JP2000247291A - 耐波型大型浮体 - Google Patents

耐波型大型浮体

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JP2000247291A
JP2000247291A JP11047479A JP4747999A JP2000247291A JP 2000247291 A JP2000247291 A JP 2000247291A JP 11047479 A JP11047479 A JP 11047479A JP 4747999 A JP4747999 A JP 4747999A JP 2000247291 A JP2000247291 A JP 2000247291A
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Japan
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wave
floating body
large floating
plate
submerged
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Ikuro Hosomi
育郎 細見
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定式防波堤等を設置することなく、大型浮
体に設けた簡単な構造の消波部材によって効率良く消波
でき、広範囲の波周期及び高い波においても動揺を低減
できる一方で、構造的にも十分な強度を有する耐波型大
型浮体を提供する。 【解決手段】 洋上に浮かぶ大型浮体1の波上側前端部
1aに、海面を貫通し大型浮体1の底面1bより下方に
延びる鉛直板5及びこの鉛直板5の下端部より前後方向
に延びる没水水平板6を有する消波部材4を設けると共
に、該消波部材4の波によるモーメントに起因した応力
集中部を支持材10a,10bを用いて補強した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、洋上に浮かぶ大
型浮体構造物(以下、メガフロートという)、浮桟橋、
浮倉庫等が入射波によって動揺するのを低減する耐波型
大型浮体に関する。
【0002】
【従来の技術】洋上に浮かぶメガフロートの開発が進め
られている。従来考えられていたメガフロートは、海域
に固定式防波堤で静穏海域をつくり、その中に設置され
る箱型の浮体構造物であり、その内部には密閉された複
数の浮き室が設けられ、フラットな甲板及びフラットな
底面を備えている。
【0003】従って、メガフロートは、海上空港(海上
ヘリポートを含む)、海洋プラントバージまた将来的に
は海上都市など多目的である。
【0004】図18は、固定式防波堤を備えたメガフロ
ートであり、海底aに固定式防波堤bを施工し、静穏海
域cをつくると共に、この静穏海域cに大型浮体eを浮
かべ、それを囲むように係留杭dを設け、緩衝部材fを
介して大型浮体eを係留する。大型浮体eは、例えば長
さ1500m、幅500m、厚さ7m、喫水2mであ
り、長さに比べて厚さが薄い構造である。
【0005】そして、水深20mで、波方向や波周期、
大型浮体eの曲げ剛性を系統的に変えて波浪中弾性応答
解析計算を行なったところ、限界波高が2mでも設計上
厳しいことが判明した。
【0006】また、固定式防波堤bは、水深が深くなる
と設置に莫大な費用が掛かり、また固定式防波堤bに代
わって浮防波堤を設けることは船舶の接岸や荷役作業の
邪魔になり、固定式防波堤bや浮防波堤がなくてもすむ
メガフロートが望まれている。
【0007】コストや船舶等への影響を無くすことを考
慮して固定式防波堤bや浮防波堤なしで成立させるため
には、大型浮体e自体に動揺低減対策を施して耐波性能
を向上させる必要がある。まず、方法としては、大型浮
体eに対する入射波を低減させるために、大型浮体eの
波上側に消波構造体を付加することが考えられ、従来に
おいては、図19に示すように、大型浮体eの波上側前
端部hに消波構造体gを固設した。
【0008】従来の消波構造体gとしては、波を反射さ
せたり、散乱させたり、また破砕等のメカニズムを利用
して考えられたものであり、図20(a)に示すカーテ
ンウォール型、同図(b)に示すタンク開口板型、同図
(c)に示す没水ビーチ型等が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したカーテンウォ
