JP2000245778A - 介護用ベッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、省力的な介護用ベッドに関し、特に
ベッドに付設した二種のウォームギャー聯動機構とプー
リー懸垂機構を利用して、微力な介護人単独でもベッド
上に仰臥した患者を容易に座位状態又は入浴状態に変位
させ得る機能的ベッドを提供する事を課題とする。 【解決手段】上記課題を解決する為に、本発明の介護ベ
ッドは、ベッド床及びその上に敷かれたマットを三分割
され、患者の仰臥する中央分割部分が、ベッドの頭側に
設けられたウォームギャー聯動リンク機構で座椅子状に
変形されると供に、ベッド足部側に設けられたウォーム
ギャー連動プーリー懸垂機構で、前記分割部分を座椅子
状にベッド下に可逆的に懸垂転移し、ここに設けられた
着脱自在のテント状布体入浴手段中に、患者の腰部より
も足先部が若干高い状態で、分割ベッド床に着座まま安
定して入浴させる様に構成されている事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、介護用ベッドに係り、
特にそのベッド床の一部が座椅子状に変化してベッド上
での食事その他の行動を容易にすると同時に、一方では
ベッドフレームに装着された二軸の作用で、座椅子状に
変化しながら、ベッド下方に着脱自在に装着された入浴
手段内に可逆的に懸垂降下し、その上に仰臥する患者の
腰部に対して梢足部が上がり、しかも膝が曲折した状態
で停止して入浴し、その後原位置のベッド上に復帰し得
る如く構成した事を特徴とする介護用ベッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、寝たきりの患者の食事用或は入浴
用に特別に設計された介護用ベッドは、多数提案され市
販されている。例えば、前者用としては、ベッドの床部
並びにマット部が歯車等の作用で適当な部分から起き上
がって座椅子状に変形するもの、或は背凭れ状に起き上
がると同時に膝関節部が曲折されるもの等が提案されて
いる。

【０００３】又後者用としては、此の種患者の入浴に於
て、患者自身又は患者を補助具に乗せて、適当な搬送手
段、例えば人力又はリフト或は車椅子でベッド脇に据え
つけられた入浴手段又は家庭内浴槽に移送して患者のみ
或は補助具と供に入浴させるのが普通であった。

【０００４】斯の如き介護用ベッドに於て、前者の食事
用座椅子ベッドは、その機構の差異は別として、それな
りの効果を備えているが、後者の入浴手段は、患者搬送
用のリフト等を装備するには、費用が嵩み、場所的にも
問題が生ずる欠点がある。

【０００５】又、人力に依る入浴においては、少なくと
も２人以上の介護人を必要とし、例えベッド近辺に浴槽
を仮設しても、裸体の人体を完全に持ち運ぶ事は、相当
な力と周到な注意を必要とし、非力な女性では、極めて
困難且つ気疲れのする作業と成っている。本発明は、此
の様な欠点を改善し、上記の如き労力並びに気疲れを減
少並びに排除する事を課題とするものである。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】斯の如き課題を解決する為
に本発明に於ては、先ず第一にベッド床並びにマットを
三分割し、患者の仰臥する中央分割部分のベッド床上面
に、板幅の異なる分割板を連続並設し、更に前記ベッド
面を、その枠体側面の三点即ち頭部、脚部及び足部で支
承すると供に、ベッド頭部並びに足部側に、ウォームギ
ャー聯動リンク機構と同様なプーリー懸垂機構とを付設
し、前者に依ってベッド上で中央分割部分を座椅子状に
可逆的に変形させ、後者に依ってベッド下に座椅子状に
可逆的に垂下し、ベッド下に装着された入浴手段内に降
下させて入浴させる如く構成し、それと同時に、入浴手
段内に降下し座椅子状に変形したベッド床の足先部が、
その腰部分より僅かに上位に位置する様に垂下すると供
に、ベッド床上の前記分割床板が、座位状に変移した患
者の膝部分で波状に変形して屈曲し、大浴中の患者の姿
勢を安定させ、介護人供々、不安なく洗体し得る様に構
成した事を特徴とするものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】斯の如くして本発明の介護ベッド
上に仰臥する患者は、頭部側に設けられたウォームギャ
ー作動ハンドルに依って、分割されたベッド部分上で座
椅子に座した状態に変位する事が出来、容易に食し、安
易に薬用する事が出来る。

【０００８】更に又、足部側のウォームギャー作動ハン
ドルに依って、ベッド枠体内側上に支承された回転軸上
の直径の異なる一対のプーリーを経て、二点支承された
前記分割ベッド床部分は、仰臥した患者供々ベッド下の
入浴手段内に座位状態で可逆的に垂下され、前記入浴手
段の内底にベッド部分が到達した時、座位した患者の足
先部分は、その腰部分よりも上方に位置すると供に、ベ
ッド床表面の板幅の異なる分割板面は、患者の膝部分で
波状に屈曲して前方えの滑動変位を防止し、此の座位を
安定させる。斯くて介護者は、ただ一人で容易に患者を
入浴させ、食事さす事が出来、患者供々精神的、肉体的
疲労を回避する事が出来る。以下に図面を参照して本発
明の好個の実施例を説明する。

