JP2000248379A - 非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板

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JP2000248379A JP37552399A JP37552399A JP2000248379A JP 2000248379 A JP2000248379 A JP 2000248379A JP 37552399 A JP37552399 A JP 37552399A JP 37552399 A JP37552399 A JP 37552399A JP 2000248379 A JP2000248379 A JP 2000248379A
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Katsuyoshi Yamazoe
勝芳 山添
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 6価クロムを含有せず、耐食性に優れ、下層
への密着性に優れ、且つめっきの黒変性の改善された非
クロム型処理亜鉛系めっき鋼板を提供する。 【解決手段】 亜鉛系めっき鋼板上に、(1)ニッケ
ル、コバルト、鉄及び鉛の硫酸塩及び硝酸塩から選ばれ
る1種又は2種以上を含有する水溶液を塗布乾燥するこ
とにより形成した下地皮膜を有し、更にこの皮膜上に、
(2)(a)有機樹脂とチオカルボニル基含有化合物と
を含む0.1〜5μmの上層皮膜、又は(b)有機樹脂
とバナジウム酸化合物とを含む0.1〜5μmの上層皮
膜のいずれかを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電用、建材用、
自動車用等に用いられる、6価クロムを含有しない、耐
食性に優れた非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛合金めっき
鋼板は、海水等の塩分を含む雰囲気又は高温多湿の雰囲
気では、表面に白錆が発生して外観を著しく損ねたり、
素地鉄面に対する防錆力が低下したりする。
【0003】白錆の防止には、従来よりクロメート系の
防錆処理剤が利用されており、例えば特開平3−131
370号公報には、オレフィン−α,β−エチレン性不
飽和カルボン酸共重合体樹脂ディスパージョンに水分散
性クロム化合物と水分散性シリカを含有させた樹脂系処
理剤が記載されている。
【0004】このようなクロメート系処理剤による皮膜
は、既知の処理剤の中で耐食性が最も良好なものとして
認識されている。とは言え、クロメート処理による皮膜
は有害元素であることが知られている6価クロムを含有
しており、そのため6価クロムを含有しない表面処理鋼
板への要求が高まっている。
【0005】有害なクロムを含まないノンクロム防錆処
理剤が、特開平8−239776号公報、特開平8−6
7834号公報に記載されており、これらでは硫化物や
イオウを用いている。しかし、イオウはもちろん硫化物
の中には特有な臭気を放つものがあり、これらの処理剤
の取扱いは必ずしも容易でなかった。
【0006】イオウ原子を含むが臭気性も毒性もないト
リアジンチオール化合物を用いた処理剤も提案されてお
り、例えば特開昭53−31737号公報には、ジチオ
ール−S−トリアジン誘導体を添加した水溶性防食塗料
が開示されている。ところが、この水溶性防食塗料は、
軟鋼、銅、真ちゅうなどの防食を目的としており、特に
基材が銅や真ちゅうの場合により密着しやすいように調
製されている。従って、亜鉛等の金属表面に対する防錆
剤としては不十分である。
【0007】特開昭61−223062号公報には、チ
オカルボニル基含有化合物と、水に難溶又は不溶性の有
機化合物を混合して得られる金属との反応性エマルショ
ンが記載されている。しかし、このエマルションも、
銅、ニッケル、スズ、コバルト、アルミニウム等及びそ
れらの合金と反応するものであり、亜鉛等の金属表面に
対する防錆剤としてはやはり不十分である。
【0008】本願の出願人らは、特願平9−2557号
でもって、亜鉛系めっき鋼板の防錆にも有効なトリアジ
ンチオール含有防錆コーティング剤を開示した。しか
し、トリアジンチオールは高価な化合物であり、そのた
めもっと安価な防錆処理剤が利用できることは有益なこ
とである。
【0009】クロムを含有せず、トリアジンチオールも
使用しない、亜鉛又は亜鉛合金の表面処理方法として、
特開昭54−71734号公報及び特開平3−2265
84号公報に記載されているものがある。特開昭54−
71734号公報に記載の処理法は、ミオイノシトール
の2〜6個の結合りん酸エステル又はその塩類を0.5
