JP2000245492A - 微生物抽出脂質 - Google Patents

微生物抽出脂質

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JP2000245492A JP11053766A JP5376699A JP2000245492A JP 2000245492 A JP2000245492 A JP 2000245492A JP 11053766 A JP11053766 A JP 11053766A JP 5376699 A JP5376699 A JP 5376699A JP 2000245492 A JP2000245492 A JP 2000245492A
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郁子 影山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然物由来の塩基性リン脂質を含む微生物抽
出脂質、ならびに該リン脂質を含有する界面活性剤、特
に乳化剤、澱粉老化抑制剤、抗微生物剤およびリポソー
ム基材を提供する。 【解決手段】 微生物の菌体より抽出され、かつ塩基性
リン脂質を含むリン脂質を10重量%以上含有する微生
物抽出脂質、該微生物抽出脂質の製造方法、該微生物抽
出脂質を酵素で処理して得られる酵素処理微生物抽出脂
質、該微生物抽出脂質または該酵素処理微生物抽出脂質
を含有する界面活性剤、乳化剤、澱粉老化抑制剤、抗微
生物剤およびリポソーム基材、ならびに該微生物抽出物
質または該酵素処理微生物抽出脂質から精製して得られ
る塩基性リン脂質を含有するリポソーム基材に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、化粧品、医
薬品等に用いられる界面活性剤として有用な、微生物の
菌体から抽出して得られる塩基性脂質に関する。
【0002】
【従来の技術】リン脂質は分子中に親水性および疎水性
領域を有することにより界面活性を有する物質であり、
生体の構成成分としてだけでなく、生理的機能において
も極めて重要な役割を担っている。また、界面活性を有
する物質は化学合成により多種類のものが製造されてい
る。これら界面活性を有する物質は、界面活性剤とし
て、天然物もしくは化学合成物を問わず飲食品、化粧品
および医薬品等幅広い産業分野で用いられている。
【0003】界面活性剤の特性は、分子種、分子の疎水
性のバランス、立体構造的形状および油水界面における
荷電状態等により大きく変化する。このため、界面活性
剤には多種多様な特性を持つものがあり、その用途によ
り選択や使い分けがなされている。天然物由来の界面活
性剤としては、起源を微生物に求めた、いわゆるバイオ
サーファクタントが報告されている[油化学45(10),101
3(1996)]。バイオサーファクタントは従来の化学合成に
よって得られる界面活性剤とは異った構造や機能を示す
のみならず、生分解性、低毒性、種々の生物活性といっ
た独特な特性を有することから、資源、環境、安全の面
でも期待されている。
【0004】しかし、バイオサーファクタントとして
は、菌体外の分泌物が多く利用されており、菌体抽出脂
質は利用されていない。また、従来のバイオサーファク
タントの多くは非イオン性または酸性であり、塩基性の
ものはほとんどない[Biosurfactants and Biotechnolog
y, Surface Science Series 25, Marcel Dekker, Inc.,
41 (1987)]。
【0005】食品工業においては、健康嗜好、イメージ
の観点から天然物の界面活性剤の使用が要求されてお
り、中でもリン脂質の一種であるレシチンが注目されて
いる。また、乳化性向上を目的としてホスホリパーゼA
2処理によるリゾ態化レシチンの開発が進んでおり、実
際に実用化もされている[フードケミカル, 3(21), 51
(1987)]。さらに、ホスホリパーゼDによりリン脂質の
親水性頭部をグリセリンと置換してホスファチジルグリ
セロール濃度の高いレシチンとして乳化性を向上させる
ような研究がなされており、乳化をはじめリン脂質の機
能における親水性頭部の重要性が示唆されている[Bio
Industry, 7(7), 494 (1990)]。
【0006】しかし、現在食品工業の分野において用い
られているリン脂質系の乳化剤は、両イオン性または酸
性を呈するものしかなく、塩基性を呈するものはない。
生澱粉を適当量の水存在下で、所定の温度以上に加熱す
ると、結晶状態が変化して糊化する。糊化した澱粉は、
経時的に再結晶化、すなわち老化する。パン、ケーキ等
の製菓・製パン、および米飯加工食品の分野では、加工
後の保存中における澱粉の老化による品質劣化が大きな
問題となっている。澱粉の老化現象を抑制する方法とし
て、糊化澱粉が老化する過程において澱粉老化抑制剤を
存在させる方法が知られている。
【0007】食品添加物に用いられる澱粉老化抑制剤と