【０００９】

【実施例】本発明の介護用ベッド（１）は、図１乃至３
に示す如く、主として所定高さの脚部（１０）、三分割
されたベッド本体（３）、フレーム（１２）、分割ベッ
ド床変形用ウォームギャー機構（Ｗ’）（以下、ウォー
ム座椅子機構（Ｗ’）と記載する）、分割ベッド床変形
懸垂用ウォームギャー機構（Ｗ）（以下、ウォーム懸垂
機構（Ｗ）と記載する）及び着脱自在の入浴手段（２）
より成る。

【００１０】斯の如き機構に於て、上記ベッド本体
（３）は、特に図１及び３に示す如く、マット（３’）
と供に三分割（４）（４’）（４”）され、その人体仰
臥中央分割ベッド床（４）（以下、分割ベッド床（４）
と記載する）には、表面に（１３）で示す如き板幅の異
なる多数の分離板が変形自在に連続的に並設されてい
る。

【００１１】又、此の分割ベッド床（４）は、ベッド本
体（３）の背凭れ（１１）側のフレーム（１２）の内側
に支承されたウォーム座椅子機構（Ｗ’）に依って、ベ
ッド上で座椅子化され、足部側のフレーム内側に支承さ
れたウォーム懸垂機構（Ｗ）に依って、他の分割ベッド
部分（４’）（４”）とは別途に、ベッド下に装着され
た入浴手段（２）内に座椅子化されたまま垂下される様
に構成されている。

【００１２】此のウォーム座椅子機構（Ｗ）は、図４及
び図５に示す如く、回転軸（１４）に依って、ベッドフ
レーム（１２）の内側に支承され、ウォームギャー機構
（１９）（２０）に依ってリンク機構（Ｒ）を所望方向
に作動させ、前記分割ベッド床（４）を可逆的に座椅子
状に変位させる様に構成されている。

【００１３】更に又、ウォーム懸垂機構（Ｗ）は、図６
及び図７に示す如く、回転軸（２２）（２２’）で上記
と同様にフレーム（１２）の内側に支承され、ウォーム
ギャー単位（７）（７’）で、直径の異なる同軸上の二
対のプーリー（８）（９）を含む分割ベッド床懸垂単位
（Ｖ）を作動し、入浴患者を乗せたまま分割ベッド床
（４）を座椅子状に垂下し、入浴手段（２）内に固定す
る様に構成されている。

【００１４】此等機構に於て、前者のウォーム座椅子機
構（Ｗ’）は、特に図５に示す如く、作動ハンドル
（６）を備えたウォームギャー（１９）と伝達ギヤー
（２０）との組合せ機構を前記回転軸（１４）に装着
し、ハンドル軸（２１）とウォームギャー軸（１４）に
聯動して、リンク関節（１５）（１６）（１７）（１
８）より成るリンク機構（Ｒ）を、矢印（Ｒ）（Ｒ’）
（Ｆ）（Ｆ’）方向に作動し、最終的に分割ベッド床
（４）を可逆的に（Ｆ”）方向に押圧して座椅子状に変
形する如く作用する。

【００１５】一方、ウォーム懸垂機構（Ｗ）は、図６並
びに図７に示す如く、ハンドル（５）を（ｒ）方向に回
転さす事に依って、回転軸（２７）を介し、ウォームギ
ャー（２５）を（ｒ’）方向に、伝達ギヤー（２６）を
（ｒ”）方向に夫々回転させ、同軸（２２）上の大プー
リー（８）及び小プーリー（９）を経て、分割ベッド床
（４）上の支点（ｓ’）及び（ｓ”）上に固定されたロ
ープ（２３）（２４）を、夫々（ｆ）方向及び（ｆ’）
方向に移動させ、それと同時に、ベッドフレーム（１
２）上に設けられた分割ベッド床の曲折支点（ｓ’）及
び分割ベッド床足先支点（ｓ”）上の係止手段（図示せ
ず）を釈放する事に依って、ベッド下部の入浴手段
（２）内に座椅子状に懸垂降下させ、上記曲折支点
（ｓ’）即ち仰臥患者の腰部分が入浴手段の内底に達し
た時、ストッパー（ｓ）を操作して、完全に分割ベッド
床（４）を座椅子状に固定させ、安定した状態で入浴さ
せる様に構成されている。