〜100g/lと、チタン弗化物及びジルコニウム弗化
物のうちの少なくとも一方を金属換算で0.5〜30g
/lと、チオ尿素又はその誘導体1〜50g/lとを含
有する水溶液で、亜鉛又は亜鉛合金を表面処理するもの
である。この方法は、亜鉛表面に保護層としての不動態
皮膜を形成するためにチタン弗化物又はジルコニウム弗
化物を必要としている。特開平3−226584号公報
では、Ni2+とCo2+の一方又は両方を0.02g/l
以上と、アンモニア及び1級アミン基を有する化合物の
うちの少なくとも1種とを含有しているpH5〜10の
水溶液である表面処理剤が使用されている。この処理剤
は、塗装密着性及び塗装後の耐食性をコバルト又はニッ
ケルの析出によって付与するため、Ni2+とCo2+の一
方又は両方を必要としている。これらの金属イオンを含
有する処理剤は、廃水処理時の負荷が大きくなる等の不
都合があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、クロムを
含まないこれまでの防錆剤は、耐食性の点でクロム含有
防錆剤に及ばず、そのほかにも上述のように不都合な点
があった。そこで、クロム含有防錆剤に取って代わり、
しかも上述の不都合のない新しい防錆剤の開発が強く望
まれていた。
【0011】このような要望を満たすための新しい技術
として、本願の出願人らは、水性樹脂、チオカルボニル
基含有化合物及びリン酸イオンを含み、且つ任意に微粒
シリカを含む防錆コーティング(特願平10−0362
64号)を開発した。また、水性樹脂、チオカルボニル
基含有化合物及び微粒シリカを含有し、リン酸イオンを
含まない防錆コーティング(特願平10−036265
号)を開発した。更に、水性樹脂とバナジウム酸化合物
とを含み、且つ任意に、チオカルボニル基含有化合物、
リン酸イオン及び微粒シリカのうちの少なくとも1種を
更に含む防錆コーティングを開発した(特願平10−0
36267号)。
【0012】これらの新しい防錆コーティング剤は、ク
ロムを含まず、且つ耐食性に優れているので、従来のク
ロメート系処理剤に代わって亜鉛めっき又は亜鉛合金め
っき鋼板の防錆剤としての利用が期待される。そしてこ
れらの新しい防錆コーティング剤をより一層実用的なも
のとする上で、コーティング剤により形成した皮膜の下
層への密着性を高めること、そして亜鉛又は亜鉛合金め
っきの黒変性を改善することが非常に有益である。
【0013】本発明は、これらに鑑みて、上述の新しい
防錆コーティング剤による皮膜を備え、この皮膜の下層
への密着性に優れ且つめっきの黒変性の改善された非ク
ロム型処理亜鉛系めっき鋼板を提供しようというもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の非クロム型処理
亜鉛系めっき鋼板は、一つの側面において、亜鉛めっき
鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板の上に、ニッケル、コバル
ト、鉄及び鉛の硫酸塩及び硝酸塩から選ばれる1種又は
2種以上を含有する水溶液を塗布焼付することによって
形成させた、金属に換算して0.5〜100mg/m2
下地皮膜を有し、その上に、上層皮膜として、固形分と
して有機樹脂100重量部とチオカルボニル基含有化合
物0.1〜50重量部を含み、厚さが0.1〜5μmの
皮膜を有することを特徴とする。
【0015】上記の非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板に
おいて、前記上層皮膜は、固形分としてりん酸化合物
0.01〜20重量部(PO4 として)及び微粒シリカ
1〜500重量部のうち少なくとも1種を更に含むこと
ができる。
【0016】もう一つの側面において、本発明の非クロ
ム型処理亜鉛系めっき鋼板は、亜鉛めっき鋼板又は亜鉛
合金めっき鋼板の上に、ニッケル、コバルト、鉄及び鉛
の硫酸塩及び硝酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含
有する水溶液を塗布焼付することによって形成させた、
金属に換算して0.5〜100mg/m2 の下地皮膜を有
し、その上に、上層皮膜として、固形分として有機樹脂
100重量部とバナジウム酸化合物0.1〜20重量部
を含み、厚さが0.1〜5μmの皮膜を有することを特
徴とする。
【0017】この非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板にお
いては、前記上層皮膜は、固形分としてチオカルボニル
基含有化合物0.1〜50重量部、りん酸化合物0.0
1〜20重量部(PO4 として)及び微粒シリカ1〜5
