JP2000246443A - 多角形の形材の高速溶接方法 - Google Patents

多角形の形材の高速溶接方法

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JP2000246443A
JP2000246443A JP5062699A JP5062699A JP2000246443A JP 2000246443 A JP2000246443 A JP 2000246443A JP 5062699 A JP5062699 A JP 5062699A JP 5062699 A JP5062699 A JP 5062699A JP 2000246443 A JP2000246443 A JP 2000246443A
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welded
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arc
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Motoji Hotta
元司 堀田
Harumichi Hino
治道 樋野
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マニピュレータを用いて多角形の第1形材を
第2形材同士に溶接接合する際に、高速でトーチを移動
させながら溶接接合できるようにする。 【解決手段】 第1形材1と第2形材2を溶接接合す
る。第1形材1の角部1bにアールを形成しておき、マ
ニピュレータに把持された溶接トーチ3を第1形材1の
周方向に沿って高速で移動させながら溶接を行う。溶接
トーチ3は、第1形材1の角部1bにおいて、ここに設
定された仮想円弧に沿って移動し、順次変えながら溶接
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多角形の形材の高速
溶接方法に関する。なお、本発明にいう「多角形」と
は、三角形、四角形、あるいはそれ以上の辺を有する角
形材をいうものである。
【0002】
【従来の技術】溶接部品および部材として、多角形の形
材は多く用いられている。これらの部品等の溶接、特に
自動車の部品等の溶接は、6軸溶接ロボットなどのマニ
ピュレータにより行われることが多くなっている。ここ
で、従来における多角形の形材の溶接方法について、ア
ルミニウム合金製の四角形の形材をT型隅肉溶接する場
合を例にとって簡単に説明する。図11(a)に示すよ
うに、断面四角形の第1被溶接材31の端面部を、第2
被溶接材32の平面部に向かい合わせ、この部分を溶接
してT型となるように隅肉溶接する。このT型隅肉溶接
は、図11(b)に示すように、第1被溶接材31の各
辺部31a,31a…ごとに図示しない溶接トーチを矢
印で示す方向に移動させ、合計4回の溶接によって行わ
れ、図11(c)に示すようなビードYを形成してい
た。あるいは、図11(d)に示すように、1点から溶
接を開始し、角部31b,31b…においては溶接トー
チの速度を減じて溶接を続け、最終的に溶接開始点まで
溶接トーチを移動させることによって溶接が行われ、図
11(e)に示すようなビードYを形成していた。
【0003】しかし、いずれの溶接方法においても、角
部における溶接部には、凸凹状、オーバーラップ、アン
ダーカット、角部の孔あきなどの欠陥が多発していた。
このような欠陥が生じる原因は、前者においては、辺の
溶接終了と次の辺の溶接開始のラップ部で生じる余盛り
過大から、凸凹状やオーバーラップとなることにある。
また、後者の場合は、角部における溶接トーチの移動速
度は遅くなり、また溶接トーチの振動により凸凹状、オ
ーバーラップ、アンダーカット、角部の穴あき等の欠陥
を発生していた。
【0004】さらに、従来においては、低速、第1被接
合材の直線部分の溶接を行う場合でさえ、約1m/mi
n以下の低速度で溶接トーチを移動させながら溶接を行
っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】その一方、本出願人が
特願平7−27361号に開示したような溶接トーチを
高速、具体的には2m/min以上の速度で移動させな
がら溶融接合を行うこともできる。溶接トーチを低速で
移動させながら溶接を行う場合には、被溶接材料に加え
られる単位長さ当たりの入熱量が多くなるため、被溶接
材料の変形や内装材の劣化などの問題が生じる。この
点、溶接トーチを高速で移動させることにより、アーク
の不安定化や溶け込み不足等の欠陥が発生することな
く、形状が整った幅の狭いビードを安定して形成するこ
とができる。しかも、溶接トーチを高速移動させること
が可能であるため、大きな治具を必要とせず、生産性の
向上を図ることもできる。したがって、自動車のフレー
ムなどに用いられる角形の形材を組み立てた状態で溶接
トーチを高速で移動させながら溶融接合を行うことがで
きるので、治具レス化が図られるとともに、生産性も向
上する。
【0006】しかし、従来のマニピュレータでは、被接
合材の角部を溶接する際に、高速で溶接トーチを移動さ
せると、振動などが生じてしまい、溶接不良などを起こ
すことが多かった。この問題に対して、被接合材の辺部
においては溶接トーチを高速で移動させ、角部で低速に
落とすことが考えられるが、この場合には溶接トーチの
移動速度を大きく減速する必要があるため、溶接部がタ
レたり、被溶接材に穴を空けたりすることとなってしま
った。
【0007】また、溶接トーチを大きく減速したり加速
したりすると、その分大きな慣性力が働き、この慣性力
に伴う振動が生じてしまう。この振動により、さらに溶
接不良が生じ易くなってしまった。
【0008】他方、この種のマニピュレータにおける角
部を溶接する際の溶接速度は、角速度で規定されている
ことから、角部において溶接トーチを移動させても実際
の溶接速度は低下していた。そこで、実速度に近づける
ために角速度を高めたが、溶接トーチの振動により溶接
ワイヤと被接合材との位置関係を適切に保つことができ
ず、結局は溶接不良を起こしてしまうことになった。溶
接不良が発生することにより、強度の低下や外観の劣化
などの問題が生じる。したがって、実際には、角形の形
材をマニピュレータを用いて溶接する際に、溶接トーチ
を高速で移動させながらの溶融接合はできなかった。
【0009】そこで、本発明の課題は、マニピュレータ
を用いて角形の形材同士を溶融接合する際に、高速で溶
接トーチを移動させながら溶融接合を行い、接合部の強
度の向上および外観の良化を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明に係る多角形の形材の高速溶接方法は、断面中空また
は中実の多角形の形材からなる第1の被溶接材と、第2
