JP2000244173A - 液状電波干渉防止組成物 - Google Patents

液状電波干渉防止組成物

Info

Publication number
JP2000244173A
JP2000244173A JP11039367A JP3936799A JP2000244173A JP 2000244173 A JP2000244173 A JP 2000244173A JP 11039367 A JP11039367 A JP 11039367A JP 3936799 A JP3936799 A JP 3936799A JP 2000244173 A JP2000244173 A JP 2000244173A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
electromagnetic wave
wave interference
carbon black
radio wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11039367A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Futagawa
佳央 二川
Masaru Chino
勝 千野
Shinichi Kitahata
慎一 北畑
Masahito Nishida
雅人 西田
Yuji Sasaki
勇治 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP11039367A priority Critical patent/JP2000244173A/ja
Publication of JP2000244173A publication Critical patent/JP2000244173A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な形状をした電磁波発生源や筐体の隙間
などに適用するのに適した電磁波干渉防止材を提供す
る。 【解決手段】 炭素繊維又は磁性粒子の少なくとも一種
と、グラファイト化カーボンブラックとが絶縁性基体中
に分散配合されており、前記グラファイト化カーボンブ
ラックが、前記炭素繊維又は磁性粒子との合計量に対し
て重量比で0.3〜5の割合で配合されており、粘度が
10P〜10000Pの範囲内であることを特徴とする
液状電波干渉防止組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電波干渉防止能を有
する液状組成物に関する。更に詳細には、本発明は、電
子機器の輻射ノイズ対策等に用いる軽量で、柔軟であ
り、しかも、丈夫で燃えにくく、電波干渉防止材に好適
な液状電波干渉防止組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の使用は、広範囲かつ多岐にわ
たり、使用する周波数も直流に近い数kHzからマイク
ロ波と称されるGHz帯にまで及んでいる。さらに、無
線機器、例えば携帯電話や無線LANシステム等の空中
に電波を放射することを前提にした機器が近年顕著に増
加しつつある。
【0003】一方、放射された電磁波が他の電子機器の
誤動作の原因になるとして、機器からの不要輻射の低減
および外来電磁波に対する耐性を強化することが強く求
められている。さらに、放射された電磁波が人体に悪影
響を及ぼす可能性も指摘されており、不要な電磁波を低
減することが社会的にも強く求められている。
【0004】このような目的に使用する部品としては、
フィルター、シールド、および電波吸収体を代表例とし
て挙げることができる。フィルターは、コイルやコンデ
ンサーを用いて、必要な信号成分は通過させるが、ノイ
ズ成分は通過させず跳ね返しを目的とする機器を保護す
る部品である。シールドは、保護しようとする機器を導
電性の膜で取り囲むことにより外部と内部を遮断する。
電波吸収体は、入射電磁波を熱に変換し反射波を生じさ
せないという特長を有する。
【0005】しかしながら、フィルターのような部品は
ノイズ成分を反射し元へ戻すわけであり、戻ったノイズ
成分が他の回路や機器に悪影響を及ぼす可能性がある。
さらに、GHzの周波数になると信号成分は回路中を流
れるだけではなく、空間に電波として輻射される割合が
多くなるためフィルター等の部品では有効に対策するこ
とが困難となる。
【0006】また、シールドであるが、現実問題として
機器を完全に覆うことは信号導入部や放熱穴の存在等に
よりほとんど不可能である。さらに周波数が高くなると
わずかの隙間からでも輻射波が漏洩し、またシールドの
設計が不適切な場合はシールド板がアンテナの役割を果
たし、むしろ輻射波が増加する場合もある。
【0007】一方、電波吸収体では、入射電磁波を熱に
