JP2000243647A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents
積層セラミックコンデンサInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 容量抜けの発生しない積層セラミックコンデ
ンサを提供することを目的とするものである。 【解決手段】 上部無効層4と下部無効層3を有し、そ
の間に有効層2と内部電極5とを交互に複数層積層した
焼結体11と、その両端部に内部電極5と電気的に接続
するように形成した一対の外部電極12を備えた積層セ
ラミックコンデンサにおいて、内部電極5を焼結体11
の少なくとも一方の無効層側に片寄せ、その一方の端部
を有効層2を挟んで対向する焼結体11の異なる端面6
に交互に露出させると共に、上部無効層4、及び下部無
効層3の厚さを有効層2の厚さより厚くする。
ンサを提供することを目的とするものである。 【解決手段】 上部無効層4と下部無効層3を有し、そ
の間に有効層2と内部電極5とを交互に複数層積層した
焼結体11と、その両端部に内部電極5と電気的に接続
するように形成した一対の外部電極12を備えた積層セ
ラミックコンデンサにおいて、内部電極5を焼結体11
の少なくとも一方の無効層側に片寄せ、その一方の端部
を有効層2を挟んで対向する焼結体11の異なる端面6
に交互に露出させると共に、上部無効層4、及び下部無
効層3の厚さを有効層2の厚さより厚くする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層セラミックコン
デンサ(以降、積層コンデンサと称する)に関するもの
である。
デンサ(以降、積層コンデンサと称する)に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の積層コンデンサについて、図8〜
図14を用いて説明する。
図14を用いて説明する。
【0003】先ず、公知の積層コンデンサ製造方法を用
い、誘電体セラミック42のグリーンシートを作製す
る。
い、誘電体セラミック42のグリーンシートを作製す
る。
【0004】次に作成した誘電体セラミック42のグリ
ーンシートを複数枚積層し上部無効層44と下部無効層
43を作製する。
ーンシートを複数枚積層し上部無効層44と下部無効層
43を作製する。
【0005】次いで下部無効層43面上に誘電体セラミ
ック42のグリーンシートを積層し、その上に第一層目
の内部電極45を印刷した後、第一層目の内部電極45
上に誘電体セラミック42のグリーンシートを積層し、
第一層目の有効層52とし、その上に第一層目の内部電
極45と対になる第二層目の内部電極45を印刷する。
続いて第二層目の内部電極45上に誘電体セラミック4
2のグリーンシートを積層し、第二層目の有効層52と
し、その上に第二層目の内部電極45と対になる第三層
目の内部電極45を第一層目の上部位置に印刷し、最後
に上部無効層44を重ね加圧積層して積層体グリーンブ
ロック(図示せず)を作製する。
ック42のグリーンシートを積層し、その上に第一層目
の内部電極45を印刷した後、第一層目の内部電極45
上に誘電体セラミック42のグリーンシートを積層し、
第一層目の有効層52とし、その上に第一層目の内部電
極45と対になる第二層目の内部電極45を印刷する。
続いて第二層目の内部電極45上に誘電体セラミック4
2のグリーンシートを積層し、第二層目の有効層52と
し、その上に第二層目の内部電極45と対になる第三層
目の内部電極45を第一層目の上部位置に印刷し、最後
に上部無効層44を重ね加圧積層して積層体グリーンブ
ロック(図示せず)を作製する。
【0006】次に作製した積層体グリーンブロックを、
図8に示すグリーンチップ41の形状に切断する。グリ
ーンチップ41の第一層目と第三層目の内部電極45の
一方の端部が、その端面46のほぼ中央部に、第二層目
の内部電極45の端部が反対側の端面46のほぼ中央部
に露出するように印刷、積層されている。
図8に示すグリーンチップ41の形状に切断する。グリ
ーンチップ41の第一層目と第三層目の内部電極45の
一方の端部が、その端面46のほぼ中央部に、第二層目
の内部電極45の端部が反対側の端面46のほぼ中央部
に露出するように印刷、積層されている。
【0007】次いで、グリーンチップ41を所定温度で
焼成し焼結体47を作製する。
焼成し焼結体47を作製する。