の被溶接材とを消耗電極式溶接により接合するに際し、
前記第1の被溶接材の断面における各辺間の各角部にお
いて、これらの角部を形成する互いに隣接した2辺に第
1の内接点および第2の内接点で内接する仮想円弧を設
定し、マニピュレータに保持された溶接トーチを前記第
1の被溶接材の外周に沿って高速で移動させながら、前
記溶接トーチから延出する溶接ワイヤ突き出し部の先端
が前記第1の被溶接材の外周における各辺および前記仮
想円弧上に沿って移動するように、第1の内接点から前
記仮想円弧を通って第2の内接点に至るまでの間に前記
溶接トーチの方向を順次変えることを特徴とするもので
ある。
【0011】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
おいて、前記第1の被溶接材の外周における辺部に沿っ
て移動する前記溶接トーチが前記第1の内接点に至った
ときに、前記溶接ワイヤ突き出し部の先端の前進角およ
び狙い角を変え始め、前記第2の内接点に至ったとき
に、前記第1の被溶接材における次の辺部における前進
角および狙い角となっているように、前記溶接トーチの
向きを順次変えることを特徴とするものである。
【0012】さらに、請求項3に係る発明は、請求項1
または請求項2において、前記仮想円弧を設定する際の
基準となる基準仮想円弧の曲率半径RSが下記の(1)
式によって規定されていることを特徴とするものであ
る。 RS=6000・VS/2π・VRmax・・・(1) RS:基準仮想円弧の曲率半径(mm) VS:溶接速度(1辺における溶接トーチの移動速度)
(m/min) VRmax:溶接トーチの許容角速度(度/sec)
【0013】溶接トーチを高速で移動させながら多角形
の形材の角部を溶接する場合、角部で急激な溶接トーチ
方向の変化となり溶接トーチの許容角速度を超えてしま
うため、溶接精度が低下する。また、角部先端の溶接時
においては、溶接トーチの方向変化に要する時間の間、
基準点は停止していることとなり、投入される熱量は多
大となる。そして、得られた溶接部はオーバーラップ、
アンダーカット等の欠陥を含んだ凸凹形状となり、品質
も低下する。そこで、本発明によれば溶接トーチの許容
角速度に基づいて、あらかじめ前記第1の被溶接材の角
部に所定の基準仮想円弧を設定することで円滑の溶接を
行うことができる。
【0014】なお、本発明にいう「許容角速度」とは、
溶接トーチにより接合材の角部を溶融接合する際に、精
度よく溶融接合を行うことができる範囲の角速度をい
う。この許容角速度は、使用されるマニピュレータの性
能により適宜決定されるものである。
【0015】さらに、請求項4に係る発明は、請求項1
から請求項3のうちのいずれかにおいて、前記第1の被
溶接材における角部の内側に前記仮想円弧が設定される
ときに、前記仮想円弧の中心から前記角部の先端までの
距離a1が下記の(2)式を満たすことを特徴とするも
のである。 a1=R/sin0.5α<L+R・・・(2) a1:仮想円弧の中心から角部の先端までの距離(m
m) α:角部のなす角度(度) L:溶接ワイヤの突き出し長さ(トーチ先端から基準点
までの距離)(mm) R:仮想円弧の曲率半径(mm)
【0016】マニピュレータを用いた自動溶接において
は教示に必要な基準点が設けられている。この基準点
は、溶接トーチのノズルから延出している溶接ワイヤの
先端部であり、マニピュレータの制御部において溶接ワ
イヤの突き出し長さで設定し、その制御部に記憶されて
いる。教示されマニピュレータに保持された溶接トーチ
は、この基準点を維持しつつ多角形の形材の辺を高速移
動しながら溶接を行う。そして、仮想円弧上の開始点か
ら終了点の間を許容角速度VRmaxで移動する。このと
き、通常、実際には隣接する各辺の交点には角部が形成
されており仮想円弧と一致していないので、溶接ワイヤ
の長さは角部で短くなり、その先端でもっとも短くな
る。そして、終了点で仮想円弧の開始点の長さに戻り、
次の辺に移行する。したがって、仮想円弧の中心から角
部の先端までの距離a1が、溶接ワイヤの突き出し長さ
Lに仮想円弧の曲率半径Rを加えたものより長いと、溶
接トーチが角部に干渉して損傷などを起こして、溶接で
きなくなってしまう。そこで、(2)式を満たすように
仮想円弧の中心から角部の先端までの距離a1を設定す
ることにより、溶接トーチが角部に干渉することを回避
でき、もって溶接を円滑に行うことができる。
【0017】また、請求項5に係る発明は、請求項1、
請求項2、または請求項4のうちのいずれかにおいて、
前記仮想円弧の曲率半径が前記基準仮想円弧の曲率半径
よりも小さい場合、前記溶接トーチが前記第1の内接点
から前記仮想円弧を通って第2の内接点に至るまでの間
における溶接電流A1および溶接電圧V1の積の値を基準
仮想円弧を溶接する際の基準溶接電流Aおよび基準溶接
電圧Vの積の値より小さくして、前記第1の被溶接材の
外周における溶け込みに必要な入熱量を均一とすること
を特徴とする。さらに、請求項6に係る発明は、請求項
5に示す前記溶接電流A1および溶接電圧V1の値が、下
記の(3)式で与えられることを特徴とするものであ
る。 (A・V)n/RS・VRmax=(A1・V1n/R1・VRmax・・・(3) A:基準溶接電流(A) V:基準溶接電圧(V) RS:基準仮想円弧の曲率半径(mm) A1:仮想円弧部の電流(A) V1:仮想円弧部の電圧(V) R1:仮想円弧の曲率半径(mm) VRmax:溶接トーチの許容角速度(度/sec) n :溶け込み量補正係数
【0018】仮想円弧の中心から角部の先端までの距離
1が溶接ワイヤの突き出し長さLに基準仮想円弧の曲
率半径RSを加えた長さよりも長い場合、(2)式を満
たすことはできない。この場合、溶接ワイヤの突き出し
長さLを長くして対応できるものの、溶接ワイヤの突き
出し長さLを長くしすぎると、高速で移動する溶接トー
チのシールド性を損なう。このため、溶接ワイヤの突き
出し長さLには限界がある。そこで、実際の溶接を行う
際には、基準仮想円弧の曲率半径RSを小さくすること
で角部における速度を調節することが望ましい。しか
し、この場合には、溶接に用いられる実際の仮想円弧の
曲率半径R1は、(1)式で得られた基準仮想円弧の曲
率半径RSより小さくなり、同じ溶接トーチの許容角速
度VRmaxでは、単位時間あたりに進む距離は小さくなる
ので、基準溶接電流Aおよび基準溶接電圧Vで溶接を行
うと、角部の溶け込みに必要な入熱量が過大になってし
まう。そこで、小さくしたA1,V1とすることにより、
溶け込みに必要な入熱量を同一とする必要がある。ま
た、請求項6で示される(3)式は請求項5における溶
接電流・溶接電圧の減じ量の最適な値を提供するもので
ある。ここで、溶接電流および溶接電圧の積で示される
エネルギー密度が大きくなると、アークが集中してさら