変換し反射波を生じさせないわけで、理想的輻射ノイズ
対策品となりうるが、適応できる周波数が材質ごとに限
られており、広いスペクトル成分を有する不要輻射に対
しては適していない。広い周波数範囲に対応できる電波
吸収体は電波暗室用として開発されているが、厚さが数
10cm以上と厚く到底電子機器に使用することはでき
ない。
【0008】各周波数帯域に適応した電波吸収体の例は
幾つか開示されている。例えば、特開昭58−7319
8号公報には、プラスチックやゴムなどの高分子材料
に、導電性の炭素繊維、カーボンブラック、グラファイ
ト又は金属粉などを混ぜ、混練分散せしめた導電性複合
高分子材料のマトリックスを、導電性の炭素系繊維状材
料、金属系繊維材料又は非金属系繊維状材料をメタライ
ズ加工した材料のマット、クロス、ネット又は、フレー
ク状材料に含浸又は注型して成形した電波遮断筐体が記
載されている。しかし、この発明では1MHz〜100
MHzの範囲内での電界強度減衰率は高められるが、1
00MHzを越える周波数を有する電波には効果がな
い。さらに、上記電波遮断筐体は金属系の材料を含むた
め、総重量が大きくなり利用範囲が限定される。
【0009】また、特開昭60−249392号公報に
は、マンガン、亜鉛を主体とするフェライト微粉体と、
導電性カーボン微粉体とを有機高分子材料中に分散させ
た組成物からなる電磁シールド材料が記載されている。
この組成物におけるフェライト微粉体の含有率は30〜
70Vol.%であり、組成物の体積固有抵抗率は102〜1
0Ω・cmであり、電波吸収性を有する。しかし、この
組成物は500MHz〜1000MHzの範囲内の周波
数を有する電波しか吸収することができない。また上記
組成物もマンガン、亜鉛等が含まれており、比重が大き
くなりかつ柔軟性にも乏しいので、利用範囲が限定され
る。
【0010】更に、特開平5−21984号公報には、
セメント、合成樹脂、ゴム、紙などの低電気伝導率の生
地中に、コイル状の炭素繊維片を方向性なく複数分散担
時させた電磁波シールド複合材料が記載されている。し
かし、コイル状の炭素繊維片は互いに絡みつき易いため
に、生地中に均一に分散させることが困難であり、電磁
波シールド効果にバラツキが発生しやすいなどの欠点が
あった。従って、一定以下の厚みに均一に生産すること
が難しい。
【0011】また、従来より市販されている整合型と呼
ばれるシート状の電波吸収体、もしくは従来の開示例に
おいては、電磁波の入射面の反対側に導体板を設置し、
入射電磁波成分と導体板で反射した成分の干渉効果も利
用して電磁波のエネルギーを熱に変換するため、その厚
さは通常電磁波の波長の4分の1に設計している。この
ような電波吸収体では特定の波長の電磁波に対しては優
れた電磁波吸収を示すが、波長がずれるとほとんど電磁
波を吸収しない。さらに、一方向からの電磁波を吸収す
るだけであり、広いスペクトルを有し、入射方向が様々
なノイズ成分に対しては有効ではない。また、整合型の
電波吸収体を導体板なしで使用するとほとんど電磁波を
吸収せず透過してしまう。
【0012】従来のシート状電波干渉防止材はノイズと
なる電磁波発生源の電子機器類に直接貼着させるか、ま
たは、これら電子機器類が収容される筐体の内壁面に貼
着させるには好適であるが、複雑な形状をした電磁波発
生源や筐体の隙間などに適用することは困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、複雑な形状をした電磁波発生源や筐体の隙間などに
適用するのに適した電磁波干渉防止材を提供することで
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題は、炭素繊維又
は磁性粒子の少なくとも一種と、グラファイト化カーボ
ンブラックとが絶縁性基体中に分散配合されており、前
記グラファイト化カーボンブラックが、前記炭素繊維又
は磁性粒子との合計量に対して重量比で0.3〜5の割
合で配合されており、粘度が10P(ポイズ)〜100
00P(ポイズ)の範囲内であることを特徴とする液状
電波干渉防止組成物により解決される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるグラファイト
化カーボンブラック複合粒子は、結晶質のグラファイト
と非晶質のカーボンブラックからなる。このグラファイ
ト化カーボンブラック複合粒子は、カーボンブラックを
高温で処理し、粒子表面から徐々にグラファイトへと結
晶化させることによって得られる。このグラファイト化
カーボンブラック複合粒子自体は、本願出願人による特
開平8−274493号公報に記載されており、公知で
ある。
【0016】本発明の液状電波干渉防止組成物におい
て、前記グラファイト化カーボンブラックの含有量は、
炭素繊維又は磁性粒子との合計量に対して重量比で0.
