JP2000246853A - 多層プラスチックシート - Google Patents

多層プラスチックシート

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JP2000246853A
JP2000246853A JP5439999A JP5439999A JP2000246853A JP 2000246853 A JP2000246853 A JP 2000246853A JP 5439999 A JP5439999 A JP 5439999A JP 5439999 A JP5439999 A JP 5439999A JP 2000246853 A JP2000246853 A JP 2000246853A
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陽一 釘宮
Takanori Nakajima
隆則 中島
Shinichi Akitaya
真一 秋田谷
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】電気的特性である誘電正接(tanδ)が大き
く、高周波ウエルド加工性に優れるとともに、透明性,
柔軟性,耐受傷性のバランスに優れたオレフィン系多層
プラスチックシ−トを提供すること。 【解決手段】(A)/(B)/(A)の3層構造からな
り、(A)層は、結晶性プロピレン−α−オレフィン共
重合体(結晶性P)と、プロピレン−α−オレフィン共
重合体(共重合体R)とからなり、(B)層は、凝集エ
ネルギー密度が60〜90cal/cm3 、メルトフロ
ーレートが1.0〜15.0g/10min、結晶融点
が50〜120℃、ビガット軟化点が100℃以下、か
つ誘電正接のピーク値が5.0×10-3(100kH
z)以上であるエチレン系共重合体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軟質ポリ塩化ビニル
(PVC)シートに代替し得るオレフィン系共重合体を
用いた多層プラスチックシートに関し、特に高周波ウエ
ルド加工性に優れた多層プラスチックシートに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、軟質PVCシートのオレフィン化
が環境保全等を目的として、開発されてきている。例え
ば、本出願人は先にオレフィン系樹脂からなる防曇持続
性の優れた農業用多層フィルムを提案した(特開平9−
18393号公報)。
【0003】また、農業用に限らず、例えば、食品等の
包装用多層フィルムのオレフィン化についても種々提案
されてきている。例えば、特開平3−133756号公
報にはヒートシール層と耐熱層とからなる包装用フィル
ムを開示し、特開平2−283445号公報は収縮力と
融点を特定した、コア層と2つの外側層とからなる収縮
フィルムを開示している。
【0004】ところで、上記包装用フィルム等は主とし
て肉厚が薄いものを主眼とするものであり、特に肉厚が
厚いシート状の用途のものを作成する上で該オレフィン
化として問題となってくるのは柔軟性、透明性、接着性
などの不足である。このようなオレフィン化では、単層
でシート成形した場合、柔軟性・透明性は低融点のオレ
フィン原料の使用やシート成形方法の改良により軟質P
VCシートに迫るものが成形可能になってきた。
【0005】しかし、単層では出来上がったシート表面
の耐受傷性等に問題が生じている。そこで、上述の公報
のように多層化することが提案されているが、特に表層
に柔軟性・透明性を損なわず耐受傷性と接着性を合わせ
持つポリマーを用い、芯層には柔軟性・表層との接着性
を有する多層シートにすることが望まれているが、特に
高周波ウエルド加工等の利便性に優れた接着法に好適な
条件を満足するプラスチックシートが見出せないでい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は電気的特性で
ある誘電正接(tanδ)が大きく、高周波ウエルド加
工性に優れるとともに、透明性、柔軟性、耐受傷性のバ
ランスに優れたオレフィン系多層プラスチックシ−トを
提供すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)/
(B)/(A)の3層構造からなる多層プラスチックシ
ートであって、(A)層は、プロピレン含有量が90〜
99重量%で、結晶融点が160℃以下である結晶性プ
ロピレン−α−オレフィン共重合体(以下、「結晶性
P」と記す)と、α−オレフィン含有量が10〜55重
量%であるプロピレン−α−オレフィン共重合体(以
下、「共重合体R」と記す)とからなり、 [η]RC=6.5dl/g以下; [η]RC/[η]PP=0.6〜1.2;かつ ([η]RC/[η]PP)×(WPP/WRC)=0.2〜4.