ール型は、短波長領域のみ有効であり、タンク開口板型
や没水ビーチ型は、徐々に波を崩したり、破波させるの
で、長波長領域まで有効である。しかし、これらにおい
て十分な消波効果を得るためにはかなりの長さ、実験に
よれば波長に対して1/3位が必要である。従って、仮
に200mの波長であると、70〜80mの長さが必要
となり、消波構造体が大型化すると共にコストアップの
原因となる。
【0010】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、固定式防波堤等を設
置することなく、大型浮体に設けた簡単な構造の消波部
材によって効率良く消波でき、広範囲の波周期及び高い
波においても動揺を低減できる一方で、構造的にも十分
な強度を有する耐波型大型浮体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係る耐波型大型浮体は、前記大型浮体の波
上側前端部に、水面を貫通し大型浮体の底面より下方に
延びる平板及びこの平板の下端部に付設された没水水平
板を有する消波部材を設けると共に、該消波部材の波に
よるモーメントに起因した応力集中部を支持材を用いて
補強したことを特徴とする。
【0012】また、水上に浮かぶ耐波型大型浮体におい
て、前記大型浮体の波上側前端部に、水面を貫通し大型
浮体の底面より下方に延びる平板及びこの平板の下端部
より延出された前方に下り傾斜の没水傾斜板を有する消
波部材を設けると共に、該消波部材の波によるモーメン
トに起因した応力集中部を支持材を用いて補強したこと
を特徴とする。
【0013】また、水上に浮かぶ耐波型大型浮体におい
て、前記大型浮体の波上側前端部に、大型浮体の前端面
と離間し、水面を貫通し大型浮体の底面より下方に延び
る平板及びこの平板の下端部より後方に延びる没水板を
有する消波部材を設けると共に、該消波部材の波による
モーメントに起因した応力集中部を支持材を用いて補強
したことを特徴とする。
【0014】また、前記没水水平板には、上下方向に貫
通する開口が設けられていることを特徴とする。
【0015】また、前記没水板には、上下方向に貫通す
る開口が設けられていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る耐波型大型浮
体を実施例により図面を用いて詳細に説明するが、その
前に本発明の前提となる耐波型大型浮体(本出願人によ
る特願平10−311342号参照)を図12〜図16
により説明する。
【0017】図12及び図13は超大型浮体式海洋構造
物(以下、メガフロートという)を構成する大型浮体1
を示し、この大型浮体1は、例えば鋼板によって直方体
形状に構成し、内部には密閉された複数の浮き室(図示
しない)が設けられている。そして、浮き室が発生する
浮力によって大型浮体1は洋上に浮かんでいる。なお、
2は大型浮体1の喫水線を示し、3は波の方向を示す。
【0018】大型浮体1の波上側前端部1aには大型浮
体1の全幅に亘って耐波構造物としての例えば鋼板製の
消波部材4が固設されている。この消波部材4は、水面
を貫通し大型浮体1の底面1bより下方に延びる平板と
しての鉛直板5と、この鉛直板5の下端部より一体に前
方(波上側)に延びる没水板としての没水水平板6とか
ら略L型に構成されている。前記鉛直板5は、多少前後
に傾いてもよい。また、この鉛直板5が大型浮体1の前
端板と重なる部分については前端板で代用することも可
能で、その場合は大型浮体1の下面から鉛直板5が垂下
しているように見えるが趣旨は同じである。
【0019】さらに、鉛直板5の上端部には大型浮体1
の甲板1cと同一平面上で、波上側に水平に延出する延
長甲板7が設けられ、鉛直板5及び没水水平板6とによ
って略コ字状に構成され、前端部には開口部8が設けら
れている。そして、この開口部8には延長甲板7の前端
部と没水水平板6の前端部とに固定された通水可能な部
材9が設けられている。この通水可能な部材9は、適当
間隔に配設された支柱、網状部材、多孔板、スリット板
または格子部材であり、海水は通過する。
【0020】前述のように構成された消波部材4を備え
た大型浮体1によれば、洋上に浮かした状態で、波上側
から波が進入すると、消波部材4の没水水平板6にかか
る変動圧力(没水水平板6の下面にかかる圧力から上面
にかかる圧力を引いた値)と大型浮体1の前端部1aの
