JP2000245686A - 内視鏡用マウスピース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】マウスピース本体に開閉自在に支持された一対
の挟圧部材に、固定部材を外嵌させるだけで、簡単にガ
イドチューブをマウスピースに固定できる内視鏡用マウ
スピースを提供する。 【解決手段】本発明の内視鏡マウスピースは、一対の挟
圧部材２４、２４がその上端でマウスピース本体１２に
回転自在に支持される。したがって、挟圧部材２４、２
４は、その自重により垂下し、マウスピース本体１２の
挿通孔１２Ａに挿通されたガイドチューブ１６に当接す
る。この状態で、リング状の固定部材１４を、一対の挟
圧部材２４、２４に外嵌させる。これにより、前記一対
の挟圧部材２４、２４がガイドチューブ１６を挟圧して
マウスピース本体１２に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は内視鏡用マウスピー
スに係り、特に経口的に小腸内視鏡検査する際に使用さ
れる内視鏡用マウスピースに関する。

【０００２】

【従来の技術】特開平１０−２３４６５６号公報に開示
されているように、小腸を内視鏡検査する際に使用され
るマウスピースには、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入案
内するためのガイドチューブ（ガイド管）が取り付けら
れる。ガイドチューブは、被検者の口から小腸にかけて
挿入され、その挿入長さが調節された後、マウスピース
本体に固定する必要がある。

【０００３】前記特開平１０−２３４６５６号公報に開
示されたマウスピースは、マウスピース本体に形成され
た挿通孔にガイドチューブを挿入し、そして、挿通孔に
連通された切欠溝に、弾性力を有する固定部材を係合さ
せることにより、ガイドチューブをマウスピース本体に
固定するように構成されている。また、同公報には、マ
ウスピース本体にリング状の固定部材を螺合連結し、こ
の固定部材をマウスピース本体に締め込むことにより、
ガイドチューブをマウスピース本体に固定する例も開示
されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のマウスピースは、ガイド管をマウスピース本体に固
定する際に、前記固定部材を弾性力に抗してマウスピー
ス本体に係合させたり、固定部材をマウスピース本体に
締め込まねばならず、操作性が悪いものであった。

【０００５】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、ガイド管を簡単な操作で固定することのできる
内視鏡用マウスピースを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、内視鏡挿入部を挿入案内するガイド管が挿
通される挿通孔が形成されたマウスピース本体と、前記
マウスピース本体に一端部が開閉自在に支持され、閉状
態で前記マウスピース本体の挿通孔に挿通された前記ガ
イド管の外周に当接する挟圧部材と、前記ガイド管の外
周に当接された挟圧部材に外嵌されることにより、前記
挟圧部材で前記ガイド管を挟圧し、前記ガイド管をマウ
スピース本体に固定する固定部材と、からなることを特
徴とする。

【０００７】請求項１記載の発明によれば、挟圧部材が
マウスピース本体に一端部で開閉自在に支持されている
ので、固定部材を挟圧部材に外嵌させるだけで、前記ガ
イド管をマウスピースに固定することができる。また、
請求項１記載の発明は、弾性体等を使用しない簡単な機
構であるので、低コストであり、さらに洗浄を容易に行
うことができる。

【０００８】請求項２記載の発明によれば、固定部材に
形成された切欠部を介して前記挟圧部材を固定部材との
嵌合解除方向に移動させるので、前記固定部材と挟圧部
材との嵌合を簡単に解除することができる。請求項３記
載の発明によれば、挟圧部材にスリット部が形成されて
いるので、挟圧部材を変形させることにより、挟圧部材
と固定部材との嵌合を簡単に解除することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る内視鏡用マウスピースの好ましい実施の形態について
詳述する。図１は、小腸用内視鏡検査に使用される本実
施の形態の内視鏡マウスピース１０を示す全体斜視図で
あり、図２は、図１に示したマウスピース１０の断面図
である。

【００１０】これらの図に示すように、前記マウスピー
ス１０は、筒状のマウスピース本体１２とリング状の固
定部材１４とからなり、このマウスピース本体１２と固
定部材１４とにガイドチューブ１６が挿通されている。
前記マウスピース本体１２は、その外周面にフランジ１
８が形成され、このフランジ１８を挟んで一方側に歯当
て部２０、他方側に固定部２２が形成されている。ま
た、マウスピース本体１２には、歯当て部２０から固定
部２２にかけて挿通孔１２Ａが貫通して形成されてい
る。この挿通孔１２Ａは、ガイドチューブ１６が挿通さ
れる孔であり、ガイドチューブ１６の外径よりも大きめ
に形成されている。

【００１１】前記歯当て部２０は、被検者にくわえられ
る部分であり、外周面の対向した位置に一対のフラット
面（Ｄカット面）２０Ａ、２０Ａが形成されている。前
記固定部２２は、一対の挟圧部材２４、２４によって構
成され、この一対の挟圧部材２４、２４は、図１の想像
線で示すように、一方の端部同士が重なった状態で、ピ
ン２６によって開閉自在に支持されている。挟圧部材２
４、２４は、ピン２６に支持される端部において凹凸嵌
合し、お互いの開閉動作に干渉しないように構成されて
いる。