00重量部のうち少なくとも1種を更に含むことができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で下地として使用するの
は、表面に亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきを施した鋼板
である。なお、ここでは、亜鉛めっきと亜鉛合金めっき
を総称して「亜鉛系めっき」と称する。
【0019】この鋼板には、下層皮膜を形成する前に、
表面の調整を行うことができる。下地めっき鋼板の表面
調整は、アルカリ又は酸での洗浄、電析等の、通常の方
法で行うことができる。
【0020】本発明の下地皮膜は、ニッケル、コバル
ト、鉄及び鉛の1種又は2種以上の金属イオンを含む水
溶液でフラッシュ処理することによって、前記金属イオ
ンを金属または酸化物の形態でめっき面に析出させるこ
とを特徴としている。この下地皮膜は、上層皮膜との密
着性を飛躍的に向上させ、ひいては耐食性、耐黒変性を
も向上させる。上層皮膜との密着性を向上せしめる機構
については、まだ不明瞭であるが、めっき面に析出した
前記金属又は前記金属の酸化物がめっき表面を活性化さ
せるために、上層皮膜中に存在しているチオカルボニル
基含有化合物、リン酸化合物、バナジウム酸化合物のめ
っき表面への吸着効率が増大するためであると考えられ
る。
【0021】本発明の下地皮膜の形成に用いる水溶液
(処理液)は、ニッケル、コバルト、鉄及び鉛の1種又
は2種以上の金属イオンを含有しなければならない。こ
れらの金属イオンを処理液中に供給させるためには硫酸
塩あるいは硫酸塩を用いる必要があり、塩化物は耐食性
を低下させるので好ましくない。また、処理液中には、
必要に応じてグルコン酸、ヘプトグルコン酸、これらの
塩であるグルコン酸ナトリウム、ヘプトグルコン酸ナト
リウムなどの錯化剤を処理液安定化のため含有させても
よい。処理方法は、処理液を被処理物にスプレーした
り、あるいは被処理物を処理液に浸漬後ロール絞り、浸
漬後エアーナイフ絞りしたりする方法、又はロールコー
ト等の公知の塗布方法によって処理液を亜鉛めっきに付
着させるものであり、このようにして処理液を塗布、付
着させた後に、水洗することなく乾燥してもよいし、コ
ンタミ成分の除去を目的に、水洗工程を経て、乾燥して
もよい。乾燥条件については特定するものではないが、
乾燥は付着水が蒸発すればよい程度であって通常40〜
100℃の板温で行われる。本発明の下地処理によって
めっき表面に付着させる付着量の範囲は金属換算で0.
5〜100mg/m2 である。0.5mg/m2 未満では十
分な上層皮膜との密着性が得られず、100mg/m2
超えても上層皮膜との密着性向上は望めず、経済的に不
利益である。
【0022】本発明の非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板
は、下地皮膜の上の上層皮膜として有機樹脂をベースす
る皮膜を有する。この有機樹脂は、水中に水性樹脂と上
層皮膜のその他の成分とを含む組成物を塗布後に乾燥し
て得られるものである。ここでの水性樹脂とは、水溶性
樹脂のほか、本来不水溶性でありながらエマルジョンや
サスペンジョンのように不溶性樹脂が水中に微分散され
た状態になり得るもの(水分散性樹脂)を含めていう。
【0023】本発明において水性樹脂として使用できる
樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリ
ルオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、
その他の加熱硬化型の樹脂などを例示でき、架橋可能な
樹脂であることがより好ましい。特に好ましい樹脂は、
アクリルオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及び
両者の混合樹脂である。水性樹脂は2種類以上を混合し
てあるいは共重合して使用してもよい。
【0024】上層皮膜で用いられるチオカルボニル基含
有化合物は、硫化物であって、金属表面に吸着し易く、
また酸化力も優れているので、金属表面を不動態化し
て、防錆効果を奏する。特に、チオカルボニル基含有化
合物におけるチオール基のイオンは、金属表面の活性な
サイトに吸着されて防錆効果を発揮すると考えられる。
【0025】また、チオカルボニル基含有化合物は、樹
脂皮膜の架橋促進剤として作用し、樹脂皮膜のミクロポ
アを少なくして、水や塩素イオンなどの有害イオンを効
率よく遮断する効果も有し、これも防錆効果に寄与する
と考えられる。
【0026】本発明においてチオカルボニル基含有化合
物とは、下式で表されるチオカルボニル基
【0027】
【化1】
