JP3433968B2 - 石炭ガス化複合発電システムの運転制御方法 - Google Patents

石炭ガス化複合発電システムの運転制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、石炭をガス化炉でガス
化し、これを燃料としてガスタービンを運転すると共に
ガスタービンから排出される燃焼ガスの排熱を利用して
蒸気タービンを運転する石炭ガス化複合発電システムの
運転制御方法に関する。更に詳述すると、本発明は、石
炭ガス化複合発電システムを構成するガスタービン発電
機とガス化炉の協調運転を行う制御方式に関する。 【0002】 【従来の技術】石炭ガス化複合発電システムは、ガスタ
ービンサイクルを有効に利用した複合発電システムであ
り、石炭をガス化することにより、ガスタービンに供給
可能な可燃性ガスに変換した後、ガスタービン−蒸気タ
ービン複合サイクル発電により高効率発電を行うもので
ある。 【0003】この石炭ガス化複合発電システムは、図9
に示すように、主にガス化炉1と、ガス精製設備2と、
複合発電設備(ガスタービン3及び熱回収蒸気タービン
4を含む)5とより構成されている。そして、これらの
各設備の間で、生成ガス、空気および熱の受け渡しが行
われ、一つの発電システムとして稼動される。尚、図中
符号6は微粉炭をガス化炉1に供給するための石炭供給
装置であり、7はガス化炉1で生成された生成ガスを冷
却するガス冷却器、8は昇圧機である。そして、ガス化
炉1に必要な空気はガスタービン3の圧縮機より抽気
し、所定の圧力まで昇圧機8で昇圧した後供給される。
また、ガスタービン3の運転に必要な燃料ガスはガス化
炉1で得た生成ガスをガス冷却器7で冷却してからガス
精製設備2で精製して用いられる。 【0004】このような石炭ガス化複合発電システム
は、石炭をガス化させながら発電を行うシステムである
ので、ガス化炉出力とガスタービン負荷のバランスを十
分に保って運転を行う必要があるので、負荷変化時のガ
ス化炉、ガスタービンの負荷変化特性と両者間の協調運
転が重要な課題となる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在、
石炭ガス化複合発電システムは、実用化に先立ってパイ
ロットプラントなどを使って実証が行われている段階で
あり、未だガスタービン3とガス化炉1とを機能的に協
調運転させる方法については開発されていないのが現状
である。そこで、ガス化炉で発生する生成ガス量とガス
タービンで消費するガス量のバランスを負荷変動などが
起きても維持できる石炭ガス化複合発電システムの運転
方法の開発が望まれていた。 【0006】本発明は、石炭ガス化複合発電システムを
安全かつ高効率で運転制御可能とする協調制御方式を提
供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の石炭ガス化複合発電システムの運転制御
方法は、ガス化炉と、ガス精製設備と、ガスタービン及
び排熱回収蒸気系を含む複合発電設備とで構成される石
炭ガス化複合発電システムにおいて、ガスタービン発電
機の出力と負荷指令信号との偏差でガスタービンをフィ
ードバック制御する一方、要求される負荷を実現するガ
ス化炉への給炭量と空気供給量とを、 【数3】 ただし、GCL: ガス化炉への給炭量(kg/秒) PGT: 要求されるガスタービン負荷(kW) χ : ガス化部分燃焼率 εGC: ガス化未燃炭素損失率 γ: ガス化熱回収率 εGR: ガス化熱損失率 εDO: ガス精製熱損失率 εCO: ガス精製反応熱損失率 ηMGT ガスタービン熱効率 QH : 石炭高位発熱量(kJ/kg) 【数4】 GAR=GCL・kABC ただし、GAR: ガス化炉への空気供給量(kg/秒) GCL: ガス化炉への給炭量(kg/秒) kABC : ガス化炉空気/石炭比 で示されるシステムの熱・物質収支より求めて先行信号
としてガス化炉に与え、ガスタービンへの燃料ガス供給
量の増減に必要とする分のガスを生成すると共に系内の
圧力変動を抑えるための予測制御を行うようにしてい
る。 【0008】 【作用】したがって、負荷変動を要求する負荷指令(M
WD)があると、この負荷指令とガスタービン発電機出
力との偏差で直接ガスタービンに供給する燃料ガス流量
が増減され、ガスタービンの運転が直ちに変更される。
同時に、負荷指令に基づいて、要求負荷に対するガス化
炉の入力即ち給炭量と空気供給量とをシステムの熱・物
質収支式より計算して先行信号(フィードフォワード信