底面にかかる変動圧力が逆位相になり互いに相殺するた
め、大型浮体1の前端部に作用する波の圧力積分値(波
強制力)が小さくなり、動揺を低減できる。
【0021】しかも、波長に対して1/10程度の長さ
で有効であり、仮に波長が200mであるとすると、2
0m程度の長さで十分であり、消波部材4の小型化を図
ることができ、コストダウンを図ることができる。
【0022】また、前記通水可能な部材9を網状部材、
多孔板、スリット板、格子部材等で構成すると、入射波
は通水可能な部材9を通過するときに破砕され、波浪エ
ネルギが減衰され、消波部材4を含む大型浮体1の入射
波の影響を低減できる。
【0023】また、前記消波部材4に延長甲板7が設け
られているため、大型浮体1の甲板1cの面積を拡大で
き、船舶等が没水水平板6に衝突するのを防ぐ効果があ
る。しかし、延長甲板7は消波作用に直接作用するもの
ではなく、省略してもよい。すなわち、消波性能的には
消波部材4は、鉛直板5と没水水平板6とからなるL型
構造であればよい。
【0024】図14は、大型浮体(ポンツーン)1の前
端(波上側)からの距離と大型浮体1に加わる変動圧力
振幅分布との関係を示すグラフである。グラフ中(×)
は消波部材4を有しない大型浮体1であり、(○)はL
型の消波部材4を備えた大型浮体1である(横軸のマイ
ナス部分は消波部材4)。このグラフから明らかなよう
に、大型浮体1だけのものは、前端に大きな圧力が加わ
り、前端から離れるに従って徐々に減少するが僅かであ
る。L型の消波部材4を備えた大型浮体1は、消波部材
4に大きな圧力が加わるが、大型浮体1の前端に加わる
圧力は1/2程度となることが判る。
【0025】また、図15は、圧力変動の位相分布を示
したグラフであり、大型浮体1と消波部材4の圧力変動
の位相が逆転していることが判る。
【0026】さらに、図16は、大型浮体1の前端から
50mまでの圧力積分値を波周期ベースで示したもの
で、消波部材4の没水水平板6にかかる変動圧力(没水
水平板6の下面圧から上面圧を引いた値)と大型浮体1
の前端部底面にかかる変動圧力が逆位相になり、互いに
相殺するため、大型浮体1前端部に加わる圧力積分値
(波強制力)が特に長周期側において大幅に低下される
ことが判る。
【0027】ところで、大型浮体1の波上側前端部1a
に大型浮体1の全幅に亘って消波部材4を固設した場
合、図17に示したモーメント分布や荷重分布でも判る
ように、大型浮体1と消波部材4の結合部や消波部材4
の屈曲部(図中ハッチング領域)に波によるモーメント
に起因して大きな応力が発生することが、本発明者が行
った試験等で判明した。
【0028】そこで、本発明者は今回、高い消波性能を
有する一方で、構造的にも十分な強度を有する耐波型大
型浮体を開発した。以下、その実施例を図面を用いて詳
細に説明する。
【0029】[第1実施例]図1は本発明の第1実施例
を示す大型浮体の要部側面図、図2は本実施例のものを
含む各種大型浮体の前端から50mまでの圧力積分値を
波周期ベースに示すグラフである。
【0030】本実施例は、消波部材の基本形状が図12
及び図13に示したL型のものに補強構造を施した例で
ある。詳述すると、図1に示すように、大型浮体1の波
上側前端部1aには大型浮体1の全幅に亘って例えば鋼
板製の消波部材4が固設されている。この消波部材4
は、水面を貫通し大型浮体1の底面1bより下方に延び
る平板としての鉛直板5と、この鉛直板5の下端部より
一体に前後方向に延びる没水板としての没水水平板6と
から略L型に構成されている。また、鉛直板5の上端部
には大型浮体1の甲板1cと同一平面上で、波上側に水
平に延出する延長甲板7が設けられ、鉛直板5及び没水
水平板6とによって略コ字状に構成され、前端部には開
口部8が設けられている。さらに、この開口部8には延
長甲板7の前端部と没水水平板6の前端部とに固定され
た通水可能な部材9が設けられている。この通水可能な
部材9は、適当間隔に配設された支柱、網状部材、多孔
板、スリット板または格子部材であり、海水は通過す
る。
【0031】そして、前記没水水平板6の後方延出部分
6aの後端部と大型浮体1の底面1b間が鉛直方向に配
された棒状の支持材10aで連結されると共に、前記鉛
直板5の下端部と大型浮体1の底面1b間が前後方向斜
めに配された棒状の支持材10bで連結されている。前
記支持材10a,10bは例えば型鋼製であり、大型浮
体1の幅方向に所定間隔離間して複数配される。また、