5 の範囲にあるポリプロピレン系組成物からなり、
([η]RC:共重合体Rの極限粘度、[η]PP:結晶性
Pの極限粘度、WPP:ポリプロピレン系組成物に対する
結晶性Pの重量%、WRC:ポリプロピレン系組成物に対
する共重合体Rの重量%) (B)層は、凝集エネルギー密度が60〜90cal/
cm3 、メルトフローレートが1.0〜15.0g/1
0min、結晶融点が50〜120℃、ビカット軟化点
が100℃以下、かつ誘電正接のピーク値が5.0×1
-3(100kHz)以上であるエチレン系共重合体か
らなることを特徴とする多層プラスチックシートに関す
るものである。
【0008】本発明の多層プラスチックシートは特定の
物性を有するエチレン系共重合体からなる(B)層を芯
層とし、その芯層を挟んで特定組成の結晶性Pと共重合
体Rからなる上記特定物性を示すポリプロピレン系組成
物からなる(A)層を外層とした3層構造である。
【0009】本発明の多層プラスチックシートは、上記
のように(A)層のポリプロピレン系組成物の組成及び
物性を特定すると共に(B)層のエチレン系共重合体の
物性を特定したことにより誘電正接(tanδ)が大き
く、高周波ウエルド加工性に優れるとともに、透明性、
柔軟性、耐受傷性のバランスに優れた多層プラスチック
シートを提供することができる。結晶性Pは、ポリプロ
ピレン90〜99重量%と、プロピレン以外のα−オレ
フィン1〜10重量%とからなる結晶性共重合体であ
り、共重合体Rはプロピレン以外のα−オレフィン10
〜55重量%とプロピレン45〜90重量%とからなる
共重合体である。
【0010】本発明の(A)層に用いるポリプロピレン
系組成物は、結晶性Pと共重合体Rからなり、[η]RC
は6.5dl/g以下、好ましくは、1.7〜2.8d
l/g、[η]RC/[η]PPは0.6〜1.2、好まし
くは、0.7〜1.0、かつ([η]RC/[η]PP)×
(WPP/WRC)は0.2〜4.5、好ましくは、1.0〜
3.0の範囲にある。
【0011】結晶性Pのプロピレン含有量が99重量%
より大きくなると高周波ウエルド加工性が低下し、同含
有量が90重量%未満であると耐受傷性が低下する。ま
た、結晶性Pの結晶融点が160℃を超えると透明性、
柔軟性が低下する。また、共重合体Rの[η]RCが大き
すぎるとポリプロピレン系組成物の製膜性が悪化し、生
産性の点で問題となる。[η]RC/[η]PPが0.6未
満では柔軟性(耐衝撃性)が劣り、[η]RC/[η]PP
が大きすぎると高周波ウエルド加工性及び透明性が劣る
ようになる。また、([η]RC/[η]PP)×(WPP/W
RC)が0.2未満では柔軟性が低下し、4.5を超える
と透明性、耐受傷性、高周波ウエルド加工性が低下す
る。
【0012】(A)層は、上記範囲を満足するポリプロ
ピレン系組成物から構成されるならば、上記組成および
/または物性の範囲で任意に選択される2種以上の組成
物から構成されていてもよい。
【0013】[η]RC及び[η]PPは、溶媒としてテト
ラリン(テトラクロロナフタレン)を用い135℃の温
度条件下、測定される値である。尚、結晶性P及び共重
合体Rを連続的に製造してポリプロピレン系組成物を得
た場合、[η]RCは直接測定できないので、直接測定可
能な結晶性Pの[η]PPおよびポリプロピレン系組成物
全体の極限粘度([η] whole )ならびにWRCから、下
記式により求められる。 [η]RC={[η] whole −(1−WRC/100)
[η]PP}/(WRC/100)
【0014】結晶性Pや共重合体Rの製造に用いられる
α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、
1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、
1−オクタデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−
ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等を挙げることが
できるが、エチレン、1−ブテンが好ましい。
【0015】(B)層に使用されるエチレン系共重合体
は、凝集エネルギー密度が60〜90cal/cm3
好ましくは、60〜75cal/cm3 であり、メルト
フローレイト(MFR)が1.0〜15.0g/10m
in、好ましくは、1.0〜5.0g/minであり、
結晶融点が50〜120℃、好ましくは、50〜100
℃であり、ビカット軟化点が100℃以下、好ましく
は、40〜70℃であり、かつ誘電正接のピーク値が
5.0×10-3(100kHz)以上、好ましくは、1
0×10-3(100kHz)以上の各々の特性値を有す
る。
【0016】上記凝集エネルギー密度は、Smallの
式で得られる溶解性パラメーターを2乗することにより
得られ、MFRはJIS K 7210に準じ、温度230℃、荷重
21.18Nで規定のダイを通して、溶融押出しし、単
位時間に流れ出る重量を求める。誘電正接のピーク値
は、tanδとも記され、JIS K6911に準拠し
て求める。
【0017】上記各々の物性が上記範囲を外れると本発
明の多層プラスチックシートの柔軟性、透明性及び高周
波ウエルド加工性の全てを満足することができない。例
えば、凝集エネルギー密度が上記範囲を外れると透明性
及び高周波ウエルド加工性が低下し、MFRが上記範囲
を外れると透明性や柔軟性が低下し、エチレン系共重合
体の結晶融点が上記範囲を外れると柔軟性・透明性・高
周波ウエルド加工性が低下し、ビカット軟化点が100