号)としてガス化炉側に与え、ガスタービンへの燃料ガ
ス供給量の増減に必要とする分を速やかにガス化炉で生
成させる予測制御を行う。これによって、負荷指令に基
づいて直接ガスタービンをフィードバック制御する際に
必要とされる燃料ガス供給を予測してガス化炉を制御
し、生成ガスの生成量を増減させるため系内の圧力変動
を小さく抑えることができる。 【0009】 【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。 【0010】石炭ガス化複合発電システムは、図9に例
示するように、石炭をガス化し、ガスタービン用燃料に
変換するガス化炉1と、生成ガス中のばいじん・硫黄化
合物を除去するガス精製設備2と、ガスタービン3及び
排熱回収蒸気サイクル4を含む複合発電設備5との主に
3つの設備より構成される。この石炭ガス化複合発電シ
ステムは、ガス化炉1によりガス化した燃料ガスを順次
ガスタービン3で燃焼させて発電を行うシステムであ
り、燃料を発生するガス化炉1とガス精製設備2および
燃料を消費するガスタービン3がカスケードに連絡され
ている。そして、それぞれの設備間で、生成ガス、空気
および熱の受け渡しがある。このような複雑な発電シス
テムを安定に制御し、同時に迅速な負荷変動に対応する
ためには、全体で協調のとれた制御系の構築が不可欠で
ある。 【0011】そして、石炭ガス化複合発電システムの運
転制御を行うに当たっての基本的な要求は、 i)ガスタービンの負荷に合ったガス化炉生成ガス量の
制御 ii)加圧ガス系の圧力の制御 であり、両者は動特性により密接に関係している。即
ち、ガス化炉1側の発生ガス量が過剰になれば系の圧力
が上昇するとともにガス精製設備2中にガスが蓄積され
る。逆にガスタービン3側での消費ガス量が多くなれば
系の圧力が低下し、ガス精製設備に蓄積されているガス
が消費される。 【0012】したがって、本発電システム全体の制御に
あたっては、ガス化炉で発生する生成ガス量とガスター
ビンで消費するガス量のバランスの維持が重要なポイン
トである。 【0013】以上の基本要求を鑑み、本発明者等は石炭
ガス化複合発電システムに関する次の4つの運転方式を
考えだした。 【0014】まず、図5にガス化炉リード制御と名付け
た運転制御方式の概念図を示す。このガス化炉リード制
御は、ガスタービン発電機の出力(OP)と負荷指令信
号(MWD)との偏差で、ガス化炉1の給炭量(CF)
および空気供給量(AF)を増減させ、ガス化炉1の生
成ガス量を先に制御する方式である。ガスタービン3の
負荷は、これによって生じる系内圧力偏差xで燃料ガス
流量調節弁10を開閉させることにより制御される。 【0015】このガス化炉リード制御方式は、ガスター
ビン負荷を変化させるのにガス化炉1への入力より順次
変化させる制御であるため、ガス化炉1に対しては安定
性は良いが、反面負荷応答性が低くなるという問題を含
んでいる。 【0016】図7にガスタービンリード制御と名付けた
運転制御方式の概念図を示す。このガスタービンリード
制御は、ガスタービン発電機出力(OP)と負荷指令信
号(MWD)の偏差から成るガスタービン燃料供給指令
(FF)で直接ガスタービン3の燃料ガス流量調節弁1
0の開閉を制御することによりガスタービン3に供給す
る燃料ガス流量を増減させ、ガスタービン3の負荷を先
に制御する制御方式である。ガス化炉1の負荷(CFと
AF)は、これによって生じる系内圧力偏差xで制御さ
れる。 【0017】このガスタービンリード制御方式は、ガス
タービン負荷を直接変化させるので負荷応答性は高い
が、急峻な負荷変化要求に対しては、ガス化炉1の運転
が不安定となる恐れがある。 【0018】図3にガス化炉−ガスタービン協調制御と
名付けた運転制御方式の概念図を示す。この制御方式
は、図5のガス化炉リード制御あるいは図7のガスター
ビンリード制御をベースとしながら、負荷に対する操作
量を先行的に与える等の制御を付加している。例えば、
図5に示すガスタービンリード制御において、ガスター
ビンリード制御ゲインKとガス化炉リード制御ゲイ
ンKとをガスタービン燃料供給指令系路とガス化炉
給炭量指令系路とに2個ずつ組み込んでガス化炉1側に
同時にガスタービン負荷に対応した給炭量CFと空気供
給量AFの要求信号を与えるものである。 【0019】このガス化炉−ガスタービン協調制御は、
ガスタービンの負荷変化要求に対し、ガスタービン負荷
を直接変化させると同時に先行信号としてガス化炉負荷
(CFとAF)を与えることにより、系内の圧力変動を
