り換え操作する。軽
油供給弁61の開度60を制御する場合に、切り換え器
59は、開度58と開度57とを切り換える。切り換え
器59は、プラント低負荷運転時(モード1)およびプラ
ント負荷変化運転時(モード3)には、開度58を選択す
る。本実施例では、開度58は、軽油投入量0%に相当
する。低負荷運転および負荷変化運転時の切り換え途中
(モード2)では、開度57は、蒸気圧力設定値37に基
づき関数発生器56により求められる。
【0058】なお、切り換え器21と切り換え器59と
には、切り換え条件として同じ信号を用いる。そのた
め、切り換え器59も複数のプラントの運転条件の一つ
を選択する手段となる。
【0059】実施例2のプラント低負荷運転時およびプ
ラント負荷変化運転時においては、蒸気発生器の軽油供
給弁61は動作しない。そのため、実施例1と同様の運
用となる。
【0060】これに対して、プラント低負荷運転および
プラント負荷変化運転の切り換え途中では、関数発生器
56で求めた軽油供給弁の開度57から、蒸気発生器の
軽油供給弁61を操作し、HRSGの蒸気発生器114
で蒸気を発生させ、蒸気タービン118に投入する蒸気
の圧力を高くできる。
【0061】なお、実施例1および実施例2において
は、HRBを給水の予熱手段、HRSGを蒸気発生手段
として、HRBとHRSGとを接続した形式の石炭ガス
化複合発電プラントを説明したが、本発明は、HRBを
蒸気発生手段とし、HRSGを蒸気過熱手段として、H
RBとHRSGとを接続した形式の複合発電プラントに
も適用できる。
【0062】本発明は、また、HRBとHRSGとがそ
れぞれに蒸気を発生し、HRBおよびHRSGの蒸気を
合流させて蒸気タービンに投入する形式のプラントにも
適用できる。
【0063】さらに、上記実施例1および実施例2にお
いては、蒸気圧力と蒸気圧力設定値との圧力偏差から蒸
気タービンの加減弁の開度を求めたが、HRSGに蒸気
発生手段を含む場合、特に、ドラムボイラを含む場合
は、蒸気圧力を蒸気流量とし、蒸気圧力設定値を蒸気流
量設定値としても、本発明を適用できる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、深夜または早朝など、
電力需要の少ない時間帯におけるプラントの運転効率を
高め、プラントの運転コストを低減できる。その結果、
石炭やガス化剤の投入量を削減し、プラントの運転コス
トを低減できる。
【0065】天然ガスを燃焼させる従来の複合発電プラ
ントと比較しても、発電偏差が小さく、整定時間が短い
ので、電力系統における他プラントへの影響が少なく、
電力系統全体の安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による石炭ガス化複合発電プラントの実
施例の系統構成全体を示す図である。
【図2】本発明による石炭ガス化複合発電プラントの制
御装置の実施例1の構成を示す図である。
【図3】天然ガスを燃焼させる従来の複合発電プラント
の負荷応答特性を示す図である。
【図4】従来の石炭ガス化複合発電プラントの負荷応答
特性を示す図である。
【図5】本発明による石炭ガス化複合発電プラントの実
施例1の負荷応答特性を示す図であある。
【図6】本発明による石炭ガス化複合発電プラントの制
御装置の実施例2の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 負荷指令値 2 発電量 3 減算器 4 発電偏差 5 PI制御器 6 開度制御値 7 関数発生器 8 開度目標値 9 加算器 10 ガスタービン加減弁の開度 11 ガスタービン加減弁(110) 12 PI制御器 13 開度制御値 14 関数発生器 15 開度目標値 16 加算器 17 蒸気タービン加減弁主開度 18 演算器 19 蒸気タービン加減弁の開度 20 開度設定値 21 切り換え器 22 蒸気タービン加減弁の開度 23 蒸気タービン加減弁(117) 24 石炭ガス化炉圧力 25 圧力設定値 26 減算器 27 ガス化炉圧力偏差 28 PI制御器 29 主開度 30 加算器 31 石炭供給弁の開度 32 先行指令 33 加算器 34 石炭供給弁の開度 35 石炭供給弁(102) 36 蒸気圧力 37 蒸気圧力設定値 38 減算器 39 蒸気圧力偏差 40 不感帯演算器 41 蒸気圧力偏差補正値 42 PI制御器 43 蒸気圧力補正弁の開度 44 ガス組成 45 組成設定値 46 減算器 47 ガス組成偏差 48 PI制御器 49 主開度 50 加算器 51 主開度補正値 52 先行指令 53 加算器 54 