【００１２】また、一対の挟圧部材２４、２４は、互い
に内側に回転させた際に他端部同士が当接して環状体を
形成するように構成されている。この環状体は、挿通孔
１２Ａの軸線を中心として形成されるとともに、その内
周面がガイドチューブ１６の外周面よりも若干小さめに
形成される。これにより、前記挿通孔１２Ａに挿通され
たガイドチューブ１６を、一対の挟圧部材２４、２４で
挟圧することができる。また、前記一対の挟圧部材２
４、２４にはそれぞれ、径方向に内部から外部へ向けて
複数のスリット２８、２８…が形成されている。

【００１３】一方、固定部材１４は、その軸に沿って挿
通孔１４Ａが形成されている。この挿通孔１４Ａは、ガ
イドチューブ１６が挿通される孔であり、前記マウスピ
ース本体１２の挿通孔１２Ａと同様に、ガイドチューブ
１６の外径よりも若干大きめに形成されている。また、
固定部材１４には、一方側の端部に嵌合部３２が形成さ
れ、この嵌合部３２に、前記一対の挟圧部材２４、２４
で形成される環状体が嵌合する。この嵌合部３２及び前
記一対の挟圧部材２４、２４は、互いに対向する端部コ
ーナー部が嵌合しやすくするために面取りされている。

【００１４】また、固定部材１４の外周面には、複数の
切欠溝（切欠部）３０、３０…が形成されている。この
切欠溝３０、３０…は、マウスピース本体１２に外嵌さ
せた固定部材１４を取り外すための溝であり、術者の指
が挿入可能な大きさに形成されている。また、固定部材
１４は、切欠溝３０、３０…を設けたことによって、拡
径方向に若干の弾性変形をするように構成されている。
これにより、固定部材１４を前記一対の挟圧部材２４、
２４に外嵌させる際に、固定部材１４の内径が拡がるの
で、固定部材１４を前記一対の挟圧部材２４、２４にス
ムーズに嵌合させることができる。

【００１５】前記マウスピース１０は、消毒・滅菌可能
な材質で作られている。例えば、オートクレーブ滅菌
（２気圧、１３２℃の加温加圧した水蒸気による滅菌方
法）ができるように、マウスピース本体１２及び固定部
材１４がポリエーテルイミド樹脂等、耐熱性のある樹脂
で作られている。一方、ガイドチューブ１６は、ウレタ
ン等の樹脂からなるチューブの外側を耐薬コートで被覆
し、内側を潤滑コートで保護した３重構造のチューブで
あり、外周面から外力を加えると復元力を発揮するよう
に構成される。このガイドチューブ１６は、耐薬コート
で被覆されているので、消毒液等や胃液等の体液に侵さ
れることがなく、また、潤滑コートで保護されているの
で、内視鏡挿入部を挿入しやすい。

【００１６】次に上記の如く構成されたマウスピース１
０の作用を図１及び図３に基づいて説明する。まず、図
３に示す小腸用内視鏡１００を被検者１に挿入する前
に、前記ガイドチューブ１６を内視鏡挿入部１０２に予
め挿入しておく。このとき、前記マウスピース１０の固
定部材１４は前記ガイドチューブ１６に装着しておく。
そして、前記ガイドチューブ１６を内視鏡挿入部１０２
に沿って手元操作部１０４側に引き寄せる。

【００１７】次に、前記マウスピース１０をピン２６が
上方になるように被検者１にくわえさせ、この状態で内
視鏡挿入部１０２を体腔内の所定位置まで挿入する。そ
して、ガイドチューブ１６を内視鏡挿入部１０２に沿わ
せて体腔内に挿入していき、ガイドチューブ１６の先端
１６Ｂが十二指腸下行脚２内に位置したところで、ガイ
ドチューブ１６の挿入を停止する。

【００１８】次に、図１に示したマウスピース１０の固
定部材１４を一対の挟持部材２４、２４に外嵌させる。
このとき、前記一対の挟圧部材２４、２４は、その上端
部でピン２６により開閉自在に支持されているので、自
重により垂下してガイドチューブ１６に当接している。
したがって、固定部材１４をガイドチューブ１６に沿わ
せて移動するだけで簡単に挟圧部材２４、２４に外嵌さ
せることができる。固定部材１４を外嵌させたことによ
り、一対の挟持部材２４、２４は環状体を形成し、その
内周面でガイドチューブ１６を挟圧支持する。その際、
弾性変形したガイドチューブ１６は、一対の挟圧部材２
４、２４を開く方向に復元力を発揮し、前記固定部材１
４と挟圧部材２４、２４とを確実に嵌合させる。これに
より、ガイドチューブ１６がマウスピース１０に固定さ
れる。