極力押さえようとするものである。 【0020】図1に負荷フィードフォワード協調制御と
名付けた制御方式の概念図を示す。この制御方式は、ガ
スタービンリード制御をベースとし、ガス化炉1側に要
求負荷に対するガス化炉1の入力(要求負荷に必要な給
炭量CF、空気供給量AF)をシステムの熱・物質収支
式より計算し、先行信号を与えるものである。そのた
め、ガスタービンリード制御のフィードバックをベース
とした協調制御に比べて、負荷帯によるシステムの変動
性の差異、炭種による動特性の差異等に対する適応性の
高い制御方式と考えられる。 【0021】本実施例においては、図7のガスタービン
リード制御方式にガス化炉入力を負荷によってシステム
の熱・物質収支式より算出した先行信号、即ち、フィー
ドフォワード信号FSを加えることによって協調制御方
式が構成されている。この協調制御方式は、ガスタービ
ン発電機出力OPとMWDの偏差で直接ガスタービン3
の燃料ガス流量調節弁10の開閉を制御してガスタービ
ン3に供給する燃料ガス流量を増減させ、ガスタービン
3の負荷を先に制御する。同時にガス化炉1側に先行信
号FSを入力させてこの先行信号FSにてガス化炉1を
制御する。ここでの先行信号FSとは要求負荷に必要な
給炭量(CF)、空気供給量(AF)をシステムの熱・
物質収支式によって算出することによって決定される予
測的なデータである。したがって、ガス化炉側では先行
信号FSにてガス化炉1を制御する開ループ制御を構成
している。 【0022】以上のように構成された4つの制御方式を
利用した場合の石炭ガス化複合発電システムの過渡応答
を次に求めた。この実験はガス化炉−ガス精製設備−ガ
スタービンを連結して動特性解析装置により動特性シュ
ミレーションを実施することにより行った。 【0023】1)ガス化炉リード制御による負荷変化応
答 まず図5に示すガス化炉リード制御による負荷変動性を
調べた。図6に負荷指令(MWD)を88%から100
%に12%ステップ状に増加させた場合の応答を示す。
尚、負荷偏差を給炭量指令CF,AFにフィードバック
するPIゲインおよび圧力偏差xを燃料調節弁10にフ
ィードバックするPIゲインは100%負荷時の最適値
(限界感度法の60%ゲイン)を選んで固定とした。 【0024】MWDの増加による出力偏差のフィードバ
ックにより給炭量CFと空気量AFが増加するにしたが
って生成ガス流量はすみやかに増加し、それにともなっ
て燃料ガス圧力が約30秒後に約0.7kg/cm
上昇する。この圧力上昇により燃料調節弁10が開き、
ガスタービン発電機出力OPが増加し、約60秒でほぼ
100%の12.5MWに到達するが、その後ガス化炉
1での生成ガス発熱量の変動による影響が現れてややオ
ーバーシュートした後約100秒後に整定する。 【0025】以上のように本制御方式は、ガス化炉入力
から先に制御を行うことからガス化炉1とガスタービン
3の間にある容量の大きなガス精製設備2のため、発電
機出力の負荷応答が遅れる傾向となる上、燃料ガス圧力
の変動が比較的大きくでることがわかった。 【0026】ガス化炉においては、スラグ排出を安定に
保つこととガス化炉1の寿命の点から、コンバスタ温度
は、一定に保つことが望ましい。ところが、負荷変動時
には一時的に給炭量CFと空気量AFの不均衡のため温
度が上昇する傾向がみられ、また整定後も負荷帯による
整定値の変化によりコンバスタ温度は変化する。これを
押さえるためには、ガス化炉1の静特性を十分考慮した
上で給炭量CF、空気供給量AFおよびチャー供給量を
制御する必要がある。 【0027】2)ガスタービンリード制御による負荷変
化応答 次に図7に示すガスタービンリード制御による負荷変動
性を調べた。図8に負荷指令MWDを88%から100
%に12%ステップ状に増加させた場合の応答を示す。
ここでもガス化炉リードと同様に負荷偏差を燃料調節弁
10にフィードバックするPIゲインおよび圧力偏差x
を給炭量指令CF,AFにフィードバックするPIゲイ
ンは100%負荷時の最適値を選んだ。 【0028】MWDの増加による負荷偏差のフィードバ
ックによりガスタービン燃料調節弁10が開き、ガスタ
ービン発電機出力OPが増加し、約20秒で100%負
荷に到着する。この出力の立ち上がりは燃料調節弁10
の開閉速度と一致する。(半開から全開まで5秒)それ
にともなって燃料ガス圧力が約15秒に0.3kg/c
低下する。この圧力偏差xによりガス化炉1の給
炭量CFと空気量AFを増加させるので生成ガス流量
は、緩やかに増加して約30秒後に最大となる。この場