℃を超えると柔軟性・透明性・高周波ウエルド加工性が
低下し、誘電正接のピーク値が5.0×10-3未満であ
ると高周波ウエルド加工性が低下する。
【0018】上記エチレン系共重合体としては、エチレ
ンと共重合可能なモノマーとの共重合体であれば、特に
制限されるべきものではないが、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、
エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体、エチレ
ン・グリシジルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体及
びエチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重
合体から選択されることが好ましい。
【0019】本発明に使用されるポリプロピレン系組成
物は、上記の諸特性を満足すればいかなる方法で製造し
てもよく、勿論、別々に製造された本発明に用いる結晶
性Pと共重合体Rを溶融混練装置等の混合装置を用いて
混合して製造してもよく、また、結晶性Pを製造し、引
き続き該結晶性Pの存在下にプロピレンとα−オレフィ
ンを共重合させて共重合体Rを製造し、ポリプロピレン
系組成物を多段重合法により連続的に製造してもよい。
【0020】本発明に使用するポリプロピレン系組成物
は、より好適には、下記に示す製造方法により製造する
ことができる。ポリプロピレン系組成物の製造工程は、
大粒径のチタン含有固体触媒成分と有機アルミニウム化
合物および有機ケイ素化合物とからなる立体規則性触媒
の存在下、気相中において第一段階で結晶性Pを製造す
る工程(第1重合工程)、ついで第二段階で共重合体R
を連続的に製造する工程(第2重合工程)からなる。
【0021】該製造方法において、チタン含有固体触媒
成分はマグネシウム化合物、シリカ化合物およびアルミ
ナ等の無機担体やポリスチレン等の有機担体にチタン化
合物を担持したもの、またかかる担持体に必要に応じて
エーテル類、エステル類の電子供与性化合物を反応せし
めたものなら公知のどの様なものでも使用できる。
【0022】たとえば、マグネシウム化合物−アルコー
ル溶液をスプレーしてマグネシウム化合物のアルコール
付加物からなる固体成分とし、該固体成分を部分乾燥
し、しかる後該乾燥固体成分をハロゲン化チタンおよび
電子供与性化合物で処理して成るチタン含有固体触媒成
分(特開平3-119003公報)、マグネシウム化合物をテト
ラヒドロフラン/アルコール/電子供与体に溶解させ、
TiCl4単独または電子供与体の組み合わせで析出させた
マグネシウム担体をハロゲン化チタンおよび電子供与性
化合物で処理して成るチタン含有固体触媒成分(特開平
4-103604公報)などが挙げられる。
【0023】チタン含有固体触媒成分は、通常、平均粒
径が25〜300μm、好ましくは30〜150μmの
ものが用いられる。チタン含有固体触媒成分の平均粒径
が25μm以下ではポリプロピレン系組成物の粉体流動
性が著しく損なわれ、重合器の器壁や攪拌翼等への付着
による重合系内の汚染や重合器から排出された粉体の搬
送が困難になる等、安定運転の大きな妨げとなる。ま
た、チタン含有固体触媒成分は、正規分布における均一
度は2.0以下のものが好ましい。均一度が2.0を越
えるとポリプロピレン系組成物のパウダー流動性が悪化
して連続での安定運転が困難となる。
【0024】有機アルミニウム化合物としては、一般式
がR1 mAlX3-m (式中R1 は、炭素数1〜20のアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基
もしくはアルコキシ基である同種若しくは異種を、Xは
ハロゲン原子を表し、mは3≧m≧1.5の正数であ
る)で表される有機アルミニウム化合物を好適に使用す
ることができる。
【0025】具体的には、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリーnープロピルアルミニウ
ム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリーiーブチル
アルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエ
チルアルミニウムクロライド、セスキメチルアルミニウ
ムセスキクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムク
ロライド、セスキエチルアルミニウムセスキクロライ
ド、エチルアルミニウムジクロライド,ジエチルアルミ
ニウムアイオダイド、エトキシジエチルアルミニウム等
を挙げることができ、好ましくはトリエチルアルミニウ
ムを使用する。これら有機アルミニウム化合物は1種単
独もしくは2種以上の混合物として使用することができ
る。
【0026】有機ケイ素化合物としては、一般式R2 X
3 YSi(OR4 z(式中R2 およびR4 は炭化水素
基,R3 は炭化水素基あるいはヘテロ原子を含む炭化水
素基を表し、0≦X≦2、1≦Y≦3、1≦Z≦3かつ
X+Y+Z=4である)で表される有機ケイ素化合物が
使用される。
【0027】具体的にはメチルトリメトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン、t−ブチルト
リメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシ
ラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロ
ピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラ
ン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメ
トキシシラン、トリメチルメトキシシラン、シクロヘキ
シルメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラ
ン等を挙げることができる。
【0028】好ましくは、ジイソブチルジメトキシシラ
ン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ−t−ブチル
ジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシ
ランおよびジフェニルジメトキシシランが使用される。
【0029】これらの有機ケイ素化合物は1種単独もし
くは2種以上の混合物として使用することができる。
【0030】前記チタン含有固体触媒成分、有機アルミ
ニウム化合物および必要に応じて有機ケイ素化合物を組
み合わせた立体規則性触媒を、第1重合工程のプロピレ
ン重合に用いるが、該チタン含有固体触媒成分は、α−
オレフィンを予め反応させて予備活性化処理した触媒を
用いることが好ましい。
【0031】チタン含有固体触媒成分の予備活性化処理
においては、有機アルミニウム化合物の使用量は特に限
定されるものではないが、通常、チタン含有固体触媒成
分中のチタン原子1モルに対して0.1〜40モル、好
ましくは0.3〜20モルの範囲で用い、後述のα−オ
レフィンを通常、10〜80℃で10分〜48時間かけ
てチタン含有固体触媒成分1グラム当たり0.1〜10
0グラム、好ましくは0.5〜50グラムを反応させ
る。
【0032】予備活性化処理においては、予め有機ケイ
素化合物を有機アルミニウム化合物1モルに対して通
常、0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モル
の範囲で用いてもよい。上記の予備活性化処理に用いら
れる有機アルミニウム化合物としては、本重合に用いら
れる前記例示した有機アルミニウム化合物を挙げること
ができる。この有機アルミニウム化合物として、本重合
時に使用される有機アルミニウム化合物と同種のもので
も、または異なる種類のものも使用できるが、好ましく
はトリエチルアルミニウムである。
【0033】また、予備活性化処理に、必要に応じて用
いられる有機ケイ素化合物としては、前記例示した有機
ケイ素化合物と同種のものを挙げることができる。この
有機ケイ素化合物としても、本重合に使用される有機ケ
イ素化合物と同種のものでも、また異なるものを使用で
き、好ましくは、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイ
ソプロピルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキ
シシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランおよ
びジフェニルジメトキシシランを用いる。
【0034】チタン含有固体触媒成分の予備活性化処理
に用いられるα−オレフィンとしては、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデ
セン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイ
コセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−
ペンテン等を挙げることができる。
【0035】これらのα−オレフィンは、単独のみなら
ず、他のα−オレフィンの2種以上の混合物を用いても
よい。また、その重合に際してポリマーの分子量を調節
するために水素等の分子量調節剤を併用することもでき
る。
【0036】チタン含有固体触媒成分の予備活性化処理
に用いられる不活性溶剤は、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカン、ドデカンおよび流動パラフィン等の液状
飽和炭化水素やジメチルポリシロキサンの構造を持った
シリコンオイル等重合反応に著しく影響を及ぼさない不
活性溶剤である。これらの不活性溶剤は1種の単独溶剤
または2種以上の混合溶剤のいずれでもよい。これらの
不活性溶剤の使用に際しては重合に悪影響を及ぼす水
分、イオウ化合物等の不純物は取り除いた後で使用する
ことが好ましい。
【0037】上記予備活性化処理されたチタン含有固体
触媒成分の存在下に、気相中においてプロピレン及び少
量のα−オレフィンを重合する第1重合工程、次いでプ
ロピレンとα−オレフィンの共重合を行う第2重合工程
を連続実施する。第1重合工程は気相重合法には限定さ
れずスラリー重合法や塊状重合法を採用してもよいが、
それに連続する第2重合工程が気相重合法であることが
好ましいことから、第1重合工程も気相重合法を採用す
ることが好ましい。第2重合工程として、スラリー重合
法や塊状重合法を採用した場合、得られる共重合体が溶
液中に溶出し,安定運転の継続が困難となる場合があ
る。
【0038】第1重合工程の重合条件は重合形式によっ
ても異なるが、気相重合法の場合,一定量のプロピレン
重合体粉体を分散剤として重合器中で混合撹拌しなが
ら、予備活性化処理されたチタン含有固体触媒成分,有
機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物からなる