にエネルギー密度が増加する。その結果、溶け込み深さ
は深くなり、ビード幅は狭くなる。そこで、辺部と角部
との溶け込み深さを均一にするための補正を行うべく、
溶け込み量補正係数としてn乗という値を規定したもの
である。なお、ここで用いたnの値は被溶接材や溶接ワ
イヤの材質、および溶接ワイヤの径に対し経験的に求め
られる値である。後述の実施例で示した被溶接材をアル
ミニウム合金、溶接ワイヤがJIS A 5356WY
φ1.2mmの場合、n=1.35となる。
【0019】また、反対に基準仮想円弧の曲率半径RS
により、溶接に用いられる実際の仮想円弧の曲率半径が
大きいR1の場合には、溶接トーチの許容角速度VRmax
以内であるため、角速度を低減して溶接速度を同一にで
きる。したがって、溶接電流、電圧を変更する必要はな
い。
【0020】また、請求項7に係る発明は、請求項1か
ら請求項6いずれか1つにおいて、前記第1の被溶接材
の各角部を高速で溶接する場合、仮想円弧の開始点から
終了点までの間において、溶接電圧または電流を変化さ
せてアーク長を維持することを特徴とするものである。
溶接トーチと多角形の形材の間に発生するアークは、ア
ーク長さを一定に保ちながら多角形の形材の辺上を移動
していく。そして、仮想円弧の開始点から許容角速度V
Rmaxで移動していくにしたがい、アーク長はショートに
なっていく。アークが移動していくのは、多角形の形材
の辺上に沿ってであり、溶接ワイヤの突き出し長さ先端
の基準点となる仮想円弧上ではない。したがって、溶接
ワイヤは多角形の形材の辺上に押し込まれるようにな
り、その結果、アークはショートになっていく。そし
て、多角形の角部の先端を境にして、今度は仮想円弧の
終了点までロングになっていく。このような現象は溶接
欠陥を招きやすい。したがって、アークを安定させるた
めに、電圧を仮想円弧の開始点から高くする。そして、
多角形の形材の角部の先端から元の電圧に戻すことで、
安定したアークを得ることができる。また、電圧を変化
させることなく、電流を変化させることによってアーク
を安定させることもできる。
【0021】そして、請求項8に係る発明は、請求項1
から請求項4のいずれかに1つにおいて、前記第1の被
溶接材における角部に、前記仮想円弧に一致する角部コ
ーナーアールが付与されていることを特徴とするもので
ある。
【0022】請求項9に係る発明は、請求項1から請求
項8のいずれか1つにおいて、前記溶接トーチの移動速
度が2〜7m/minの範囲内にあることを特徴とする
ものである。多角形の形材の断面における各辺間におい
て、この角部に形成する互いに隣接した2辺に2つの内
接点で内接する仮想円弧を設けることにより、マニピュ
レータに保持された溶接トーチを高速移動させることが
可能となる。そして、仮想円弧の大きさを選定すること
で、溶接速度を2〜7m/minを実現することができ
る。
【0023】請求項10に係る発明は、請求項1から請
求項9のいずれか1つにおいて、前記第1の被溶接材は
前記第2の被溶接材の平面部に当接して溶接されること
を特徴とするものである。また、請求項11に係る発明
は、請求項1から請求項9のいずれか1つにおいて、前
記第2の被溶接材における溶接部位は、前記第1の被溶
接材における溶接部位と同一形状であり、前記第1の被
溶接材における溶接部位と、前記第2の被溶接材におけ
る溶接部位とが突き合わされて溶接されていることを特
徴とするものである。さらに、請求項12に係る発明
は、請求項1から請求項9のいずれか1つにおいて、前
記第2の被溶接材における溶接部位は、前記第1の被溶
接材における溶接部位が嵌入可能な形状であることを特
徴とするものである。これらのように第1の被溶接部材
における溶接部位と、第2の被溶接部材における溶接部
位とは、前記のような種々の形態とすることができる。
【0024】請求項13に係る発明は、請求項1から請
求項12のいずれか1つにおいて、前記第1の被溶接材
および前記第2の被溶接材はアルミニウム合金であり、
前記第1の被溶接材は、押出形材であることを特徴とす
るものである。
【0025】請求項14に係る発明は、請求項1から請
求項13のいずれかにおいて、前記溶接トーチを移動さ
せながら溶接を開始するとともに、溶接開始時における
溶接ワイヤ初速度を、前記溶接トーチの移動速度の1.
2〜2.5倍の範囲で大きくし、溶接開始点から本溶接
部へ移行する移行領域において入熱量を漸増し、本溶接
部からラップ終了部へ移行するラップ領域において入熱
量を漸減してラップ溶接を終了することを特徴とするも
のである。
【0026】このように溶接トーチを移動させながら溶
接を開始することにより、溶接トーチを静止させた状態
から溶接を開始する場合と比較して、溶接開始部分を美
麗に仕上げることができる。
【0027】なお、本発明にいう「溶接ワイヤ初速度」
とは、溶接開始時に溶接トーチから被接合材および接合
材の接合部に向けて送給される溶接ワイヤが、接合部に
接触する際の速度をいう。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら具体的に説明する。本発明に係る多角
形の形材の溶接方法について、消耗電極式溶接法である
MIG溶接によってアルミニウム合金のT型隅肉溶接を
行う場合を例にとって説明する。第1の被接合材となる
アルミニウム合金製の角形の押出形材(以下、「第1形
材」という)1を、第2の被接合材となるアルミニウム
合金製の四角形の押出形材(以下、「第2形材」とい
う)2に溶融接合するにあたり、まず、図1(a)に示
すように、第1形材1の端面接合部と、第2形材2の側
面接合部を向き合わせて当接させる。なお、図2(a)
に示すように、第1形材1の角部1bは、断面曲線形状
に形成されている。換言すれば、角部1bに小さなアー
ルが付与されている。また、他の角部についても同様に
小さなアールが付与されている。次に、図1(b)に示
すように、溶接トーチ3を第1形材1の周囲に沿って移
動させて溶接を行う。このとき、溶接トーチ3は、図示
しない6軸ロボットなどのマニピュレータに把持されて
おり、このマニピュレータによって移動させられる。溶
接を開始する際には、図8に示すように、溶接トーチ3
aから延出する溶接ワイヤ(以下「ワイヤ」という)4
が送給されて第1形材1に接触しアークを発生させる。
このアークの発生により溶接が開始しアークが発生した
後は、電源が設定した電流および電圧値に制御され、ワ
イヤ4もあらかじめ設定された本溶接の送給速度とさ
れ、定常的な本溶接の条件下で溶接が進行してビードが
形成される。
【0029】また、溶接トーチ3は、第1形材1の周囲
を高速、本実施形態では辺部でおよそ2m/min、角
部で角速度300度/secの速度で移動している。溶
接トーチ3が、第1形材1を1周したら、図1(c)に
示すように、第1形材1と第2形材2が溶接されてビー