【0008】得られた焼結体47はバレル研磨で図10
に示すように面取りを行い、内部に形成された内部電極
45の一方の端部を、それぞれ焼結体47の端面46に
完全に露出させた後、焼結体47の内部電極45が露出
した端面46部を覆うように外部電極48を形成し、図
11に示すような積層コンデンサ49を製造する方法が
一般に知られている。
に示すように面取りを行い、内部に形成された内部電極
45の一方の端部を、それぞれ焼結体47の端面46に
完全に露出させた後、焼結体47の内部電極45が露出
した端面46部を覆うように外部電極48を形成し、図
11に示すような積層コンデンサ49を製造する方法が
一般に知られている。
【0009】また図14に示すようなT型内部電極50
を形成した積層コンデンサ49も知られている。
を形成した積層コンデンサ49も知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の積
層コンデンサ49は、内部に形成された内部電極45の
端部全体を、焼結体47の端面46に完全に露出させる
には長時間のバレル研磨時間が必要で研磨時間が短い場
合は、研磨後に焼結体47の端面46に形成する外部電
極48と内部電極45端部との電気的接続が不完全とな
り、所謂静電容量抜けが発生するという問題点があっ
た。またT型内部電極50を形成した場合は、T型内部
電極50端部が露出したコーナー51近傍で誘電体セラ
ミック42同士の密着強度が低下し、層間剥離が発生す
るという問題点があった。
層コンデンサ49は、内部に形成された内部電極45の
端部全体を、焼結体47の端面46に完全に露出させる
には長時間のバレル研磨時間が必要で研磨時間が短い場
合は、研磨後に焼結体47の端面46に形成する外部電
極48と内部電極45端部との電気的接続が不完全とな
り、所謂静電容量抜けが発生するという問題点があっ
た。またT型内部電極50を形成した場合は、T型内部
電極50端部が露出したコーナー51近傍で誘電体セラ
ミック42同士の密着強度が低下し、層間剥離が発生す
るという問題点があった。
【0011】本発明は前記従来の問題点を解決し、比較
的短時間のバレル研磨で内部電極の一方の端部全体を焼
結体の端面に確実に露出させ、形成した外部電極と確実
に電気的接続を確保することができる積層コンデンサを
提供することを目的とするものである。
的短時間のバレル研磨で内部電極の一方の端部全体を焼
結体の端面に確実に露出させ、形成した外部電極と確実
に電気的接続を確保することができる積層コンデンサを
提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、上下層に無効層を有し、その間に有効層と
内部電極とを交互に複数層積層した積層体と、前記積層
体の両端部に前記内部電極と電気的に接続するように形
成した一対の外部電極を備えた積層コンデンサにおい
て、前記内部電極を積層体の少なくとも一方の無効層側
に片寄せて、その一方の端部を前記有効層を挟んで対向
する積層体の異なる端面に交互に露出させると共に、上
下無効層の厚さを有効層の厚さより厚く積層するもので
ある。これによれば、内部電極の端部はバレル研磨時に
被研磨量の大きい焼結体の稜に近い位置に露出している
ため、比較的短い時間のバレル研磨で内部電極の一方の
端部全体を確実に焼結体端面に露出させることが可能と
なる。
に本発明は、上下層に無効層を有し、その間に有効層と
内部電極とを交互に複数層積層した積層体と、前記積層
体の両端部に前記内部電極と電気的に接続するように形
成した一対の外部電極を備えた積層コンデンサにおい
て、前記内部電極を積層体の少なくとも一方の無効層側
に片寄せて、その一方の端部を前記有効層を挟んで対向
する積層体の異なる端面に交互に露出させると共に、上
下無効層の厚さを有効層の厚さより厚く積層するもので
ある。これによれば、内部電極の端部はバレル研磨時に
被研磨量の大きい焼結体の稜に近い位置に露出している
ため、比較的短い時間のバレル研磨で内部電極の一方の
端部全体を確実に焼結体端面に露出させることが可能と
なる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、上下に無効層を有し、その間に誘電体セラミック有
効層と内部電極とを交互に複数層積層した積層体と、前
記積層体の両端部に前記内部電極と電気的に接続するよ
うに形成した一対の外部電極を備えた積層コンデンサに
おいて、前記内部電極を前記積層体の少なくとも一方の