立体規則性触媒の存在下、重合温度は通常、20〜12
0℃、好ましくは40〜100℃,重合圧力は通常、大
気圧〜9.9MPa、好ましくは0.59〜5.0MP
aの条件下にプロピレン及び少量のα−オレフィンを供
給して、結晶性Pを重合する。
【0039】有機アルミニウム化合物とチタン含有固体
触媒成分の使用比率はAl/Ti=1〜500(モル
比)、好ましくは10〜300である。この場合、チタ
ン含有固体触媒成分のモル数とは実質的にチタン含有固
体触媒成分中のTiグラム原子数をいう。
【0040】有機ケイ素化合物(C)と有機アルミニウ
ム化合物(B)の使用比率はB/C=1〜10(モル
比)、好ましくは1.5〜8である。該B/Cのモル比
が過大な場合、結晶性Pの結晶性が低下し、組成物の剛
性が不十分となる。また、B/Cモル比が過小な場合に
は重合活性が著しく低下し、生産性が低下する。
【0041】結晶性Pの[η]PPは、重合時に水素のよ
うな分子量調節剤の使用により、分子量を調節すること
により調整することが好ましい。結晶性Pを重合後,生
成した粉体重合体の一部を抜き出し,極限粘度、メルト
フローレート、触媒単位重量当たりの重合体収量の測定
に供することができる。
【0042】第1重合工程のプロピレンの重合に引き続
いて、重合温度は通常、20〜120℃、好ましくは4
0〜100℃、重合圧力は通常、大気圧〜9.9MP
a、好ましくは0.59〜5.0MPaの条件下でプロ
ピレンとα−オレフィンの混合モノマーを共重合して共
重合体Rを生成させる第2重合工程を実施する。共重合
体R中のエチレン含有量はコモノマーガス中のα−オレ
フィンモノマーとプロピレンモノマーのガスのモル比を
制御して、得られる共重合体R中のα−オレフィン含有
量が10〜55重量%になるように調節する。
【0043】一方、ポリプロピレン系組成物は、重合時
間の調節や一酸化炭素や硫化水素等の触媒の重合活性調
節剤を使用して、(WPP/WRC)が([η]RC
[η]PP)×(WPP/WRC)=0.2〜4.5から誘導さ
れる所定の範囲(約0.17〜7.5、好ましくは、
1.0〜4.0)になるよう調節される。さらに、共重
合体Rは[η]RC=6.5dl/g以下の要件を満たす
ように水素のような分子量調節剤を共重合時に加えて調
節されることが好ましい。
【0044】上記重合方式は、回分式、半連続式もしく
は連続式のいずれでも採用できるが、工業的には連続式
が好ましい。
【0045】第2重合工程の終了後に重合系からモノマ
ーを除去して粒状のポリプロピレン系組成物を得ること
ができる。得られた該組成物の一部は極限粘度の測定お
よびエチレン含有量の測定ならびに触媒単位重量当たり
の重合体収量の測定に供される。
【0046】本発明で(A)層に用いるポリプロピレン
系組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常
ポリオレフィンに使用する公知の酸化防止剤、中和剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、ブロッキング防
止剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤、透明化造核剤
などの添加剤を配合することができる。
【0047】該酸化防止剤としては、フェノール系酸化
防止剤、フォスファイト系酸化防止剤及びチオ系酸化防
止剤などが例示でき、該中和剤としてはステアリン酸カ
ルシウムやステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸塩類が例
示でき、該光安定剤及び紫外線吸収剤としてはヒンダー
ドアミン類,ニッケル錯化合物,ベンゾトリアゾール
類,ベンゾフェノン類などが例示でき、該無機充填剤及
びブロッキング防止剤としては炭酸カルシウム、シリ
カ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニ
ウム、ケイ酸マグネシウムなどが例示でき、該滑剤とし
てはステアリン酸アマイドなどの高級脂肪酸アマイド類
が例示でき、該帯電防止剤としてはグリセリン脂肪酸モ
ノエステルなどの脂肪酸部分エステル類が例示でき、金
属不活性剤としてはトリアジン類、フォスフォン類、エ
ポキシ類、トリアゾール類、ヒドラジド類、オキサミド
類などが例示でき、透明化造核剤としてはアルキル置換
ベンジリデンソルビトールなどのソルビトール類やロジ
ン類や石油樹脂類などが例示できる。
【0048】ポリプロピレン系組成物と上記添加剤を配
合する方法は、ヘンシェルミキサー(商品名)やプロペ
ラミキサーなどの攪拌機付き混合機及びリボンブレンダ
ーやタンブラーミキサーなどの通常の配合装置により配
合する方法(ドライブレンド)が例示でき、更に前記方
法により得られた配合物を通常の単軸押出機または二軸
押出機などを用いてペレット化する方法が例示できる。
【0049】本発明の多層プラスチックシートは、典型
的には(A)/(B)/(A)の3層構造からなり、該
多層プラスチックシートの層構成としては、(A)層を
構成するポリプロピレン系組成物が同種である2種3層
構造又は(A)層を構成するポリプロピレン系組成物が
異なる3種3層構造である。上記3層のみからなる構造
に制限されず、例えば、(A)/(B)/(A)/
(B)/(A)や(A)/(B)/(A)/(B)/
(A)/(B)/(A)等に構成することもできる。
【0050】本発明の多層プラスチックシートの肉厚は
特に限定するものではないが、シートの成形性の点で
0.07〜5.0mmが好ましく、更に好ましくは0.