支持材10a,10bの固定手段としては溶接やボルト
−ナットが好適である。
【0032】前述のように構成された消波部材4を備え
た大型浮体1によれば、図2からも判るように、洋上に
浮かした状態で、波上側から波が進入すると、消波部材
4の没水水平板6にかかる変動圧力と大型浮体1の前端
部1aの底面にかかる変動圧力が逆位相になり互いに相
殺するため、図12及び図13に示した基本形状のもの
と殆ど変わらずに、大型浮体1の前端部に作用する波の
圧力積分値(波強制力)が小さくなり、動揺を低減でき
る。
【0033】一方、波によるモーメントに起因して大き
な応力が発生し易い、大型浮体1と消波部材4の結合部
や消波部材4の屈曲部における強度は、没水水平板6に
おける後方延出部分6aによる形状変更と当該部位に配
した二本の支持材10a,10bにより補強され、十分
保持される。
【0034】[第2実施例]図3は本発明の第2実施例
を示す大型浮体の要部側面図、図4は本実施例のものを
含む各種大型浮体の前端から50mまでの圧力積分値を
波周期ベースに示すグラフである。
【0035】本実施例は、第1実施例と同様に、消波部
材の基本形状が図12及び図13に示したL型のものに
補強構造を施した例であり、大型浮体1の底面1bより
下方に延びる鉛直板5の下端部を没水水平板6より下方
へ延出し、この下方延出部分5aの下端部と没水水平板
6の前端部間が前後方向斜めに配された棒状の支持材1
0aで連結されている。尚、前記下方延出部分5aの下
端部と大型浮体1の底面1b間を前後方向斜めに配され
た棒状の支持材10bで連結しても良い。
【0036】この実施例においても、鉛直板5における
下方延出部分5aによる形状変更と当該部位に配した支
持材10a(及び10b),10bにより、大型浮体1
と消波部材4の結合部や消波部材4の屈曲部における強
度は十分保持される一方、図4からも判るように、図1
2及び図13に示した基本形状のものと殆ど変わらない
消波性能が発揮される。
【0037】[第3実施例]図5は本発明の第3実施例
を示す大型浮体の要部側面図、図6は本実施例のものを
含む各種大型浮体の前端から50mまでの圧力積分値を
波周期ベースに示すグラフである。
【0038】本実施例は、第1実施例と同様に、消波部
材の基本形状が図12及び図13に示したL型のものに
補強構造を施した例であり、鉛直板5の下端部より一体
に前方に延びる没水水平板6の前端部を下方に屈曲し、
この下方屈曲部分6bの下端部と没水水平板6の底面間
が前後方向斜めに配された棒状の支持材10aで連結さ
れている。また、前記鉛直板5の下端部と大型浮体1の
底面1b間も前後方向斜めに配された棒状の支持材10
bで連結される。さらに、前記没水水平板6の前端部と
延長甲板7の前端部間が鉛直方向に配された棒状の支持
材10cで連結されると共にこの支持材10cの上部と
延長甲板7の底面間も前後方向斜めに配された棒状の支
持材10dで連結される。
【0039】この実施例においても、没水水平板6にお
ける下方屈曲部分6bによる形状変更と当該部位に配し
た支持材10aや他の部位に配した支持材10b,10
c,10により、大型浮体1と消波部材4の結合部や消
波部材4の屈曲部における強度は十分保持される一方、
図6からも判るように、図12及び図13に示した基本
形状のものと殆ど変わらない消波性能が発揮される。
【0040】[第4実施例]図7は本発明の第4実施例
を示す大型浮体の要部側面図、図8は本実施例のものを
含む各種大型浮体の前端から50mまでの圧力積分値を
波周期ベースに示すグラフである。
【0041】本実施例は、消波部材の基本形状が傾斜型
のものに補強構造を施した例である。即ち、図7に示す
ように、大型浮体1の波上側前端部1aに、水面を貫通
し大型浮体1の底面1bより下方に延びる鉛直板13
と、この鉛直板13の下端部より前方に向かって下り傾
斜の没水傾斜板14(図中二点鎖線参照)とを有する消
波部材4において、前記没水傾斜板14をその前後方向
中間部に段部14aを設けて階段状に形成し、この段部
14aの上端と前記鉛直板13の上端から前方に延出さ
れた延長甲板7の下面間が鉛直方向に配された棒状の支
持材10aで連結され、更には前記段部14aの下端と
没水傾斜板14の後端部間が前後方向斜めに配された棒
状の支持材10bで連結されると共に前記鉛直板13の
下端部と大型浮体1の底面1b間も前後方向斜めに配さ
れた棒状の支持材10cで連結されるのである。