3〜5、より好ましい範囲は1〜3である。グラファイ
ト化カーボンブラックが電磁波の吸収を、磁性粒子、炭
素繊維がシールド性を示すことにより、広帯域で優れた
バランスを示す電波干渉防止体が得られる。
【0017】本発明の液状電波干渉防止組成物におい
て、前記炭素繊維の繊維長をグラファイト化カーボンブ
ラックの粒子径に対し5000未満、より好ましい範囲
は1300〜4000にすることにより、1000MH
zを越える高周波帯域で優れた吸収特性を示す。
【0018】本発明の液状電波干渉防止組成物におい
て、前記炭素繊維の繊維長をグラファイト化カーボンブ
ラックの粒子径に対し5000以上、より好ましい範囲
は10000〜100000にすることにより、500
MHz未満の低周波帯域で優れた吸収特性を示す。
【0019】本発明の液状電波干渉防止組成物の比重は
2.5以下、好ましい範囲は1.5以下である。このた
め、比較的軽量である。
【0020】本発明の液状電波干渉防止組成物から得ら
れた電波吸収体のJISK6253による硬さ試験で5
0(JISA)以下、好ましい範囲は40以下である。
このため非常に柔軟であり、使い勝手が良い。。
【0021】本発明の液状電波干渉防止組成物から得ら
れた電波吸収体のJISK6251(天秤式)による引
張試験の引張強度は4×106(Pa)以上、好ましい
範囲は6×106(Pa)以上である。このため、非常
に丈夫である。
【0022】本発明の液状電波干渉防止組成物から得ら
れた電波吸収体は、UL94HBによる燃焼試験で厚さ
3.05mm、幅10.0mm、長さ200mmの試験
片を用いて、バーナーを30秒あてて取り去った時に燃
焼速度38.1mm/分以下の優れた難燃性を有する。
【0023】本発明の液状電波干渉防止組成物は、30
MHzから20GHzの広帯域での周波数範囲内におけ
る少なくとも1つの周波数において2mm厚さに換算し
た時に、電力で10%以上の電磁波を吸収し、かつ透過
量が10%以下となるシールド性をあわせて示す軽量で
柔軟な素材である。
【0024】本発明の液状電波干渉防止組成物における
グラファイト化カーボンブラック複合粒子の役割である
が、主に電磁波を吸収する効果を担う。導電性繊維のみ
を含有した場合には、高い導電性が発現し優れたシール
ド体が得られるのは周知の通りであるが、この場合には
入射電磁波を遮断するが、それは入射電磁波をシールド
体で反射することによるものであり、電磁波を吸収する
効果はほとんどない。また、グラファイト化カーボンブ
ラック複合粒子単独では、ある程度の電磁波吸収を示す
ものの、透過成分が多くシールド性には劣る。グラファ
イト化カーボンブラック複合粒子と導電性繊維を共存さ
せることにより電磁波シールド性が高くかつ電磁波吸収
性も有する電波干渉防止材を得ることができる。
【0025】電子機器のノイズ対策においては、ノイズ
の発生量およびその周波数分布をあらかじめ予想するこ
とは極めて困難であるため、機器の組立が完了してから
必要に応じて各種のノイズ対策部品を後づけで設置せざ
るを得ない状況となっている。完全にノイズ成分を吸収
できずとも、簡便な手段でノイズ規格の範囲内に収めら
れるような部品が求められている。このような意味で、
本発明の液状電波干渉防止組成物は優れた効果を発揮す
ると考えられる。
【0026】本発明の液状電波干渉防止組成物は、常温
状態で、10P〜10000Pの範囲内の粘度を有す
る。この粘度は、本発明の液状電波干渉防止組成物の用
途に応じて適宜選択することができる。例えば、EMI
塗料として使用する場合には、塗布容易性の観点から低
粘度が好ましい。一方、EMIコーキング又はシーラン
トとして使用する場合には、低流動性が必要となるの
で、高粘度を有することが好ましい。このように、各目
的に応じた適正な粘度を有することにより、筐体の隙間
や、複雑な形状のノイズ源に対して効果的に使用するこ
とができる。従って、この明細書で使用される「液状」
という用語は、マヨネーズ程度の流動性を有する10ポ
イズ(P)から、流動性が乏しい10000ポイズ
(P)までの広い範囲の流動状態を意味する。
【0027】前記のように、本発明の液状電波干渉防止
組成物は、液状でコーキング又はシーラントなどの充填
材として使用することができる。この場合、電波吸収体
作製に用いるベース樹脂の例として2液硬化型あるいは
水分硬化型のシリコーン樹脂が上げられる。ベース樹脂