しては、モノ脂肪酸グリセライドが知られている。しか
し、モノ脂肪酸グリセライドは化学合成により製造され
るものであるため、天然物由来の澱粉老化抑制剤の開発
が望まれている。ペプチド系抗生物質であるグラミシジ
ン、哺乳類の生体防御物質であるディフェンシン、およ
び食品用鮮度保持剤として広く用いられているポリリジ
ンやプロタミン等に代表されるペプチド類は抗微生物活
性を有することが知られている。これらの物質は、塩基
性を呈するために負に荷電した菌体表面への親和性が高
く、また両親媒性構造を有するために標的微生物の菌体
膜に傷害を与えることにより、食品汚染菌等の微生物を
死滅させると考えられている[Science, 251, 1481(199
1)、Appl. Env. Microbiol., 63(3), 1155 (1997)]。こ
のため、塩基性両親媒性構造を有する抗微生物剤の開発
が望まれている。
【0008】医薬品の分野において、投与した薬剤を薬
効を損なうことなく標的とする臓器まで輸送する必要が
ある場合、人工脂質二重層(リポソーム)に包含させた
形態で投与する方法がある。その場合、包含薬物、温
度、pHなど各種条件下におけるリポソームの安定性、
細胞への滞留性および浸透性等には、リポソーム基材と
なる脂質の性質が大きく関与することが知られている。
【0009】核酸の輸送には、N[1−(2,3−ジオ
レオイロキシ)プロピル]−N,N,N−トリエチルア
ンモニウムやステアリルアミン等、化学合成によって得
られる塩基性脂質を用いたリポソームが適するとの報告
がある[Mol. Cell Biochem., 120, 119 (1993)、Bioch
im. Biophys. Acta, 1306, 55 (1996)]。しかし、これ
らの塩基性脂質は化学合成により製造された脂質である
ことから、生体への安全性が懸念されており、安全性の
高い塩基性脂質の開発が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然物由来
の塩基性リン脂質を含む微生物抽出脂質、ならびに該リ
ン脂質を含有する界面活性剤、特に乳化剤、澱粉老化抑
制剤、抗微生物剤およびリポソーム基材を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、微生物の菌体
より抽出され、かつ塩基性リン脂質を含むリン脂質を1
0重量%以上含有する微生物抽出脂質、該微生物抽出脂
質の製造方法、該微生物抽出脂質を酵素で処理して得ら
れる酵素処理微生物抽出脂質、該微生物抽出脂質または
該酵素処理微生物抽出脂質を含有する界面活性剤、乳化
剤、澱粉老化抑制剤、抗微生物剤およびリポソーム基
材、ならびに該微生物抽出物質または該酵素処理微生物
抽出脂質から精製して得られる塩基性リン脂質を含有す
るリポソーム基材に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の微生物抽出脂質は、微生
物の培養菌体より抽出され、かつ塩基性リン脂質を含む
リン脂質を10重量%以上含有するところに特徴を有す
るものである。本発明に用いられる微生物としては、微
生物の菌体内に塩基性リン脂質を含有する微生物である
ことが好ましい。このような微生物としては、細菌、酵
母またはカビ等があげられ、バチルス(Bacillus)属、
ストレプトコッカス(Streptococcus)属またはラクト
バチルス(Lactobacillus)属に属する微生物が好適に
用いられる。
【0013】特に好ましい微生物としては、バチルス・
ズブチルス(Bacillus subtilis)、バチルス・ナット
ウ(Bacillus natto)、バチルス・メガテリウム(Baci
llusmegaterium)、バチルス・リチェニフォルミス(Ba
cillus licheniformis)、バチルス・セレウス(Bacill
us cereus)、ストレプトコッカス・フェカリス(S trep
tococcus faecalis)、ストレプトコッカス・デュラン
ス(Streptococcus durans)、ストレプトコッカス・フ
ァシウム(Streptococcus faecium)、ストレプトコッ
カス・アガラクティア(Streptococcus agalactiae)、
ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgar
icus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus case
i)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus p
lantarum)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactob
acillus fermentum)、ラクトバチルス・ラクティス(L
actobacillus lactis)およびラクトバチルス・アシド