ドYが形成される。
【0030】また、この溶融接合の工程においては、溶
接トーチ3が第1形材1の辺部から角部を経て次の辺部
へ移行する際に立体的な移動をする。ここでいう立体的
な移動について図2を用いて説明する。
【0031】図2(a)は第1形材1と第2形材2の接
合部の正面図であり、図2(b)はその平面図であり図
2(c)は側面図である。図2に示すように、第1形材
1の辺部1aを溶接している間は、正面視にて前進角θ
1が付与されるとともに、側面視して狙い角θ2が付与さ
れている。それから、溶接トーチ3が移動し角部1bを
経て次の辺部1cに到達すると、前進角θ1は維持され
ているが、狙い角θ2は0°で移動する。また、辺部1
dではトーチ3は辺部1aと同様の前進角θ1および狙
い角θ2が付与される。また、辺部1eではトーチ3は
辺部1cと同様の前進角θ1が付与され、狙い角θ2は0
°となる。
【0032】本発明に係る多角形の形材の高速溶接方法
においては、第1形材1の辺部1aを高速で移動してき
た溶接トーチ3からでた溶接ワイヤ突き出し長さ先端
が、第1形材1の角部1bに到達する前に仮想円弧の軌
跡上を移動し始める。従来のマニピュレータを用いて同
様の溶接を行うと、溶接トーチの振動を伴うため、接合
材の角部を溶接する際の最適な許容角速度は、50度/
sec以下であった。そのため、第1形材1の辺部1a
を高速で移動させると、角部1bの手前で大きく減速し
なければならず、その結果振動を生じて溶接不良を招く
ことがあった。これに対して、本実施形態においては、
溶接トーチ3を保持するマニピュレータとして、安川電
機製「MOTOMAN」を用いている。この「MOTO
MAN」は、振動防止機能を有しているとともに、第1
形材1の角部1bを上記のように溶接する場合でも、許
容角速度が300度/secあるいはそれ以上の高速で
精度よく動作するため良好な溶融接合を行うことができ
る。したがって、第1形材1の辺部1aから角部1bに
移行する際にも、大きな減速を強いられることはなく、
大きな減速に伴う溶接不良を招くことがない。しかも、
上記の立体的な移動を行う際には、上記従来のマニピュ
レータでは、振動がさらに激しくなるものであるが、
「MOTOMAN」では、このような立体的な移動を行
う際にも、効果的に振動を抑制することができる。
【0033】また、図3に示すように、第1形材1にお
ける角部1bに、辺部1a,1cに内接する仮想円弧V
Cを設定する。辺部1aを溶接していた溶接トーチ3の
移動位置が第1形材1の辺部1aから角部1bに移行す
るときに、ワイヤ4の進行方向先端部分が、第1形材1
の角部1bに到達するよりも手前の仮想円弧VCの開始
点VCaの位置から溶接トーチ3の向きを変え始める。
その後、角部1bを溶接しながら角部1bに沿って溶接
トーチ3の向きを順次変えながら溶接を行い、ワイヤ4
の進行方向先端部分が、第1形材1の次の辺部1cの仮
想円弧の終了点VCbの位置で、溶接トーチ3の向きが
変わり終えている(すなわち、辺部1aに適した前進角
θ1および狙い角θ2から辺部1cに適した前進角θ1
よび狙い角θ2にトーチの向きがかわる)ように溶接ト
ーチ3を移動させている。このように溶接トーチ3を移
動させることにより、常にワイヤ4が第1形材1に対し
て一定の距離および角度を維持していることになるの
で、的確に溶融接合を行うことができる。
【0034】ここで設定される仮想円弧VCとしては、
基準仮想円弧とするのが好適であり、その基準仮想円弧
の曲率半径RSは、溶接トーチの許容角速度VRmaxで仮
想円弧上を溶接ワイヤが移動する場合、溶接速度VS
移動することが適切となるので、下記の(1)式により
決定することができる。 RS=6000・VS/2π・VRmax・・・(1) RS:基準仮想円弧の曲率半径(mm) VS:溶接速度(1辺における溶接トーチの移動速度)
(m/min) VRmax:溶接トーチの許容角速度(度/sec)
【0035】このように、仮想円弧VCを、上記(1)
式で示される曲率半径を有する基準仮想円弧として用い
る場合、図3に示すように、この基準仮想円弧と同じと
した仮想円弧VCを第1形材1における角部1bのコー
ナーアールとして付与することにより、ワイヤ4が第1
形材1の周囲に適切な距離をおいて確実に位置すること
ができる。他方、第1形材にコーナアールを付与するこ
となく、設定された仮想円弧に沿って溶接トーチを移動
させる態様とすることもできる。
【0036】上記(1)式によって第1形材1の角部1
bにおける仮想円弧VCの曲率半径RSを決めることに
より、溶接トーチ3を、角部1bにおいてほとんど減速
することなくスムーズに辺部1aから角部1bに移行す
ることができるため、複雑となる条件変更等を生じな
い。
【0037】なお、溶接トーチ3の許容角速度V
Rmaxは、上記のようにマニピュレータの性能等により制
限される。また、溶接トーチの移動が第1形材1の辺部
1aから角部1bに移行する際の減速が大きすぎると、
急激な条件(溶接電流・電圧)等の変更を必要とするた
め設定プログラムが複雑となり、溶接作業が困難となる
ことがある。溶接トーチ3の溶接速度VSの上限は、溶
接トーチ3の許容角速度VRma xによって適宜決定され
る。
【0038】ところで、第1形材1の角部1bにコーナ
ーアールを付与しない場合についての溶接方法について
説明する。図4は第1形材1の角部1bを溶接トーチで
溶接する場合の仮想円弧と溶接トーチの摸式図である。
教示されマニピュレータに保持された溶接トーチが、基
準点を維持しつつ多角形の形材の辺を高速移動しながら
溶接を行うのは、上記の実施形態と同様である。
【0039】ここで、溶接トーチは図4に示す仮想円弧
VCの開始点VCaから終了点VCbにおいて、トーチ
の向き及び方向を順次変化させながら許容角速度VRmax
で移動する。しかし、第1形材1の角部1bには、仮想
円弧VCよりも外側に突出する頂部(角部の先端)Tが
存在するため、溶接ワイヤの突き出し長さLに対して、
辺部1aを溶接している際のワイヤの突き出し長さLs
(=L)に対して、仮想円弧VCの開始点VCaから頂
部T間で徐々に短くなる。その後、ワイヤの突き出し長
さは、頂部Tでもっとも短い長さLm(<L)になる。
そして、頂部Tから仮想円弧VCの終了点VCb間で徐
々に長くなり、終了点VCb点で長さLsに戻り、次の
辺部1cに移行する。
【0040】このとき、仮想円弧VCの中心VCrから
頂部Tまでの距離a1が、溶接ワイヤの突き出し長さL
に仮想円弧の曲率半径Rを加えた長さよりも長いと、溶
接トーチが角部に干渉して損傷などを起こして溶接がで
きなくなってしまう。そこで、(2)式を満たすように
仮想円弧の中心から角部の先端までの距離a1を設定す
る。 a1=R/sin0.5α<L+R・・・(2) a1:仮想円弧の中心から角部の先端までの距離(m