【0042】この実施例においても、没水傾斜板14に
おける段部14aによる形状変更と当該部位に配した支
持材10a,10bや他の部位に配した支持材10cに
より、大型浮体1と消波部材4の結合部や消波部材4の
屈曲部における強度は十分保持される一方、図8からも
判るように、基本形状のものと殆ど変わらない消波性能
が発揮される。
【0043】[第5実施例]図9は本発明の第5実施例
を示す大型浮体の要部側面図である。
【0044】本実施例は、消波部材の基本形状がL型の
ものにおける没水水平板6の途中に開口幅6cを形成し
たものに、第1実施例と第2実施例のように補強構造を
施した例である。即ち、没水水平板6の後方延出部分6
aの後端部と大型浮体1の底面1b間が鉛直方向に配さ
れた棒状の支持材10aで連結されると共に、鉛直板5
の前記没水水平板6交差部と大型浮体1の底面1b間が
前後方向斜めに配された棒状の支持材10bで連結さ
れ、更には鉛直板5の下方延出部分5aの下端部と没水
水平板6の前端部間が前後方向斜めに配された棒状の支
持材10aで連結されるのである。
【0045】この実施例においても、第1実施例や第2
実施例と同様の作用・効果が得られることは自明であ
る。
【0046】[第6実施例]図10は本発明の第6実施
例を示す大型浮体の要部側面図である。
【0047】本実施例は、消波部材の基本形状が逆L型
のものに補強構造を施した例である。詳述すると、大型
浮体1の波上側前端部1aから波上側に向かって延出す
る延長甲板7の前端部から垂下され、大型浮体1の前端
面と離間し、大型浮体1の底面1bより下方に延びる鉛
直板15と、この鉛直板15の下端部より後方に延びる
没水板16とから構成され、この没水板16の後端部と
大型浮体1の前端部1aの下端角部との間には通水可能
な部材9が設けられている。そして、前記没水板16の
後端部と延長甲板7の底面間が鉛直方向に配された棒状
の支持材10aで連結されると共に、前記大型浮体1の
前端部1aの下端角部と延長甲板7の底面間が前後方向
斜めに配された棒状の支持材10bで連結される。
【0048】この実施例においても、適正に配された支
持材10a,10bにより、大型浮体1と消波部材4の
結合部や消波部材4の屈曲部における強度は十分保持さ
れる一方、消波部材4の基本形状が逆L型のものと殆ど
変わらない消波性能が発揮される。
【0049】[第7実施例]図11は本発明の第7実施
例を示す大型浮体の要部斜視図である。
【0050】本実施例は、前述した各実施例における棒
状の支持材10a〜10dに代えて、消波部材4の表側
及び裏側の補強部材として、中心部に透孔17が明けら
れた三角板状の支持材10Aを用いるようにした例であ
る。
【0051】この実施例においても、前述した各実施例
と同様の作用・効果が得られることは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、水上に浮かぶ耐波型大型浮体において、前記大
型浮体の波上側前端部に、水面を貫通し大型浮体の底面
より下方に延びる平板及びこの平板の下端部に付設され
た没水水平板を有する消波部材を設けると共に、該消波
部材の波によるモーメントに起因した応力集中部を支持
材を用いて補強したことを特徴とするので、海域に固定
式防波堤等を設置することなく、大型浮体に設けた消波
部材によって効率良く消波でき、広範囲の波周期及び高
い波においても動揺を低減できる一方で、構造的にも十
分な強度を有する耐波型の大型浮体を実現できる。
【0053】また、請求項2の発明によれば、水上に浮
かぶ耐波型大型浮体において、前記大型浮体の波上側前
端部に、水面を貫通し大型浮体の底面より下方に延びる
平板及びこの平板の下端部より延出された前方に下り傾
斜の没水傾斜板を有する消波部材を設けると共に、該消
波部材の波によるモーメントに起因した応力集中部を支
持材を用いて補強したことを特徴とするので、請求項1
の発明と同様の効果が得られる。
【0054】また、請求項3の発明によれば、水上に浮
かぶ耐波型大型浮体において、前記大型浮体の波上側前
端部に、大型浮体の前端面と離間し、水面を貫通し大型
浮体の底面より下方に延びる平板及びこの平板の下端部
より後方に延びる没水板を有する消波部材を設けると共
に、該消波部材の波によるモーメントに起因した応力集
中部を支持材を用いて補強したことを特徴とするので、
請求項1の発明と同様の効果が得られる。
