JP2004161203A - 浮体構造物の動揺低減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】浮体構造物自体に設けた簡単な構造の部材によって、効率良く消波できて浮体構造物の上下変動を低減すると共に、波漂流力を減少させることができる浮体構造物の動揺低減装置を提供する。
【解決手段】浮体構造物1の波上側側板部に、浮体構造物1の波浪による上下変動及び波漂流力を低減するスリット3a付きカーテンウォール2を付設する浮体構造物の動揺低減装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水上に浮かぶ超大型の浮体(メガフロート)、浮桟橋、作業船等の浮体構造物に関し、特に波浪による浮体構造物の動揺するのを低減する浮体構造物の動揺低減装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、外洋で生じた波浪を打ち消すのに、湾の出入り口に消波装置、例えば外方に平板を打ち込んでおき、水面からでた平板の端部により波を受け止め、破砕する方式や、海面下に平板を沈めておき、この平板を通過する波の高さを低くする方式などが知られている。そして、このような消波装置により、浮体構造物の波浪による動揺を軽減している。
さらに近年、海洋空間利用の観点から人工浮地盤として、海上空港やプラント搭載、浮駐車場用に超大型の浮体(メガフロート)、浮桟橋、作業船等の浮体構造物の開発が進んでいる。そして、これら浮体構造物の耐波性能を向上させ、立地の自由度や安全性を増す方策が取られている。
【0003】
その方法として、複数個の減揺浮体を浮体構造物に付設配置し、これが入射波を受けると動揺して、浮体構造物に伝わる入射波を減衰する装置や、固有周期が異なる複数の浮体から構成し、動揺の大きい方の浮体に制御力を加え、小さいほうの浮体に反力を受持たせるようにした浮体構造物等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、メガフロートの波上側に減揺付加構造体を付設することが開示され、没水平板型、タンク開口板型、没水ビーチ型等各種の動揺低減構造が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
その一つにカーテンウォール型の減揺付加構造体が知られている。図5に、このカーテンウォール型の減揺付加構造体7を設けたメガフロート6を示す。メガフロート6の波上側6aで、メガフロート6の底面6bの全幅に亘ってカーテンウォール型の減揺付加構造体7が付設されている。これは、入射波の一部を効率良く反射させるための構造体を用いた動揺低減手段である。すなわち、入射波エネルギーが浮体内伝播エネルギーに変換されるのを抑制して、浮体の動揺を低減するものである。この付加構造体は、構造が単純で施工しやすい利点があり有望である。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−301689公報
【非特許文献1】
尾崎雅彦外4名、「耐波型メガフロートの開発」、三菱重工技報 第37巻5号(2000年9月)P.232−235
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のカーテンウォール型の付加構造体は、入射波を効率良く反射させることにより浮体内へのエネルギー伝播を抑制する点では優れているが、反射波が大きくなると、浮体構造物の波漂流力が増大するため、係留系へ及ぼす影響が大きくなる。さらに、反射波が増大すると、周辺に停泊する船舶等に影響を及ぼすことになる。
そこで、動揺の低減と共に反射波を抑制し、波漂流力を減少させるのに有効な付加構造体を開発することが必要である。
この発明の目的は、上記のような問題点に鑑み、浮体構造物自体に設けた簡単な構造の部材によって、効率良く消波できて浮体構造物の上下変動を低減すると共に、波漂流力を減少させることができる浮体構造物の動揺低減装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意研究した結果、カーテンウォール型の減揺付加構造体にスリットを設けることが良いとの知見を得た。そこでこれらの知見に基づいてこの発明をなすに至った。
すなわち本発明は、
(1)浮体構造物の波上側側板部に、浮体構造物の波浪による上下変動及び波漂流力を低減する、スリット付きカーテンウォールを付設することを特徴とする浮体構造物の動揺低減装置、
(2)前記スリットは、横スリット及び/又は縦スリットであることを特徴とする(1)に記載の浮体構造物の動揺低減装置、及び、