m) α:角部のなす角度(度) L:溶接ワイヤの突き出し長さ(トーチ先端から基準点
までの距離)(mm) R:仮想円弧の曲率半径(mm)
【0041】このように、仮想円弧VCの中心から頂部
Tまでの距離a1を溶接ワイヤの突き出し長さLに仮想
円弧の曲率半径Rを加えた長さよりも短く設定すること
により、溶接トーチが角部に干渉することを回避でき、
もって溶接を円滑に行うことができる。なお、ここでい
う溶接ワイヤの突き出し長さLは、トーチ先端から基準
点までの距離をいうものである。
【0042】他方、第1形材1の角部1bにコーナーア
ールを付与しない場合において、仮想円弧を基準仮想円
弧とすると上記(2)式を満たさない場合には、図5に
示すように、仮想円弧VCを基準仮想円弧VCBよりも
小さくする必要がある。このとき、溶接トーチ3からの
溶け込みに必要な入熱量を変えることなく第1形材1の
角部1bの溶接を行うと、角部1bの溶け込みに必要な
入熱量が辺部1a,1cの溶け込みに必要な入熱量より
も多くなってしまう。そのため、第1形材1に対して均
一な溶け込みに必要な入熱量を維持することができな
い。そこで、前記溶接トーチが前記第1の内接点から前
記仮想円弧を通って第2の内接点に至るまでの間におけ
る溶接電流A1および溶接電圧V1の値の積を基準仮想円
弧を溶接する際の基準溶接電流Aおよび基準溶接電圧V
の積の値より小さくして、辺部における溶け込みに必要
な入熱量を均一とする。また、この場合仮想円弧を曲率
半径R1の仮想円弧として、下記の(3)式を満たすよ
うに、溶接電流および溶接電圧を調節すれば、より適正
な溶け込み深さの均一化を図ることができる。 (A・V)n/RS・VRmax=(A1・V1n/R1・VRmax・・・(3) A:基準溶接電流(A) V:基準溶接電圧(V) RS:基準仮想円弧の曲率半径(mm) A1:仮想円弧部の電流(A) V1:仮想円弧部の電圧(V) R1:仮想円弧の曲率半径(mm) VRmax:溶接トーチの許容角速度(度/sec) n :溶け込み量補正係数
【0043】すなわち、基準仮想円弧VCBに対する溶
け込みに必要な入熱量を基準として、仮想円弧VC溶け
込みに必要なに対する入熱量を決定し、角部1bにおい
て溶接するのである。このようにして角部1bに対する
溶け込みに必要な入熱量を調節することにより、辺部1
a、1c、1d、1eに対する溶け込みに必要な入熱量
との均一性を担保することができる。なお、溶け込みに
必要な入熱量の調節は、溶接電流および溶接電圧のいず
れか一方によって行うことができ、あるいはその両方で
行うこともできる。上記式に於ける溶け込み量補正係数
nの値は被溶接材や溶接ワイヤの材質、および溶接ワイ
ヤの径に対し経験的に求められる値ある。本実施の形態
のように被溶接材をアルミニウム合金とした場合、溶接
ワイヤにJIS A 5356WYφ1.2mmを用いた
場合n=1.35となる。
【0044】このときの実際のアーク長さについて説明
すると、図6に示すように、溶接トーチ3は、第1形材
1の辺部1a上を溶接する際、アーク長さlを一定の長
さl 1に保ちながら移動する。そして、溶接トーチ3
は、仮想円弧VCの開始点VCaに到達した時点で、仮
想円弧VCに沿って許容角速度VRmaxで移動し始める。
仮想円弧VCに沿って溶接トーチ3が移動する際、アー
クは第1形材1の角部1bに沿って移動するので、溶接
ワイヤ4は第1形材1の辺上に差し込まれるようにな
り、アーク長さlは徐々にショートになっていく。そし
て、角部1bの頂部T点を境にして、今度は仮想円弧の
終了点VCbまでロングになっていく。このときのアー
ク長さl、溶接電圧Vおよび溶接電流Aの関係を図7
(a)に示すが、このような溶接を行うと溶接欠陥を招
きやすくなる。そこで、図7(b)に示すようにアーク
を安定させるために、電圧を仮想円弧の開始点VCaか
ら高くする。そして、第1形材の角部1bの頂部T点か
ら元の電圧に戻すことで、安定したアークを得ることが
できる。このときの具体的な数値としては図7(a)に
おいて、溶接速度Vs2.5m/min、仮想曲率半径
8mm、辺部の溶接では溶接電圧が20V、溶接電流が
170Aとした場合、アーク長さl1が5mmとなり、
このまま角部1bの溶接を進めると頂部Tにおけるアー
ク長さl2が2mmとなる。これを調整した図7(b)
に示す溶接電圧V2は、およそ20.5Vとなり、アー
ク長は5mmのまま頂部Tにおいても変化はなかった。
その他の数値は図7(a)に示したものと同じである。
さらに、第1形材1の角部1bが鋭角の場合には、図7
(c)に示すような電圧変化とすることも可能である。
このとき、仮想円弧の曲率半径は13mmであり、溶接
電圧V3はおよそ19.5Vである。その他の数値は、
図7(a)(b)に示したものと同じである。このよう
に、溶接電圧を角部において変化させることにより、角
部におけるアーク長に変化を生じず良好な溶接結果が得
られた。なお、ここでは定電圧制御による場合を説明し
たが、定電流制御によって電流値を変化させても、同様
の結果を得ることができる。
【0045】また、第1形材1の角部1bをなす内角を
仮想円弧とすることにより、マニピュレータに保持され
た溶接トーチを高速移動させることが可能となり、この
ときの溶接速度は2m/min以上であった。しかも、
その溶接速度は仮想円弧に加工されたコーナーアールを
有した場合には、さらに溶接速度を高めることが可能で
あった。その最大角度は溶接速度7m/minまで可能
であることがわかった。
【0046】さらに、本発明は、消耗電極式の溶融溶接
方法、具体的にはMIG、CO2、MAG、などで用い
られる。また、被溶接材としては、アルミニウム、アル
ミニウム合金のほか、鉄、ステンレス、銅、およびそれ
らの合金などを用いることもできる。
【0047】他方、本実施形態においては、図8(a)
に示すように、第1形材1における横辺部1dの途中位
置において、溶接トーチ3aを移動させながら溶接を開
始する。この溶接開始時における溶接ワイヤ初速度を溶
接トーチ3の移動速度の2倍としている。本発明は、溶
接ワイヤ初速度を溶接トーチの移動速度よりも速くして
溶接を開始する点で、本出願人が先の特願平8−299
367号で開示したものと同じである。
【0048】その作用について説明すると、図8(a)
に示すように、第1形材1の横辺部1dに沿って移動し
てきて、溶接開始位置に到達した溶接トーチ3aから
は、ワイヤ4が大きく延出されて第1形材1の辺部1d
に接触する。ワイヤ4と第1形材1との接触によりアー
クが発生して溶融接合が開始する。
【0049】ここで、溶接速度が比較的遅い従来の溶接
法の場合、たとえば1m/min程度の溶接速度の場合
は、溶接開始点近くの当初から連続したビードが形成さ
れるが、本発明の対象とするような高速の溶接を行う
と、溶接開始点近くのビードに溶滴が飛散して不連続な