にフィラーを分散後、硬化剤を添加あるいは空気中に保
持することで硬化を完了させシート等の成形体を作製す
るが、未硬化状態で保存することが可能である。2液硬
化型の場合には使用時に硬化剤を添加、混合し、充填用
冶具(例えば、コーキングガン)に装填後、機器の必要
な個所に充填すればよい。充填後、室温で約1昼夜保持
し硬化させてもよいし、電子機器に悪影響のない範囲の
温度に加熱し硬化を促進させてもよい。水分硬化型樹脂
の場合には充填後そのまま室温に保持しておくだけで硬
化させることができる。また、EMI塗料として使用す
る場合、所定箇所に塗布後、紫外線などを照射すること
により重合反応を生起させて、硬化させEMI被膜を形
成することもできる。このような紫外線硬化塗料に必要
な光重合反応開始剤は当業者に公知である。別法とし
て、空気中で自然に被膜化させることもできる。
【0028】一方、本発明の液状電波干渉防止組成物
を、液状のまま硬化させずに使用し、振動減衰効果も付
与させて使用することもできる。電子機器に限らず、輸
送用機器、物流機器等で電磁ノイズ対策と振動低減対策
とを兼ねた対策を構築するのが好ましい場合がある。こ
のような場合には、電波吸収体原料を、未硬化で粘性を
保ったまま使用することが可能である。使用例として
は、インバーターへの使用があげられる。インバーター
はノイズ発生の代表例であると同時に“唸り”を起こす
場合がある。このような場合にケース壁面に電波吸収体
を塗りつけて使用することで、電磁ノイズ対策と同時
に、振動低減効果を付与することができる。
【0029】本発明の液状電波干渉防止組成物の粘度
は、組成物中で使用する絶縁性基体の分子量や架橋度を
変化させるか、溶剤の添加により調整することができ
る。このような目的に使用できる溶剤としては、例え
ば、シリコン樹脂用希釈剤を使用できる。しかし、溶剤
の使用量が過大になると、溶剤が分離して表面に浮き出
てくるため、この点を考慮して適正な溶剤使用量を決定
すべきである。
【0030】本発明の液状電波干渉防止組成物を形成す
るのに使用される絶縁性基体としては、電波干渉防止材
の用途に応じた強度、耐熱性、成形性、難燃性、柔軟
性、などの特性を有する有機高分子材料が主に用いられ
る。このような有機高分子材料は例えば、クロロプレン
ゴム、アクリロニトリルーブタジエンゴム、スチレンー
ブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴムなどの
各種エラストマー、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩
化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリカーボネート樹脂などがあげられ、これらは必
要に応じて混合して使用してもよい。また中でもシリコ
ーン樹脂を用いることが望ましい。必要に応じて、溶
剤、分散剤、安定剤、滑剤、充填剤、増量剤、可塑剤、
架橋剤、老化防止剤、加硫促進剤、光重合開始剤などを
添加してもよい。
【0031】このグラファイト化カーボンブラック複合
粒子を特長づける値として、エックス線回折図における
(002)面のピーク面積より算出した結晶質のグラフ
ァイトの存在比率(グラファイト化率)を用いるが、好
ましくはグラファイト化率は5〜90%、より好ましく
は10〜70%の範囲内である。
【0032】グラファイト化カーボンブラックの粒径
は、好ましくは1nmから10μm、より好ましくは1
0nm〜100nmの範囲内であることが望ましい。
【0033】本発明の電波干渉防止材における磁性粒子
としては、保磁力の小さいソフトフェライトとして分類
される磁性粒子が好ましい。磁性粒子は電磁波を吸収す
る効果を有する点でグラファイト化カーボンブラックと
効果は類似しているがその効果を発揮する周波数範囲が
異なる。すなわち、グラファイト化カーボンブラックに
おいては、効果のある周波数は1GHz以上の高い周波
数であるのに対して、磁性粒子においては数十MHzか
ら数百MHzと低い周波数領域において効果があるのが
特長である。磁性粒子としてはMn−Znフェライト等
のソフト磁性粒子が代表的であるが、マグネタイトやガ
ンマ酸化鉄も使用できる。さらに六方晶のプレーナー型
フェライトを使用しても良い。粒子サイズは0.1μm
から5μmの範囲内が好ましい。
【0034】本願のグラファイト化カーボンブラック