【0055】また、請求項4の発明によれば、前記没水
水平板には、上下方向に貫通する開口が設けられている
ことを特徴とするので、請求項1の発明と同様の効果が
得られると共に動揺低減効果の高い波周期を容易に変更
できる。
【0056】また、請求項5の発明によれば、前記没水
板には、上下方向に貫通する開口が設けられていること
を特徴とするので、請求項4の発明と同様の効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す大型浮体の要部側面
図である。
【図2】本実施例のものを含む各種大型浮体の前端から
50mまでの圧力積分値を波周期ベースに示すグラフで
ある。
【図3】本発明の第2実施例を示す大型浮体の要部側面
図である。
【図4】本実施例のものを含む各種大型浮体の前端から
50mまでの圧力積分値を波周期ベースに示すグラフで
ある。
【図5】本発明の第3実施例を示す大型浮体の要部側面
図である。
【図6】本実施例のものを含む各種大型浮体の前端から
50mまでの圧力積分値を波周期ベースに示すグラフで
ある。
【図7】本発明の第4実施例を示す大型浮体の要部側面
図である。
【図8】本実施例のものを含む各種大型浮体の前端から
50mまでの圧力積分値を波周期ベースに示すグラフで
ある。
【図9】本発明の第5実施例を示す大型浮体の要部側面
図である。
【図10】本発明の第6実施例を示す大型浮体の要部側
面図である。
【図11】本発明の第7実施例を示す大型浮体の要部斜
視図である。
【図12】先願例の耐波型大型浮体の一部を示す斜視図
である。
【図13】同じく消波部材の側面図である。
【図14】同じく大型浮体の前端からの距離と変動圧力
振幅分布の関係を示すグラフである。
【図15】同じく変動圧力位相分布を示すグラフであ
る。
【図16】同じく大型浮体の前端から50mまでの圧力
積分値を波周期ベースに示すグラフである。
【図17】先願例の不具合を示す説明図である。
【図18】固定式防波堤を備えたメガフロートを示す側
面図である。
【図19】消波構造体を固設したメガフロートの側面図
である。
【図20】同図(a)〜(c)は従来の消波構造体の各
々の側面図である。
【符号の説明】
1 大型浮体 1a 波上側前端部 1b 底面 1c 甲板 4 消波部材 5 鉛直板(平板) 5a 下方延出部分 6 没水水平板 6a 後方延出部分 6b 下方屈曲部分 6c 開口幅 7 延長甲板 9 通水可能な部材 10a〜10d 支持材 10A 支持材 13 鉛直板 14 没水傾斜板 14a 段部 15 鉛直板 16 没水水平板 17 透孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水上に浮かぶ耐波型大型浮体において、 前記大型浮体の波上側前端部に、水面を貫通し大型浮体
    の底面より下方に延びる平板及びこの平板の下端部に付
    設された没水水平板を有する消波部材を設けると共に、
    該消波部材の波によるモーメントに起因した応力集中部
    を支持材を用いて補強したことを特徴とする耐波型大型
    浮体。
  2. 【請求項2】 水上に浮かぶ耐波型大型浮体において、 前記大型浮体の波上側前端部に、水面を貫通し大型浮体
    の底面より下方に延びる平板及びこの平板の下端部より
    延出された前方に下り傾斜の没水傾斜板を有する消波部
    材を設けると共に、該消波部材の波によるモーメントに
    起因した応力集中部を支持材を用いて補強したことを特
    徴とする耐波型大型浮体。
  3. 【請求項3】 水上に浮かぶ耐波型大型浮体において、 前記大型浮体の波上側前端部に、大型浮体の前端面と離
    間し、水面を貫通し大型浮体の底面より下方に延びる平
    板及びこの平板の下端部より後方に延びる没水板を有す
    る消波部材を設けると共に、該消波部材の波によるモー
    メントに起因した応力集中部を支持材を用いて補強した
    ことを特徴とする耐波型大型浮体。
  4. 【請求項4】 前記没水水平板には、上下方向に貫通す
    る開口が設けられていることを特徴とする請求項1記載
    の耐波型大型浮体。
  5. 【請求項5】 前記没水板には、上下方向に貫通する開
    口が設けられていることを特徴とする請求項3記載の耐
    波型大型浮体。
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