【0028】を有する化合物をいう。代表的には、
【化2】
【0029】で表されるチオ尿素及びその誘導体、例え
ば、メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素、エチルチオ尿
素、ジエチルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、チオペン
タール、チオカルバジド、チオカルバゾン類、チオシア
ヌル酸類、チオヒダントイン、2−チオウラミル、3−
チオウラゾールなどや、下式
【0030】
【化3】
【0031】で表されるチオアミド化合物(式中のRは
例えば、H、CH3 、C2 5 、C65 、C8 5
5 3 SOなどを表す)、例えば、チオホルムアミ
ド、チオアセトアミド、チオプロピオンアミド、チオベ
ンズアミド、チオカルボスチリル、チオサッカリンなど
や、下式
【0032】
【化4】
【0033】で表されるチオアルデヒド化合物(式中の
Rは例えば、H、CH3 などを表す)、例えば、チオホ
ルムアルデヒド、チオアセトアルデヒドなどや、下式
【0034】
【化5】
【0035】で表されるカルボチオ酸類(式中のRは例
えば、CH3 、C6 5 などを表す)、例えば、チオ酢
酸、チオ安息香酸、ジチオ酢酸などや、下式
【0036】
【化6】
【0037】で表されるチオ炭酸類や、その他の式
(1)の構造を有する化合物、例えば、チオクマゾン、
チオクモチアゾン、チオニンブルーJ、チオピロン、チ
オピリン、チオベンゾフェノンなど、が例示される。
【0038】上層皮膜にチオカルボニル基含有化合物が
含まれる場合、その含有量は、固形分として、有機樹脂
100重量部に対して0.1〜50重量部がよい。チオ
カルボニル基含有化合物の含有量が0.1重量部より少
ないと、上述の効果が目立たなくなり、50重量部より
多いと、それに伴う経費の上昇に見合うだけの効果が期
待できなくなる。
【0039】本発明における上層皮膜が必須成分として
チオカルボニル基含有化合物を含む場合には、更にりん
酸化合物を含むことにより、その防錆効果が著しく向上
する。先に述べたように、チオカルボニル基含有化合物
は金属表面の活性なサイトに吸着されて防錆効果を発揮
するが、金属表面の不活性なサイトにはりん酸が作用し
て活性な表面を形成し、そこにチオカルボニル基含有化
合物が吸着されるので、金属表面全体に防錆効果が発揮
され、防錆効果が向上するものと考えられる。また、り
ん酸化合物も樹脂皮膜の架橋促進剤として作用し、樹脂
皮膜のミクロポアを少なくして、水や塩素イオンなどの
有害イオンを効率よく遮断する効果を有し、これも防錆
効果に寄与すると考えられる。そのため、りん酸化合物
は、上層皮膜が必須成分としてチオカルボニル基含有化
合物ではなくバナジウム酸化合物を含む場合にも、任意
成分として上層皮膜に含ませることができる。
【0040】りん酸化合物としては、りん酸イオンを含
む化合物であればよいが、例えば、りん酸アンモニウ
ム、りん酸ナトリウム、りん酸カリウムなどを使用する
ことができる。
【0041】りん酸化合物の含有量は、有機樹脂100
重量部に対して、りん酸イオンとして0.01〜20重
量部の範囲内である。りん酸化合物が0.01重量部未
満では防錆効果が十分に発揮されず、一方20重量部を
超えるとかえって防錆効果が低下したり、コーティング
溶液の状態で樹脂がゲル化したりして不具合が生じるこ
とがある。
【0042】本発明における上層皮膜は、微粒シリカを
含むことができる。上層皮膜が微粒シリカを含む場合、
その防錆作用(耐食性)は著しく促進される。しかも耐
食性に加えて、皮膜形成時の乾燥性、形成した皮膜の耐
擦傷性、密着性も改良できる。
【0043】本発明において微粒シリカとは、微細な粒
径をもつために水中に分散させた場合に安定に水分散状
態を維持でき、半永久的に沈降が認められないような特
性を有するシリカを総称していうものである。上記微粒
シリカとしては、ナトリウムなどの不純物が少なく、弱
アルカリ系のものであれば、特に限定されない。例え
ば、「スノーテックスN」(日産化学工業社製)、「ア
デライトAT−20N」(旭電化工業社製)などの市販
のシリカゲル、または市販のアエロジル粉末シリカなど
を用いることができる。
【0044】上層皮膜に微粒シリカが含まれる場合、そ
の含有量は、有機樹脂100重量部に対して1〜500
重量部であることが好ましい。1重量部未満では添加の
効果が少なく、500重量部以上では耐食性向上の効果
が飽和して不経済であるほか、皮膜が硬くなりすぎ皮膜
割れ、剥離などが発生して耐食性が低下することもあ
る。
【0045】上層皮膜がバナジウム酸化合物を含む場
合、それはクロム酸化合物と同様の防錆作用を奏する。