無効層側に片寄せて積層すると共に、その一方の端部を
前記誘電体セラミック有効層を挟んで、対向する積層体
の異なる端面に交互に露出させたことを特徴とする積層
コンデンサである。これにより内部電極の端部は積層コ
ンデンサ焼結体の被研磨量が大きい稜部に近い側に露出
しているため、比較的短い時間のバレル研磨で、内部電
極の一方の端部全体を確実に焼結体端面に露出させるこ
とが可能となる。
は、上下に無効層を有し、その間に誘電体セラミック有
効層と内部電極とを交互に複数層積層した積層体と、前
記積層体の両端部に前記内部電極と電気的に接続するよ
うに形成した一対の外部電極を備えた積層コンデンサに
おいて、前記内部電極を前記積層体の少なくとも一方の
無効層側に片寄せて積層すると共に、その一方の端部を
前記誘電体セラミック有効層を挟んで、対向する積層体
の異なる端面に交互に露出させたことを特徴とする積層
コンデンサである。これにより内部電極の端部は積層コ
ンデンサ焼結体の被研磨量が大きい稜部に近い側に露出
しているため、比較的短い時間のバレル研磨で、内部電
極の一方の端部全体を確実に焼結体端面に露出させるこ
とが可能となる。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、無効層
の厚さを、内部電極間に挟まれた有効層の厚さより厚く
したことを特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ
である。これにより無効層の厚さを有効層の厚さより厚
くしているため、バレル研磨後に積層コンデンサの端面
部に形成した外部電極の廻り込み部分と、内部電極の露
出させていないもう一方の端部との絶縁距離が有効層よ
り厚くなり、積層コンデンサの外部電極間に高電圧を印
加した時の耐圧絶縁破壊は絶縁距離が小さい有効層間で
発生するため、外部電極と内部電極の露出させていない
もう一方の端部との間で耐圧絶縁破壊電圧を低下させな
いという作用を有するものである。
の厚さを、内部電極間に挟まれた有効層の厚さより厚く
したことを特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ
である。これにより無効層の厚さを有効層の厚さより厚
くしているため、バレル研磨後に積層コンデンサの端面
部に形成した外部電極の廻り込み部分と、内部電極の露
出させていないもう一方の端部との絶縁距離が有効層よ
り厚くなり、積層コンデンサの外部電極間に高電圧を印
加した時の耐圧絶縁破壊は絶縁距離が小さい有効層間で
発生するため、外部電極と内部電極の露出させていない
もう一方の端部との間で耐圧絶縁破壊電圧を低下させな
いという作用を有するものである。
【0015】以下、本発明の一実施形態について図を用
いて説明する。
いて説明する。
【0016】(実施の形態1)図1から図7に本発明の
一実施形態の積層コンデンサを示した。図において、1
はグリーンチップ、2は有効層、3は下部無効層、4は
上部無効層、5は内部電極、6は端面、7は平面、8は
側面、9は稜部、10は誘電体セラミックシート、11
は焼結体、12は外部電極、13は積層コンデンサであ
る。
一実施形態の積層コンデンサを示した。図において、1
はグリーンチップ、2は有効層、3は下部無効層、4は
上部無効層、5は内部電極、6は端面、7は平面、8は
側面、9は稜部、10は誘電体セラミックシート、11
は焼結体、12は外部電極、13は積層コンデンサであ
る。
【0017】先ず、誘電体セラミック粉末とバインダ
ー、及び可塑剤を混合分散したスラリーからリバースロ
ール成形法を用い、厚さ20μmの誘電体セラミックシ
ート10を作製する。
ー、及び可塑剤を混合分散したスラリーからリバースロ
ール成形法を用い、厚さ20μmの誘電体セラミックシ
ート10を作製する。
【0018】次に、作製した誘電体セラミックシート1
0を33枚積層し下部無効層3と5枚積層して上部無効
層4を作製する。
0を33枚積層し下部無効層3と5枚積層して上部無効
層4を作製する。
【0019】次いで、下部無効層3の上に誘電体セラミ
ックシート10を積層し、その面に第一層目の内部電極
5を印刷した後、第一層目の内部電極5の上に誘電体セ
ラミックシート10を積層し有効層2とする。続いて、
第一層目の内部電極5と対になる第二層目の内部電極5
を印刷した後、第二層目の内部電極5の上に誘電体セラ
ミックシート10を積層し有効層2とし、その上に第二