フィラス(Lactobacillus acidophilus)等があげられ
る。
【0014】本発明の微生物抽出脂質は、上記微生物を
所定の培地と培養条件にて培養し、得られる菌体より抽
出することにより製造することができる。培地として
は、上記微生物が資化できる炭素源、窒素源、無機塩類
等を含有する培地であれば、特に限定されるものではな
く、また天然培地、合成培地のいずれの培地を用いても
よい。
【0015】炭素源としては、該生物が資化し得るもの
であればよく、グルコース、フラクトース、スクロー
ス、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン
加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機
酸、エタノール、プロパノールなどのアルコール類等を
用いることができる。窒素源としては、アンモニア、塩
化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のア
ンモニウム塩、その他の含窒素化合物、ならびにペプト
ン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カ
ゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各
種発酵菌体、およびその消化物等を用いることができ
る。
【0016】無機物としては、リン酸第一カリウム、リ
ン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫
酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。培養条
件としては、上記微生物の培養に適した条件であれば特
に制限されるものではなく、静置培養などの嫌気条件で
も振盪培養などの好気的条件であってもよい。
【0017】本発明の微生物抽出脂質は、以下の方法に
より菌体より抽出することができる。培養終了後、培地
から遠心分離装置、濾過装置等を用いて菌体を分離す
る。分離した菌体に溶媒を加え、ホモジナイザーを用い
て菌体を粉砕する。粉砕した菌体を固液分離して溶媒可
溶性画分を得る。溶媒不溶性画分について同様な操作を
数回繰り返すことにより、リン脂質を選択的に回収する
ことができる。得られた溶媒可溶画分から、溶媒を真空
乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等の処理を行って除去するこ
とにより、本発明の微生物抽出脂質を取得することがで
きる。
【0018】抽出に用いる溶媒としては、極性溶媒が好
ましく、エタノール、メタノール、アセトン、ジエチル
エーテルまたはクロロホルムがさらに好ましく、エタノ
ール、メタノール、クロロホルムが特に好ましい。本発
明の微生物抽出脂質は、塩基性リン脂質を含むリン脂質
を10重量%以上含有するが、界面活性剤として用いる
場合、塩基性リン脂質を含むリン脂質を10〜80重量
%含有することが好ましく、15〜50重量%含有する
ことがさらに好ましい。
【0019】本発明において、塩基性リン脂質とは分子
中に存在する解離基の電荷の総和が正であるリン脂質を
示す。塩基性リン脂質としては、塩基性アミノアシルリ
ン脂質が好ましく、ホスファチジルグリセロールの塩基
性アミノ酸エステルが特に好ましい。ホスファチジルグ
リセロールの塩基性アミノ酸エステルとしては、リジル
ホスファチジルグリセロール(lysylphosphatidylglyce
rol:以下、LPGと略記する)またはオルニチルホス
ファチジルグリセロール(ornitylphosphatidylglycero
l:以下、OPGと略記する)が好ましく、LPGが特
に好ましい。
【0020】LPGは、バチルス属、ストレプトコッカ
ス属、ラクトバチルス属、クロストリディウム(Clostr
idium)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属
等に属する微生物の菌体に含まれる塩基性リン脂質であ
り、ホスファチジルグリセロールのヒドロキシル基にリ
ジンのカルボキシル基がエステル結合した構造を有し、
中性域で塩基性を示すリン脂質である。
【0021】OPGは、ホスファチジルグリセロールの
ヒドロキシル基にオルニチンのカルボキシル基がエステ
ル結合した構造を有するリン脂質である。本発明の微生
物抽出脂質は、塩基性リン脂質を0.5重量%以上含有
することが好ましく、1〜50重量%含有することがさ
らに好ましく、1〜20重量%含有することが特に好ま
しい。
【0022】本発明の微生物抽出脂質は、塩基性リン脂
質を含む以外は、ホスファチジルコリン(レシチン)、
ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリ
ン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリ
セロール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチ
ジン酸、スフィンゴリンミエリン等、いずれのリン脂質
を含んでいてもよい。
【0023】微生物抽出粗脂質は、そのまま界面活性剤
として用いてもよいし、さらに精製して得られる塩基性
リン脂質を界面活性剤として用いてもよい。塩基性リン
脂質の精製法としては、例えばケイ酸カラムを用いてク
ロロホルム/メタノールの溶出溶媒系でメタノール濃度
を徐々に上昇させて分画溶出させる方法等があげられ
る。この場合、必要に応じて溶出溶媒に酢酸等の有機
酸、あるいはアンモニア水等を添加してもよい。
【0024】以下に、本発明の酵素処理微生物抽出脂質
について説明する。本発明の酵素処理微生物抽出脂質
は、本発明の微生物抽出脂質を酵素処理することにより
製造することができる。酵素処理には、ホスホリパーゼ
1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼC、ホスホリ
パーゼD等のホスホリパーゼ類、またはペプチダーゼ、
プロテアーゼ、トランスグルタミナーゼ等のペプチド結
合もしくはアミド結合に関与する酵素が好適に用いられ
る。
【0025】ホスホリパーゼ類としては、ホスホリパー
ゼA1またはA2が、リン脂質をリゾ態化させて親水性を
向上させられるため、好適に用いられる。ペプチド結合
もしくはアミド結合に関与する酵素は、ホスファチジル
コリン、ホスファチジルエタノールアミン等の両性リン
脂質のアミノ基に、塩基性アミノ酸のカルボキシル基を
結合させることができる。このため、該酵素で処理する
ことにより、微生物抽出脂質に含まれるリン脂質中の塩
基性リン脂質の含有量を増大させることができる。
【0026】上記酵素としては、動物、植物または微生
物由来のいずれのものを用いてもよいが、豚膵臓由来の
ホスホリパーゼA1またはA2、バチルス・ズブチルス由
来のホスホリパーゼC、キャベツ、ピーナッツまたはア
クチノマヅラ(Actinomadura)sp.由来のホスホリパ
ーゼD、バチルス・ズブチルス、アスペルギルス・オリ
ザ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー
Aspergillus nigar)またはリゾパス(Rhizopus)属
由来のペプチダーゼまたはプロテアーゼ、ストレプトフ
ァーティシリウム・モバラエンス(Streptoverticilliu
m mobaraense)由来のトランスグルタミナーゼ等が好適
に用いられる。
【0027】本発明の微生物抽出脂質または酵素処理微
生物抽出脂質を含有する界面活性剤(以下、本発明の界
面活性剤という)の用途としては、例えば乳化剤、澱粉
老化抑制剤、抗微生物剤、リポソーム基材等があげられ
る。本発明の微生物抽出脂質または酵素処理微生物抽出
脂質を含有する乳化剤(以下、本発明の乳化剤という)
は、これを乳化液の調製に用いることで、酸性域でも粒
径の小さい安定なエマルジョンを形成させることができ
る。本発明の乳化剤のうち、酵素処理微生物抽出脂質を
含有する乳化剤は、親水性が向上しているため、形成し
たエマルジョンの安定性の面で特に好ましい。
【0028】本発明の乳化剤には、必要に応じて添加剤
を加えてもよく、他の乳化剤と併用してもよい。本発明
の乳化剤を用いて乳化液を調製するためには、基油とな
る油相に本発明の乳化剤を添加してこれを原液とし、原
液に水相を加えて攪拌する等、通常の乳化液の調製方法
を用いればよい。本発明の乳化剤を用いて乳化液を調製
する場合、形成したエマルジョンの安定性の面から、本
発明の乳化剤を油相重量に対して0.25重量%以上添
加することが好ましく、0.25〜50.0重量%添加
することがより好ましく、0.5〜25.0重量%添加
することが特に好ましい。また、本発明の乳化剤を用い
て乳化液を調製する場合、必要に応じて酸化防止剤、消
泡剤等の添加剤を添加してもよい。
【0029】微生物抽出脂質または酵素処理微生物抽出
脂質を含有する澱粉老化抑制剤(以下、本発明の澱粉老
化抑制剤という)は、これを澱粉に添加することによ
り、澱粉の老化を抑制することができる。本発明の澱粉
老化抑制剤は、澱粉老化抑制効果が高くかつ天然由来で
あることから食品添加物として好適に用いることができ
る。
【0030】本発明の澱粉老化防止剤には、必要に応じ
て添加剤を添加してもよい。また、本発明の澱粉老化防
止剤は、予め生澱粉に添加しておいてもよく、また澱粉
を糊化させる際に練り込んでもよい。本発明の澱粉老化
抑制剤は、澱粉の老化抑制効果の面から、澱粉重量に対
して0.05重量%以上添加することが好ましく、0.
05〜10.0重量%添加することがより好ましく、
0.1〜5.0重量%添加することが特に好ましい。
【0031】本発明の微生物抽出脂質または酵素処理微
生物抽出脂質を含有する抗微生物剤(以下、本発明の抗
微生物剤という)は、これを食品、化粧品、医薬品、ト