2〜3.0mmである。また、該多層プラスチックシー
トの各層の厚みは、特に限定するものではないが、シー
トの成形性、高周波ウエルド加工性、光学的物性の点で
(B)層がシートの総肉厚のうち30〜98%を占める
ことが好ましく、更に好ましくは70〜90%である。
【0051】該多層プラスチックシートの製造方法とし
ては、通常、ポリオレフィンシートに用いられる公知公
用の成形方法(押出成形法、押出ラミネート法、圧縮成
形法、注型成形法)により製造する方法が例示できる。
公知公用の成形方法の中でも生産性が良好な理由によ
り、押出成形法が好ましい。特に好ましくは、押出機、
フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、ガイドロー
ル、引き取りロール、アニールロール、トリミングカッ
ター、マスキング、定尺切断カッター、スタッカーなど
の装置を備えているTダイシート成形機を用いる押出T
ダイ法による製造方法である。無論、本発明で得られる
多層プラスチックシートは、印刷性、塗装性、金属蒸着
特性などを付与する目的で、通常、工業的に採用されて
いる方法によってコロナ放電処理、あるいは火炎処理、
プラズマ処理などの表面処理が可能であることは言うま
でもない。
【0052】上記公知公用の方法で該多層プラスチック
シートを成形する場合、(A)層を構成するポリプロピ
レン系組成物のMFRは特に限定されるものではない
が、シート成形性および出来上がりのシート外観の点
で、(A)層のポリプロピレン系組成物と(B)層のエ
チレン系共重合体のMFR比(MFRA/MFRB)が
0.03〜20であることが好ましく、更に好ましくは
0.5〜2.0である。
【0053】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を用いて本発明を
具体的に説明するが本発明はこれらになんら限定される
ものではない。下記に実施例と比較例で用いるポリプロ
ピレン系組成物及びエチレン系共重合体等を詳細に説明
する。以下に(A)層に用いるポリプロピレン系組成物
の物性測定法を示す。尚、ポリプロピレン系組成物の結
晶性P及び共重合体Rに用いたα−オレフィンは各々エ
チレンである。
【0054】a)極限粘度(単位;dl/g):溶媒として
テトラリン(テトラクロロナフタレン)を用い135℃
の温度条件下、自動粘度測定装置(AVS2型、三井化
学(株)製)を使用して測定した。 b)チタン含有固体触媒成分(I)の粒度(単位;μ
m)および均一度:マスターサイザー(MALVEREN社製)を
用いて測定した粒度分布から算出した平均粒径を粒度と
し、また60%篩下の粒径を10%篩下の粒径で割った
値を均一度とした。 c)結晶性Pのプロピレン含有率及び共重合体Rのエチ
レン含有率(単位;重量%):赤外線吸収スペクトル法
により測定した。 d)触媒単位重量当たりの重合体収量:試料中のMg分
を高周波誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP法)に
より測定し、得られたMg分から算出した。WPPは、
{(触媒単位重量当たりの結晶性P収量)/(触媒単位
重量当たりのポリプロピレン系組成物収量)}×100
より求めた。WRCは、100−WPPより求めた。ここで、
(触媒単位重量当たりの結晶性P収量)は、第1重合工
程で製造した結晶性PのMg分をICP法により測定す
ることから求めた。また、(触媒単位重量当たりのポリ
プロピレン系組成物収量)は、第1重合工程及び第2重
合工程で製造して得られたポリプロピレン系組成物のM
g分をICP法により測定することから求めた。 e)MFRA は、ペレット化したポリプロピレン系組成
物をJIS K 7210に準じ、温度230℃、荷重21.18N
で規定のダイを通して、溶融押出しし、単位時間に流れ
出る重量を求めた。
【0055】以下に実施例、比較例で用いるポリプロピ
レン系組成物をしめす。ポリプロピレン系組成物A−1
〜5は、下記の製造方法によって得た。 1)チタン含有固体触媒成分の調製 a)チタン含有固体触媒成分:窒素置換したSUS製オ
ートクレーブに、無水MgCl2 を95.3g、乾燥Et
OH(エタノール)352mlを入れ、この混合物を攪拌
下に105℃に加熱し溶解させた。1時間攪拌後、この
溶液を105℃に加熱した加圧窒素(1.1MPa)で二
流体スプレーノズルに送入した。窒素ガスの流量は38
リットル/分であった。スプレー塔中には冷却用として
液体窒素を導入し、塔内温度を−15℃に保持した。生
成物は塔内底部に導入した冷却ヘキサン中に集められ、
256gを得た。生成物の分析結果から、この担体の組
成は出発溶液と同じMgCl2 ・6EtOHであった。
【0056】担体に用いるため、篩い分けを行い45〜
212μmの粒径で球形な担体205gを得た。得られた
担体を室温で、181時間、3リットル/分の流量の窒
素を用いて通気乾燥して組成がMgCl2 ・1.7EtO