(3)前記横スリットは、カーテンウォールと浮体構造物の底面との接合部下部又はその近傍に設けることを特徴とする(1)又は(2)に記載の浮体構造物の動揺低減装置、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の好ましい実施の態様について、図面を参照して詳細に説明する。
尚、各図において同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
この発明の浮体構造物には、水上に浮かぶ超大型の浮体(メガフロート)のみならず、浮桟橋、大型作業船、浮倉庫などがある。
図1は、超大型の浮体(メガフロート)等の浮体構造物に減揺付加構造体を付設した構成を示すもので、(a)はその一部を省略した波上側からみた正面図であり、(b)は同様にその一部を省略した(a)のA−A線断面図である。浮体構造物1は、その大きさに特に制限はないが、例えば長さ150m〜1500m、幅70m〜500m、型深さ2m〜7mの長さに比べ厚さが薄い直方体形状に鋼板により構成され、内部には密閉された多数の浮室(図示しない)が設けられており、その浮室で生ずる浮力により浮体構造物1は水上に浮かんでいる。なお、4は浮体構造物1の喫水線を示し、喫水は、例えば1m〜2mであり、矢印5は波の方向を示すものである。
【0009】
浮体構造物1の波上側側板部1aで、浮体構造物1の底面1bの全幅に亘って減揺付加構造体として、横スリット3aが設けてある鋼板製のカーテンウォール2が浮体構造物1に付設されている。この横スリット3a付きのカーテンウォール2は、浮体構造物1の底面1bから下方に垂下し、支持部材(図示せず)と共に浮体構造物1の底面1bに接合されている。カーテンウォール2の深さは深いほど波周期の広範囲で有効であるが、設置水域の水深、対象波の振幅・周期、施工性、強度等を考慮して決定され、約5m程度までである。例えば、水深6m、波周期3〜7秒で、深さ約1.3m〜1.7mが好ましい。深さが大きいほど長周期の波に対する動揺抑制の効果は大きくなる。
【0010】
この発明では、カーテンウォールに水平方向の横スリットのみならず、鉛直方向の縦スリットが設けられたものも好ましい。その実施の態様を図2に示すが、図2は、上記図1(a)と同様に浮体構造物に減揺付加構造体を付設した構成を示すもので、その一部を省略した波上側からみた正面図である。そのA−A線断面図は、上記図1(b)と同じであるので省略する。図2に示すように、カーテンウォール2には、縦方向の縦スリット3bが設けられ、そのスリットの間にさらに横スリット3aが設けられている。
図示されていないが、この発明には、カーテンウォール2に縦スリットのみが設けられたものも含まれ、従来例のスリットのないカーテンウォール型の減揺付加構造体より優れた動揺低減と共に漂流力を減少させる効果を有する。
先にも述べたように、このスリット付きカーテンウォール2は、入射波の一部を水面近くで効率良く反射させるので短周期の波に対する動揺の抑制に特に有効であり、比較的短い周期の波が多い湾内等に設置する場合に特に優れた効果が望める。
【0011】
この発明のカーテンウォール2にはスリットが設けられているが、このスリットの形状、寸法、個数等は、施工性、カーテンウォールの強度等に基づき、模型実験等により容易に決定することができる。
横スリット3aは、カーテンウォール2の中間部より上であればどの位置でも良いが、入射波のエネルギーが大きい位置で効率良くエネルギーを吸収する必要があるためカーテンウォール2の波エネルギーの大きい上方部分ほど好ましく、カーテンウォール2の上端部すなわち浮体構造物1の底面1bとの接合部下部に設けるのが特に好ましく、その近傍でもよい。
【0012】
カーテンウォール2にスリットを設けることにより、付加構造体の投影面積が小さくなるので、反射波エネルギーは従来のカーテンウォール型の減揺付加構造体ほど大きくならない。したがって、波漂流力は、従来技術のスリットの無いカーテンウォール型の減揺付加構造体よりも小さくなる。
一方、スリット部分でも入射波エネルギーの一部が消散されるので、従来技術と同程度の動揺低減効果を維持しつつ、波漂流力を減少させることが可能となった。
【0013】
【実施例】
次に、この発明のスリット付きカーテンウォールを付設した浮体構造物について実験例によりさらに詳細に説明する。比較のため、従来例であるスリットの無いカーテンウォールを付設したもの、及び減揺付加構造体を取り付けないものの実験例を示し、この発明の優れた効果を明瞭にする。
実海域での実験では、水深6mで、岸壁が設置されている水域に長さ200m、幅100m、型深さ3m、喫水1mの実証浮体構造物を用いた。波条件として、10年確率波(有義波高2.4m、有義周期5.4秒)を考え、この浮体構造物の波上側(長さ方向)に図2に示すように横スリット及び縦スリットを設けた深さ1.75mのカーテンウォールを取り付けた。カーテンウォールの略4等分点の位置(3箇所)に幅2mの縦スリットを設け、浮体構造物の底面との接合部に高さ(深さ方向)0.25m、幅3.5mの横スリットを、各縦スリット間に略0.5m間隔で設けた。