イレタリー製品等に添加することにより、これらの系中
での汚染微生物の増殖を抑制することができる。本発明
の抗微生物剤は、微生物の増殖抑制効果の面から、食品
等に対して0.05重量%以上添加することが好まし
く、系中に0.05〜10.0重量%添加することがよ
り好ましく、0.1〜5.0重量%添加することが特に
好ましい。例えば炊飯時に白米に対して1.0重量%添
加して炊飯することにより、保存性の向上した米飯を提
供することができる。
【0032】本発明の微生物抽出脂質または酵素処理微
生物抽出脂質を含有するリポソーム基材(以下、本発明
のリポソーム基材という)を用いることにより、例えば
DNA、RNA等の核酸系薬剤の輸送に優れたリポソー
ム製剤を製造することができる。本発明のリポソーム基
材としては、微生物抽出脂質または酵素処理微生物抽出
脂質をさらに精製して得られる塩基性リン脂質、特にリ
ジルホスファチジルグリセロールを用いてもよい。
【0033】本発明のリポソーム基材を用いたリポソー
ムの製造には、例えば以下の方法が用いられる。本発明
のリポソーム基材を、例えばクロロホルム/メタノール
(2:1混液)等の適当な溶媒に溶解し、真空下あるい
は窒素ガスの吹き付けにより溶媒を除去して脂質の薄膜
を得る。薄膜に薬剤溶液を添加し、攪拌処理、超音波処
理等をすることにより、薬剤を包含するリポソームを製
造することができる。
【0034】本発明のリポソーム基材は、薬剤輸送機能
の面から、系中に0.05重量%以上添加することが好
ましく、0.05〜10.0重量%添加することがより
好ましく、0.1〜5.0重量%添加することが特に好
ましい。以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例においては、特に記載しない限り%は
重量%を示すものとする。
【0035】
【実施例】実施例1 バチルス・ズブチルスを、ペプトン1.0%、酵母エキ
ス1.0%、食塩0.5%、リン酸塩0.04%、グル
コース2.0%および硫安0.2%を含有する培地(p
H7.0)に植菌し、37℃で16時間振盪培養した。
培養終了後、培養液を5000×Gで10分間遠心分離
して湿菌体を得た。得られた湿菌体より、Bligh
& Dyerの方法[Can. J. Biochem. Physiol., 37
(8), 911 (1959)]に従い、微生物抽出脂質を取得した。
【0036】すなわち、湿菌体中に含まれる水分を体積
分率で0.8部となるように調整し、これにクロロホル
ム2部およびメタノール1部を添加した後、ホモジナイ
ザーで菌体を破砕した。これにクロロホルム1部および
水1部を添加し、遠心分離して得られた下層を抽出液
し、抽出液を減圧乾燥させてバチルス・ズブチルス抽出
脂質(BEL−BD)乾燥物を取得した。さらに、BE
L−BD乾燥物にアセトンを加えて十分に攪拌した後、
固液分離によりアセトン可溶性画分を除て得られるバチ
ルス・ズブチルス抽出脂質(BEL−BDA)を取得し
た。
【0037】実施例2 実施例1記載の方法と同様の方法によりバチルス・ズブ
チルスの湿菌体を得た。得られた湿菌体に5倍重量のエ
タノールを加え、ホモジナイザーで菌体を破砕した。こ
れを遠心分離して得られた上清を抽出液とし、抽出液を
減圧乾燥させてバチルス・ズブチルス抽出脂質(BEL
−Et)を取得した。
【0038】実施例3 ストレプトコッカス・フェカリスをペプトン1.25
%、酵母エキス0.55%、グルコース1.1%、リン
酸二水素カリウム0.025%、リン酸一水素カリウム
0.025%、酢酸ナトリウム1.0%、硫酸マグネシ
ウム0.01%、硫酸マンガン0.0005%、および
硫酸第一鉄0.0005%を含有する培地(pH6.
8)に植菌し、37℃で16時間静置培養した。培養液
を5000×Gで10分間遠心分離し、得られた菌体に
5倍重量のエタノールを加えた後、ホモジナイザーで菌
体を破砕した。これを遠心分離して得られた上清を抽出
液とし、抽出液を減圧乾燥させてストレプトコッカス・
フェカリス抽出脂質(SEL−Et)を取得した。
【0039】実施例4 20mM塩化カルシウムを含有する50mMリン酸緩衝
液(pH8.0)に、実施例2記載の方法で得られたバ
チルス・ズブチルス抽出脂質(BEL−Et)と豚膵臓
由来パンクレアチン(キシダ化学社製)をそれぞれ1.0
%となるように添加し、37℃で24時間反応させた。
なお、パンクレアチン添加は、ホスホリパーゼA2添加
を目的とするものである。実施例1記載のBligh&
Dyer法に従い、反応物から抽出液を得て、これを減
圧乾燥させて酵素処理バチルス・ズブチルス抽出脂質
(lysoBEL−Et)を取得した。
【0040】比較例1 抽出溶媒としてヘキサンを用いる以外は実施例2記載の
方法と同様の方法によりバチルス・ズブチルス抽出脂質
(BEL−Hex)を取得した。
【0041】比較例2 大腸菌(Escherichia coli)をペプトン1.0%、酵母
エキス0.2%、および硫酸マグネシウム7水和物0.