【００１６】此の際、ウォームギャー回転軸（２２）に
固定され、且つ分割ベッド床（４）の支点（Ｓ’）及び
（Ｓ”）を、入浴手段（２）内に降下させるロープ（２
３）（２４）の繰り出しプーリー（８）（９）の直径
は、前者が後者よりも大きく選定されているので、図６
に示す如く、患者（Ｐ）の腰部に相当する分割ベッド床
支点（ｓ’）は、足先部支点（ｓ”）よりも（α）寸法
のみ沈下し、しかも分割ベッド床（４）が、ベッド本体
（３）上から入浴手段（２）内に沈下する間に座椅子状
（Ｌ字状）に変化するので、その表面に連続して並設さ
れた板幅寸法の異なる木製分離板（１３）（１
３）．．．を、既知の手段（カム手段）に依り、板幅の
小さい膝関節部分で波状に変形する様に作用させ、入浴
中の患者（Ｐ）の腰が、足先部分より沈んだ状態に変移
して、前方にずり落ち無い様に形成し、座椅子上の患者
が安心して入浴し得る様に構成される。

【００１７】更に又、此の入浴手段（２）は、合成樹脂
のコーティングされた一枚のテント状布体より折り返さ
れ、適当な枠体に取り付けられて、ベッド床本体（３）
のフレーム内側下部に取り外し自在に装着され、入浴後
は手動又は動力ポンプで渇水を汲み出し、乾燥し、折畳
み、収納される。勿論、此の入浴手段内に降下懸垂され
た分割ベッド床（４）は、ウォームギャー作動ハンドル
（５）を逆方向に回転させる事に依って、原位置のベッ
ド床内に復帰させられる。

【００１８】

【発明の効果】此の様な構成及び作用に依って本発明の
介護ベッドは、以下の如き優れた諸効果を備えている。 （１） 本発明の介護ベッドは、一人の介護人で患者の
入浴及び座食を行う事が出来る。 （２） 入浴手段がベッド本体下に設置され、ベッドの
一部が座椅子状に沈下し、そのままで入浴出来るので、
リフト等の別途の装置を必要としない。 （３） ベッド下での入浴に於て、足先が腰部よりも若
干高い位置で入浴し得るので、入浴時に不安定性がな
く、一人の介護人で安心して世話する事が出来る。 （４） 入浴手段は、一枚の合成樹脂コーティングされ
たテント状布体で構成されるので、組立、着脱、折畳、
収納が容易で、場所を取らず簡便である。 （５） ベッド本体の座椅子化及び入浴懸垂化がいずれ
もウォーム歯車機構を利用したリンク機構及びプーリー
懸垂機構で行われるので、省力的で安全である。 （６） 構造が簡単且つ比較的安価であるので家庭用と
して利用出来る。 （７） 移動可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の介護用ベッドの斜視図である。

【図２】 本発明の介護用ベッドの正面図である。

【図３】 本発明の介護用ベッドの平面図である。

【図４】 本発明の介護用ベッドの座椅子化を示す説
明図である。

【図５】 本発明の介護用ベッドの分割ベッド床座椅
子化用ウォーム歯車聯動リンク機構の作用説明図であ
る。

【図６】 本発明の介護用ベッドの入浴座椅子懸垂状
態を示す説明図である。

【図７】 本発明の介護用ベッドの分割ベッド床座椅
子化懸垂ウォーム歯車聯動プーリー懸垂機構の作用説明
図である。

【符号の説明】

（１） 本発明の介護用ベッド （２） 入浴手段 （３） ベッド床本体 （４） 中央分割ベッド床 （５） ウォーム歯車ハンドル （Ｗ） ウォーム歯車聯動プーリー懸垂機構 （６） ウォーム歯車ハンドル （Ｗ’） ウォーム歯車聯動リンク機構

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定高さのベッド床上にマットを、其の下
   に着脱自在の入浴手段を備えると供に、前記ベッド床及
   びマットは、長手方向に三分割可能であると同時に、此
   の分割された人体仰臥部分が自在に座位状態に可逆的に
   変移し、又一方座位状態に変移しつつベッド下の入浴手
   段まで可逆的に降下し、その底部に達した時安定化する
   事を特徴とするる介護用ベッド。
2. 【請求項２】前記分割された人体仰臥部分が、ベッドの
   上下二軸に依り異なった変移率で座椅子状に引き上げ且
   つ引き下げられる事を特徴とする請求項１記載の介護用
   ベッド。
3. 【請求項３】前記分割された人体仰臥部分の表面が、幅
   寸法の異なる多数の板状木材で連結重層され、前記仰臥
   部分が座椅子状に変化する際に、其の上に仰臥する人体
   の膝関節部分が若干波状に曲折される如く構成されてい
   る事を特徴とする請求項２又は３記載の介護用ベッド。
4. 【請求項４】前記取り外し自在の入浴手段が、一枚のテ
   ント状シートから成る事を特徴とする請求項１記載の介
   護用ベッド。