ガス化剤供給弁の開度 55 ガス化剤供給弁(103) 56 関数発生器 57 開度目標値 58 開度目標値 59 切り換え器 60 軽油供給弁の開度 61 蒸気発生器軽油供給弁 100 石炭 101 酸素 102 石炭流量加減弁(35) 103 酸素流量加減弁(55) 104 石炭ガス化炉 105 配管 106 熱回収ボイラ(HRB:Heat Recovery Boiler) 107 配管 108 ガス精製設備 109 配管 110 ガスタービン加減弁(11) 111 燃焼器 112 ガスタービン 113 配管 114 排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Ste
am Generator) 115 排気設備 116 給水ポンプ 117 蒸気タービン加減弁(23) 118 蒸気タービン 119 発電機 120 石炭流量加減弁 121 酸素流量加減弁 122 ガス化炉圧力計測値 123 粗ガスの組成計測値 124 蒸気圧力 125 発電量 126 蒸気タービン加減弁 127 ガスタービン加減弁 128 ガス化炉制御装置 129 発電量制御装置 130 制御装置 131 協調信号 132 協調信号 133 負荷指令(MWD:Mega Watt Demand) 134 配管 135 給水 136 駆動軸 201 負荷指令値 202 蒸気タービン発電量+ガスタービン発電量 203 ガスタービン負荷目標値 204 ガスタービン発電量 205 蒸気タービン負荷目標値 206 蒸気タービン発電量 207 発電偏差 208 負荷指令値 209 蒸気タービン発電量+ガスタービン発電量 210 ガスタービン負荷目標値=蒸気タービン負荷目
標値 211 ガスタービン発電量 212 蒸気タービン発電量 213 発電偏差 214 負荷指令値 215 蒸気タービン発電量+ガスタービン発電量 216 ガスタービン発電量 217 ガスタービン負荷目標値 218 蒸気タービン負荷目標値 219 蒸気タービン発電量 221 蒸気タービン加減弁117の開度 222 蒸気圧力指令値 223 蒸気圧力 224 石炭投入量 225 負荷偏差 226 蒸気圧力 227 石炭投入量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木曽 文彦 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 永渕 尚之 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 島内 謙太 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 池松 武彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 中村 英夫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 高橋 正衛 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 Fターム(参考) 3G081 BA02 BA13 BB00 BC07 BD00 DA04 DA12 DA14 DA21 DA22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素を含むガス化剤と石炭とから粗ガス
    および蒸気を発生する石炭ガス化設備と、前記粗ガスか
    ら不要物質を除去して精製ガスを発生するガス精製設備
    と、前記精製ガスを燃焼してガスタービンを駆動するガ
    スタービン設備と、前記石炭ガス化設備の燃焼ガスの排
    気熱で蒸気を発生する熱回収設備と、前記石炭ガス化設
    備および前記熱回収設備で発生する蒸気により蒸気ター
    ビンを駆動する蒸気タービン設備と、前記ガスタービン
    および前記蒸気タービンにより駆動され発電する発電設
    備と、ガス化ガス量および発電量を制御する制御装置と
    を有する石炭ガス化複合発電プラントにおいて、 前記制御装置が、発電負荷指令値と実際の発電量とに基
    づき前記発電プラントの負荷偏差を計算する手段と、前
    記負荷指令値に基づき前記ガスタービンの負荷目標値を
    計算する手段と、前記発電プラントの負荷偏差と前記ガ
    スタービンの負荷目標値とに基づきガスタービン加減弁
    の開度を計算する手段と、前記負荷指令値に基づき前記
    蒸気タービンの負荷目標値を計算する手段と、前記発電