すなわち、バナジウム酸化合物は、上層皮膜形成用の組
成物の塗布時に鋼板(ここでは下地皮膜)の表面に不動
態皮膜を形成して防錆効果を奏する。更に、バナジウム
酸化合物は金属表面(特に亜鉛めっき表面)に腐食部位
が発生した場合にも、皮膜中に存在するバナジウム酸イ
オンが腐食部位に作用して腐食反応を抑制する効果もあ
るものと考えられる。
【0046】バナジウム酸化合物としては、例えば、バ
ナジウム酸アンモニウム、バナジウム酸ナトリウム、バ
ナジウム酸カリウムなどを用いることができる。
【0047】バナジウム酸化合物の量は、固形分とし
て、有機樹脂50〜100重量部に対して0.1〜20
重量部の範囲内がよい。0.1重量部より少ないと防錆
効果が十分でなく、20重量部より多くても防錆効果は
飽和して不経済になる。
【0048】バナジウム酸化合物を微粒シリカと併用す
ると、バナジウム酸化合物が微粒シリカの表面に吸着し
て、相乗的に防錆効果が奏せられる。この意味で、微粒
シリカがアンモニウム吸着型や酸化アルミニウム被覆型
の場合には、吸着し易いので防錆効果が向上して好適で
ある。
【0049】本発明における上層皮膜は、上記の成分以
外の成分を含むこともできる。例えば、顔料、界面活性
剤などを挙げることができる。また、有機樹脂とシリカ
粒子、顔料との親和性を向上させ、更に有機樹脂と下地
皮膜との密着性などを向上させるためにシランカップリ
ング剤もしくはその加水分解縮合物又はそれらの両方を
配合してもよい。ここでの「シランカップリング剤の加
水分解縮合物」とは、シランカップリング剤を原料と
し、加水分解重合させたシランカップリング剤のオリゴ
マーのことをいう。
【0050】このような顔料としては、例えば、酸化チ
タン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニ
ウム(ZrO2 )、炭化カルシウム(CaCO3 )、硫
酸バリウム(BaSO4 )、アルミナ(Al2 3 )、
カオリンクレー、カーボンブラック、酸化鉄(Fe2
3 、Fe3 4 )などの無機顔料や、有機顔料などの各
種着色顔料などを用いることができる。
【0051】本発明で使用できる上記のシランカップリ
ング剤としては特に制限はないが、好ましいものとして
は、例えば以下のものを挙げることができる:ビニルメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−
(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,
N′−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エ
チレンジアミン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン。
【0052】特に好ましいシランカップリング剤は、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)
−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N,N′−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル〕エチレンジアミンである。これらシランカップリン
グ剤は1種類を単独で使用してもよいし、または2種類
以上を併用してもよい。
【0053】本発明では、上記シラン化合物は、固形分
として、有機樹脂100重量部に対して、0.01〜2
0重量部であることが好ましい。シラン化合物の添加量
が0.01重量部未満になると添加効果の低下が認めら
れ、耐食性、上塗り塗装密着性向上効果が不足し、20
重量部を超えるとコーティング溶液の状態で樹脂がゲル
化したりして不具合が生じることがある。
【0054】上層皮膜を形成するには、水中に所定の成
分を含むコーティング剤組成物を調製し、予め本発明の
下層皮膜を形成した亜鉛めっき鋼板に塗布し、塗膜を加
熱、乾燥する。コーティング剤組成物は、任意の濃度で
調製して差し支えない。一般には、固形分(水以外の成
分)を1〜80重量部、水を99〜20重量部含有する
コーティング剤組成物が、塗布とその後の加熱・乾燥の
観点から好ましい。塗膜の加熱により、硬化性樹脂の場
合は樹脂を硬化させ、架橋性樹脂の場合は樹脂を架橋さ
せる。塗膜の加熱・乾燥は、コーティング剤を塗布した
亜鉛めっき鋼板を熱風で加熱して乾燥させるほか、加熱
した鋼板にコーティング剤を塗布して乾燥させてもよ
い。加熱温度としては、50〜250℃がよい。50℃
未満では水分の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られな