Hの乾燥担体を得た。
【0057】ガラスフラスコ中において、乾燥担体20
g,四塩化チタン160ml、精製1,2-ジクロルエタン2
40mlを混合し、攪拌下に100℃に加熱した後、ジイ
ソブチルフタレート6.8ml加え、さらに100℃で2
時間加熱した後、デカンテーションにより液相部を除
き、再び四塩化チタン160ml、精製1,2-ジクロルエタ
ン320mlを加えた。100℃で1時間加熱保持した
後、デカンテーションにより液相部を除き、精製ヘキサ
ンで洗浄した後、乾燥してチタン含有固体触媒成分:I
−1を得た。得られたチタン含有固体触媒成分(I)の
平均粒径は115μmであり、その分析値は、Mg 1
9.5重量%,Ti 1.6重量%,Cl 59.0重量
%,ジイソブチルフタレート4.5重量%であった。
【0058】2)チタン含有固体触媒成分の予備活性化
処理 内容積15リットルの傾斜羽根付きSUS製反応器を窒
素ガスで置換した後、40℃での動粘度が7.3センチ
ストークスである飽和炭化水素溶剤(CRYSTOL-52、エッ
ソ石油(株)製)8.3リットル、トリエチルアルミニ
ウム525mmol、ジイソプロピルジメトキシシラン80
mmol、前項で調製したチタン含有固体触媒成分700g
を室温で加えた後、40℃まで加温し、プロピレン分圧
0.15MPaで7時間反応させ、予備活性化処理を行っ
た。分析の結果、チタン含有固体触媒成分1g当りプロ
ピレン3.0gが反応していた。
【0059】3)第1重合工程 添付の図1に示すフローシートにおいて、攪拌羽根を有
する攪拌機Mを備えた横型重合器1(長さ/直径=L/
D=6,内容積100リットル)に上記予備活性化処理
したチタン含有固体触媒成分を0.5g/hr、有機アルミ
ニウム化合物としてトリエチルアルミニウムおよび有機
ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシランを
連続的に供給した。反応温度70℃、反応圧力2.5M
Pa、攪拌速度40rpmの条件を維持するように液状プロ
ピレンを原料プロピレン配管3より、また必要量のエチ
レンガスを循環配管2よりそれぞれ連続供給し、さらに
結晶性Pの分子量を調節するために水素ガスを循環配管
2より連続的に供給し、反応器の気相中の水素濃度にて
生成ポリマーの極限粘度を制御した。
【0060】反応熱を原料プロピレン配管3から供給さ
れる原料液状プロピレンの気化熱により除去した。重合
器から排出される未反応ガスは未反応ガス配管4を通し
て反応器系外で冷却、凝縮させて本重合器1に還流し
た。
【0061】本重合器で得られた結晶性Pは、重合体の
保有レベルが反応容積の50容積%となる様に配管5を
通して重合器1から連続的に抜き出し、第2重合工程の
重合器10に供給した。この時、重合体抜き出し配管5
から結晶性Pの一部を間欠的に抜き出して、極限粘度、
プロピレン含有量の測定に、また、触媒単位重量当りの
結晶性P収量を求めるためのICP法の測定に供した。
【0062】4)第2重合工程 攪拌羽根を有する攪拌機Mを備えた横型重合器10(L
/D=6,内容積100リットル)に第1重合工程から
の結晶性Pおよびエチレンガスを活性抑制剤導入配管7
より、また液状プロピレンを原料プロピレン配管6より
それぞれ連続的に供給し、エチレンとプロピレンの共重
合を行った。反応条件は攪拌速度40rpm、温度60
℃、圧力2.1MPa,気相のエチレン/プロピレンのモ
ル比により、共重合体R中のエチレン含有量を調節し
た。共重合体Rの重合量を調節するために、重合活性抑
制剤として一酸化炭素、また、共重合体Rの分子量を調
節するため水素ガスを活性抑制剤導入配管7よりそれぞ
れ供給した。反応熱は原料プロピレン配管6から供給さ
れる原料液状プロピレンの気化熱で除去した。
【0063】重合器から排出される未反応ガスは、未反
応ガス配管8を通して反応器系外で冷却、凝縮させて本
共重合工程に還流させた。共重合工程で生成されたポリ
プロピレン系組成物は、重合体の保有レベルが反応容積
の50容積%となるように重合体抜き出し配管9で重合
器10から抜き出した。
【0064】得られるポリプロピレン系組成物の生産速
度は8〜12kg/hrであった。抜き出されたポリプロピ
レン系組成物はモノマーを除去し、一部は極限粘度、赤
外線吸収スペクトル法による共重合体R中のエチレン含
有量の測定に、また、触媒単位重量当たりのポリプロピ
レン系組成物収量を求めるためのICP法の測定に供し
た。
【0065】表1に示すポリプロピレン系組成物99.
49重量%、テトラキス[メチレン(3、5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メ
タン0.03重量%、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイト0.08重量%、ステアリン
酸カルシウム0.1重量%、シルカ(ブロッキング防止
剤)0.2重量%及びオレイン酸アマイド(滑剤)0.