1%を含有する培地(pH7.0)に植菌し、37℃で
16時間静置培養した。培養終了後、培養液を5000
×Gで10分遠心分離して湿菌体を得た。得られた湿菌
体に5倍重量のエタノールを加え、ホモジナイザーで菌
体を破砕した。これを遠心分離して得られた上清を抽出
液とし、抽出液を減圧乾燥させて大腸菌抽出脂質(EE
L−Et)を取得した。
【0042】比較例3 圧搾酵母(ダイヤイースト:協和発酵工業社製)の菌体
に5倍重量のエタノールを加え、ホモジナイザーで菌体
を破砕した。これを遠心分離して得た上清を抽出液と
し、抽出液を減圧乾燥させて酵母抽出脂質(YEL−E
t)を取得した。
【0043】実施例5 実施例1記載の方法で得られたバチルス・ズブチルス抽
出脂質(BEL−BD)からケイ酸カラムを用いてクロ
ロホルム/メタノール/酢酸の溶媒系で分離分画してL
PGを精製した。なお、LPGの精製度の確認は高性能
薄層クロマトグラフィー(HPTLC)分析により評価
した。HPTLCの分析条件は、スポットする脂質を約
10μgとし、展開溶媒としては、クロロホルム/メタ
ノール/酢酸/水=125/37/9.5/1.5の混
合溶媒を用いて展開した。検出は、Dittmer−L
ester法[薄層クロマトグラフィの実際、廣川書店
(1990)]に従い、モリブデンブルーでリンを、ニンヒド
リン反応により遊離アミノ基を検出し、硫酸加熱による
有機物の非特異的な検出で夾雑スポットのないことを確
認した。
【0044】実施例6 実施例5記載の方法で得えらる精製LPGをクロロホル
ムに溶解し、ロータリーエバポレーターにて減圧乾固さ
せる。1.0%プラスミドDNA含有、20mMトリ
ス、75mM塩化カリウム、75mM塩化ナトリウム緩
衝液(pH7.4)を精製LPG濃度が0.85%とな
るように添加した後、激しく攪拌してリポソームを調製
する。リポソームに含有されなかったプラスミドDNA
をSephadex G−25M(ファルマシア社製)
によりゲルろ過して除去し、リポソーム製剤を製造す
る。
【0045】試験例1 実施例1〜4および比較例1〜3で得られた微生物抽出
脂質について、リン脂質およびLPGをそれぞれ定量し
た。リン脂質の定量は過マンガン酸塩灰化法によるリン
の検出値から算出した。LPGの定量はイアトロスキャ
ン(イアトロン社製)を用いて行った。すなわちシリカ
を塗布したロッド上を実施例5に記載の展開溶媒を用い
て抽出脂質を展開、分離後、水素炎イオン化検出器にて
検出を行った。定量値に基づき、微生物抽出脂質中のリ
ン脂質およびLPGの含量を算出した。
【0046】結果を第1表に示す。
【0047】
【表1】
【0048】試験例2 10mMリン酸緩衝液(pH7.0)0.8gにサラダ
油0.2gおよび実施例1で得られたバチルス・ズブチ
ルス抽出脂質(BEL−BD)を5mg添加して、UL
TRA TURRAX(IKA社製)にて20000rp
m、50℃で1分間乳化した。同緩衝液にて30倍に希
釈して乳化液を調製した。
【0049】比較対照として、 BEL−BDに代えて
卵黄ホスファチジルコリン(99%;pure−P
C)、大豆レシチン(crude−PC)および大豆リ
ゾレシチン(lyso−PC)を、それぞれ用いて乳化
液を調製した。得られた乳化液について、Coulte
r model N4(コールター社製)を用いて平均粒
径を測定した。
【0050】結果を第2表に示す。
【0051】
【表2】
【0052】第2表に示されるとおり、バチルス・ズブ
チルス抽出脂質(BEL−BD)を用いて調製した乳化
液は、大豆レシチン(crude−PC)、卵黄ホスフ
ァチジルコリン(pure−PC)および大豆リゾレシ
チン(lyso−PC)をそれぞれ用いて調製した乳化
液よりも、平均粒径の小さいエマルジョンを形成した。
【0053】試験例3 緩衝液として10mMリン酸緩衝液(pH7.0)の代
わりに10mM酢酸緩衝液(pH4.0、5.0)およ
びリン酸緩衝液(pH6.0、7.0)をそれぞれ用
い、比較対照として大豆リゾレシチン(lyso−P
C)を用いる以外は試験例2と同様な方法を用いて、乳
化液の調製および平均粒子径の測定を行った。
【0054】結果を第3表に示す。
【0055】
【表3】
【0056】第3表に示されるとおり、バチルス・ズブ
チルス抽出脂質(BEL−BD)を用いて調製した乳化
液は、pHによらずほぼ一定の平均粒径のエマルジョン
を形成した。一方、大豆リゾレシチン(lyso−P
C)を用いて調製した乳化液は、酸性下で平均粒径が大
きいエマルジョンを形成した。
【0057】試験例4 緩衝液として10mMリン酸緩衝液(pH7.0)の代
わりに10mM酢酸緩衝液(pH4.0)を用い、比較
対照として実施例2で得られたバチルス・ズブチルス抽
出脂質(BEL−Et)および比較例1で得られたバチ
ルス・ズブチルス抽出脂質(BEL−Hex)をそれぞ
れ用いる以外は試験例2と同様な方法を用いて、乳化液
の調製および平均粒子径の測定を行った。結果を第4表
に示す。
【0058】
【表4】
【0059】第4表に示されるとおり、極性溶媒を用い
て抽出されたバチルス・ズブチルス抽出脂質(BEL−
BD、BEL−Et)を用いて調製した乳化液は、平均
粒径の小さいエマルジョンを形成した。一方、ヘキサン
を用いて抽出された脂質(BEL−Hex)を用いて調
製した乳化液は、エマルジョンを形成しなかった。
【0060】試験例5 緩衝液として10mMリン酸緩衝液(pH7.0)の代
わりに10mM酢酸緩衝液(pH4.0)を用い、比較
対照として実施例3で得られたストレプトコッカス・フ
ェカリス抽出脂質(SEL−Et)、比較例2で得られ
た大腸菌抽出脂質(EEL−Et)および比較例3で得
られた酵母抽出脂質(YEL−Et)をそれぞれ10m
gを用いる以外は試験例2と同様な方法を用いて、乳化