ビードとなる。この不連続なビードが発生する原因は、
ワイヤの先端と接合材間の距離(アーク長)がワイヤの
短絡直後長くなることが原因である。このアーク長が長
くなりすぎる現象はごく短時間であって、従来の溶接法
における低速の溶接速度では問題にならなかった。とこ
ろが、本発明の対象とする高速溶接法においては、アー
ク長が長すぎる間に溶接が進行してしまい、不連続なビ
ードを形成してしまうものであった。そこで、本発明で
は、この時間を見込んで溶接ワイヤ初速度を溶接速度に
応じて大きくすることにより、不連続なビードの形成を
抑止するものである。
【0050】この間の溶接条件については厳密には解明
できないものの、種々の実験の結果、溶接ワイヤ初速度
が溶接トーチの移動速度の1.2〜2.5倍であればア
ーク長を短くでき、溶滴の飛散を確実に防止することが
できることがわかった。なお、溶接ワイヤ初速度が溶接
トーチの移動速度の1.2倍未満では、溶滴の球滴移行
による溶滴の飛散を生じて不連続なビード形成を完全に
防止できない。逆に、2.5倍を超えると、ワイヤが溶
接部に接して突き当って座屈するなどの不具合が生じ
る。
【0051】また、本発明では、図8(a)に示すよう
に、溶接開始点Sから本溶接部へ移行する移行領域にお
いて、溶接トーチ3bによって行われる入熱を漸増し、
本溶接部においては溶接トーチ3cから一定の入熱量で
溶接を行う。このように入熱量を制御することにより、
移行領域におけるビードY1の溶接高さを本溶接部のビ
ードY2よりも低く抑えておく。その後、図8(b)に
示すように、第1形材1の周りを1周して戻ってきた溶
接トーチ3dは、ラップ領域手前まで続く本溶接部の
間、一定の入熱量で溶接を行う。そして、本溶接部から
ラップ終了部へ移行するラップ領域において溶接トーチ
3eからの入熱を漸減して、溶接終了点Eまでラップ溶
接を行う。このラップ領域は、図8(a)に示す溶接開
始時における移行領域に一致するものである。移行領域
において形成されたビードY1の上にラップさせてビー
ドY3を形成し、本溶接部のビードY2と高さを合わせ
るように入熱量を漸減制御するものである。このように
溶接トーチ3からの入熱量を制御することによってビー
ドYを段差のない美麗な外観とすることができる。
【0052】なお、溶接開始時における移行領域での入
熱条件は、本発明の対象とする高速の溶接速度に対する
本溶接部の入熱量の60%未満であれば、十分な溶け込
みが得られない場合があるので、60%以上とするのが
望ましい。本溶接部の入熱量の60%以上であれば、十
分な溶け込みを得ることができる。一方、ラップ領域に
おける入熱量は、本溶接部の100%〜0%の範囲で適
宜選ぶことができる。
【0053】また、溶接開始時から本溶接部までの所要
時間は、0.1〜1秒の範囲とするのが望ましい。0.
1秒未満では、アークが安定せず、1秒を超えるとラッ
プ領域(移行領域)が必要以上に長くなるからである。
【0054】なお、上記実施形態では、溶接トーチ3の
移動速度を2m/minとしたが、許容角速度との関係
では3m/min程度の高速とすることも可能である。
また、上記実施形態ではT型隅肉溶接を例にとって説明
したが、図9(a)に示したような突き合わせ溶接に用
いることもできる。この溶接は、同じ断面形状の第1形
材(被溶接材)11の一端面と第2形材(被溶接材)1
2の一端面を突き合わせて、その突き合わせ部にビード
Yを形成して溶融接合するものである。さらには、図9
(b)に示した重ね隅肉溶接にも用いることができる。
この溶接は、第1形材(被溶接材)13の一端面を第2
形材(被溶接材)14の一端面に嵌入し、この嵌入部に
ビードYを形成して溶融接合するものである。本発明
は、これらの突き合わせ溶接や重ね隅肉溶接に対しても
好適に適用することができる。
【0055】これらのT型隅肉溶接、突き合わせ溶接、
および重ね隅肉溶接は、たとえば自動車用フレームの各
所において用いられる。すなわち、図10に示すよう
に、自動車MのセンターピラーP部分においては、第1
の被溶接材となる縦フレーム21と第2の被溶接材とな
る上フレーム22とがT型隅肉溶接によって溶接され
る。一方、第1の被溶接材となる縦フレーム21と第2
の被溶接材となる下フレーム23とも、T型隅肉溶接に
よって溶接されるが、これはその径が異なる場合の例を
示すものである。また、自動車Mの後部Qにおいては、
第1の被溶接材となる後端フレーム24と第2の被溶接
材となる接続フレーム25とが突き合わせ溶接によって
溶接されている。これら後フレーム24と接続フレーム
25とは、断面が同形である。また、自動車Mの前部F
では、第1の被溶接材となる湾曲フレーム26に、第2
の被溶接材となる鋳造品であるジョイント部品27に嵌
合して重ね隅肉溶接がなされている。この例のように、
第2形材は押出形材ではなく鋳物や鍛造品であってもよ
い。なお、ジョイント部品27には、湾曲フレーム26
のほか、第2湾曲フレーム28、第3湾曲フレーム29
および第4湾曲フレーム30が嵌合しており、それぞれ
重ね隅肉溶接がなされている。
【0056】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
本発明の実施例として、図2に示す溶接を行った場合に
ついて説明する。本実施例においては、後に述べる比較
例とともに第1の被溶接材および第2の被溶接材とし
て、アルミニウム合金JIS A 6061、1辺50
mm、肉厚1.5mmの押出形材をT6処理したものを
用いた。また、実験にあたり、溶接機として「パルスM
IG」、溶接ワイヤとして「5356WY−φ1.2m
m」、送給装置として「プッシュ・プル送給(最大送給
速度20m/min)」をそれぞれ使用した。
【0057】本発明に係る実施例および比較例の条件を
表1に示す。なお、比較例1は、各辺部毎に角部に達す
るように4回溶接を繰り返し4辺を各辺のビードが連続
するように1周溶接した場合である。比較例2は本発明
と同様の手順で角部をとおして1周連続して溶接を試み
たが本発明の如き仮想円弧を想定せずに溶接した例であ
る。比較例3は第1の被溶接材の肉厚を2.0mm、第
2の被溶接材の肉厚を4.0mm、として比較例2と同
様に溶接を行った例である。なお、本実施例、比較例と
もマニピュレータとして安川電機製「MOTOMAN−
SK16」を利用して実験した。以上の実施例1〜実施
例7および比較例1〜比較例3の結果を表2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】表1および表2から判るように、仮想円弧
を設定して溶接を行なった各実施例は何れも各辺及び角
部の変形は小さく、溶接部分の外観に不良はなく、各辺
部と角部の溶け込み深さにばらつきがあるものもあった
が穴あき、溶接不良となるものでなく、溶接結果は全て