と、炭素繊維又は磁性粒子との合計量との比が0.3未
満で残りが磁性粒子であるような場合には、電波干渉防
止材の重量が増加し軽量な電波干渉防止材にしにくい。
また折り曲げが困難となり柔軟性が損なわれ易い。
【0035】本発明の液状電波干渉防止組成物は混練な
どのような常用の方法により製造することができる。一
般的に、グラファイト化カーボンブラック、導電性繊維
及び/又は磁性粒子粒子を、ゴム又は合成樹脂などの絶
縁性基体と混練し、これらに均一に分散させる方法とし
ては、ニーダー、ボールミル、ロールミル、ジェットミ
ルなどを用いて実施される。
【0036】本発明の液状電波干渉防止組成物の製造に
使用される分散機の一例は、ニーダーと呼ばれるタイプ
の装置であり、強力な圧縮、せん断力等を作用させるこ
とを特長とする装置である。フィラー成分をまとめて仕
込んでから分散させてもよいが、フィラーの種類毎に最
適な分散条件が異なるため、それぞれ別個に分散してマ
スターバッチを作製しておき、これらを後で配合し所定
の組成の液状電波干渉防止組成物を作製するのが好まし
い。
【0037】一例として、グラファイト化カーボンブラ
ック粒子の分散方法を示す。あらかじめ、グラファイト
化カーボンブラックを仕込み、数分間解砕を行う。この
後、絶縁性基体の樹脂成分を、グラファイト化カーボン
ブラックが均一ペーストとなるのに必要な最低限の重量
部のみ添加し初期混練を行う。この方法により極めて高
い圧縮、せん断力等を作用させることができる。30分
から2時間このような混練を行う。
【0038】初期混練において必要以上の樹脂成分を添
加するとペーストの粘度が低下し必要な圧縮、せん断力
等を作用させられない。また、樹脂成分が少なすぎる場
合には、ペースト全体に均一な圧縮、せん断力等を作用
させられないため均質なペーストとすることができな
い。初期混練の終了したペーストはこの後、ニーダー、
ミキサー等の任意の手段により、追加の樹脂成分を添加
し所定の組成のペーストを作製する。樹脂成分の追加混
合の目的には高いせん断力等は必要ではないので汎用の
ミキサー等を使用できる。このようにしてマスターバッ
チを作製する。
【0039】導電性繊維および磁性粒子を含有するマス
ターバッチの作製もグラファイト化カーボンブラックの
場合と同様にして行うことができる。
【0040】次に、得られた各マスターバッチを混合し
所定の組成にし、さらに溶剤などを添加することにより
所望の粘度に調整する。また、必要に応じて硬化剤、重
合開始剤、架橋剤などの添加剤を加えて、最終的に組成
物として完成させる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明の液状電波干渉防
止組成物の製造及びEMI効果を例証する。
【0042】製造例 電波干渉防止体の製造について、マスターバッチの作製
工程と、その後の組成調整および成形工程の3段階に分
けて説明する。
【0043】第1工程:マスターバッチの作製 (1)グラファイト化カーボンブラックマスターバッチ
の作製 グラファイト化カーボンブラック粒子(グラファイト化
率31%(理学電機製エックス線回折装置RINT15
00を用い、ターゲットをCuとし、加速電圧50k
V、電流100mAで2θを10゜から100゜まで変
化させてエックス線回折測定を行い、得られた回折図に
おける(002)面に対応するピーク面積より結晶質の
グラファイトの存在比率(グラファイト化率)を算出し
た。)、粒子径30nm)220gをニーダー(入江商
会製卓上ニーダー 51用PNV−5H型)に投入し1
0分間運転し解砕を行う。これにシリコーン樹脂(東芝
シリコーン製TSE3032(複素比誘電率:実数部
2.9、虚数部0.0026)、主剤)1351gを添
加し、ニーダーを水冷しながら混練を2時間行う。次
に、シリコーン樹脂(東芝シリコーン製TSE303
2、主剤)2451gを1時間かけて滴下し、カーボン
ブラックマスターバッチを作製した。カーボンブラック
含有量は14.0wt%であった。
【0044】(2)導電性繊維マスターバッチの作製 炭素繊維(長さ40ミクロン、東邦レーヨン製ベスファ
イトHTA−CMFタイプ)2000gをニーダー(入
江商会製卓上ニーダー51用PNV−5H型)に投入し
10分間運転し解砕を行う。これにシリコーン樹脂(東
芝シリコーン製TES3032、主剤)2000gを添
加しニーダーを水冷しながら混練を2時間行い、炭素繊