    プラントの負荷偏差と前記蒸気タービンの負荷目標値と
    に基づき蒸気タービン加減弁の開度を計算する手段と、
    前記発電プラントの低負荷運転時に前記蒸気タービン加
    減弁の開度を前記開度計算の結果に関わりなく全開に設
    定する手段とを備えたことを特徴とする石炭ガス化複合
    発電プラント。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の石炭ガス化複合発電プ
    ラントにおいて、 前記ガスタービン加減弁の開度を計算する手段が、前記
    発電プラントの低負荷運転時に、前記負荷指令値と前記
    蒸気タービン発電量との発電偏差を前記発電プラントの
    負荷偏差として取り込み当該負荷偏差と前記ガスタービ
    ンの負荷目標値とに基づきガスタービン加減弁の開度を
    計算する手段であることを特徴とする石炭ガス化複合発
    電プラント。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の石炭ガス化複
    合発電プラントにおいて、 前記制御装置が、前記発電プラントの負荷変化運転時に
    前記ガスタービンの負荷目標値と前記蒸気タービンの負
    荷目標値とを同時に変更して前記負荷指令値の変動に追
    従する手段を備えたことを特徴とする石炭ガス化複合発
    電プラント。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の石炭ガス化複合発電プ
    ラントにおいて、 前記蒸気タービン加減弁開度計算手段が、前記プラント
    低負荷運転および前記プラント負荷変化運転の切り換え
    途中で蒸気圧力がプラント負荷変化運転時の圧力設定値
    と一致するまで上昇するように前記蒸気タービン加減弁
    の開度を前記全開状態から計算する手段であり、 前記制御装置が、前記プラントの低負荷運転と、前記発
    電プラントの負荷変化運転と、前記プラント低負荷運転
    および前記プラント負荷変化運転の切り換え途中運転と
    の3つの運転モードに応じて、前記蒸気タービン加減弁
    の開度制御信号を選択する手段を備えたことを特徴とす
    る石炭ガス化複合発電プラント。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の石炭ガス化複合発電プ
    ラントにおいて、 前記プラント低負荷運転およびプラント負荷変化運転の
    切り換え途中で蒸気を発生し前記熱回収設備に供給して
    蒸気の圧力を高める補助蒸気発生器を備えたことを特徴
    とする石炭ガス化複合発電プラント。
  6. 【請求項6】 酸素を含むガス化剤と石炭とから粗ガス
    および蒸気を発生する石炭ガス化設備と、前記粗ガスか
    ら不要物質を除去して精製ガスを発生するガス精製設備
    と、前記精製ガスを燃焼してガスタービンを駆動するガ
    スタービン設備と、前記石炭ガス化設備の燃焼ガスの排
    気熱で蒸気を発生する熱回収設備と、前記石炭ガス化設
    備および前記熱回収設備で発生する蒸気により蒸気ター
    ビンを駆動する蒸気タービン設備と、前記ガスタービン
    および前記蒸気タービンにより駆動され発電する発電設
    備と、ガス化ガス量および発電量を制御する制御装置と
    を有する石炭ガス化複合発電プラントの運転方法におい
    て、 プラント低負荷運転時には、蒸気タービン加減弁を全開
    として運用するとともに、発電負荷指令値と実際の発電
    量との発電偏差を前記ガスタービンの負荷で補償するよ
    うガスタービン加減弁を制御し、 プラント負荷変化運転時には、前記負荷指令値から前記
    ガスタービンの負荷目標値と前記蒸気タービンの負荷目
    標値とを計算し、ガスタービン負荷と蒸気タービン負荷
    とが負荷目標値に追従するようにガスタービン加減弁お
    よび蒸気タービン加減弁を制御し、 前記プラント低負荷運転時および前記プラント負荷変化
    運転時の切り換え途中では、蒸気圧力がプラント負荷変
    化運転時の圧力設定値と一致するまで上昇するように前
    記蒸気タービン加減弁の開度を前記全開状態から制御す
    ることを特徴とする石炭ガス化複合発電プラントの運転
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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