層目の内部電極5と対になる第三層目の内部電極を、第
一層目の内部電極5の上部位置に印刷する。更に、その
上に上部無効層4を重ね加圧積層して積層体グリーンブ
ロック(図示せず)を作製する。
ックシート10を積層し、その面に第一層目の内部電極
5を印刷した後、第一層目の内部電極5の上に誘電体セ
ラミックシート10を積層し有効層2とする。続いて、
第一層目の内部電極5と対になる第二層目の内部電極5
を印刷した後、第二層目の内部電極5の上に誘電体セラ
ミックシート10を積層し有効層2とし、その上に第二
層目の内部電極5と対になる第三層目の内部電極を、第
一層目の内部電極5の上部位置に印刷する。更に、その
上に上部無効層4を重ね加圧積層して積層体グリーンブ
ロック(図示せず)を作製する。
【0020】続いて、作製した積層体グリーンブロック
を長さ1.6mm、幅0.8mm、厚さ0.8mm形状
に切断し、図1に示す本発明のグリーンチップ1を得
る。この時、内部電極5はグリーンチップ1の一方の無
効層4側に片寄せた状態で端面に露出している。
を長さ1.6mm、幅0.8mm、厚さ0.8mm形状
に切断し、図1に示す本発明のグリーンチップ1を得
る。この時、内部電極5はグリーンチップ1の一方の無
効層4側に片寄せた状態で端面に露出している。
【0021】次に、グリーンチップ1を所定温度で焼成
し焼結体11を作製した。
し焼結体11を作製した。
【0022】次いで、焼結体11を25分間バレル研磨
を行い、内部に形成された内部電極5の一方の端部全体
を焼結体11の端面6に露出させた。この時、図3に示
す様に内部電極5端部は焼結体11の被研磨量が大きい
無効層4の稜部9側に近い位置に露出しているため、2
5分間の短い時間のバレル研磨で内部電極5の端部全体
を、焼結体11の対向する端面6にそれぞれ確実に露出
させることが可能となる。
を行い、内部に形成された内部電極5の一方の端部全体
を焼結体11の端面6に露出させた。この時、図3に示
す様に内部電極5端部は焼結体11の被研磨量が大きい
無効層4の稜部9側に近い位置に露出しているため、2
5分間の短い時間のバレル研磨で内部電極5の端部全体
を、焼結体11の対向する端面6にそれぞれ確実に露出
させることが可能となる。
【0023】その後、内部電極5端部を露出させた焼結
体11の端面6部を覆うように外部電極12を形成し、
図4に示すような積層コンデンサ13を完成させた。
体11の端面6部を覆うように外部電極12を形成し、
図4に示すような積層コンデンサ13を完成させた。
【0024】このようにして作製した本発明の積層コン
デンサ13と、従来例の積層コンデンサ49各々100
個を、20℃の室温中で、測定信号1MHz・1Vrm
sで静電容量の測定を行い、その結果を(表1)に示し
た。尚試料の積層コンデンサは、公称静電容量値1.0
pF、静電容量許容差±0.25pF、静電容量温度特
性CH特性のものを用いた。
デンサ13と、従来例の積層コンデンサ49各々100
個を、20℃の室温中で、測定信号1MHz・1Vrm
sで静電容量の測定を行い、その結果を(表1)に示し
た。尚試料の積層コンデンサは、公称静電容量値1.0
pF、静電容量許容差±0.25pF、静電容量温度特
性CH特性のものを用いた。
【0025】
【表1】
【0026】(表1)から明らかなように本発明の積層
コンデンサ13は、静電容量不良品が発生していないの
に対し、従来の積層コンデンサ49は13個の静電容量
小不良が発生している。これは従来の積層コンデンサ4
9の焼結体47の端面46に内部電極45の端部が完全
に露出していないため、バレル研磨後に焼結体47の端
部に形成した外部電極48と内部電極45端部との間で
合金化が不十分となり電気的接続が不完全で静電容量小
不良が発生したものと思われる。これを確認するため、
本発明の積層コンデンサ13、と従来の積層コンデンサ
49の静電容量良品各30個と、積層コンデンサ49の
静電容量小不良品13個を樹脂に埋め込み研磨を行い、
内部電極5、45と外部電極12、48との間の接続状
態を調べた結果、静電容量良品は何れも内部電極5、4
5と外部電極12、48との間で完全に合金化が為され
ているのに対し、不良品は全て内部電極45と外部電極
48との合金化反応が不十分な箇所が確認された。尚、
従来の積層コンデンサ49についても55分間以上バレ
ル研磨を行うことにより静電容量不良品を低減させるこ
とは可能であるが、焼結体47のすべての稜が必要以上
に研磨され直方体形状を保つことができず好ましくな