【００１９】そして、図３の内視鏡挿入部１０２をさら
に挿入することにより、前記内視鏡１００による小腸深
部までの内視鏡検査が可能になる。このように、本実施
の形態のマウスピース１０は、前記一対の挟圧部材２
４、２４がその上端部で開閉自在に支持されるので、固
定部材１４を外嵌させるだけで簡単にガイドチューブ１
６をマウスピース１０に固定することができる。この点
で、本実施の形態のマウスピース１０は、特開平１０−
２３４６５６号公報のマウスピースよりも有利である。
特開平１０−２３４６５６号公報のマウスピースは、ガ
イドチューブ１６を固定するために、固定部材１４を弾
性力に抗してマウスピース本体１２に係合させたり、固
定部材１４をマウスピース本体１２に締め込んだりしな
ければばらない。これに対して、本実施の形態のマウス
ピース１０は、固定部材１４を一対の挟持部材２４、２
４に外嵌させるだけで簡単にガイドチューブ１６をマウ
スピース１０に固定することができる。

【００２０】また、本実施の形態のマウスピース１０で
は、ガイドチューブ１６をマウスピース本体１２に挿通
させる際、前記一対の挟圧部材２４、２４は、図１に示
したようにその自重により垂下し、ガイドチューブ１６
に当接しているだけである。したがって、一対の挟圧部
材２４、２４が、ガイドチューブ１６の挿入動作の抵抗
となることはなく、ガイドチューブ１６を押し込むだけ
で容易に挿入することができる。

【００２１】また、本実施の形態のマウスピース１０
は、固定部材１４を挟圧部材２４、２４に外嵌させた際
に固定部材１４が環状体を形成するので、ガイドチュー
ブ１６を均等に挟圧することができ、ガイドチューブ１
６を傷つけることがない。上記の如くマウスピース本体
１２に固定されたガイドチューブ１６は、以下のように
してマウスピース本体１２から取り外される。即ち、術
者は、固定部材１４の切欠溝３０、３０…から指を挿入
し、固定部材１４の内部の挟圧部材２４、２４を押圧す
る。挟圧部材２４には、径方向に複数のスリット２８が
形成されているので、外力を少し加えるだけで挟圧部材
２４は縮径方向（即ち、固定部材１４との嵌合解除方
向）変形し、挟圧部材２４と固定部材１４との嵌合状態
が解除される。したがって、固定部材１４をマウスピー
ス本体１２から簡単に引き抜くことができる。これによ
り、一対の挟持部材２４、２４は開放可能となり、ガイ
ドチューブ１６とマウスピース１０との固定を解除する
ことができる。このように、本実施の形態の内視鏡用マ
ウスピース１０によれば、ガイドチューブ１６とマウス
ピース１０との固定解除操作も容易に行うことができ
る。

【００２２】また、本実施の形態の内視鏡用マウスピー
ス１０は、簡単な構造であり、低コストであるととも
に、洗浄を容易に行うことができる。なお、上述した実
施の形態では、一対の挟圧部材２４、２４で環状体を形
成したが、これに限定するものではなく、一方の挟圧部
材を固定し、（又はマウスピース本体１２と一体的に構
成し）他方の挟圧部材のみを開閉自在に構成しても良
い。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る内視鏡
用マウスピースによれば、挟圧部材がマウスピース本体
に開閉自在に支持されているので、固定部材を前記挟圧
部材に外嵌させるだけで簡単にガイド管をマウスピース
に固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の本実施の形態に係る内視鏡用マウスピ
ースの斜視図

【図２】図１に示した内視鏡用マウスピースの断面図

【図３】図１に示した内視鏡用マウスピースの取り扱い
を示す説明図

【符号の説明】

１０…マウスピース、１２…マウスピース本体、１４…
固定部材、１６…ガイドチューブ、２４…挟圧部材、２
６…ピン、２８…スリット、３０…切欠溝

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内視鏡挿入部を挿入案内するガイド管が挿
   通される挿通孔が形成されたマウスピース本体と、 前記マウスピース本体に一端部が開閉自在に支持され、
   閉状態で前記マウスピース本体の挿通孔に挿通された前
   記ガイド管の外周に当接する挟圧部材と、 前記ガイド管の外周に当接された挟圧部材に外嵌される
   ことにより、前記挟圧部材で前記ガイド管を挟圧し、前
   記ガイド管をマウスピース本体に固定する固定部材と、 からなることを特徴とする内視鏡用マウスピース。
2. 【請求項２】前記固定部材には、前記挟圧部材を前記固
   定部材との嵌合解除方向に移動させるための切欠部が形
   成されたことを特徴とする請求項１記載の内視鏡用マウ
   スピース。
3. 【請求項３】前記挟圧部材には、該挟圧部材を前記固定
   部材との嵌合解除方向に変形させるためのスリット部が
   形成されたことを特徴とする請求項１又は２記載の内視
   鏡用マウスピース。