1重量%配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)で混合
後、単軸押出機(口径65mmφ)を用いて230℃で
溶融混練し、ペレット化し、ペレット化したポリプロピ
レン系組成物の一部をMFRA の測定に供した。このペ
レット化したポリプロピレン系組成物を表1に示すよう
にA−1〜A−5と略称する。
【0066】
【表1】
【0067】表2に示すように、実施例,比較例で用い
る(B)層のエチレン系共重合体のペレットを下記のよ
うに略称する。 B−1:凝集エネルギー密度が68.7cal/c
3 、MFRが1.5g/10min、結晶融点が90
℃、ビカット軟化点が67℃、誘電正接のピーク値が
1.6×10-2を示す東ソー(株)製エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体(ウルトラセン630 酢酸ビニル(V
A)含有率15重量%)を用いる。 B−2:凝集エネルギー密度が70.7cal/c
3 、MFRが4.0g/10min、結晶融点が76
℃、ビカット軟化点が46℃、誘電正接のピーク値が
2.8×10-2を示す東ソー(株)製エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体(ウルトラセン634 VA含有率26重
量%)を用いる。
【0068】
【表2】
【0069】次に、実施例及び比較例で用いる多層プラ
スチックシートの評価方法を説明する。 tanδ(誘電正接):JIS K6911に準じ、相
互誘電ブリッジ法によって、多層プラスチックシートの
tanδを求める。tanδの値が大きいほど、高周波
電場内で誘電加熱し易いことを示す。 剥離強度(単位;g/cm):高周波ウエルド加工した多層
プラスチックシートのシール部両端を、インストロン型
試験機で引張試験を行う。剥離強度の値が大きいほど、
強固に接着している。 ヘイズ(透明性)(単位;%):ASTM D1003
に準じ、多層プラスチックシートのヘイズを測定して透
明性の基準とした。値が小さいほど透明性が良好であ
る。 ヤング率(柔軟性)(単位;MPa ):ASTM D88
2に準じ、多層プラスチックシートの引張弾性率である
ヤング率を測定して柔軟性の基準とした。値が小さいほ
ど、柔軟である。 鉛筆硬度(耐受傷性):JIS K5400に準じ、多
層プラスチックシートの鉛筆引っ掻き試験を測定して耐
受傷性の基準とした。鉛筆の芯の硬さで示した値が、硬
いほど多層プラスチックシート表面が硬く、耐受傷性が
良好である。
【0070】(実施例−1〜6及び比較例−1〜4)T
ダイを備え、コンバイニングアダプター法の3種5層押
出機(口径65mmφの中間層用単軸押出機×1、口径
40mmφの表層用単軸押出機×2)を用い、表2に示
したB−1またはB−2を中間層用単軸押出機に、表1
に示したA−1、A−2、A−3、A−4またはA−5
を表層用単軸押出機に供給し、230℃で溶融させ、2
種3層多層共押出を行い、エアーナイフ及び表面温度5
0℃の冷却ロールで冷却固化して厚み200μm(厚み
構成比=1:8:1)からなる2種3層の多層プラスチ
ックシートを得た。得られた多層プラスチックシートを
評価し、その結果を後述の表3および表4に示した。
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】上表から、本発明の実施例は大方、比較例
に比べてtanδ及び剥離強度が高く、ヘイズ及びヤン
グ率が低く透明性及び柔軟性に優れることが分かる。ま
た、実施例は鉛筆硬度も確保されている。
【0074】
【発明の効果】本発明の多層プラスチックシートは、電
気的特性として誘電正接(tanδ)が大きく高周波ウ
エルド特性に優れ、その他に透明性、柔軟性、耐受傷性
のバランスが優れるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた連続重合装置のフローシートを
示す。
【符号の説明】
1, 10 重合器 2 循環配管 3,6 原料プロピレン配管 4, 8 未反応ガス配管 5, 9 重合体抜き出し配管 7 活性抑制剤導入配管 M 攪拌機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 隆則 千葉県市原市五井8990 (72)発明者 秋田谷 真一 千葉県市原市菊間2897番地79 (72)発明者 岡山 千加志 千葉県市原市草刈1906ちはら台4−14−6 Fターム(参考) 4F100 AK04B AK07A AK07C AK64A AK64C AK66A AK66C AK68B AK70B AK71B AL01B BA03 BA06 BA10A BA10C BA16 JA04A JA04B JA04C JA06A JA06B JA06C JA11A JA11C JA20B JG05B JK01 JK06 JK12 JK13 JK14 JK17 JL12 JN01 YY00A YY00B YY00C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)/(B)/(A)の3層構造からな
    る多層プラスチックシートであって、(A)層は、プロ
    ピレン含有量が90〜99重量%で、結晶融点が160
    ℃以下である結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合
    体(以下、「結晶性P」と記す)と、α−オレフィン含
    有量が10〜55重量%であるプロピレン−α−オレフ
    ィン共重合体(以下、「共重合体R」と記す)とからな
    り、 [η]RC=6.5dl/g以下; [η]RC/[η]PP=0.6〜1.2;かつ ([η]RC/[η]PP)×(WPP/WRC)=0.2〜4.
    5 の範囲にあるポリプロピレン系組成物からなり、
    ([η]RC:共重合体Rの極限粘度、[η]PP:結晶性
    Pの極限粘度、WPP:ポリプロピレン系組成物に対する
    結晶性Pの重量%、WRC:ポリプロピレン系組成物に対
    する共重合体Rの重量%) (B)層は、凝集エネルギー密度が60〜90cal/
    cm3 、メルトフローレートが1.0〜15.0g/1
    0min、結晶融点が50〜120℃、ビカット軟化点
    が100℃以下、かつ誘電正接のピーク値が5.0×1
    -3(100kHz)以上であるエチレン系共重合体か
    らなることを特徴とする多層プラスチックシート。
  2. 【請求項2】 エチレン系共重合体は、エチレン・酢酸
    ビニル共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重
    合体、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体、
    エチレン・グリシジルメタクリレート・酢酸ビニル共重
    合体及びエチレン・エチルアクリレート・無水マレイン
    酸共重合体から選択されることを特徴とする請求項1記
    載の多層プラスチックシート。
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