いので、防錆力が不足する。一方250℃を超えると、
有機樹脂の熱分解などが生じるので、SST性、耐水性
が低下し、また外観も黄変する問題がある。70〜20
0℃がより好ましい。熱風乾燥では1秒〜5分間の乾燥
時間が好ましい。また、加熱・乾燥後の冷却は水冷、空
冷、自然冷却等の公知の方法、又はこれらを組み合わせ
た方法で行えばよい。
【0055】上層皮膜(コーティング膜)の膜厚(乾
燥)は、0.1μm 以上が好適である。0.1μm 未満
では、防錆力(耐食性)が不足する。一方膜厚が厚くな
ると、防錆力(耐食性)にそれ以上の向上がそれほど認
められなくなり、不経済である。そこで、膜厚は5μm
を上限とするのが適当である。
【0056】コーティング剤の塗布方法は、特に限定さ
れず、一般に使用されるエアナイフ、カーテンコート、
ロールコート、エアースプレー、エアーレススプレー、
浸漬などが採用できる。
【0057】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に説明する。
【0058】めっき付着量が片面当たり20g/m2
板厚0.8mmの電気亜鉛めっき鋼板を素材とし、表1〜
4に示す組成の表面処理剤をロールコーターで塗布し、
熱風乾燥炉で乾燥した。ただし、実施例87、88は塗
布後、水冷し、乾燥した。こうして形成した下地皮膜の
付着量(金属換算)と乾燥条件(焼付板温)は表1〜4
に示した。
【0059】続いて、表5〜8に示す組成の表面処理剤
をやはりロールコーターで塗布し、熱風乾燥炉で乾燥し
た。形成した上層防錆皮膜の厚み(μm)と乾燥条件
(焼付板温)は表5〜8中に示した。また、めっき付着
量が片面当たり60g/m2 の板厚0.8mmの溶融亜鉛
めっき鋼板、めっき付着量が片面当たり40g/m2
板厚0.8mmの合金化溶融亜鉛めっき鋼板、めっき付着
量が片面当たり20g/m2 の板厚0.8mmの亜鉛−ニ
ッケル合金めっき鋼板(ニッケル含有率11重量%)を
原板とした表面処理鋼板も同じ方法で評価した。表1〜
4中、EGは電気亜鉛めっき鋼板、GIは溶融亜鉛めっ
き鋼板、GAは合金化溶融亜鉛めっき鋼板、ZNは亜鉛
−ニッケル合金めっき鋼板である。
【0060】表1〜8中に示した下層、上層皮膜の各成
分は以下の通りである。 1.樹脂成分 オレフィン系:「ハイテックS−7024」(東邦化学
社製) ウレタン系:「ボンタイターHUX−320」(旭電化
社製) アクリル系:「AP−1058(12)」(東亜合成社
製) エポキシ系:「ポリゾール8500」(昭和高分子社
製) ポリエステル系:「ペスレジンA−124G」(高松油
脂社製) ウレタンオレフィン系:上記のオレフィン系とウレタン
系を固形分換算で1:1になるように混合したもの 2.コロイダルシリカ ST−N:「スノーテックスN」(日産化学工業社製) ST−S:「スノーテックスS」(日産化学工業社製) ST−C:「スノーテックスC」(日産化学工業社製) AT−20N:「アデライトAT−20N」(旭電化工
業社製) 3.りん酸イオン りん酸アンモニウムをりん酸イオン濃度が表5〜8中の
重量部になるように処理剤に溶かした。 4.シラン化合物 A:γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン「K
BE−403」(信越化学社製) B:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン「K
BM−403」(信越化学社製) C:ビニルトリメトキシシラン「KBM−1003」
(信越化学社製) D:N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン「KBE−603」(信越化学社製) E:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン「KB
M−803」(信越化学社製)
【0061】作製した表面処理鋼板について、以下の評
価を行った。表9〜12に評価結果を示す。 1.仕上がり外観 目視による処理膜の外観を判定し、評点を付けた。評点
は、5は均一、4は極く僅かにムラがあり、3は部分的
にムラがあり、2は全体的にムラがあり、1は全面にム
ラがひどい、とした。
【0062】2.上層防錆皮膜の密着性 平板密着性はJIS K 5400の8.5.2に記載
の碁盤目テープ法(すきま間隔1mm)によって判定し、
以下に示した基準によって評点付けした。 10点:剥離なし 9点:3%以下の剥離面積 8点:3%超5%以下の剥離面積 7点:5%超8%以下の剥離面積 6点:8%超10%以下の剥離面積 5点:10%超15%以下の剥離面積 4点:15%超30%以下の剥離面積 3点:30%超50%以下の剥離面積 2点:50%超75%以下の剥離面積 1点:75%超の剥離面積