良であった。表1および表2から判るように、仮想円弧
を基準仮想円弧よりも小さく設定した実施例1、実施例
7においては、前者は溶接ビードの外観は良であるとと
もに、変形が小さかったが、辺部と角部間で溶け込み深
さに若干ばらつきがあった。しかし、十分な溶け込み深
さを得ることができた。後者は角部において溶け込みが
深く外観は可のレベルであった。仮想円弧を基準仮想円
弧と一致させた実施例2〜実施例6においては、実施例
2は辺部と角部間で溶け込み深さに若干ばらつきがあ
り、角部のビード余盛りに若干の凸凹が認められたが溶
接ビード外観は可であった。また、充分な溶け込み深さ
も得ることができた。他の実施例は辺部と角部間で溶け
込み深さに僅かのばらつきがある他は溶接ビード外観、
変形も小さい等安定した溶接結果が得られた。
【0061】また、仮想円弧を基準仮想円弧に一致させ
るとともに、第1の被溶接材に基準仮想円弧と同一のコ
ーナアールを付した実施例5および実施例6において
は、外観は良好であるとともに、ビード余盛りも溶け込
み深さが安定しかつ十分な深さを得ることができた。こ
れらの例でも、変形量は少なく、特に実施例6では、変
形量はほとんど無かった。
【0062】また、実施例1、実施例7とも、仮想円弧
を基準仮想円弧よりも小さく設定したものであるが、辺
部および角部で入熱量を変えることなく溶接を行った実
施例7においては、外観は実施例1と較べ劣っていると
ともに、角部のビード余盛りにアンダーカットが認めら
れた。しかし溶け込み深さは十分であり変形量は少なか
った。実施例1は上記(3)式により辺部と角部の入熱
量のバランスをとったものであり角部の余盛り形状が実
施例7に較べかなり改善されていた。
【0063】他方、比較例1においては、各辺毎に溶接
開始点と終了点とが生じ角部に融合不良個所が生じ、外
観が不良となる結果となった。しかも、変形量も多くな
るという不具合が発生した。また、連続しない溶接とな
り溶接時間もかかった。また、仮想円弧を想定しない比
較例2では角部でトーチが前進方向を変えると共に前進
角、狙い角を変更するまでの間アークが一点のみに集中
するためこの間(一応角部の溶接速度を0.1m/minと
仮定して)溶接電圧・電流を下げて試みたがアークが維
持されず溶接自体が継続できなかった。比較例3は比較
例2の結果を考慮して被溶接材の肉厚を増やした例であ
るが、各角部において溶け込みが深くなりすぎ各角部で
割れを有した溶接部となった。
【0064】また、表には示さなかったが、従来のマニ
ピュレータを用いた場合、仮想円弧を57mm、トーチ
角速度を50度/secに設定する必要がある。する
と、ワイヤの突き出し長さを30mmとする必要があ
る。その結果、溶接ワイヤの追従性やシールド性が悪く
なり適正な溶接ができないため角部において穴あき、ビ
ードのダレ等が生じて溶接不良となった。
【0065】なお、上記実施形態においては、第1の被
溶接材として中空の形材を用いたが、第1の被溶接材と
しては、中実の形材を用いることもできる。
【0066】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明によれば、
マニピュレータを用いて多角形の形材を溶融接合する際
に、高速で溶接トーチを移動させながら溶融接合を行う
ことができ、そのときに接合部の強度の向上および外観
の良化を実現することが可能となる。
【0067】また、溶接トーチとともに接合材の辺部を
移動する溶接ワイヤの進行方向先端部分が、接合材の次
の辺部に到達するよりも手前の位置で溶接トーチの向き
が変わり終えているように溶接トーチを移動させること
により、確実に溶接ワイヤと接合材とを溶着することが
できる。
【0068】さらには、接合材における辺部の速度等を
考慮して、上記(1)式によって基準仮想円弧を求め、
接合材の角部の仮想円弧を決定することにより、溶接速
度の著しい低下を伴うことなく、溶融接合を行うことが
できるようになる。
【0069】そして、溶接トーチを移動させながら溶接
を開始することにより、溶接トーチを静止させた状態か
ら溶接を開始する場合と比較して、溶接開始部分を美麗
に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多角形の形材の溶接方法の工程を
示す工程図である。
【図2】(a)は第1形材と第2形材の接合部の正面
図、(b)はその平面図、(c)はその側面図である。
【図3】第1形材における角部の拡大正面図である。
【図4】第1形材の角部を溶接トーチで溶接する場合の
仮想円弧と溶接トーチの摸式図である。
【図5】基準仮想円弧より小さい仮想円弧を設定した場
合における第1形材の角部を溶接トーチで溶接する場合
の仮想円弧と溶接トーチの摸式図である。
【図6】第1形材の角部を溶接トーチで溶接する場合の
アーク長さを説明するための摸式図である。
【図7】第1形材の角部を溶接トーチで溶接する場合の
アーク長さ、溶接電圧、および溶接電流の関係を示すグ
ラフである。
【図8】ラップ溶接の説明図である。
【図9】(a)は突き合わせ溶接の状態を示す斜視図、
(b)は重ね隅肉溶接の状態を示す斜視図である。
【図10】T型隅肉溶接、突き合わせ溶接、および重ね
隅肉溶接を行う自動車用フレームの説明図である。
【図11】従来のT型隅肉溶接の工程図である。
【符号の説明】 1 第1形材(第1の被接合材) 2 第2形材(第2の被溶接材) 3(3a〜3e) 溶接トーチ 4 溶接ワイヤ Y(Y1〜Y3) ビード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 9/127 502 B23K 9/127 502C 9/28 9/28 C // B23K 101:04 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB08 CB01 CC04 EA03 PA03 QA01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面中空または中実の多角形の形材から
    なる第1の被溶接材と、第2の被溶接材とを消耗電極式
    溶接により接合するに際し、 前記第1の被溶接材の断面における各辺間の各角部にお
    いて、これらの角部を形成する互いに隣接した2辺に第
    1の内接点および第2の内接点で内接する仮想円弧を設
    定し、 マニピュレータに保持された溶接トーチを前記第1の被
    溶接材の外周に沿って高速で移動させながら、前記溶接
    トーチから延出する溶接ワイヤ突き出し部の先端が前記
    第1の被溶接材の外周における各辺および前記仮想円弧
    上に沿って移動するように、第1の内接点から前記仮想
    円弧を通って第2の内接点に至るまでの間に前記溶接ト
    ーチの方向を順次変えることを特徴とする多角形の形材