維マスターバッチを作製した。炭素繊維含有量は50wt
%である。長さが1mmと3mmの炭素繊維についても
同様に混練し、炭素繊維含有量50wt%のマスターバッ
チを作製した。
【0045】(3)磁性粒子(フェライト)マスターバ
ッチの作製 ソフトフェライト粒子(戸田工業製MAT−305、保
磁力:5エルステッド)2000gをニーダー(入江商
会製卓上ニーダー51用PNV−5H型)に投入し10
分間運転し解砕を行う。これにシリコーン樹脂(東芝シ
リコーン製TSE3032、主剤)2000gを添加し
ニーダーを水冷しながら混練を2時間行い、フェライト
マスターバッチを作製した。フェライト含有量は50wt
%であった。
【0046】第2工程:組成調整 グラファイト化カーボンブラック複合粒子マスターバッ
チから8.57g、3mm炭素繊維マスターバッチから
1.8g及び磁性粒子マスターバッチから1.8gをそ
れぞれをとりわけ、さらにシリコーン樹脂(主剤)1
9.21gを添加し、脱泡ミキサー用の容器に入れ、脱
泡ミキサーに8分間かけて混合した。次に、シリコーン
樹脂(硬化剤)を2.56g添加し、さらに2分間混合
した。得られた組成物の粘度を、RION社製の粘度計(VI
SCOTESTER VT-04型)で測定したところ、750Pであ
った。
【0047】第3工程:成形 硬化剤を添加後の組成物をコーキングガンに充填した。
比較例のための対照サンプルとしてシート状電波干渉防
止体を作製した。すなわち、第2工程で得られた組成物
を1mm厚さ用の型を使用して、テストプレス機を用い
て120℃で1分間加熱した。テストプレス機から取出
し後、更に120℃のオーブンに1時間保持し、完全に
硬化させ、厚さ1mmのシート状電波干渉防止体を作製
した。
【0048】実施例1 100MHzを基本周波数とする水晶発振器を搭載した
基板をノイズ源として、アルミ板で作製したシールドボ
ックスの底面に取付けた。シールドボックスの外形は、
高さ100mm、幅200mm、奥行き300mmであ
る。本体、上蓋、下蓋の3ピース構造であり、上蓋及び
下蓋を本体にネジ止めする構造となっている。硬化剤含
有電波干渉防止組成物が充填されたコーキングガンか
ら、この組成物を押出し、本体と上蓋、本体と下蓋の間
に塗付け、上蓋及び下蓋を本体にネジ止めした後、10
0℃のオーブンに4時間静置した後、オーブンから取出
した。電波干渉防止組成物の塗布された部分には、厚さ
1mmのガスケットが形成されていた。
【0049】実施例2 ガスケット無しで本体と下蓋をネジ止めした後、本体と
下蓋の接合部に、硬化剤含有電波干渉防止組成物をコー
キングガンを使用して塗り付けた。更に、硬化剤含有電
波干渉防止組成物を本体と上蓋との間にコーキングガン
を使用して塗り付け、その後、上蓋を本体にネジ止めし
た。この後、100℃のオーブンに4時間静置した後、
オーブンから取出した。電波干渉防止組成物の塗布され
た本体と上蓋との間には、厚さ1mmのガスケットが形
成されていた。
【0050】実施例3 硬化剤含有電波干渉防止組成物をコーキングガンを使用
して、基板上の発振器部分に塗り付けて、厚さ3mmに
モールドした。本体と上蓋、本体と下蓋の間には、それ
ぞれガスケットとして、厚さ1mmのシート状電波干渉
防止体を装着した。ガスケットの幅は20mmであっ
た。
【0051】比較例1 基板上の発振器が露出されたままの状態で、本体と上
蓋、本体と下蓋の間には、それぞれガスケットとして、
厚さ1mmのシート状電波干渉防止体を装着した。ガス
ケットの幅は20mmであった。
【0052】ノイズ測定 オープンサイトにおいて、3m(メートル)法に準じて
放射ノイズ測定を行った。比較例1のノイズレベルを0
dBとして表示した。測定結果を下記の表1に要約して
示す。 表1:放射ノイズレベル測定結果 放射ノイズレベル(dB) 100MHz 200MHz 300MHz 400MHz 500MHz 比較例1 0 0 0 0 0 実施例1 -5 -3 -6 -3 -7 実施例2 -4 -3 -3 -5 -6 実施例3 -2 -6 -7 -5 -10
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液状電波
干渉防止組成物は、従来のシート状電波吸収体では対応
するのが困難であったような、複雑な形状をした電磁波
発生源や筐体の隙間などに適用することができ、電磁波