【0063】加工部密着性は、JIS K 5400の
8.2に規定されるエリクセン試験機で押し出して、押
し出した部分をテープ剥離して皮膜の剥離を目視によっ
て判定し、以下の基準によって評点付けした。 10点:エリクセン10mm押し出しで皮膜の剥離なし 9点:エリクセン9mm押し出しで皮膜の剥離なし 8点:エリクセン8mm押し出しで皮膜の剥離なし 7点:エリクセン7mm押し出しで皮膜の剥離なし 6点:エリクセン6mm押し出しで皮膜の剥離なし 5点:エリクセン5mm押し出しで皮膜の剥離なし 4点:エリクセン4mm押し出しで皮膜の剥離なし 3点:エリクセン3mm押し出しで皮膜の剥離なし 2点:エリクセン2mm押し出しで皮膜の剥離なし 1点:エリクセン1mm押し出しで皮膜の剥離なし
【0064】なお、目視によって判定しにくい場合に
は、メチルバイオレットの0.1%アセトン溶液で皮膜
を染色し、染色された部分には皮膜が存在し、染色され
ない部分には皮膜が存在しない、として皮膜の密着性を
判定した。処理膜の外観評価についても同様である。
【0065】3.上塗り塗膜密着性 上層皮膜を形成した表面処理鋼板に、メラミンアルキッ
ド塗料であるオルガセレクト100(日本ペイント社
製)を乾燥皮膜25μmとなるようにスプレーで塗布し
て150℃で20分熱風炉で乾燥焼付後、密着性(一次
密着性)を評価した。平板密着性の評価は、JIS K
5400の8.5.2に記載の碁盤目テープ法(すき
ま間隔1mm)によって判定した。加工部密着性は、JI
S K 5400の8.2に規定されるエリクセン試験
機で7mm押し出して、押し出した部分をテープ剥離して
皮膜の剥離を目視によって判定した。以下の基準によっ
て評点付けした。 10点:剥離なし 9点:3%以下の剥離面積 8点:3%超5%以下の剥離面積 7点:5%超8%以下の剥離面積 6点:8%超10%以下の剥離面積 5点:10%超15%以下の剥離面積 4点:15%超30%以下の剥離面積 3点:30%超50%以下の剥離面積 2点:50%超75%以下の剥離面積 1点:75%超の剥離面積
【0066】また、二次密着性として表面処理鋼板を沸
騰水に30分浸漬し24時間放置した後に、上述の方法
でオルガセレクト100を塗装した後の塗膜の密着性を
調べた。
【0067】4.耐指紋性 表面処理鋼板の皮膜に指紋を付着させ、指紋の見え易さ
を目視で判定し、評点を付けた。評点は、5は指紋跡が
見えない、4は極く僅かに指紋跡が見える、3は指紋跡
が見える、2は指紋跡が目立つ、1は指紋跡が非常に目
立つ、とした。
【0068】5.耐エタノール性 プレス油をガーゼにしみこませて表面処理鋼板の皮膜上
に塗布し、この油をエタノールをしみこませたガーゼで
拭き取り、皮膜の跡残りを目視で判定して評点を付け
た。油汚れ等をきれいにするために、エタノールでふき
取る作業が行われることがあり、このときに皮膜が損傷
を受けないかどうかを評価するための試験である。評点
は、5は跡残りなし、4は極く僅かに跡残りあり、3は
跡残りがある、2は跡残りが目立つ、1は跡残りが非常
に目立つ、とした。
【0069】6.耐食性(SST) 平板(切断したままの鋼板の端面部と裏面をシール)
と、エリクセン7mm加工部(エリクセンで7mm押し出し
た鋼板の端面部と裏面をシール)について、塩水噴霧試
験(JIS Z 2371に規定されるもの)を行っ
た。評価基準は下記のものとした。 10点:異常なし 9点:10点と8点の間 8点:僅かに白錆発生 7〜6点:8点と5点の間 5点:面積の半分に白錆発生 4〜2点:5点と1点の間 1点:全面に白錆発生 7.耐黒変性 平板(切断したままの鋼板)について、温度70℃、湿
度80%の雰囲気下に5日間放置後の外観を目視で評価
した。評価基準は、下記のものとした。 ◎:黒変無し ○:やや黒っぽい △:黒変小 ×:黒変大
【0070】実施例においては、上層皮膜の厚みの薄い
実施例1、上層皮膜のシリカの添加がない実施例34、
67がやや耐食性が劣るが、実用に耐えうるものであ
る。原板のめっきを変更した例においても、本発明によ
れば、耐食性、上塗り塗膜密着性、耐指紋性、耐エタノ
ール性に優れた表面処理鋼板が得られる。
【0071】これに対し、本発明の範囲にない例とし
て、上層皮膜中のチオ尿素が少ない比較例1では耐食性
が劣り、上層皮膜中のチオ尿素が多い比較例2では密着
性、耐エタノール性、及び耐食性が劣り、上層皮膜中の
りん酸イオンの多い比較例3では密着性、耐エタノール
性、及び耐食性が劣り、上層皮膜中のバナジウム酸アン
モニウムの少ない比較例4では密着性と耐食性が劣り、
上層皮膜中のバナジウム酸アンモニウムの多い比較例5
では密着性、耐エタノール性、及び耐食性が劣り、上層