【0014】
実証試験の縮尺1/50の模型浮体を用いて、各種の波条件を設定して水槽実験を行った。模型は剛性を受け持つアルミニウム板と浮力を確保する発泡体から構成し、模型表面に歪みゲージ、ポテンショメータ、検力計を取り付けて計測を行った。
また、従来技術との比較・検証のため、スリットを設けない同様のアルミニウム板製のカーテンウォールを取り付けた模型及び付加構造体を全く取り付けない模型で同じように実験を行ない、動揺低減率及び漂流力係数を調べた。
なお、動揺低減率及び漂流力係数は次の数式で表されるものである。
【0015】
【数1】
Figure 2004161203
【0016】
ここで、上下変位振幅は、波と同じ周期で上下変動する浮体の振幅値である。
定常波漂流力は次のものである。すなわち、浮体が波浪中に置かれると、波によってと、浮体が運動することによって、流体から力を受ける。この力を時間的に平均すると、変動成分と定常成分とに分けられるが、この定常成分が定常波漂流力である。
浮体構造物長さ当りの規則波のエネルギーは、次式で表されるものである。
【0017】
【数2】
Figure 2004161203
【0018】
水槽実験から得られた動揺低減率及び漂流力係数の結果をそれぞれ図3及び図4にグラフで示す。図中、「従来技術」とは、浮体に上記のスリットの無いカーテンウォールを付設したものを表す。
図3によれば、この発明のスリット付きカーテンウォールは、スリットの無い従来技術とほぼ同様の動揺低減効果を示していることが明らかになった。また、図4より、この発明のスリット付きカーテンウォールは、従来技術よりも波漂流力が小さくなっており、特に設計条件の波周期5.4秒付近ではその効果が顕著であることがわかった。
【0019】
【発明の効果】
この発明の動揺低減装置は、従来技術であるカーテンウォール型の減揺付加構造体にスリットを設けるという極めて簡単な構造で、単純な加工により作製することができるものである。そのうえ、スリットの設計も浮体構造物の設置場所の波浪条件に応じて容易にできる。また、浮体構造物への付設は容易で施工しやすい。
そして、スリット付きカーテンウォールを付設することによって、スリットの無いカーテンウォールを設けた従来技術と同様の動揺低減効果を維持しながら、波漂流力を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施態様を示すものであり、(a)はその正面図、(b)はそのA−A線断面図である。
【図2】この発明の他の一実施態様を示す正面図である。
【図3】実験例における付加構造体の違いによる動揺低減率の変化を示す図である。
【図4】実験例における付加構造体の違いによる波漂流力の変化を示す図である。
【図5】従来技術の一態様であり、(a)はその正面図、(b)はそのA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 浮体構造物
2 カーテンウォール
3a 横スリット
3b 縦スリット
4 喫水線
5 波の方向
6 メガフロート
7 カーテンウォール型減揺付加構造体

Claims (3)

  1. 浮体構造物の波上側側板部に、浮体構造物の波浪による上下変動及び波漂流力を低減する、スリット付きカーテンウォールを付設することを特徴とする浮体構造物の動揺低減装置。
  2. 前記スリットは、横スリット及び/又は縦スリットであることを特徴とする請求項1に記載の浮体構造物の動揺低減装置。
  3. 前記横スリットは、カーテンウォールと浮体構造物の底面との接合部下部又はその近傍に設けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の浮体構造物の動揺低減装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012131297A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 動揺低減装置及び揺れ低減浮体
JP2014061848A (ja) * 2012-09-24 2014-04-10 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 浮体構造物およびその動揺低減装置
WO2015099093A1 (ja) * 2013-12-27 2015-07-02 三菱重工業株式会社 動揺低減装置及びこれを備えた浮体

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