防止効果を更に一層高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二川 佳央 神奈川県横浜市戸塚区上倉田町884番地1 戸塚ハイライズ229 (72)発明者 千野 勝 神奈川県横須賀市林1丁目2番3号 (72)発明者 北畑 慎一 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 西田 雅人 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 佐々木 勇治 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5E321 AA03 BB32 BB34 BB44 BB53 BB60 CC22 GG05 GG11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維又は磁性粒子の少なくとも一種
    と、グラファイト化カーボンブラックとが絶縁性基体中
    に分散配合されており、前記グラファイト化カーボンブ
    ラックが、前記炭素繊維又は磁性粒子との合計量に対し
    て重量比で0.3〜5の割合で配合されており、粘度が
    10P〜10000Pの範囲内であることを特徴とする
    液状電波干渉防止組成物。
JP11039367A 1999-02-18 1999-02-18 液状電波干渉防止組成物 Withdrawn JP2000244173A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11039367A JP2000244173A (ja) 1999-02-18 1999-02-18 液状電波干渉防止組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11039367A JP2000244173A (ja) 1999-02-18 1999-02-18 液状電波干渉防止組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000244173A true JP2000244173A (ja) 2000-09-08

Family

ID=12551098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11039367A Withdrawn JP2000244173A (ja) 1999-02-18 1999-02-18 液状電波干渉防止組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000244173A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002057485A (ja) * 2000-06-01 2002-02-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The 電波吸収体組成物
JP2002151884A (ja) * 2000-11-15 2002-05-24 Yokohama Rubber Co Ltd:The 電波吸収構造体
WO2005101941A1 (ja) * 2004-03-30 2005-10-27 Geltec Co., Ltd. 電磁波吸収体
JP2007208121A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Bridgestone Corp 電波吸収体用ゴム組成物、その配合方法及び製造方法、並びに電波吸収シート
WO2008087688A1 (ja) * 2007-01-18 2008-07-24 Toda Kogyo Corporation 導電・磁性フィラー、それを含む樹脂組成物、それを用いた電磁波干渉抑制用シート及び用途及び電磁波干渉抑制シートの製造方法
JP2009278137A (ja) * 2003-04-18 2009-11-26 Nitta Ind Corp 電磁波吸収材料
WO2013146221A1 (ja) * 2012-03-28 2013-10-03 住友重機械工業株式会社 ショベル

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002057485A (ja) * 2000-06-01 2002-02-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The 電波吸収体組成物