い。また、データとして示していないが、上部無効層4
の厚さを有効層2の厚さより厚くしているため、積層コ
ンデンサ13の外部電極12間に1.5kvの直流高電
圧を印加した時、絶縁破壊は絶縁距離の短い有効層2間
で発生し、外部電極12の廻り込み部と内部電極5の露
出させていないもう一方の端部との間で絶縁破壊が発生
しないことが確認されている。更に、内部電極5の側辺
部と焼結体11の側面8との間の内部電極5非形成部を
十分大きく設けているため有効層2間同士の接着強度が
大きく、層間剥離の発生は無かった。又更に、本実施形
態では内部電極5を上部無効層4側に片寄せて露出させ
たが、図7に示すように上部無効層4と下部無効層3の
厚さを同じにし、両側面8とのコーナー部の2箇所に内
部電極5端部を露出させた場合においても、静電容量の
バラツキ幅の小さい、層間剥離の発生しない優れた積層
コンデンサ13を得ることができることも確認されてい
る。
コンデンサ13は、静電容量不良品が発生していないの
に対し、従来の積層コンデンサ49は13個の静電容量
小不良が発生している。これは従来の積層コンデンサ4
9の焼結体47の端面46に内部電極45の端部が完全
に露出していないため、バレル研磨後に焼結体47の端
部に形成した外部電極48と内部電極45端部との間で
合金化が不十分となり電気的接続が不完全で静電容量小
不良が発生したものと思われる。これを確認するため、
本発明の積層コンデンサ13、と従来の積層コンデンサ
49の静電容量良品各30個と、積層コンデンサ49の
静電容量小不良品13個を樹脂に埋め込み研磨を行い、
内部電極5、45と外部電極12、48との間の接続状
態を調べた結果、静電容量良品は何れも内部電極5、4
5と外部電極12、48との間で完全に合金化が為され
ているのに対し、不良品は全て内部電極45と外部電極
48との合金化反応が不十分な箇所が確認された。尚、
従来の積層コンデンサ49についても55分間以上バレ
ル研磨を行うことにより静電容量不良品を低減させるこ
とは可能であるが、焼結体47のすべての稜が必要以上
に研磨され直方体形状を保つことができず好ましくな
い。また、データとして示していないが、上部無効層4
の厚さを有効層2の厚さより厚くしているため、積層コ
ンデンサ13の外部電極12間に1.5kvの直流高電
圧を印加した時、絶縁破壊は絶縁距離の短い有効層2間
で発生し、外部電極12の廻り込み部と内部電極5の露
出させていないもう一方の端部との間で絶縁破壊が発生
しないことが確認されている。更に、内部電極5の側辺
部と焼結体11の側面8との間の内部電極5非形成部を
十分大きく設けているため有効層2間同士の接着強度が
大きく、層間剥離の発生は無かった。又更に、本実施形
態では内部電極5を上部無効層4側に片寄せて露出させ
たが、図7に示すように上部無効層4と下部無効層3の
厚さを同じにし、両側面8とのコーナー部の2箇所に内
部電極5端部を露出させた場合においても、静電容量の
バラツキ幅の小さい、層間剥離の発生しない優れた積層
コンデンサ13を得ることができることも確認されてい
る。
【0027】以上の結果から、本発明の積層コンデンサ
13は、比較的短い時間のバレル研磨で内部電極5端部
全体を、それぞれ確実に焼結体11の端面6に露出させ
ることができ、焼結体11の端部に形成する外部電極1
2との電気的接続を確保した信頼性の高い積層コンデン
サ13を得ることが出来る。又本発明の積層コンデンサ
13は内部電極5の積層数の少ない、低静電容量タイプ
の積層コンデンサ13に対し特に有効な手段となる。
13は、比較的短い時間のバレル研磨で内部電極5端部
全体を、それぞれ確実に焼結体11の端面6に露出させ
ることができ、焼結体11の端部に形成する外部電極1
2との電気的接続を確保した信頼性の高い積層コンデン
サ13を得ることが出来る。又本発明の積層コンデンサ
13は内部電極5の積層数の少ない、低静電容量タイプ
の積層コンデンサ13に対し特に有効な手段となる。
【0028】
【発明の効果】以上本発明によれば、積層コンデンサの
グリーン積層体をグリーンチップ形状に切断した際に、
内部電極がグリーンチップの少なくとも一方の無効層側
に片寄せた状態となるように積層することにより、内部
電極の一方の端部は焼結体のバレル研磨で被研磨量が大
きい焼結体の稜部に近い位置に露出している。このため
比較的短い時間のバレル研磨で内部電極の一方の端部を
確実に焼結体端面に露出させられる。従ってバレル研磨