液の調製および平均粒子径の測定を行った。結果を第5
表に示す。
【0061】
【表5】
【0062】第5表に示されるとおり、塩基性リン脂質
であるLPGを含有するバチルス・ズブチルス(BEL
−BD)およびストレプトコッカス・フェカリス抽出脂
質(SEL−Et)をそれぞれ用いて調製した乳化液
は、LPGを含有しない大腸菌抽出脂質(EEL−E
t)および酵母抽出脂質(YEL−Et)をそれぞれ用
いて調製した乳化液と比較し、平均粒径の小さいエマル
ジョンを形成した。
【0063】試験例6 比較対照として実施例4で得られた酵素処理バチルス・
ズブチルス抽出脂質(lysoBEL−Et)を用いる
以外は試験例5と同様な方法を用いて、乳化液の調製お
よび平均粒子径の測定を行った。結果を第6表に示す。
【0064】
【表6】
【0065】第6表に示されるとおり、酵素処理バチル
ス・ズブチルス抽出脂質(lysoBEL−Et)を用
いて調製した乳化液は、バチルス・ズブチルス抽出脂質
(BEL−Et)を用いて調製した乳化液と比較し平均
粒径の小さいエマルジョンを形成した。
【0066】試験例7 澱粉ゲルを調製し、澱粉の老化に伴うゲルの硬化を抑制
する度合から、澱粉老化抑制活性を評価した。30%小
麦澱粉分散液(pH4.0)に、小麦澱粉に対して1.
0%となるように実施例1で得られたバチルス・ズブチ
ルス抽出脂質(BEL−BD)を、0.17%となるよ
うにキサンタンガムを添加し、これらを100℃で10
分間加熱して糊化させた。比較対照として、BEL−B
Dの添加に代えて実施例4で得られた酵素処理バチルス
・ズブチルス抽出脂質(lysoBEL−Et)を添加
するか、微生物抽出脂質を添加しない(無添加)で、小
麦澱粉をそれぞれ糊化させた。
【0067】澱粉を糊化した後、常温になるまで放冷し
てゲル化させて澱粉ゲルを取得した。澱粉ゲルを4℃で
4時間保存した後、レオナーRE−3305(山電社
製)を用い、直径5.0mmのプランジャーによる貫入
破断試験を行い、破断応力を評価した。結果を第7表に
示す。
【0068】
【表7】
【0069】第7表に示されるように、バチルス・ズブ
チルス抽出脂質(BEL−BD)およびその酵素処理物
(lysoBEL−BD)を添加して得られる澱粉ゲルで硬
化抑制効果、すなわち澱粉の老化抑制効果が認められ
た。
【0070】試験例8 96穴マイクロプレートに第8表に示す組成の培地18
0μlに、4.8mg/mlバチルス・ズブチルス抽出
脂質(BEL−BD)溶液10μlおよび第8表に示す
微生物の菌体溶液10μlをそれぞれ添加して培養後、
培養液について濁度、すなわち660nmの吸光度を測
定した。
【0071】
【表8】
【0072】無添加培養液の濁度に対するBEL−BD
添加培養液の濁度の百分率で表わすことにより、微生物
の増殖抑制の程度を評価した。なお、比較対照として、
BEL−BDの添加に代えてホスファチジルグリセロー
ル(PG)を培養液に等重量を添加して、微生物の増殖抑
制の程度を評価した。結果を第9表に示す。
【0073】
【表9】
【0074】第9表に示されるとおり、BEL−BDを
2.4%添加することにより、大腸菌、エンテロバクタ
ー・クロウカおよび酵母であるジゴサッカロマイセス・
ロキシーの増殖を抑制した。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、天然物由来の塩基性リ
ン脂質を含む微生物抽出脂質、ならびに該リン脂質を含
有する界面活性剤、特に乳化剤、澱粉老化抑制剤、抗微
生物剤およびリポソーム基材を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4B064 AE63 CA02 CA21 DA01 DA10 DA20 4D077 AA04 AA09 AB08 AB10 AB11 AB12 AC01 CA02 CA03 CA16 DA02Y DC68Y 4H011 AA02 BB21 DA16 4H050 AA01 AA02 AA03 AB68 AB83 BB12 BB14 BB15 BB16 BB42

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物の菌体より抽出され、かつ塩基性
    リン脂質を含むリン脂質を10重量%以上含有する微生
    物抽出脂質。
  2. 【請求項2】 塩基性リン脂質を0.5重量%以上含む
    請求項1記載の微生物抽出脂質。
  3. 【請求項3】 塩基性リン脂質が塩基性アミノアシルリ
    ン脂質である請求項1または請求項2記載の微生物抽出
    脂質。
  4. 【請求項4】 塩基性アミノアシルリン脂質がホスファ
    チジルグリセロールの塩基性アミノ酸エステルである請
    求項3記載の微生物抽出脂質。
  5. 【請求項5】 ホスファチジルグリセロールの塩基性ア
    ミノ酸エステルがリジルホスファチジルグリセロールま
    たはオルニチルホスファチジルグリセロールである、請
    求項4記載の微生物抽出脂質。
  6. 【請求項6】 微生物が菌体内に塩基性リン脂質を含有
    する微生物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載
    の微生物抽出脂質。
  7. 【請求項7】 微生物が細菌、酵母またはカビである、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の微生物抽出脂質。
  8. 【請求項8】 微生物がバチルス(Bacillus)属、スト
    レプトコッカス(Streptococcus)属およびラクトバチ
    ルス(Lactobacillus)属から選ばれる属に属する微生