JP2002151884A (ja) * 2000-11-15 2002-05-24 Yokohama Rubber Co Ltd:The 電波吸収構造体
JP2009278137A (ja) * 2003-04-18 2009-11-26 Nitta Ind Corp 電磁波吸収材料
WO2005101941A1 (ja) * 2004-03-30 2005-10-27 Geltec Co., Ltd. 電磁波吸収体
JP2007208121A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Bridgestone Corp 電波吸収体用ゴム組成物、その配合方法及び製造方法、並びに電波吸収シート
WO2008087688A1 (ja) * 2007-01-18 2008-07-24 Toda Kogyo Corporation 導電・磁性フィラー、それを含む樹脂組成物、それを用いた電磁波干渉抑制用シート及び用途及び電磁波干渉抑制シートの製造方法
WO2013146221A1 (ja) * 2012-03-28 2013-10-03 住友重機械工業株式会社 ショベル
JPWO2013146221A1 (ja) * 2012-03-28 2015-12-10 住友重機械工業株式会社 ショベル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100059243A1 (en) Anti-electromagnetic interference material arrangement
US5366664A (en) Electromagnetic shielding materials
CN107912012B (zh) 一种电磁波屏蔽/吸收复合贴片及其制备方法
US20070196671A1 (en) Electromagnetic wave absorber
US5399295A (en) EMI shielding composites
JP4699388B2 (ja) 誘電性素材、アンテナ装置、携帯電話機及び電磁波遮蔽体
CN104039121B (zh) 一种吸波导磁屏蔽膜及其制作方法
CN102020899A (zh) 复合涂层电磁屏蔽涂料及其制备的复合涂层电磁屏蔽材料
US6001282A (en) Electromagnetic shield
JP2007129179A (ja) 導電・磁性フィラー、電磁波干渉抑制用シート、高周波信号用フラットケーブル、フレキシブルプリント基板及び電磁波干渉抑制シートの製造方法
US6037400A (en) Composition for prevention of electric wave in wide range and electric wave absorber coping with all directions using same
CN105199169A (zh) 一种吸波材料及其制备方法
KR100874689B1 (ko) 방열, 전자파 차폐, 및 전자파와 충격 흡수 특성이 향상된 롤 타입 복합 시트 및 그 제조 방법
JP2000244173A (ja) 液状電波干渉防止組成物
GB2198734A (en) Emi shielding composites
GB2463017A (en) Anti-electromagnetic interference material arrangement
JP2005286190A (ja) 電磁波吸収体
CN109971300A (zh) 一种吸波涂层及其制备方法
JP2000244167A (ja) 電磁波障害防止材
JP2003243877A (ja) 防磁性組成物、防磁性シート及び電源ケーブル
JPH1027986A (ja) 電波吸収体
JP2000244178A (ja) 電波干渉防止体
JP2000244174A (ja) 電波干渉防止体及び電波干渉防止体の使用方法
JP2000244175A (ja) 電波干渉防止体
KR102167063B1 (ko) 전자파 차폐용 가스켓 제조용 조성물 및 전자파 차폐용 가스켓

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060509