後に焼結体端部に形成する外部電極と内部電極端部との
電気的接続を確実なものにすることが可能となり、所謂
静電容量抜けが発生しない信頼性の高い積層コンデンサ
を提供することが可能となる。また本発明は内部電極の
積層数の少ない低容量タイプの積層コンデンサに対し特
に有効な手段となるものである。
グリーン積層体をグリーンチップ形状に切断した際に、
内部電極がグリーンチップの少なくとも一方の無効層側
に片寄せた状態となるように積層することにより、内部
電極の一方の端部は焼結体のバレル研磨で被研磨量が大
きい焼結体の稜部に近い位置に露出している。このため
比較的短い時間のバレル研磨で内部電極の一方の端部を
確実に焼結体端面に露出させられる。従ってバレル研磨
後に焼結体端部に形成する外部電極と内部電極端部との
電気的接続を確実なものにすることが可能となり、所謂
静電容量抜けが発生しない信頼性の高い積層コンデンサ
を提供することが可能となる。また本発明は内部電極の
積層数の少ない低容量タイプの積層コンデンサに対し特
に有効な手段となるものである。
【図1】本発明の一実施形態の積層コンデンサのグリー
ンチップの斜視図
ンチップの斜視図
【図2】同、グリーンチップの展開図
【図3】同、バレル研磨済み焼結体の斜視図
【図4】同、完成品の斜視図
【図5】同、完成品の側面断面図
【図6】同、完成品の平面断面図
【図7】同、内部電極端部を端面の2箇所に露出させた
積層コンデンサのグリーンチップの斜視図
積層コンデンサのグリーンチップの斜視図
【図8】従来例の積層コンデンサのグリーンチップの斜
視図
視図
【図9】同、グリーンチップの展開図
【図10】同、バレル研磨済み焼結体の斜視図
【図11】同、完成品の斜視図
【図12】同、完成品の側面断面図
【図13】同、完成品の平面断面図
【図14】同、T型内部電極を形成した完成品の平面断
面図
面図
1 グリーンチップ 2 有効層 3 下部無効層 4 上部無効層 5 内部電極 6 端面 7 平面 8 側面 9 稜部 10 誘電体セラミックシート 11 焼結体 12 外部電極 13 積層コンデンサ 52 有効層
Claims (2)
- 【請求項1】 上下に無効層を有し、その間に誘電体セ
ラミック有効層と内部電極とを交互に複数層積層した積
層体と、前記積層体の両端部に前記内部電極と電気的に
接続するように形成した一対の外部電極を備えた積層セ
ラミックコンデンサにおいて、前記内部電極を前記積層
体の少なくとも一方の無効層側に片寄せて積層すると共
に、その一方の端部を前記誘電体セラミック有効層を挟
んで対向する積層体の異なる端面に交互に露出させたこ
とを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項2】 無効層の厚さを、内部電極に挟まれた誘
電体セラミック有効層の厚さより厚くしたことを特徴と
する請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11041203A JP2000243647A (ja) | 1999-02-19 | 1999-02-19 | 積層セラミックコンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11041203A JP2000243647A (ja) | 1999-02-19 | 1999-02-19 | 積層セラミックコンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000243647A true JP2000243647A (ja) | 2000-09-08 |
Family
ID=12601870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11041203A Pending JP2000243647A (ja) | 1999-02-19 | 1999-02-19 | 積層セラミックコンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000243647A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-02-19 JP JP11041203A patent/JP2000243647A/ja active Pending
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