    物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の微生物
    抽出脂質。
  9. 【請求項9】 微生物がバチルス・ズブチルス(Bacill
    us subtilis)、バチルス・ナットウ(Bacillus natt
    o)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megateriu
    m)、バチルス・リチェニフォルミス(Bacillus lichen
    iformis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、
    ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faec
    alis)、ストレプトコッカス・デュランス(Streptococc
    us durans)、ストレプトコッカス・ファシウム(Strep
    tococcus faecium)、ストレプトコッカス・アガラクテ
    ィア(Streptococcus agalactiae)、ラクトバチルス・
    ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバ
    チルス・カゼイ(Lactobacil lus casei)、ラクトバチ
    ルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラ
    クトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermen
    tum)、ラクトバチルス・ラクティス(Lactobacillus l
    actis)およびラクトバチルス・アシドフィラス(Lacto
    bacillus acidophilus)から選ばれる微生物である、請
    求項1〜6のいずれか一項に記載の微生物抽出脂質。
  10. 【請求項10】 微生物の菌体より極性溶媒を用いて抽
    出される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の微生物
    抽出脂質。
  11. 【請求項11】 極性溶媒がエタノール、メタノール、
    アセトン、ジエチルエーテルまたはクロロホルムから選
    ばれる1種以上の溶媒である、請求項10記載の微生物
    抽出脂質。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の
    微生物抽出脂質の製造方法であって、微生物を培養して
    得られる菌体より極性溶媒を用いて抽出することを特徴
    とする微生物抽出脂質の製造方法。
  13. 【請求項13】 溶媒がエタノール、メタノール、アセ
    トン、ジエチルエーテルまたはクロロホルムから選ばれ
    る1種以上の溶媒である、請求項12記載の微生物抽出
    脂質の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項11までのいずれ
    か一項に記載の微生物抽出脂質を酵素で処理して得られ
    る酵素処理微生物抽出脂質。
  15. 【請求項15】 酵素がホスホリパーゼA2、ホスホリ
    パーゼA2 、ホスホリパーゼCおよびホスホリパーゼD
    から選ばれる1種以上の酵素である、請求項14記載の
    酵素処理微生物抽出脂質。
  16. 【請求項16】 酵素がペプチダーゼ、プロテアーゼお
    よびトランスグルタミナーゼから選ばれる1種以上の酵
    素である請求項14記載の酵素処理微生物抽出脂質。
  17. 【請求項17】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の微生物抽出脂質または請求項14〜16のいずれか一
    項に記載の酵素処理微生物抽出脂質を含有する界面活性
    剤。
  18. 【請求項18】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の微生物抽出脂質または請求項14〜16のいずれか一
    項に記載の酵素処理微生物抽出脂質を含有する乳化剤。
  19. 【請求項19】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の微生物抽出脂質または請求項14〜16のいずれか一
    項に記載の酵素処理微生物抽出脂質を含有する澱粉老化
    抑制剤。
  20. 【請求項20】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の微生物抽出脂質または請求項14〜16のいずれか一
    項に記載の酵素処理微生物抽出脂質を含有する抗微生物
    剤。
  21. 【請求項21】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の微生物抽出脂質または請求項14〜16のいずれか一
    項に記載の酵素処理微生物抽出脂質を含有するリポソー
    ム基材。
  22. 【請求項22】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の微生物抽出物質または請求項14〜16のいずれか一
    項に記載の酵素処理微生物抽出脂質から精製して得られ
    る塩基性リン脂質を含有するリポソーム基材。
  23. 【請求項23】 塩基性リン脂質がリジルホスファチジ
    ルグリセロールである請求項22記載のリポソーム基
    材。
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