合は、給炭量、空気量をともに立ち上がり緩やかである
ため生成ガス発熱量の変動も少なくガスタービン発電機
出力OPへの影響は少ない。 【0029】以上のように本制御方式は、ガスタービン
入力から先に制御行うために発電機出力OPの負荷応答
は極めて速い。ガス化炉1の生成ガス量はやや遅れて増
加するが、本発電設備の容量、配管の容量が大きく、加
圧系のために蓄えられている燃料ガス量が多いために、
一時的な負荷変動要求に対してはガス化炉の運転不安定
を生じることなく十分に対応できることがわかる。 【0030】よって、12%程度の負荷変化に対しては
ガス化炉リード制御よりもガスタービンリード制御の方
が制御性に優れると言える。 【0031】3)ガス化炉−ガスタービン協調制御によ
る負荷変動性 次に図3に示すガス化炉−ガスタービン協調制御による
負荷変動性を調べた。図4に負荷指令MWDを88%か
ら100%に12%ステップ状に増加させた場合の応答
を示す。ここではガスタービンリード制御をベースに
し、負荷偏差を燃料調節弁10にフィードバックするP
Iゲインは、ガスタービン制御の100%負荷時の最適
値を選び、負荷偏差を給炭量指令CF,AFにフィード
バックするPIゲインはガス化炉リード制御の100%
負荷時の1/5の値を使った。 【0032】負荷指令の増加による負荷偏差のフィード
バックによりガスタービンリード制御と同様にガスター
ビン燃料調節弁10が開き、ガスタービン発電機出力O
Pが増加し、約20秒で100%負荷に到着する。それ
とともに、負荷偏差はガス化炉1側にもフィードバック
されるためガス化炉1の給炭量CFと空気量AFはガス
タービンリード制御の場合よりも速く増加し、生成ガス
流量は速やかに増加して約20秒後に最大となる。 【0033】以上のように本制御方式は、負荷偏差をガ
スタービン入力とガス化炉入力に重みをつけて同時にフ
ィードバックするため、システムの圧力変動が打ち消さ
れるとともに、負荷変動性もガスタービンリード制御と
比較してやや改善される。 【0034】4)負荷フィードフォワード協調制御によ
る負荷変化応答 図1に示す負荷フィードフォワード協調制御による負荷
変動性を調べた。図2に負荷指令MWDを88%から1
00%に12%ステップ状に増加させた場合の応答を示
す。ここでは、ガスタービンリード制御のPIゲインは
100%負荷時の最適値を選び、圧力偏差xをガス化炉
入力にフィードバックするPIゲインは前方式と同じく
ガス化炉リード制御の100%負荷時の最適値の1/5
の値を使った。 【0035】負荷指令MWDの増加により、ガス化炉側
には次の定常入力である100%入力値がフィードフォ
ワード信号FSとして与えられるので、前方式同様にガ
ス化炉1の生成ガス流量は速やかに増加する。生成ガス
流量の応答は、圧力偏差フィードバックを基本とする前
方式に比べてより安定して応答を示している。 【0036】本制御方式はあらかじめ計算した負荷に対
する定常値をガス化炉1にフィードフォワードする一種
の予測制御となっており、負荷帯によるシステムの動特
性の差異、炭種によるシステムの動特性の差異等による
適応性の高い制御方式であると考えられる。ガス化炉に
対する給炭量設定値(CFD)は、熱効率解析手法によ
る熱物質収支式を逆に解くことにより数式5及び数式6
のように求めることができる。 【0037】 【数5】 【数6】 また、これら数式5,6から、GCLを求める数式7が
得られる。ただし、単位をkgとkJにしている関係で
不要な換算係数は削除されている。 【数7】 数式7で求めたガス化炉への給炭量GCLから、ガス化
炉への空気供給量GARが求められる。すなわち、空気
供給量GARと給炭量GCLの比kABC及びこの給炭
量GCLから、 【数8】 GAR=GCL・kABC として空気供給量GARが求まる。 【0038】以上のように構成された制御方式を比較す
ると次のような特性上の際が得られた。 【0039】ガス化炉リード制御方式は、負荷偏差によ
りガス化炉1側の生成ガス量をまず変化させるが、ガス
精製設備2の蓄積効果により燃料ガスがガスタービンへ
到達するのが遅れ、結果として圧力変動が大きく、負荷
変動性のあまり良好でない応答を示す。 【0040】それに対して、ガスタービンリード制御方
式は、負荷偏差によりガスタービン3側の消費ガス量を
変化させるのでガス精製設備2に蓄積された生成ガスを
一時的に使い、負荷変動性に優れた応答を示す。ただ
し、ガス化炉1側の入力は系の偏差のフィードバック信
号であるため、系内の圧力変動は完全に制御することは