    の高速溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の被溶接材の外周における辺部
    に沿って移動する前記溶接トーチが前記第1の内接点に
    至ったときに、前記溶接ワイヤ突き出し部の先端の前進
    角および狙い角を変え始め、前記第2の内接点に至った
    ときに、前記第1の被溶接材における次の辺部における
    前進角および狙い角となっているように、前記溶接トー
    チの向きを順次変えることを特徴とする請求項1に記載
    の多角形の形材の高速溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記仮想円弧を設定する際の基準となる
    基準仮想円弧の曲率半径RSが下記の(1)式によって
    規定されていることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の多角形の形材の高速溶接方法。 RS=6000・VS/2π・VRmax・・・(1) RS:基準仮想円弧の曲率半径(mm) VS:溶接速度(1辺における溶接トーチの移動速度)
    (m/min) VRmax:溶接トーチの許容角速度(度/sec)
  4. 【請求項4】 前記第1の被溶接材における角部の内側
    に前記仮想円弧が設定されるときに、前記仮想円弧の中
    心から前記角部の先端までの距離a1が下記の(2)式
    を満たすことを特徴とする請求項1から請求項3のうち
    のいずれか1つに記載の多角形の形材の高速溶接方法。 a1=R/sin0.5α<L+R・・・(2) a1:仮想円弧の中心から角部の先端までの距離(m
    m) α:角部のなす角度(度) L:溶接ワイヤの突き出し長さ(トーチの先端から基準
    点までの距離)(mm) R:仮想円弧の曲率半径(mm)
  5. 【請求項5】 前記仮想円弧の曲率半径が前記基準仮想
    円弧の曲率半径よりも小さい場合、前記溶接トーチが前
    記第1の内接点から前記仮想円弧を通って第2の内接点
    に至るまでの間における溶接電流A1および溶接電圧V1
    の積の値を基準仮想円弧を溶接する際の基準溶接電流A
    および基準溶接電圧Vの積の値より小さくして、前記第
    1の被溶接材の外周における溶け込みに必要な入熱量を
    均一とすることを特徴とする請求項1、請求項2または
    請求項4に記載の多角形の形材の高速溶接方法。
  6. 【請求項6】 前記溶接電流A1および溶接電圧V1の値
    が、下記の(3)式で与えられることを特徴とする請求
    項5に記載の多角形の形材の高速溶接方法。 (A・V)n/RS・VRmax=(A1・V1n/R1・VRmax・・・(3) A:基準溶接電流(A) V:基準溶接電圧(V) RS:基準仮想円弧の曲率半径(mm) A1:仮想円弧部の電流(A) V1:仮想円弧部の電圧(V) R1:仮想円弧の曲率半径(mm) VRmax:溶接トーチの許容角速度(度/sec) n :溶け込み量補正係数
  7. 【請求項7】 前記第1の被溶接材の各角部を高速で溶
    接する場合、仮想円弧の開始点から終了点までの間にお
    いて、溶接電圧または電流を変化させてアーク長を維持
    することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのい
    ずれか1つに記載の多角形の形材の高速溶接方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の被溶接材における角部に、前
    記仮想円弧に一致する角部コーナーアールが付与されて
    いることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのい
    ずれか1つに記載の多角形の形材の高速溶接方法。
  9. 【請求項9】 前記溶接トーチの移動速度が2〜7m/
    minの範囲内にあることを特徴とする請求項1から請
    求項8のうちのいずれか1つに記載の多角形の形材の高
    速溶接方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の被溶接材は前記第2の被溶
    接材の平面部に当接して溶接されることを特徴とする請
    求項1から請求項9のうちのいずれか1つに記載の多角
    形の形材の高速溶接方法。
  11. 【請求項11】 前記第2の被溶接材における溶接部位
    は、前記第1の被溶接材における溶接部位と同一形状で
    あり、前記第1の被溶接材における溶接部位と、前記第
    2の被溶接材における溶接部位とが突き合わされて溶接
    されていることを特徴とする請求項1から請求項9のう
    ちのいずれか1つに記載の多角形の形材の高速溶接方
    法。
  12. 【請求項12】 前記第2の被溶接材における溶接部位
    は、前記第1の被溶接材における溶接部位が嵌入可能な
    形状であることを特徴とする請求項1から請求項9のう
    ちのいずれか1つに記載の多角形の形材の高速溶接方
    法。
  13. 【請求項13】 前記第1の被溶接材および前記第2の
    被溶接材はアルミニウム合金であり、前記第1の被溶接
    材は、押出形材であることを特徴とする請求項1から請
    求項12のうちのいずれか1つに記載の多角形の形材の
    高速溶接方法。
  14. 【請求項14】 前記溶接トーチを移動させながら溶接
    を開始するとともに、溶接開始時における溶接ワイヤ初
    速度を、前記溶接トーチの移動速度の1.2〜2.5倍
    の範囲で大きくし、 溶接開始点から本溶接部へ移行する移行領域において入
    熱量を漸増し、本溶接部からラップ終了部へ移行するラ
    ップ領域において入熱量を漸減してラップ溶接を終了す
    ることを特徴とする請求項1から請求項13に記載の多
    角形の形材の高速溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005044501A1 (de) * 2003-11-07 2005-05-19 Otc Daihen Europe Gmbh Verfahren zur steuerung der schweissparameter beim aluminiumschweissen mit einem einer richtungsänderung aufweisenden schweissbahn sowie gemäss diesem verfahren hergestellte schweissbahn
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