皮膜中のシリカの多い比較例6では密着性、耐エタノー
ル性、及び耐食性が劣り、上層有機複合皮膜の厚みの薄
い比較例7、8では耐指紋性と耐食性が劣り、下層皮膜
の処理液に塩化物を使用した比較例9では耐食性が劣
り、下層皮膜の付着量が少ない比較例10では密着性、
耐食性が劣り、下層皮膜のない比較例11では密着性と
耐食性が劣る。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【表7】
【0079】
【表8】
【0080】
【表9】
【0081】
【表10】
【0082】
【表11】
【0083】
【表12】
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
有害な6価クロムを含有せず、且つ耐食性に優れ、下層
への密着性に優れ、更にめっきの黒変性の改善された非
クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の利用が可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/02 C09D 201/02 (72)発明者 宮内 優二郎 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 高橋 彰 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 島倉 俊明 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 山添 勝芳 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板
    の上に、ニッケル、コバルト、鉄及び鉛の硫酸塩及び硝
    酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する水溶液を
    塗布焼付することによって形成させた、金属に換算して
    0.5〜100mg/m2 の下地皮膜を有し、その上に、
    上層皮膜として、固形分として有機樹脂100重量部と
    チオカルボニル基含有化合物0.1〜50重量部を含
    み、厚さが0.1〜5μmの皮膜を有することを特徴と
    する非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 前記上層皮膜が、固形分としてりん酸化
    合物0.01〜20重量部(PO4 として)及び微粒シ
    リカ1〜500重量部のうち少なくとも1種を更に含む
    ことを特徴とする、請求項1記載の非クロム型処理亜鉛
    系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板
    の上に、ニッケル、コバルト、鉄及び鉛の硫酸塩及び硝
    酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する水溶液を
    塗布焼付することによって形成させた、金属に換算して
    0.5〜100mg/m2 の下地皮膜を有し、その上に、
    上層皮膜として、固形分として有機樹脂100重量部と
    バナジウム酸化合物0.1〜20重量部を含み、厚さが
    0.1〜5μmの皮膜を有することを特徴とする非クロ
    ム型処理亜鉛系めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 前記上層皮膜が、固形分としてチオカル
    ボニル基含有化合物0.1〜50重量部、りん酸化合物
    0.01〜20重量部(PO4 として)及び微粒シリカ
    1〜500重量部のうち少なくとも1種を更に含むこと
    を特徴とする、請求項3記載の非クロム型処理亜鉛系め
    っき鋼板。
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WO2021060818A1 (ko) * 2019-09-24 2021-04-01 주식회사 포스코 우수한 내흑변성 및 내알칼리성을 부여하는 삼원계 용융아연합금 도금강판용 표면처리 용액 조성물, 이를 이용하여 표면처리된 삼원계 용융아연합금 도금강판 및 그 제조 방법
CN114502673A (zh) * 2019-09-24 2022-05-13 Posco公司 赋予优异的耐黑变性和耐碱性的三元系热浸镀锌合金钢板用表面处理溶液组合物、利用该组合物进行表面处理的三元系热浸镀锌合金钢板及其制造方法

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