できない。 【0041】ガス化炉−ガスタービン協調制御方式は、
ガス化炉リード制御方式とガスタービンリード制御方式
を組み合わせたもので、それぞれのゲインを適切に設定
することにより圧力変動をお互いに打ち消し合うことで
圧力変動の極めて少ない優れた負荷変動性が得られる。
ただし、この協調制御方式ではフィードバック制御を基
本とするためにある程度の圧力偏差が生じることは避け
られず、炉内温度や生成ガス発熱量等の変動も大きい。 【0042】これらに対し、負荷フィードフォワード制
御はガスタービンリード制御方式にガス化炉入力を負荷
によってシステムの熱・物質収支式より計算し、フィー
ドフォワード信号を加えるので、負荷変動性は前者とほ
ぼ同等の効果を有する上に、あらかじめ負荷に対するガ
ス化炉の入力を計算するために負荷帯、炭種、その他の
変化に対しても適応性の高い制御方式と言える。 【0043】 【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
は、負荷変動を要求する負荷指令(MWD)があると、
この負荷指令とガスタービン発電機出力との偏差で直接
ガスタービンに供給する燃料ガス流量が増減され、ガス
タービンの運転が直ちに変更されると同時に負荷指令に
基づいて、要求負荷に対するガス化炉の入力即ち給炭量
と空気供給量とをシステムの熱・物質収支式より計算し
て先行信号(フィードフォワード信号)としてガス化炉
側に与え、ガスタービンへの燃料ガス供給量の増減に必
要とする分を速やかにガス化炉で生成させる予測制御を
行う。このため、負荷指令に基づいて直接ガスタービン
をフィードバック制御する際に必要とされる燃料ガス供
給を予測してガス化炉を制御し、生成ガスの生成量を増
減させるため系内の圧力変動を小さく抑えることがで
き、ガスタービン用コンバスターの燃焼変動が速やかに
安定し、安全に運転できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明にかかる石炭ガス化複合発電システムの
運転制御方法の一実施例を示す概念図である。 【図2】図1の運転制御方法の負荷変動性特性図であ
る。 【図3】ガス化炉−ガスタービン協調運転制御方式の概
念図である。 【図4】図3の制御方式の負荷変動性特性図である。 【図5】ガス化炉リード運転制御方式の概念図である。 【図6】図5の制御方式の負荷変動性特性図である。 【図7】ガスタービンリード運転制御方式の概念図であ
る。 【図8】図7の制御方式の負荷変動性特性図である。 【図9】石炭ガス化複合発電システムの構成図である。 【符号の説明】 1 ガス化炉 2 ガス精製設備 3 ガスタービン 4 排熱回収蒸気系(蒸気タービン) 5 複合発電設備 OP ガスタービン発電機出力 MWD 負荷指令信号 FS フィードフォワード信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02C 9/48 C10J 3/46 F02C 3/28 F01K 23/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ガス化炉と、ガス精製設備と、ガスター
    ビン及び排熱回収蒸気系を含む複合発電設備とで構成さ
    れる石炭ガス化複合発電システムにおいて、前記ガスタ
    ービン発電機の出力と負荷指令信号との偏差で前記ガス
    タービンをフィードバック制御する一方、要求される負
    荷を実現する前記ガス化炉への給炭量と空気供給量と
    を、 【数1】 ただし、GCL: ガス化炉への給炭量(kg/秒) PGT: 要求されるガスタービン負荷(kW) χ : ガス化部分燃焼率 εGC: ガス化未燃炭素損失率 γ: ガス化熱回収率 εGR: ガス化熱損失率 εDO: ガス精製熱損失率 εCO: ガス精製反応熱損失率 ηMGT ガスタービン熱効率 QH : 石炭高位発熱量(kJ/kg) 【数2】 GAR=GCL・kABC ただし、GAR: ガス化炉への空気供給量(kg/秒) GCL: ガス化炉への給炭量(kg/秒) kABC : ガス化炉空気/石炭比 で示されるシステムの熱・物質収支より求めて先行信号
    として前記ガス化炉に与え、前記ガスタービンへの燃料
    ガス供給量の増減に必要とする分のガスを生成すると共
    に系内の圧力変動を抑えるための予測制御を行うことを
    特徴とする石炭ガス化複合発電システムの運転制御方
    法。
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